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2011年7月25日 (月)

夢のシネマパラダイス475番シアター:ズッコケ歴史スペクタクル!?

キングダム・オブ・ヘブン

20070422_281602 出演:オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、エドワード・ノートン

監督:リドリー・スコット

(2005年・アメリカ・145分)MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:12世紀のフランス。聖地エルサレム奪還を目指した十字軍遠征をモチーフに、父の遺志を継いで戦いに身を投じた青年の成長と恋、キリスト教とイスラム教の二大教徒の争いが壮大なスケールで描かれる歴史スペクタクル。

“メリハリからハリをことごとく消去した罪作りな編集により映画に込められた魂がイマイチ伝わってこないのが玉にキズ。しかし、自分好みの題材ということで、大甘も大甘の★4っつ。”

ぶっちゃけ3部作にしてもらった方が個人的にはよかったかも。。

いわばバリアンの魂の旅路を描いた映画ともいえる今作において、冒頭のバリアンの妻の自殺と司祭を殺害してしまう2つの“罪”のエピソードは非常に大きな意味をもつと思うのだけど、ここの描写からしてすでに拙速極まりない。

あれでは2つのエピソードがストーリー上エルサレムへと繋げるための単なるお膳立てにしか見えない。それゆえ、ゴルゴダの丘で神が現れるのをじっと待つバリアンの姿からは半分以上飛散してしまったおぼろげな魂しか感じ取ることができないのだ。映像に助けられてはいるが致命的。

この後時間を追うごとにバリアンの魂は作り手に削り取られ省略されて小さくなっていくわけで、一番の見せ場であるエルサレムの民を前にしての演説シーンではもはやもぬけの殻状態。

オーランド・ブルームに罪はない。

より大きなマーケットのための小さな悪だったと言い訳しかねない製作者の罪だ。

鍛冶屋に彫られていた“良き世を創るのが人の務め”という家訓、この映画にあてはめれば良き映画を創るのが監督の務め、ではなかろうか。

虫食い算のごとく、魂と心理描写の欠落を観る側でなんとか穴埋めしなければならない作品だが、必要最低限のことはやってもらわないとせっかくの興味をそそられる題材も台無しになってしまう。

そういう点でも、やはり脈絡のない編集がどうしても気になってしまう。サラディンの妹がいきなり出てきたり、いきなり戦闘になったり・・・。

まぁ、とはいえ大学で歴史考古学を専攻していた自分にとっては非常に興味深い映画だったのも確かで。

完全版があったら絶対観たいし、完全版の方が絶対オリジナルよりも出来はいいはず。リドリー・スコットだから、あるな、うん。

それを信じて★4っつ、、、は甘すぎかなぁ。こう整理してみると。。

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火天の城(2009年・東映・139分)WOWOW

 監督:田中光敏

 出演:西田敏行、福田沙紀、椎名桔平、大竹しのぶ、寺島進、笹野高史、夏八木勲、緒形直人

 内容:天正4年(1576年)、織田信長は安土城の築城を決意。熱田の宮大工、岡部又右衛門が城造りの総棟梁の座に選ばれるが、築城には数々の難題が待ち受けていた・・・。

評価★★★/60点

城造りだけで映画を一本作ってしまうという、まるでNHKのプロジェクトXみたいな野心的作品なのかと思いきや、水戸黄門ばりのベッタベタな時代劇になっていて、やや期待ハズレの割合の方が大きかったかなと。

ましてや、くの一・水野美紀のいきなりワイヤーアクションにはドン引きしちゃったしw、エピソード詰め込みすぎ・・・。

なんかこう劇的ビフォーアフター的な城造りのイロハや建築の醍醐味をもっと見たかったんだけどな。

木曽ヒノキのごとき大黒柱として西田敏行がデンと構えているわけだから、もうちょっと余裕のある監督の仕事の流儀てのを見せてもらいたかったな。

でも、この安土城って築城後わずか3年で焼失しちゃうんだよね。しかも火を放ったのが信長の次男というのがなんとも皮肉だよねぇ。。

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キング・アーサー(2004年・アメリカ・126分)WOWOW

 監督:アントワン・フークア

 出演:クライブ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィス、ステラン・スカルスガルド

 内容:アーサー王と円卓の騎士の物語をベースに、壮大なスケールで描かれる歴史スペクタクル。ローマ帝国の支配下にあったブリテンが独立を求めて蜂起。円卓の騎士を率いるローマ軍司令官のアーサーは、サクソンに囚われているローマ人救出の命を受けるが・・・。

評価★★/40点

“こいつら全員「コン・エアー」の囚人役で出てなかったか!?”

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アレキサンダー(2004年・アメリカ・173分)DVD

 監督・脚本:オリバー・ストーン

 出演:コリン・ファレル、アンジェリーナ・ジョリー、バル・キルマー、アンソニー・ホプキンス

 内容:紀元前336年、マケドニアの王が暗殺され、息子アレキサンダーが新しい王となった。若き王は世界を征服すべく兵を挙げる!史上初めて世界を統一したアレキサンダーの波乱に満ちた人生と死の真相に迫った、製作費200億円を投下したスペクタクル超駄作、、ん?超大作??

評価★★/40点

「アレキサンダーは誰にも好かれていなかった。」byプトレマイオス”

この一言に尽きる。。

ていうか、んなもん映画にするなよって話。あげくの果てにコリン・ファレル大王が耳障りな声でわめき散らす出川哲郎に見えてくる始末・・・。

観てるこっちがいつの間にか満身創痍になってしまう。。

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セブンソード(2005年・香港/中・153分)DVD

 監督:ツイ・ハーク

 出演:レオン・ライ、ドニー・イェン、チャーリー・ヤン、スン・ホンレイ、ラウ・カーリョン、ルー・イー

 内容:1660年、清王朝建国後の中国。満州族王朝の清は風火連城(スン・ホンレイ)の一味を使い、漢族ら反体制派の武術者たちを片っ端から死罪に処していく。その冷酷無比な仕打ちに、武術の達人・傳青主(ラウ・カーリョン)が立ち上がる。風火連城が次に目をつけた村・武荘にやって来た傳青主は、村の青年剣士、韓志邦(ルー・イー)と女侠の武元英(チャーリー・ヤン)を連れて伝説の刀匠・清明大師が住むという神秘の山・天山へと向かう。そして清明大師は4人の偉大な弟子を特別な七つの剣とともに送り出す。こうして傳たち3人を加えた7人は、一路村に向かい清軍に戦いを挑むのだった・・。ツイ・ハーク版「七人の侍」!?

評価★★/40点

黒澤は「七人の侍」という永遠に教え語り継がれていくであろう教科書を作った。

しかし、この教科書、異常なほどレベルが高い。。それを知らずして遊び半分で写し書きしようとするとイタイ目みるのですね。

おかげで北斗の拳という応急処置で補強せざるを得なくなった、一風変わった哀しいんだか面白いんだかわけ分かんなくなっちゃってるような作品になっちゃいますた・・・。

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