夢のシネマパラダイス329番シアター:プライドと偏見
プライドと偏見
出演:キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン、ドナルド・サザーランド、ブレンダ・ブレシン、ジュディ・デンチ
監督:ジョー・ライト
(2005年・イギリス・127分)CS
内容:18世紀末のイギリス。田舎町に暮らすベネット家の5人姉妹。女性には相続権がない時代、娘たちを路頭に迷わせまいと両親は彼女たちの結婚相手探しに躍起になっていた。そんなある日、ビングリーという大富豪が近所に越してきた。そして舞踏会の夜、次女エリザベスは、ビングリーの親友ダーシーと出会うが、彼の高慢な態度に嫌悪感を募らせていく・・・。ジェーン・オースティンの小説「高慢と偏見」の映画化。
評価★★★/65点
コスチュームプレイは大の苦手なオイラ。
しかし、今回は結婚という普遍的なテーマのもと、女性の権利や自由が制限されていた時代的制約の中で、決められた結婚を平気でブチ破るなど、当時としては破天荒な気の強い女性像のエリザベスが、現代のフツーの女性の生き方に難なく通じるところがあって、また彼女を生き生きと演じたキーラ・ナイトレイも素晴らしく、何の抵抗感も抱かずに最後まで見れてしまった。
ここらへんは、現代版「プライドと偏見」ともいえる『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の製作陣が関わっているのが大きいのかもしれない。
また、舞踏会シーンの画作りの上手さや、「恋におちたシェイクスピア」(1998)をはじめとしてチョイ役でも重厚な存在感を醸し出してしまうことにかけては右に出る者がいないジュディ・デンチはもとより、女ばかり一家の中で温かみのある父親像を演じたドナルド・サザーランドが近年では出色の演技を披露していて、全体としてみても出来の良い作品に仕上がっていると思う。
ただ、最後までフツーに見れてしまったがゆえ、逆に欲が出てくるというか、さくさくとテンポよく進んでいくのはいいんだけど、もうちょっとエリザベスとダーシーの心の機微というのを掘り下げてもらいたかったような・・。
2時間ちょいの映画だけど、あと20分延ばしてもらってもよかったかなぁ。
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シルク(2007年・加/仏/伊/英/日・109分)WOWOW
監督・脚本:フランソワ・ジラール
出演:マイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、役所広司、芦名星、中谷美紀
内容:19世紀のフランス。絹商人の青年エルヴェ(マイケル・ピット)はエレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と結婚し、幸せの只中にいた。そんな中、アフリカ産の蚕が疫病で全滅し、彼の村の製糸工場が打撃を受けてしまう。それを打開するため、彼は最高品質の蚕の卵を買い付けに日本へと赴くことに。蚕業の有力者・原十兵衛(役所広司)に迎えられたエルヴェは、そこで絹のように美しい肌を持つ少女(芦名星)と出会い魅せられていく・・・。
評価★★★/65点
フランスからヨーロッパを縦断し、酷寒のシベリアの平原をひたすら進み、ウラジオストクから日本海を渡り、山形の酒田港から最上川を上り、いくつもの峠を越え、信濃の山奥の村へたどり着くという厳しい道程が、まるでドラえもんのどこでもドアの向こう側にすぐ日本があるかと見紛うくらいあっさりと描かれていて、しかもそれを3往復もしちゃうんだから、そこにあまりリアリティというものを感じられなかったのは否めない。
しかし、これは多分に監督の意図したところなはずで、現実に生きる妻エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)への愛を合わせ鏡のように湯煙わき立つ幻想の世界に生きる言葉を発しない美しい女性(芦名星)に仮託して描き縒り合わせることで、神秘性や寓話性といったものを表現したかったのかもしれない。
しかし、絹のような感触の繊細な映像美に彩られてはいるものの、そこには決定的に抑揚というスパイスがない。
大ざっぱなストーリーとの差し引きゼロで、フランス産ワインとお茶漬けの組み合わせは、なんとも印象の薄っすい味に仕上がっちゃったかんじ。
容れ物は大作仕様だっただけに、よりいっそう薄味が際立ってしまったような・・・。
もうちょっと重みと深みとコクのある説得力のある演出をしてほしかったなぁ。
そんなオイラはやっぱコテコテのハリウッドテイストの方が好みやわ。。
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恋におちたシェイクスピア
