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2009年9月25日 (金)

夢のシネマパラダイス543番シアター:グエムル~漢江の怪物~

Guemuru3 出演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ぺ・ドゥナ、コ・アソン

監督:ポン・ジュノ

(2006年・韓国・120分)2006/09/20・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:米軍基地から大量の薬物がソウルの中心を流れる河・漢江に垂れ流されてから幾年、、、突如、正体不明の巨大な怪物が出現。驚異的なスピードで動き回り、逃げ惑う行楽客を次々と喰い殺し始めた。河川敷で売店を営むカンドゥは、中学生の一人娘ヒョンソと逃げるが、あろうことかヒョンソが怪物に連れ去られてしまう。カンドゥは、父ヒボン、アーチェリーの名手である妹ナムジュ、弟ナミルとともにヒョンソを探し出そうとするのだった。が、政府は怪物が死のウイルスの宿主であると発表、怪物と接触した人々を隔離し始める・・・。

“最凶のたたり神グエムルvs怪物ポン・ジュノ!”

スパイダーマンの運動性能とプレデターの腐臭と醜さ、アナコンダばりの尻尾、もののけ姫に出てくる猪神・乙事主の遺伝子を有し、レリックそのまんまの形態を持った怪物グエムル。なんとまぁ凄んごいやっちゃ。

でも1番ピンときたのはブチ切れた時のカオナシなんだよね(笑)。千と千尋の・・。ドバドバ吐き出してるし。

また、巷では「WXⅢ機動警察パトレイバー」に出てくる“廃棄物13号”に酷似してるとか言われてるけど、、たしかに似てるかも。

でも、そんなことはグエムルの圧倒的存在感と予測不能の動きを眼前にすればどうでもいいことであり、今まで見てきたどのクリーチャーとも異なる唯一無二のオリジナリティあふれる怪物だったと思う。

そして、それは多分に映画のジャンルの壁を面白おかしく崩してしまうポン・ジュノ監督のなせる技によるところも大きい。

例えば、今まで都市を闊歩する怪物といえばゴジラやキングコングなど巨大怪獣が主であり、殺戮というよりはスケールの大きさと破壊神の象徴として描かれてきた一方、レリックやエイリアンなどのコンパクトサイズの怪物は地下や宇宙船内などの閉塞感極まれる逃げ場のない密閉空間で特定の人々を殺戮し、暴れ回ることによってその恐怖の真価を発揮してきた。

しかし、今回は体長10m程度と大きすぎず小さすぎずのコンパクトサイズの怪物が、しかもたった一匹、大都市ソウルを横滑りしながら疾走し、人間を丸呑みしてしまうという、今までありそうでなかった作り方をしているのだ。

それをグエムルにさらわれた娘をなんとか助け出そうとするパク一家に焦点を合わせることによって崩れたジャンルの壁をポン・ジュノ流錬金術で全く新しいものへと生まれ変わらせている。

さらに、暗がりの限られた密閉空間から真っ昼間のだだっ広い都市空間という180度異なる場へ放り出されたことによる恐怖感の減退、スケール感の無さといった不安要素も、グエムルのとにかく凄い動きと驚愕のリアリティでもって払拭するとともに、恐ろしいほどの開放感とユーモアセンスを織り込んでまたまたジャンルの壁を軽々と突き破ってしまっている・・・。

「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」でサンディエゴを我が物顔でのし歩くTレックスの肩透かし度とは天地の差だ。

特に圧倒的なリアリティに関しては唸るほかない。。

なによりも、この映画にまるでグエムルの尻尾に根こそぎ身体を持っていかれるかのごとく引きずり込まれたのは、グエムルの登場場面に尽きるのだが、ここで描き出されるリアル感というのは筆舌に尽くしがたい。

休日、のどかな昼下がりの河川敷という舞台設定にまずは驚かされるけど、真っ昼間てのがやっぱ特筆ものだね。そして、漢江に架かる橋げたにぶら下がって風に揺れなびいている“何か”に人々は気付くのだけど、この“何か”という感じがまた絶妙。

人々が指さしているのを見て観客のオイラも思わず目をこらして見ちゃったけど、えっ何?どこ?ん?何だあれ・・?みたいな。

ありふれた日常風景に混入している異物感というか、あるはずのない所から手首がニョキッと出ている心霊写真を見た時のような感覚で、あの橋からぶら下がっているグエムルの遠景ショットだけでオイラは背中を何か得体の知れない舌でザワリと舐められたような、そんな薄気味悪さを体感してしまった、、、と思ったが最後、オイラも河川敷を必死で爆走していた・・・。

凄い映画だ。

あと、電車の窓からフツーに異様な殺戮シーンが見えちゃうというのもまた絶品だし、アメリカがまき散らす情報操作にまんまと乗せられ右往左往する人々、そしてひと段落して事の真実がやっとで伝えられた時にはもうすでに人々の関心の俎上にも上っていないという顛末を痛烈なブラックユーモアで包んだかなり強烈なラストといい、このポン・ジュノという男、まさに怪物ですな。

とにかくこんなわけの分からない、しかしこんなに面白い怪物映画というのは今まで見たことがない。

ああ、ホント美味しかった~ゲップ、、ウィ~~

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クローバーフィールド/HAKAISHA

20080427_305407 出演:マイケル・スタール=デヴィッド、マイク・ヴォーゲル、オデット・ユーストマン、ジェシカ・ルーカス

監督:マット・リーヴス

(2008年・アメリカ・85分)2008/04/20・盛岡中劇

評価★★★/60点

内容:5月22日、NYマンハッタン。仕事で日本へ栄転となったロブを祝うため、アパートの一室で送別パーティーが開かれていた。ハッドは出席者のコメントを録るためビデオカメラを回していた。が、そんな最中、外で突然轟音が響き渡り・・・。

“怪獣映画、下からみるか?横からみるか?”

