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2008年11月30日 (日)

夢のシネマパラダイス346番シアター:トンでもアドベンチャー

ナイトミュージアム

20070307_98607 出演:ベン・スティラー、カーラ・グギーノ、ディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ロビン・ウィリアムズ

監督:ショーン・レヴィ

(2006年・アメリカ・108分)2007/03/25・盛岡フォーラム

内容:NYに住む失業中のバツイチ男、ラリーは、職安の斡旋で国立自然史博物館の夜警の仕事にありつく。さっそく初日の夜、先輩の爺さんから引き継ぎを受け、見回りを始めたラリー。ところが、展示室にあるはずのドでかいティラノザウルスの全身骨模型がない。と思ってたら、モアイ像やら原始人の模型やら展示物がわんさか動き出してしまい・・・。

評価★★★/65点

まずもって博物館の展示物が夜になると動き出すというワクワクドキドキの発想だけで合格点あげてもいいほど、最初からある程度の面白さは約束されているようなもの。いわゆる安パイってやつ。

まぁ、映画の中身はお子ちゃまランチそのものだったけど、でも、西部開拓時代のカウボーイと古代ローマ皇帝がT-REXを引き連れてラジコンカーを運転して爆走しちゃうんでっせ、、、、はっきりいっておもろいんだわ(笑)。

とにかくこれは難しいことは考えずに楽しんで見るべし。

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ジャンパー(2008年・アメリカ・88分)WOWOW

 監督:ダグ・リーマン

 出演:ヘイデン・クリステンセン、ジェイミー・ベル、レイチェル・ビルソン、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・レイン

 内容:高校生のデヴィッドは冬のある日、川に転落し溺れかけてしまうが、次の瞬間、図書館に瞬間移動してしまう。自分にテレポート能力があると知った彼は、銀行の金庫から大金をせしめ、NYで悠々自適の生活を送る。しかし一方で、デヴィッドと同じ能力を持つ“ジャンパー”たちの抹殺を使命とする組織パラディンに付け狙われ始め・・・。

評価★★/40点

なんか中高生が思いつきで作ったようなハッタリ映画だったな。

主人公もショボイんだけど、とにかくシナリオがショボすぎるんだよね。これじゃX-MENの番外編にさえなりゃしないよというレベル・・。

でも、これって「ボーン・アイデンティティ」(2002)のダグ・リーマンが監督なんだよなぁ。こういうやっつけ仕事するような監督じゃないと思ってたのに・・・。

ていうか、そこまでショボイんだったら、もっとエッチなシーン見せろや(笑)。。

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ザスーラ(2005年・アメリカ・110分)WOWOW

 監督:ジョン・ファヴロー

 出演:ジョシュ・ハッチャーソン、ジョナ・ボボ、ダックス・シェパード、ティム・ロビンス

 内容:いつもケンカばかりしている幼い兄弟ウォルターとダニー。ある日、父の留守中に弟ダニーが地下室でザスーラと書かれた古臭いボードゲームを見つける。そしてルールも読まずにゲームを始めてしまうのだが、次の瞬間、隕石群が家に降り注ぎ、しかも外は広大な宇宙空間に変わっていて・・・。

評価★★★/60点

“2005年作なのに、、、なぜか80年代臭がプンプン!?”

意図してのものなのか、それともただ単にヤル気がないだけなのか、特撮も含めた映像センスやストーリーテリングが妙に’80sチックなんだよね。’80s臭が充満してるんだよ、なぜかこの映画は(笑)。

何も知らずにバスルームでカッチコチに凍ってしまう姉ちゃんなんて、もろ’80s映画からタイムスリップしてきたようなかんじだし。

でもなんだかんだいってこの空気、懐かしくて好きです・・・。

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ロマンシング・ストーン秘宝の谷

Romancingdvd 出演:キャスリーン・ターナー、マイケル・ダグラス、ダニー・デヴィート

監督:ロバート・ゼメキス

(1984年・アメリカ・106分)Video

 内容:NYに住む女流冒険小説家のジョーンは、ギャングに監禁された姉を助けるために、南米コロンビアに地図を届けることになってしまった。秘宝のありかが記されている地図を狙っている悪徳政治家ゾロにだまされ山の中に置き去りにされたジョーンは、そこに現れたアメリカ人の流れ者ジャックに助けられる。。。巨大なエメラルドをめぐる冒険の旅をロマンたっぷりに描いたアドベンチャー。

評価★★★☆/70点

“「アフリカの女王」ならぬ「南米の女王」だ!!”

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ナイルの宝石(1985年・アメリカ・106分)NHK-BS

 監督:ルイス・ティーグ

 出演:キャスリーン・ターナー、マイケル・ダグラス、ダニー・デヴィート

 内容:「ロマンシング・ストーン」の続編。前作で結ばれた2人も、既に倦怠期・・。そんなある日、ジョーンはアフリカの独裁国家に大統領の伝記を書くために招待される。しかし、“ナイルの宝石”という謎の秘宝を追って、前作でも登場した妙な小男ラルフも現地に向かっていた・・・。

評価★★/40点

このての映画で戦闘機乗り回したらアウツ!

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ジュマンジ(1995年・アメリカ・104分)盛岡中劇

 監督:ジョー・ジョンストン

 出演:ロビン・ウィリアムス、ボニー・ハント、キルスティン・ダンスト

 内容:土に埋まっていたボードゲーム“ジュマンジ”は、コマが止まったマスに書かれていることが本当に起こってしまう恐るべきゲームだった!ゲームにハマッた姉弟の冒険ファンタジー。

評価★★★/60点

ベタベタ演技にベタベタ演出。年を経るごとにちゃちく見えるCG。

永遠のお子ちゃま向け映画として使い回すのには最適でっす。。

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タイムライン(2003年・アメリカ・116分)2004/01/29・日劇

 監督:リチャード・ドナー

 出演:ポール・ウォーカー、アンナ・フリエル、フランシス・オコナー、ジェラルド・バトラー

 内容:フランスの遺跡発掘現場で、発掘隊の教授がスポンサー企業のタイムマシンで14世紀に転送され、帰れなくなってしまう。教授の息子クリスたちが救出に向かうが、時は英仏百年戦争の真っ最中だった!アクション満載のSFアドベンチャー。原作はマイケル・クライトン。

評価★★/40点

タイムトラベルものとしてのデリカシーにも欠け、考古学者としてのデリカシーにも欠け、、、大学で考古学をやってた者としてはどうあっても低評価にならざるをえない。

重要な遺跡のここを壊したのはいったい誰やねん、と訝ってたヤツが1357年に戻ってみたら、そうかこれは自分が壊したのかぁって実際にブッ壊すドアホ野郎。テメーは考古学界から永久追放じゃ!

夢のシネマパラダイス173番シアター:地獄の黙示録

Apocalypse_now_redux 出演:マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュバル、フレデリック・フォレスト、デニス・ホッパー

監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ

(1979年・アメリカ・153分)NHK-BS

*特別完全版(2001年・アメリカ・203分)初見2002/02/03・日本劇場

評価★★★★☆・85点オリジナル版/★★★★・75点完全版

内容:ベトナム戦争の最中、サイゴンのホテルから情報司令部へ呼び出されたウィラード大尉は、特殊部隊の作戦将校カーツ大佐の暗殺を命じられた。カーツ大佐は現地人部隊を組織、訓練するためにジャングルの奥地に潜入したが、後方との連絡を断ち、自らの王国を築いてその支配者に納まっているという。ウィラードは部下とともに巡回艇で河をさかのぼりながら、戦場の現実を目の当たりにする。カンヌ国際映画祭作品賞。

“巡回艇の乗員だけではなく、この映画の作り手の理性的判断までもが次第に失われ破綻をきたしていく。しかしそのことがこの作品の失敗を招くどころか、れっきとした勝因になっていることに恐怖を覚えずにはいられない。”(*以下、途中から自分でも何書いてんだか分かんなくなってます・・・)

しかし、その恐怖は特別完全版で風前の灯となった。

作り手(ま、要するにコッポラ)の理性的判断は最後まで持続したままジ・エンド。強いていえばド・ラン橋を越える前と後でのオリジナル版の破綻現象の名残がまだ残っているくらいか。

このことははたして観る側の我々にとって良かったことなのだろうか。

ある意味この疑問は愚問である。

そりゃそうだ。完全版とよばれるほとんどがオリジナル版を補填するためにつくられたものなのだから、観る側にとって分かりやすくなることは良いことなはずだ。

この作品の完全版もしかり、明解な答えと主義主張が懇切丁寧に提示されている。

ならず者国家アメリカの狂気を暴く・・・。

ず、ずいぶんとこじんまりとしてしまったな。。。というのが個人的印象。

と同時に明解な糸(意図)で構築されていくウィラード大尉とカーツ大佐の物語=懺悔録にオリジナルにはなかった快感を覚えたのもたしかである。

しかし、やはり心のどこかでこれで良かったのだろうかという思いはつきまとってしまうのだった。

そもそもオリジナル版で破綻をきたしていくことがなぜこの映画の勝因となるのか。

それは一言で言ってしまえば“言い知れぬ恐怖”ということに尽きる。

カーツがラストで「地獄の恐怖」を味わうのと同じように、自分も言葉では言い表すことのできない言い知れぬ恐怖をこの映画に覚えた。

言い知れぬ恐怖・・・・・カーツは言う「私は地獄を見た。それを言葉では言い表せない。地獄を知らぬ者に何が必要かを言葉で説いて分からせることは不可能だ。」と。同じように自分も、自分が感じた恐怖について言葉で言い表すことは難しい。

なぜならばこの映画には様々なメタファーが隠されていると思うのだが、いわばその様々なメタファーの収束されたものが、自分の感じる言い知れぬ恐怖につながっていると思うからだ。つまり、逆にいえばその言い知れぬ恐怖には様々な意味を見出すことが可能となる。

とにかくひとつ確かなことは、その収束体・・・重層的かつ重みがあるもの・・・が自分を鋭くえぐり、自分の生存本能にまで達しているということだ、、、、言い知れぬ恐怖。

この恐怖を体感させたことは間違いなくこの映画にとっての勝利だと思う。

そしてこれが重要なのだが、物語が途中で破綻をきたしていることも言い知れぬ恐怖を喚起する一因となっていると個人的には思ったわけで。

そう感じた伏線としては、まずオープニングシーン。

まき上がる砂塵と黄色い信号弾、燃えさかる炎・・・この映像に覆いかぶさるようにして映し出される逆さ真上から写したウィラードの顔、天井で回転しているファンと空気を切る回転音。

後々の狂気の暗示でもあるが、不安定で何か言い知れぬ不安に駆られる。映画のオープニングからして不安定要素をはらんでいるわけだ。

次に決定的ともいえるのが、録音されたカーツ大佐の声、「私はカタツムリを見た。カミソリの刃の上を這っている。それが私の夢だ。それが私の悪夢だ。」

不安定、危うさ、、、これまた言い知れぬ恐怖という言葉がピタリとくるが、この映画そのものをカミソリの刃の上を這うカタツムリに例えることができるのではないか。不安定要素をはらんだところから出発したこの映画自体の危うさを。

しかもそのカミソリの刃を手に持っているのはこの映画の作り手なのだ。

そして前半理性を保ちながら進んでいたこの映画は、後半ついにカミソリの刃により裂かれてしまう。

いや、裂かれたというよりはカミソリを持っていた作り手が、手を動かしてしまい裂いてしまったと言った方が正確か。

その視覚的表れがラストで牛を鉈でぶった切る場面だと思うのだ。

つまり、作り手の理性的判断は破綻をきたしてしまったわけだ。

だが、ここで面白いのが、作り手の理性的判断の破綻とウィラードを乗せた船の乗員の理性的判断の破綻がシンクロしていることなのだ。

そしてそれは、カーツ王国の入り口に近い最前線のド・ラン橋における完全な狂気・・・指揮官が誰かも分からずにイカレたロック音楽とともに戦っているアメリカ軍・・・に一体化するわけで(実際に映像も狂気じみた印象を受けるようになってくる)。

要はイカレていく彼らの姿をして作り手のイカレた姿もダブって見えてしまう。。。恐怖を覚えずにいられようか。

カーツはこのようなことを言っていた。

「理性的判断が敗北を招く。何の興奮もなく無機質に人を殺せる男たちでなければダメなのだ。」と。

言わずもがな理性の対義語は感情・感性である。カーツはこの両方をも失くしてしまわなければダメだというわけだが(ま、このカーツという男もラストで「地獄の恐怖だ!」と叫ぶわけだけど)、はたしてこの映画の作り手は苦悩(*)に引き裂かれそうになって思わずカミソリの刃を動かしてしまったのか、それともただ無機質な感覚で動かしたのか、いずれにしてもそれを考えるだけでも十分恐いではないか。

長々とオリジナル作についてずらずらと書いてはみたものの・・・もう自分でも何言いたいんだか分かんない。

あとはもうあれだな、個人的なデータベースとして書いてった方がいいな。。

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Apocalypsenow01 完全版に対するひとつの問いかけ。

はたして完全版で理性的判断が持続していることは、この映画を観る自分にとって良かったことなのか。

分かりやすくなったという意味では良かったかもしれない。そして“言い知れぬ恐怖”から相当解放されたともいえるわけで。

つまり先の問いを言い換えれば、“言い知れぬ恐怖”が軽減されることが、この映画を観る自分にとってはたして良かったことなのかという問いになる。

答えはもう言わずもがな、明らかにこの映画にとっても自分にとってもマイナスだと思う。

“ならず者国家アメリカの狂気”以外にも様々なメタファーが収束されたものが自分の“言い知れぬ恐怖”につながっているのだとすれば、完全版ではそれはならず者国家アメリカの狂気ただ1本に収束されてしまうわけで、そこに何の様々な意味も見出すことは不可能になるばかりか恐怖さえ感じなくなってしまう。カタツムリは星条旗の上を這っていた、ということになってしまう・・・。

これじゃあ自分の生存本能は安泰だわな。言い知れぬ恐怖にえぐられることもない。

でもそれでいいのかということになると、やはりマイナスっしょ。

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追記(*) 作り手の苦悩とは何かといえば、“イカレる”“不健全”⇔“正気”“正常”の間で作り手自身がブレていることではないだろうか。

まま偽善的倫理がまかり通る戦争というフィルターを通してみたとき、一体何が正気といえるのか何が狂気なのか作り手自身がその狭間で揺れてブレているということになる。

この場合作り手は「彼らの偽善的倫理を超えたところにいる」というカーツにはなれなかったわけだ。実はカーツもそんなところには辿りつけていなかったらしいことがラストの台詞で示されるが・・・。

その意味でいえば報道カメラマンのD.ホッパーがカーツのことを「苦悩に引き裂かれた男」と言ったのは非常に示唆深い。

完全版ではそれらをアメリカという国家自体が狂っているということで言いくるめてしまっているだけだ。

映画の中に作り手の姿がダブって見えてしまう怖さ。

完全版にはそれがない。

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(おまけ)

グッドモーニング・ベトナム(1988年・アメリカ・120分)NHK-BS

 監督:バリー・レヴィンソン

 出演:ロビン・ウィリアムス、フォレスト・ウィテカー、チンタラー・スカパット

 内容:戦闘シーンなしでベトナム戦争を描いたロビン・ウィリアムスの出世作。1965年のサイゴンを舞台に、ソフトな音楽と検閲済みのニュースを流す米軍放送の中で、毒舌ジョークと派手なロックで兵士たちの人気を博した人気DJクロンナウアーの見たベトナムを描く。

評価★★★★/80点

“ブラックユーモアがユーモアでなくなったとき、アメリカの欺瞞が如実に示されるという痛烈なカタルシス。ユーモアでなくなったのではない。真実へと昇華したのだ。”

軍部を内部から皮肉り、ブラックユーモア満載のギャグにし、しゃべくりまくることで権力と闘う。

しかし、そんなのベトナムの人々にとってはこけおどしにしか過ぎないということをラストで示すという痛烈な皮肉。

戦闘シーンなしでここまで描ききるというのは凄いことだと思う。

2008年11月28日 (金)

夢のシネマパラダイス212番シアター:墨攻

墨攻

E5a2a8e694bbe38381e383a9e382b7 出演:アンディ・ラウ、アン・ソンギ、ワン・チーウェン、ファン・ビンビン、ウー・チーロン

監督・脚本:ジェイコブ・チャン

(2006年・中/日/香/韓・133分)2007/02/09・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:紀元前370年頃の中国戦国時代。猛将・巷淹中率いる趙の10万の大軍が、燕への侵攻の足がかりとして燕の国境付近にある梁城を包囲していた。落城寸前の梁城にいる住民はわずか4千人。そこで梁王は、守り抜くことにかけては天下一の“墨家”に援軍を求めるが、やって来たのは粗末な身なりの革離ただ一人だった・・・。

“久々に胸躍らせた骨太な歴史エンタメ”

まずもって城をめぐる攻防戦のみに特化し、なおかつこれだけ激しくこれだけ丹念にこれだけ機知に富んだ知略・兵法・戦術を張り巡らした戦いを130分間見せられた映画が今まであっただろうか。

と同時に、歴史の常とはいえ、普遍的とまでいえる人間の愚かさをこれだけ見事にすくい上げた映画もそうざらにはないだろう。

このての中国の歴史劇は近年毎年のように作られていて、「HERO英雄」(2002)から「the Myth神話」(2005)までいろいろあるが、ジャッキー・チェンの「the Myth神話」のトンでもぶりや、「PROMISE無極」(2005)でチャン・ドンゴンの今どきのアニメでもやらないだろというようなアラレちゃん走りを見せられたときにはさすがに辟易してしまって、今回ももしかしてこの流れか!?と不安だったのだけど、蓋を開けてみたら骨太な歴史エンタメになっていて、久々に胸躍らせることができた。

また、墨家の“兼愛”と“非攻”の思想と精神という、およそ非情な命のやり取りをする戦争・戦場とはかけ離れた特殊な要素が映画のキモになっているのも面白い。

「守りに徹し、1ヶ月持ちこたえれば趙はあきらめて帰っていくはず」と実戦経験のない兄ちゃんが何を悠長なこと言ってるんだ(笑)、と普通なら思うはずだけど、それを信頼するに足る威風堂々とした戦術家ぶりは見応えがあったし、革離=アンディ・ラウは見ていて純粋にカッコ良い。

ところで、この墨家だが、“兼愛”“非攻”というとなにかまるで憲法改変問題に揺れる憲法9条を想起させるけど、この映画を見るかぎりでは墨家の考え方や行動規範は、武力放棄や戦争放棄といった非戦ではなく、あくまで攻めてこられたら無条件降伏など言語道断、武力で徹底的に守るという専守防衛の思想のようだ。

これは自衛隊のあり方とも似ているけど、しかし大国の趙に雇われたら趙の城を守ると革離が断言しているように、革離はいわば傭兵ともいえるわけで、自衛隊というよりは戦争を請け負う民間の傭兵集団といった方がいいのかもしれない。

つまるところ、軍事アナリストかつ有能な指揮官という軍事のスペシャリストが同時に反戦活動家でもあるという、いわばキレイゴトを盾にした究極のエゴイストともいえちゃうわけで、そこらへんの自己矛盾をしっかり突いていたのも上手い作り方だったと思う。

また、弱肉強食の世界で強者の侵略から弱者を守り抜こうとする墨家・革離だが、しかし弱者の側の梁の中もエゴが充満していて、さらに梁王が目も当てられないような愚王で、一方エゴの論理で動く強者の側の将軍・巷淹中が話の通じる勇猛な名将として描かれているのも、いつの世も変わらない人間の愚かさをえぐり出すにはうまい対比だったといえよう。

墨家、、、高校の世界史で聞いたことがあるような記憶の片隅に残っていた単語だったけど、“兼愛”“非攻”という彼らの思想は、実力主義が入り乱れる戦乱の世でこそ生きるものだともいえるわけで、秦の天下統一とともに消滅してしまったというのは自然な流れだったのかもしれない。

かわりに強者・支配者の論理を根底から支えていくのが君主への忠義を説いた儒家だったのも当然の成り行きだったのかも。

ただ、グローバリズムという名の熾烈な弱肉強食世界の今この現代にこそ、墨家の思想に価値を見出せるのではないかと思うのは自分だけだろうか。。

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(おまけ)

PROMISE 無極(2005年・中/韓/日・124分)DVD

 監督・脚本:チェン・カイコー

 出演:真田広之、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー、リィウ・イエ

 内容:戦乱の世で親を亡くし、行き倒れになった少女・傾城(セシリア・チャン)は、女神と全てを手に入れるかわりに、真実の愛を永遠に手放すという誓いを立て、やがて王妃の座についた。一方、王を支える大将軍・光明(真田広之)は、異常な脚力を持つ奴隷の男・崑崙(チャン・ドンゴン)を従者とし、北の公爵・無歓(ニコラス・ツェー)の反乱を鎮めに向かうのだが・・・。

評価★★☆/45点

「あなたがァズキだからーー、ジヌほどトゥきだからーーッ」と叫びながら壁面を爆走するチャン・ドンゴンを思い浮かべただけで思い出し笑いが止まらない・・・happy02

完全にこれっておバカ映画でB級の王道いってると思うのだけど、肝心の作り手は完全にA級だと意気込んでやってるところが何とも救いようがない。。

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ヘブン・アンド・アース(2003年・中国・118分)WOWOW

 監督:ハー・ピン

 出演:チアン・ウェン、中井貴一、ヴィッキー・チャオ、ワン・シュエチー

 内容:紀元700年頃の中国。西域警備隊の隊長・李は、唐王朝最大の脅威である突厥の女子供を命令に背いて逃がしたため、逆賊となってしまう。これに対し皇帝は、13歳で遣唐使として唐に渡り、現在は直属の刺客として皇帝に仕える一人の日本人剣士・来栖に、25年ぶりの帰郷を許すかわりに李を討てと命令を下す。一方、その頃、李は天竺から皇帝へ献上する仏教聖典を運ぶキャラバンの護衛として長安を目指していた・・・。

評価★★/40点

“この映画にひとことアドバイスするなら、こう言いたい。”

落・ち・つ・け!

映画のペース配分が完全に狂っとるやんけ。

しかも、キャラの掘り下げが壊滅的に浅い。李隊長の部下なんて、せっかくご立派なお名前があるのに、それぞれ個性を際立たせて欲しかったのだけども。その方が物語に深みも出るのに。

来栖にしても同様。あれじゃ日本人である設定にする必要がないやろ。

終盤それなりに見れただけに、そこに至るまでのプロセスの描き方に難がありすぎてどーしょーもない・・。

夢のシネマパラダイス574番シアター:ALWAYS三丁目の夕日

20060806b000epe77s_09__ss500_sclzzz 出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、薬師丸ひろ子、須賀健太

監督:山崎貴

(2005年・東宝・133分)2005/12/02・MOVIX仙台

評価★★★☆/70点

内容:東京タワーが建設され始めた昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。ある日、青森から東京に集団就職で上京した六子(堀北真希)は、就職先である町の小さな自動車修理工場・鈴木オートにやって来るが、あまりの零細会社に落胆の色を隠せない。一方、鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主で、小説家を目指している茶川竜之介(吉岡秀隆)は、ひょんなことから、飲み屋の女将・ヒロミ(小雪)のもとに連れてこられた身寄りのない少年・淳之介の世話をすることになるのだが・・・。

“まるでフレームの枠のすぐ外から消臭スプレーを吹きかけているかのような無香空間=テーマパークで繰り広げられるちょっとイイ話に少し違和感を感じながら見てしまった。”

いや、実にイイ話なのだ。それはたしかだし認めるし、昭和50年代生まれのオイラでも十分に感動できたし楽しめた。

しかし、それは何か心の中にドスッと落ちてくるようなリアリティのある類のものではなく、まるで、ちびまる子ちゃんやサザエさんでも見ているかのような、実写というよりはセル画の匂いと清潔感に近いレベルでと言った方がオイラにはしっくりきてしまう。

嘘っぽいと思ってしまうまでには至らないが、50年前のあの時代にあった何か、貧相で醜い何か、を編集でバッサリいかさせていただきますhairsalonというかんじで、臭いものに蓋をするみたいに何かがスッポリ抜け落ちているというふうに心のどこかで感じてしまっている自分がいた。

その時点でこれをファンタジーと割り切って見るのか、あるいは気持ち悪さを感じながら見るのか。自分はその中間あたりでなんとかバランスを保って見続けることができたのだが。

この美化された風景、情景をそのまま素直に受け取れないほど、オイラの生きてきた時代とオイラ自身が汚れと閉塞感と欺瞞の豊かさで満たされているのかもしれない。

とはいえ、蒸気機関車から降りてきた顔が煤で黒くなってるところとか、納豆売りとか氷屋なんて初めて知ったし、冷蔵庫が木でできているッ!とか昔ながらの看板のルーツとかすごい興味あったし、やっぱ純粋に見れってことなんだろうね。

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ALWAYS 続・三丁目の夕日(2007年・東宝・146分)2007/11/19・盛岡フォーラム

 監督:山崎貴

 出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小日向文世

 内容:昭和34年。鈴木オートでは、事業に失敗した親戚の娘・美加を預かることになるが、お嬢さん育ちの美加は庶民の暮らしになじめずに一苦労。一方、黙って去っていったヒロミを想いながら淳之介と暮らしていた茶川は、淳之介の実父である川渕(小日向文世)から息子を返せと何度も迫られていた。茶川は人並みの安定した暮らしをするために、芥川賞受賞を目指して執筆を始めるのだが・・・。

評価★★★/65点

前作の単なる焼き直しにしかすぎない手法にノレるかノレないかが評価の分かれ目だと思うけど、正直オイラはキツかった。

芥川賞を目指す茶川(吉岡秀隆)と淳之介(須賀健太)の貧窮した暮らしぶり。そこに息子を連れ戻しにやって来る川渕(小日向文世)との養育権争い。ストリップ劇場で踊り子として働くヒロミ(小雪)と茶川の結ばれぬ!?恋。

鈴木オートに預けられるわがままお嬢さん育ちの少女・美加が直面するカルチャーギャップ。六子(堀北真希)と青森の幼なじみ・武雄(浅利陽介)の再会。則文(堤真一)と戦友の再会。トモエ(薬師丸ひろ子)と初恋の男性(上川隆也)の「君の名は」をほうふつとさせる再会etc..

と、ほとんど脈絡のない、なおかつこれ見よがしなベタエピソードが2時間半ギッシリと詰め込まれていて、それらをゴジラと夕日でサンドイッチした特大バーガー¥1800!

、、、が、全くお腹一杯にならないのが玉にキズ・・・。

実に甘ったるくてしらける味といえばいいだろうか、とにかくまとまりがなくてダレる。

どうせだったら、茶川と鈴木オートはバッサリいっちゃって完全なサブにして、別な三丁目の住人を主人公にして撮るとか、あるいは触り程度でしか描かれなかった戦争の傷跡や影といった記憶を大々的にメインストーリーに持ってくるとかすればよかったのに。

なのにそんなのカンケーねぇannoyといわんばかりに、ご都合主義のオンパレード、あげくの果てにはホタルなんてもんをこれ見よがしに飛ばしてくる始末。。完全にパクリやん。

デリカシーないよ、この映画(笑)。。

山田洋次だったらこうは撮らないでぇ~。

冒頭のゴジラでつかみはOKだったのに、肝心の中身にグヮッとくるものがなかったのはツライ。

とにかく、この甘っさとヌルっさに純粋に涙を流せる人もいれば、しらけちゃう人もいると。

オイラは完全に後者ですた・・・。

2008年11月27日 (木)

夢のシネマパラダイス461番シアター:幸せの処方箋はいかが?

