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2009年11月30日 (月)

レアル・マドリー狂想曲第68番:クラシコ善戦及ばず・・・

Photo 我が愛しのレアル・マドリーが宿敵バルサとのクラシコに臨んだリーガ第12節。

←メッシ、シャビ、イニエスタ、プジョル、ブスケツ、ピケなど下部組織出身者で固めたカンテラ軍団バルサの黄金期に君臨するラポルタ会長vs札束ばら撒きゃ何でも買えるカルテラ軍団の首領ペレス会長。

布陣は、、、

                 カシージャス

            ぺぺ       アルビオル

 Sラモス                            アルベロア

                シャビ・アロンソ

          ラス                 マルセロ

                   カカ

         イグアイン         ロナウド

 VS     VS     VS     VS     VS     VS

                  アンリ

    イニエスタ                     メッシ

           ケイタ          シャビ

                  ブスケツ

 アビダル                         ダニ・アウベス

            ピケ          プジョル

                  バルデス

レアルは、先日のCLチューリヒ戦でロナウドが約2ヶ月ぶりに戦列復帰し、今日のクラシコで久々の先発。今考えられうるベストメンバーといっていいけど、カピタン・ラウルがまさかのベンチスタート。

システムとしては、基本4-3-1-2だが、守備時にはラスがアロンソのサポートに入り、ラスのスペースをイグアインがしっかり埋め、4-2-3-1的な形になっていた。ロナウドだけは相変わらず守備せず・・(笑)。

一方のバルサは、CLインテル戦でメッシとイブラを欠きながら今季ベストのパフォーマンスを披露。今日の試合ではメッシの方がなんとか間に合ったものの、イブラはベンチスタート。

Photo_2 試合は攻めのバルサと守のレアルという構図となったが、それは試合前から容易に想像できたこと。

しかし、ポゼッション率で60%という優位性をを保つバルサに対し、コンパクトかつコレクティブな守備でバルサの連動性を封印したレアルがペースを握る意外な展開に前半はなった。

特に、中盤ではラスが、最終ラインではCBの2人と左ラテラルで世界最強の左サイドコンビといえるメッシ&アウベスと対峙するアルベロアが献身的な働きを見せ、高い位置でのボール奪取に成功、攻撃面でもカカを中心に効果的なカウンターを繰り出しつづけた。

前半19分にはカカ→ロナウドから決定的なシュートがあったもののバルデスに弾かれる。ここでシュートが決まっていれば・・・。

Photo_3 後半開始早々も、ロナウド→イグアインが決定的シーンを見せたものの、プジョルの身を投げ出した守備に阻まれてしまう。

何度も言うようだけど、このどちらかが決まっていれば、結果は違っていたものになっていたはず・・・なんだけどなぁ。。

そして、この直後の後半11分、ダニ・アウベスのアーリークロスをファーで受けたイブラが豪快に決めて先制。アンリに代わって投入されたわずか5分後の出来事だった。

Photo_4 レアルとしては一瞬の気の緩みが失点に繋がってしまったかんじだったけど、後半開始からバルサが開き直って自分たちのサッカーに徹してきたことでレアルを慎重にさせた面もあったのかなと。

その7分後の後半18分、ブスケツが2枚目イエローで退場となり、ロナウド⇔ベンゼマ、アルベロア⇔ラウルと駒を代え、レアルの反攻が開始されたが、健闘むなしく0-1で敗戦となった。

ロナウドは怪我あがり初のスタメンで60分プレーすることが限界だったようで、結局66分間のプレーだったけど、最良のコンディションだったならねぇ・・。

たらればを言ったらきりがないけどさ。

しかし、とはいえレアルにとっては負けはしたものの、この試合がプラスに作用することはあってもマイナスに作用することはないように思う。それくらい見応えがあって、収穫のある試合だったように思うな。

Real_madrid この借りは絶対に返すゾーーッ!

アッラ・マドリー!!!

2009年11月27日 (金)

夢のシネマパラダイス326番シアター:山のあなた~徳市の恋~

山のあなた~徳市の恋~

B001g7dpdu_09 出演:草彅剛、加瀬亮、マイコ、広田亮平、三浦友和、堤真一

監督:石井克人

(2008年・東宝・94分)WOWOW

内容:毎年、春先になると山の温泉場で仕事をしている按摩の徳市(草彅剛)と福市(加瀬亮)は、今年も馴染みの温泉場へ向かって山道を歩いていた。と、そこへ東京から来た女性(マイコ)を乗せた馬車が追い越していく。そして温泉場へ着いて早々、徳市はこの女性に呼ばれて何かとご贔屓されるようになるのだが・・・。

評価★★★☆/70点

清水宏監督の「按摩と女」(1938)をカバーした今回の映画。

“リメイク”ではなく“カバー”と銘打っているのがミソで、リメイクは新たに作り直すという意味でいえば同時代性をもたせたり新たな解釈を加えて独自の作家性を出すためにオリジナルを換骨奪胎することもいとわない面があると思うのだけど、一方“カバー”には、ストーリーの組み立てからセリフ、カット割りに至るまであくまでオリジナルに忠実に作るという意味合いがあるのだと思う。

まぁ、そこらへんのことはオリジナル作を見たことがないので比較のしようがないのだけれど、それを別にしても今回の作品は一個の映画として品のある素晴らしい一品に仕上がっていたと思う。

時代を超えて郷愁を誘う佇まいを残す深緑あふれる山あいの温泉地。

その中で馬車の歩みのごとくゆったりと紡がれていくクラシカルな筆致が、ある種のパラレルワールドを現出させていて、さらにそこに現代ならではの洗練された美しいカラー映像と研ぎ澄まされた高質サラウンドがブレンドされ、非常に上品な世界観を醸し出していたと思う。

草彅剛やマイコをはじめ役者陣も良かったし。

とかく昔の映画は音の聞こえが悪く、セリフが聞き取れない作品が多いのだけど、こういう古き良き日本を見せてくれる珠玉の一品になるならどんどんカバーしてもらいたいものだけどね。

それにしても、昔の日本語って実にキレイだったんだね。オリジナルも見たくなったな。

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山の郵便配達

Post 出演:トン・ルーチュン、リィウ・イエ、ジャオ・シィウリ

監督:フォ・ジェンチイ

(1999年・中国・93分)岩波ホール

評価★★★★/80点

内容:’80年代初頭の中国湖南省西部の山間地帯。長年に渡って郵便配達をしてきた父親にも引退の時が近づいていた。そして父親はその仕事を息子に継がせるため、息子とともに自らの最後の仕事へと出発する。それは一度の配達に2泊3日を要する過酷な道のり。道中、父親は多くを語らず黙々と仕事をこなす中で息子に仕事の責任の重さと誇りを伝えていくのだった。。

“天然マイナスイオン150%!!”

