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2009年11月15日 (日)

夢のシネマパラダイス339番シアター:おくりびと

おくりびと

20080916_327104 出演:本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史

監督:滝田洋二郎

(2008年・松竹・130分)2009/03/01・盛岡ピカデリー

内容:オーケストラのチェロ奏者として生きてきた大悟は、所属していた楽団の解散を機に、妻の美香とともに故郷の山形へ帰ることに。さっそく職探しを始めた大悟は、“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接に行き、採用は即決する。が、旅行代理店だと思ったその仕事は、死出の旅立ちのお手伝いをする納棺師だった。大悟は、妻にも言い出せないまま、納棺師の見習いとして働き始めるのだったが・・・。アカデミー外国語映画賞など数々の映画賞を受賞。

評価★★★★/80点

どこかしこに散りばめられた間の抜けた演出、、浅~く広~く大衆受けする映画といえば聞こえはいいけど、実質全体的に重量感のないチープな出来、、ようするに映画監督には珍しく作家性というものを恐ろしいくらいに持ち合わせていない監督。

それが滝田洋二郎といえば真っ先に思い浮かぶ印象で・・・。

そんなだから、本作の賞レースでの快進撃には、にわかには信じがたいものがあったのだけど、アカデミー外国語映画賞獲ったどーーっ!ということで、突然変異でも起こしたのかぁ!?という思いで見た次第。。

そしたっけば、かなり良質な小品に仕上がっているではありませんか。

生と死という普遍的なテーマを決して大仰に見せびらかそうとはせず、ただ淡々と見つめようという姿勢には好感がもてたし、その上で日本人に古代から深く根付いたケガレ意識(簡単な例を挙げれば、自分の箸を他人が使うのは汚らわしいからイヤだという意識。スプーンやフォークといった西洋食器はいいのに箸や茶碗はダメといった日本人特有の感覚で、その中でも最も忌み嫌われたのが死のケガレ=死穢、つまり死体に触れることだった。ひと昔前にあった部落差別もこれに起因している。)といった重さと、ユーモアを散りばめたコミカルな軽さが絶妙なバランスを保っていて、それに加えて映画の舞台となっている山形県庄内平野の移ろいゆく季節の背景が伝統的な日本の歴史と風土を違和感なく溶け込ませていて、自然と映画の世界に入っていける親しみやすさにあふれていて見やすいのも良かった。

また、思わずヨダレが出てきそうなほどグルメを色濃く映し出しているのも、死と対極にある生を象徴的に描き出すには適格であっただろうし、主人公をチェロ奏者にした設定も、“冷静かつ正確で、静謐な優しい愛情にあふれていて、全ての行いが美しい・・・”納棺師の指さばきが、芸術家のそれに匹敵し、生き方にもつながってくるというのも巧く、オーソドックスでシンプルなつくりになっているものの単なるハウツーものには終わらない優しい香りと情感あふれる真摯な映画になっていたと思う。

まぁ、これが伊丹十三だとか強烈な個性を持った監督さんだとエグイ性を描き出してくる可能性が非常に高い題材だと思うんだけど、広末涼子の「こんな所じゃ恥ずかしいよ・・」の一言でお腹一杯ッスよもう(笑)。

しかし、広末涼子の嫁さん姿ははっきりいって萌え~だったんだけど、もうちょっと大人な女優さんの方がこの映画にとってはよかったような気も・・・。

でもとにかく、企画段階から関わっていた本木雅弘の型と形を超えたところまで持っていった流れるような美しい所作、ベテラン納棺師を演じた山崎努の最高のアクセント、笹野高史の渋味のある演技など、実力派キャストの出来栄えも充実で、それらが滝田洋二郎のベタベタに陥る演出の一歩手前でしっかりと地に足を着かせ、久々に日本映画らしい日本映画を見ることができたように思う。

滝田洋二郎の力量にはまだ疑問符だけど、、、困ったことにこれは美味しくて良い映画なんだわさww

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オールウェイズ(1989年・アメリカ・123分)NHK-BS

 監督:スティーブン・スピルバーグ

 出演:リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、オードリー・ヘプバーン、ジョン・グッドマン

 内容:腕のいい森林消火パイロットのピートが友人を助けようとして事故死する。幽霊となった彼は、恋人ドリンダに未練タラタラでまとわりつくが彼女は気付かない。一方、彼女の方もピートのことが忘れられず、青年パイロットとの新たな恋の一歩を踏み出せずにいた・・・。

評価★★★★/80点

スピリチュアルでありながらどこかノスタルジックな雰囲気を漂わせているのは、オードリー・ヘプバーンとオールディーズの名曲「煙が目にしみる♪」によるところが大きいと思うけど、そんな本作は同時期に公開された『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)よりは『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)の方に相通じるものがあるように思う。

さらにそこに、あまり深刻に事を考えないノー天気さと、コミカルな連帯感が加わり、非常に心地良い空気感に包まれているのがミソ。

それがつまりは80年代の幸せな空気感だと思うのだけど、それを恥ずかしげもなく素直な形でスクリーンに映し出せるのは、子供のような純粋な心を永遠に持ち続けるスピルバーグだからこそ可能なのかもしれない。

このての映画にありがちな正者が死者の姿を見ることができるというこれ見よがしな泣かせ演出もなく、ことさら感傷的じゃないのもいいし、死者の声が生者の意識下の思いになるという設定も粋でイイ。

オイラ的には、スピルバーグの監督作品の中でもかなり上位にくる良品でっス。

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奇蹟の輝き(1998年・アメリカ・113分)DVD

 監督:ヴィンセント・ウォード

 出演:ロビン・ウィリアムス、キューバ・グッティングJr.、アナベラ・シオラ

 内容:お互い支えあっていた夫婦が、子供2人を同時に失い、妻はそのショックから自殺未遂を起こすが夫の献身的な介抱で立ち直る。しかし、今度は夫が事故死してしまい、天国へ旅立つ。そして妻は絶望で自殺し、地獄へ送られてしまう。そこで夫は妻を探しに地獄へ向かうのだが・・・。

評価★★★/65点

映像は近年稀にみる奇蹟的な輝きを放っているが、いかんせんストーリーに全く輝きがないプラマイゼロ映画。

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