アメリカン・スウィートハート

Sweethearts 出演:ジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジョン・キューザック、ビリー・クリスタル

監督:ジョー・ロス

(2001年・アメリカ・103分)MOVIX仙台

評価★★★☆/70点

内容:共演をきっかけに結ばれた映画スターのエディとグウェンだったが、1年後、グウェンの浮気が原因で別居。グウェンの妹キキは姉の付き人をしているが、エディに密かに恋心を抱いていて・・・。

“ハリウッドの奇怪な業界人どもの中でフツー人のジュリア・ロバーツの存在感が埋没しちゃっているのはストーリーを進めていく上では明らかにマイナスだった。”

ハリウッドの内幕ものはけっこう好きなんだけど、今回は細かいところまで妙にツボにハマって笑ってしまった。

オードリーとキャサリンのヘプバーン間違いを手始めに、一日中プレスインタビューで作り笑いをふりまき続けるエディとグウェンの別居カップル、人妻を寝取った男とその男を殺し損ねた男の失笑バトル、映画の興行成績を上げるためなら手段を選ばずハプニング・トラブル・スキャンダル大歓迎の宣伝マンのリー、オスカー3度受賞の巨匠?ワイドマンの迷作「時を超えて」など、クセのあるキャラの小ネタが散らばっていて面白おかしく見れる。

ビリー・クリスタルが脚本に携わっている効果は大きいといえよう。

しかし、一方では、それら小ネタが小ネタ以上にストーリーを転がしていかない文字通り散発的なものに終始していることも否めず。。

それゆえ、肝心の恋愛パートにテンポがつながっていかず、さらにそれを担うべきジュリア・ロバーツもゴーマニズム女優グウェン(キャサリン・ゼタ)の陰に隠れる役柄そのもので、いまいちパッとしない。

これだけの豪華なメンツを取りそろえているわりには、あまりにもさっぱりとしすぎた中身になっているのは、見終わったあと何にも残らない映画に成り下がっているという点でちょっと残念。

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ディボース・ショウ(2003年・アメリカ・102分)WOWOW

 監督:ジョエル・コーエン

 出演:ジョージ・クルーニー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジェフリー・ラッシュ、ビリー・ボブ・ソーントン

 内容:結婚前に財産分与を決めておく婚前契約を題材に、コーエン兄弟が贈るラブコメ。離婚訴訟専門の辣腕弁護士マイルズが、財産目当ての結婚と離婚を繰り返す女マリリンと出会う。壮絶な騙し合いを重ねるうち、弁護士は女に惹かれてしまい・・・。

評価★★★★/75点

自分に血清と免疫が備わったのか、それともコーエン兄弟の毒牙がすり減ったのか分からんが、毒素が消え去って自分の頭はいたって正常。しかし、毒素が抜けたら抜けたで、いっぱしの軽妙洒脱なショウになっており、フツーに楽しめてしまうのであった。

「レディ・キラーズ」(2004)になると、毒素どころじゃなく匂いまで消えちゃってるのには思わず閉口しちゃったけどね。。

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スコルピオンの恋まじない(2001年・アメリカ・101分)NHK-BS

 監督・脚本:ウディ・アレン

 出演:ウディ・アレン、ヘレン・ハント、シャーリズ・セロン、ダン・エイクロイド

 内容:1940年のNY。保険会社に勤めるブリッグズは腕利きの保険調査員だが、彼は最近入社した同僚のフィッツジェラルドと犬猿の仲。しかし、同僚の誕生パーティに居合わせた2人は、催眠術をかけられて互いに惹かれあうようになってしまう。そんな頃、巷では宝石泥棒が頻発していて・・・。

評価★★★☆/70点

ウディ・アレンの妄想が相当入り込んではいるが、ヘナヘナR2-D2と悪のオーラ漂う女ダース・ベイダーの奇々怪々ワールドツアーに思わず舌鼓を打つ。

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Dr.Tと女たち(2000年・アメリカ・122分)WOWOW

 監督:ロバート・アルトマン

 出演:リチャード・ギア、ヘレン・ハント、ファラ・フォーセット、ローラ・ダーン、シェリー・ロング

 内容:Dr.Tはダラスのモテモテ産婦人科医。患者に婦長に愛妻に娘に義理の妹にさらにその娘に魅惑的な恋人に、、、振り回されるリチャード・ギアなのですた。。

評価★★/40点

もうこうなったら最後の手段だ。

ケーシー高峰を派遣するっきゃない!

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10日間で男を上手にフル方法(2003年・アメリカ・115分)WOWOW

 監督:ドナルド・ペトリ

 出演:ケイト・ハドソン、マシュー・マコノヒー、アダム・ゴールドバーグ、マイケル・ミシェル

 内容:人気女性誌の編集者アンディは、「こうすれば男に嫌われる!」という企画をダメもとで出すが、あっさりとゴーサインが出てしまう。彼女は次号までの10日間で男性と出会い、恋をして、フラれなくてはいけなくなった。そんな彼女は、これまたワケありの広告マンのベンと、とあるパーティで出会う。。

評価★★★/65点

ケイト・ハドソンの笑顔はゼロコンマ1秒でオイラの顔面を自然に脱力させる超強力魔法なのだ!それでなんとか見続けたようなものなのだ・・。フ~。。

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ポリーmy love(2004年・アメリカ・90分)DVD

 監督・脚本:ジョン・ハンバーグ

 出演:ジェニファー・アニストン、ベン・スティラー、フィリップ・シーモア・ホフマン、アレック・ボールドウィン

 内容:保険会社のリスク査定員ルーベン。超潔癖症で決してリスクを冒さない彼は、新婚旅行で妻に浮気されてしまう。傷心で帰郷すると、かつての同級生ポリーと再会。自由奔放な彼女に惹かれていくのだが・・・。

評価★★★/60点

アリーの一本勝ち!!

この邦題はいただけないよね。おかげでアリーmy love御一行様がダンシングベイビーのごとく幻覚として侵食してくる。そのせいで内容がすでに頭の中から消えかかってるんですけど・・・。

しっかしまぁ、その名に恥じる出来でしたな(笑)。あっ、これホメ言葉でっせ。。

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チャーリーと14人のキッズ(2003年・アメリカ・92分)WOWOW

 監督:スティーブ・カー

 出演:エディ・マーフィ、ジェフ・ガーリン、スティーブ・ザーン、レジーナ・キング

 内容:E・マーフィ扮するエリートサラリーマンが仲間とともに自宅に保育園を開園。キッズパワーに圧倒されながらも大奮闘!が、ライバル保育園が登場し・・・。

評価★★★★/75点

見どころは、負け組3羽ガラスと子供たちとのドタバタハッピーバトルだが、何にもましてアンジェリカ・ヒューストンの制服お化け姿が1番強烈。。

夢のシネマパラダイス573番シアター:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明

4_40377 出演:ジェット・リー(リー・リンチェイ)、ロザムンド・クワン、ユン・ピョウ、ジャッキー・チュン、ケント・チェン

監督・脚本:ツイ・ハーク

(1991年・香港・100分)NHK-BS

評価★★★★/75点

内容:清朝末期、英米列強の進出で動乱吹き荒れる中国。祖国の将来を憂える黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)は、治外法権をかさに着て中国人を奴隷として連れ去ろうとするアメリカ商人に立ち向かう!19世紀半ばに実在した、医師にして武道家という希代の英雄・黄飛鴻の活躍を描く。

“拳は銃より強し!”

個人的にジェット・リーの香港時代はデビュー作「少林寺」(1982)くらいしか知らなくて、「リーサル・ウェポン4」(1998)以降、ハリウッドに渡ってから自分の中でようやくメジャーになっていった役者さんだ。

それは逆にいえば自分にとっての香港カンフー映画とはほぼジャッキー・チェンの映画だったわけで、だからこの映画の主人公である黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)にしても真っ先に思い浮かぶのはジャッキー・チェンの「酔拳」(1978)の方。

そしてこの「酔拳」を見れば端的に分かるように、バスター・キートンばりのコメディ要素がふんだんに盛り込まれているコミカルカンフー映画=ジャッキー・チェンが好きで好きでたまらなかった。それは今もそうで、俳優で誰が1番好き?と訊かれたら、イの1番にジャッキー・チェンと答えるであろう。

いわばジャッキーの影に隠れるように自分の中で鳴りを潜めていたジェット・リーだが、コミカルなジャッキーに比べると硬派で取っ付きにくい印象があったことも否めない。

それはハリウッドに渡ってからもそうだったのだが、しかし「HERO」(2002)や「SPIRIT」(2006)での、真の強さの本質を見抜く力を持った真っ直ぐで真摯な人間像に共感し感化されてから、ようやく見直そうと思い立った次第。。

と思い立ったが吉日、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は見たことはあってもチャイナの方は見たことがなかったので、さっそく初観賞。

ということで、、「酔拳」でのコミカルぶりなど微塵もない真面目なウォン・フェイフォンに少々面食らいはしたが、歌舞伎ばりの見得を切るキメポーズにはもうシビレまくりshine

純粋にカッコ良い。

ところどころに挿入されるコミカル要素が中途半端で、グダグダなノリのストーリーだったが、ジェット・リーが出てくるとピシッと画面が締まるのはさすがだった。

また映画終盤に繰り広げられる鋼の身体をもった武道家イェンとのアクションバトルは圧巻そのもので見応えは十二分!そして拳と拳、肉体と肉体をぶつけ合った壮絶な闘いの後に、西洋人に銃であっけなく蜂の巣にされるイェンの最期にも唖然。。

「SPIRIT」で描かれたように、拳を交わし合って友となる精神世界など銃には皆無なわけで。

この東洋武術を駆逐していく西洋合理主義に対するジェット・リーのたどり着いた究極の答えはジェット・リー最後の武術映画と銘打った「SPIRIT」で明示されているので、ここではあえて言わないが、しかし、今回の「ワンス・アポン~」では銃を向ける西洋人をバッタバッタとなぎ倒していくラストは爽快そのもので、観終わるやすぐに続編を観たい欲求にかられてしまった。

拳は銃より強しの世界を孤高の存在感でキメたジェット・リーと質実剛健かつ華やかな東洋武術の意地に拍手。

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱(1992年・香港・108分)NHK-BS

 監督・脚本:ツイ・ハーク

 出演:ジェット・リー(リー・リンチェイ)、ロザムンド・クワン、マク・シウチン、ジャン・ティエリン、ドニー・イェン

 内容:広州を訪れた黄飛鴻は革命運動家の孫文らと出会い意気投合する。しかし、この地では諸外国の排除をうたう白蓮教なる秘密結社が猛威を振るっていて・・・。

評価★★★☆/70点

“「神ではない。ウォン・フェイフォンだ!!」クゥ~~ッシビれる~!”

今回の決め台詞はこれだね。カッコ良すぎ。

ややストーリーが入り組んでいるのが観ていて面倒くさくなってくるが(笑)、華麗に飛び跳ねるアクションシーンだけでも十分もとは取れるのでOKっしょ。

そして今回白装束のカルト教団の雑魚どもをなぎ倒した後に待っていたのは、「HERO」(2002)で美しすぎるバトルをみせたジェット・リーvsドニー・イェンの黄金カード。ワクワクワクhappy02一騎撃ち!

前作、天地黎明での梯子バトルも凄かったけど、今回のドニー・イェンが繰り出す布を使ったトンでもな武器も圧巻!どっからこういうのを思いつくんやろ・・。

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇(1993年・香港・112分)NHK-BS

 監督・脚本:ツイ・ハーク

 出演:ジェット・リー(リー・リンチェイ)、ロザムンド・クワン、マク・シウチン、ラウ・シュン、ション・シンシン

 内容:北京で、時の権力者・西太后が大武術大会を開催しようとしていた。黄飛鴻は、ロシアスパイによる西太后の側近暗殺計画が進行しているのを知り、大会に参加することにするが・・・。

評価★★★/65点

“自分が見たかったのと微妙にズレが・・・”

まず、ジェット・リーの初っ端の姿からしてズッコケ・・・。

だって、長衣服をまとってるのにシルクハットかぶってグラサン姿って、、、不恰好というか不釣り合いというか思わずコメディかと笑っちゃったで。

と思ってたら、この最初に感じたズレがそのまんま続いていくから参った参った。ラブコメかよこれ(笑)。

周りが香港映画にありがちな安っぽいギャグ滑りでズッコケても、ジェット・リーだけはビシッと決めて雰囲気を引き締めていたのに、今回は便乗しちまったよお師匠さん・・・。

実家に婚約したイーさんを連れて帰ったフェイフォンの恥ずかしげな姿はともかく、イーさんが他の男といるのを見て嫉妬にかられて物に八つ当たりして破壊する大人げない姿や、イチャイチャするオノロケ姿を見せられるとオイラ的にはちょっと引くんだよね。ジェット・リー、いや、リー・リンチェイに幼稚な姿は似合わないから。

色恋沙汰が悪いとはいわないけど、それも度を過ぎるとだいぶズレが出てくる。でもって、このズレがアクションにまで波及していて、功夫アクションが大幅に減り、代わりに獅子舞のお祭り乱舞状態になってしまった。

そういう意味でも前2作とは毛色の変わった作品といっていいと思う。少なくとも自分が見たかったものとは微妙にズレていたのはたしかだ。

「HERO」や「SPIRIT」へと受け継がれていく平和主義を声高らかに宣言する見応えのある場面もあっただけにちょっと残念。

ただその中で、唯一気を吐いたのが今回初登場の鬼脚で、必死の形相で闘う姿と気迫はフェイフォン以上のものがあり、心に響くものがあった。鬼脚を主人公にした外伝が作られたのもなんか分かる気がしたが、それもこれもフェイフォンが不甲斐ないからでっせ。

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(おまけ)

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(1987年・香港・93分)NHK-BS

 監督:チン・シウトン

 出演:レスリー・チャン、ジョイ・ウォン、ウー・マ、ラム・ウェイ

 内容:中国に古来から伝わる幽霊物語を、現代のSFXを駆使してよみがえらせたホラー・アクション。賞金稼ぎが横行する時代、旅人のツァイサンは寂れた寺を訪れるが、そこは道士や魔物が闘いを繰り広げる奇怪な土地だった。そこで彼は美しい娘スーシンと出会い恋に落ちるが、彼女は人間の生気を吸い取るために吸血鬼に利用されている妖怪だった。ツァイサンは彼女を助けて本来の人間の姿に戻すため、道士の力を借りて、彼女の墓から骨壷を掘り出すが・・・。

評価★★★/60点

アクション、ホラー、恋愛、お色気、コメディ、何でもござれの香港映画の髄を極めたようなものスゴイ作品、、、といえば聞こえはいいが、正直途中からついて行くのをやめたくなる・・・。

風の吹かせ方だけは随一と認めやしょう。。

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チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2(1990年・香港・103分)NHK-BS

 監督:チン・シウトン

 出演:レスリー・チャン、ジョイ・ウォン、ミシェル・リー、ジャッキー・チュン

 内容:ツァイサンは、忘れえぬスーシンそっくりの娘チーフォンと出会い惹かれていく。そして無実の罪で投獄されている彼女の父親を救うべく立ち上がるが、その裏には妖怪の存在が蠢いていた・・・。

評価★★★/60点

エロ要素が減退したかわりにハリボテ感が大幅UP、しかも最後はドドンと金ピカの大仏さん、、、シュールという言葉で形容するのもおこがましいほどの中身の無さにもうついてけません。。

まぁ、それが香港映画の香港映画たるゆえんなのだろうけども。

ていうか、もはやゴーストじゃなくなってると思うんだけど・・・。

2008年11月26日 (水)

うたばん狂想曲第23番:サザンの思い出。。

コネタマ参加中: サザンの名曲、あなたの思い出の1曲は?

サザンオールスターズ安全地帯

齢30のオイラが音楽を聴くにあたっての嗜好性の素地・土台・ベースになっているといってもいい2組のバンド。それがサザンと安全地帯。

なぜこの2組なのか。

それは、オイラが生まれて物心ついた頃から小学校卒業くらいまで、1年365日毎日のように聴かされていたことが大きい。

要はウチのオカンがコアな大大大ファンだったんだわさ。んなもんだから、家の中はもとより車の中でもガンガン!!耳にタコができるくらい・・。

例えば風邪引いて寝込んでる時に、オカンはレコード(今から20数年前はまだLPレコードが家にあった)をいつもかけてくれたんだけど、フツーだったらNHKみんなのうたとか、日本昔話とかさ、そういうのをかけるだろうに、なぜかウチのオカンはサザン、安全地帯の他にも山下達郎、ビートルズだとかキャロル・キング、井上陽水なんかをかけるわけですよ(笑)。。

オカン曰く、子供用のレコードは数曲しか入ってないから、いちいち終わるごとにレコード換えるの面倒くさい、、と。おいおい、我が子が布団の中で苦しんでるんだぞ(笑)。

風邪引いたときに子供心に何歌ってんだか分からない歌聴かされることほどツライものはないわさ。井上陽水なんか、都会では自殺する若者が増えている~っつう歌まであるんだから(「傘がないnote」)・・(笑)。マジに泣いちゃいまっせdown

もうホント、サザンなんて雑音としか聞こえなかったからね。あげくの果てに「いとしのエリーnote」はオッパイの歌だと思ってたし。

“笑ってもっとBabyむじゃきに On my mind♪”のOn my mindのフレーズがどう聴いてもオッパイパイheart04にしか聴こえなくて、なんでオカンはオッパイの歌に聞き惚れているんだろうと不思議に思ったものだ。

そのせいで、今ではオッパイ大好き人間になってしまった、どうもボクです・・。サザンのせいなんだこれは(笑)。。スミマセン・・

でもまさか、それから十数年以上たってサザンのコンサートに乱舞することになろうとは思いもよらなかったけどね。

んで、サザンの曲が雑音に全く聞こえなくなって良さが分かるようになったのが、中2くらいじゃないかな。。しかもある日突然というかんじで。。あれ?サザンってええやんみたいな。

まぁそんなこんなで、子供の頃に聞かされた曲たちは確実にその後の自分に影響を与えてしまい(といっても井上陽水は除外w)、サザンからは昭和歌謡曲の系譜とR&Bの洋楽要素を、安全地帯からはバラード志向を受け継いだのだった。

だからなのかもしれないけど、唯一ハードロックだけは受け付けない体質になっちゃったなぁ。ガンズ・アンド・ローゼスとかキッスとかメタリカとか全くダメで、同じロックでもボン・ジョヴィとかボストンとか耳に馴染みのよいポップ色だったら逆に好きというかんじ。

昭和歌謡の流れでいえば、チャゲ&飛鳥とB’zが全盛だった高校時代に、友達に「最近何のCD買った?」と訊かれて、「山下達郎とか竹内まりやとか」と答えると、露骨にダッサイねお前みたいな顔をされたことがあったなcoldsweats01

もちろんチャゲアスもB’zも聴いてたけど、あ、そうなんだ、山下達郎ってダサいんだ、とその時初めてオイラってちょっとハズレてるんだなと思った。でもチャゲアスってバリバリ昭和歌謡ちゃうん?と思ったけども(笑)。。

しかしすぐに、いや、山下達郎を聴かない方が可哀想だと思うようになり、こうなったらクラシックでもなんでもかんでも聴いてやる!と決意したのはよく覚えてる。1つのジャンルを狭く深くではなく、なんでも聴いてみるという浅く広くを目指すようになった瞬間。

様々なジャンルを兼ね備えるレパートリーの広いサザンを子供時分にさんざん聴かされたことは、結局自分にとってはスゴく良かったことだった、と今では感謝しております。

さあ、そこでやっとで本題。サザンの名曲と思い出の一曲。

まず、思い出の1曲は、なんといっても「慕情note」です。

学生時代、仙台に住んでた時、金沢にいる遠恋してた彼女んちに電車で行って、その帰りに聴いた曲です。その風景が今でも忘れられない・・。その後別れたからなおさら。おいおい。。

2月だったと思うけど、真冬の北陸日本海を左手に走っていく特急列車の中で、この慕情♪を聴いてみぃ。心象風景を表わすにはドンピシャの曲でっせ(笑)。

イの1番に「慕情♪」だな。

そして、オイラ的名曲ベスト~!!ということで、、順位不同で10曲を、

真夏の果実note」「慕情note」「チャコの海岸物語note

YaYa(あの時代を忘れない)note」「OH,GIRLnote」「鎌倉物語note

YOUnote」「夏をあきらめてnote」「あなただけをnote

逢いたくなった時に君はここにいないnote

な~んか、日本海側に旅行とかドライブで出向いたときの思い出とどうしても結びついちゃうんだよなぁ。サザンといえば太平洋岸の湘南と茅ヶ崎なのに。。

とにかく、あと30曲は軽く挙げられるけど、キリがないので締め。

夢のシネマパラダイス572番シアター:ゲド戦記

Talesfromearthsea 声の出演:岡田准一、手嶌葵、菅原文太、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、小林薫

監督:宮崎吾朗

(2006年・東宝・115分)2006/08/21・MOVIX仙台

内容:多島海世界アースシー。人間世界とは別な海域に棲む竜が現れ共食いを始め、作物は枯れていき、世界の均衡が崩れつつあった。大賢人と呼ばれる偉大な魔法使いハイタカ(ゲド)は、その災いをもたらす源を探る旅の途中で、父王を殺した異国の王子アレンと出会う。心に闇を抱えるアレンを伴ない旅を続けるハイタカは、ホート・タウンという都市国家にたどり着く。そして、街外れにある幼なじみのテナーの家に身を寄せ、そこで親に捨てられた少女テルーに出会うのだが・・・。

評価★★/40点

作り手の説明不足と作り手の自己満足が結びついている映画ほどタチの悪いものはないが、この映画はその中でも最悪の部類に入る独りよがり映画。

トンビが鷹を生むという例えはあるが、鷹がトンビを生むというのもまた真だったんだね(笑)。あるいは、バカと天才は紙一重てか。

しっかし、絵が宮崎駿の絵柄そのまんまというのがまた失望を大きくするんだよねぇ。

ジブリアニメという看板の中で見られるのは当然としても、宮崎駿の息子が監督ということで、宮崎駿との比較というさらなる高みのレベルと期待感で見てしまう。さらに絵柄が同じだから、宮崎駿の息子が“宮崎アニメ”を作ったという認識の中で見てしまうんだよね。

つまり、はたして宮崎アニメは2代目に継承されていくのかという視点で見てしまうのだけど、、、今回の結果やはり宮崎アニメはあくまで宮崎駿の作ったアニメであり、宮崎駿という絶対的な個なくしては成り立たないものだということが如実にあらわになってしまったといえよう。

同じ絵柄と同じ文化・文脈で長く継承されてきたディズニーアニメやピクサーアニメとは土台からして違うといえるのかもしれない。

そもそもディズニーアニメやピクサーアニメというくくりの中で比べられるべきはジブリアニメであるはずで、がしかしあまりにも宮崎アニメというブランドが突出し確立されてしまったがゆえの弊害として、育つべき生え抜きのジブリアニメの裾野を広げることがついぞできないままでいるのは、ジブリの将来にとっては危うい以外の何ものでもないだろう。

黒澤明の映画、いわゆるクロサワ映画と全く同じものを作ることなどできないように、宮崎アニメもまたしかりなのはよくよく考えてみれば明らかなんだけどね。

第2のジブリアニメはありうるとしても、第2の宮崎アニメというのは作りえないのだということは観る方としても肝に銘じておかなければならないのだと思うし、政治の世界と同様、世襲というのはロクでもないってことなんだね(笑)。

ジブリという精神風土を共有した中で新たな才能や作品を生み出していき、それがジブリアニメという世界観とブランドになっていかなければならないはずなのだが、絶対専制君主が君臨するジブリ帝国はやはり一代限りで店じまいにならざるをえないのか。

唯一ジブリを継承していくと思われた「耳をすませば」の近藤喜文ももうすでにこの世にいないし・・・。

と、そんな悲観的なことを「ゲド戦記」を観て思ってしまったというか確信してしまったというべきか。。

作り手の説明不足と作り手の自己満足が結びついてしまった独りよがりな映画という意味では、宮崎駿の「紅の豚」以後の作品は全部そうだと思うんだけど(笑)、それでも“宮崎アニメ”という世界観の中で見せきってしまう、まるでブラックホールのごとく観る者を宮崎ワールドに吸い寄せてしまう圧倒的な魔力と魅力が宮崎駿にはある。まさに天才。

しかし、そんな魔力を持たない者が独りよがりな映画のみをマネして作っちゃうというのは単なるバカとしか言いようがないわけで、血のつながりを当てにしたのだとしたらこれはもうホントに救いようがない。

今回の「ゲド戦記」を観て、いの1番に出てくる感想は、「よく分からない」という一語につきると思うのだけど、なぜ畑違いの宮崎吾朗を監督に抜擢したのかというそもそものところからして「よく分からない」わけで、しかもジブリの看板を背負ったこんな大作で。。宮崎駿の息子という血統書のみを信じて期待感を抱いてしまったオイラも単なるバカとしか言いようがないけどさ(笑)。

しかし、ホントよく分からない、内容が飲み込めない映画だったな。

まるでホートタウン西3丁目の町内会の一角で繰り広げられているかのごとく作品世界が広がっていかないのも致命的だし、世界観や登場人物の設定・背景に対する説明がほとんどなされていない中で、登場人物のごもっともな御託をストレートにつらつらと並べ立てるだけで物語を描写していってしまう底の浅さも致命的。

現代の冷めたキレやすい子供たちの投影か、はたまた宮崎吾朗自身の投影なのかとも感じてしまうアレンの父親殺しとはいったい何だったのか・・・。アレンが抱える決して癒されない悲しみとは、そして「命を大切にしないヤツなんか嫌いだ!」とだけ唐突に吐き捨てるテルーの抱える決して癒されない悲しみとは・・・。

「クモ、再び過ちを犯すつもりか」とだけ説明されたハイタカとクモの因縁の過去・・・。「アチュアンの墓所の中からハイタカが光の中に連れ出してくれた」とボソッと漏らすテナーとハイタカの背景・・・。なぜハイタカはアレンに固執し、気にかけるのか・・・。

それらすべてに対する説明も描写もほとんどない・・・。

ゆえに作品世界を支えるべき背景がものの見事に抜き取られているので、深みも奥行きもあったもんじゃない。

その中で、永遠の命だとか世界の均衡が崩れている原因を探るための旅だとか大仰に風呂敷を広げられても、てんで実感がわかないわけで・・・。あげくのはてにクモの作画が媒図かずお、はたまた諸星大二郎に変容していくし。

あまりにも本作の世界観や内容が分かりづらかったので、DVDで出ているアメリカで2004年に製作された実写版TVムービー「ゲド/戦いのはじまり」を速攻で借りてきて見ちまったじゃないか。。全6巻あるゲド戦記の1・2巻を基にしていて、アニメの方は第3巻が主ということだから知識を深めるにはいいかなと。

んで見てみたらなるほど、アチュアンの墓所で巫女の一人として邪悪な“名無き者”を祈りで封印しているテナーと、割れた平和の腕環を1つにするべく予言に導かれてアチュアンの墓所へ向かう魔法使いハイタカの物語、そしてアチュアンの墓所の封印を解き放ち永遠の命を得ようとするカルガド王との対決が初心者にも分かりやすく噛み砕いて描かれている。

全体的な印象としては、ロード・オブ・ザ・リングとハリポタを足して2で割ったようなかんじだけど、なかなか楽しめるファンタジーものに仕上がっていたと思う。とはいえ、原作者のル・グウィンに無断で作ったらしく、さらに内容に対しても酷評してるらしいけど。

でも、宮崎吾朗のよく分からない作品世界の背景を知るにはもってこいの作品ではないだろうか。

ただ、原作はどうか知らないけど、影(ゲベス)の解釈というか設定が両者では異なっていて、実写版の方は心の闇として描かれていて、一方今回の映画の方は心の闇に喰われたアレンの身体から心の光が分離してそれが彷徨う影になった、すなわち心の光として描かれている。

この違いは、コミック版ナウシカでナウシカが「命は光だ。」という言葉を否定して、「命は闇の中にまたたく光だ。全ては闇から生まれ闇に帰る。」という言葉とつながっている気もしたり、闇に支配された恐ろしく暗い主人公が光を取り戻すという構図は現代の若者や社会に対する反映や主張なのかなとも思ったり。

また、クモの顛末なんかも同じくナウシカに出てくる不老不死に固執する皇弟の姿を連想してしまった。

まぁとにかくあれだな、もうちょっと整理してじっくり煮込んでもう1回出直してきなさいとは言いたいわな。

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(おまけ)

エラゴン/遺志を継ぐ者(2006年・アメリカ・104分)WOWOW

 監督:シュテフェン・ファンマイアー

 出演:エド・スペリーアス、ジェレミー・アイアンズ、シエンナ・ギロリー、ロバート・カーライル、ジョン・マルコヴィッチ

 内容:アラゲイシア帝国は、かつてドラゴンとそれを乗りこなすドラゴンライダーによって平和に統治されていた。が、ひとりのドラゴンライダー、ガルバトリックスの裏切りによって帝国は暗黒の時代を迎えていた。そんなある日、辺境の村で暮らしていた少年エラゴンは、森の中で青い球体を見つける。しかしそれは、ドラゴンの卵で、やがて中からメスのドラゴンが誕生する・・・。

評価★★/40点

“この映画を見て良かったことはたった1つ。ゲド戦記の実写化は可能だということ・・・それだけ。”

ドラゴンを飛ばして、剣を持たせて、青い目を光らせればファンタジーになると思ったら大間違いで、しっかりと世界観やキャラクターを描き込んでくれないとただのお遊戯にしか見えなくなる。

この映画は、そこらへんのことを全く認識していない人たちが作ったとしか思えないし、しかも大ベストセラーの原作ものをここまでスカスカに作ってしまうというのも普通ではありえない。原作に対する愛情というのが微塵も感じられない。

ファンタジーブームに便乗して金を稼ごうという映画会社の浅はかな考えにはホトホト呆れるわな。20世紀フォックス、、、メジャー会社のくせして。。

しかもこれ3部作ですか!?ムリだろもう・・・。

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ダンジョン&ドラゴン(2000年・アメリカ・107分)WOWOW

 監督:コートニー・ソロモン

 出演:ジェレミー・アイアンズ、ソーラ・バーチ、エドワード・ジューズベリー、ブルース・ペイン

 内容:魔法を操る貴族“メイジ”が支配するイズメール王国で、魔法を使うことのできない平民達は奴隷のように扱われていた。ドラゴンを自由に扱える杖を持つ若き女王は、常々そのことに心を痛めていて、改革に着手しようとするが、宰相プロフィオンの魔の手が伸びていた・・・。人気RPGゲームを原作にしたアクション・ファンタジー。

評価★☆/35点

いろいろな要素のゴッタ煮という印象が強い。魅力的な引き出しをいくつも持っているのだが、それらを全て小出しにしてきた感が・・・。

そして結果としてそれが全体として魅力的になるのかというと全くそうではないという悪い意味での好例。

2008年11月25日 (火)

夢のシネマパラダイス571番シアター:善き人のためのソナタ

10180 出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ、ウルリッヒ・トゥクール

監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

(2006年・ドイツ・138分)2007/06/18・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:1984年。東ドイツでは、反国家的・反社会主義的な動きを許さないため、国民の全てを監視する体制を作り上げた。そんなある日、国家保安省(シュタージ)のエリート局員ヴィースラー大尉は、世界的に高名な劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視し、反体制の証拠をつかむよう命じられる。さっそくドライマンのアパートに盗聴器を仕掛け、徹底した監視を開始するヴィースラー。しかし、芸術を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった・・・。

“邦題からイメージしていたのとはだいぶ異なる印象”

