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2008年11月 9日 (日)

夢のシネマパラダイス555番シアター:さくらん

Sakuranmove 出演:土屋アンナ、椎名桔平、成宮寛貴、木村佳乃、菅野美穂、永瀬正敏、小泉今日子、安藤政信、石橋蓮司、夏木マリ

監督:蜷川実花

(2007年・日本・111分)WOWOW

評価★★/45点

内容:江戸の遊郭、吉原でも名高い玉菊屋に売られてきた8歳の少女は、きよ葉と名付けられる。何度も脱走を試みるもののいつも見つかって折檻を受けるきよ葉は、いつの日か吉原の桜の木に花が咲いたらここを出るという望みを胸に美しく成長していく。やがて日暮という名をもらったきよ葉は、花魁として瞬く間に江戸中の注目を集めていくのだが、惣次郎という男にホレてしまい・・・。人気漫画化・安野モヨコの同名コミックの映画化。

“これがホントの「千と千尋の神隠し」実写版!!”

だって千と千尋の舞台ってどう考えてもあれはソープランドだからね(笑)。

それはさておき、ガレッジセールのゴリが「オレだーー!」と顔のドアップで出てきた時点で、これはバラエティなんだ、と心に言いきかせて納得した上でなんとか観続けることができたけど、劇中に英語歌詞が流れちゃう椎名林檎の音楽といい、原色極彩色を鮮やかに使いまくりの画作りといい、独特なひとつの世界観を創り上げていたことは認めよう。

しかし、その世界観が一本の映画を形作っていく上で何の役にも立っていないというのが蜷川実花の限界を如実に示していると思う。もし、これがこの人のスタンスなのだとしたら、もう二度とこの人の映画作品を観ることはないだろう。

要は世界観を形成した上で、その先にある映画の中で何を描きたいのか、何を語りたいのか、何を主張したいのかということがあってはじめてそれは映画だ、と言えると思うのだけど、この映画からは世界観の先にあるものがほとんど見えてこないのだ。

それはつまりフォトグラファーという価値観と同じベクトルの上に映画監督というものがあるのだと誤認識しているからだと思うのだが、例えばエンディングロールで写し出される登場人物のフォトショットは一枚絵としてはまさにベストショットだ。

しかし、映画本編もファインダー越しにのぞいた視点で撮られた写真のベストショットをただ並べただけという印象が強く、その中で記号としての人物がパターン通りに動かされているにすぎない。

それは文法としては、より漫画に近いかんじもするけど、映画としては非常にレベルの低いものと言わざるをえない。監督としての力量は推して知るべし・・・。

2作目を作るのかどうかは知らんが、やはりフォトグラファーとしての価値観や文法から転換していかないとかなり厳しいと思う。そして語らなければならない題材をしっかりと見つけていくことだね。

まぁ、ファッションやアクセサリとしての映画があっちゃダメということはないから別にこれはこれでいいのかもしれないけど。こういうのって女のコにはウケがいいのかも。

まぁ、とにかくあれだな、、、菅野美穂の濡れ場はヨカッタうん・・。

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(おまけ)

海は見ていた(2002年・日本・119分)NHK-BS

 監督:熊井啓

 出演:清水美砂、遠野凪子、永瀬正敏、吉岡秀隆、石橋蓮司、奥田瑛二

 内容:江戸は深川の遊女宿“葦の屋”。遊女たちは、「客にホレちゃいけない!」という戒律をおかみさんや菊乃姐さん(清水美砂)から口酸っぱく諭されながら働いている。そんなある日、年若い遊女のお新(遠野凪子)は、刃傷沙汰を起こして追っ手から逃げてきた若侍・房之助(吉岡秀隆)をかくまってあげたことから、恋に落ちてしまう。さらに町人の良介(永瀬正敏)とも出会い、お新の心は揺り動かされていく・・・。黒澤明が自らの第31作目として書き上げていた遺稿脚本の映画化。

評価★★☆/50点

黒澤明の遺稿を熊井啓監督が引き継いで撮ったということらしいが、なんだろ、、、同じ人間ドラマを描くにしても、ヒューマニスト・黒澤と社会派・熊井の資質の違いなのか、畑違いの仕事と揶揄されても仕方ないような芯の通っていない凡作に仕上がっている。

でも、黒澤映画にしては珍しい岡場所を舞台にした女性視点の作品ということで、「サンダカン八番娼館・望郷」や「忍ぶ川」で女性を真正面から捉えてきた熊井啓にとってはお得意の分野だったのではないかとも思うのだけれども、フタを開けてみれば中途半端そのもの。

この前後半分断された中途半端きわまりない物語をラブ・ストーリーと呼んでいいのかどうかすらもはや分かりかねるが、お二人さんともメロドラマというジャンルには程遠いからねぇ・・・。やっぱ畑違いだったってことなのかしら。。

いや、でもヒューマニスト黒澤版てのも見てみたかったなぁ。

とにかく、巨匠から巨匠へのリレーのバトンタッチはうまくいかないということが図らずも証明された形にはなったな。

唯一の見所は菊乃姐さん役の清水美砂の演技くらいなもので、、、吉岡秀隆の前半部分のオチにはなんじゃこりゃ、、とマジに腰砕けで、なんかホント中途半端な映画だったな。。

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