NY・セントラルパークで回収されたシロウトの撮ったビデオカメラを再生、そこに映っていた驚愕の映像とは!?

本編すべてが撮影者の主観視点で進む今までありそうでなかった、こんな映画一度は見てみたかったという、そんな願望を実現してくれたアイデアは秀逸。

なのだけど、フタを開けてみれば、、、ちと飽きた・・・(笑)。そして、ちと酔った・・・。

なまじ予備知識があっただけに、こんなもんかというかんじで。。

たしかに今までの怪獣映画なり、例えばウルトラマンなんかにしてもそうなんだけど、ほとんど全てが大局的視点で撮られていて、街中を暴れ回る怪獣の足下にいる一般市民は逃げ惑う記号としてしか描かれず、押しつぶされる建物や電車の中にいるはずの数多の人間は暗黙の了解のもとに黙殺されてきたわけで、その意味では怪獣映画というのは下から見上げるものではなく横から見るものだった。

そこに風穴をあけたのが金子修介の平成ガメラシリーズだったわけだけど、それをさらに極端にしたのが今回の作品といえばいいのだろうか。

ただ、例えばF1のTV中継で、時速300キロで駆け抜けるレーシングカーの車載カメラ映像はド迫力そのものだけど、それオンリーでレース中継が成り立たないのは自明の理で、今レースはどういう状況にあるのか、その中でこの車はどういう位置にいるのかという俯瞰視点はどうあっても必要になってくるわけで、それがなければ様々なドラマ、言い換えれば物語なんて生まれるはずもなく、、、それと同じことが今回の映画にもいえるのではないかなと思ってしまった。

つまり、カメラが1つ所に固定されることによる制約が物語を封殺してしまっている典型的な例だと思うんだけども、ことディザスタームービーに関しては、主観アングルというのは弱点というか失うものの方が大きいんだなということを実感してしまったような・・。

逆にそれが有効になるのは、限定されたシチュエーションや密閉空間に閉じ込められてしまった場合であり、最近では左目以外の自由を奪われてしまった男の視点で描かれる「潜水服は蝶の夢を見る」(2007)やテレビ局の取材クルーが出向いたアパートで起こる恐怖を描いた「RECレック」(2007)といった作品があるけど、これらの作品は主観アングルという制約が無理なく活かされた映画になっていると思う。

要は、主観アングルというのは、カメラの動きが制限されているのだから、観る側にとっては苦痛の方が大きいわけで、それを逆手にとるには基本的には何らかの自由を奪う設定にするしかないというのが自然な流れなのだ。

ところが今回は、プロデューサーのJ・J・エイブラムスの言葉を借りれば、“モンスターをあまり見せないように隠したかった”から主観アングルにしたというではないか。

ななんと、自由を奪われたのは他でもない怪獣だったというオチ・・・(笑)。

そう考えるとこれほど本末転倒な怪獣映画もなかろう。

思う存分暴れ回るために生み出された怪獣がカクレンボをしなければならないなんて・・・。

そして、この奪われた自由の枷を軽減し映画としてまがりなりにも成り立たせるために、主人公たちがむざむざ竜巻の中に突っ込んでいくかのようにパニックの渦の中心に歩を進めるように仕向け、あげくの果てに小型モンスターという反則技まで繰り出してくるシナリオは、かなり説得力に欠けるし、未知の何かがヌラリと視界の隅に入ったのにそれをカメラで追おうとしないところなどもどうしても気になってしまう。

この主観アングルに、裏で緻密に操る計算されつくした神の目を感じ取ってしまう不純なオイラは、もう途中から飽き飽きしちゃって・・・w。

手ブレのハンディカメラという点でも、スピルバーグの「プライベート・ライアン」(1998)や「宇宙戦争」(2005)といった先達があるし、なにより9.11同時多発テロという現実に勝るものはなかろう。

ま、こういうのは何も考えずに見ればいいんだけどさ。ブレブレのカメラに酔ってついつい考えさせられちゃったんだよ(笑)。。

しかし、あの怪獣、オイラがゴキブリに次いで大っ嫌いなカマドウマに肢体が似ていてイヤだ!!

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ジェヴォーダンの獣(2001年・フランス・138分)MOVIX仙台

 監督:クリストフ・ガンズ

 出演:サミュエル・ル・ビアン、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、エミリエ・デュケンヌ

 内容:1764年、フランスのジェヴォーダン地方で、100人を超える人々が謎の魔獣に惨殺された。獣の正体を突き止めるべく、科学者フロンサックらが派遣されたが・・・。フランス史上最大の謎と語り継がれる連続殺人事件を映画化。

評価★★★/60点

“東京フレンドパーク風にいえば、4,5本ダーツを持っているにもかかわらず、全部的をハズしたか、たわしを当ててしまったかといったかんじ。”

ていうかダーツは1本でいいのよ。的を的確に射てくれればさ。

どうもこの映画は欲張りすぎて逆にドツボにハマッちゃってるかんじなんだよな。数打ちゃ当たるじゃダメダメだってことをこの映画はモロにやっちゃってる。

ま、好意的に名付ければ、フランス成人版もののけ姫といったところか。。海を渡ってやって来た鎮西の乙事主も、フランス版では鎮西ではなくアフリカになっちゃうのね。ふーん・・。

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