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2009年10月18日 (日)

夢のシネマパラダイス434番シアター:真実のとき

真実の瞬間<とき>

2 出演:ロバート・デ・ニーロ、アネット・ベニング、ジョージ・ウェント

監督・脚本:アーウィン・ウィンクラー

(1991年・アメリカ・104分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:1950年代にハリウッドを吹き荒れた赤狩りの嵐に、敢然と立ち向かった1人の映画監督の姿を描く人間ドラマ。1951年9月、売れっ子監督のデイヴィッド・メリルは、20世紀フォックスの代表ダリル・F・ザナックから、非米活動委員会の共産主義者のリストに自分の名が挙げられていることを聞かされた。助かるために誰かを告発するよう勧められたメリルは、「友人を売れるかバッキャロー!」と一蹴し、そのため撮影所への立ち入りを禁止されてしまう・・・。

“Shame on you!Shame on you!”

こういうことを労力をかけてわざわざ映画にしなくてもいいような時代と社会であってほしい。

映画という媒体には観る者に思考と議論を呼び起こし、“真実”に対する理解を促す、そういう力が備わっているのは百も承知なのだけど、それ以前に本来映画というのは夢を売るものなのだから。

それを夢と親友を強制的に天秤にかけさせることを平然とやってのけていた時代があったなんて・・。デ・ニーロの「恥を知れ!」という言葉が深く耳に残る。

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大いなる陰謀

Lions_lambs_2_1a 出演:ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズ、マイケル・ペーニャ

監督:ロバート・レッドフォード

(2007年・アメリカ・92分)WOWOW

内容:対テロ戦争の持論を展開している共和党のホープと謳われる上院議員アーヴィング(トム・クルーズ)は、世論の支持を得てポイントを稼ごうとベテラン女性ジャーナリスト(メリル・ストリープ)の単独インタビューを行う。だが、アーヴィングが掲げた戦略の裏に“仕組まれた真実”が潜んでいると確信した彼女は、その真相を明らかにしようとする。そんな中、大学教授(レッドフォード)の教え子である2人の若者は戦地アフガニスタンで新たな作戦に就こうとしていた・・・。

評価★★☆/50点

映画見終わったあと、“大いなる陰謀”という大仰な題名をつけるほどの映画なのか!?と疑問に思ってしまったが、しかし少なくともオイラにとっては常識中の常識であることを、かの国の人々からすれば大いなる陰謀として目に映ってしまうのだとしたら、アメリカという国はほとほと救いようがないと言わなければならない。

例えば、ヒスパニックと黒人の学生が奨学金目当てに志願兵にならざるをえない現実、つまりは貧困層やマイノリティが戦場に駆り出される現実というのはベトナム戦争から何にも変わっていないわけで、それこそトム・クルーズが20年前に主演した「7月4日に生まれて」(1989)なり「プラトーン」(1986)などでさんざん描かれてきたことだろう。

あるいは、マイケル・ムーアの「華氏911」(2004)で描き出される現実の方がよっぽど苛酷で真に迫ってくる。

それをこの映画では、ネオコンの論理を能弁と語りつくす共和党上院議員と結果的には風見鶏と化してしまうジャーナリスト、そして椅子にカッコ良く佇むだけのリベラルなインテリ教授というステレオタイプのキャラクターに、三者三様のこれまたステレオタイプな会話劇をおっかぶせるだけで描こうというのだから、作り手のストレートな真摯さがかえってあざとく見えてしまいなんとも薄っぺらいものとしか感じられなくなってしまう。

大学院に進みたいと思いながらも、そのために銃を手に取り国のために戦わなければならないマイノリティの学生と、その対極にいるような裕福な環境に恵まれながら無気力と無関心の塊の白人学生の対比など、その言わんとするところは分からなくはないのだけども、こんなありきたりなレベルの描写じゃ考えさせられるところまではいかないわな。。

まぁ、これだけの大スターを揃えたからなんとか体を保っていられる作品だといえると思うけど、でも、この「大いなる陰謀」って邦題だったのね。って配給会社の陰謀だなこれはww。

原題は「子羊に率いられたライオン」か。こっちはこっちで意味深な題名に内容が追いついていないと思うんだけど・・・。

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海と毒薬(1986年・日本・123分)NHK-BS

 監督・脚本:熊井啓

 出演:奥田瑛二、渡辺謙、田村高廣、神山繁、成田三樹夫、西田健、岸田今日子、根岸季衣

 内容:昭和20年5月、大学医学部の研究生・勝呂は連夜の米軍による空襲の下、鬱屈した日々を送っていた。医学部では部長の死去により、後任の座を第一外科の橋本教授と第二外科の権藤教授が争っている。劣勢の橋本は失地回復を焦り、軍から委嘱された米軍捕虜8名の生体解剖を受け入れた。肺切除の限度と絶命との関連を調べる名目の手術に臨んだ勝呂は、動揺を隠せなかったが、同僚の戸田はためらいなく役目をこなしていくのだった・・・。第二次世界大戦末期に実際に起きた、米軍捕虜に対する生体解剖実験を題材にした社会派ドラマ。

