夢のシネマパラダイス284番シアター:00年代アクションの寵児ジェイソン・ボーンシリーズ
ボーン・アイデンティティー(2002年・アメリカ・119分)2003/02/04・MOVIX仙台
監督:ダグ・リーマン
出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、クリス・クーパー、クライヴ・オーウェン
評価★★★☆/70点
内容:地中海沖で救助された男は、記憶を失っていた。背中には弾痕、腰には銀行の口座番号を示すカプセルが埋め込まれていた。そして、その銀行の貸金庫には、自分の写真が貼られた何カ国ものパスポートと大金、そして銃が。。はたして自分は何者なのか!?困惑する彼の前に、暗殺者たちが現れる。
“2002年尻拭いの旅inヨーロッパ”
自分はいったい何者なのか?Who Was I?を道標にヨーロッパを股に掛けた一大ロードアクションムービーの様相を呈している今作品。
記憶がないジェイソン・ボーンに加えて、フランカ・ポテンテ扮するマリーも巻き添えになるというダブル巻き込まれパターンは新鮮で、アメリカ大使館の壁下りやカーチェイスなど見所もあり、テンポ良くまとめられている印象。
なのだが、序盤から慌てふためくCIAを出す必要があったのかどうかはかなり疑問符で、後半あたりから出してきた方がもっとインパクトがあったのではないかな、と思うんだけど。まぁ及第点ということで。。
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ボーン・スプレマシー
出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、ジョーン・アレン、ブライアン・コックス
監督:ポール・グリーングラス
(2004年・アメリカ・108分)2005/02/27・盛岡ピカデリー
評価★★★★/80点
内容:インドで恋人と暮らすボーンだったが、いまだ過去の記憶に苛まれる毎日。ある日彼は、自分がベルリンで起きた殺人事件の容疑者になっていることを知り、疑いを晴らすためにベルリンへ向かうが・・・。
“「沈黙の指令」とかいう題名でS.セガール主演だったら面白さは半減していただろう。”
硬派なアクション映画、マーシャルアーツを自在に使いこなし、常に冷静沈着な無敵マシンといえばS.セガールとかぶる要素が多い。
しかしこのジェイソン・ボーンは、マット・デイモンだからこそ味わいが深まるのだと思う。
フツーに街を歩いているような青年、その現実離れしていないリアリティさと、苦悩と知的さを匂わせる人間臭さを兼ね備えた人物像はマット・デイモンのはまり役といってもよい。
それにより平面的になりがちなプロットやアクションに深みが与えられ、味わいも深まった。
前作は全体的にインパクトに欠ける印象があったが、今回は冒頭からマリーの死という圧倒的インパクトのもとで一気に映画とボーンの内側に無理やり引きずり込まれてしまった。
一度引きずり込まれたらもはや逃げ場はない。
この映画の旅にラストのラストまで付き合わされるほかないのだ。
セガールだったら記憶を失くそうが恋人を殺されようが、フンッ!フンッ!ハッ!と心揺さぶられることもなく一直線に突き進む出来レースに終始していたことだろう。
ボーンの敵役には最適かもしれないが。。
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ボーン・アルティメイタム
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン
監督:ポール・グリーングラス
(2007年・アメリカ・115分)2007/12/01・盛岡フォーラム
評価★★★★/80点
内容:CIAの極秘計画“トレッドストーン”によって過去の記憶を消され、究極の暗殺者にされたジェイソン・ボーンは、過去の断片をたどりながら全てに決着をつけるべく動き出す。しかし、ボーンの背後では全てを闇に葬るためのブラックブライアー作戦が進行していた・・・。