超高層ビル群がこれでもかというくらい林立し、リニアモーターカーが走る街、上海。

悠久の中国のイメージというと万里の長城やシルクロード、雲崗、紫禁城、はたまた黄河や長江といった歴史遺産の雄大さを思い浮かべるけど、こと現代中国となるとひと昔前はチャリンコ軍団、黒縁メガネ、薪ストーブ、農業といったキーワードを真っ先に連想していた。

でもそんな時代遅れな見方をしているオイラみたいな奴が今の上海見たらそりゃ度肝を抜かれるわなぁ。

東京や横浜を凌ぐ進化を遂げているといっても過言ではないくらいの急激な都市化ぶりには暫し呆然としてしまう。

3ヶ月でその様相が一変してしまうといわれるほどの大都市上海。

その上海を筆頭とする都市化と中国の経済成長ぶりはいまや飛ぶ鳥を落とす勢いである。

しかし、上海から西方へ1000km行けばこの映画のロケ地となった湖南省がある。思わず郷愁に駆られてしまうような、時が止まっている風景がまだそこにはある。

中国の大都市はおおよそ東シナ海沿いに集中しているので、そこから内陸へ入れば入っていくほど地方色が強まっていくわけだが、ロケハンには相当苦労したのではないかと想像できる。

こんなことを日本人であるオイラが言うのもなんだけど、中国には急速な経済成長や開発独裁もよろしいが、この映画で描かれたような風景はこれから先も残していってもらいたいものです。ダムの底に沈めるようなことはしないで・・・。

って日本人がそんなん言える資格はないんだけどさ。だって日本はそういう風景を何十年も前に捨てちゃったんだから。。

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小さな中国のお針子(2002年・フランス・110分)2003/02/01・Bunkamura

 監督・脚本:ダイ・シージエ

 出演:ジョウ・シュン、チュン・コン、リィウ・イエ

 内容:1971年、文化大革命吹き荒れる中国。医者の息子ルオとマーは、反革命分子の子として、再教育のため山奥の村に送られ、厳しい労働を強いられていた。そんなある日、仕立て屋の老人が美しい孫娘のお針子とともにやって来る。友人が所持する西欧の本に夢中になる3人。そして禁書とされる本が彼らの人生を大きく変えていく。

評価★★★★/75点

“あまりの恐怖に歯医者の予約キャンセルしちゃったじゃんかよ~~。”

あれはないだろ、、、イスに縛り付けてよーー。

歯の削れる生々しい音。嗚呼ん・・・

オイラの虫歯は今も確実に進行している(笑)。

あと、マラリアの治し方。あれって冗談じゃないんスか。

2009年11月23日 (月)

夢のシネマパラダイス12番シアター:ハンサム★スーツ

ハンサム★スーツ

1 出演:谷原章介、塚地武雅、北川景子、佐田真由美、大島美幸、中条きよし、伊武雅刀

監督:英勉

(2008年・日本・115分)WOWOW

内容:定食屋を営む33歳の琢郎は、デブでブサイクな容姿から全く女性に縁がない。アルバイトにきた美人の寛子にもあっさりフラれる始末。落ち込んだ琢郎は、スーツの新調に訪れた紳士服屋で、着るだけでハンサムになれるというハンサムスーツを手に入れるが・・・。

評価★★★☆/70点

映画というよりは、テレビで「世にも奇妙な物語」の一篇を見ているようなかんじだけど、ハンサムスーツにあげくの果てにブスーツ!というまんまのネーミングからしても、チープさは最初っから折り込みずみなわけで、それを思えばそこそこ楽しめる一品になっていると思う。

今までだったら、例えばCGメイクアップを駆使した「マスク」(1994)だとか、あるいは「カンナさん大成功です!」(2006)のように美男美女俳優がおデブやブサイク顔になるという例はあれども、ブサイク役とハンサム役の役者を別個に2人起用するというのは今までありそうでなかったことで、その安直さがことのほかハマッていて、そういう意味では開き直ってる映画はやっぱ面白いなと。

また、役者2人が上手いんだ。

まぁ、上手いというか、そのまんまなんだけどw、特に谷原章介の異常なほどのハジケっぷりは笑えちゃうくらいで、でもどっからどう見てもハンサムなんだよね(笑)。

それを自覚しつつ、笑いに振り切れる演技を披露した谷原章介はなかなかのもんだなと思ったけど。ハンサムは何やってもハンサムなんだなぁ、、ズルイ。。

そのズルイ谷原章介に対し、キモい塚地も自然体の演技wで対抗してて面白かった。

しかし、森三中の大島美幸の中から北川景子が出てくるラストのオチって、回りまわって結局は見た目が1番ってことなんじゃ・・!?しかも、大島の捨て駒っぷりも容赦ない使い方だし。

まぁ、脚本が大島の夫である鈴木おさむだから出来たことなんだろうけど。この見透かしたようなラストは、オイラ的にはビミョーだったかな。。

でも、オイラも欲っスィ~なぁ、ハンサムスーツ

ハンサムスーツ着ればカネなしコネなしオンナなしの状況もちょっとは変わるんじゃないかなと妄想してみたりするオイラなのですた・・・。

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愛しのローズマリー(2001年・アメリカ・114分)WOWOW

 監督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー

 出演:グィネス・パルトロウ、ジャック・ブラック、ジェイソン・アレクサンダー、ジョー・ヴィテレッリ

 内容:知的でユーモアがあり、スリムな美女ローズマリーに出会ったハル。でも、他の人から見れば彼女の容姿はどっからどうみてもブタ。実は彼は催眠術で心の美しい女性に魅かれるようにされていたのだ!人を外見でしか見ることができない人々への皮肉を、痛烈なジョークで笑い飛ばす恋愛コメディ。監督は「メリーに首ったけ」のファレリー兄弟。

評価★★★★/75点

学生時代、片思いしてたカワイイ女友達がわんこそば大会で入賞したことがあった。

まさか、、、術にかかってたってことはないよなオレ、と本気で思ったよ(笑)。

夢のシネマパラダイス98番シアター:絶望的な闘いの先にあるもの・・・

闇の子供たち

1 出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、鈴木砂羽、佐藤浩市

監督:阪本順治

(2008年・日本・138分)WOWOW

内容:大手新聞社のタイ特派員・南部浩行は、タイで行われている闇ルートの臓器移植の取材を始める。一方、タイの社会福祉センターにやって来たNGO職員の音羽恵子は、幼児買売春を強制される子供たちの悲惨な現実に打ちのめされながらも、最近センターに姿を見せなくなった少女の救出に奔走するが・・・。

評価★★★/65点

タイにおけるおぞましい幼児の人身売買、売買春の現実を鋭利な筆致であらわにしていく衝撃作といっていいと思うけど、生きたまま心臓をえぐり取られ、幼児性愛者にいたぶられ弄ばれ、ゴミ収集車に捨てられる子供たちの惨状には思わず目を覆いたくなってしまった。

でも、これが東京から地図の上で20cm離れた所にある現実なのか・・・。

しかし、このかなりヘビーな問題に対して目をそらさず真正面から見据えた映画の作り手の志は買いたいものの、終盤になってそれが空回りしている面は否めず、、。

特にデモ中にいきなりドンパチが始まるくだりはわけが分からない(笑)。

また、南部(江口洋介)が過去に幼児買春をしたことがあったというオチと、南部の部屋で幼児買春の事件記事が貼り付けられた鏡を与田(妻夫木聡)が凝視するラストのくだりは、観客の側の心をも暴き立てようとするがごとき強烈な問題意識にあふれていて、他人事ではいられなくなってしまうという意味でそれ自体の描写は理解できるものの、この唐突なオチのさらなる先に落としどころを持ってこなければならないはずなのに、南部が首を吊ってハイ終わりじゃなかろうに・・・。