出演:グィネス・パルトロウ、ジョゼフ・ファインズ、ジェフリー・ラッシュ、ジュディ・デンチ、コリン・ファース、ベン・アフレック、ルパート・エヴェレット
監督:ジョン・マッデン
(1998年・アメリカ・123分)仙台フォーラム
内容:1593年、芝居熱盛んなエリザベス朝のロンドン。人気戯曲家シェイクスピアはスランプに悩んでいた。ある日、客席の片隅で詩を口ずさむ美しい女性ヴァイオラに目を留めた彼は、歯止めのきかぬ恋に落ちていく。バルコニーでの逢瀬、婚約者のいるヴァイオラとの人目を忍ぶ激しい恋は、シェイクスピアのペンを走らせ、傑作「ロミオとジュリエット」の誕生につながっていくのだった。。
評価★★★★☆/85点
“★4っつまでしか点数を付けられない自分が口惜しい。”
映画でしかシェイクスピア作品に触れたことがない、、しかも『十二夜』ってほとんど知らないんです・・・。
そんな自分がまがりなりにもこの映画の面白さの全てを堪能したとは言いがたいのであって。。ていうか言いたくないんだな、悔しいから。
ただの恋愛映画としても十分楽しめるけど、もっともっと深く味わえる作品なのだから。
綿密な時代考証、虚実入り混じった登場人物の魅力的な造型、言葉の魔術師シェイクスピアの映画に相応しいめくるめく言葉のパワーと、本当によく出来た映画だし、本当は満点にしたい!
でも、シェイクスピア作品をより深く味わってからこの映画をいつかまた観るときのために今は★4っつにしときます。
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華の愛(2001年・香港・120分)NHK-BS
監督:ヨン・ファン
出演:宮沢りえ、ジョイ・ウォン、ダニエル・ウー
内容:1930年代の中国。美しき歌姫ジェイド(宮沢りえ)は大富豪の貴族に5番目の妻として嫁ぎ、何不自由なく暮らしていた。しかし、贅を尽くした豪華な生活も、夫の愛が冷めた後は、ジェイドにとっては何の慰めにもならなかった。そんな彼女の哀しみを癒してくれたのは夫の従姉妹との同性愛にも似た関係とアヘンだった。しかし、栄華を極めた貴族の家にも没落の時が近づいていた・・・。
評価★☆/30点
どこの国の映画に出ても華になる確かな力を秘めた宮沢りえの魅力に酔う、そのただ一点突破のみで作られたような映画。
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鳩の翼(1997年・イギリス・101分)NHK-BS
監督:イアン・ソフトリー
出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ライナス・ローチ、アリソン・エリオット
内容:1910年のロンドン。没落した上流階級の娘ケイトは、因習と支配的な叔母によって、貧しいジャーナリストのマートンとの結婚を禁じられていた。そんな時、ケイトは富豪のアメリカ人女性ミリーに出会い、彼女の寛容さに心惹かれる。一方、ミリーはマートンに心を奪われていた。。
評価★☆/25点
18,9世紀のパリやロンドンを舞台にした映画の印象。。
その1.全体的にかったるい
その2.気だるいSEXとヌード
この映画もその例に漏れず・・。
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レジェンド・オブ・フォール(1994年・アメリカ・132分)NHK-BS
監督:エドワード・ズウィック
出演:ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、アイダン・クイン、ジュリア・オーモンド、ヘンリー・トーマス
内容:戦いの記憶から逃れるため、モンタナの深い山奥の牧場でひっそりと生活を送る元騎兵隊の父と3人の息子たち。時は流れ、息子たちはそれぞれの思いを胸に人生を模索していくが、やがて第1次世界大戦にアメリカが参戦。父の思いとは裏腹に3兄弟は志願してヨーロッパ戦線へと出征していく。
評価★★/40点
バカでかいギョーザの皮を使っているのに、食べてみたら肝心の具が無くて皮の味しかしないってやつ・・。そんな映画。。
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ジョイ・ラック・クラブ(1993年・アメリカ・138分)NHK-BS
監督:ウェイン・ワン
出演:キュウ・チン、ツァイ・チン、リサ・ルー
内容:移民として中国からアメリカに渡り、苦難の人生を送ってきた母親たちと、アメリカ人として生まれ育った娘たちの世代間の相違と心の絆を描いた群像劇。
評価★★★/65点
自分の価値が因習によってがんじがらめになっている事ほど悲惨なものはない。女性ならなおさらだろう。
今ならはっきり言える。一家を仕切るのは、オカンなのだ!、、と。
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