わずか20年ちょい前の話ということにまずは驚くが、いやちょっと待てよ。盗聴先進国アメリカに比べたらこんなのお子ちゃまレベルかもしれないな。

というのはさておき、東ドイツというとオイラがイメージするのは浦沢直樹のマンガ。例えば「MONSTER」に出てくる、子供の人格を改造する悪魔の実験場511キンダーハイムや、「MASTERキートン」に出てくる東ドイツの抵抗運動に身を投じた老貴婦人の「この国は間違った方向に向かっている。」という言葉などが思い出され、統制国家の恐怖政治という負のイメージを抱いてしまう。

その中枢ともいうべき機関であり、反体制分子を監視し粛清するシュタージの忠実な執行人ヴィースラーが主人公の今回の映画では、抱いたイメージに違わぬ陰鬱な重い雰囲気に支配された東ドイツ社会が描写されている。

そしてそれを象徴するような冷徹なキャラクター、ヴィースラーもまんま浦沢直樹のマンガに登場してくるようなかんじ。

その中で例えばドライマンとクリスタの激しい愛の交わりをヘッドホンで聴いた後、自宅に小デブwの娼婦を呼んで無味乾燥な肉欲にふけるキモさなど、ドライマンとは対照的な無機質な人間性が浮き彫りになっていたのも印象的だったが、本人の意志とは関係なく人間一個人として生きる歓びを次第に取り戻していってしまうという、まるで人間本来持っている本能のようなものが目覚めてしまうヴィースラーの変調が描かれていくのは面白かった。

とはいえ、その変調をきたす要因となった肝心の曲“善き人のためのソナタ♪”がかなり抽象的な旋律だったのはちょっと説得力に欠けたかなと。

しかしなんといっても、それを補ってあまりある説得力をもたらし、映画たらしめたといえる価値ある存在感を出したのがドライマンの恋人クリスタだろう。

はっきりいって「マレーナ」(2000)のモニカ・ベルッチよりもエロエロ感漂うフェロモンをスクリーン内にまき散らしていて、それはもう後ろからむしゃぶりつきたいようなかんじだったんだけどlovely、そりゃ鉄の精神を持ったヴィースラーも折れるわなぁ(笑)。

なんか“善き人のためのソナタ”というよりは“クリスタの24Hナマ映像ネット無料公開”に矢も盾もたまらなくなる孤独な中年親父といったところが本質なのではなかろうか。それくらいクリスタという女性の存在は映画にとってもそしてヴィースラーにとっても大きかった。

原題はそのものずばり「他人の生活」だしね、他人の生活をのぞく快楽や欲望が嫉妬や同情・共感というような人間的感情を取り戻す入口になったとするならば、原題の方がこの映画を言い得て妙だろう。邦題からすると、なんかノスタルジックなかんじをイメージしてたのだけど。

でも、芸術や自由な表現をも抹消・抹殺しようとしたシュタージが、20年後に映画という芸術作品になり、その中で語られるのだから、「グッバイ、レーニン!」(2003)なんかもそうだけど、やはり映画の力、芸術の力というのはホントにスゴイんだなというのは実感したね。

よーし、これからもいろいろな映画を観ていくぞーっ、、、てこんなオチでええのんか・・・。

2008年11月24日 (月)

夢のシネマパラダイス570番シアター:日本のいちばん長い日

Nihon 出演:三船敏郎、山村聰、志村喬、笠智衆、宮口精二、戸浦六宏、高橋悦史、黒沢年男、加藤武、加東大介、天本英世、小林桂樹、加山雄三、松本幸四郎

監督:岡本喜八

(1967年・東宝・157分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:大宅壮一が終戦当時の政治家、宮内省関係者、元軍人、民間人を取材してまとめたルポルタージュを原作とする、東宝創立35周年記念の戦争超大作。昭和20年8月14日の宮城内地下防空壕の御前会議に始まり、ポツダム宣言受諾をめぐる陸軍省や総理官邸の動き、自刃を覚悟した阿南陸相の心境、玉音放送の準備に大わらわの宮内省とNHK、受諾反対の青年将校の玉音奪還作戦など、玉音放送がなされた翌15日までの24時間を、緊迫感あふれる描写で見せていく。

“黒沢年男のエネルギーで爆弾1個作れそう。。”

あのハイテンションはどう見てもキチガイにしか見えないのだけど、それは戦後60数年経った今だから言えるのであって、あの当時はそれが真っ当な青年将校のあるべき姿だったのだろう、、か。いや、バラエティ番組で見る黒沢年男のキャラとたいして変わらないのにもビックリしたんだけど・・・(笑)。

それはともかく祖国を思う純粋な心と信念をあそこまで狂信的に駆り立てたものは何だったのか。

日本人の男子の半分2000万を特攻に出し続ければ必ず勝てます!と言わせしめるまで守り抜こうとしたものとは何だったのか。

祖国、国体護持、神国、天皇、、、すべてが戦後数十年経ってこの国に生まれた自分には現実離れしたものとして映ってしまう。

戦争は始めるのは恐ろしいくらいに簡単だが、やめるのは恐ろしいくらいに難しいというのは、今のアメリカに至るまで連綿として続く常識だが、教科書に載らない歴史の秘話を明かすこの映画を見せられると、このときの日本ほど愚かで無責任な事態はなかったのではないかとさえ思えてくる。

空虚な理念に支配された密室、しかも天皇=神を戴く祭殿の中でその理念は浮世離れしたもののように誇大妄想と化していく。

なによりタチが悪いのは、その理念が全くブレない強固なものであり、それを純粋に真摯に遂行し守ろうとするところにある。

日本教原理主義とでもいうべき宗教的な崇拝の鬼と化した戦争指導者たちの姿は狂気そのもの。

その中で粛々としてあらゆる手続きのもとで進む儀式(日本帝国のお葬式)がまた空しく目に映るわけだが、東京の焼け野原も一般市民の視点も欠如しているこの映画において、密室にこもった戦争指導者の思考停止状態と無知蒙昧ぶりが際立っていく作劇にはかろうじて岡本喜八のシニカルな視点を垣間見ることができる。

とはいえ、題名が出てくるまで20分もかかったこの作品、2時間40分ハイテンションな緊迫感が途切れることなく持続するアツイ映画であったこともたしかで、岡本喜八のテンポ良いリズム感あふれる演出技法が重厚な作品にあっても冴えに冴えわたっている。

そしてなんといってもアクの強い個性派俳優の恐ろしいほどの屹立した存在感のしのぎ合いに目をそらすことができない。

横浜警備隊長役の天本英世や児玉基地飛行団長野中大佐役の伊藤雄之助など、今の役者では到底お目にかかることのできない怪演ぶり。そして壮絶な割腹自殺シーンに息を呑んでしまう阿南陸相・三船敏郎の鬼気迫る力演。

これほど役者というものの力を認識させられる映画もそうはない。

日本の中枢の断末魔しかと見届けたり!

とはいえ、死屍累々たる末端の人々の断末魔に比べればちゃちいものだが。。

でもさ、腹かき切るだけじゃやっぱすぐには死ねないもんなんだねぇ・・coldsweats02。くわばらくわばら。。

2008年11月23日 (日)

夢のシネマパラダイス569番シアター:さあ!妖怪退治にお出かけよっ!

どろろ

Dororo 出演:妻夫木聡、柴咲コウ、瑛太、杉本哲太、土屋アンナ、中村嘉葎雄、原田芳雄、原田美枝子、中井貴一

監督:塩田明彦

(2007年・東宝・138分)2007/02/05・盛岡フォーラム

評価★★★/60点

内容:戦国の世。天下統一の野望を抱く武将・醍醐景光(中井貴一)は、生まれてきた我が子の体48箇所を48体の魔物に差し出し、代わりに強大な力を手に入れる。そのまま捨てられた赤子は医師・寿海(原田芳雄)に拾われ、医秘術によって仮の体を与えられて育てられる。それから20年後、成長した百鬼丸(妻夫木聡)は、魔物を倒すごとに失われた部位を一つずつ取り戻せることを知り、魔物退治の旅に出る。やがて、女ながら男装して乱世を生き抜くコソ泥のどろろ(柴咲コウ)は百鬼丸のたずさえる妖刀を手に入れたくて彼の後について行くことに・・・。手塚治虫の同名漫画の映画化。

“この手の映画には言い古されているフレーズかもしれないが、あえて言う。安っぽい!”

140分という長尺を後半ヨレヨレグダグダになりながらもなんとかまとめきったという点では、最後まで飽きずに見られる作品ではあるのだが、後半あれよあれよという間に尻すぼみになっていくチープさはいかんともしがたく、CG・VFXのちゃちさも含めて心に残る映画にはならなかったというかんじ。

うーん、、なんだろ、失われた身体を取り戻すという“自分探しの旅”というテーマにおいては、監督塩田明彦の得意とするジャンルなのだろうけど、それが後半、ギリシャ悲劇はたまたシェイクスピアにつながるような“親殺し”へと変容していく中で一気にトーンダウンしてしまっているんだよね。

しかも、そういう重いドラマの中で、思わず笑っちゃいそうな着ぐるみ妖怪とか、ラストの中井貴一の変身を出してくるというのが、またなんとも脱力しちゃうというか・・・。

まぁ、手塚マンガに出てくる妖怪とか魑魅魍魎ってたしかにユニークで見るからにマンガチックな造型なんだけど、実写化するにあたって明度を落とした巧い絵作り(ろうそくの揺らめく灯とか)でせっかく作り出した魅力的な世界観の中では、どう考えても合わないと思う。20億もかけてるんだったら、もうちょっと頭の方も使ってもらいたかったな。

後半の展開から、ふと黒澤明の「蜘蛛巣城」(1957)を連想してしまったけど、「蜘蛛巣城」てシェイクスピアの『マクベス』を下敷きにしているんだよね。

傑作「蜘蛛巣城」と比べるのもかわいそうだけど、でもCGに依存なんてしなくてもスゲェ映画は作れるんだってこと。

ま、アクションを前面に出した冒険活劇エンタと考えれば、、、今回のはそれなりの映画になっているとはいえるんじゃないスか。

あ、あとこれは言っておかなければ。柴咲コウ最高っスshine

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妖怪大戦争

20060214_94083 出演:神木隆之介、宮迫博之、南果歩、成海璃子、菅原文太、忌野清志郎、竹中直人、岡村隆史、栗山千明、豊川悦司

監督:三池崇史

(2005年・松竹・124分)WOWOW

評価★★☆/45点

内容:妖怪をこよなく愛する人気作家陣、水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆきの4氏がチーム「怪」を結成し、’68年の「妖怪大戦争」をもとに原案を作成、鬼才・三池崇史が映画化した冒険ファンタジー。一人の泣き虫少年が、ひょんなことから日本各地の120万の妖怪たちと力を合わせ、人類滅亡をもくろむ謎の魔人に立ち向かう。

“ぶっちゃけキャラクターの品評会それだけでよかった。異種格闘技戦とか、そんな簡単なのでよかったというか期待していたのだが、なぜに帝都物語?焼酎にブラックコーヒー入れても意味ないやろ。。”

この映画がまだ公開されてない頃に、あるテレビ番組で東京国際映画祭のフィルムマーケットの様子を追った映像を見たことがあるのだが、その時に取り上げられていたのがこの映画だった。

セールス担当者が海外の映画会社のバイヤーに売り込みをかけてたのだけど、海外のバイヤーからは「妖怪って何?日本人にとってポピュラーなものなの?それって怖いの?」などの質問が飛んでいて、で結局キャラクターをいかに浸透させるかよく工夫しないと分かりづらいし難しいけど、一応は好感触といったかんじだった。。

が、いやいや待ってくれ。栗山千明の妖怪アギはキル・ビルからそっくりそのまま出てきたゴーゴー夕張ではないか。水木しげるのあの顔もどう説明するんだ。

いや、それはまだいいとしよう。

1番問題なのは、魔人加藤だよ。まるで象徴天皇のごとく祭り上げられただけの存在、、、売り込みようがないだろ、これ(笑)。

海外ではちょっと通用せえへんちゃうかなぁ、ってオイラにも通用しないけど。

なんだろ、変に難しくしないでぶっちゃけキャラクターの品評会でもいいんだよね。こういうタイプの映画はさ。せっかく独創的で面白いキャスト当ててるんだから。観ててなんだかもったいない気分になったわ。

1+1が0.7くらいになっちゃってる気まずさともったいなさに終始ついて行けなかったし、ややあきれ返っちゃったというか、逆に疲れちったよ。。

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ゲゲゲの鬼太郎(2007年・松竹・103分)DVD

 監督:本木克英

 出演:ウエンツ瑛士、井上真央、田中麗奈、大泉洋、間寛平、小雪、室井滋、西田敏行

 内容:鬼太郎のもとに、人間界の小学生・健太が助けを求めてきた。彼が住む団地で裏山の稲荷神社の解体工事が始まってからというもの、妖怪たちが出現するというのだ。一方、同じ頃、ねずみ男が狐一族の至宝“妖怪石”を質屋に売ってしまい、それが回りまわって健太と姉の実花の手に渡ってしまう・・・。水木しげるの国民的妖怪マンガの実写映画化。

評価★★★/60点

田中麗奈のミニスカコスチュームの太股の奥に見え隠れするモジャ毛ばかりが気になって気になって仕方なかったダス・・・。

えっ?パンツだったんですか(笑)。そ、そんな・・。ってお前は一体何を見とるんじゃ!

いや、でもマジメな話、鬼太郎はウエンツじゃなくて、えなりかずきやろ。ってそこかよ!

いや、もっとマジメな話、漫画やアニメから一気にあか抜けてしまった映画のつくりにやや違和感・・・。

だからぁ、、えなりだろ、やっぱ。あと、砂かけババアと子泣きジジイの必殺技がなくて不満。

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ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌(2008年・松竹・115分)WOWOW

 監督:本木克英

 出演:ウエンツ瑛士、北乃きい、田中麗奈、大泉洋、間寛平、室井滋、緒形拳

 内容:カゴメ歌を聞いたら3日後に死ぬ!?若い女性が失踪する怪事件が続発する中、その事件に巻き込まれた女子学生の楓とともに謎の解明に乗り出す鬼太郎だったが・・・。

評価★★/40点

緒形拳の遺作となった映画がこれだなんて悲しすぎる。千年呪っちゃって下さい・・・。

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西遊記(2007年・東宝・120分)2007/07/22・盛岡フォーラム

 監督:澤田鎌作

 出演:香取慎吾、深津絵里、内村光良、伊藤淳史、水川あさみ、鹿賀丈史、岸谷五朗

 内容:06年にフジ系で放映された月9ドラマの映画化。最強の敵、金角・銀角に三蔵法師と悟空一行が立ち向かう。

評価★★☆/45点

“中国人がこれ見て怒るのも、、、分からないではない(笑)”

スペシャルドラマでやればいいじゃん、とこの手の映画観るといつも思う。デートムービーとしては手軽だけど。。

金かければ金かけるほど子供向けの特撮ものになっていく悲哀・・・。どうにかして。

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花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年・松竹・123分)WOWOW

 監督:水田伸生

 出演:須賀健太、篠原涼子、西村雅彦、北村一輝、安藤希、杉本哲太

 内容:小さな港町に暮らす9歳の悪ガキ、花田一路。ある日、彼は自転車で行った町で噂の幽霊トンネルでトラックと衝突する大事故に遭う。奇跡的に九死に一生を得た一路だったが、それ以来彼には幽霊たちの姿が見えて話せるという不思議な能力が備わってしまい・・・。

評価★★☆/50点

家族向けの心温まる人情話と思って見たら手痛いシッペ返しをくらうシロモノ。

なんてったって大団円の決めゼリフが「地獄に落ちさらえーー!」だからね。引くちゅうねん(笑)。幽霊とはいえ少なくともカワイイ娘が父親に言う言葉じゃないやろ。

もうはっきりいって中盤の運動会のところで映画を締めてもらった方がオイラ的には良かったよ。それくらい後半はヒドイ、というかジャンルが明らかに前後半で衣替えしちゃってる。

花田家の夕食中に幽霊の女子高生・聖子が怨霊・沢井に向かってフォークや茶碗を投げて挙句のはてにテレビを爆発させるというポルターガイスト現象はまだ笑って許せるとしても、宙に浮いた聖子vs沢井のカメハメ波対決はいくらなんでもやりすぎ。

、、って原作マンガ読んだことないから分からないけど、原作もこうなの??

2008年11月22日 (土)

夢のシネマパラダイス568番シアター:レミーのおいしいレストラン

Ratatouille 監督・脚本:ブラッド・バード

(2007年・アメリカ・120分)2007/08/10・盛岡フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:ドブネズミでありながら天才的な料理の才能を持つレミーは、尊敬する名シェフであるグストーの著書を読みながら一流レストランのシェフになるという夢を持っていた。しかし、そのグストーは料理批評家イーゴに店の星を減らされ、失意のうちに急死してしまう。そんなある日、レミーは嵐で家族とはぐれてしまい、パリのグストーのレストランにたどり着く。そこの厨房で、雑用係のリングイニがスープを台無しにするのを見たレミーは、こっそりとスープを作り直すのだが・・・。

“偉大な映画は勇気から生まれる!”

ミッキーマウスというディズニーが誇る世界最強の“ネズミ”キャラクターを差し置いて、グレーの毛並みの1本1本まで実に生々しくフサフサしている醜悪なドブネズミを造型して主人公にしてしまった勇気(ちなみにピクサーは06年にディズニーの完全子会社になっている)。

そして調理場の最大の敵である西の横綱がゴキブリならば東の横綱は紛うことなくネズミ、そのネズミに料理をさせてしまおうという身の毛もよだつようなお話を作ってしまった冒険。

耳で聞くぶんには、とてもじゃないが目にはしたくない作品なのだが、恐る恐るフタを開けてみたら、アントン・イーゴの言葉のごとくオイラの先入観は見事なまでに大きくくつがえされた。

これは決して大げさな表現ではない。まさに衝撃だった。

小麦粉と卵、砂糖とバニラビーンズ、そしてほのかなビターレモンの香りが漂ってくるスクリーンの中のえもいわれぬ世界に完全に酔いしれてしまった。

やはり5つ星レストラン、ピクサーは期待以上の仕事をしてくれる。

さすがに天井裏にビッシリと張り付いたネズミが部屋にワッサと落ちてきたシーンや、キッチンを占拠しているシーンは思わず背筋にゾワゾワッと悪寒が走ったけど(笑)。

でも、料理するのに手を汚したくないから地面に手を付けて歩きたくないといったレミーのキャラクターだとか、それとは対極の雑食たるネズミがグルメを解すわけがないという兄・エミールの位置付け、また、魔女の陰険な執事を思わせるイーゴの造型などよく練り込まれていて面白かったし、日常生活の中でなかなか思い切って前へ歩み出すことができない自分がドブネズミに説教くらってるような複雑な気分になるのもなにやらシュールなかんじで、ネズミに出来るのにオレに出来ないわけがない!と変な勇気までおみやにもらっちゃって、もう何も言うことはございません。

ゴチになりましたぁーーっrestaurant

また、美味しそうなんだ料理がheart01

ただ、強いていえば、グストーのレストランのわけありの従業員たちのことをもっと描いてほしかったかなぁ。なんかもったいなかったような。

だって親指だけで人を殺せるってのはホントすごいことだぞ(笑)。

とにかく、またお腹をすかして、ピクサーレストランに足を運ぼうと思います。今度はどういう料理を出してくれるのかなぁ。。

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(おまけ)

マウス・ハント(1997年・アメリカ・100分)WOWOW

 監督:ゴア・バービンスキー

 出演:ネイサン・レイン、リー・エバンス、クリストファー・ウォーケン

 内容:アニーとラーズの兄弟は、父の死により古びた屋敷を手に入れた。屋敷の改装に取りかかろうとするが、ここには1匹のネズミが住んでいた。2人はこのネズミを退治しようとするのだが・・・。たった1匹のネズミを退治するのに四苦八苦する人間達を描いたコメディ。

評価★★★/65点

“ホーム・アローン番外編”

ネズミをあなどっちゃいけないよ。ウチの弟なんて赤ん坊の頃かじられたことあるんだから(笑)。

先日見た「銀河ヒッチハイク・ガイド」で、実は人間はネズミに化けた宇宙人に支配されていたという衝撃の事実が暴露されていて、この映画見て妙に納得。

クリストファー・ウォーケンを病院送りにしてしまうことができるなんて、そんじょそこらの人間にはできない芸当だもん。

でも、ラストに出てきた毛糸チーズは凄っごい美味そうだったな。

2008年11月21日 (金)

夢のシネマパラダイス100番シアター:オーシャンズシリーズ

オーシャンズ11(2001年・アメリカ・117分)2002/02/20・MOVIX仙台

 監督:スティーブン・ソダーバーグ

 出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、アンディ・ガルシア

 内容:出所した泥棒のオーシャンは、ホテルから1億6千万ドルの現金を盗むことを計画。彼のもとにスリの名人や爆弾の専門家ら11人のプロたちが集結する。フランク・シナトラ主演の「オーシャンと11人の仲間」のリメイク作。

評価★★★☆/70点

一陣の風が爽やかに吹き抜けていくと言えば聞こえはいいが、実際は右から左へ受け流してしまう軽さ、と言った方が的を射ていると思う。

まぁ、それでもソダーバーグの手慣れた演出と相まって非常に見やすく、ちょうど腹八分というかんじかな。

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オーシャンズ12

00000595912l 出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ヴァンサン・カッセル

監督:スティーブン・ソダーバーグ

(2004年・アメリカ・125分)DVD

評価★★★/60点

内容:3年前、“オーシャンズ”に大金を奪われたカジノ王ベネディクトが復讐に乗り出す。オーシャンらは利息を含めた1億9千万ドルを返済するため、アムステルダムに向かい再び大きなヤマに挑む!

“ハリウッド版ルパン3世の配役オーディションに10数人の有名役者たちが参戦!2時間に渡る熾烈な戦いをとくとご覧あれ”

としか見れない・・・。

めまぐるしく絡まってもつれた糸を鮮やかな手さばきで解きほぐしてくれるソダーバーグも、この映画ではやっつけ仕事に徹してしまっているかんじ。

めまぐるしいまま終わってしまった。。

ちなみに、オーディションの中間審査によりますと、峰不二子はキャサリン・ゼタ、次元はブルース・ウィリス、銭形警部はジョージ・クルーニー、石川五右衛門はヴァンサン・カッセル、肝心のルパンはドン・チードルに絞られた模様です・・・。

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オーシャンズ13

Bfgwnnryid 出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ドン・チードル、エレン・バーキン、アル・パチーノ、ヴァンサン・カッセル

監督:スティーブン・ソダーバーグ

(2007年・アメリカ・122分)2007/08/20・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:オーシャンズの古参メンバーであるルーベンは、バンク(アル・パチーノ)とラスベガスに建つ巨大ホテルの共同経営事業に乗り出すはずだったが、バンクに裏切られ、そのショックで心筋梗塞に倒れ危篤状態になってしまう。その報せを受けたオーシャンたちはバンクに復讐を誓う。彼らの戦略は、ホテルの最高格付け“5つダイヤ賞”獲得を狙うバンクのホテルの評判をズタズタにし、ホテルのカジノを大損させ破綻させることだった。。

“媚薬ギルロイ、オイラに下さい!!!”

熟しきったキャメロン・ディアス、、もといエレン・バーキンを一瞬で虜にしてしまったギルロイ、、、のどから手が出るほど欲しいです。。

、、という印象しか残らないんだけど、毎回言ってるけど、よくぞまぁこれだけのメンツを揃えておきながら、これだけ軽っりぃ映画を作れるもんだと逆に感心してしまう。のどごしスッキリどころの軽さじゃないもんな(笑)。

黒澤明がのたまうところの、カツ丼の上にエビ天乗せてハンバーグ乗せてカレーをぶっかけたような胸焼け起こしそうな映画の方が好きなオイラとしては物足りなさも感じてしまうのだけど、一方ではオーシャンズシリーズって“旨味”を提供するというよりは、“お上品な場”を提供する作品といえるのもたしかで、その点ではかなりセンスの良い上質な場の雰囲気を醸成できていたと思う。

導入部をわずか数分で終わらせ、何がなんだか分からないうちにミッションの真っ只中に突入している不親切さはかなり気になるところだし、豪壮ホテルのカジノを舞台にした復讐劇なのに全くもってハラハラドキドキするところがないのもイマイチだし、、、なのだけど、全体としてみればこの軽いノリと人が誰も死なない品の良さが嫌いになれないんだよね。

しかも、ハリウッドの4番バッターをズラリと並べた中で、怪気炎をあげるアル・パチーノを向こうにまわして、巨人打線のようなホームランをドッカンドッカン打ってくるのではなくて、セーフティバントや流し打ちといった小技をサラリとこなしてしまう巧さには見ているこちらも逆に気持ちが良くなってくる。

なんかパーティとかで誰も見てないんだけどBGMがわりにこの映画流すというのも有りみたいな、そんな映画なのかも。

アル・パチーノとアンディ・ガルシアのゴッドファーザーつながりも見られてよかったし。

なんか、、、14も見たくなってきたぞ。。

しかし、、一昔前はSONYだとか日本企業名が出てくるのが多かったけど、いまや韓国企業が会話の中に出てくるようになったのねぇ。サムスンってなにげにスゴイのか。

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(以下、個人的オーシャンズシリーズ公認作品)

地下室のメロディ(1963年・フランス・121分)NHK-BS

 監督:アンリ・ヴェルヌイユ

 出演:アラン・ドロン、ジャン・ギャバン、ヴィヴィアンヌ・ロマンス

 内容:ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの初顔合わせによるギャング映画。5年の刑期を終えて出所した老ギャングのシャルルは、恋女房のジネットが止めるのも聞かずに、刑務所で知り合った青年フランシスと組んでカジノの現金を奪うという新しい計画に着手した。2人は見事強奪に成功し、10億フランの札束を手にしたが、意外な成り行きから犯行が露呈してしまう・・・。

評価★★★★/80点

オーシャンズ2がここにあったどーーshine

というのはさておくとしても、この映画おもろかった。

このての映画でキーになるプロセスをまずは楽しめるのが高評価の前提。

さらに、ものの見事な破綻の妙によりそれまでのプロセスがパーになるのではなく、ますますもって活きてくるどころか、結果的に皮肉にもいっぱしのフィルム・ノワールにまで高めてしまっているのがなんとも心憎い一品。

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スコア(2001年・アメリカ・124分)WOWOW

 監督:フランク・オズ

 出演:ロバート・デ・ニーロ、エドワード・ノートン、マーロン・ブランド、アンジェラ・バセット

 内容:凄腕の泥棒ニックに、盗難ブローカーのマックスが不可能としか思えない盗み話を持ちかけてきた。引退を考えていたニックだったが、これが最後と思い引き受ける。若いジャックと協力し準備を進めるニックだったが・・・。

評価★★★/60点

オーシャンズ11,12,13ときて、、、オーシャンズ3もあったどーshine

しかし、、ハリウッドのキレたら凄い三羽がらすがスクリーン上で一同に会して繰り広げるナァナァ祭り。って、意味ねえじゃん!

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ホット・ロック(1972年・アメリカ・105分)NHK-BS

 監督:ピーター・イエーツ

 出演:ロバート・レッドフォード、ジョージ・シーガル、ゼロ・モステル、モーゼス・ガン

 内容:盗みで暮らしを立ててきたジョンは、刑期を終えて出所した途端、妹の夫で金庫破りを生業とするケルプから、博物館に展示される巨大ダイヤを盗み出す仕事を持ちかけられる。ジョンは仲間を集め、博物館にまんまと忍び込み、ダイヤを盗み出すことに成功するのだが・・・。宝石泥棒の男たちの姿をユーモアを交えて描いたサスペンス・アクション。

評価★★★★/75点

“ムショや警察署から脱走する話は五万とあるが、その逆はそうはお目にかかれないトンだシロモノ。”

ほーら、、オーシャンズ4を獲ったどーshine

よーし、こうなったらオーシャンズ1~10まで見つけてやる(笑)。まず4は確保。

でも、お金かけなくても、こういう粋な映画が作れた時代なんだね、70年代って。クインシー・ジョーンズの音楽もグッジョブですた。

それにしても、1番印象的だったのは、ヘリでNYを飛び回るシーンで在りし日の世界貿易センタービルを下からなめるように空撮したシーン。あんなに接近して撮られた映像は初めて見た気がする。

9.11であんなスペクタクルな超高層ビルが一気に倒壊しちゃったと考えると、ホント背筋が凍りついちゃうな・・・。

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スニーカーズ(1992年・アメリカ・126分)CS

 監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン

 出演:ロバート・レッドフォード、ダン・エイクロイド、リバー・フェニックス、シドニー・ポワチエ

 内容:ビルの警備システムを調査するハイテク集団“スニーカーズ”。彼らは政府の依頼で暗号解読器“ブラック・ボックス”を盗み出すが、何者かに奪われてしまい・・・。

評価★★★/65点

オーシャンズ5を見っけたどーーッshine

この映画ってストーリー展開の筋立てよりもキャラクターで見せていく映画だと思うんだけど、レッドフォードに合わせたスマートさに終始しちゃっていまいちハジけない。ダンディーでかっこ良すぎなんだよね(笑)。

ルパン3世のようなおノロケキャラの方が、とオイラなんかは思っちゃうんだけど。そうだなぁ、あの当時だと例えばビリー・クリスタルとかかなぁ。

夢のシネマパラダイス567番シアター:スーパーマン

スーパーマン(1978年・アメリカ・144分)NHK-BS

 監督:リチャード・ドナー

 出演:クリストファー・リーブ、ジーン・ハックマン、マーロン・ブランド

 内容:壊滅寸前の惑星クリプトンの科学者ジョーは、幼い一人息子カルに全てを託し、地球めがけて彼を脱出させる。アメリカに着陸したカルはケント夫妻に拾われ、クラークと名付けられて育てられ成長したが、育ての父の死をきっかけに北へ旅立つ。そしてビジョンとして現れたジョーから自らの出生の秘密、能力と使命を知らされるのだった・・・。

評価★★★/60点

世界まる見え特捜部のナレーションを付けたい気分。。

地殻変動を止めてしまうなんて凄すぎるぞ、スーパーマン!さらにそれだけではない。相対性理論まで実践してしまうなんて、スーパーマン、あんたってやつは凄い、凄すぎるぞ!