人がそれぞれ持つ闇の恐さを暴くのも結構な話だが、それ以上に描かなければならないのは臓器売買、人身売買を成立させているシステムなり真相を暴くことなはずで、それを描かないまま中途半端に放り投げるというのは、じゃあそれまでに描かれてきた突撃取材はいったい何だったんだということになりはしまいか。。

しかも、エンディングはこれまた唐突に桑田佳佑のわけの分からん歌謡曲ときたもんだ。サザンは別格に好きだけど、この使い方には完全に辟易・・・。これだけで赤点やってもいいくらいなんだけど。。

なんというか、作り手の感情の方がヒートアップして先走っちゃって、逆に支離滅裂ここに極まれりになっちゃった悪例といえばいいだろうか。そんな映画ですた。。

重たいテーマだけに、後味の悪さは想定内だったけど、この後味の悪さは想定外だったなww。。

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トラフィック

Traffic 出演:マイケル・ダグラス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ、ドン・チードル、デニス・クエイド

監督:スティーブン・ソダーバーグ

(2000年・アメリカ・148分)DVD

評価★★★★☆/85点

内容:メキシコ、サンディエゴ、ワシントンの同時3点ドキュメント調で描かれる麻薬戦争の舞台裏・・・根深く浸透した麻薬の密売ルートに挑む麻薬捜査の物語。当時キャサリン・ゼタ・ジョーンズは実際にマイケル・ダグラスの手にかかり妊娠中であったが、身重の妻役をやけくそで?演じきったことでも有名ww。

“アメリカにおける銃社会が実際問題無くならないのと同様に、実際、国家対策的な麻薬戦争に勝つというのはベトナムあるいは今も続けられているテロ戦争で勝つより難しいということをアメリカ人はおろか日本人である我々もうすうす感じている。。”

需要-生産-加工-流通-消費という需要・供給システムの確立。そこに政府、国際資本、マフィア、地元ゲリラ、いたるところにはびこる腐敗などが複雑に絡み合う。

これはもう一大産業どころの話ではない。想像を絶する世界的規模のものだ。

このタガを崩すのは実際問題ムリだろう。テロ戦争に勝つより難しいといってもいいと思う。

アメリカは中南米(コロンビア、メキシコなど)への軍事援助などを展開し、ドラッグ・ウォー(麻薬戦争)を行ってはいるが、何の成果も上げていないというのが実情なのだ。

だが実は、アメリカ政府自体が何食わぬ顔で麻薬を利用してきたというウラの顔も存在することが、話をややこしくさせる・・・。

この映画でもその一端が語られているが、具体的には、世界各地で反米勢力と親米の地元勢力を戦わせる代理戦争の戦略の中で、アメリカは麻薬栽培を親米勢力の資金源にさせてきたといういわくがある。

それは例えば50年代中国国共内戦におけるゴールデントライアングルでの麻薬栽培。

60年代にかけてのキューバカストロ政権転覆を図ることを目的に、亡命キューバ人勢力の資金作りとしてアメリカ本土への麻薬密輸の容認(結局ピッグス湾事件でこのカストロ転覆作戦は失敗に終わる)。

全く同様のタイプで80年代のニカラグアやレバノンetc.

さらには、何といってもアフガニスタン。

ソ連が侵攻した際、アメリカのてこ入れによりオサマ・ビン・ラディンなどに代表されるゲリラが作られるが(後に周知の通り911同時テロでアメリカはこの飼い犬に咬まれてしまうのだが)、その資金源として麻薬栽培が行われた。そして現在、アフガンは世界最大のアヘン生産国となってしまった・・・。

アメリカのウラの顔。

と同時に、「麻薬カルテルを壊滅してやる!」と高らかに謳いあげているアメリカのオモテの顔。

、、、どう考えても救いようのない話である。

アメリカ社会の内深くまで侵攻している麻薬を消滅させるという麻薬戦争に勝つというのは、テロ戦争に勝つよりというよりも、ほとんど不可能といってもいいのではないか。

このへんのコノテーションをおそらく内包しているアメリカとまだ切実な問題となっていない日本とではこの映画の見方も違ってくるのではないだろうか。

ということで、映画の話に戻すと、この映画の凄いところは、あまりにも救いようがなくやりきれない麻薬戦争の絶望的な現実というマクロ的観点へ話を収束させ、そこに至るまでを至極客観的に描写している点にあると思う。

1つ1つの話は、家庭にドラッグが忍び込んでいくといったようにミクロ的なものだが、それらが並行・交錯して語られていくことにより、最終的にはマクロ的なものへと標榜する。

しかも別段難しいストーリーではない中で2時間30分近くで収めてしまうというのは、この監督ちょっと伊達じゃないな、と。

加えて実は最初から救いようのない話になることは自明の理であったこの映画において、ラストで差し込む微かな光は唯一の救いであるし、この終わらせ方の演出、この監督心憎いな、と。

要するにこの監督すげぇなと感心してしまいました。

もちろん、デル・トロとゼタ・ジョーンズの特筆ものの演技にも感心しなければなりませんが。

いずれにせよ、我々のいる現実世界も、そして映画の中の彼らもこの終わりなき戦いをこれからも続けていくことだろう。

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明日への遺言(2007年・日本・110分)CS

 監督・脚本:小泉堯史

 出演:藤田まこと、ロバート・レッサー、フレッド・マックイーン、リチャード・ニール、富司純子

 内容:1945年5月、米軍による名古屋への大空襲の際に、撃墜されパラシュートで降下した米軍搭乗員が日本軍により拘束され、略式裁判によって処刑された。戦後、東海軍司令官・岡田資中将は捕虜を殺害したとしてB級戦犯と認められ裁判にかけられた。これに対し岡田中将は、この裁判を「法戦」と名付けて徹底的に争う意志を貫いていく・・・。

評価★★★/65点

東京裁判はまだしもBC級戦犯の裁判についてはほとんど知らず、ましてや本土空襲を行った米軍機が撃墜され、脱出した搭乗員が処刑されていたという事例があったなんて初めて知ったし、その処刑に関わった日本軍兵士たちが戦犯として裁判にかけられていたなんてことも全く知らなかった。

しかし、そもそものところで、爆弾を雨あられのごとく落としまくった搭乗員が、その敵地で袋叩きにあうのは自明の理ではなかろうか。

正式な公判だろうが略式だろうが、日本刀によろうが銃剣によろうがそんなのおかまいなしに処刑されるのは当然だと思うんだけど。

オイラの感覚でいえば、この処刑を戦争犯罪といわれたら立つ瀬がない。日本軍がアジア各地で行った虐殺虐待の類の戦争犯罪とはわけが違うと思う。

しかして、その処刑に関わった者たちが相手当事国に裁かれるというのは単なる見せしめと復讐でしかなく、初めから答えは出ているものだったのではなかろうか。

その上で、米軍の行った本土空爆は無差別爆撃であり国際法違反であること、また、それを行った搭乗員を略式裁判にかけて処刑したのは正当なもので、それを命令した自分に全責任があるという岡田資中将の主張はどっからどう見たってもっともなものだろう。

