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2010年2月17日 (水)

夢のシネマパラダイス564番シアター:チェ28歳の革命/39歳別れの手紙

チェ 28歳の革命

Chepart1 出演:ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス、ジュリア・オーモンド、カタリーナ・サンディノ・モレノ

監督・スティーヴン・ソダーバーグ

(2008年・米/仏/西・132分)DVD

内容:20世紀最大のカリスマと呼ばれた伝説の革命家エルネスト・チェ・ゲバラの半生に迫った伝記ドラマの前編。1955年メキシコ。キューバのバティスタ独裁政権を打倒し平等社会の実現をめざすフィデル・カストロと出会い意気投合したゲバラは、キューバに渡る。そして外国人ながら司令官にまでなったゲバラ率いるゲリラ部隊は次々に政府軍を駆逐していく・・・。

評価★★★☆/70点

チェ・ゲバラが学生時代に南米大陸を縦断した旅を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」(2003)を以前見ていたので、彼の人柄や弱者への優しい眼差し、彼の思想・信条の背景になったものについてはちょっとかじっていたけど、それでもチェ・ゲバラについては、南米で闘った革命家くらいとしか知らず、実際どこで何をした人なんだろうというのはほとんど分からなくて。。

どうやって世界中でカリスマ的な人気を得るに至ったのか、今回の2部作を見てそれを知れればなと。

一体、チェ・ゲバラは何をした人なんだろう!?

、、ということで見てみたら、これを見るかぎりではゲリラ戦した人としか(笑)。。

かの「モーターサイクル・ダイアリーズ」では好奇心旺盛で情熱的な若造というかんじだったけど、今回は完全に闘う男になっていて、しかもそれを演じるベニチオ・デル・トロがチェ・ゲバラに似ている似ていないの域を超えたところにまで及ぶ圧倒的存在感を見せつけており、見る者を画面からとらえて離さない。

しかし、第三者的な神の視座から捉えた冷徹で無機的な描写により、どんな言の葉を吐こうとどこまでいってもチェ・ゲバラを演じるベニチオ・デル・トロでしかないという弊害があり、見る側に相当の予習と知識のレベルを要求する難しい作品であることはたしかだ。

そういう点では「ガンジー」(1982)や「アラビアのロレンス」(1962)なんかとは趣を異にする作品ともいえるけど、しかし2作目の方も絶対に見たいと思わせてくれる力強さと不思議な魅力がこの映画にはある。

それがチェ・ゲバラという男の持つ魅力なのか、それともベニチオ・デル・トロの目ヂカラによるものなのか、あるいはソダーバーグの一見不親切な乾いた演出に興味をかき立てられたのか・・・。

それは「39歳」を見てからのお楽しみということで。。

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チェ 39歳 別れの手紙(2008年・米/仏/西・133分)WOWOW

 監督:スティーヴン・ソダーバーグ

 出演:ベニチオ・デル・トロ、ヨアキム・デ・アルメイダ、デミアン・ビチル、カルロス・バルデム、エルビラ・ミンゲス、フランカ・ポテンテ、ルー・ダイアモンド・フィリップス

 内容:1965年、ゲバラは家族に別れを告げ、さらにキューバの新たな指導者となった同志フィデル・カストロに別れの手紙を残し、次なる革命の地ボリビアに入国する。そして、バリエントス大統領の独裁政権を打倒せんとゲリラ部隊の先頭に立つ。しかし、ボリビア共産党との共闘は破談に終わり、次第にアメリカの援護を受けた政府軍に圧倒され窮地に立たされていく・・・。

評価★★★/65点

結局、2部作見て分かったこと、、、

チェ・ゲバラってゲリラ戦に励んだ人なのね・・・。

って、1作目「28歳」と変わらないんだけどww。

しかも、この2作目「39歳」には力強さもなければ特筆すべき魅力もない。ただ散漫なゲリラの行軍と敗退が続くのみで、非っ常に退屈。

「28歳」を見てなかったら完全にこき下ろしてたところだけど、しかし「28歳」との陰陽の対称性と反復、そしてラストに示される円環構造によりがぜん意味を成してくるのはたしかだ。

キューバにおける成功の方程式がことごとく通用しないボリビアでの行軍、自分たちの置かれている環境に無自覚な民衆たちへの苛立ち、それ以上に自分たちの戦う目的意識を見失った自軍への焦燥。

しかし、こんなはずではなかった、、と思いながらも、それが坂道を転げ落ちることになろうとも突き進んでいく男の高潔な理想―人間を信じる心―が思いもよらぬ現実を決してブレることも揺らぐこともなく凌駕しようとするその姿からは、たとえ無残な負け戦を演じようとも伝説たりうる男になった理由が分かった気がする。

なんか、もう一度「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見たくなったな。彼の屈託のない笑顔を見たくなった。

チェ・ゲバラ、、、心に留め置こう。。

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