でもさぁ、そのわりに敵がショボすぎるんだよねぇ・・・。

いや、違う!敵の強さが霞んでしまうほどスーパーマンは強いんだ。やっぱり凄い、、凄すぎるぞ!てか・・。

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スーパーマン2冒険編(1981年・アメリカ・126分)NHK-BS

 監督:リチャード・レスター

 出演:クリストファー・リーブ、ジーン・ハックマン、ネッド・ビーティ、テレンス・スタンプ

 内容:愛する女性のため、超人能力を捨て去ってしまうスーパーマン。しかし、邪悪な敵トリオがそれを逃がすはずもなく・・・。

評価★★☆/45点

アメリカ合衆国大統領が敵に対してひざまずいたという、考えてみると稀な映画。

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スーパーマン リターンズ

20060827_240267 出演:ブランドン・ラウス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボスワース、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ、マーロン・ブランド

監督:ブライアン・シンガー

(2006年・アメリカ・154分)2006/08/30・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:スーパーマンが謎の失踪を遂げてから5年。スーパーマン不在となったメトロポリスでは犯罪が急増、加えて宿敵レックス・ルーサーも出所してしまう。そんな中、地球に戻ってきたスーパーマン。しかし、久々に再会したかつての恋人ロイス・レインは、彼との思い出を振り切り、スーパーマン不要論の記事でピュリツァー賞を受賞するまでに至っていた・・・。前シリーズの2作目「スーパーマン2冒険編」の後を引き継ぎ、5年ぶりに地球に戻ってきたスーパーマンの活躍を描く。

“意外にもダサくなかった掛け値なしの王道路線”

スーパーマンと聞くとオイラなんかはオンタイムで見れてない世代なので、ダサいユーモアとショボイSFXの映画という印象がけっこうあったりなんかして、やっぱアメコミ系といえばオンタイムで最初に見たバットマンでしょ、となるわけで。。

だから今回の約20年ぶりの復活劇にはさほどの期待をかけていたわけではなかったのだけど、フタを開けてみたら意外にも楽しめてしまった。

まぁ、昨今のアメコミ系ヒーローが判で押したように苦悩と葛藤を最大の敵とし、正義とは何かという疑問をつきつけられる悩めるヒーロー(=地に足のついた人間)ばかりだったので、アメリカンソウルにあふれた保守的ともいえる王道路線のヒーロー像(=天空から見下ろす神)が逆に新鮮に映ったかんじ。

最新の映像技術も決して大仰にではなく、ほどよいサジ加減でドラマと絡んでいてよかったし。

また、分かりやすい勧善懲悪もののバリバリ王道路線だと、下手すると単調になりがちなんだけども、そこを2時間半の長尺にわたってダレることなく見せ切ったブライアン・シンガーはやっぱスゴイと思う。普通だったら100分くらいにまとめられそうなところをさ。

X-MENファイナルディシジョンを蹴ってまで本作を監督しただけのことはあると思った。ほんとにスーパーマンにゾッコンなんだろうね(笑)。

ロイス・レインのピュリツァー賞をとった記事“なぜ世界はスーパーマンを必要としないのか”というスーパーマン不要論をもっと掘り下げるのかと思いきや、結局ただ単にヤリ逃げされた鋼鉄の男に対するうっぷん晴らしにしかすぎなかったところとか、ロイス&ジュニアとスーパーマンとの関係の中途半端さなど気になるツッコミどころもあったのだけど、それらは次回作の伏線とみればいいのかな。

でも、、、あと15年後くらいにオイラの子供がこれ見たらダッセェとかって言うのかもな(笑)。。

いろんな映画にいえることだけど、次の世代に引き継がれていくような映画を作ってもらいたいもんだと切に願います。

2008年11月20日 (木)

夢のシネマパラダイス566番シアター:ゆれる

Wfryawzfwl 出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子、木村祐一、蟹江敬三

監督・脚本:西川美和

(2006年・日本・119分)2007/04/11・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:東京で写真家として忙しい日々を送る弟・猛(オダジョー)は、母の葬式に出られず、一周忌になってようやく帰郷してきた。が、父親(伊武雅刀)とは事あるごとに折り合いが悪く、ガソリンスタンドを経営する温厚な兄・稔(香川照之)がいつも間に入って2人の仲をとりもっていた。そんなある日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と3人で近くの渓谷に出かける。ところが、川にかかる吊り橋で稔と一緒に歩いていた智恵子が下の渓流に転落死してしまう。当初は事故と思われたが、稔の突然の自供により裁判が始まることに。猛は弁護士である伯父(蟹江敬三)を立てて、兄の無実を晴らそうと努めるが、兄は猛にこれまでとは別人のような一面を見せ始め・・・。

“偏差値は異常に高くて上手すぎるくらいに上手い映画だが、あまりにも西川美和の作り上げた世界観が理路整然としていて、その計算高さが垣間見えてしまうのが逆に鼻についてしまう、、とイジワルな見方をしちゃいたいくらい完璧な作品。”

荒戸源次郎の「赤目四十八瀧心中未遂」(2003)のような人間の心のひだを深くえぐるような映画に1年に1本は出会いたい者としては、オリジナル脚本でなおかつ完成度が非常に高い非の打ちどころのない出来栄えの映画を見ることができたのは素直にうれしい。

登場人物の心のゆれが、映画を観る側にまで伝播してくるプロセスには舌を巻くばかりだ。

脚本を書き下ろして小説にまでしてしまう西川美和監督の底知れぬ才能は、SEXシーンの撮り方ひとつとっても推して知るべしだが、彼女の構築した完璧な世界観にものの見事に応えた香川照之&オダギリジョーのセンスにも脱帽する以外にない。

最初は兄弟に見えないほど背格好はもちろん性格も対照的な誠実な兄・稔と自由人の弟・猛の人物造型。

その陰と陽の関係性が次第に合わせ鏡のように反転していくのを見せられるのは弟をもつ自分にとっては何か兄弟関係を見透かされているようで、うすら寒い思いもしてしまったが、ラストで「兄ちゃん!一緒に家に帰ろう!」と叫ぶに至る弟・猛の心のゆれ、そして兄・稔のラストの微笑によって、ああやっぱり正真正銘の兄弟なんだと心震わせながら納得させられてしまい、余韻がいつまでも尾を引く。

なんともスゴイ映画だと思う。

が、そこであえて物足りないところを言わさせてもらえば、全く穴のないシナリオ、全くブレることのない演出がそれこそ神の意図でつくられた試行錯誤の一切ない設計図のように見え、その図面上で現実が理路整然と組み立てられていくさまは、恐ろしいくらいに“ゆれる”ことがない。

観る側の心をゆれさせると書いておいて何か矛盾しているようだが、これだけ“ゆれる”ことがない映画も珍しいのではないか。

ここでいう“ゆれる”とは、監督のこの映画に向かう姿勢の軸とでもいえばいいだろうか。まったくブレがなくて、あれこれ悩むことなくパズルを一片一片手際よくはめこんでいくのだ。

しかも、そこにあるのはきちっとした“理”であり、“情”はほとんど感じられない。

この映画は“情”を排した“理”で作られた映画だと思う。

パーフェクトたる所以はそこにあると思うのだが、どうもそれが垣間見えてつまらなさを感じてしまうというか・・。すごいイジワルな見方なのだけど。。

ただ例えば西川美和自身のオリジナル脚本じゃなくて、出来合いの原作やシナリオをもとに撮った彼女の映画というのもいったいどういう風になるのか見てみたい気がする。

高く重ねられた積み木を引っこ抜いていって上に再構築していき、崩れたら負けというバランスゲーム“ジェンガ”のごとく、出来合いの世界観を自分色に染めていく過程で様々な取捨選択に直面するはずで、そこで“ゆれ”が生じてくるはずなのだが、、、それでもなお“理”で映画を作れるのだとしたらこの人は正真正銘のバケモノだな。

いずれにせよ、オイラは完全にこの人のとりこになってます。。

夢のシネマパラダイス565番シアター:萌え度200%長澤まちゃみ!

涙そうそう

T0004725 出演:妻夫木聡、長澤まさみ、麻生久美子、塚本高史、橋爪功、小泉今日子

監督:土井裕泰

(2006年・東宝・118分)WOWOW

評価★★★/55点

内容:沖縄。いつか自分の店を持ちたいと夢見る青年・洋太郎のもとに、高校に合格した異母妹のカオルがやって来て同居することになった。ジャズマンの父親は姿を消し、母親も2人が幼い頃に他界してしまっており、以来どんなことがあってもカオルのことは自分が守ると心に誓った洋太郎。そんな洋太郎はカオルを大学に通わせるために、苦境に遭いながらも昼夜を厭わず働くのだったが・・・。

“「純愛」「兄妹愛」というそれらしいキャッチフレーズを笠に着たトンでも映画”

オイラみたいに萌え度200%の長澤まさみの一挙手一投足を思う存分堪能するにはこれ以上ないもってこいの出来だが、ふとそこから目を転じると、何の実りもない抜け殻のようなエイガが横たわっているばかり。

奇しくもセカチューには長澤まさみが出ているが、セカチューから火の付いた純愛路線映画もついにここまで形骸化してしまったかというかんじ。

洋太郎とカオルの関係性はもちろんのこと、洋太郎と恋人の恵子、カオルと蒸発した父親の関係性などすべてにおいて描き方が希薄で、まるでお触り程度に抑えておいても“純愛”“兄妹愛”という看板を盾に取れば観客も納得するから大丈夫、、、とでも言わんばかりの子供だまし映画に仕上がっている。

その最たるものが洋太郎の死という映画のオチで、これはもうはっきりいって出来の悪い映画の体を保つために映画に抹殺された茶番劇といってよく、これで泣きなさ~い~notes言われても土台無理がある。

とにかく“純愛”=清く正しく美しく清潔感あふれる関係性というもっともらしい構図がさらなる退化をみせ、そういう関係性を描くには人と人とのつながりをあまり突っ込んで描かなければいいという本末転倒な考え方が跋扈するような純愛をうたう映画なら、そんなのはもう作らない方がよい。

しかし、よくもまぁこんな見えすいた映画を作れたもんだよ、と逆に感心しちゃうんだけど、沖縄という土地の薫りと長澤まさみの「ニィニィ」連呼にうまくカモフラージュされちゃったかな。

長澤まさみじゃなかったら★2つでもいいくらい。

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タッチ(2005年・東宝・116分)WOWOW

 監督:犬童一心

 出演:長澤まさみ、斉藤祥太、斉藤慶太、RIKIYA、風吹ジュン、小日向文世

 内容:高校生の上杉達也と和也は双子の兄弟で、幼なじみの浅倉南とは家もお隣さん同士の仲。スポーツ万能&成績優秀の弟・和也は野球部のエースとして甲子園出場を目指しており、マネージャーの南も和也をサポートしていた。一方、そんな弟に何をやってもかなわない兄・達也だったが、和也と同じく南に想いを寄せていて・・・。あだち充原作の同名コミックの映画化。

評価★★/40点

“和也の事故シーンをわざわざ律儀に撮らなければならなかったこと自体、すでにこのアニメの映画化の限界が露呈してしまっている。”

原作でストーリーなり世界観なり、全てにおいて鉄板ともいえる定型の枠と起承転結がすでに出来上がっちゃってるので、変に設定変えたり冒険することが土台無理なんだよねこれは。

2時間枠の中で実写化するには到底ムリがある。そんなの初めっから分かってたことなんじゃないのか製作側も。

なのにこんなの映画化して何の意味があるんだ・・・。

いや、、あるぞ。ある!ある!ある!

南じゃなくて、長澤まさみその人。

長澤まさみにとってのアイドル映画が世に1本くらいあってもいいんちゃう。

、、と、勝手に決め付ける以外、ホントに見所が皆無の映画です・・・。

2008年11月19日 (水)

夢のシネマパラダイス564番シアター:神様いったい、何様のつもりですか!?

達磨よ、遊ぼう!

Darumaya_s 出演:パク・シニャン、チョン・ジニョン、イ・ウォンジョン、イ・ムンシク

監督:パク・チョルグァン

(2001年・韓国・95分)WOWOW

内容:ある日、敵対組織に奇襲を受けたヤクザのジェギュたちは命からがら山奥の寺に逃げ込む。しかし、突然の闖入者たちに日々の修行を邪魔された僧侶たちは、チョンミョンをリーダーに奇想天外な対決を挑んでくるのだった。そして、その決戦に負けたジェギュたちは、僧たちと修行の日々を送るハメに・・・。都会派ヤクザと田舎の寺の修行僧が、対立しながらも次第に心通わせていく姿を描いたヒューマンコメディ。

評価★★★★/75点

ヤクザvs僧侶という設定自体マンガっぽくて好きなんだけど、それを何の奇もてらわずにマンガのようなノリでフツーに描けちゃうというのはある意味スゴイ。

やっぱそういう点でも韓国映画の裾野の広さを感じちゃうし、日本映画にはないどちらかといえばハリウッド映画のテイストとメンタリティに近いものを備えている韓国映画に羨ましささえ感じてしまった。

ま、どうってことないコメディ映画なんだけど、でもこのどうってことないコメディ映画でちゃんと笑えるやつって、邦画では意外にないんだよね。

それにしてもヤクザと僧侶に接点をもたせるのが海兵隊つながりというのが韓国らしいね。日本だと何だろ。イジメっ子とイジメられっ子かな(笑)。

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達磨よ、ソウルに行こう!(2004年・韓国・95分)WOWOW

 監督:ユク・サンヒョ

 出演:シン・ヒョンジュン、ヤン・ジヌ、イ・ムンシク、チョン・ジニョン

 内容:僧侶のチョンミョンは黙言修行中のテボンらとソウルの無心寺を訪れるが、そこの住職は多額の借金を苦に寺を去っており、一人の僧と幼い小坊主だけが残っているだけだった。チョンミョンらはボムシク率いる地上げ屋たちから無心寺を守り再興するために寺に残ることに。そんなときテボンの買った宝くじが300億ウォンに当選!これで土地の権利を買い戻せると意気込むが、なんとそのアタリくじが入った賽銭箱はボムシク一党が奪い去っていて・・・。

評価★★★/65点

今回は僧侶軍団の完全アウェイ戦ということで、ソウルでのガチンコバトルはカラオケやフラフープなど大いに笑えるネタが満載、、、なのだが、大都会にやって来て完全に世俗化してしまった僧侶と、もともとから金銭欲にまみれているヤクザとの対比が一緒くたになっちゃってるという点で前作よりちょっと落ちるかな、と。

ま、最近のお坊さんは金にうるさいからな(笑)。

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憑神<つきがみ>

Idgvzpiqk 出演:妻夫木聡、夏木マリ、佐々木蔵之介、鈴木砂羽、赤井英和、香川照之、西田敏行、江口洋介

監督:降旗康男

(2007年・東映・107分)WOWOW

内容:時は幕末。代々将軍家の影武者を務めてきた由緒ある家柄の次男・別所彦四郎は、婿養子に行ったもののすぐに離縁され、兄夫婦のもとで肩身の狭い日々を送っていた。そんな彼はある日、軍艦頭取に出世した旧友の榎本武揚と再会する。聞けば、向島の三巡稲荷に参れば出世も思いのままだという。そこでさっそく三巡稲荷に向かった彦四朗は草原でボロッちい稲荷を見つけてお祈りする。が、そこは災いの神を呼び寄せる稲荷だった・・・。

評価★★★★/75点

クドカンあたりが関わってたらかなり毛並みの異なるコメディ映画になってたと思うけど、最近そういうのに食傷気味だったオイラにとっては(笑)、降旗康男&木村大作という奇をてらわない堅実路線で作られた今回の映画は、なにか古典落語を聞いているようで、逆に新鮮で面白かった。

なんでこんなので笑ってるんだオイラ、、、と自分にツッコミ入れつつ結局最後まで飽きずに見れちゃったからな。。祟り神に同情され、あげくの果てにホレられちゃう妻夫木もこういう役が合ってると思う。

時代劇とコミカルさのバランスがうまくとれた職人監督らしいお手並みでございました。

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ライアーライアー(1997年・アメリカ・87分)仙台セントラル劇場

 監督・トム・シャドヤック

 出演:ジム・キャリー、モーラ・タイニー、ジャスティン・クーパー

 内容:ウソのうまい弁護士が、一人息子の誕生日をすっぽかしてしまう。息子の願いでウソのつけない口になってしまった弁護士は人生最大の苦境に・・・。

評価★★★★★/100点

“ジム・キャリーの顔には保険をいくらかけても足りないくらいだ!”

映画館で周りを顧みず腹抱えて笑った初めての映画かもしれない。素晴らしい映画体験shine

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あなたに降る夢(1994年・アメリカ・101分)NHK-BS

 監督:アンドリュー・バーグマン

 出演:ニコラス・ケイジ、ブリジット・フォンダ、ロージー・ペレス

 内容:心優しき警官が、ウエイトレスへのチップを切らし、宝くじが当たったら半分払うと約束する。そして本当に大当たりした彼は、彼女に200万ドルを渡すのだが・・・。

評価★★★★/75点

えーーーっ?ウソっ?えっ?えっ?実話なのこれ?

どんでん返し食らった気分やわ。

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デッドゾーン

E38387e38383e38389e382bee383bce383b 出演:クリストファー・ウォーケン、ブルック・アダムス、マーティン・シーン

監督:デイヴィッド・クローネンバーグ

(1983年・アメリカ・103分)NHK-BS

内容:高校教師のジョニーは、交通事故で意識不明になり、5年後にようやく意識を取り戻した。ところが、彼は突然発作に襲われ、手を触れた相手の未来を予知することができるようになってしまう。不思議な超能力を身につけたジョニーは、大統領候補スティルソンと握手をした際、彼が近い将来に核戦争を起こすことを見抜いてしまい・・・。原作はスティーブン・キングの恐怖小説。

評価★★★★/80点

見えてしまう他人の運命にスポットを当てるのではなく、見えてしまうという苦しみをメインに描いているのが怖さに幅と深みをもたせ、映画に奥行きをもたらしている。最近このての映画は、この点が完全に死角になってしまっているのが残念でならない。

2008年11月18日 (火)

ウチのカレーの隠し味はこれだッ!!

コネタマ参加中: お宅の“カレーの隠し味”、教えて!

それはズバリ、、

★唐辛子

★バター

★ニンニク

★砂糖

これをカレーの隠し味四天王と謂ふ!

1番最初に唐辛子1、2本をニンニクと炒めて、それを下地にして玉ネギなんかを炒めていくの。

んで、最終工程で市販のカレールウを溶かすときに、バターと砂糖を入れるわけよ。

まぁ、、ていうか、これ某国営放送の「ためしてガッテン」で2年前くらいにやってたんだけど(笑)。

でも、カレーってもともと辛いのに、さらにそこに唐辛子を入れるという発想は全くなかったから、完全に目が点だったのだけど、これがイイんだfuji

お店に出してもいいくらいイイんだ。甘辛いという表現がいいのか、いや、辛いんだけど、甘いのよ(笑)。ハマッちゃいますた。

ウチではガッテンカレーと名付けております。試してみてください。

夢のシネマパラダイス563番シアター:ファンタスティック・フォー

ファンタスティック・フォー〔超能力ユニット〕

200fullfantasticfour 出演:ヨアン・グリフィス、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス

監督:ティム・ストーリー

(2005年・アメリカ・106分)2005/09/24・MOVIX仙台

内容:人類の進化と宇宙嵐の関係を研究している若き天才科学者リード。彼はある日、その謎を解明するため、親友のベン、元恋人で女性科学者のスー、彼女の弟ジョニーとともに、実業家でスーの今の恋人でもあるビクターの援助を受けて宇宙実験を実施することに。だがその最中、5人は予想外に早くやって来た宇宙嵐の放射線を浴びてしまった。それは彼らのDNAに変化をもたらし、皆それぞれに違った力が表れていく・・・。

評価★★★/60点

レイザーラモンHGが宣伝隊長になっただけのことはあるいい加減なお話。。

いや、だって超能力を手に入れたのに、みんながみんなあっちこっちの方向を向いていて全然まとまりがないんだもん。話に求心力が・・・。

悪役も悪役っぽくなかったし、いまいち燃えなかったな。

それとも素人が超能力を手に入れたらこんなんなっちゃうのよ、てなことなのか。

見所はジェシカ・アルバの胸元のみ、、、ま、いっか(笑)。

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ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007年・アメリカ・92分)WOWOW

 監督:ティム・ストーリー

 出演:ヨアン・グリフィス、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス、ダグ・ジョーンズ

 内容:巷では国民的ヒーローとなったファンタスティック・フォーのリードとスーが結婚するという話題で持ちきり。が、世界各地では謎の閃光の飛来により異常現象が発生していた。そして、2人の結婚式当日、閃光がニューヨークにも出現する。その正体は、銀色のボードを駆る生命体“シルバーサーファー”。さらに、このシルバーサーファーが現れた星は、8日以内に滅びていることが判明し・・・。

評価★★★/60点

ゴムゴム人間ルフィが大活躍する「ワンピース」の実写化は十分できる!ということだけは、リードの伸縮自在アクションを見てよぉく分かった(笑)。

「Mr.インクレディブル」から「ファンタスティック・フォー」ときて、ついに満を持してワンピース!

、、、ってそれくらいしか見所がないんだよねこれ。。

この軽さと中身の無さには脱帽するしかない。

銀河の危機というより、ハリウッドの危機だろ・・・coldsweats02

夢のシネマパラダイス19番シアター:9.11、、あの時の記憶

11’09’’01/セプテンバー11(2002年・仏・134分)スカパー

 監督:サミラ・マフマルバル、クロード・ルル-シュ、ユーセフ・シャヒ-ン、ダニス・タノヴィッチ、イドリッサ・ウェドラオゴ、ケン・ローチ、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、アモス・ギタイ、ミラ・ナイ-ル、ショーン・ペン、今村昌平

 内容:2001年9月11日、アメリカで起きた同時多発テロ事件を、世界各国を代表する11人の監督が11分9秒1フレームという共通の時間枠にそれぞれの文化、立場を背景に描く。

評価★★★★/80点

“人の個性ほど素晴らしいものはない。どれとして同じものはなく、全てがダイヤの原石のように輝いている。しかし、時としてその原石が一瞬にして砕け散ってしまうことがある、、、この世の中”

サミラ・マフマルバフはイラン映画らしく“子供”。クロード・ルルーシュはやはり“男と女”。ケン・ローチはやっぱり“移民”。そして今村昌平は意地でも“エロ”。

麻生久美子の太股をさする必要があんのかい?と思いつつ、しかし、それでいいのだ。

表現するという行為が本当に素晴らしいものだということが、11人の監督の内面的、主観的な個性に触れてみてあらためて分かった。

1つのテーマを取り上げるにしたって全く異なるアプローチと思考が繰り広げられるのだから。

そしてより多角的な視点で物事を考えることができる。

大学で歴史を学んでいた自分としてはこの点は重要です。

大本営発表を鵜呑みにしてはいけない。例えば、日本書紀1つ採ったって当時の政権が自分たちのいいように書いているわけで、他の中国の史書等と対照してみなければならない。

9.11テロでも、いや最近の世界情勢の中ではますますもってそのことの重要さを感じてしまう。地球の裏側の情報が一瞬にして分かる今の時代だからこそ。

しかし恐ろしいことに、素晴らしい個性が国家という名のもとに1つの枠組みの中に埋没し、ときに排除されてしまうというとんでもないことが起こってしまう。

マジでヤバイことだ。そうならないことを切に願います。

個人的にはイドリッサ・ウェドラオゴの“掴め!2500万ドル”が面白かったな。ショーン・ペンはそう来たかぁ、と思わず唸ってしまいました。

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ワールド・トレード・センター

070223_wtc_dvd 出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、マリア・ベロ、スティーブン・ドーフ

監督:オリバー・ストーン

(2006年・アメリカ・129分)2006/10/15・MOVIX仙台

評価★★★/65点

内容:2001年9月11日の早朝。いつものように家を出て署へと向かう港湾警察のマクローリン巡査部長。ところが、ありきたりな日常は突然破られた。世界貿易センタービルに旅客機が激突する大惨事が発生、港湾警察官たちに緊急招集がかけられた。現場へと急行したマクローリンは、4人の警官とともにビル内に入る。しかし、その直後、大音響とともにビル全体が崩れ始め・・・。9.11同時多発テロの際、崩落したビルの瓦礫の中から生還した2人の港湾警察官の実話をもとに映画化。

“いっそのことカーンズ軍曹を主人公にすれば・・・”

2001年9月11日火曜日。

オイラはPM7:30頃に仕事から帰宅し、シャワーを浴びてPM8:00から日テレ「踊るさんま御殿」を見ながら夕食をとる。PM9:00からTBSのバラエティ「ガチンコ!」を見る。優勝者は日本武道館で歌えるという企画“アイドル学院”をやっていて、学院生をケチョンケチョンのメッタ打ちにする歌唱指導の鬼教師に戦々恐々としながら見たのを覚えている。

そして、PM9:54、今日のトップニュースを見ようとニュースステーションにチャンネルを合わせる、、、と、どこぞやの高層ビルの上の方から白い煙がたなびくように出ている映像が映し出されている。

久米宏は夏休み中でいなくて、渡辺真理だったかがアメリカCNNからの中継だということを言っていて、オイラは真っ先に「タワーリング・インフェルノ」(1974)を思い出しちゃったりしたのだけど、ま、すぐに消化する火災だろと思ったし、国内ニュースに切り換わったので、土曜日に録っていたケビン・コスナーの「ポストマン」を見ようとビデオをセット。

そして、ビデオ画面に切り換えると、偶然にもNHKに合わさっていて、ニュース10でもビルの映像が映し出されている。へぇ~、NHKでもトップに持ってくるてことはけっこうな大火災なんだぁと意外に思ってしまった。

そしてテレビ画面を一応2分割して「ポストマン」を見ようとした、、、次の瞬間。

画面右から何かが飛んでくるのが見えた、気がした。

あ、カラスだ。え?アメリカにカラスっているのか?アメリカといえば鷲だろ、、のわりにはデカイ鳥だなぁ、とその間わずかゼロコンマ数秒の間に頭を駆け巡ったことまでもが鮮明な記憶として残っている。

しかし、その直後に巨大な火柱があがったことで、飛行機だーーーッ!とようやく認識できたのだった。

それからは誰しもが知っている通りの映画やフィクションをはるかに凌駕したショッキングな現実が刻まれていくことになる。おそらく今まで生きてきた中で、最も重く深く脳裏に刻まれた事件映像となった。

高3のときの阪神大震災や中1のときの湾岸戦争も衝撃だったが、リアルタイムで目撃してしまったという点では、やはりこの9.11同時多発テロはそれまでの自分の既成概念や常識をブチ破ってしまうくらいの衝撃を与えたという意味でも一生涯忘れえない事件となった。

さて、映画以上に映画的だった9.11同時多発テロの映画化をすると知った時、オイラはネタ尽きハリウッドのことだから9.11に飛びつくのも当たり前かと思いつつ、たいした作品にはならないだろう、というか果たして9.11を映画化することにいったいどういう意義があるのだろうという疑問を抱いてしまった。

スローモーションのように脳裏深くに刻まれた衝撃的な映像の数々を超える緊張感を生み出すのは不可能ではないかと思ったし、また、その映像を再現し、リピートすることに果たしてどんな意味があるというのか、とも思ってしまった。

例えば、9.11後に数々の関連番組が放送されたが、ちょうど事件の1年後に放送された日テレの特番「カメラはビルの中にいた」で映し出されたビル内部の映像は記憶に新しい。

ボコン、ボコンと落下してくる人間が天井にブチ当たる音はあまりにも生々しかった。

そこでやはり思うのは、はたしてこれを映画化することに何かテーマを見出し得るのだろうかということであり、さらにいえば映画という虚構をはるかに超えた現実を、映画が超えることなどできようはずがないではないかということだ。

せいぜいテレビの再現映像止まりが関の山であり、あとはそこにどのようなテーマをふりかけるかでどのくらいプラスアルファになるかといったところなのだろうけど多くは望めないだろう、と。

しかし、その中で唯一の興味といえたのは、監督が社会派の御大オリバー・ストーンだということだった。数々のセンセーションを巻き起こしてきたオリバー・ストーンが9.11をどのように料理するのだろうか。

スピルバーグやイーストウッドあたりなら安定地点に軟着陸できそうなかんじはするけど、オリバー・ストーンと9.11となるといやでも何かアブない匂いが漂ってきてしまう。

そして、出来上がった作品を観てみると、、、情熱の塊のようなオリバー・ストーンの作風とは対極にあるような非常に冷静かつ地味な筆致にまずは驚く。

朝日昇るNYの街並みの静かな目覚めを優しく描き出し、あの大惨事をことさら大仰に映像として描き立てることなどせず、瓦礫の下に閉じ込められた港湾局警察官とその家族、そして救助に駆けつけた人々の姿を淡々と映すのみ。

