夢のシネマパラダイス178番シアター:マンマ・ミーア
マンマ・ミーア
出演:メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド
監督:フィリダ・ロイド
(2008年・英/米・108分)WOWOW
内容:ギリシャの小島でホテルを営む母ドナと、結婚式を明日に控えた娘ソフィ。ソフィには父親とヴァージンロードを歩きたいという夢があったが、母子家庭で育ったソフィは父親を知らない。そこで、母の昔の日記を手がかりに父親候補を3人見つけたソフィは、母に内緒で結婚式の招待状を送ってしまう・・・。往年の人気ポップグループABBAのヒット曲で構成されたミュージカル。
評価★★★☆/70点
1978年生まれのオイラにとってABBA(アバ)を知ったのは、彼らが解散してから10年後の1992年。この年にリリースされたベストアルバム「ABBA GOLD」を聴いてからで、その後、ABBA・カーペンターズ・ビージーズはオイラの中で元祖洋楽御三家となった。
そんなアバの名曲の数々が、青い海にさんさんと降り注ぐ陽光がまぶしく反射するギリシャの島の開放的なロケーションの下で軽快に鳴り響く!
この魅惑のフォーマットだけでオイラの中では鉄板も同然。しかも、記録づくめの大ヒットロングランを達成したブロードウェイ・ミュージカルの映画化とくれば、これはもう気分が高揚しないはずがないw。
で、見てみたら、、、よくぞここまでアバの曲の歌詞に合わせてストーリーを作ったもんだと感心しちゃったけど、捨て曲一切なしのヒット曲がふんだんに使われていて楽しめる作品になってはいた。
けど、なんだろねぇ、、なんつーか、満足はできるんだけど何かスパイスが足りないというか。。
カレーライスはよほどの冒険をしないかぎりは失敗がないけど、この映画は出来あいのレトルトカレーをご飯にかけただけのような、そんな大雑把さで満ちあふれていて、それがオイラのテンションをスポイルしていってしまったかんじ・・・。
どうやら舞台版の演出してた人がそのまま映画の監督してるらしいけど、基本的に映画の撮り方というのを分かってらっしゃらないんじゃないかなと(笑)。
あってなきような中身空っぽのストーリーや、ノー天気すぎる登場人物といったアウトラインは程度の差はあれ、どんなミュージカルにも共通するもの。
とはいえこの映画のそれは際立っていて、心情表現にはメリハリというものがない。
逆にいえばそんな葛藤や悲しみのないミュージカルほど難しいものはないわけで、それを撮るにはよほどの力量がなければならない。
が、この監督にはそんな力量みじんもなく・・・。
とにかく撮り方が大雑把でガサツで下手っww!
ハジけるというよりは弾んでいるといった方が正しいダンスも、ピアース・ブロスナンの歌の下手さも笑って許せるけど、この演出の下手さだけは目をつぶれない。
舞台版と同じ演出家の起用が凶と出たかんじだな。
でも、これを失敗作と呼ばせないほど、アバの曲に求心力があるのもたしかなわけで、んなゴチャゴチャ言わずに楽しめっていう映画なのは百も承知なんだけどさw。
オイラ的にはもっと美味いカレーライスが食べたかったてことで。。
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NINE(2009年・アメリカ・118分)WOWOW
監督:ロブ・マーシャル
出演:ダニエル・デイ=ルイス、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ケイト・ハドソン、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン
内容:待望の新作「イタリア」の制作を発表した映画監督グイド。ところが、撮影は遅々として進まず脚本も未完成状態。プレッシャーに耐え切れなくなったグイドは愛する女性たちに慰めを求めるが・・・。イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの「8 1/2」をもとにしたブロードウェイミュージカルの映画化。
評価★★★/60点
正直中身はあってないようなもので、より取り見取りキラ星のごとき女優陣のミュージカルパフォーマンスを延々楽しむだけの118分間。
はっきりいってそれ以上でも以下でもない作品だと思うのだけども、いまいちノリきれないのは、せっかくの豪華な女優陣のミュージカルがほとんどすべてソロパートだけで、絡みがないということ。なんつーもったいない使い方しちゃってるんだよっていう・・・。
ケイト・ハドソンの“シネマ・イタリアーノ”はパンチ力があってインパクトがあったけど、結局印象に残ってるのってこれしかないんだよね
そういう意味ではホントもったいねぇーていう感想しかないんだけど、話自体が面白くないからなぁ・・・w
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メリー・ポピンズ(1964年・アメリカ・140分)NHK-BS
監督:ロバート・スティーヴンソン
出演:ジュリー・アンドリュース、ディック・ヴァン・ダイク、デイヴィッド・トムリンソン
内容:アニメーションなどの特殊技術を取り入れたディズニー製作のミュージカル・ファンタジー。1910年のロンドン。2人の子供のことは使用人に任せっきりの銀行家のパパと、ウーマン・リブ運動に熱を上げるママのところに、ある日、左手にパラソルを差し、右手にはカバンを提げたメリーという若いお手伝いさんが風に乗って空から舞い降りてきた。彼女が指をパチッと鳴らしておまじないの歌を歌うと、散らかっていた部屋もあっという間に片付いてしまう。そんな彼女に子供たちはたちまち夢中になっていく・・・。
評価★★★/60点
“CGでは絶対出せない味わい深い職人技に酔う。”
ストーリーは正直興味が全く湧かなかったけど、ロンドンの街並みをはじめとする背景にはド肝を抜かれた。
聞くところによると、あれはガラスの上に描かれたマット・ペインティングということらしいけど、ホントまるで童話の絵本の世界を歩いているような味わい深さが醸し出されていた。CGでは絶対あの味わいは出せないでしょ。
浮遊感も意外にあっちゃったりして、そういう技術的な職人技には感嘆&拍手っス。
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