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2009年12月11日 (金)

夢のシネマパラダイス529番シアター:ナルニア国物語

ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女

1247604 出演:ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ティルダ・スウィントン、ジェームズ・マカヴォイ、リーアム・ニーソン(声)

監督:アンドリュー・アダムソン

(2005年・アメリカ・140分)2006/03/15・盛岡フォーラム

評価★★☆/50点

内容:第二次世界大戦下のイギリス。ぺベンシー家の4人の子供たちは、ロンドンの空襲を逃れるため、田舎のカーク教授のもとに疎開することに。その疎開先の大邸宅の空き部屋で、末っ子のルーシーが大きな洋服ダンスを見つけ、その奥へと進んでいくと、、、ルーシーは雪に覆われた森の中に立っていた。そこは、言葉を話す不思議な生き物たちが暮らす魔法の国ナルニア。偉大な王アスランが作ったこの国は、冷酷な白い魔女によって100年もの間、冬の世界に閉じ込められていた。やがて4人の子供たちはそこで壮大な冒険に巻き込まれていく・・・。「指輪物語」「ゲド戦記」とならぶ三大ファンタジー小説のひとつ、C.S.ルイスの「ナルニア国物語」全7作の1作目の映画化。

“「シュレック」で強烈でシニカルな毒気を吐きまくったアンドリュー・アダムソンが毒牙を抜いて挑んだ一大負け戦。”

まるで毒牙を抜かれて闘争本能を失くしてしまった大蛇のごとくグンニャリとへばっているかんじ。映画もそれを作った監督も。

芯がどこにあるのかグンニャリしてるのでさっぱり分からないし、オレ達はこれが撮りたいんだ!というアツさみたいなものがほとんど伝わってこなかった。

ナルニアが冬に凍えているからって、なにもアンタらまでプルプル震えることはないのだゾ・・・。

物語はシンプルを通り越して殺風景、語り口は一本調子、特撮はありきたり。さらに、芯がどこにあるのかイマイチつかめないという点では、主題となるべき兄弟姉妹という運命共同体の絆と彼らの成長が描けていないように感じた。

なのにいきなり剣さばきとか強くなった姿を見せられても・・・。

つまるところ、人と人、人と世界とのつながりや結びつきというものが描けていないわけで、それが映画の世界、そしてナルニアという世界観が広がっていかない要因だろう。

いくらCGを駆使して見栄えを良くしようとも、そこで躍動する生命を描けなければ何の意味もない。

観ている途中からこれはディズニー映画お得意の子供向けアニメでやった方がいいのではないか、、なんてことまで思ってしまった。。

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ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛(2008年・アメリカ・150分)WOWOW

 監督:アンドリュー・アダムソン

 出演:ジョージー・ヘンリー、スキャンダー・ケインズ、ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、ベン・バーンズ、ティルダ・スウィントン

 内容:あれから1年後(ナルニア暦では1300年後)・・・。ナルニアは西方の民族・テルマール人に侵略され、ナルニアの民は深い森の奥に追いやられていた。そんな中、テルマールでは先王亡きあと摂政をつとめる弟のミラースが王位を奪おうと、正統な王位継承者であるカスピアン王子の暗殺を画策。絶体絶命の危機に陥ったカスピアン王子の吹いた角笛の音に導かれ、ぺベンシー4兄妹は再びナルニアの地を踏む。。

評価★★★/60点

創造主アスランと白い魔女のヘビー級王座決定戦のリング上にいきなり闖入してきて、あれよあれよという間に伝説の王にまで登りつめるぺベンシー4兄妹を描いた第1章。

、、が、その語り口のリズムはあまりにも単純単調で、あまりの深みの無さに落胆してしまったのだけど・・・。

しかし、今回の第2章は、魔法の国ナルニアを忘却の彼方へ追いやったテルマール王朝の王位継承権争いを軸に、それに巻き込まれたカスピアン王子が、征服したはずのナルニアの民と出会い、ナルニア再興の公約を御旗に掲げ立ち上がる。そしてそこに助っ人として伝説の4人の王が待ってましたといわんばかりに我が物顔でやって来るwという構成になっていて、気持ち複雑な話になっている分、第1章よりは楽しめる作品になってはいる。

しかし、物語の語り口は相変わらず単調だし、現実世界の戦争(第二次世界大戦)からの逃避として位置付けられるはずのファンタジー世界で全編通して戦争しまくり、何の疑いもなく子供たちが剣や弓を持って殺りまくるというのは少なからず違和感を抱いてしまう。

また、長男ピーターと長女スーザンはこのファンタジー世界にはもう来られないことを示唆しているけど、モラトリアムな時期からの卒業を描いているにしたって、いったいナルニアで何を学びどう成長したのかがよく伝わってこないのはイタイ。。

そしてそして、アスランの存在。

まるで嫌がらせのように雲隠れして、「同じことは2度起こらない」なんてもったいつけたことまで言う始末。それでいて最後の締めはしっかり掻っさらっていくという、、、わけ分からんわ、このオッサン(笑)。。

順を追って見るぶんにはフツーに楽しめるが、見た後に何の余韻も残らない、、こんなん7作も作るつもりなのかww!?

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ナルニア国物語第3章 アスラン王と魔法の島(2010年・イギリス・112分)WOWOW

 監督:マイケル・アプテッド

 出演:ジョージー・ヘンリー、スキャンダー・ケインズ、ウィル・ポールター、ベン・バーンズ、ティルダ・スウィントン

 内容:兄ピーターと姉スーザンが両親と共にアメリカへ滞在中、エドマンドとルーシーは、いとこのユースチスの家に預けられることに。そんなある日、3人で家の壁に掛けられた帆船の絵を見ていると、突然その絵の中吸い込まれてしまう。気付くとそこはナルニアの海だった・・・。

評価★★☆/50点

ヒマつぶしにナルニアに行ってきましたー!みたいな、ナルニアに行かなければならない動機付けの弱さと、いったい主人公は誰なのかという視点の定まらなさが物語を脆弱なものにしている。

ナルニアに行けば王と王女になれるというワンパターンな展開からの脱却として徹底的にユースチスの視点=主人公にして描くくらいの大胆さがあってもよかった。

配給がディズニーからFOXに移ったそうだけど、ディズニーのドル箱シリーズ、パイレーツオブカリビアンに対抗するような海戦シーンなど映像面では奮闘していただけに、ストーリーの陳腐さが逆に際立ってあえなく沈没てかんじ・・。

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