その中で、映画を見るかぎり、裁判はかなり公平なものであったことがうかがえ、その点では驚いたし、米軍の無差別爆撃はハーグ条約に違反するものなのかどうか、搭乗員の処刑は戦争犯罪への処罰か、それともジュネーブ条約に違反する捕虜の虐待かという論点も明確で、かなり興味を引く見応えのある内容だったとは思う。

しかし、それを法廷劇のみに絞って淡々と静謐に描いていくわけだけど、途中から“法戦”に独り立ち向かう岡田中将の信念と品格に焦点がいつの間にかブレていき、肝心の先の論点がボヤけてしまったのはいただけない。

それゆえ、ルールに則ってやれば人殺しをしても構わないのかという戦争の馬鹿らしさがイマイチ伝わってきたとはいいがたいのが難点。。

そのかわりにクローズアップされる、死を目前にして「本望である。」と13階段に向かっていく岡田中将の孤高の美しさは、藤田まことの印象的な佇まいによって心に響かないわけではないのだけれど、なんか押しの弱い作品になっちゃったような・・。

まぁ、それがこの監督さんの特徴でもあるんだけど、個人的にはもったいない映画だったなぁというのが先についてしまったかんじ。

でも、こういう寡黙で一本芯の通ったリーダーなり上司がいたらいいんだけどねぇ。とてもじゃないが命を預けられるような人にはお目にかかったことがないわww

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インサイダー

Insider 出演:ラッセル・クロウ、アル・パチーノ、クリストファー・プラマー、ダイアン・ヴェノーラ

監督・脚本:マイケル・マン

(1999年・アメリカ・158分)仙台第1東宝

評価★★★★★/90点

内容:大手のタバコ会社の企業秘密を暴こうと立ち上がった報道番組プロデューサーと元タバコ会社役員の姿を追った実録社会派ドラマ。

“もう一度見る価値があるかと問われれば、、、あると答えます。”

バシバシ実名が出てくる社会派の映画はもともと好きな部類ではある。しかし、ここまでズシリと重心の重い作品には最近そうは出会わない。

TV局にまで及んでくる巨大な見えざる圧力に苦しみつづけ、自分の家族の未来が人質にとられてしまうという不条理な現実を突きつけられる普通の男の闘いを静かな眼差しで見つめていく。

それは例えばマフィア犯罪の重要証人になり、マフィアに命を狙われるといった話でさえ薄っぺらく見えてしまうくらい重苦しいものだ。

勝利を勝ち取ったというヒーロー像はこの映画にはない。長く苦しい孤独ともいえる闘いが続くのみ。そして、それを演じきったラッセル・クロウの凄さ。

さらに、低音で鳴り響く音楽と凝りに凝ったカメラアングルがさらなる効果を演出していて、特に回転ドアのショットや、バーグマン(アル・パチーノ)とワイガンド(ラッセル・クロウ)が初めて会う場所での待ち合わせシーンのカメラ位置など強烈に印象に残る。

この監督に恋愛映画撮らせたらどうなるんだろうと思うくらい臨場感たっぷりのバリバリ骨太な映画だ。

しかしまぁ、硬派ネタを追い求めるバーグマンにアル・パチーノ+硬派ネタ専門家マイケル・マンとくりゃ女の出る幕はないわなぁww

ワイガンドの奥さんの気持ちと彼女がとった行動はそれが理由なんだと勝手に決めつけたいが、、、これって実話だったのね。。

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ペリカン文書(1993年・アメリカ・141分)WOWOW

 監督・脚本:アラン・J・パクラ

 出演:ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン、サム・シェパード

 内容:法科の女子大生ダービーは、最高裁判事殺人事件に対して大胆な仮説をレポートで提出。しかし、その“ペリカン文書”と呼ばれるそのレポートは、事件の核心に迫っていた。国家上層部の黒幕に命を狙われるハメになった孤立無援の彼女は、ジャーナリストのグランサムに助けを求める・・・。

評価★★★☆/70点

社会悪の糾弾という社会派としての側面と、スリルとサスペンスとしての娯楽面が3:7、いわば広く一般受けするような興収重視の割合でブレンドされていて、非常に見やすい作品になっている。

初めて見たのが高1の時だったこともあって、オイラにとってのハリウッド製サスペンス・ミステリー映画の基準点になっている、そんな作品でっス。

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逃亡者(1993年・アメリカ・130分)NHK-BS

 監督:アンドリュー・デイビス

 出演:ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ、ジュリアン・ムーア

 内容:シカゴの著名な外科医リチャード・キンブルは、ある夜、自宅に押し入った片腕の男に襲われ、妻を殺害される。ところが、キンブルは妻殺しの容疑で逮捕されてしまい、不利な状況証拠を突きつけられて死刑判決を受けてしまう。が、護送中に交通事故に巻き込まれたキンブルは混乱に乗じてその場から逃走、身の潔白を証明しようと奔走する・・・。

評価★★★★☆/85点

追う者と追われる者という普通対立すべき相容れない両者が、お互い執念のかぎりを尽くした逃走劇をこれでもかと繰り広げる様が非常によく描かれている極上のエンターテイメント。

そして、その相容れないはずの両者が執念から解放されたとき、お互いを認め合い妙な連帯感で結ばれていくラストに思わず拍手。

2009年11月22日 (日)

夢のシネマパラダイス407番シアター:想いはつたわる!?

鉄道員(ぽっぽや)

04ken01 出演:高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、吉岡秀隆、志村けん、小林稔侍

監督:降旗康男

(1999年・東映・112分)1999/05/25・岩手教育会館(試写会)

評価★★★/65点

内容:北海道のローカル単線・幌舞線の終着駅、幌舞。駅長の佐藤乙松は、不器用だが真面目だけが取り柄の筋金入りの鉄道員(ぽっぽや)。職務に忠実なあまり、生後2ヶ月で死んでいった娘や病気で亡くなった妻を看取ることさえできなかった乙松は、近く廃線になる幌舞線とともに定年を迎えようとしていた。そんなある日、一人の少女が乙松の前に現れる・・・。

“線路は何のためにあんねん!”

前に進むためにあるんだろうが。えっ、乙松さんよ。

なのに決して前へ進むことをせず2時間もの間停車したまま動かないというのは、、、そういう映画オイラは見たくないし、何にも見出せません。

しかも挙句の果てにお棺となって前へ進む、ってのは・・・、あの~、勝手に逝ってらっしゃいませ。せっかく志村けんも出てることだし、ドリフでやったら。

雪と駅と健さん3点セットに目一杯サービスして★3っつ。

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ホテル・ビーナス(2004年・日本・125分)DVD

 監督:タカハタ秀太

 出演:草彅剛、中谷美紀、香川照之、市村正親、パク・ジョンウ、コ・ドヒ

 内容:フジテレビで放映されていた人気バラエティ「チョナン・カン」からのスピンオフ企画として製作されたセンチメンタルな群像ドラマ。ある最果ての街。片足が不自由な謎の老オカマ“ビーナス”が経営しているホテル・ビーナスには、生きることに希望を抱けない青年、酒に溺れる医者とホステスをしている妻、花屋を夢見る娘、常にピストルを持っている少年などワケありな人々が住んでいた。そこへある日、流れ者の男が幼い少女を連れてやって来る・・・。

