夢のシネマパラダイス75番シアター:河童のクゥと夏休み
河童のクゥと夏休み
声の出演:田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ、冨沢風斗、横川貴大
監督・脚本:原恵一
(2007年・松竹・138分)NHK-BS
内容:夏休みを心待ちにしていた小学生の康一は、学校帰りに不思議な石を拾う。そして、持ち帰って水で洗うと、なんと河童の子供が姿を現した。最初に発した「クゥ~~」という第一声からクゥと名付けられたその河童は、日本語を解し、江戸の世から地中に埋められていたのだという。最初は驚いた家族も、気前のいいクゥを受け入れ、一緒に暮らし始めるが・・・。
評価★★★★/80点
どこぞの町の教育会館で巡回上映されるような児童向け映画かと思いきや、めっちゃ心打たれる感動作に仕上がっとるやないけ。
オイラは今、モーレツに感動している(笑)
とともに、盛岡に住んでいるオイラにとっては、岩手県人であることを誇りにさえ思ったわな。
民話の里・遠野は河童の伝承としても有名で、盛岡からは車で1時間半くらいの距離にあり、盛岡人からしてもかなり良質な田舎の空気を味わえる所。
そんな鮮やかな緑と青藻が生える清らかな川に囲まれた遠野の雰囲気を表現できていたのは良かったし、終着点を沖縄ヤンバルにしたのも意外で面白かった。
でも、遠野に河童はもういないんだ、と断言されたのはちょっと悲しかったけど・・・。有名な河童淵に行けば会えるんでっせw
まぁ、話の展開としては、「E.T.」などの定型的なフォーマットを単純になぞっただけともいえるけど、義理人情に厚い古風な気質のクゥちゃんのキャラクターが魅力的で面白かったし、そのクゥちゃんが東京タワーに登るくだりは、エンパイヤステートビルに登って転落した哀しきモンスター、キング・コングを思い起こさせて引き込まれてしまった。
そして本当のバケモノは人間なのだという残酷さをリアルに捉えた演出力もなかなかのもので、例えば携帯電話を片手に追っかけてくる殺風景な人々は現代社会の象徴みたいなもので、これを子供向けアニメで描いたストレートさは買いたいところ。
また、小学4,5年生のリアルというか、同級生の女のコが泣いているのに主人公の康一がモジモジしながらその場を立ち去ってしまう場面なんかは、恥ずかしさの方が前面に出るこの年頃のぎこちなさがよく表現できていて上手いなと思った。
その他にもイジメや環境破壊、総ワイドショー化するメディアなど、様々な社会問題を盛り込む中、決してシビアな堅苦しさに陥らずに子供・大人両方の鑑賞に十二分に堪えうる作品に仕上げたのは、さすがクレしん劇場版で大人たちを号泣させた監督さんだけのことはある。
こういう真摯なアニメが増えてくればいいんだけどねぇ。
細田守とか、この映画の監督・原恵一など期待できる人材も出てきてるので、楽しみっちゃあ楽しみかな。ジブリ後をそろそろ考えないとダメだしな。おいおい・・・
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ジュブナイル(2000年・東宝・105分)NHK-BS
監督・脚本:山崎貴
出演:香取慎吾、酒井美紀、鈴木杏、遠藤雄弥、清水京太郎
内容:夏休みを利用してキャンプに来ていた岬と裕介ら4人組は、森の中で奇妙なロボット・テトラと出会う。こっそり持ち帰ったテトラを裕介の部屋で飼うことにした4人は、タイムマシンを研究する近所のオタク青年・神崎のもとでテトラの謎を解明しようとする。一方、その頃、テトラを追うボイド人が出現して・・・。
評価★★★/65点
題名からしてそのものズバリのド直球を冠しただけのことはあり、つくり手の気概がかなり感じられるオリジナリティとジュブナイルのエッセンスにあふれる作品になっていることはたしかで、子供にとっては純粋に楽しめるはず。
なのだけど、、もうそういう年頃でもなくなった自分にとっては物足りなさが否めず・・。
それは、つまるところジュブナイルものに必須のノスタルジーを感じ取ることができなかったというのが最も大きな要因で、例えば80年代後半を小学生として過ごしたオイラはまさにファミコン世代だと思うのだけど、この映画で子供たちがプレステ2と携帯をツールとして使うヴァーチャルアトラクション的な冒険にはどうも心躍らないというか現代っ子とは世代的にビミョーなズレが・・・。いや、かなりのズレか。。今は山の中で秘密基地作ったりなんてしないんだろうなぁ・・。
あとは、子供がテトラと出会ったときのインパクトをはじめとして感情表現がかなりあっさりしているのも乗り切れない理由で、「E.T.」(1982)みたいな子供の輝きに乏しいのはいただけないかなと。
そういうところもヴァーチャル的なかんじで、、、う~ん。。
、、、ようするに、イマイチですた・・。ハイ。
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キャスパー(1995年・アメリカ・100分)CS
監督:ブラッド・シルバーリング
出演:クリスティーナ・リッチ、ビル・プルマン、キャシー・モリアーティ
内容:12歳のキャスパーと3人(匹?)の叔父は広大な屋敷に100年も住むお化け。そんな屋敷を相続した強欲な女主人に、叔父ゴーストたちはいやがらせを開始。困った女主人はゴースト退治のために心霊学者を呼び寄せるのだが・・・。
評価★★★☆/70点
安心して子供に見せられる映画なのだと割り切って見ることをおススメします。そうすればあなたもキャスパーに会いたくなること間違いなし!
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ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年・アメリカ・107分)NHK-BS
監督:マシュー・ロビンズ
出演:ヒューム・クローニン、ジェシカ・タンディ、フランク・マクレー
内容:ニューヨークの下町で、地上げ屋の嫌がらせにあっている安アパートの住人達の前に現れたのは、小型円盤型の宇宙人!住人達を助けるため、可愛いメカ生命体が活躍する。
評価★★★★/75点
もうアメリカはいいから大規模な地上げが横行している中国に行ってやりなはれUFOさんww。
でも、週末夜にこういうほのぼのとしたおとぎ話映画を見るとなぜか幸せな気分に浸れて好き
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