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2010年5月 3日 (月)

夢のシネマパラダイス355番シアター:日常を駆け抜けろ!少年たちの街

シティ・オブ・ゴッド

God 出演:アレクサンドル・ロドリゲス、レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ

監督:フェルナンド・メイレレス

(2002年・ブラジル・130分)2002/11/02・渋谷オーチャードホール(東京国際映画祭)

評価★★★★☆/85点

内容:’60年代後半から’80年代初頭の、ブラジル・リオデジャネイロのスラム街で神の街と呼ばれる“シティ・オブ・ゴッド”で繰り広げられる抗争のクロニクルを、写真家を夢見る少年ブスカぺの目を通して描く。欧米や日本でも大ヒットしたバイオレンス・アクション。ちなみに出演者のほとんどは演技経験のないスラム在住の子供たちである。

“驚異の悪魔的荒技、エンターテイメントとリアリズムの振り子大回転!!”

ラストで「事実に基づいた物語」とうたわれる通り、この映画の底流にあるのは徹底したリアリズムである。

しかし、と同時にこの映画は徹底したエンターテイメントをも志向している。

そのバランスたるや、もはや安定など望むべくもない渾然一体。

一方にリアリズム、もう一方にエンタメという振り子に例えるならば、どちらかに極限まで振れた反動でもう一方に振れるといった普通の振り子理論はこの映画には通用しない。

極点を振り切ってそのまま回転運動をはじめてしまったといった方が適切だと思われるくらい常軌を逸している荒技。しかもその回転はテンポよく最後までとどまることを知らない。

それを間近で見せられた観客としての自分はもう目が回り、まるでマリファナにでも取り憑かれたような恍惚感に襲われる。

そしてリアリズムの極致にあるものとエンタメの極致にあるものだけが自分の中に残滓として残るのだ。過程はほとんど残らない。

残るのは極致にあるもの。

それは死であり、必死の生であり、そしてギラギラとした快楽である。

これを観て地球の裏側のとある現実について何をどうこう考えるといったことは自分にとってはもはや不可能といってよい、というか意味をなさない。

正直者がバカを見るというセリフがあったが、この場合自分にとって考えるだけバカを見る。

これはリアリズムやエンタメを超越したどっかにイッちゃってる映画、そういうふうに作られた映画なのだから。

しかし、その質は紛うことなき一級品。

ブッ飛ぶことは間違いない!

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鉄コン筋クリート

20061229_208773 声の出演:二宮和也、蒼井優、伊勢谷友介、宮藤官九郎、田中泯、本木雅弘

監督:マイケル・アリアス

(2006年・日本・111分)2007/01/09・盛岡名劇

評価★★★★/75点

内容:義理と人情の街・宝町。そこを根城として自由に飛び回る“ネコ”と呼ばれる2人の少年、クロとシロ。かつあげやかっぱらいを生業としながら日々を生きる2人は一心同体。そんなある日、昔なじみのヤクザ・鈴木、通称“ネズミ”が街に戻ってくる。やがてずっと変わらなくみえた宝町に、ヤクザ主導の再開発計画のもと一大テーマパーク<子供の城>の建設が始まる。背後にチラつく謎の男“蛇”の影が、自分たちの街を守ろうと抵抗を始めたクロとシロにも迫ってくる・・・。「青い春」「ピンポン」の松本大洋原作コミックをスタジオ4℃がアニメ映画化。監督は「アニマトリックス」で製作をつとめたマイケル・アリアス。

“かすかべ防衛隊ならぬ宝町防衛隊!”

オイラは松本大洋の原作マンガは読んだことない。

しかし原作を知ってる周りの連中、といっても数えるほどだが、彼らがことごとくこの映画を褒めそやしていたのだ。

こんなに素直にマンガの世界観がアニメ映像で表現されてしまうとは思わなかった、、、と。しかもクセのある松本大洋だぞ。

一般的には名作マンガのアニメ化ってのは大体が失敗作に終わるというのが相場だと思うけど、最近の例外として例えばハガレンこと「鋼の錬金術師」(TVアニメ版全51話)なんかは連載中のマンガの世界観を完璧に表現し、その中でさらにオリジナル要素を抽出し、巧みな構成力で別次元のベクトルへ昇華させてしまうという近年稀にみる離れ技をやってのけている。

今回の鉄コンが、例えばハガレンのようにマンガとアニメという別メディアと割り切って、アニメならではの二次的な作品としてリライトしなおすというような作られ方をしているのか、その製作意図は原作を読んでいないので分からないけど、素直にアニメ化してくれたという友人が言わんとするところは映画を観てよく理解できたというか肌で感じ取ることができた。

イスラームのモスク建築が中心部にでんと構えているかと思いきや、ALWAYS3丁目の夕日に出てきそうな商店街がビッシリ軒をつらね、うねるように首都高(?)がすり抜け、路面電車にロープウェイに昔懐かしボンネットバス・・・・と文化的時代的にも何らまとまりがない、まるで宝箱をごちゃまぜにしたような街、宝町。

その町を見下ろす電柱のてっぺんにひょこっと佇んで俯瞰を悠然と眺める少年、、、という1カットだけでこの映画の世界観を表現するには十分だろう。

さらに、この街を親を知らない11歳の少年たちが縦横無尽に飛び跳ねまわり、ヤクザを鉄パイプでボコボコにしてしまう、親父狩りならぬヤクザ狩りという北野武も真っ青のトンデモな設定に思わずのけぞってしまうが、とともにいまだかつてないほど濁りのない純色なキャラクターの奏でる今まで見たこともないような純粋なストーリーがうなりをあげて迫ってくることにただただ素直にハマってしまうことしかできず。

独特なヘタウマの絵とあわせて久々にキタァーーッ!と思えるアニメ映画に出会うことができたように思う。

まだまだ飛翔感や疾走感に関して伸びしろのある部分もあると思ったが、決して期待を裏切らない映像表現の出来になっていることだけはたしかだ。

特にこの純色なキャラクターという点で大きかったのがシロだと思うが、クレしんの野原しんのすけが11歳になったらこうなっちゃうみたいなオーラを醸し出していて、さらにその声をあてた蒼井優の特筆すべき才能がスクリーンの中のキャラクターの言の葉として完璧かつ自然に奇跡のように舞い降りてくる。

このシロというキャラクターを見るだけでもこの映画を観る価値があるというものだ。

「クロの足りないネジ、シロが全部持ってる。」

なんという名台詞だろう。

、、、、とはいえお子チャマには見せられないけどね。。

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