そこには何かを暴きたててやろうというような変な気概はなかった。

そこにあるのは、様々な人種と国籍が集うアメリカが受けた深い傷と深い鎮魂のまなざし、ただそれだけだった。

例えば誰しもの記憶に刻み込まれてしまっている数々の衝撃的なニュース映像の再現をこの映画は全くといっていいほど避けているが、単なるハリウッドテイストのディザスタームービーに陥らせたくないという思いがよく伝わってくる演出意図ではある。この映画は観客のエンタメ欲を刺激して満足させるような映画になってはならないのだという思い。

その中で、激突の瞬間をマンハッタンの上空を横切る機影として表現したことをはじめとして、オリバー・ストーンの演出には文句の付けようがなく、演出意図としてはけっして間違っていない作品に仕上がっていることはたしかだ。

しかし、そう理解した上で、イチャモンをつければやはりどこかで物足りなさを感じてしまうのも事実なわけで。。

なにか傷物に触るような当たり障りのないかんじで、オリバー・ストーンでさえもこのように描かざるをえなかったという意味では、アメリカが受けた深い傷はいまだに癒えていないのだということだけはよく分かったが、ある意味ただそれだけで、悪くいえば面白くもなんともない映画だな、と。

また、ぶっちゃけオリバー・ストーンである意味もないような・・・。人間ドラマのエモーショナルな部分をうまく引き出せる監督はオリバー・ストーンよりも他にいるだろみたいな。ちょっと畑違いというか。。

だって、あのオリバー・ストーンがキリストの光臨を描くなんて、どう考えたって異常だよ(笑)。

オリバー・ストーンが描きたいのは、どちらかといえばカーンズ軍曹の方だろ。怪しいというよりちょっとアブない元海兵隊員・・。ラストに、イラクに志願して戦った、とポツンと字幕で示されたのがまたなにか気味が悪くなっちゃったのだけど、オリバー・ストーンが監督するんだったら、この謎のカーンズ軍曹を主人公にすればよかったんじゃないかなとも思ってしまう。

10年後、また9.11が映画化されたらどんなふうになるのだろうか・・・。

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ユナイテッド93

United932706int27lus 出演:ハリド・アブダラ、ポリー・アダムス、オパル・アラディン、ルイス・アルサマリ、リチャード・ベキンス

監督・脚本:ポール・グリーングラス

(2006年・アメリカ・111分)WOWOW

評価★★★/65点

内容:2001年9月11日早朝、ニューアーク空港を飛び立ったサンフランシスコ行きのユナイテッド航空93便。しかしその頃、地上の管制センターでは針路を外れた旅客機数機がワールド・トレード・センターと国防総省ペンタゴンに激突したことが伝わる。そして、93便はハイジャックされた・・・。ターゲット(ホワイトハウスか連邦議事堂といわれている)に到着することなく、ペンシルベニア州郊外に墜落、全員が死亡した93便の乗客たちの緊迫した様子を描き出すノンフィクション・サスペンス。

“あれから5年・・・。”

リアルタイムで目撃してしまった9.11同時多発テロ事件の生々しい惨劇は、いまだに脳裏に焼きついて離れない。

あの日の夕食は何だったかだとか、あの夜見ていたTV番組だとか今でもはっきりと覚えている。そして、22時3分に目の前で起こったことも。

まるで永遠に時を止められてしまったかのようなあの衝撃は一生忘れることはないだろう。

そして約3千人にのぼる犠牲者の遺族の方々にとっては、いまだにあの9月11日から歩みを進められない人々も多いであろうことは想像に難くない。

一方で9.11後、急速に保守化したアメリカの常軌を逸した暴走は、アフガン、イラクで繰り広げられた対テロ戦争という名の報復により10万人ともいわれる犠牲者を出している。

9.11から始まった負の連鎖は今なお世界に大きな傷跡を残しつづけているのだ。

そのことを鑑みるに、いくらあれから5年経って冷静さを取り戻そうとも、9.11を物語ることにおいてフィクションや創作が入り込む余地など一寸もないことは明らかだろう。

それゆえエンタメ帝国ハリウッドと9.11がはたして結びつくのかという疑問は、オリバー・ストーンの「ワールド・トレード・センター」を見ても感じてしまったし、9.11を物語り描くことにおいてのテーマと意義は、ことさら大仰に傷を暴き立て掘り返すことなどではなく、ただ“真実”と“鎮魂”しかないのだということも不気味なほど冷静なオリバー・ストーンの姿勢と演出を目の当たりにして感じた。

9.11に対して陰謀論なども取りざたされる中で、“真実”と“鎮魂”を描くフィクションや創作たりえない物語を撮るには、今作のようなドラマ性や作り手の意思・主張を排除した疑似ドキュメンタリーになるのは当然の帰結だっただろうと思う。

ハッピーエンドではないと分かっている物語を手持ちカメラのブレのみが揺り動かし、リアルな感情を引き出していく。今までありそうでなかった斬新かつよく出来た演出だと思う。

が、、、一個の映画として見るには「ワールド・トレード・センター」同様、物足りなさを感じてしまったのもたしかだ。

アメリカとアメリカ映画がいつかは踏み越えていかなければならない9.11というテキストに5年経って手を付けたという意味では、映画としてどうこうというよりもメモリアルな作品としての意味合いの方が強いのかもしれない。

唯一この映画でメッセージ性を出したと思われるシーンが、飛行機内で神に必死で祈りを捧げるキリスト教徒とイスラム教徒が同じフレーム内に収まっているシーンだと思うが、それを見てなんともやり切れない複雑な悲しい気持ちになってしまった。

神って、、祈りって、、何のためにあるんだろう。。人殺しをするためにあるものでは決してないはずなのに・・・。

こんな悲しい映画が作られなくて済むような世の中になってほしいものです。。

2008年11月17日 (月)

夢のシネマパラダイス562番シアター:“家族”って、かっこ悪い!?

メゾン・ド・ヒミコ

Himiko 出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門

監督:犬童一心

(2005年・日本・131分)WOWOW

評価★★☆/50点

内容:ある日、24歳の沙織(柴咲コウ)のもとを岸本(オダジョー)という男性が訪ねてくる。彼は、沙織と母親を捨ててゲイ・卑弥呼として生きていく道を選んだ父親(田中泯)の恋人だった。岸本は、ゲイのための老人ホーム“メゾン・ド・ヒミコ”を建てて運営していた彼がガンになり余命いくばくもないことを沙織に伝え、ホームを手伝わないかと誘うのだが・・・。

“「たそがれ清兵衛」の田中泯の変身っぷりには脱帽・・・。”

「ハッシュ!」(2001)のときもそうだったけど、このてのゲイを扱った映画には深入りするのを避けちゃう傾向があって、今回もやっぱダメだった・・・。

ゲイ老人たちのファッションにもドン引きだったし、ダンスホールでのハイテンションぶりも全くついてけない。。

「ブスの処女と、性病持ちのオカマどっちがいい?ギャハハハannoy」、、、グーでぶん殴りたくなったんですけど、あのジジイ(笑)。

というかんじで、全くもって入っていけない異界ワールドだったのだけど、ただ1つ思ったのは、このてのゲイの人々ほど愛するということへの純粋さを持ち合わせている人種はいないだろうということ。

そこの点はちょっと羨ましさを抱いてしまったかも。

他人はおろか社会からも拒絶されてしまうという絶対的な孤独を身をもって知っているからこそ生み出される想いなんだろうね。そしてそこを突き抜けちゃうと、ああいう開放的な世界の住人になることができるってわけだ。

その中で、彼らがつくった小さな共同体にまぎれ込んでくるノンケの沙織の孤独と憂鬱の方が際立って見えてくるのはうまいつくりになっているなとは思う。

そういう点では、この映画は沙織の傷ついた人生の再生物語という側面の方が強いわけで、ゲイ映画ではないんだよね。ゲイの人物像の内面に映画自体が深入りしてないし。ま、それでも生理的にちょっとダメだったけど・・・。

あとはまぁ、なんといっても柴咲コウの化粧っ気のない地味ぃ~なコンビニ店員姿だな。ちょっと引いたわ(笑)。。

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酒井家のしあわせ(2006年・日本・102分)NHK-BS

 監督・脚本:呉美保

 出演:森田直幸、ユースケ・サンタマリア、友近、鍋本凪々美、谷村美月、笑福亭仁鶴

 内容:三重県のとある田舎町。一見ごく普通の家族にみえる酒井家だったが、14歳の長男・次雄(森田直幸)は最近家庭にうんざりしていた。母・照美(友近)は再婚、次雄は事故死した前夫の連れ子、下の娘・光(鍋本凪々美)は母と義父・正和(ユースケ)との間にできた父親違いの妹という複雑な家庭環境にあったからだ。そんなある日、照美とケンカした正和が突然、好きな男ができたとカミングアウトして家を出て行ってしまう・・・。

評価★★★★/75点

“だ、ダマされた・・・。”

家族の何気ない日常を切り取っていく視点が独特の間の中でユーモアたっぷりに描かれていて、終始楽しく見ることができた。

例えば、家族で外出する時に、オカンが早くしなさいと急かしているくせに、当の本人が1番遅く家を出てくるシーンも、車の中でジィーッと待っている夫と子供たちの姿がたまらなくおかしかったり。どこの家のオカンも同じなんやな(笑)。

しかしこの監督、コミカルな間を作って、「あ、それってあるある」というエピソードをテンポよく見せていく演出の手腕はかなりこなれているなという印象。と思ったら新人さんなのね、この監督。。

あとこの映画で外せないのが、配役の妙ね。

日テレ「エンタの神様」のひとりコントにそのまんま出てきてもおかしくないような格好の友近が、決して類型的ではない妙にリアルなオカン像を演じていて新鮮だったし、関西弁をしゃべれないユースケ・サンタマリアの不器用なオトン役がものすごくしっくりきていた。

そして極めつけが仁鶴やな(笑)。ユースケが笑い転げちゃうのも無理ないわ。

とにかくほんわか温かいぬくもりが残るかなりしあわせな映画だったと思う。これからが楽しみな若手監督さんだね。

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アルゼンチンババア

Big 出演:役所広司、堀北真希、鈴木京香、森下愛子、手塚理美、岸辺一徳

監督:長尾直樹

(2007年・日本・112分)2007/03/26・盛岡フォーラム

評価★★★/60点

内容:高校生のみつこは、両親との3人暮らしだったが、誰よりも活気のあった母親が病気で亡くなってしまう。そしてその直後、墓石彫り職人の父親が行方をくらましてしまうのだった。それから半年後、父親はどうやら町外れの草原に建つ古ぼけた洋館にいるらしいことが判明する。しかし、その屋敷にはアルゼンチンババアと呼ばれている謎の女が住んでいるらしい。みつこは勇気を出して訪ねてみるが・・・。

“あのハチミツ、、、二缶ほど譲ってくれませんか(笑)。。”

アルゼンチンババア特製の媚薬ハチミツが欲しいってことと、堀北真希のムチウチ症姿が見れたってことくらいしか得るものがなかったな(笑)。

でも、フツー原作ものの映画って、映画が面白くなくても原作は読んでみたいなという場合が多いのだけど、今回は正直全く読みたいと思わなかったんだよね。そういう意味では逆に不思議な映画だったともいえるけど・・・。

登場人物の行動や会話がことごとく意味不明で伝わってこなくて、一人蚊帳の外で見続けなければならない、なんとも題名に相応しいわけの分かんない遠い世界の映画だったけど、その中で孤軍奮闘した堀北真希ちゃんを見るぶんには十二分に元が取れるのもまたたしかで。。やっぱ不思議な映画。

でも、、、ババアに鈴木京香をあてるってどうなんだろという根本的なところも気になる。室井滋とか夏木マリはたまたYOU、久本雅美あたりだろフツー。あるいは大竹しのぶ、浅野温子あたり?

ちょっと鈴木京香は役違いのような気が。まぁ、「ゼブラーマン」でコスプレ好きになって一皮剥けた女優さんだからババアもやってみたかったのかな(笑)。おいおい・・

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リトル・ミス・サンシャイン

Lms 出演:グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、アラン・アーキン、ポール・ダノ、アビゲイル・ブレスリン

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス

(2006年・アメリカ・100分)2006/12/25・仙台フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:アリゾナ州ニューメキシコに住むフーヴァー家は、家族それぞれに問題を抱え崩壊寸前。父は独自の成功論をまとめた自著の売り込みに必死、長男は一言も発さず、祖父はヤク中、伯父はゲイの恋人にフラれて自殺未遂と、まとめ役の母は一苦労。そんなある日、7歳の娘オリーヴがカリフォルニアで開かれる美少女コンテストの本選に進むことになる。そこで一家は、オンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、カリフォルニア目指して出発するのだが・・・。

“オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)って誰かに似てるよねぇ・・・”

ってあれよあれ、フィギュアスケートの安藤美姫だよ。あの出っ腹はさておき、精神年齢もほぼ変わらんだろうし・・(笑)。

というのはさておき、この映画、オイラ的2007ベストムービーにまず間違いなく選ばれるであろう愛すべき一品になってしまいました。

とにもかくにも笑いと涙が同時に押し寄せてくる映画体験というのはそうざらにあることではないので、そういう意味でも心に残る一本となりますた。

しっかし、途中から笑いのドツボにハマッちゃって笑って泣いてんだか感動して泣いてんだか最後は分からなくなっちゃったな・・・。

色覚異常で空を飛べないと分かり、野っ原で完全ふてくされ状態になった15歳の兄ドウェーンを無言で肩に寄り添いながら慰める大人な7歳オリーヴ。

笑いの導火線に火が付いたのはこの次のシーン。ドウェーンが「分かった。」と気を取り直して車に戻るときに土手を登るわけだけど、オリーヴちゃんあの体型もあって登れないんだ(笑)。そこをドウェーンが抱っこして持ち上げて登る何気ないシーンがなんとも可笑しみのあるオチで、シリアスな感傷モードに入る一歩手前で何気なく笑いに転回させる絶妙さに完全に引き込まれてしまった。

クラクションが鳴り止まなくなったミニバスを警官に停車させられ、トランクに積んであるシーツにくるまれたジイちゃんの遺体が見つかってしまうのかという絶体絶命の状況で、エロ本がドサッと落ちてきて、それを見つけた警官がニヤリとするオチも最高で、何も知らない妻シェリル(トニ・コレット)の不安そうな表情とエロ本を3冊(うち1冊はゲイもの)も買い込んでいたフランク(スティーヴ・カレル)へのお前はなんて奴だ!というリチャード(グレッグ・キニア)の視線とフランクのえっ何?オレ何かした?という表情がこれまた何気なく描かれていて、逃げ場のないバスのミニ空間の中に凝縮される人間模様が面白おかしく自然に描かれてるんだよね。

この自然なオーソドックスすぎる演出も良くて、例えばギアのブッ壊れたミニバスを家族みんなで押して発進させて飛び乗るこの映画を象徴するシーンや、ラストの珍妙なダンスを家族みんなで踊るシーンだとか、とにかく映画的な動きというのが終始物語をしっかりと牽引していく。

しっかり映画しちゃってるんだよねこれ。こういう映画観ると嬉しくなっちゃう。

才能が少々欠けようが負け組と揶揄されようが前に進むしかないんだというメッセージも心にしみわたりました。

イイ映画です。

ちなみにオリーヴのタヌキ腹は、詰め物を入れてるのだそうで、実際のアビゲイルちゃんはフツーの体型らしいです。

2008年11月15日 (土)

夢のシネマパラダイス561番シアター:萌の朱雀&殯の森

萌の朱雀

Moeno_2 出演:國村隼、尾野真千子、和泉幸子、柴田浩太郎、神村泰代

監督・脚本:河瀬直美

(1997年・日本・95分)DVD

評価★★★/65点

内容:ふるさとを愛する気持ちとは裏腹に、離ればなれになって暮らすことを余儀なくされる一家の様子を綴ったドラマ。河瀬直美監督の故郷である奈良県の山間部を舞台に、出演者の大半に地元の素人を起用して、セリフを極端に排した即興風の演出により、日本の風土や人間性を浮き彫りにしていく。カンヌ国際映画祭で、カメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞した。

“関西人って、、、こんな寡黙だったっけ。。”

光と影の淡い存在感、風に揺らめく風鈴、森のざわめき、染み込んでくるような生活音、それら日常にひそむ何気ないものの存在感が、土地の力や空気感となって静かだが確かな呼吸としてフィルムにとらえられていく。

感覚がいやでも研ぎ澄まされていく映像にただただ身を任せてみるのも一興ではある。

ただ、オイラにとって映画は、やはりシナリオ→映像→キャスト・演技・演出という優先順位で見ていきたいタイプなので、省略に省略を重ねたある意味不親切なストーリー描写には正直途中でついて行くのをやめたくなってしまうくらいにどうでもよくなってくる。

きっちりと作り込まれたシナリオじゃないとダメ、、という自分の勝手なスタンスがこの映画とキョリを置かせちゃうんだよね。

それにしたって何しゃべってるのか分からないのよね、これ。耳に残るはヒグラシの鳴き声のみ。。

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殯の森(2007年・日本・97分)2007/12/02・盛岡フォーラム

 監督・脚本:河瀬直美

 出演:うだしげき、尾野真千子、渡辺真起子、ますだかなこ、斉藤陽一郎

 内容:我が子を幼くして亡くし、夫とも別れた過去を背負っていた真千子は、奈良の山間部にあるグループホームに介護福祉士として赴任する。彼女はそこで33年前に亡くした妻との思い出の中に浸るひとりの老人と出会う。そんなある日、真千子は、老人を妻のお墓参りに連れて行くのだが・・・。カンヌ国際映画祭でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞。

評価★★★/65点

“彷徨と迷子の違い”

死や老いというものに対してまだ真剣に向き合うことがない年代の自分にとって、それをまともに感じられるのは映画を観たときくらいのものだ。

しかし、それでも自分にとってどういう映画が好きかといわれれば、ワラにもすがる思いでとにかく必死に生きようとする者を描いた映画が好きだと答えるだろう。死という絶対的に抗えない存在に対し、しゃにむに対峙する光り輝く生をこそ見たいのだ。

その中でこの映画は、妻を亡くした夫、子供を亡くした母親という身近な人の死という逃れられない喪失の中で、生きる意味を見出せずに漂いつづける2つの魂を描いている。

そして亡くした妻の墓がある原初の森深くの聖域で癒しの光により浄化され、生の実感を取り戻すという、そういう意味では極めて幻視的な映画だといえるだろう。

いわば必死な生というよりは闇に彷徨う生を描いているといった方がいいかもしれないが、その彷徨う生が、森という闇と彷徨そして生と死の境界にはもってこいの舞台装置の中で、再生への一歩を見出す姿を描いている。

しかし、そうはいっても映画という、監督が対峙する世界に対し監督自らが自覚的に再構築するという点でかなり無自覚かつ説明不足な作品であることは間違いなく、緑が目に迫ってくる映像世界だけでもっていた映画といえなくもないし、かと思えば情感の喚起を促すにあたっての監督のエゴが徹底されているわけでも決してないという、観る側にとっては立ち位置に非常に苦心してしまう映画だといえると思う。

そこらへんはセルフドキュメンタリーとフィクションの区別がつけづらいという河瀬直美の作風も少なからず影響しているのだと思われるが、個人的にはちょっととっつきにくいな、と。

まぁ、人が彷徨う映画というのは実は好きで、例えば北野武の「ドールズ」(2002)なんかはけっこうお気に入りなのだけど、ただやはりそこで死あるいは生が絶えずそこにあって透けて見えてくる情景だとか心象というものを描いてくれないと文字通りただの迷子としか見えなくなっちゃうんで、映画としては味も素っ気もないものになってしまうんだよね。

そこらへんもうちょっと今回の映画は詰めていって描いてもらいたかったな、と。

なんかまだ粗い素描というか下絵を見せられただけのような感が強く、決して満足のいく作品ではなかったことはたしかだ。

ただ、映像面に関しては感性豊かな繊細さが感じられて思わず見入ってしまったところもあり、一応最後まで見られるプラマイゼロの映画だったというかんじかなぁ。。

夢のシネマパラダイス560番シアター:戦場のアリア

20400 出演:ダイアン・クルーガー、ベンノ・フユルマン、ギョーム・カネ、ゲイリー・ルイス、ダニー・ブーン

監督・脚本:クリスチャン・カリオン

(2005年・仏/英/独/ベルギー/ルーマニア・117分)2006/05/10・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:1914年、第一次世界大戦下のフランス北部デルソー。ドイツ軍とフランス・スコットランド連合軍の戦いは熾烈を極め、戦況はますます悪化の一途をたどっていく。そんな両軍とも譲らぬまま迎えた雪のクリスマス、花形テノール歌手だったドイツ軍のニコラウスは素晴らしいテノールを塹壕から響かせる。すると、スコットランド軍はバグパイプの伴奏を奏で始め、一夜限りの休戦が実現、いつしか3カ国の兵士たちによる「聖しこの夜bell」の合唱がこだまする、、、というウソのようなホントの話。。

“やや一本調子な旋律で、思ってたより盛り上がりに欠けるが、戦争の愚かさがこれほど素直に伝わってくる映画も珍しい。戦場における人間讃歌に心打たれる。”

凍てつく大地に野ざらしになった死体がゴロゴロしている中で、敵味方が共にシャンパンを酌み交わし、語り合い、共に歌い、共にサッカーをし、トランプまでして、そして共に祈る、、、そんな世にも奇妙な風景のどこまでが真実なのか知るよしもないが、戦争のバカバカしさ、愚かさが実に端的に伝わってくる光景ではある。

以前、NHKスペシャルで太平洋戦争の激戦である硫黄島玉砕戦を特集していて、生き残った元兵士の凄絶な証言の中で、あの生き地獄という名の戦場を一言で言い表すならばそれは“畜生の世界”だと言っていたのが印象に残っている。

人間性を破壊し消失させてしまう、人ではないものが巣食う世界、それが戦場なのだとしたら、その中でかろうじて人間たらんとすることはそれこそ神のおぼし召しにすがるより他にないのかもしれない。

クリスマス聖夜、賛美歌の合唱とバグ・パイプの音色によって引き起こされた奇跡。

戦場の最前線で人間性を取り戻したかけがえのない喜びが暖かく描かれる一方で、その取り戻した人間性が自国の正義という名の下に徹底的に排除されていく絶望と悲しみも冷徹に描かれ、なんともやるせなくなってくる。

また、戦場で敵味方も国境も人種も越えたクリスマスミサの祈りによって心を通わせることに貢献した神父がいる一方で、聖戦と称して若者を戦場に駆り出していくのも同じ宗教者の司教であることに空しさを感じずにはいられない。

「ドイツ兵を殺せ!皆殺しにしろ!と命令するお偉方よりもドイツ兵の方がよっぽど人間的だった。」というセリフが心に残る。

現代、相も変わらず宗教は権力と戦争の道具として使い回されているが、音楽はいまや数百万曲が世界中のネットを飛び交う時代だ。

奇跡を起こすのは神でも宗教でもない。

音楽なのかもしれない。

そういえば「ビルマの竪琴」でも日本軍と英軍が水島上等兵の奏でる竪琴に合わせて合唱するシーンがあったっけ。

歌ってやっぱりスゴイnotes

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バルトの楽園(2006年・東映・134分)WOWOW

 監督:出目昌伸

 出演:松平健、ブルーノ・ガンツ、高島礼子、阿部寛、國村隼、大後寿々花、平田満、市原悦子

 内容:第一次世界大戦中の1914年、日本軍はドイツの極東根拠地である中国の青島を攻略し、ドイツ兵4700人を捕虜として日本全国に12ヶ所ある俘虜収容所へ送還する。1917年、収容所を6ヶ所に統合するため、劣悪な久留米収容所で2年を過ごした捕虜たちは徳島の板東収容所に移送された。同収容所の松江豊寿所長は、彼らに対して寛容な待遇で接するのだが・・・。日本で初めてベートーベンの「交響曲第九番:歓喜の歌」が演奏されたという実話をもとに描いたドラマ。

評価★★★/60点

“安倍晋三がこれ見たらもろ手を挙げて喜びそう・・・。”

なんていうのかなぁ、、、言葉は悪いけど、まるで北朝鮮の将軍様の国策映画を見せられているかのような気持ちの悪さを感じてしまった。

いや、ものすごく真摯で感動的なストーリーなんだけど、そこにこれでもかというくらいに輪をかけて乗っかってくる何のひねくれもない平々凡々な演出に、逆にうすら寒さを感じてしまったというか。。

オイラの映画の見方がひねくれちゃってるだけかもしれないけど、この映画ははっきりいってヌルすぎる。

なぜ収容所が牧歌的な理想郷のように描かれなければならないのか、あまりにも出来すぎていやしないだろうか。

まだ日本がイカれる前の貧しくも古き良き時代にあった奇蹟といえば聞こえはいいけど、ちょっと誇張しすぎの感も・・・。

唯一、大後寿々花の演技力と存在感には今回も脱帽したけども。

2008年11月14日 (金)

夢のシネマパラダイス559番シアター:ピンクパンサー

ピンクの豹

Pinkpanther2 出演:デイヴィッド・ニーヴン、クラウディア・カルディナーレ、ピーター・セラーズ

監督・脚本:ブレイク・エドワーズ

(1963年・アメリカ・125分)NHK-BS

内容:世界中の宝石泥棒が狙う天下の貴宝「ピンクの豹」を所有するプリンセスの周りには、上流階級の人々がどっと集まっていた。その中に紛れ込んだ宝石泥棒を追っているフランス警察のクルーゾーは、てんやわんやの騒動を巻き起こすのだった。。ドジな迷警部クルーゾーの活躍を描くコメディ“ピンク・パンサー”シリーズの第1作。当初は怪盗役のD・ニーヴンが主役で、クルーゾー警部は脇役にすぎなかったが、あまりの評判から2作目以降はクルーゾーが主役となった。

評価★★★/60点

冒頭で大風呂敷広げておいて、話のほとんどが寝室ってのもなんだかなぁ・・・。

途中までD・ニーヴンとP・セラーズの区別がつかなかったばかりか、出てくる女性みんなネコ目catだなぁくらいしか気にも留めなかったオイラに、この映画を語る資格はございません・・。

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暗闇でドッキリ(1964年・アメリカ・108分)NHK-BS

 監督・脚本:ブレイク・エドワーズ

 出演:ピーター・セラーズ、エルケ・ソマー、ジョージ・サンダース、ハーバート・ロム

 内容:ピンク・パンサーシリーズの第2作。パリの大邸宅やヌーディスト・キャンプで次々と起こる連続殺人事件の捜査にあたったクルーゾー警部の前に、ひとりの容疑者が浮かび上がった。しかし、容疑者となった女性はかなりの美人で、署長の迷惑顔をよそにクルーゾー警部は真犯人は別にいると信じ込んでしまう・・・。

評価★★/40点

何にドッキリってアータ、笑えないことにドッキリだよ。。。

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ピンク・パンサー2(1975年・イギリス・113分)NHK-BS

 監督・脚本:ブレイク・エドワーズ

 出演:ピーター・セラーズ、クリストファー・プラマー、カトリーヌ・シェル、ハーバート・ロム

 内容:中近東ルガシュ国の博物館から世界最大のダイヤ“ピンク・パンサー”が盗まれる事件が発生。現場に残された手袋から、犯人は怪盗ファントムであることが判明した。ルガシュ警察はファントムとゆかりの深いクルーゾー警部の出馬を要請するが・・・。

評価★★/40点

コメディで笑えず冷静になってマジマジと見てることほど苦しいものはない。。全編アニメにして下さいませんか・・・。

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ピンクパンサー

Pinkpanthermovieposter_000 出演:スティーブ・マーティン、ケヴィン・クライン、ビヨンセ・ノウルズ、ジャン・レノ

監督:ショーン・レヴィ

(2006年・アメリカ・93分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:サッカーのフランス代表チームを率いるイヴ・グルアン監督が、中国代表戦に勝利した直後、何者かに殺される事件が起きる。しかもその混乱の中、彼が身につけていたダイヤの指輪「ピンクパンサー」が消えてしまう。捜査を指揮するドレイフェス警視は、ドジなクルーゾー警部をわざと捜査に抜擢して、クルーゾーの失敗をよそに手柄を独り占めしてやろうと画策するのだが・・・。

“オイラも「hamburger」って言えません・・・。”

学生時代、アメリカから来た留学生の友達とハリウッド版ゴジラを観に行こうという話になったのだけど、その時に日本語発音の“ゴジラ”が全然相手に伝わらなくてビックリしたことをふと思い出した。あっちの発音だと“ガッッズィラ”みたいなよく分からない発音なんだよね。

ハンバーガーの発音に苦しむクルーゾー警部の苦しみはよく理解できたぞ(笑)。

でもこの映画、ピーター・セラーズの本家はオイラ的にはそんな笑えなくて好きじゃないから、今回のリメイク作もそんな期待しないで見てしまったのだけど、、、フツーに笑えちゃいますた。面白かった。

なんてこたぁないおバカコメディなんだけど、クルーゾー=スティーブ・マーティンのフレンチ訛りの英語と表情ひとつ崩さない天然ボケっぷりに笑いが止まらない。彼の一挙手一投足から目が離せなかった。

なんだろ、晩年のチャップリンを彷彿とさせるオーラを醸し出していて、こんなスゴイ人だったっけスティーブ・マーティンって、と久しぶりに目にして驚いたな。久々のハマリ役じゃないだろうか。

そして、そのボケを受けるジャン・レノの生真面目っぷりもツボにはまっていてヨロシイ。

地球儀が階段を転げ落ちていくときの何も詰まってなさそうな音とか、新ジェームズ・ボンド候補に挙がっていたクライヴ・オーウェンが006役で出てきたり、細かいところでも妙にオカシくなっちゃう。

これは拾いもんだわ。続編、、イッちゃって!