評価★★/45点

フジの新春かくし芸大会でこういう外国語劇やるよね、、ってレベル。。

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駅 STATION(1981年・東宝・132分)NHK-BS

 監督:降旗康男

 出演:高倉健、いしだあゆみ、根津甚八、烏丸せつ子、倍賞千恵子、古手川祐子

 内容:五輪ピストル競技の選手である刑事の英次は、一時的な気の迷いから浮気した妻を許せず、互いの愛情を知りながらも苦悩のうちに別れてしまう。その後、英次の先輩で射撃のコーチでもある相場が、逃走中の殺人犯に撃たれて殉職。失意のうちに英次は連続通り魔事件の犯人を追って、日本海に面した町へと向かう・・・。北海道の小さな駅を舞台に、刑事と3人の女性とのそれぞれの別離を3部構成で綴っていくメロドラマ。脚本は倉本聰。

評価★★★★/80点

“倉本聰はとにかく大晦日と八代亜紀とNHK紅白歌合戦の3本セットがお好きらしい。。”

倉本聰といえばこれの「北の国から」でもこの3本セットは外せないしねw

様々な出会いと別れを見届ける場として“駅”をモチーフにしているのはやはり物語としての強みがあり引き込まれてしまうし、それが男と女の物語であればなおさらである。

そしてそこにある機微や、男からすれば理解しかねるミステリアスな女の性(さが)と、男の業の深さが印象的に描き出されていて心に余韻を残す。

“暗闇の彼方に光る一点を今駅の灯と信じつつ行く”

すず子(烏丸せつこ)の死刑囚の兄が詠んだ辞世の句が印象的だったけど、この句で読まれている駅とは愛する人のことなんだろうね。

高倉健主演の映画では最良クラスの映画だろう。

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人間の証明(1977年・東映・133分)WOWOW

 監督:佐藤純彌

 出演:岡田茉莉子、松田優作、ジョージ・ケネディ、ジョー山中、三船敏郎、岩城滉一

 内容:東京のホテル・ニューオータニでNYのハーレムからやって来た黒人男性(ジョー山中)が、「ストーハ」という言葉と西条八十の詩集を残して殺された。捜査線上に見え隠れするファッションデザイナー八杉恭子(岡田茉莉子)とその息子(岩城滉一)。黒人男性の過去を追って渡米する警視庁の棟居(松田優作)。やがて、八杉と黒人男性の意外な関係、そしてNY市警のシュフタン刑事(G・ケネディ)と棟居の関係が明らかになっていく・・・。「犬神家の一族」に次ぐ角川映画第2弾として、メディアミックスを駆使した大量宣伝とTVCM絨毯爆撃で大ヒットを記録した。「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね?」は流行語になった。

評価★★★/60点

一様で扁平な内容よりも、次から次へと大物が出てくる顔見世興行の方に心が躍る贅沢な一品。

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アカルイミライ

Mirai2 出演:オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也、笹野高史、りょう、加瀬亮

監督:黒沢清

(2002年・日本・115分)2003/01/28・下高井戸

評価★★★/65点

内容:仁村雄二(オダジョー)は、兄貴分的な存在で温厚な有田守(浅野)とおしぼり工場でバイトしている。雄二は他人とうまく渡り合えず無鉄砲な性格で、工場の社長である藤原(笹野)の言動にいちいちムカついてキレかかっている。そんな彼を見かねた守は2人だけにしか分からないサインを提案する。そしてその頃から守は自分が飼っている猛毒のアカクラゲの飼育方法を雄二に事細かに教えるのだった。そんなある日、守はクラゲを託して突然姿を消した・・・。

“守の「行け!」「待て!」の合図”

今、ウチのワン公に必死で教えてるところです。。

それくらいしかこの映画から得られるものがなかったんだわ・・・。

解らないようで、、、やっぱ解らない映画でした。

でも、あの真水に慣らされたクラゲたちが海に帰ったらどうなるんだろう。また順応できるのだろうか。それでも川を下っていくクラゲたち。

ラストの少年たちはあのままどこに流されていくのだろう。

時だけは変わらず流れていく・・・。

あのクラゲを見てふと宮崎あおい主演の「害虫」に出てくる、“あらゆる悪徳こそが人間存在の本質であり、善とはただかろうじて悪ではない状態にすぎない”という一説をなぜか思い出してしまった。

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嗤う伊右衛門(2003年・東宝・128分)2004/02/10・ヴァージンシネマズ六本木

 監督:蜷川幸雄

 出演:唐沢寿明、小雪、香川照之、池内博之、椎名桔平、六平直政

 内容:切腹を命じられた父親の介錯をした後、浪人へ身を落とした境伊右衛門は、御行乞食の又市から民谷家への婿入り話を持ちかけられる。相手は民谷家の娘・お岩。彼女は天然痘に冒されたせいで、顔の右側が崩れてしまっていたが、周りの冷たい視線にもめげず凛とした佇まいで懸命に生きていた。そして伊右衛門とお岩は晴れて夫婦となった。が、かつてお岩を好いていた与力の伊東はそれを面白く思わず・・・。

評価★★★☆/70点

内容はたいしたことない。しかし、観てから相当日数が経つというのに、伊右衛門、お岩、与力の伊東の狂気じみた情念だけが脳裏に焼きついて離れない。

離れようとしない・・・。

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天国の本屋~恋火(2004年・松竹・111分)WOWOW

 監督:篠原哲雄

 出演:竹内結子、玉山鉄二、香里奈、新井浩文、原田芳雄、香川照之

 内容:管弦楽団を解雇されたピアニストの健太は、人材管理人を名乗る男に連れられ、「天国の本屋」へやって来る。といっても彼は死んでいるわけではないらしく、ただのアルバイト要員だという。そこへ生前憧れていた翔子がやって来て・・・。松久淳、田中渉の小説「天国の本屋」「恋火」を基に映画化。天国と地上で交錯する愛を描いた異色ファンタジー。

評価★★★/60点

ちょっとイイ話にはなってるけど、映画として優しすぎて正直すぎることが逆にアダになっているかんじ。

ま、オイラの地元の本屋から原作が広まったのはチョット自慢だけどね。

2009年11月21日 (土)

夢のシネマパラダイス496番シアター:そこは夢がかなう場所

ネバーランド

Neverland 出演:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ジュリー・クリスティ、ラダ・ミッチェル、ダスティン・ホフマン

監督:マーク・フォースター

(2004年・英/米・100分)2005/01/26・MOVIX仙台

評価★★★★☆/85点

内容:1903年のロンドン。スランプに陥っていた劇作家のバリは、公園を散歩中、美しい未亡人とその4人の子供たちと出会う。父を亡くした少年たちとの親交を深めるうち、バリは心を閉ざした三男のピーターを気にかけるようになり・・・。「ピーター・パン」の誕生秘話を描いた感動作。

“Finding a good film!”