評価★★★★/80点

グロい手術シーンを見てるとき、20数年看護婦やってるウチのオカンが言った一言、、、

「あ、これ豚の内臓だわね。あ、こっちは絶対マグロのだわ。」と何事もないかのように、あっけらかんとした表情で言うオカン。。

オカン、あちら側の人間になっちゃってたのね・・・

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キリング・フィールド

01killing_fields 出演:サム・ウォーターストン、ハイン・S・ニョール、ジョン・マルコヴィッチ

監督:ローランド・ジョフィ

(1984年・英/米・141分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:70年代初頭、ベトナム戦争の戦火は隣国カンボジアにも飛び火し、アメリカが支援するロン・ノル政権と革命勢力ポル・ポト派の過激派クメール・ルージュによる内戦は激化の一途をたどっていた。ニューヨーク・タイムズ紙の特派員であるシドニー・シャンバーグは、現地通訳のプランとともに取材を続けていた。しかし、1975年にクメール・ルージュが首都プノンペンを制圧すると、シャンバーグは国外退去を余儀なくされ、プランとの音信は途絶えてしまう。一方、プランは、想像を絶する虐殺を行うクメール・ルージュの苛烈な支配を逃れて、決死の逃避行を繰り広げていた・・・。アカデミー助演男優賞を受賞したハイン・S・ニョールは実際にポル・ポト政権の恐怖政治を体験したカンボジア難民。しかし、1996年にNYで何者かによって射殺された。

“戦争にはヒーローやヒロインなんていないんだという冷徹な視点が、映画に重みとリアリティを与えている。”

カンボジア人の通訳兼ガイド、ディス・プランの必死で生き抜こうとする姿、真実を伝えようとする姿が戦争という残酷な実態を淡々と、しかし力強く暴き出していく。

こういう戦争映画も珍しいと思うのだけど、アメリカではなくイギリスの作品という面が影響しているのかも。

それにしても年端も行かぬ少年たちや少女までもが銃を構えている姿には心が痛む。

そして、子供たちが兵士にされている現実はベトナムから40年近く経った今も変わっていない・・・。

現在世界には40カ国で約30万人の児童兵が戦場で働かされているという(2004年作品の「イノセント・ボイス-12歳の戦場」より)。

銃と殺戮ではなく、夢と笑顔を与えられる世界になることを願うのみです。

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グッドナイト&グッドラック

Good 出演:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、ロバート・ダウニー・Jr

監督・脚本:ジョージ・クルーニー

(2005年・アメリカ・93分)2006/05/10・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:1953年、米ソ冷戦が激しさを増す中、アメリカ国内ではマッカーシー上院議員を旗頭に、国内の共産主義者の徹底した排除活動「赤狩り」の嵐が吹き荒れ、アメリカ全土を覆っていた。共産主義者とみなされた者はどんな職業であろうと容赦なく職を奪われていく。そんな中、CBSの人気キャスターであるエド・マローとプロデューサーのフレッドは報道番組「シー・イット・ナウ」の中で、マッカーシーこそがアメリカの自由の敵であると訴える内容の放送に踏み切るのだが・・・。

“その男、監督につき、その名はジョージ・クルーニー”

正直心を突き動かすような激しい情動と荒ぶる波動に乏しく、どこまでも一定の周波数で描かれ、モノクローム映像や当時のドキュメンタリー映像ともあいまって落ち着きすぎの感は否めない。

その忍耐限界ギリギリの90分弱で収めたのは大正解だろう。

しかし、その90分を通して貫かれるエドワード・マローの静かなる目線は決してブレることなく、その眼光は熱く煮えたぎっていた。

おそらくこの鋭い眼光が見据える先にあるのは、国際社会で強引な手法で暴走を続ける今現在のアメリカなのだろう。もっと突っ込んで言えば、ブッシュその人なのだろうと思う。そして9.11以降の恐怖を煽るような偏ったジャーナリズムにも・・・。

これは今、作っておかなければならない、そして観ておかなければならない映画なのかもしれない。

激しく揺れ動く現代情勢において、この恐ろしいまでに堅実で落ち着き払ったモノクロームの映像世界がやけに重くのしかかってくる。

ジョージ・クルーニー。確かな監督である。

次回作が楽しみだ。

(初記)2006/05/11

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