夢のシネマパラダイス558番シアター:韓流、運命の出会い

デイジー

En_mov_ta17_003 出演:チョン・ジヒョン、チョン・ウソン、イ・ソンジェ、チョン・ホジン

監督:アンドリュー・ラウ

(2006年・韓国・125分)2006/06/16・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:オランダのアムステルダムで暮らす画家の卵、へヨンのもとにいつも届けられる差出人不明のデイジーの花。見知らぬ贈り主を白馬の王子様だと信じ込むへヨンだったが、ある日、広場で肖像画を描く彼女の前にジョンウという男が客として寄って来て、一目見た瞬間に、彼こそ探し続けてきた運命の相手だと確信する。しかし、実はジョンウはインターポールの刑事で、プロの殺し屋パクウィを追っていた。そして、パクウィこそ本当の贈り主だったのだが・・・。

“黒いチューリップがフツーに届けられてきそうな「猟奇的な彼女」だったチョン・ジヒョンが、清楚で可憐な花に生まれ変わったというインパクトだけで125分付き合う価値は十二分にある。”

舞台はオランダ、監督は「インファナル・アフェア」シリーズでお馴染みの香港のアンドリュー・ラウ、キャストは韓国、音楽は日本の梅林茂ということで、韓国映画の恋愛ものにありがちなコテコテ感が良い意味で薄められていたのは買いだった。

女1:男2の三角関係というのは、特に韓国ドラマ十八番の王道パターンだと思うのだけど、残酷な運命のすれ違いと暴力の悲劇という緊張感と、異国情緒あふれる穏やかな時間の流れという静謐さのバランスが、間を大切にした非常に丁寧なつくりの中で、全然無理なく自然に描き出されていて、韓国映画では考えられないほど色彩感覚豊かな繊細な味に仕上がっていたと思う。

脚本のクァク・ジェヨンは、「猟奇的な彼女」や「ラブストーリー」「僕の彼女を紹介します」を監督兼任で手がけており、ストーリーテリングの才は比類なきものがあるのだが、今回はシナリオのみに専念し、監督は外注するという形になっている。

韓国が舞台だったらそのままクァク・ジェヨンが監督も兼任してたのだろうけど、異国オランダが舞台ということでそういう形になったのかは分からないが、結果として今回、香港監督アンドリュー・ラウとのコラボレーションはものの見事にうまくハマッたといえるのではないだろうか。

なにより香港映画十八番のノワールテイストがうまくブレンドされたのがこの映画を味わい深いものにしていると思うし。

韓国十八番の甘ったるい王道ラブストーリーと香港十八番の香港ノワールがオランダ生地の中で見事に融合したというのは言いすぎだろうか。

とにかくオイラはすごく気に入ったな。

ラストの雨宿りのシーンが今も胸に残ります。

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私の頭の中の消しゴム

20051104_61736 出演:チョン・ウソン、ソン・イェジン、ぺク・チョンハク、パク・サンギュ

監督・脚本:イ・ジェハン

(2004年・韓国・117分)DVD

評価★★★/65点

内容:建設会社の社長令嬢スジンは不倫の恋に破れて傷心していたが、そんなある日、コンビニでチョルスという男性と出会う。やがて2人は恋に落ち、結婚、甘い新婚生活にひたる。が、いつの頃からかスジンの物忘れが度を越したものとなっていき、病院で若年性アルツハイマーと診断されてしまい・・・。

“オイラの頭の中のソン・イェジン”

まるで吉永小百合を思い起こさせるような古典的な純愛メロドラマで、文法としてははっきりいってあざとくて古臭いとしか言いようがない。

が、これがソン・イェジンの手にかかると一転して新鮮に映えて大きな強みになるのだから恐れいる。

現在と35年前の2つの淡い初恋を1人2役で演じ分けた「ラブストーリー」(2003)でも、35年前の主人公の母親役で清楚な花のごとく鮮烈な印象を与えたことは記憶に新しいが、物語がオーソドックスかつクラシカルであればあるほど本領を発揮するのがソン・イェジンの特質なのだろう。

そして観終わった後に残るのは彼女の頬をつたう涙と、はにかんだ可憐な笑顔のみという、、、これほど女優冥利に尽きることもない。

でもオープニングのケバケバ姿にはド肝を抜かれて思わず前のめりにブッ倒れちゃうところだったけど、え゛っ?これってソン・イェジン・・・??てかんじで。

ストーリー展開としては、同じアルツハイマーを扱っている「半落ち」「明日の記憶」などテーマの重さが前面に押し出されている映画に比べると、今回の映画はソン・イェジンとチョン・ウソンの出会いと恋愛への過程を前半のほとんどを割いてことのほか丁寧に描いているのが特徴的で、その点でもまさに純愛路線まっしぐらという言葉がピッタリな展開。

しかし、その前半部分がやや淡白な気もしないでもなく、彼女が若年性アルツハイマーに侵されていく後半部分は見応えがあっただけに、前半もうちょっと押しが強くてもよかったかも。

ま、なんだかんだいって今回もソン・イェジンの魅力に牽引されて映画に見入ってしまい、彼女の穏やかな表情がくっきりと脳裏に焼きついてしまったけど、逆に言えばただそれだけという感も否めずこの点数。

あと、そいえばBGMでNHK朝ドラ「あすか」のテーマ曲が流れてたんだけど、あれはいったい・・・。

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私たちの幸せな時間(2006年・韓国・124分)WOWOW

 監督:ソン・へソン

 出演:カン・ドンウォン、イ・ナヨン、カン・シニル、ユン・ヨジョン、キム・ジヨン

 内容:3度目の自殺を図って病院に運ばれた元歌手のユジョン。死刑囚との面会に赴き神の赦しを教える奉仕活動をしている修道女の叔母は、ユジョンを一緒に連れて行くことにする。そしてユジョンは、3人を殺した罪で死刑となった男・ユンスと出会い、毎週木曜日の10時から13時までの間、同じ時間を過ごすようになり、心を通わせていくのだが・・・。

評価★★★/60点

う~~ん、、もの凄い重いテーマを扱っているわりにはちょっと味が薄っすいかなぁ。。

良家の令嬢と親に捨てられたみなし子。この“天国と地獄”という対照的な構図の中で人生に対する絶望を共有するわけだけど、例えば時代背景とか社会のあり方みたいなものがもっと見えてくればよかったんだけど、そこまで掘り下げているようにも見えず。

となると、役者2人の演技によるところが大きくなってくると思うのだけども、これまた役不足な感が否めず。。

フツーに見られるのはたしかだけど、そこにプラスアルファされるものがほとんどなかったかな、と。韓国映画にしては意外に薄味だったような、、、もっと辛味を加えてもらいたかったな。

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ピアノを弾く大統領(2002年・韓国・93分)WOWOW

 監督・脚本:チョン・マンベ

 出演:チェ・ジウ、アン・ソンギ、イム・スジョン

 内容:女子高の女性教師ウンスは、問題児ヨンヒの目に余る態度を注意しようと、彼女の保護者宅に電話をする。が、どこでどう間違ったのか、電話は大統領の執務室につながってしまうのだが・・・。

評価★★★/60点

優香と志村けんのバカ殿様コントをマジ~メにやればこうなるってかんじ!?おいおい。。

まぁ、無難な映画で、肩の力を抜いて見られるラブコメ作品ではあるのだけど、韓国映画でこういうのを見せられるとちょっと肩透かしをくらっちゃうかなぁ。。

あるいはもっと権力や権威に対するシニカルな面を強調して描いてくれれば味わいも違ったんだろうけど、まぁ、チェ・ジウの映画にそこまで求めちゃうというのは畑違いか、ウン。。

2008年11月13日 (木)

一緒にデートしたいアニメキャラは??

コネタマ参加中: 一緒にデートしたいアニメキャラは??

んナミさ~~~~~ん!!!

ワンピースのんナミさ~~~~ん、、です。

身長169cm、バスト95cm、ウエスト55cm、ヒップ85cmの、、、、

んナミさ~~~~~ん!!!です。おいおい・・・

んナミさんのクリマ・タクト(天候棒)で雷thunderに当てられて、文字通り骨抜きにされたい・・・。

ま、冗談はさておいて、、、ってえーーーーッsign02いや、だって雷の本家といったら、うる星やつらのラムちゃんだし・・。

ていうか、実は、真っ先に思い浮かんだのが、風の谷のナウシカのクシャナ殿下なんです。。

トルメキアで最強を誇る第3軍団を束ねるカリスマ皇女。

アニメでは義手義足なんですけど、それが幼稚園時分だったオイラにはかなりの衝撃で、それから後にコミックの方を見てウッホー!カッケー!となってホレますた・・heart04

毒見役でもいいからお側に近づきたいです(笑)。

でも、やっぱデートとなると、ナミさんかなぁ。財布スラれてハイ、さよならかもしれないけど・・・。

2008年11月11日 (火)

夢のシネマパラダイス237番シアター:山田洋次&藤沢周平時代劇

たそがれ清兵衛

Twilight_samurai2 出演:真田広之、宮沢りえ、小林稔侍、大杉漣、吹越満、田中泯、岸恵子

監督・脚本:山田洋次

(2002・松竹・129分)2002/11/19・丸の内ピカデリー

評価★★★★/75点

内容:幕末の庄内、海坂藩の平侍・井口清兵衛は妻を病気で亡くし、2人の娘と痴呆の進む老母の3人を養っている。生活は苦しく、下城の太鼓が鳴ると付き合いは断って一目散に帰宅し、家事と内職に励む毎日。そんな清兵衛を同僚たちは“たそがれ清兵衛”とからかっていた。そんなある日、清兵衛は親友の飯沼倫之丞から、清兵衛と幼なじみの妹・朋江を夫の酒乱が激しいので嫁いだばかりなのに離縁させたことを聞かされる。数日後、その朋江がひょっこりと清兵衛の家に姿を見せる。それ以降2人の関係はイイかんじで進んでいくのだが、彼女と離縁させられた元夫に果し合いを申し込まれてしまい・・・。藤沢周平の短編時代小説「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」の3作を基に映画化した、山田洋次監督初の本格時代劇。

“岸恵子の後日談は余計だと思う・・・”

岸恵子が正真正銘の大女優だからこそ余計にジャマに思えてならないラストの後日談。

清兵衛の娘(岸恵子)の語りで物語が進んでいくのは何ら違和感も異論もないのだが・・・。

しかしやはりラスト、岸恵子に、「そして朋江さんは私たちのお母さんになりました。」と言わせしめて間髪入れずに「しかし幸せな日々も3年足らずで終わりました、、、が、2人にとってはこれ以上ない幸せな日々を送ったのです、、、云々。」ときたもんだ。。

観てる側に想像させる余裕を与えてくれないばかりか余韻に浸ることすらやんわり拒絶されてしまったかんじ。

特に朋江が清兵衛の妻になったことをナレーションで言わせたのは全くもっていただけない。

ダウンタウンの松ちゃんが指摘してたけど、朋江が痴呆バアさんに「あんたはどこの身内のもんかえ?」と訊かれた時に「清兵衛の妻です。」と朋江に答えさせるべきだった。

しかしここであえなく「幼なじみの朋江です。」と答えさせたもんだから。。。

でも朋江が清兵衛の妻になったことをどこかで観客に示さなければならないわけで、結局ナレーションに言わせる面白おかしくもない愚行を犯して余計なものがラストにくっついてくる結果となった。

もしあそこで「清兵衛の妻です。」と答えさせていれば、それが伏線となってナレーションに言わせることはしなくてすんだし、後日談だってなくて済んだでしょ。おそらく。

痴呆バアさん相手だとウソ、要するに朋江にとっての素直な願望や希望も言えちゃうわけで、ここで朋江がウソを言ったのかホントのこと、心の中の決心、を口に出したのかは関係ない。

要はラスト、清兵衛が生きて家に帰ってきたシーンの映像、その映像力だけで十分伝わるし、またその映像力で勝負するべきなのだ。

ナレーションの言葉なんていらない。観客の想像力にまかせるべきでした。

観てる側はそんなにバカじゃないっスよ、山田監督。

とにかくこの映画は岸恵子で締めるべきではないと思ったな。それほど真田広之、そして宮沢りえの演技は素晴らしかった。

って別に岸恵子を非難してるわけではないのであしからず。起用法が悪かったということを言いたいのです。

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隠し剣 鬼の爪

Oni2_4 出演:永瀬正敏、松たか子、吉岡秀隆、小澤征悦、田畑智子、高島礼子、田中泯、小林稔侍、緒形拳

監督・脚本:山田洋次

(2004年・松竹・131分)DVD

評価★★★★/75点

内容:時は幕末。東北の小藩、海坂藩。3年前に母を亡くし、いまだ独り身の下級武士・片桐宗蔵はある日、かつて宗蔵の家に奉公に来ていた百姓の娘きえと再会するが、商家に嫁ぎ幸せに暮らしているものと思っていた彼女のやつれて寂しげな姿に唖然とする。数ヵ月後、妹の志乃から、きえが病に伏せっていると聞いた宗蔵は、ついに商家からきえを強引に連れ帰るのだった。日に日に快復していく彼女を見て、喜びを実感する宗蔵だったが、そんな時、藩の江戸屋敷で謀反が発覚。首謀者の一人、狭間弥市郎と宗蔵はかつて戸田寛斎の道場で剣を学び竜虎といわれていたのだが、戸田は秘伝“隠し剣鬼の爪”を宗蔵のみに伝えていたという浅からぬ因縁を持っていた。宗蔵は藩家老に狭間を斬れと命じられ・・・。藤沢周平の「隠し剣鬼の爪」「雪明かり」を基に映画化。

“カミさんに/一度命令/してみたい”

隠したい 隠せるわけない 鬼の妻

ハハハ、、、はぁ・・・。

この作品に別な夢を抱いていた世のお父さんがたは多かったはず。

えっ?オレ?

、、、ノーコメントで。。

きえさん、、「それは、ご主人様の命令でございますの?それならば仕方がないですわね。」だと。。カーーーーッ、、罪なお方だよ、きえさん。

こんなこと言えるのはアンタと電車男のエルメスと秋葉のメイドさんだけだよ(笑)。。トホホ・・。

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武士の一分

K0610ichibun 出演:木村拓哉、檀れい、笹野高史、岡本信人、桃井かおり、緒形拳、坂東三津五郎

監督:山田洋次

(2006年・松竹・121分)2006/12/14・盛岡フォーラム

評価★★★/65点

内容:東北の小藩で藩主の毒見役を勤めていた下級武士、三村新之丞。美しく気立てのいい妻・加代とつましくも幸せな日々を送っていたが、ある日、毒見で貝の毒にあたってしまい失明してしまう。武士としての勤めを果たせなくなった以上、藩の沙汰次第では三十石の家禄が召し抱えられてしまうかもしれない。そこで、加代は藩の実力者の島田藤弥に相談を持ちかけるのだが・・・。

“そろそろ山田時代劇も潮時かと・・・”

藤沢周平原作&山田洋次監督による時代劇3作目ということで、いつもながらの山田洋次の手堅い職人技に安心して見ていられる一本。

しかし、オーソドックスに過ぎるストーリー仕立てのためか、3作目ともなってくるとなにか「男はつらいよ」化してきてるような感も・・・。

なんだろう、心をわしづかみにされて映画の中にグワッと持っていかれるようなシーンに欠けるというか、そういう点では可もなく不可もなくという出来なのだろうけど。

あとはまぁ、頑張ったことは大いに認めるとしても、木村拓哉に生活力が感じられないのはイタイ。

おそらく所帯持ちの役はTVドラマ「華麗なる一族」と今作だけだと思うのだが、「華麗なる一族」の万俵鉄平役は華麗なる財閥一家だけに生活力なんてはなから必要ないだろう。それはいいとしても、今回の三村新之丞は打って変わって東北は山形の下級の田舎侍。う~ん、、、木村拓哉というよりも“キムタク”という表現がピタッとくるところでオイラなんかは受け取らざるをえなかったなぁ。。

いや、ホント彼お得意の射抜くような眼力演技を封印して懸命に頑張ってるのはスクリーンからちゃんと伝わってきたけどね。

ただ、檀れいと笹野高史という脇がこれまた凄かったから。。この2人に支えられた部分も相当あると思う。

あと気になったのは、撮影なのだけど、どう見てもこれってセット&スタジオ撮影が主じゃん。どうも全体的に小ざっぱりしちゃってて、そこら辺も生活力が前2作に比べると感じられない理由なのかも。

山田洋次の一分もだんだん薄まってきたか!?

次は現代劇でお願いいたします。

夢のシネマパラダイス557番シアター:嫌われ松子の一生

Kiraware 出演:中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之、市川実日子、柄本明、木村カエラ、宮藤官九郎、柴咲コウ、片平なぎさ、ゴリ、谷原章介、劇団ひとり、BONNIE PINK、土屋アンナ

監督・脚本:中島哲也

(2006年・東宝・130分)2006/06/11・仙台フォーラム

評価★★★★/80点

内容:昭和22年、福岡県に生まれた川尻松子。お姫様のような人生を夢見る明るい少女だった松子だったが、愛情の唯一の対象だった父親は、病弱の妹ばかりを可愛がっていた。やがて20代になって中学校の教師になった松子だったが、万引きをした教え子の罪をかぶりクビに。その後、愛を求めて男性遍歴を重ねるたびにますます不幸になっていくのだった。そしていつしかソープ嬢に身を落とし、果ては同棲中のヒモを殺害するまでに至ってしまう・・・。

“いとしいシト、、そしていとしいエイガ”

川尻松子、享年53歳。

家族からは絶縁をつきつけられ、中学教師をクビになるわ、ソープ嬢になるわ、ヒモを殺害して刑務所に入っちゃうわ、挙句のはてに中学生にバットでボコられて野っ原でおっ死んじゃうわと、傍から見れば悲惨な人生を送った女。

そして彼女の人生についてまわる最悪の男運。

病弱な妹にばかり向けられる父親の愛を大人になってからも追い求め続けた松子の周りに引き寄せられてくる男どもは、暴力男やヤクザ男ばかり。しかし、殴られ蹴飛ばされ裏切られ捨てられても、一人ぼっちになるよりはマシだからと男を追っかけ続ける悲しい性を背負った女。

そして片平なぎさが出てくる火スペの断崖絶壁をエイヤーッと一気に飛び降りるかのごとき後先考えない類まれな決断力(!?)がことごとく裏目に出てしまう哀しい運命を背負った女。

そう、彼女は人生の岐路でことごとく昇りのエスカレーターに乗ることができない、そういうタチらしいのだ。

ある意味確信犯的にいつも下りのエスカレーターに飛び乗ってしまう運命の松子は、しかし下りのエスカレーターに抗うように懸命に駆け上がろうと上を向いてひたすら走りつづける。下を向いて後ろを振り返ったら流されるまま絶望という名のドン底に転落していくだけという中で、松子はスクワットを欠かさない見上げたド根性と決して後ろを振り返らないひたむきさと一途さで突き進む。

しかし、その甲斐もむなしくズッコケてしまう松子は失意のドン底にうつぶせのままズルズルと落ちていき、「これで人生が終わったと思いました。」とあきらめかけ最悪自殺まで考えたりもするのだが、しかし次なる夢を見つけると、スックと立ち上がり、また下りのエスカレーターを必死こいて駆け上がろうとするのだ。

その懸命な姿にはある種のもの悲しさと哀愁だけではない滑稽さと可笑しみが漂っている。

それが人間的な魅力に包まれた松子として見る者を魅了し、挙句のはてには感動すら覚えさせてしまったりするのだ・・・。

しかし、そんな必死こいて走りつづけてきた松子もついに走ることをハタと止め後ろを振り向き、下りのエスカレーターに下を向きながら従順に流されていく時を迎える。

中学校のときの元教え子と同棲していた松子が、4年間服役した彼の出所の日に堀の外に迎えに行くと、なななんとブン殴られてKOを喫し、逃げられてしまった、その時だ。文字通りドン底に落ちた松子は駆け上がることをやめ、ゴミ溜めのようなボロ部屋で食いものをむさぼり食い、酒をあおり、寝て起きるだけのなすがままの生活を始める。

そして、十数年にわたる引きこもりは松子を野ブタのような姿形に変えてしまう。。

ここで唐突に出てくる光ゲンジの内海くんとやらの追っかけにはつい爆笑してしまうが、それはさておき七転び八起きの松子は長い雌伏のときを経てもう一度美容師になる夢を見つけ、さあ、また下りのエスカレーターを駆け上がるゾーーッ(あのブヨブヨの体で・・)と決意を新たにし、2階のアパートの部屋を出て階段を降り公園に捨ててしまった名刺を拾いに行く、、、そして前のめりにブッ倒れてそのまま起き上がることはなかった松子・・・。

いつもならそこでスックと立ち上がって夢に向かって走り出す松子は、夢の切符をしっかり握りしめたまま長い眠りにつくのだった。

はたから見れば、悲惨な転落人生には違いない。

しかし、そこには愛の血潮に染まって幸せをつかむために駆け上がっていこうとする人間臭さにまみれた女の、懸命に必死こいて生きる剥き出しの姿があった。

だが、なんといってもこの物語をミュージカル調で描いてしまおうという中島哲也監督のイマジネーションにも度肝を抜かれてしまう。おそらく松子と同じくエイヤーーッと一気に飛び降りるかのごとき後先考えない類まれな決断力と見上げたド根性を持っているんだろうね。

正直オイラの頭の引き出しの中にはミュージカルという道具立ては全くなかったからなぁ・・。

普通この手の人間ドラマを描くなら、例えば荒戸源次郎の「赤目四十八瀧心中未遂」(2003)のような幻想とエロの世界に彼岸(あの世)の入口がポッカリと穴を開けている異界ワールド(そこに堕ちていく男女)だとか、例えミュージカル調でいくにしても、この悲惨さと暗さはラース・フォン・トリアーの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)だろう。

しかし、この中島哲也という男は「アメリ」(2001)のファンタジー調で描いちゃうんだよなぁ。。

はっきりいって好きです(笑)。こういう人間を肯定的に見ることができる人って好き。ラース・フォン・トリアーとは真逆なんだねたぶん。

そしてミュージカルも、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」におけるミュージカルが主人公セルマの現実逃避の道具にしかすぎなかったのに対し、本作では映画のテンポとリズムを高める変速ギアのような役割も果たしていて良かったし、何より松子がコミカルに歌い踊る姿は最高に楽しかった。BONNIE PINKの“LOVE IS BUBBLE”とかAIの“What Is A Life”も最高だったし。

下りのエスカレーターを必死こいて駆け上がる姿の滑稽さと可笑しみを音楽と歌で花いっぱい幸せいっぱいに歌い踊って表現する。

なんて愛おしいんだ。

川尻松子はオイラにとっての“いとしいシト”(byゴラム)になっちゃったかも・・・。そしてこの映画が自分にとって愛しいエイガになっちゃったかもしれないぞ。

さてさて、最後はこの言葉で締めくくろう。

1986年アパルトヘイト吹き荒れる南アフリカの黒人居住区で起こった学生運動を女子高生の視点で描いたミュージカル映画「サラフィナ」(1992)のMy Reviewから。

人は泣き、笑い、叫び、そして歌うんだ!!ジャーーン♪

2008年11月10日 (月)

夢のシネマパラダイス556番シアター:力道山

200511_img_3 出演:ソル・ギョング、中谷美紀、萩原聖人、鈴木砂羽、山本太郎、藤竜也

監督:ソン・へソン

(2004年・韓/日・149分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:1944年の東京。力士である力道山は、朝鮮出身という理由で先輩力士のいじめや差別に苦しんでいた。しかし、有力なタニマチの援助もあって相撲でも結果を残していき、さらに綾という芸者とも結婚。しかし、関脇まで昇り大関昇進というところで朝鮮人という出自がまたしても大きな障害となってしまう。そこで、意を決した力道山は相撲界に見切りをつけ、国籍や人種にとらわれない場として、西洋のスポーツ・プロレスに活路を見出すのだった・・・。戦後日本最大のヒーロー、力道山の半生を映画化。役作りのために28kg増量したソル・ギョングの熱演は必見。

“世界人と名乗らなければならない悲しみ”

なにせ自分の両親が生まれるかどうかの頃の話なので、オイラにとっては力道山といったら敗戦後日本を支えた伝説のレスラーとしか言えないのだけど、力道山が在日コリアン1世だったことはなぜだか知ってたんだよなぁ。。なんでだろ・・。

でも、大スター力道山の人生の裏にこれほどまでの辛苦があったとは正直目からウロコだった。

ものすごい韓流ブームに沸いていた1,2年くらい前、法事の席で韓国ドラマの話題で盛り上がっていた親戚の会話の中で、ふと「昔は朝鮮人といったら皆顔をそむけて差別してきたのに韓流ブームなんて到底考えられなかったわよねぇ・・」と叔母さんが言ったら皆一様にうなずいていたのが思い出されたけど、在日1世が日本社会で生きていくというのは言葉にならないほどの苦労を伴なっていたのだろうなぁというのがキム・シンラク=力道山の半生を通して痛いくらいに伝わってきた。

富も名誉も名声も手に入れてなお出自を隠さなければならない人生って、、、それは今でも往々にしてあることなのだろうけど、なんとも悲しいことだね。

今回の映画は韓国製作ということで、日本人が作ってたら戦後の復興と昭和というテーマの中で、ノスタルジックさが前面に出たおセンチ全快のヒーロー物語になってたと思うけど、韓国人視点の力道山は彼の孤独と苦悩がやけに胸にグサリと突き刺さるアンチヒーロー物語となってしまった・・・。

ヒーローの孤独としてはあまりにもツラすぎる現実に思わず考えさせられてしまった。

あ、でも、当時の日本を見事に再現した美術・セットには感心したな。 

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アリ(2001年・アメリカ・157分)DVD

 監督・脚本:マイケル・マン

 出演:ウィル・スミス、ジョン・ボイト、ジェイミー・フォックス

 内容:通算61戦56勝(37KO)5敗。1964~74年に活躍し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と形容された軽やかなフットワークで世界ヘビー級チャンピオンンとして不動の地位を築いたモハメド・アリ。ベトナム戦争への徴兵拒否など、数多くの逸話を残す伝説のボクサーの半生を描いたドラマ。

評価★★★/65点

アリが凄いことも、マイケル・マンが凄いことも、ウィル・スミスが凄いことも大変よく分かった。

しかし、それらが三位一体となって迫って襲ってくるどころか、余裕で見切れてかわしまくれちゃうところがある意味不思議でならないし、なんか肩透かしをくらった気分でちと残念。

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ナチョ・リブレ覆面の神様

Rjxqgxieby 出演:ジャック・ブラック、エクトル・ヒメネス、アナ・デ・ラ・レゲラ、リチャード・モントーヤ

監督:ジャレッド・へス

(2006年・アメリカ・92分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:メキシコの貧しい修道院で育てられ、大人となった今では料理番として孤児たちの面倒を見るイグナシオ(ナチョ)。彼はルチャ・リブレ(メキシカン・プロレス)のレスラーになってお金を稼ぎ、子供たちに満足な食事を与えようと決意。が、彼が一目ボレした新任の美しいシスター・エンカルナシオンはルチャ・リブレを毛嫌いしていた。そこで彼は、修道院には内緒で試合への出場を決め、奇妙なトレーニングを開始するのだが・・・。

“ジャック・ブラックの怒涛のプロレス一直線体当たり演技に相当救われている。”

ゆるゆるテイストのコント風演出、所狭しとわんさか湧き出してくる変テコキャラ、カラムーチョが合いそうなどこまでもカラッとしたメキシカンな風景、ジャック・ブラックの典型的バカ体当たり演技、妙に心躍るエスニックサウンド。

どれもがツボにハマっておもしろ楽しいのだが、映画としての体幹までもがホントにゆるくて、例えばナチョと修道院の孤児たちとの関係だとかベタでご都合主義的でもいいからもっとあからさまに描いた方がよかった気がする。

ガキの頃からレスラーに憧れていたという夢を抱えてそのまま大人になったようなナチョのキャラクターは少年そのものなんだけど、なぜレスラーとして戦うのかというところがだいぶ中途半端で、そこが映画としてちょっとハジききれていない感を演出しちゃってるんだよね。

子供としての夢と大人として守るべきものがあるという現実との狭間で、ジャック・ブラックのハイテンションだけが変に空回りしちゃってるのが、なんだか惜しい作品かなと。

まぁ、そこも含めて笑える映画ではあるし、裏を返せばそこが「バス男」(2004)で強烈な印象を残した監督ジャレッド・へスの真骨頂なのかもしれないけど。。

どっからどう見てもB級映画という点からすれば、ちょっとオイラの中のハードルが高すぎたかもな・・・。

2008年11月 9日 (日)

夢のシネマパラダイス555番シアター:さくらん

Sakuranmove 出演:土屋アンナ、椎名桔平、成宮寛貴、木村佳乃、菅野美穂、永瀬正敏、小泉今日子、安藤政信、石橋蓮司、夏木マリ

監督:蜷川実花

(2007年・日本・111分)WOWOW

評価★★/45点

内容:江戸の遊郭、吉原でも名高い玉菊屋に売られてきた8歳の少女は、きよ葉と名付けられる。何度も脱走を試みるもののいつも見つかって折檻を受けるきよ葉は、いつの日か吉原の桜の木に花が咲いたらここを出るという望みを胸に美しく成長していく。やがて日暮という名をもらったきよ葉は、花魁として瞬く間に江戸中の注目を集めていくのだが、惣次郎という男にホレてしまい・・・。人気漫画化・安野モヨコの同名コミックの映画化。

“これがホントの「千と千尋の神隠し」実写版!!”