幼い頃に兄を自殺で亡くしているマーク・フォースター監督。6歳の時、当時13歳だった兄を事故で亡くしている劇作家ジェームズ・M・バリ。父を病死で亡くしている少年ピーター。病に冒されていくピーターの母シルヴィア。そしてバリと孤独な妻とのすれ違い。

全編を包む死と喪失の悲しみの匂いが、バリとシルヴィア一家の温かな触れ合いを通して描かれる豊かなアイディアにあふれた想像力と、繊細かつ優しく溶け合っているのが非常に印象的だ。

喪失の恐怖と悲しみの中から生まれ出た秘密の場所ネバーランド“永遠に子供のままでいられる場所”。

それは、ファンタジーとしてよくある現実逃避としての側面ともとれるが、この映画は一方で生きていくために必要なもの、想像と創造と信じるという力にあふれた場所として前向きに捉えているのがピーターパン症候群にかかりっぱなしの自分には嬉しくてたまらなかった。

そして、この映画のクライマックスともいえるシルヴィアの家でピーターパンを上演するシーンは特に心に残るまさに珠玉の名場面。

現実と空想が居間と壁一枚と庭を介して見事な広がりを見せるところなんて、まさに映画だからこそ出来る深みと真髄を見せてくれて、久々に映画から最高の贈り物をもらった気がする。

オイラにとってはFinding a good filmとなったようだ。

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パコと魔法の絵本

20081029_538970 出演:役所広司、アヤカ・ウィルソン、妻夫木聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、國村隼、上川隆也

監督・脚本:中島哲也

(2008年・東宝・105分)WOWOW

内容:変わり者が集まるとある病院。中でも大貫(役所広司)の意地悪ぶりは筋金入りで、病院中の嫌われ者。そんなある日、大貫は無邪気な少女パコ(アヤカ・ウィルソン)をビンタしてしまう。しかし、パコは交通事故の後遺症で記憶が1日しかもたず、次の日には何事もなかったかのように大貫のもとにまたやって来る。反省した大貫は、患者たちを集めてパコのために彼女が毎日読んでいる絵本「ガマ王子対ザリガニ魔人」を上演しようとするのだが・・・。

評価★★☆/50点

はっきりいってウザイww

その一言につきる映画・・・。

喜怒哀楽の全てをオーバーアクトの怒で表現されちゃ見てるこっちも堪らないというもの。終始カメラ目線でお寒いギャグを飛ばす阿部サダヲもウッザウザ

世間での評価は高いようだけど、オイラは×ですた。

黒澤明の「乱」(1985)を思わせる役所広司の出で立ちや、牙を生やしたケバケバ女の小池栄子、ピーターパン風の上川隆也など豪華キャストのコスプレ大会は見ものだったけど、そこにはテリー・ギリアムのお茶目で毒気のある狂気もなければ、ティム・バートンの優しげな感傷もない。

ただ悲鳴のようなハイテンションなツッコミ笑いが続くだけ・・・。

こういうのは下北小劇場でやってもらいたいものだけど、ホントなんというか演劇的なものを映画的なものに変換することなく原液のままスクリーンに焼き付けたものを見せられちゃったような。。

個人的にはそこにかなりの違和感を感じてしまい合わなかったなと・・。

演劇が“理屈”だとすると、映画は“妄想”で、やっぱスクリーンで型にハマッた箱庭的な“理屈”を見せられても、、、しかもその中で大げさにギャーギャー騒ぎまくっているだけなんだから、ほんとウザイだけなんだよね。

CGと実写のカットバックなど面白味のある手法もあるにはあるんだけど、なんかあまり伝わってくるものがなかったなぁ。。

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星になった少年

L 出演:柳楽優弥、常盤貴子、高橋克実、蒼井優、倍賞美津子

監督:河毛俊作

(2005年・東宝・113分)2005/07/23・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:中学生の哲夢の家は動物プロダクションを営む一家。ある日、母・佐緒里たっての希望でタイから象のミッキーを購入する。哲夢はすぐにミッキーと心を通わせていくが、やがてもう一頭やって来た小象のランディはなかなか言うことを聞いてくれない。そんなある時、タイのゾウ使いの話を聞いた哲夢は、タイのゾウ訓練センターへの留学を決意するのだった・・・。日本人初のゾウ使いとなり、20歳で亡くなった実在の少年・坂本哲夢の半生を描いた作品。

“この映画での柳楽優弥を見て、ふと『がんばっていきまっしょい』の田中麗奈を思い出した。”

映画の冒頭で柳楽優弥を見たときは、コイツ本当に大丈夫かと、カンヌで賞を獲ったが上に迎えられただけのただのお客様に成り下がってるんじゃなかろうなと危惧してしまったのだけど・・・。

が、それは単なる杞憂に過ぎなかったようだ。いや、むしろ役者として成長する姿を映画の中で如実に垣間見れたのは収穫でさえあった。

メイキングなどを見ていないので分からないけど、タイでの長期ロケや実際にゾウ使いになる訓練などを通して役者としても人間としてもひと回り成長したのではないだろうか。

映画の後半あたりからは役者としての面構えもしっかり画面におさめることができており、ふと『がんばっていきまっしょい』を観たときの田中麗奈を思い出してしまったほどだ。

劇中、武田鉄矢が「子供と動物にはかなわんよ」と言っていたが、どうやらオイラにとってはその中に子供は入らないようだ。ゾウさんには負けたけどね。。

柳楽優弥にとっては良い作品にめぐり合えたのではないかな。これからの活躍に期待です。

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バガー・ヴァンスの伝説(2000年・アメリカ・127分)NHK-BS

 監督:ロバート・レッドフォード

 出演:ウィル・スミス、マット・デイモン、シャーリズ・セロン、ジャック・レモン

 内容:かつて天才ゴルファーと呼ばれながら、悲惨な戦争体験が元で、今は隠遁生活を送る青年ジュナ。地元ゴルフ場でのエキシビジョン・マッチに担ぎ出され、怖気づく彼の前に、バガー・ヴァンスという謎の男が現れる。そして、バガーの助言は、ジュナにかつての輝きを取り戻させていくのだった・・・。

評価★★★☆/70点

叙情的な映像美の中にどこまでも優しい人間ドラマをたゆたわせることにかけては右に出る者がいないロバート・レッドフォード。

その演出は古風そのもので、映画によっては冗長にしか感じられないこともままあるのだけれど、本作では紳士然としたレッドフォードのスタンスと紳士のスポーツといわれるゴルフという題材が見事に合致していて、レッドフォードの20年来変わらぬ“スイング”が心地良い風を送ってくれる良作に仕上がっている。

物語に裏表がなさすぎて、一人一人のキャラクターに説得力がないのが難点ではあるけど、夕闇の中、ゴルフ場のコースを町の人々の車のライトで照らし出してプレーを続けるところとか、相手プレーヤー2人もすこぶるイイ奴だったり、ジャック・レモンのナレーションの調べによって描き出される古き良きアメリカの雰囲気はオイラ的にはハマッてしまった。

映像もキレイで、ラストシーンなど印象的なショットも多く、たまにはこういう品のある映画を見るのもいいものだなと思った。

しかし、シャーリズ・セロンは風格出てきたなぁ。30年代南部の女性のオーラを存分に醸し出していて、それこそ「風とともに去りぬ」のスカーレットとか出来ちゃうんじゃないかな。

あと、子役も良かったし。

夏の午後に夕セミの声と一緒に見たい映画だね。

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スタア誕生(1954年・アメリカ・154分)NHK-BS

