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2008年12月14日 (日)

夢のシネマパラダイス47番シアター:東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

Pho_tokyotower 出演:オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、松たか子、小林薫

監督:松岡錠司

(2007年・松竹・142分)2007/05/04・盛岡フォーラム

評価★★★/65点

内容:東京に弾き飛ばされ故郷・筑豊に戻っていったオトンと、同じようにやって来て帰るところを失ってしまったボクと、そして、一度もそんな幻想を抱いたこともなかったのに、東京に連れてこられて、戻ることも帰ることもできず、東京タワーの見下ろす病院の一室で眠りについた、ボクの母親の、小さなお話・・・。リリー・フランキーの同名自伝小説の映画化。

“やっぱ原作を読んで自分の頭ん中で映像化するのが1番、ということにたどり着いてしまう・・・。”

原作→スペシャルドラマ(大泉洋)→フジ系月9ドラマ(速水もこみち)ときて今度は映画版と、自分が読んだ原作小説の映像化作品をこれだけ短期間に3本も見る機会を得たのはもしかしてこれが初めてかもしれない。

それだけ、自分も思い入れがある原作である、、というか実際大泣きまでしてしまったクチなので。。

ところが、連続ドラマの方は毎回コブクロの主題歌に合わせて泣かせようとするベタついた演出に途中からついて行けなくなり、、、速水もこみちも肌に合わず。。

スペシャルドラマも原作との匂いの違いにいまいちノレなかったし。。

なので、今回は3度目の正直ということでどうなるかと期待半分/不安半分だったのだけど、個人的なキーポイントとしては、泣かせようとするミエミエの演出、すなわち涙の商品化だけはしてほしくないということがまず一点。

そして、できれば山田洋次の寅さんシリーズみたいに人情と笑い、ユーモアとペーソスを織り込んだ中で時代の空気感や情感を出していくような演出をしてほしいということが一点。

しかし、その際「ALWAYS三丁目の夕日」のようなノスタルジー色を前面に出すようなやり方は浅すぎてやめてほしいし、、、と、どんどんハードルは高くなっていく(笑)。

また、2時間20分という尺の中で“ボク”の3歳から30代後半までを描いている原作の何を生かして何を捨てるかという取捨選択も必要になってくるわけで、それらが上手くハマッて初めて評価できるという、まぁ原作ものにはつきものの難しさではあるのだけど。

そんなこんなで観始めてみた結果は、、、可もなく不可もなく、、かな。。

いや、決して悪くはないんだよね。“ボク”の回想という形で過去と現在を行き来する時間軸の使い方は、原作のエピソードを満遍なく取り入れる編集の上手さもあいまって、つっかかることなく見やすかったのはたしかだし。

しかし、泣かせようとする演出を、まるでそれを毛嫌いするかのごとく避けていることには逆にこちらが面食らってしまうほどだったのだけど、それはいいとしても、各エピソードの描写が非常に断片的でその積み重ねが映画に起伏という流れを生み出してくれないのがどうにも痛い。

なんだろ、、、同じく原作が好きなハリポタシリーズの映画版と同じような匂いというか、総集編としてみればこれ以上ない最高の出来とはいえるかなと。

そう見れば、キャスティングおよび役者陣は文句の付けようがない出来栄えだし、時代の空気を確実に切り取ってみせた映像面も言うことなしなんだけど。

聞くところによると、松尾スズキのシナリオは初稿の時点では4時間半にもわたるボリュームだったというけど、それを2時間分そぎ落としたわけで、ん~~、、もったいないよなぁ・・。

といいつつ4時間半も付き合うなら原作読んで泣けっちゅう話やしなぁ。。

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Dear フランキー(2004年・イギリス・102分)NHK-BS

 監督:ショーナ・オーバック

 出演:エミリー・モーティマー、ジャック・マケルホーン、メアリー・リガンズ、ジェラルド・バトラー

 内容:夫の度重なるDVに耐えかね、祖母と幼い息子フランキーを連れて家を飛び出したリジー。以来、3人はスコットランド中を転々としながら暮らしていた。そうした事情を知らずに育ち9歳になったフランキーの楽しみは、アクラ号という貨物船で世界中を航海しているというまだ見ぬ父との手紙のやり取りだった。しかし、その手紙はリジーが書いているもので、しかも本当にアクラ号という船が彼らの港町に寄港することになり・・・。

評価★★★★/75点

監督デビュー作とは思えない落ち着き払った冷静な絵作りが小さな港町の美しい風景とあいまって、非常に安心して見ていられる佳品。

もう少し押しが強くてもよかったけど、監督はじめ製作陣が女性で占められているということを聞けばこの優しさも納得のいくところ。

しかし、それを抜きにしても、エミリー・モーティマーやジェラルド・バトラーの的確な演技と、イギリス映画特有の現実感覚が映画をしっかり引き締めていたし、ラストもアッと驚く嬉しいまとめ方でヨロシイ。

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