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2008年11月 2日 (日)

夢のシネマパラダイス544番シアター:アフリカ、灼熱の愛

イングリッシュ・ペイシェント

Exntlucpl 出演:レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォー、クリスティン・スコット=トーマス

監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ

(1996年・アメリカ・162分)仙台フォーラム

評価★★★★☆/85点

内容:1944年のイタリア。飛行機事故で全身にやけどを負い、生死の境をさまよう男アルマシーを、戦争で恋人も親友もなくした従軍看護婦のハナが、荒れ果てた修道院で献身的な看護を続ける。そして男は断片的によみがえる思い出をハナに聞かせる。消えゆく意識の中で男の脳裏に浮かぶのは、最愛の人キャサリンとのアフリカの砂漠での燃えるような恋の思い出だった・・・。アカデミー作品賞、監督賞など9部門を受賞。

“映画に酔う、至福の時”

今まで映画を数多く観てきて、時には感動し、時には涙を流し、時には腹を抱えて笑い、時には胸が躍るような興奮を味わい、時には納得のいく答えを求めて思考の迷路を彷徨い、時には記憶に焼き付けられるようなショックを受け、、、と様々に心を揺り動かされてきたのだが、“映画に酔う”という体験をしたのはこの映画が唯一無二かもしれない。

喉の渇きをかき立てるとともにロマンをもかき立ててくれる古から変わることのない北アフリカの乾いた大地の壮大なスケール感。

その中で渇きを満たすかのように繰り広げられる情熱の不倫ラブ・ロマンスという危険で甘い香りが、サハラの赤茶けた砂の中にしっとりと染み込んでゆく。

そして、水分を多分に含んだ筆が紙の上を滑らかな筆致で進むように、やがてスクリーンは豊潤な映画のイメージで包まれ、その濃密な浸透力は映画を観る我々の肌にもヒタヒタと押し寄せてくるかのように染み込んでいく。

映画に酔うというのはこういうことなのか・・・。

現在と過去が錯綜する時間軸、北アフリカとイタリア・トスカーナという2つの空間軸が絡み合い、時間の感覚が麻痺してとろけてしまうようなゆったりとした雰囲気を味わうことができる。160分弱という長尺も全く気になることがないままあっという間に時間は過ぎていった。

あと1時間だろうが2時間だろうが見続けていられるような、映画の世界にずっと身を委ねていたい、そんな気分にさせてくれる魅力的な映画だったと思う。

インド人のイギリス中尉キップがジュリエット・ビノシュ扮する従軍看護婦ハナをロープで吊り上げて浮遊させ、松明だけの明かりで壁画を見せるシーンは珠玉でした。

これぞ映画だ!というシーンが目白押しで往年のハリウッド映画を思い起こさせるような気品に満ちあふれた映画です。必見。

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ナイロビの蜂

Hachi 出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ユベール・クンデ、ダニー・ヒューストン、ビル・ナイ

監督:フェルナンド・メイレレス

(2005年・イギリス・128分)2006/05/19・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:ケニアのナイロビ。英国外交官のジャスティンは、アフリカで精力的に救援活動を続ける妻テッサとすれ違いの日々が続いていた。が、そんなある日、テッサが何者かに殺害されてしまう。事件に不審なものを感じたジャスティンは、自ら調査に乗り出すことに。やがて、事件には製薬会社と治験を請け負った会社、そして英国政府との間に国際的陰謀が絡んでいることを突き止める・・・。

“「イングリッシュ・ペイシェント」と比べれば、、、この点数。。”

巷では非常に高評価の本作品だが、個人的にはどうしてもレイフ・ファインズとアフリカでいうと、「イングリッシュ・ペイシェント」を思い浮かべてしまって。

情感と情緒が肌に染み込むような、ときに幻想的なアンソニー・ミンゲラの映像美と狂おしいほどの愛憎劇に圧倒されたクチのオイラは、どうしてもかの作品と見比べちゃうんだよねぇ・・・。

いや、悪くはないんだけどね全然。つくりとしては穴のない確かな手応えのある作品だし。「イングリッシュ・ペイシェント」と比べるとってだけの話で。

「イングリッシュ~」のロケ地はチュニジアということで、北アフリカ地中海世界に組み込まれることもあって、どこかロマンをかき立てられる印象をもってしまうのだが、本作は東アフリカのケニアをロケーションとしており、熱気や厳しい渇きといった、これぞ本場アフリカの空気をドキュメンタリータッチで力強く描写していく手法をとっている。

ハンディカメラを主に使っているのもフェルナンド・メイレレス監督の特徴だが、夫婦の愛情を、厳しい大自然を、そして悲惨な社会の現実とその裏でほくそ笑みながらうごめく“親切な”人々を赤裸々に容赦なく焼き付けていく。

「シティ・オブ・ゴッド」で見せた社会派エンターテイメントの極致ともいうべきメイレレスの才能に対する期待が確信に変わったといっても過言ではない新感覚の演出力には思わず驚嘆してしまうほどだ。

“庭”を軽々と越えて外の世界へ積極的に出ていくパッションのおもむくままに行動する妻テッサの姿を、自分の“庭”から出ることはしない堅実な夫ジャスティンは、窓ガラス越しにただ見つめるだけ。

しかし、妻の死を起点として、ジャスティンは恐る恐る“庭”から足を踏み出しテッサの見た世界を懸命になぞっていこうとする。

その道程で彼の眼前に突きつけられる人間たちのおぞましい欲望と陰謀の真相、と同時に妻テッサの言葉では言い表せない愛の深層に触れていく。

まるで歌舞伎や文楽で演じられる死の道行きのごとき旅路の果てにジャスティンがたどり着いたトゥルカナ湖の湖畔。彼岸の岸辺にたたずむジャスティンの横にはすでにテッサがあどけない笑顔で座っている。

まさにジャスティンのたどった道程は、此岸から彼岸に渡るための死に場所を求めての旅だったのだ。

それをこんな社会派の作品で描ききっちゃうフェルナンド・メイレレスの手腕にただただ脱帽。

自分でも制御できないほどの行動力と情熱を持ち合わせるテッサを演じたレイチェル・ワイズはもちろんだが、それとは正反対に変に慎み深く穏やかなジャスティンの、妻への疑念に揺れる心と真実をつかみ取った確かな表情をしっかり演じ分けたレイフ・ファインズの方が印象に残ったかも。

といいつつ、この点数・・・。

いや、何度も言うようだけど、「イングリッシュ・ペイシェント」と比べればってだけの話で。。ハイ。

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