 監督:ジョージ・キューカー

 出演:ジュディ・ガーランド、ジェームズ・メイソン、ジャック・カーソン

 内容:ハリウッドの大スターだったノーマン・メインは、今は酒浸りの毎日を送っていた。ノーマンによって素質を認められたコーラスガールのエスターは、彼から映画出演を勧められ、ミュージカル映画の相手役に抜擢される。ヴィキー・レスターの芸名で出演した映画は大成功となり、彼女は一躍有名になるが・・・。

評価★★★/65点

“ハリウッド残酷物語”

駆け上がっていく者と転がり落ちていく者。ハリウッドの光と影が残酷に結び付けられる。

この点はジャネット・ゲイナーのオリジナル(1937年作品)とは異なる趣になっていると思う。

しっかし、ラストもある意味残酷だよねぇ。

会場の聴衆の前でエスターが、「私はノーマン・メインの妻です。」と言ってスタンディング・オべーションを受けるのだけど、ノーマンが飲んだくれのまま生きてたらラストの感動ものにはならなかったはず(笑)。。

一気に転落していくノーマンを映画界は助けることもしなかった。しかし、ああいう非業の死に方をすれば伝説になっちゃって一気に同情票が集まって持ち上げられるわけね。ハリウッドって恐ろしいとこなんやなぁ・・・。

、、というイヤらしい見方をしてしまいますた。。

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のど自慢(1999年・日本・112分)DVD

 監督:井筒和幸

 出演:室井滋、尾藤イサオ、大友康平、伊藤歩、北村和夫、小林稔侍、松田美由紀、竹中直人

 内容:日曜お昼の国民的番組「のど自慢」が、群馬県桐生市にやって来た。その晴れ舞台を目指して、さっぱり売れない演歌歌手、就職に悩む親父、家族問題を抱える女子高生など様々な思いを胸に抱いた人々が予選会場に集まってくる。。

評価★★★☆/70点

“様々な映画で意味もなく余計なところで使ってくるくせして、なんで1番オイシイところですぐに引っ込ませちゃうんだ・・・”

竹中直人だよ(笑)!!

なんでリハで下げちゃう?本番出せよなぁ。それともNHK的にあのキャラは放送コードに障っちゃうのかしら・・。もったいない。

まぁ、これ観ても日曜の昼にかの番組を見る気は起きないけど、なんともNHK的な当たり障りのないベタな作りに徹していることで逆に面白おかしく楽しめてしまう作品ではある。

伊藤歩の「花♪」にはホロリとさせられるし、寅さんになりきった人が出てたのも雰囲気的に好きだし。

人生泣き笑い、思いをこめて歌う唄。様々な人間模様の人情喜劇として楽しく観れますた。

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スワロウテイル(1996年・日本・149分)仙台セントラル劇場

 監督・脚本:岩井俊二

 出演:三上博史、江口洋介、Chara、伊東歩、渡辺篤郎、桃井かおり、山口智子、大塚寧々、洞口依子、ミッキー・カーティス、小橋賢児、塩見三省、田口トモロヲ、光石研、浅野忠信

 内容:近未来。夢を求めて日本に渡ってきた移民たちが集まる街、円都<イェンタウン>。娼婦だった母を亡くし、身寄りのなくなった少女アゲハは、娼婦のグリコに引き取られた。アゲハはグリコと同じ移民のフェイホンが経営する何でも屋「青空」で働き始める。ひょんなきっかけから偽造1万円札のデータが入ったテープを手に入れたフェイホンたちは、それを利用して大金を手にするが、その頃、中国マフィアのリーダー、リャンキは偽札データの行方を必死になって捜していた・・・。

評価★★☆/45点

“岩井作品の中でなぜかこの映画だけが自分の中で急速にひからびてしまっている。。”

無国籍という言葉に自分は弱い。

それはたしかなのだが、ビルと廃墟が入り混じった街、無国籍という様々な言葉が入り混じったセリフ、いろいろな肌が入り混じった人種、そういう曖昧さと雑多さが同居している舞台だからこそ、その中で描かれる核となるものやアイデンティティは直に伝わってくるものでなければならないと思う。

しかるにこの作品は小林武史の音楽に合った雰囲気と豪華キャストだけで見せているようなかんじで、金かけたわりに時代という酸化に弱くて色あせていくPVという趣がやはり否めなかった。

自分の好きな「Love Letter」とかなら雰囲気で押し通してもいいのだけど・・・。

いっそのことウォン・カーワイに丸投げした方がええんちゃうか、、ってますます分からなくなるかww

2009年11月15日 (日)

夢のシネマパラダイス339番シアター:おくりびと

おくりびと

20080916_327104 出演:本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史

監督:滝田洋二郎

(2008年・松竹・130分)2009/03/01・盛岡ピカデリー

内容:オーケストラのチェロ奏者として生きてきた大悟は、所属していた楽団の解散を機に、妻の美香とともに故郷の山形へ帰ることに。さっそく職探しを始めた大悟は、“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接に行き、採用は即決する。が、旅行代理店だと思ったその仕事は、死出の旅立ちのお手伝いをする納棺師だった。大悟は、妻にも言い出せないまま、納棺師の見習いとして働き始めるのだったが・・・。アカデミー外国語映画賞など数々の映画賞を受賞。

評価★★★★/80点

どこかしこに散りばめられた間の抜けた演出、、浅~く広~く大衆受けする映画といえば聞こえはいいけど、実質全体的に重量感のないチープな出来、、ようするに映画監督には珍しく作家性というものを恐ろしいくらいに持ち合わせていない監督。

それが滝田洋二郎といえば真っ先に思い浮かぶ印象で・・・。

そんなだから、本作の賞レースでの快進撃には、にわかには信じがたいものがあったのだけど、アカデミー外国語映画賞獲ったどーーっ!ということで、突然変異でも起こしたのかぁ!?という思いで見た次第。。

そしたっけば、かなり良質な小品に仕上がっているではありませんか。

生と死という普遍的なテーマを決して大仰に見せびらかそうとはせず、ただ淡々と見つめようという姿勢には好感がもてたし、その上で日本人に古代から深く根付いたケガレ意識(簡単な例を挙げれば、自分の箸を他人が使うのは汚らわしいからイヤだという意識。スプーンやフォークといった西洋食器はいいのに箸や茶碗はダメといった日本人特有の感覚で、その中でも最も忌み嫌われたのが死のケガレ=死穢、つまり死体に触れることだった。ひと昔前にあった部落差別もこれに起因している。)といった重さと、ユーモアを散りばめたコミカルな軽さが絶妙なバランスを保っていて、それに加えて映画の舞台となっている山形県庄内平野の移ろいゆく季節の背景が伝統的な日本の歴史と風土を違和感なく溶け込ませていて、自然と映画の世界に入っていける親しみやすさにあふれていて見やすいのも良かった。

また、思わずヨダレが出てきそうなほどグルメを色濃く映し出しているのも、死と対極にある生を象徴的に描き出すには適格であっただろうし、主人公をチェロ奏者にした設定も、“冷静かつ正確で、静謐な優しい愛情にあふれていて、全ての行いが美しい・・・”納棺師の指さばきが、芸術家のそれに匹敵し、生き方にもつながってくるというのも巧く、オーソドックスでシンプルなつくりになっているものの単なるハウツーものには終わらない優しい香りと情感あふれる真摯な映画になっていたと思う。