“知能を兼ね備えた童顔マットに対し、本格的な知的センスのオーラを漂わせるデヴィッド・ストラザーンを敵役に配置した時点で勝負はあった。”
「ミュンヘン」から「007/カジノロワイヤル」に至るまで様々な影響を与え、00年代アクション映画の指針となりつづけたジェイソン・ボーンシリーズの“アルティメイタム=最後通告”は、まさに怒涛のアクション総ざらいという様相を呈しており、細かなカット割りはさらに細密に、カメラのブレは確かな自信と確信の中でさらに揺れ動きつづける。
また、ストーリー展開はやや単調にすぎるきらいはあるものの、前作「ボーン・スプレマシー」のモスクワでの壮絶なカーチェイス後から幕を開け、中盤で同じく前作のラスト(CIAビルにいるパメラに双眼鏡でのぞきながらボーンがTELで疲れた顔をしているから少し休んだ方がいいと忠告し、パメラがハッと窓の外を振り返るシーン)につなげていく構成は巧くまとめられているなという印象。
また、ブラックブライアー作戦についても、1作目の「ボーン・アイデンティティー」のラストでウォード・アボット(ブライアン・コックス)が、トレッドストーン作戦は失敗に終わったが次はブラックブライアー作戦というもっと凄い作戦を練っているみたいなことを上層部に報告しているシーンがあって、実はそういう伏線もあったんだなとDVDで3作イッキ見したときに気付いてしまった。。
このボーンシリーズは3連チャンでイッキ見した方がより理解しやすくて面白いのかもしれない。まぁ、6時間手ブレの映像に耐えられるかは問題だけどね(笑)。
しかし、とにもかくにも今作のアクションはスゴイ!
モロッコ・タンジールでの肉弾戦も凄かったが、ボーンシリーズの定番となったカーチェイスも無茶苦茶にもほどがあるっちゅうねん(笑)。車で自ら突っ込んでいくわ、屋上から落下するわ、なのにムチ打ちにもなっていない不死身な人間兵器ジェイソン・ボーンの姿に、ターミネーターのにおいを感じて背筋が一瞬ゾゾッとなってしまった。
一見ナイーヴそうな青年にも見えるフツーの男と、プロフェッショナルそのものの殺し屋としてのギャップが逆にこの映画を濃ゆいものへと深化させているのだとは思うけど。
また、本作は記憶を取り戻そうとする男と、記憶を消去しようとする組織の、これが文字通りホンマもんのリアル鬼ごっこというかんじなのだが、ハリソン・フォードの「逃亡者」(1993)なんかは素人のオッサンがプロを出し抜いて逃げまくるというところに、例えばダムから飛び降りるという無理強いな設定も出てきてしまうのだけど、ボーンシリーズの面白さとカタルシスはプロvsプロの駆け引きと読み合いの頭脳戦にあるといっていいと思う。
CIA組織の包囲網の網の目をこと細かに描写することで、プロvsプロの詰め将棋のごとき駆け引きと攻防戦を無理なく描き出したプロット。さらにその中で、二手先、三手先まで読み切るズバ抜けた推察力と洞察力に裏打ちされたジェイソン・ボーンの付け入るすきのない行動力は無理なく納得させられ痛快そのもの。
ジャンルは違えど、かわぐちかいじの漫画「沈黙の艦隊」で、敵潜水艦に取り囲まれた中をすり抜けていく“やまと”の緻密な操艦術を目の前にしたときの興奮と同じものを感じてしまった。
さらにそこに欧州を股にかけたワールドワイドな景観と雑踏のカオス、そしてボーンシリーズによって確立されたドキュメンタリー系アクションがブレンドされ、まさに瞬きするヒマのない緊迫感を醸成させている。
フツー、3部作の3作目というのはかなりグダグダ感が否めない中途半端なものになりがちなのだが、このボーンシリーズに限ってはそれは当てはまらないらしい。
これでこのシリーズが完結してしまうのが惜しいと思えるほどの完成度の高さと面白さに4作目も見たいと懇願したくなってしまうのだが、、、ネタ探しに苦慮しているハリウッドのことだ。いずれ作るだろうと一人で安心しきっているオイラなのだった。。
ポール・グリーングラスの次回作にも期待でッス。















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