だって千と千尋の舞台ってどう考えてもあれはソープランドだからね(笑)。

それはさておき、ガレッジセールのゴリが「オレだーー!」と顔のドアップで出てきた時点で、これはバラエティなんだ、と心に言いきかせて納得した上でなんとか観続けることができたけど、劇中に英語歌詞が流れちゃう椎名林檎の音楽といい、原色極彩色を鮮やかに使いまくりの画作りといい、独特なひとつの世界観を創り上げていたことは認めよう。

しかし、その世界観が一本の映画を形作っていく上で何の役にも立っていないというのが蜷川実花の限界を如実に示していると思う。もし、これがこの人のスタンスなのだとしたら、もう二度とこの人の映画作品を観ることはないだろう。

要は世界観を形成した上で、その先にある映画の中で何を描きたいのか、何を語りたいのか、何を主張したいのかということがあってはじめてそれは映画だ、と言えると思うのだけど、この映画からは世界観の先にあるものがほとんど見えてこないのだ。

それはつまりフォトグラファーという価値観と同じベクトルの上に映画監督というものがあるのだと誤認識しているからだと思うのだが、例えばエンディングロールで写し出される登場人物のフォトショットは一枚絵としてはまさにベストショットだ。

しかし、映画本編もファインダー越しにのぞいた視点で撮られた写真のベストショットをただ並べただけという印象が強く、その中で記号としての人物がパターン通りに動かされているにすぎない。

それは文法としては、より漫画に近いかんじもするけど、映画としては非常にレベルの低いものと言わざるをえない。監督としての力量は推して知るべし・・・。

2作目を作るのかどうかは知らんが、やはりフォトグラファーとしての価値観や文法から転換していかないとかなり厳しいと思う。そして語らなければならない題材をしっかりと見つけていくことだね。

まぁ、ファッションやアクセサリとしての映画があっちゃダメということはないから別にこれはこれでいいのかもしれないけど。こういうのって女のコにはウケがいいのかも。

まぁ、とにかくあれだな、、、菅野美穂の濡れ場はヨカッタheart02うん・・。

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(おまけ)

海は見ていた(2002年・日本・119分)NHK-BS

 監督:熊井啓

 出演:清水美砂、遠野凪子、永瀬正敏、吉岡秀隆、石橋蓮司、奥田瑛二

 内容:江戸は深川の遊女宿“葦の屋”。遊女たちは、「客にホレちゃいけない!」という戒律をおかみさんや菊乃姐さん(清水美砂)から口酸っぱく諭されながら働いている。そんなある日、年若い遊女のお新(遠野凪子)は、刃傷沙汰を起こして追っ手から逃げてきた若侍・房之助(吉岡秀隆)をかくまってあげたことから、恋に落ちてしまう。さらに町人の良介(永瀬正敏)とも出会い、お新の心は揺り動かされていく・・・。黒澤明が自らの第31作目として書き上げていた遺稿脚本の映画化。

評価★★☆/50点

黒澤明の遺稿を熊井啓監督が引き継いで撮ったということらしいが、なんだろ、、、同じ人間ドラマを描くにしても、ヒューマニスト・黒澤と社会派・熊井の資質の違いなのか、畑違いの仕事と揶揄されても仕方ないような芯の通っていない凡作に仕上がっている。

でも、黒澤映画にしては珍しい岡場所を舞台にした女性視点の作品ということで、「サンダカン八番娼館・望郷」や「忍ぶ川」で女性を真正面から捉えてきた熊井啓にとってはお得意の分野だったのではないかとも思うのだけれども、フタを開けてみれば中途半端そのもの。

この前後半分断された中途半端きわまりない物語をラブ・ストーリーと呼んでいいのかどうかすらもはや分かりかねるが、お二人さんともメロドラマというジャンルには程遠いからねぇ・・・。やっぱ畑違いだったってことなのかしら。。

いや、でもヒューマニスト黒澤版てのも見てみたかったなぁ。

とにかく、巨匠から巨匠へのリレーのバトンタッチはうまくいかないということが図らずも証明された形にはなったな。

唯一の見所は菊乃姐さん役の清水美砂の演技くらいなもので、、、吉岡秀隆の前半部分のオチにはなんじゃこりゃ、、とマジに腰砕けで、なんかホント中途半端な映画だったな。。

夢のシネマパラダイス554番シアター:時をかける少女

Toki2 声の出演:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月

監督:細田守

(2006年・日本・100分)2007/01/05・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:高校2年生の紺野真琴は、優等生の功介とちょいワルな千昭と3人でつるんで楽しい毎日を送っていた。そんなある日、真琴は、自転車で坂道を走行中にブレーキが壊れてそのまま踏み切りに突っ込んで電車に激突・・・とその瞬間、真琴は時を駆け戻った。その話を和子叔母さんにすると、彼女は意味ありげに、それは「タイムリープ」といって年頃の女のコにはよくあることだと説明するのだった。それを聞いた真琴は、最初は半信半疑だったが、これが実に便利な能力であることを知るとすっかり調子に乗りタイムリープを使いまくってしまう・・・。

“映画を観終えて連れの妹が吐き捨てたひと言・・・”

男子キャラが全然ダメ!だってさ・・・。

チャラリラリラリラリラララ~noteゴッドファーザーのテーマがオイラの頭ん中で鳴り響いちまったよ・・・。

「俺、そんなに顔も悪くないだろ。」って千昭も豪語しとったやん。

いや、そういう問題じゃなくて、言うとった話とちゃうやんけ!

えーーっ、、、オイラなんも言ってないじゃん。

、、、と、彼女が今度短大に入学する妹に「この監督さんって宮崎駿の後継者なんだって。」と吹聴しまくってたらしく、、、そりゃ大地に根を張ってたくましく生きてて、あげくの果てに飛行機から逆さにぶら下がって女のコを空中で抱きかかえちゃう芸当まで披露するパズーやら、主食は美女の心臓という女殺しの美形の魔法使いで、タラリラランnoteと空中散歩までできちゃうハウルやら、凛々しい顔立ちの色白の少年でなななんと背中に好きな人を乗せて飛ぶこともできるハクやら、飛べない豚は、、省くとしてもだな、それらと比べたら、そりゃ今回の飛べない男子高校生はモサッとしてるヘタレキャラなのかもしれないけど・・・。

でも、ちょっとよう考えてみいや。宮崎アニメの男キャラは基本的に“マザコン”、しかもロリコンもちょっと、、いや相当入っているのだっちゅうことを忘れちゃいけんよ(笑)。

あ、そっか、、、それが母性本能をくすぐるのかい?ってんなアフォな・・・。

まぁとにかく妹はんは宮崎駿の後継者と聞いて宮崎アニメそのものを期待しちゃったようで、それならゲドゲホッ戦記でも見てりゃええわけで、、、でも、その肝心のゲホッ戦記もツマラない言うとるんだから(笑)。。。

引退しないで下さい宮崎さん、、それしか方法はないよ。。

しかし、今回の「時をかける少女」は、絵柄的には背景美術が宮崎アニメと同じスタッフということで、細密な背景描写は宮崎アニメと通じるものがあったと思う。

簡単に骨折しちゃいそうなほど人物の線がゆるゆるだったのはちょっと違和感が無きにしもあらずだったのだけど、ほのかに陰影をぼかした暖色の背景画に彩られた世界観と、ポカリスエットのCMにそのまま転用できちゃいそうなくらい爽快で抜けるような夏の青空の下で躍動するストーリーと、ブッ飛び転げまくり駆け回りつづける真琴の姿に、自分の青春時代にタイムリープしちゃいそうな感覚をもって一気に映画の中に吸い込まれてしまった。

特に真琴の快活バカ娘っぷりは特筆もので、これを主人公にもってきたのがまたイイ。

千昭に「バカにチャージされてよかったよ。」と言われるくらいロクなことにしかタイムリープを使わない真琴。プリンや鉄板焼きを食べたいがために、はたまたカラオケ10時間ブッ通しで歌い続けるためだとか真琴の周囲5メートル圏内の身近な日常にもっぱらタイムリープが費やされていく。

坂本龍馬を暗殺したのは誰なのか!?とか邪馬台国はどこにあったのか!?とか知りたくないのかよっ、、と数学のテストで9点取っちゃう真琴に言うのは筋違いってもんか(笑)。

とにかく快活バカ娘の真琴に終始視点を寄り添わせて描き、フツーの女子高生にとっての日常の複雑な問題をきっちりと切り取っていく。それは微妙な三角関係であったり、恋を自覚する一歩手前であったり、将来の進路であったり、プリンを食べれるか否かであったり。

SFという破天荒な世界よりは女のコの青春という普遍的な内面世界を描き出しているのが個人的にはビビビッときたかんじだ。

しかも真琴に終始視点を寄り添わせて描いているわりに決して閉鎖的な物語になっていないのは、真琴が自らの意志で自分の人生をつかみ取ろうと突っ走りつづけるポジティブさにあるのではないかと思う。

20年前のヒロイン芳山和子はひたすら恋人を待つ女性だったが、真琴は魔女おばさんをして、待ってる人が来なかったら走って迎えに行く子でしょと言わせしめるような女のコなのだ。

それがまた時代の違いを反映しているというか今風でイイんだよね。

あみんの“待つわnote”の時代じゃないんだもんな。倖田來未の“WINDnote”はたまた“Hot Stuffnote”の時代なんだ。「つかみ取るのは自分次第!」ってね。

ヨッシャ、いっつけぇええーーーツ!!!

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時をかける少女(1983年・東映・104分)NHK-BS

 監督:大林宣彦

 出演:原田知世、高柳良一、尾美としのり、津田ゆかり、岸辺一徳、根岸季衣、上原謙

 内容:ある日の放課後、理科室の掃除当番だった芳山和子は、実験室でラベンダーの香りに包まれて気を失った。それ以来、和子は時間を往き来するようになってしまう。不思議な体験を繰り返した和子は、それを同級生の深町に相談するが、彼は取り合ってくれない。納得のいかない和子だったが、深町の家の温室で再びラベンダーの香りをかぎ、気を失う・・・。筒井康隆の同名小説をもとにしたSFファンタジー。

評価★★/45点

細田守の傑作アニメの方を先に見ていたので、いわゆるオリジナルはどんなもんかと思ってたのだけど、なんてったって映画監督の中で最も性に合わないのが大林宣彦だからねぇ・・・shock

よくまぁカビの生えたような青臭っさい映画を恥ずかしげもなく撮れるもんだよと逆に感心しちゃうわ。ノスタルジーもヘッタクレもあったもんじゃない。

こういう映画は観たときの世代・年齢とかももろに関係してくると思うんだけど、当時幼稚園児だったオイラには原田知世など眼中にあるわけもなく・・(笑)。

今みればただの大根アイドルだし、、おいおい。。

岩井俊二あたりに撮らせてくれれば全っ然違くなると思うんだけどなぁ・・・。

レアル・マドリー狂想曲第50番:レアルvsマラガ激闘!

先週のコパデルレイから負け・ドロー・CLでユーべに負けと来て、さらにセルヒオ・ラモスのシュスター無能発言(右サイドは攻守に渡って事実上オレ一人でカバーしなくてはならず、昨シーズンもそうだったけど、今季も同じでさすがに大変!さすがにオレもほとほと疲れてくるよバカヤロー!etc...)がメディアに煽られ、叩かれまくっているレアル。

ファンデ・ラモスやライカールトという後任監督の名までちらほら聞かれる始末・・。

そんな中、ホームのサンチャゴ・ベルナベウでマラガを迎えたリーガ第10節。

布陣は、、、

                 イグアイン

    ドレンテ           ファンデルファールト

           スナイデル         グティ

                  ガゴ

  マルセロ                           Sラモス

            エインセ      カンナバーロ

                 カシージャス

ファンニステルローイ、ロッベンが長期離脱と攻撃の切り札が不在という緊急事態。。ラウルはターンオーバーでベンチ。

Photo しかし、、、試合は前半早々の6分に、左サイド深くからマルセロ、エインセと立て続けに抜き去られ、早くも失点・・。

しかしその2分後、マルセロのシュートをキーパーが弾いたところにイグアインが詰めて同点。

が、17分、カンナが相手選手にチェックにいくものの簡単にかわされて前を向けられ、そこからのゴロクロスを簡単に決められ1-2・・・。

なんという軽すぎる失点。ホントに今季のレアルは失点が多い。

特にSラモスが苦言を呈した右サイドの機能不全を相手も突いてきて、崩されるシーンが多いし、守備面で前線から追ってはいるものの、それがチームとして連動できてないシーンが多いため、チェイス&チェックが闇雲で、簡単にかわされてしまう。簡単に前を向かせてしまうシーンが多いのだ。今日もそう。

シュスターのレアル監督としての理念として掲げたスペクタクルな攻撃力はもちろん重要だけど、個で局面を打開できるロビーニョがいないわ、ロッベンがいつもの怪我だわ、ニステル&ラウルが老齢だわということで、今までのように個オンリーでの勝負はもうできないわけで。要は攻守にわたる組織力が重要になってくる戦い方をしなければならないのだけど、シュスターがヘタフェでやっていたような強固な守備力を100パー求めるものではないけど、もうちょっと守備面に気を割かないと。

これだけ失点多いとチャンピオンズリーグでも上は臨めない。

さて、試合の方は、前半36分に相手ハンドで得たPKをイグアインが決めて2-2

Photo_2 ←ガッチョーーン、、、前半終了間際にSラモスが相手を踏みつけて一発退場・・。故意じゃなかったとは思うけど、レッドは致し方なしか。

1人少なくなっちまったよ~~coldsweats02。。。不穏な空気が流れるベルナベウ。

後半は、スナイデル⇔サルガドで、4-3-2みたいな形にシフトチェンジ。

この時点でアップをしてるのはサビオラとディアッラ。

Photo_3 ドヨヨ~ン、、、後半23分。2列目のフリーランからスペースを突かれペナルティエリアを突破され、ガゴが後ろから倒してPK・・。これを決められ2-3。

これでジ・エンドか、とオイラは半ばあきらめかけてしまったのだけど、が、が、しかし、その直後のキックオフ、ブチ切れたガゴが敵陣に突進していき、そこから得たチャンスをイグアインがミドルをぶち込み3-3!!

Photo_4 まさに今日はイグアインDAY!結局4得点して試合を決めたわけだけど、もう完全にレアルのエースやね。

これからは火拳のエース”イグアインとお呼び(笑)!

まぁとにかく今、1番点取れるのはイグアインだからね。得点嗅覚をラウルから吸い取っちゃってw、必ずゴールチャンスに絡んでくるからね。ラウルもこれで安心して後任に託せるな。

イグアインのブレイクだけが今のところ最大の収穫かな。ラフィも頑張ってるけど、あとはサイドアタッカーがロッベン離脱でドレンテだけになってしまったので、ドレンテにも一皮剥けてもらいたいわなぁ。

さあこれで同点!何かが起こるベルナベウ劇場。

Photo_5 そして、それは起こった。後半33分、ラフィのアーリークロスに走りこんだイグアインが相手に倒されてPK!

これをイグアインが一度弾かれたものの、押し込んで4-3!!!

レアルの魂マドリディスモは死んでいなかった!

10人になった後半は臆することなく全員が自らのタスクをこなし、またそれ以上に走って全員で攻守に渡ってカバーし合い、意地の逆転勝利をもぎ取った。

いや、、マラガ相手にホームでこんな疲れる試合するのも問題だけどさ。

Photo_6 しかし、これでチームはまた一致団結!退場になったSラモスも救われたやろ。

バルサはカンプノウで6-0で大勝し、勝ち点2差は変わらず。とにかく勝ち続けるバルサになんとか引っ付いていくしかない・・。

アッラ・マドリーー!!!

2008年11月 8日 (土)

夢のシネマパラダイス553番シアター:麦の穂をゆらす風

Mugi 出演:キリアン・マーフィ、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド

監督:ケン・ローチ

(2006年・英/アイルランド/独/伊/スペイン・126分)2007/01/12・仙台フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:1920年。アイルランドではイギリス支配からの脱却を目指して独立機運が高まっていたが、イギリス軍の弾圧は強まるばかり。そんな中、デミアンはロンドンの病院の医師職を捨てて、兄テディとともに独立運動に身を投じる。そして、イギリス軍との激しい戦いの末に、両国の間で講和条約締結が合意に至ったのだが、アイルランド内では条約締結賛成派と完全独立を求める反対派に二分され、ついには内戦へと発展してしまう。そして、デミアンも兄テディと敵味方に分かれて戦うことになる・・・。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。

“殺し合いを拒絶するようなのどかな風景が痛いくらい印象に残る。”

のどかで牧歌的な風景の中で繰り広げられる殺し合いと憎しみの連鎖は、ときに滑稽に見えてしまうほどユルユルで場違いなものだが、戦争の愚かさや空しさ、隣人同士・仲間同士が殺し合うことの悲しさを真正面からとらえることには成功している。

しかし、可もなく不可もなくというか、どこか物足りなさを感じてしまったのもたしかで、それはつまるところ戦争という悲劇に翻弄される姿は描けても、人間の狂気を描くまでには至らなかった。そして、兄テディと弟デミアンの相克に至る内面の変遷があまり読み取れなかったことが大きいのかな、と。

有罪になった高利貸しを勝手に連れ出し、判決の正当性よりも武器の調達ができなくなることを嘆く義勇軍のリーダーだったテディは、条約を締結してイギリス軍が去った途端戦うことをやめ体制派にすんなりとついてしまう。

一方、イギリス軍に幼なじみを目前でなぶり殺されたにもかかわらずロンドンで医師になり人の命を救う道を進もうとしていたデミアンは、しかし結局義勇軍に加わり、自ら手にした銃で幼なじみを撃ち殺してしまうまでに染まってしまい、そのまま強硬派の急先鋒へと変貌していく。

体裁よりも実利をとる兄と、妥協よりも理想をとる弟。

袂を分かつ兄弟はやがて最大の悲劇へとひた走ってしまうのだが、2人の見据えていたものはまぎれもない同じ“現実”だったことが2人の確執をなんともやるせないものにしている。

とまぁよく描かれてはいるのだけど、なんだろう、もう一歩兄弟の内面に踏み込んでほしかったような気がするんだよね。

ケン・ローチの骨太演出はいつものごとく見事なのだけど、終始抑制的な視線は変わることなく淡々としていて、どこかでギアが入って変わるのかなぁと思いながら見てたけどそのまんま終わっちゃったかんじで。。

まぁ「マイケル・コリンズ」と比べれば断然こっちの方が良かったけども。

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マイケル・コリンズ(1996年・アメリカ・133分)DVD

 監督・脚本:ニール・ジョーダン

 出演:リーアム・ニーソン、ジュリア・ロバーツ、エイダン・クイン、アラン・リックマン

 内容:1916年、12世紀以来イギリスに支配されてきたアイルランドで、コリンズは独立を求めてイースター蜂起と呼ばれる武装蜂起を決行するが失敗。釈放されたコリンズは、アイルランド義勇軍なる親衛部隊を率いて新たな独立運動を展開する。協力者となったブロイ警部の手引きでイギリス警察の諜報網をつかんだコリンズは、大胆な戦略で敵を翻弄していく。。ヴェネチア国際映画祭作品賞。

評価★★★/60点

なんかマフィアの抗争劇を見てるみたい・・・。

歴史ものとして何かが足りないんだよなぁ。ってまだ100年前にもなっていないことを「ブレイブハート」みたいにフィクション織り交ぜて描けるわけもなく、、、。

サッカーのアイルランド代表は大好きだけど、この映画はイマイチなじめなかったっス。。

2008年11月 7日 (金)

夢のシネマパラダイス552番シアター:エミリー・ローズ

Theexorcismofemilyrose 出演:ローラ・リニー、トム・ウィルキンソン、キャンベル・スコット、ジェニファー・カーペンター

監督:スコット・デリクソン

(2005年・アメリカ・120分)2006/03/26・仙台フォーラム

内容:19歳の女子大生エミリー・ローズが悪魔祓いによって死亡したとして、神父のムーアが過失致死罪で起訴された。エミリーは精神病で薬の服用をやめさせたことが原因だと主張する検察側に対し、敏腕女性弁護士のエリンは、ムーアの真摯な主張をもとに悪魔の存在を証明していく。はたしてエミリーの死は精神病による錯乱のせいなのか、それとも悪魔に取り憑かれたせいなのか・・・。1970年代に西ドイツで起こった事件をもとに描いたオカルト・ホラー。

評価★★★★/75点

この映画を観ていて、1999年に千葉県で起きたミイラ遺体事件をふと思い出してしまった。

この事件は、千葉県成田市のホテルで男性のミイラ化した遺体が発見された事件で、遺体のそばにはこの男性の妻子が普通に付き添っていたという、なんとも不可思議な事件だった。

が、実はこの男性、インドのサイババの生まれ変わりだとほざく元税理士が主宰する宗教団体「ライフスペース」に家族ともども参加していたのだ。

そしてこの男性が脳内出血で入院していたところを「ライフスペース」のメンバーや男性の家族が病院から連れ出し、成田市内のホテルで宗教的療法を行っていたが、後日死亡、、、したのだが、その後4ヶ月間遺体は放置され、ミイラ化していった。いや、彼らに言わせれば、まだ治療中だが順調に回復しており生きている、と信じ込んでいた・・・。

この事件で、「ライフスペース」主宰者や男性の妻子など計10人が逮捕。検察は現代医療を打ち切れば男性が死亡することは分かりきっていたはずで、容疑者らが重病人である男性に必要な保護をせずに死なせた疑いがあるとして殺人罪で起訴した。

2001年には男性の長男などに執行猶予つきの有罪が言い渡された。

翌年には、主宰者に懲役15年の実刑判決が下されたが、控訴し、結局2005年に最高裁は懲役7年に減刑して刑を確定させた。

なぜ減刑になったのかについて最高裁は、男性を病院から連れ出した時点での殺意は無かったとし、これは不作為による殺人であり悪質性は低いとした。

これが大まかな事件の経過だ。

ここで問題になるのは、男性の家族はあくまで治療と完全に信じ込んで、宗教的療法を受けさせるために病院から連れ出していることで、それで死亡したことではたして刑事責任が問えるのかということなのだが、検察は死亡が十分予見できるにもかかわらず病院から連れ出したのは社会通念上犯罪に当たるとしている。

世間一般から見ればこれは明らかにカルト教団によるマインドコントロールそのものとしか言いようがないと思うのだが、過去にはオウム事件という戦慄も記憶に新しいわけだし。。

さて、前置きが長々となってしまったが、どうもこの映画で描かれたエミリー・ローズの悪魔憑き事件と「ライフスペース」事件が似通っている気がして、例えばエミリー・ローズ事件が日本で起こっていたらどうなっていただろうかとか、これって邦画で描けるのか!?なんて考えちゃったけど。

まぁせいぜい横溝正史の金田一耕助シリーズのおどろおどろしい事件にはなり得るかもしれないけど、医学的治療を断って宗教的治療を行うなんて良心的な宗教団体のすることじゃないし、どう見たってカルト教団のアブナイ活動やん。

ところがこれが西欧社会の根底を支えるキリスト教、そして各地域のコミュニティに必ず1つはあり社会に根を張っている教会が関係してくるとなると話は違ってくる、、、らしい(笑)。。

そこらへんのところはよく分からないけど、でもキリスト教を信じ込んで戦争おっ始めるどこぞやの超大国もあるくらいだからなぁ、、、そっちの方がよっぽど恐ろしいと思うが。。

それはともかく、悪魔に取り憑かれた(!?)少女と、彼女に悪魔祓いを施す神父という構図は、リンダ・ブレアが首を1回転させる「エクソシスト」(1973)とほぼ同じなのだが、今回はそこから一歩進んで過失致死罪で神父が裁判にかけられてしまうという、ホラーが法廷劇に憑依され完全に乗り移られてしまうという前代未聞の作品に仕上がっている。

悪魔憑き、悪魔祓いというカルトホラー的で非論理かつ非現実的な説明のつかない現象と、説明のつくリアルな論理的事実の積み重ねで法の名の下に真相を明らかにしていく法廷とをクソ真面目に結びつけてしまおうということ自体、すでに非現実かつ非常識の世界だ。しかし、一歩間違うとエセ・まがい物・作り物・ヤラセ映画のそしりを免れない中で、非論理と論理のバランスを信仰的アプローチと科学的アプローチという形で絶妙よくブレンドさせた力はホンモノで、結果的にはまっとうな法廷劇としてまとめられている。

ある意味まがい物しか期待していなかったオイラにとっては正直驚く出来栄えだった。

なにより、ジェニファー・カーペンターのリンダ・ブレアを超えた!?悲愴感漂う迫真の演技に、一気に映画の中に引きずり込まれてしまったかんじで、特にあの泣き叫び方は尋常じゃなかった(笑)。「スクリーム」「ラストサマー」のようなアイドル絶叫系とは一線を画してたわな。

考古学やってるオイラとしては、神も悪魔も人間が作り出すものだと思っていて、まぁ実在するかどうかははっきりいって興味がないというか、実在うんぬんよりも信仰や宗教がその人間の行動にどういう影響を与えたり、どのような行動をするに至ったのかという歴史学の方に興味があるかな。

でもそれはあくまでオイラにとっての思考であり、真実であって、神や悪魔が実在すると信じている多くの人々にとってはそれが彼らにとっての真実なんだろうと思う。ましてやそれを科学で証明できるかどうかなんて意味のないバカバカしいことだと思う。信仰は科学が干渉できない領域だと思うし。

だから例えば平安時代なんかは怨霊とかタタリってそこら辺にざらに存在していたと思うのね。なぜなら当時の人々は貴族から農民にいたるまでその存在を100%信じていたのだから。これを例えば現代科学で実在するかどうか調べるなんてはっきりいって全く意味がないわけで、人々が“いる”と信じればそれは“いる”んだわさ。その中で当時の社会や政治は動いていたといっても過言ではないし。

それは科学の発達した現代も同じであって、逆に“いない”と信じていたらそれは“いない”ってだけのこと。そんなもんじゃない(笑)?

だから、信仰や信心それ自体を公の場で白か黒かと裁くというのはあってはならないというか、そもそものところで成り立たないと思うのだけど、信仰により引き起こされた行動、またその行動によりもたらされた結果が現代法治国家の中で裁かれるというのは当然有りなのは言うまでもない。

結局、この映画の中で神父を弁護する女弁護士エリンは、神父とエミリー・ローズの信心の結びつきの強さを立証することで無罪を主張するわけだけど、これは明らかに人々が裁けない、裁きが成り立たない領域に逃げ込んでおり、正直論理が破綻しているのは否めない。

陪審員の下した有罪という判決は至極まっとうなものだろう。というか有罪以外考えられない。

でも、そういう映画として最初から無理がある成り立たない論法をそれらしく見せているのがこの映画の強みなんだよね。

全部が全部true storyとは到底思えないけど、なんか科学と信仰のあり方だとかそういう難しいところまで考えさせられちゃったこのエセ映画、、、いやいやもとい、このまっとうな映画はやっぱり凄い、、かも!?

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(おまけ)

フューリー(1978年・アメリカ・119分)NHK-BS

 監督:ブライアン・デ・パルマ

 出演:カーク・ダグラス、アンドリュー・スティーブンス、エイミー・アーヴィング

 内容:元諜報員ピーターの息子で超能力者のロビンが誘拐された。その仕掛人はピーターのかつての同僚のチルドレスで、スパイ組織の絡んだ事件であるらしいことが分かる。一方、シカゴのハイスクールに通う少女ギリアンの身辺にテレキネシス現象が現れ、彼女が超能力を持っていることが明らかになる。一見、無関係なこの2つの事件が、やがて一本の糸で結ばれていく・・・。

評価★★★/65点

“最凶スローモーション”

なんとも後味の悪い映画だったけど、息子が連れ去られてしまったサスペンスと、超能力女子高生の血のりオカルトショーという、まるでなんの脈絡もない2本分の映画をツギハギしただけのような締まりの悪さの中で、しかしまだ洗練されていない初期デパルマ節が炸裂しまくっていて、引きずり込まれるように見入ってしまった。

ただ、締まりの悪さはどうしても気になるところで、例えば息子ロビンを誘拐した政府の研究機関の目的が何だったのかが全く描かれず、その中でロビンが庭で棒高跳びしてるところをただ映されても、なんやねんこれは、、という。。

しかし、兎にも角にもラストは最凶だね(笑)。。

2008年11月 6日 (木)

夢のシネマパラダイス77番シアター:ウォレスとグルミットシリーズ

B000cs471i09 ウォレスとグルミット チーズホリデー(1989年・イギリス・23分)DVD

 監督:ニック・パーク

 声の出演(吹き替え版):萩本欽一

 評価★★★★/80点

内容:発明家の英国紳士ウォレスと愛犬グルミット。2人は大事なホリデーを前に旅行先を思案中。一息入れようとするウォレスだったが、大好物のチーズを切らしていたことに気づき、どうせ旅行に行くならチーズの美味しいところへ行こうと思いつく。そしてふと窓の外を見やると、美味しそうに輝くまん丸お月様が。さっそく、2人は宇宙船を作り、いざ月へ向けて旅立つのだった。

“チーズが大嫌いなオイラでも、この作品に出てくるクランベリーチーズは食べたい!純粋に美味そうなんだもん。”

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ウォレスとグルミット/ペンギンにをつけろ(1993年・イギリス・29分)DVD

 監督:ニック・パーク

 声の出演(吹き替え版):萩本欽一

 内容:グルミットの誕生日にウォレスは垂直の壁まで登れてしまうNASA製のその名もテクノズボンをプレゼント。しかし、それを買ったおかげで家計がヤバイ状態に。仕方なくウォレスは空いている部屋を貸しに出し、ほどなくしてかわいいペンギンが下宿することになるが・・・。

評価★★★★★/100点

未来少年コナン風ロボット、フィルム・ノワール風陰影でたたずむグルミット、赤外線、無表情なのに超絶演技ペンギンくんすべて赤丸花マル二重丸。

スリル・サスペンス・ハートフルコメディがわずか30分たらずにブレンドされている、それをストレートに見せてしまう、これを傑作と言わずして何と言おう!