まぁ、これが伊丹十三だとか強烈な個性を持った監督さんだとエグイ性を描き出してくる可能性が非常に高い題材だと思うんだけど、広末涼子の「こんな所じゃ恥ずかしいよ・・」の一言でお腹一杯ッスよもう(笑)。

しかし、広末涼子の嫁さん姿ははっきりいって萌え~だったんだけど、もうちょっと大人な女優さんの方がこの映画にとってはよかったような気も・・・。

でもとにかく、企画段階から関わっていた本木雅弘の型と形を超えたところまで持っていった流れるような美しい所作、ベテラン納棺師を演じた山崎努の最高のアクセント、笹野高史の渋味のある演技など、実力派キャストの出来栄えも充実で、それらが滝田洋二郎のベタベタに陥る演出の一歩手前でしっかりと地に足を着かせ、久々に日本映画らしい日本映画を見ることができたように思う。

滝田洋二郎の力量にはまだ疑問符だけど、、、困ったことにこれは美味しくて良い映画なんだわさww

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オールウェイズ(1989年・アメリカ・123分)NHK-BS

 監督:スティーブン・スピルバーグ

 出演:リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、オードリー・ヘプバーン、ジョン・グッドマン

 内容:腕のいい森林消火パイロットのピートが友人を助けようとして事故死する。幽霊となった彼は、恋人ドリンダに未練タラタラでまとわりつくが彼女は気付かない。一方、彼女の方もピートのことが忘れられず、青年パイロットとの新たな恋の一歩を踏み出せずにいた・・・。

評価★★★★/80点

スピリチュアルでありながらどこかノスタルジックな雰囲気を漂わせているのは、オードリー・ヘプバーンとオールディーズの名曲「煙が目にしみる♪」によるところが大きいと思うけど、そんな本作は同時期に公開された『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)よりは『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)の方に相通じるものがあるように思う。

さらにそこに、あまり深刻に事を考えないノー天気さと、コミカルな連帯感が加わり、非常に心地良い空気感に包まれているのがミソ。

それがつまりは80年代の幸せな空気感だと思うのだけど、それを恥ずかしげもなく素直な形でスクリーンに映し出せるのは、子供のような純粋な心を永遠に持ち続けるスピルバーグだからこそ可能なのかもしれない。

このての映画にありがちな正者が死者の姿を見ることができるというこれ見よがしな泣かせ演出もなく、ことさら感傷的じゃないのもいいし、死者の声が生者の意識下の思いになるという設定も粋でイイ。

オイラ的には、スピルバーグの監督作品の中でもかなり上位にくる良品でっス。

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奇蹟の輝き(1998年・アメリカ・113分)DVD

 監督:ヴィンセント・ウォード

 出演:ロビン・ウィリアムス、キューバ・グッティングJr.、アナベラ・シオラ

 内容:お互い支えあっていた夫婦が、子供2人を同時に失い、妻はそのショックから自殺未遂を起こすが夫の献身的な介抱で立ち直る。しかし、今度は夫が事故死してしまい、天国へ旅立つ。そして妻は絶望で自殺し、地獄へ送られてしまう。そこで夫は妻を探しに地獄へ向かうのだが・・・。

評価★★★/65点

映像は近年稀にみる奇蹟的な輝きを放っているが、いかんせんストーリーに全く輝きがないプラマイゼロ映画。

2009年11月 2日 (月)

レアル・マドリー狂想曲第67番:因縁ヘタフェ戦

9月30日のCLマルセイユ戦で足首を負傷した(というか相手タックルで負傷させられた)クリスティアーノ・ロナウドが戦列を離れて1ヶ月。

リーガ、CLに加えて代表戦もあるわ国王杯も始まるわで、週2試合の過密スケジュールが続く中、10月はリーガ第6節でセビージャに完敗を喫し、CLミラン戦ではホームで惨敗、さらに国王杯では3部チーム相手に0-4の失態を演じ、にわかにぺジェグリーニ解任という話まで飛び出し、まさに風雲急を告げた10月。

11月はサンシーロでのミラン戦、ビセンテ・カルデロンでのマドリードダービー、そしてカンプノウでのクラシコと重要な決戦が続く・・・。

そんな中、ぺジェグニーニの進退に関わる重要な一戦となったホームでのリーガ第9節ヘタフェ戦!ヘタフェ戦といえば、昨シーズンにぺぺが相手選手を蹴り上げてしまい、10試合の出場停止処分を喰らってしまった因縁の一戦。。。

布陣は、、、、

            ベンゼマ

                           イグアイン

                   カカ   

  マルセロ                       

         シャビ・アロンソ      ラス

アルベロア                           Sラモス

          アルビオル       ぺぺ

                カシージャス

ベンゼマ&イグアインの2トップ気味ともいえる立ち上がり。ヘタフェが高くDFラインを設定していることもあったが、2人とも常に裏を狙う動きが見られ、前線に活発さが見られたのは好印象だった。

また、左ラテラルに安定感のあるアルベロアを置いて、マルセロを1枚上げたのは今シーズン初めての試み。

守備に難のあるマルセロをサイドハーフで使うというのは昨シーズンにファンデ・ラモスが行ったことでもあり、しかもそれはかなりプラスの効果を生み出しているという前例もあり、個人的には早く試して欲しかったんだけども。

が、その合否を見ようという矢先に、アルビオルが前半27分に一発レッドで退場となってしまう・・。この判定は厳しすぎ。。試合後にさっそくレッドカードの撤回を求めてリーガの大会委員会に提訴したようだけど、たぶんイエローに修正されるんじゃないかな。

これで10人で戦わざるをえなくなったレアルは、CBにSラモスを入れ、アルベロアを右ラテラルに、マルセロを左ラテラルに下げて対処。前線の選手を代えることなく、ピッチ上でポジション修正できたのは不幸中の幸いで、アルベロアをスタメンで出したのが奏功した形となった。

Photo ←マルセロがラスの頭をナデナデww

一人少ない中、獅子奮迅の働きを見せたのがラス。中盤スペースを就いてくる相手攻撃陣に休みなくチェイス&チェックをかけ続け攻撃の芽を摘み取るかと思えば、シャビ・アロンソも顔負けのパスでチャンスを演出。背番号10に相応しい活躍を見せた。なんか、家族の問題とかでフランスに戻ってたみたいだけど、そんな不安を払拭させるパフォーマンスだったな。

Photo_2 そしてそして、試合を決めたのは最後に頼りになる男イグアイン。

ドラマティックなゴールを披露することにかけては右に出る者がいない男、窮地に陥ったチームを幾度も助けてきた男が今回もやってくれた!

後半8分、マルセロからのアーリー気味のクロスを受け左足一閃!

さらにその3分後、今度はベンゼマからのパスを受け、ドリブルから右足一閃!

その後もカシージャスの好セーブなどで零封し、2-0で勝利!!

なんか10人になってからの方が動きが格段に良くなったような気もしたけど(笑)、今日のように気持ちを入れて戦えば結果はついて来るっちゅうことだね。頑張りぃ。

しかし、ヘタフェって、ソルダードやミゲル・トーレス、パレホなどレアルの下部組織出身者が7人だかいるんだってね。こりゃ完全にレアルBチームだなww。

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