夢のシネマパラダイス13番シアター:のだめカンタービレを探せ!
アマデウス
出演:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ
監督:ミロス・フォアマン
(1984年・アメリカ・160分)NHK-BS
評価★★★★★/100点
内容:1823年冬、ウィーンの精神病院で、かつてオーストリア皇帝ヨーゼフ2世の宮廷に仕えていた作曲家のアントニオ・サリエリは、「モーツァルトを殺したのは私だ」と意外な告白を始める。その昔、天才を鼻にかけて傍若無人に振る舞う下卑た青年のモーツァルトと宮廷で出会ったサリエリは、彼の才能への嫉妬から、モーツァルトに対して復讐を開始する・・・。35歳の若さでこの世を去った天才作曲家モーツァルトの死の謎に迫ったピーター・シェーファーの戯曲の映画化。アカデミー作品賞をはじめ8部門を獲得した。
“映画の聖典に挙げてもいいくらいの傑作。”
憧れ、祈り、失望、嫉妬、憎しみ、怒り、呪い、羨望、偏愛、歓喜、後悔、、、およそ人間が持つ根源的な感情と逃れられないサガと弱さを、重厚な美術と軽妙洒脱な旋律とけたたましい高笑いにのせてスクリーンという名の五線譜の上で奏でていく超一級娯楽作品。
要らない音符や小節はひとつもない完璧な作品である。
また、神への帰依から復讐、裏切り、そして贖罪へと続いていく宗教色の強い演出スタイルも映画に重みを与えていて良い。
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神童
出演:成海璃子、松山ケンイチ、手塚理美、甲本雅裕、西島秀俊、貫地谷しほり、吉田日出子、柄本明
監督:萩生田宏治
(2006年・日本・120分)WOWOW
評価★★★★/80点
内容:13歳の中学生・成瀬うたは、周りから神童と呼ばれるくらいのピアノの天才少女。が、学校では球技禁止、いつも手袋着用という生活に息苦しさを覚え、ピアノも好きかどうか分からなくなっていた。そんなうたは、ある日、音大を目指して浪人中の和音(ワオ)と出会う・・・。
“神童成海璃子に垂涎”
まずもって落ちこぼれ音大生のワオ(松山ケンイチ)の出すピアノの音色と、天才少女うた(成海璃子)の出す音色に明らかな違いがあった(と感じた)ところで、この映画に一気に引き込まれてしまった感が強い。
さらにその音色が、朴訥で愚直なワオと13歳にして完成された才を持つがゆえの孤独を内に抱えるうたという人物キャラクターにも繋がっていて、ストーリーに十分な説得力をもたせていたと思う。
とにかく耳に流れてくるクラシックの旋律がとても心地良く、ラストのワオとうたの連弾も何か映画が終わってほしくないというような深い余韻を与えてくれた。
そして、やっぱりなによりも成海璃子の当時14歳だったとは到底見えない存在感たっぷりの神童ぶりには驚かされる。
14歳の初主演がこれってどうよ(笑)。
宮沢りえの14歳の時と比べたりしても、ちょっと図抜けているというか。早熟の天才で終わることはまずないだろうけど、今後の出演作選びも含めて目が離せない女優さんだと思う。
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ミュージック・オブ・ハート(2000年・アメリカ・123分)DVD
監督:ウェス・クレイブン
出演:メリル・ストリープ、アンジェラ・バセット、アイダン・クイン、グロリア・エステファン
内容:ハーレムにやって来たバイオリン教師のロベルタは、人種も個性も違う子供たちに音楽と触れ合う喜びを教えていく。しかし、市の教育委員会からの資金が打ち切られ、教室は存続の危機に・・・。
評価★★★/65点
“実話を映画化する難しさなのか。観る側の心が離れていく寸でのところで必死につかまってしがみついてくる。。”
へぇ~~弓って馬の尾毛でできてるのかぁ。初めて知った、、というトリビアは置いといて、肝心の映画はそれなりに感動はできる。それなりに・・。
