夢のシネマパラダイス216番シアター:パブリック・エネミーズ
パブリック・エネミーズ(2009年・アメリカ・141分)CS
監督:マイケル・マン
出演:ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール、ビリー・クラダップ、スティーヴン・ラング
内容:1930年代の大恐慌時代に銀行強盗を繰り返しながらも義賊として民衆に支持されたギャング、ジョン・デリンジャー。FBIは彼を“社会の敵No.1”として逮捕に全力を挙げていく・・・。
評価★★☆/50点
生きざまというよりは死にざまを描いた映画だけど、ジョン・デリンジャーの人となりがほとんど分からないまま何の感情もなく銀行強盗してドンパチやってるようにしか見えないので、印象としてはホントにラストの死に際しか残らない。
おそらくアメリカ人にはデリンジャーはものすごくメジャーな人で、そこらへんは描かなくても分かるってことなのかもしれないけど、何も知らないオイラにはこの描き方はキビシイものがあった。
パイレーツ俳優になったとはいえw、ハリウッドのアウトロー的存在感をいまだに有しているジョニデのキャラと乾いた映像美だけで引っ張っている映画といえばいいだろうか。
ジョニデファンにはたまらないんだろうけど、銀行強盗、ドンパチ、刑務所、脱獄のリフレインは退屈きわまりないものがあり・・・。
聞くところによるとデリンジャーは義賊だったみたいだけど、そこもあまり伝わってこなかったし。。
ただ、エンドロールまで監督がマイケル・マンだとは気付かず、、なるほどスタイリッシュな映像やクラシカルな男の世界観など合点がいくといえばいくんだけども、男しか描けないはずの監督がマリオン・コティヤールをこれだけ美しく撮れて刹那的なロマンチシズムを主軸に据えちゃうなんて思いもよらず。
その点ではマイケル・マンの新たな一面を見れたことだけは収穫だったかも。
でもそれが分かった上で見れば、やはり構成のぎこちなさというかドラマの単調さは気になるところで、ジョニデvsクリスチャン・ベイルのバシッとした男の対峙をこそ見たかった気も・・。
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ロード・トゥ・パーディション(2002年・アメリカ・117分)MOVIX仙台
監督:サム・メンデス
出演:トム・ハンクス、ポール・ニューマン、タイラー・ホークリン、ジュード・ロウ、ジェニファー・ジェイソン・リー、ダニエル・クレイグ
評価★★★☆/70点
内容:1931年のシカゴ。アイルランド系マフィアの幹部であるサリヴァンは、長男のマイケルに殺しの現場を目撃されてしまう。さらに、もともと彼が邪魔だったボスの息子コナーが、サリヴァンの妻と次男を殺害。サリヴァンは復讐を胸に、マイケルとともに逃避行に旅立つ。。
“題名に隠されたもうひとつの意味「地獄への道」、、、<聞いて地獄、見て地獄>なら文句なしに★5つ付けられただろうが、なぜかこの作品は地獄の一丁目で立ち止まったまま前に進もうとしない。”
<聞いて極楽、見て地獄>ならまだしも、この作品は<聞いて地獄、見てお上品>というこちらの燻りはじめた不満をうまくはぐらかされ、かわされながら結局その燻りは赤々とした炎になることなくラストまで観せられちゃったかんじ。
サム・メンデスにしてやられたな、と。。
素晴らしい映像に表向きは映画観たなぁという気にさせられるが、どこかで釈然としないわだかまりが胸の中にずっと燻り続けている。
それはつまるところ、ことごとく二項対立で配置された人物たちが、観ている自分の中で勝手にひとり歩きしないというところに行き着いてしまう。
まるでサム・メンデスの掌の上に乗るただの駒のような印象を抱いてしまうのだ。マイクはここ、ルーニーはここ、マイケルはここ、コナーはここ、と。
しかもその事前に割り当てられたマス目からはみ出ちゃダメだというような立ち位置で。そしてそこにサム・メンデスの圧倒的映像美のカーテンが覆いかぶさる。
それも映画のひとつの醍醐味ではあるのだけど、、しかし。。
物語の内容がベタであることは全くかまわない。
良くも悪くもほとんどの映画は基本的にベタなのだから。
問題は映画の中で息を吹きかけられた登場人物たちに味わいを感じなかった、もっと言えば高まる生の鼓動を感じなかった、そこにわだかまりが残ってしまうのだ。
とはいえ、ジュード・ロウ演じる見ていて虫酸が走る殺し屋になぜか味わいを感じてしまったのは何とも皮肉。
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グッドフェローズ
出演:レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ぺシ、ロレイン・ブラッコ、ポール・ソルヴィノ
監督・脚本:マーティン・スコセッシ
(1990年・アメリカ・145分)NHK-BS
内容:ヘンリーは幼い頃から“グッドフェローズ”と呼ばれるマフィアの世界に憧れ、12歳にして地元のボス、ポールの舎弟となる。兄貴分のジミーや、気はいいがキレやすいトミーと友情で結ばれる。やがて結婚し子供にも恵まれるのだが、ジミーの指揮した600万ドルの強奪事件が起こり、ヘンリーはFBIに内部告発を強要される。。名匠スコセッシが挑んだ本格的ギャングムービー。抗争や犯罪描写よりも、マフィアに憧れた1人の男の苦く空しい一生を軸に、組織内での生活、友情、そして裏切りを正攻法の人間ドラマとして描いているのが特色。
評価★★★/65点
中学生のときにビデオで観て、アメリカ人はとにかく「Fucking!」という言葉を使うのが好きなのだということが分かった。
しかし、なぜか学校の英語のテストには1回も出てこなかった・・・。
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カジノ(1995年・アメリカ・179分)NHK-BS
監督・脚本:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ぺシ、ジェームズ・ウッズ、ケヴィン・ポラック
内容:天才的な賭博の才を買われたサムはラスベガスのカジノを任され、らつ腕を振るって成功する。さらに女ハスラーのジンジャーと結婚し栄華を極めるが、年来の相棒ニッキーがラスベガスにやってきたことで事態は急変。マフィアとの癒着がFBIに知られ、サムの人間関係も崩壊していく・・・。
評価★★/45点
わめく岡本夏生、キレる爆問の田中、微笑むケツアゴ、、にしか見えなかった・・。
「ゴッドファーザー」を嫌っているというスコセッシとは相性が良くないってことに最近やっとで気付いたのだけど(笑)、この映画はその中でも最悪な部類。
そもそも独白モノローグで物語を転がしていく、しかも3時間ぶっ続けで、、そういうやり方は映画としてどうなんだろっていう・・・。
しかもデニーロとジョー・ぺシ2人の独白が交互に出てくるんだけど、それだったら真実は藪の中的なサスペンス要素を加味するとか起伏があってもいいものを、あまりにも淡白すぎて逆に空回りしちゃってる。
耐えがたき3時間でありました・・。
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