というのも、実話ゆえの難しさなのか、1つ1つのプロットに掘り下げがない。それだけで完結してしまってるんだよね。
ただの事実の羅列にしかなっていない。先生の家庭での生活と教室風景を交互交互に羅列してるだけ。
そんでいつの間にか上手くなってるんだよなぁ、あいつらのバイオリン。
はっきりいって映画としては旨味に欠けるといわざるを得ないと思うけど、メリル・ストリープほか出演者とバイオリン、そして財団に与して許しまひょ。
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ドラムライン(2002年・アメリカ・119分)DVD
監督:チャールズ・ストーン3世
出演:ニック・キャノン、オーランド・ジョーンズ、ゾーイ・サルダナ、レナード・ロバーツ
内容:音楽プロデューサー、ダラス・オースティンの実体験を下敷きにした青春ドラマ。スポーツ競技のハーフタイムにパフォーマンスを行うマーチングバンドを題材に、大学の名門バンドに入部した天才ドラマーの挫折と成長を描く。NYのハーレム出身のデヴォンは、アトランタAT&T大学のマーチングバンドのリー監督にドラマーとしての才能を見出され入学する。が、その勝ち気で自信過剰な性格から次々と衝突を繰り返してしまう・・・。
評価★★★☆/70点
“青森ねぶたと盛岡さんさ踊りで殴りこみをかけたい気分!”
勝つ自身はあるで(笑)!
映画としては、このての映画の定型的なリズムから決して逸脱しないありふれたものだったけどね。
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五線譜のラブレター(2004年・アメリカ・125分)WOWOW
監督:アーウィン・ウィンクラー
出演:ケビン・クライン、アシュレイ・ジャッド、ジョナサン・プライス、ケビン・マクナリー
内容:実在の作曲家コール・ポーターの人生を、彼を支えた妻の愛と音楽で綴る。始まりは1920年代のパリ。ポーターはリンダと出会い、やがて結婚。世に数々の名曲を送り出していく。ナタリー・コールやエルヴィス・コステロらミュージシャンが多数出演。
評価★★☆/50点
全く同じテンポと形式の繰り返しからなるこの映画は、まるでどこまでも交わることのない5本一組の等間隔な五線譜のようにきっちりしすぎている。
しかも、そこにはリズムとアクセントというものが全く書きこまれていないのだ・・・。
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歓びを歌にのせて(2004年・スウェーデン・132分)DVD
監督・脚本:ケイ・ポラック
出演:ミカエル・ニュクビスト、フリーダ・ハルグレン、ヘレン・ヒョホルム
内容:世界的な名声を得る天才指揮者ダニエルは、しかし、想像を絶するプレッシャーと過酷なスケジュールのため、心身ともに限界に達していた。そんなある日の演奏中にブッ倒れてしまった彼は、第一線から退くことを決断し、幼年期を過ごした北部の小さな村に移り住むことに。が、やがて地元の聖歌隊を指導してほしいと頼まれて・・・。
評価★★★★/80点
“ハリウッドだったら絶対ありえないであろうまさかの結末になんか消化不良なかんじも・・・。”
ハッピーエンドで終わらせてほしかったなぁというのが本音だけど、ああいう結末だったからこそラストの大合唱が映画史上屈指の名シーンになりえたのかもね。しかし、、、ステージに上がる前に意気揚々とサイクリングして心臓に負担かけるバカがどこにいる(笑)。
あと、スウェーデンだけあって、脱ぎっぷりはさすがだったね。
っと、冗談はさておき、純粋に良い映画だったと思います。ハイ。
登場人物がみんな不器用なせいもあって、映画そのものもどこか不器用なかんじは否めなかったけれども、映画が奏でる旋律は真っ直ぐに伝わってまいりますた。素直な良い映画です。
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