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ウォレスとグルミット、危機一(1996年・イギリス・31分)DVD

 監督:ニック・パーク

 声の出演:萩本欽一

 内容:窓拭きサービスの新商売を始めたウォレスとグルミット。が、ウォレスはお客さんである毛糸屋のウェンドレンに恋してしまう。しかし、この毛糸屋にはある秘密があった・・・。

評価★★★★/85点

新聞紙の質感、欽ちゃんの声、30分、グルミットの目、バック・トゥ・ザ・フューチャー風朝起き、はたまたターミネーター風サイボーグなどなど全て赤丸でっす!

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ウォレスとグルミットのおすすめ(2002年・イギリス・35分)DVD

 監督:ロイド・プライス、クリス・サドラー

 声の出演:萩本欽一

 内容:発明家ウォレスが日常生活を快適にするために作った様々な発明品をフィーチャーした全10篇からなる短編シリーズ。

評価★★★☆/70点

以前NHK-BSでこのシリーズを一挙放送したときには、前3作の合間合間にintermission風に3篇ずつくらい挿んで放映してたんだけど、このやり方には非常に好感がもてました。じゃないとちょっと飽きちゃうかもしれない。。悪く言えば1篇3~4分の小ネタ集にしか過ぎないわけだから。でも、アイディアは良いし、このシリーズ独特のほのぼの感も出てるんだけどね。

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ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!

Aaifxsmmjw 監督:ニック・パーク、スティーヴ・ボックス

声の出演:萩本欽一、大川透、飯島直子

(2005年・米/英・85分)2006/03/24・MOVIX仙台

内容:町一番の美女で資産家のレディ・トッティントンが主催するお祭り“巨大野菜コンテスト”。しかし町にウサギが大繁殖したため、ウォレスと愛犬グルミットは、開発したウサギ回収マシーンを駆使して野菜を守るのに大忙し。が、そんなウォレスとグルミットの活躍にイヤな顔をするキザ男ヴィクター。そんなある夜、正体不明の巨大生物が出現、巨大野菜は食い荒らされ、町は恐怖に陥る・・・。アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。

評価★★★★/80点

今までのシリーズは3作とも30分未満の短編だった。しかし、そのどれもがまるでトロリとしたクランベリーチーズとコクのあるレアチーズを何層にも重ね合わせ、釜で焼いた後ひと晩熟成させたレアチーズタルトのような超濃厚なエッセンスが詰まりに詰った作品だった。

しかもこの超濃厚エッセンスには保存料、着色料など一切の合成添加物は使用されていないのです!!味は格別、ブラックコーヒーもついて至福満腹の30分に舌鼓を打つ。

これほど贅の極みを尽くした100%素材の良さを引き出した純正手作り作品をオイラは知らない。

それに比べると、尺が約3倍に伸びた今回の作品は、市販のスライスチーズとまではいかないまでも、濃厚さがやや薄まってはいる。

一部にCG安定剤も使っているようだが、そこはほとんど気にならない。しかし、やはり短編と長編の違いとでもいおうか、一本の映画としての形を整えなければならない長編の文法の中で、短編の歯切れのよい呼吸のリズムと勢いに欠けるきらいはある。

とはいっても、それは贅沢な悩みでもあるわけで、あっという間の85分、十分楽しめる作品に仕上がっていると思う。

特に言葉を発することができない犬のグルミットの表情の千変万化には今回も度肝抜かれっぱなし。“目は口ほどに物を言う”をこれほど完璧に表現しているキャラクターをオイラは知らない。

ほんまアカデミー賞ものの演技でっせ。

さぁ、次回作もあると期待して、あと5年気長に待ちましょか。もちろんその時は日本語吹き替え版でね。

夢のシネマパラダイス551番シアター:やっぱり故郷が一番!

エリザベスタウン

Elizabethtown 出演:オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト、スーザン・サランドン、アレック・ボールドウィン

監督・脚本:キャメロン・クロウ

(2005年・アメリカ・123分)DVD

評価★★/40点

内容:シューズ会社に勤務するデザイナーのドリューは、自らが企画開発した新型シューズが10億ドルもの大損害を招き、責任を取らされて会社をクビに。恋人にも捨てられ生きる望みを失った彼に、さらに父親が急死したという報せが入り、葬儀のためにケンタッキー州の小さな街エリザベスタウンへと向かうことに。そしてドリューは失意の飛行機の中でフライト・アテンダントのクレアと出会い、案内されるまま一緒にエリザベスタウンを訪れるのだが・・・。

“まるでこの映画の中に出てくるウッザイ悪ガキのごとく大音量の音楽とともに好き放題やりたい放題で自己満足に浸っているキャメロン・クロウに今回は完全に辟易。。”

鳴り物入りで売り出した新作シューズが大不評だからって10億ドルもの損害が出るかぁ!?しかも10億ドルてのが全くオイラの現実感覚からは程遠い金額で、現実味を全く感じることができないんだけど、この映画のプロットひとつひとつが全部そんなかんじで、映画に入っていくことが最後まで出来ずじまい・・・。

ドリューが自殺しようとするシーンも、自転車トレーニングマシンに包丁を括りつけて絶望に浸るというお遊び感覚で、全く切実感が感じられないし、飛行機で一方的に逆ナンしてくる乗務員のクレアもこんなお節介焼きオバハンいるのか!?と思わず引いちゃうくらいだし。

なんか全部ダメだねこれ(笑)。

ドリューがエリザベスタウンからオレゴンの自宅へ父の遺灰とともに車で帰宅する道中、ぴったりの曲を満載した選曲CD集を名所見どころと道先案内を詳細に書き込んだロードマップとともにプレゼントするクレアなんて、キャメロン・クロウ本人を丸写ししたようなもんじゃん。

オイラもMYドライブMDとか作るの大好きだけど、作ってるときって完全に自己満足に浸ってるのよね・・・(笑)。

しかもクレアは、ネブラスカの街に立ち寄るように手の込んだ計画を練って、そこで赤い帽子をかぶった女のコとして待ってるわけやろ。イヤラすぃというかなんというか。。

キャメロン・クロウ自身実際に車走らせて、ここではこの曲だなとかほくそ笑みながら作ったんだろうな、、、って別にエエやんそこは。。

ただ、「あの頃ペニー・レインと」と同じく非常に彼のパーソナルな一面が反映されていると思うのだけど、彼の感じるポイントというのが「あの頃~」とは違ってかなりズレまくってしまっていて、そこがイタタタ・・・ってかんじですた。。

結局、まるで素っ裸にトレンチコートを羽織った変態男がどうだっ!と言わんばかりに前をバッとさらけ出す時の顔にしか見えなかった、、、それがこの映画を観終わって感じたキャメロン・クロウの“最後の視線”です。。

泣くことも笑うこともできない駄作以上凡作未満のわけの分からない映画・・・。

「バニラ・スカイ」からどうもオイラが思ってた方向とはかけ離れた所にイッちゃってるような気がするキャメロン・クロウ。アンタはいったいどこへ向かっているんだ!?

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雪に願うこと(2005年・日本・112分)WOWOW

 監督:根岸吉太郎

 出演:伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子、吹石一恵、香川照之、小澤征悦

 内容:東京で会社を経営していたものの敢えなく倒産、妻や友人にも去られ全てを失った矢崎学。彼はやむを得ず、連絡さえとっていなかった故郷の兄・威夫を頼って北海道帯広に戻る。そして、威夫が運営するばんえい競馬の厩舎で見習いとして働くことに。。。東京国際映画祭で史上初の4冠受賞。

評価★★★☆/70点

どこまでも真摯で実直な態度を崩さない演出で、ばんえい競馬の地道さを地で行くような映画。

特に難癖付けるところもないのだけど、緩急とヤマに乏しい一本調子な点はやや否めず。まるでばんえい競馬の直線200mコースから2箇所のヤマを取っ払っちゃったようなかんじ。。

さらに、その地味な作風を背負って立つべき伊勢谷友介の力量不足もいつもながらに気になってしまう・・。脇を固める役者陣が良かっただけに一人だけ浮いて見えるんだよね。

まぁ、地に足をつけた人間の営みとは無縁だった(あるいはそれを捨てた)IT社長という学の役柄からすれば他から浮いて見えるというのは逆に良いのかもしれないけども(笑)。

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UDON

Udon 出演:ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本、鈴木京香、弁毅

監督:本広克行

(2006年・東宝・134分)CS

評価★★★☆/70点

内容:讃岐うどんの本場、香川県。実家の製麺所をほったらかしてビッグなコメディアンになると豪語してNYへ渡ったものの、あえなく借金を背負って帰郷してきた香助。が、父親とは反りが合わず、製麺所を継ぐ気など毛頭ない。そこで、親友から紹介された地元のタウン誌で仕事を始めた香助は、編集部員の恭子と、うどんをテーマにしたコラムに取り掛かることにするが・・・。

“結局最後に行き着くのは、1800円かけてこれ観るかっていうこと・・・。”

「人を笑わせるには、美味しいうどんを食べさせれば一発!みんな笑顔になるのだから。」

この親父さんのセリフと同様に良い映画を観た後は自然と笑みがこぼれ落ちるもの。

そういう意味では、この映画は少なくとも美味しくて味が良い映画だったとは思う。

けど、一杯100円足らずの「UDON」を食すのに1800円も払って劇場の席につかなければならないバカらしさってのはやっぱあるよね(笑)。。

そういえば、香川出身の職場の同僚は、うどんは“食べる”のではなく“飲み込む”ものだと言ってたけど、ホンマかいな。

ちなみにオイラの地元・盛岡は、わんこそば、じゃじゃ麺、冷めんが本場なのだけど、ほとんど食ったことがない・・・。ていうかオイラのソウルフードって何だろう・・・?

あ、ポテチのコンソメ味だ、、、いやいや(笑)、仙台名物“ずんだもち”だな。即決。

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船を降りたら彼女の島(2002年・日本・112分)NHK-BS

 監督・脚本:磯村一路

 出演:木村佳乃、大杉漣、大谷直子、照英、村上淳、ベンガル、六平直政

 内容:東京の出版社に勤める久里子は、恋人と結婚することを親に報告しに2年ぶりに瀬戸内の島に帰郷した。が、なかなか「アタシ結婚します!」という一言が言えない久里子。そんな里帰りは、一方で彼女の心に幼い頃の淡い初恋の思い出を甦らせる・・・。

評価★★★★/75点

“煙草と海と大杉漣”

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ウィスキー(2004年・ウルグアイ・94分)NHK-BS

 監督:ファン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール

 出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスカル、ホルへ・ボラーニ

 内容:ウルグアイのとある町で小さな靴下工場を経営する初老の男ハコボ。従業員は中年女性のマルタと数人の工員だけだが、長年一緒に仕事しているハコボとマルタは必要最小限の会話以外とくに言葉を交わすことはなかった。そんなある日、疎遠になっていたハコボの弟エルマンが、母親の墓石の建立式のためブラジルから帰国することになった。そこでハコボは弟が滞在する間だけ夫婦のフリをしてほしいとマルタに頼み込むのだが・・・。

評価★★/45点

どのくらい美味しいお味に仕上がっているのかと期待していたのだけど、あまりにもデリケートすぎるスタイルに微妙な心情の機微のゆらめきを嗜むことすらできず・・・。映画玄人になるにはまだまだ遠い道のりが続きそうだと痛感。。

すっごい深い味わいのある映画なんだろうなぁ、、と思いつつ、中年男女3人の無表情にいつまでたっても自分の中でエンジンがかからず。

もうちょっと大人になってから再見してみますか。。

2008年11月 5日 (水)

夢のシネマパラダイス550番シアター:この愚かな憎しみ合う世界・・・

ミュンヘン

060818_munich_dvd 出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ジェフリー・ラッシュ

監督:スティーブン・スピルバーグ

(2005年・アメリカ・164分)2006/02/05・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:ミュンヘン五輪開催中の1972年。武装したパレスチナゲリラがイスラエルの選手村を襲撃、11名が犠牲となる事件が起こる。これを受けてイスラエル政府は、犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関モサドの精鋭5人による暗殺チームが組織される。そしてリーダーのアヴナーに率いられた彼らは、ヨーロッパ中に点在するターゲットを確実に仕留めるべく冷酷な任務の遂行にあたっていくのだが・・・。

“祖国愛と家族愛のはざまで”

1972年、平和の祭典であるオリンピック会場で起こったパレスチナゲリラによるイスラエル選手団襲撃事件に対する終わりのない報復劇を描いたこの映画のキモは、何と言ってもラストだろう。

妊娠7ヶ月の妻を残して暗殺チームのリーダーとなり暗殺を実行していったアヴナーと、モサドの連絡員兼幹部エフライムのNYでの訣別シーン。

このシーンは、祖国という“家=HOME”を捨てて家族という“家=HOME”を選んだ男と、祖国という“家”に殉ずる忠誠をかたくなに誓い続ける男の対峙である。

祖国イスラエルを滅せんと欲する者たちから祖国を守るため、家族を守るためにパレスチナ幹部11名の暗殺指令を受けたアヴナーは、イスラエル人としての身分や国籍といった一国民としての存在を当局に抹消された上で闇の任務に身を没頭させていく。

しかし、身を粉にした暗殺任務と繰り返される報復の連鎖、裏の裏でうごめいていたCIA、KGB、、、そしてひょんなことから出くわしたパレスチナゲリラの若者が心の底から叫ぶ彼らの大義「自分たちの祖国=HOMEが欲しい。」という言葉、、、次第に自分たちの目的意識の向かう先がぼやけてくるアヴナー。自分たちのしていることはテロリストといったい何が違うのか・・・。

そして報復の連鎖が自分に、さらには守るべき家族に向けられる恐怖に駆られていく。

自分の“HOME”を守るために請け負った行動が“HOME”という本来安息すべき場所を逆に危険にさらしていくことに気付いたアヴナーは、妻と子供をニューヨークへ移住させることを決意する。そして彼自身も。。

アヴナーの父親は祖国の英雄だったと示唆されていたが、彼の宿命なのか、任務を終えてイスラエルに戻ったアヴナーもまた英雄として迎えられる。

しかし彼は愛する祖国を離れて、愛する家族のもとへと帰っていく。

アヴナーは愛国心を捨てたのか・・・?

いや、そうではない、と思う。彼はこれ以上英雄で居続けることを、そして彼につづく第2、第3の英雄をつくることを拒否したのだ。

報復の連鎖によって生み出された英雄は憎しみの中から生まれ、その倍の憎しみを練成しつづけていくのだから・・・。

最強のハンターとして名高いホオジロザメの鋭い凶器の刃のような歯は、奥に次の歯が何列にも並んでいて、抜けても抜けても24時間以内に生えてくるという。

憎しみと暴力による報復の連鎖はこれと同じではないのか、代えのきく刃=憎しみに燃えたぎる人間が次から次へと生み出されていく・・・。

「こんなことの先に平和なんてあるわけがない!」ことに気付いたアヴナー。

そんな彼に、国に戻って来いと促すエフライム。アヴナーは断りを告げた上で「今夜はそういうわだかまりは抜きにして、一緒に夕食を家で食べよう。」と招待するのだが、、エフライムの祖国愛という鎧をまとった鋭利な視線が心に突き刺さる。

そして後ろにそびえる在りし日の世界貿易センタービルが、憎しみの連鎖の行き着く先をありありと映し出す。

しかも、この連鎖は今現在も脈々と続いていることに気付かされるのだ。

暗殺メンバーの、ターゲットのパレスチナ男性の、情報屋ルイのファミリーの、なんてことはないありふれた食事風景が幾度となく映し出されるが、その空間は幸せな微笑で満たされていた。

HOME=帰るべき場所とは食卓を囲む家族のいる風景なのだと示しているように思えてならない。

そこには暴力や憎しみなど存在しないのだから・・・。

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キングダム/見えざる敵

Kingdom_1_1a 出演:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、アシュラフ・バルフム

監督:ピーター・バーグ

(2007年・アメリカ・110分)WOWOW

評価★★★/65点

内容:サウジアラビアにあるアメリカのメジャー石油会社の外国人居留区で自爆テロ事件が発生。死傷者は300人以上にのぼり、犠牲者の中にはFBI捜査官も2名含まれていた。その首謀者がアルカイダと関係のあるアブ・ハムザと推察したFBI捜査官フルーリーは現地捜査を志願。駐米サウジ大使との裏取引でなんとか条件付き許可を得たフルーリーは、法医学調査官のジャネット、爆発物専門家のサイクス、情報分析官のアダムとともにサウジに降り立つ。そこで彼らはサウジ警察のガージー大佐と合流するのだが・・・。

“憎しみは憎しみしか生まない・・・”

アメリカと中東のただならぬ関係をテロップでバッバッとスタイリッシュに見せていくオープニングから、これはかなり挑戦的な映画なのかと思ったのだが、フタを開けてみれば安全パイを狙って置きにきただけのような中途半端で単調な映画になってしまった感が否めない。

それゆえ、テロとテロリストという鬼を生む土壌とは何なのか、その生の現場でえぐり出され見えてくるものとは何なのかがほとんど表面的なものしか見えてこず、逆に当局の制止を振り切り勝手ともとれる見込み捜査で敵地に乗り込み介入していくアメリカ人の安直な発想力だけが浮き彫りになってしまったような・・・。

例えば、北朝鮮の拉致問題、あるいは中国の毒入りギョーザ問題で日本の警察が乗り込めるのかっつうことだよね。

ちょっとそういうところは違和感あったし、その違和感を払拭させるだけのリアリティをともなった問題提起がなされたのかというと、そういう使命感があるようにも見受けられず、やはり中途半端な印象が。。

それでいて、ラストに「奴らを皆殺しにする!」という双方から発せられた憎悪の言葉により、非人間的な暴力の連鎖を生むのは十分な展望もなく土足で踏み込んでいくアメリカであり、その反作用として生まれたイスラム過激派であるというマトモなところに結果的には着地しているのがなんとも巧くずる賢くあざとい・・・。

まぁ、社会派とエンタメとの間でどうバランスをとるかという立ち位置はあるのだろうけど、危険な現場でのドンパチは圧巻だっただけに、見えざる敵の真実に鋭い光を当ててもっと克明に迫っていってほしかった。

2008年11月 4日 (火)

夢のシネマパラダイス549番シアター:鉄道員&自転車泥棒

鉄道員

0615 出演:ピエトロ・ジェルミ、エドアルド・ネヴォラ、ルイザ・デラ・ノーチェ

監督:ピエトロ・ジェルミ

(1956年・イタリア・115分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:50歳になる鉄道機関士アンドレアは、末っ子サンドロから英雄のように思われているが、長女や長男にとっては頑固親父でしかなかった。そんなある日、アンドレアは、衝突事故を起こしかけ、格下げになってしまう。しかし、彼の鉄道に対する想いは誰よりも強かった。その気持ちを長女と長男も察し、父親に尊敬のまなざしを向けるのだった・・・。

“イタリア版ひとつ屋根の下”

「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ライフ・イズ・ビューティフル」はたまた「自転車泥棒」など心にいつまでも残る名子役を輩出するイタリア映画のこれは伝統なのか、いたいけな子供をダシにして周りの世界を瑞々しく詩情豊かに描く手法は昔から連綿として継承されている。

この映画のサンドロ少年も記憶に残る名子役といっていいだろう。だって、このサンドロがいなかったら、この家族って絶対崩壊してまっせ(笑)。

酒(ワイン)とギターをこよなく愛する頑固一徹親父はサンドロにとっては憧れのヒーローだし、その父親に反発しゴロツキ連中と関わりを持ってしまう長男と、親父の知らぬ間に妊娠してしまう長女はサンドロをいたく可愛がっているし、良い意味でサンドロ少年が家族の緩衝材としての役割を担っている。

最初のクリスマスの夜、長女ジュリアの流産という不幸から幕を開けた家族劇は、家族に降りかかる様々な問題から崩壊していく絆が1年後のクリスマスイヴの夜に父親マルコッチの安らかな眠りとともに平安を取り戻すに至るという、なんとも哀切きわまりない物語となっている。

しかし、ラスト、マルコッチがいなくなった一家のある朝、父親の遺志を継いで鉄道員になった長男マルチェロはしっかり出勤していき、サンドロもしっかりと前を向いて学校へ登校していく。

家族愛に包まれながら成長した彼らの人生が確固としてこれからも続いていくのだろう。

哀愁を誘う音楽がまたいい。

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自転車泥棒

Bicycle 出演:ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタヨーラ

監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

(1948年・イタリア・88分)NHK-BS

内容:戦後間もないローマ。長い失業の後、ようやくポスター貼りの仕事を得たアントニオは、仕事に必要な自転車を盗まれてしまう。彼は息子とともに自転車を捜すが、犯人らしき男を見つけても自転車は取り戻せなかった。思いあまったアントニオは自転車を盗もうとし、捕らえられてしまう・・・。イタリアン・ネオ・リアリズムの代表作といわれており、アカデミー特別賞などを受賞。ちなみに泥棒役の役者以外は大半が演技素人の一般人である。

評価★★★☆/70点

泣けない笑えない怒れない弾めない情けない、、、映画としてはつまらない。

しかし息子の目線や、親父の悲哀や苦悩と絆などのエピソードに対する細やかな目配りが、さりげない。

ようするに、上手い。映画として、上手い。

夢のシネマパラダイス548番シアター:トゥモロー・ワールド

Baqilkrmvs 出演:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォー、チャーリー・ハナム

監督:アルフォンソ・キュアロン

(2006年・米/英・109分)2006/11/28・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:人類に最後の子供が誕生してから18年が経過した西暦2027年。このままだと50年後には人類は滅びてしまうと希望を失った世界には暴力と無秩序が拡がっていた。そんなある日、エネルギー省の官僚セオは、元妻ジュリアン率いる反政府組織に連れ出される。そして、驚愕の秘密を持ったある移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すための協力を請われるのだが・・・。

“未来予想図Ⅲ~今そこにある危機~”

観終わった第一声、、「え゛っ?これで終わり!?」

なんじゃこりゃ・・。人生あきらめているヤル気のない中年男が、赤ん坊と母親を引き連れて港を目指して逃げ回るだけという単純極まりないお話。ほんとそれだけ。。

なぜ子供が18年間も誕生しなくなったのか、、、人類が最後の希望を託す“ヒューマン・プロジェクト”の正体とはいったい何なのか、、、トゥモロー号はいったいどこへ向かうのか・・・。

これら重要なキーポイントに対し、この映画はほとんど情報開示してくれない。というかほとんどマクガフィンとしての映画的機能しか果たしていないといっていいだろう。

普通だったら絶対にハズさないポイントを無関心を決め込むごとくスルーしていく。それは例えば赤ん坊の父親が誰であるのかということにさえ関心を払わないほど徹底している。

さらに、序盤でジュリアン・ムーア、中盤でマイケル・ケインがあっけなく無造作に殺されてしまい、なおかつワイドレンズのカメラでロングショットかつ長回しを用いた突き放したようなドライな質感もドキュメンタリー風の冷静な画作りをすることによって確信犯的に徹底されている。

とにもかくにも人物の関係性においても、撮影やカット割りといった映画的手法においても、ドラマティックさを排除しようという確信的意図が読み取れるのだが、そこから見えてくるのは現在の世界と地続きなリアリティ溢れる世界の創造である。

西暦2027年というそう遠くない近未来の街並みや雰囲気といったビジュアル面は、絵空事ではなく現代とそう変わらない世界で、せいぜい車が未来的なデザインになっているくらいだ。

それは言い換えれば発展が滞っているともいえ、子供が18年間生まれなくなった世界、閉塞感と絶望感に苛まれ、テロや内戦が繰り返される希望のない世界が全編通して執拗に映し出される。

特に冒頭のコーヒーショップの唐突な爆破シーンはこの映画の世界観の決め手となっているとともに、珠玉の映画体験の開巻としてもただの突拍子のないSF映画とは何かが違うと感じてしまうには十分すぎるほどのリアリズムが現出されている。

そしてこの冒頭のリアリズムを指標に、その後映し出されていく描写は真に圧倒的だ。

政府の徹底した移民隔離と暴力、反政府ゲリラの暗闘、凄絶な市街戦、列車へ投石してくる人々、セオの元妻ジュリアンの殺害から車に横付けして疾走する2人乗りバイクの大転倒シーンに至るまで、リアリズムを映画内世界と共有できるほどのシーンが次から次へと連続して繰り出される。

そしてこのめまぐるしく続く映像世界を問答無用で見せられるにつけ、我々観る側はある感覚にとらわれていく。

それは“既視感”という名の我々に刻まれた歴史であり、今現在を流れる“現実”そのものである。

この映画は既視感のオンパレードといってもいい。

トゥモロー号はノアの方舟、牛小屋でセオに妊娠を告白するキーは聖母マリア、天の光を受けた赤ん坊、マリアの受難、さしずめセオはヨセフか、、、とまるで聖書をかたどったような意図が垣間見える既視感。そして「宇宙戦争」「ブラックホーク・ダウン」「プライベート・ライアン」といった映画で見たような既視感にも彩られている。

しかし、今現在の世界情勢の中で現実に起こっているテロや戦争、イラク、パレスチナ、アフガン、ソマリア・・・。そして現在フランスやイギリス、ドイツをはじめとするヨーロッパで重大な社会問題となっている移民問題、ゲットー、アウシュビッツ・・・。これらの既視感が現在先進国であるイギリスを舞台にして描き出されていく。それはある意味ショッキングですらある。

この映画は西暦2027年、子供が生まれなくなって18年、、、ということは・・おいおい、逆算すると2009年じゃん(笑)。

いや、しかしこれがオイラには笑うに笑えない、もしかしてそうなってもオカシクないかもと思わせるほど現実世界は病んでいるし、子供が18年も世界に誕生しないのにせっせと大人たちは殺戮を続けている世界観というのも相当ショックを受けたのだが。いや、だって現実問題イラクをはじめとして世界中で無防備な子供たちが次々と殺されているんだよな。

そんな夢を奪うような世界が実際に今れっきとしてあちらこちらに存在しているわけで、そのメタファーとして、また痛烈なアイロニカルとして人類に子供が生まれなくなったという極端な設定は非常にリアリティがあるように思う。

この映画は“今”を切り取った映画だったのだ。

今現在の世界と地続きの彼方の水平線にこの映画で描き出された世界が黒々と横たわっている、、、そう思うと凄く恐くなった。。

しかし、世界に希望の光を差し込む聖母子のような赤ん坊を見て戦闘が一瞬中断する珠玉のクライマックス、そして白いもやの中から現れるトゥモロー号のラストと希望をほのめかして終わるところがせめてもの救いか。

そして精緻かつ高度なチームプレーで見事なシーンの数々を作り出したアルフォンソ・キュアロンをはじめとする映画の作り手たちに、これからの映画体験における夢と希望を与えられたような気がする、といえば言いすぎかな。。

まぁオイラはこのラストの後も1時間は映画がつづくんだろうなぁとフツーに思ってたので、ええ゛っ?ここで終わっちゃうの?と、、、正直もっと先を見たい、この映画の未来を見たいという思いに駆られてしまった。。

2008年11月 3日 (月)

夢のシネマパラダイス547番シアター:日本版あの頃にタイムスリップーー!

この胸いっぱいの愛を

C_b0010500579_tl_2 出演:伊藤英明、ミムラ、勝地涼、宮藤官九郎、吉行和子、愛川欽也、倍賞千恵子

監督:塩田明彦

(2005年・東宝・130分)2005/10/05・MOVIX仙台(試写会)

評価★★☆/45点

内容:百貨店に勤める比呂志は、出張で小学生時代を過ごした北九州・門司を訪れた。しかし、何か様子が違う。新聞見ると、、えっ?1986年?20年前じゃん!タ、タイムスリップ。。ていうか、少年時代の自分にも会っちゃった・・・。そんなこんなで比呂志は実家だった旅館に住みついてしまう。そんなある日、彼は憧れだった近所の和美姉ちゃんと再会する。彼女は難病のすえこの世を去ってしまう運命にあるのだが、今ならば救えるかもしれないと比呂志は考える・・・。

“タイムパラドックスの定石を捨ててまで描き出したのがこれなの・・・?思わず失笑。”

タイムスリップする1986年という時代設定がまずはビミョー・・・。

だって昭和61年やろ。

バブル景気がちょうど幕を開けた頃だと思うのだけど、なんかイメージとしてパッとしないというか、そんな昔でもなければつい最近でもないという時代背景の中途半端さが気になった。

しかもそれに輪をかけたように伊藤英明のメインストーリーがこれまたビミョーなんだよなぁ・・・。タイムパラドックスなど眼中にないくらいお構いなしで突き進むのは大目に見るとしても、肝心要のメインストーリーに力がなかったら、ただの独りよがりなだけの映画じゃないか。。

サブストーリーである若いヤクザ(勝地涼)、老婦人(倍賞千恵子)、クドカンのエピソードの方がフツーに感情移入できただけにメインの物足りなさが一層際立ってしまった。

これは多分に失われた命を取り戻そうという事の重みに対して、シナリオに力がないのか、伊藤英明に力がないのか、あまりにも人間ドラマの描写が軽すぎるというアンバランスさに起因するように思う。

そもそも「黄泉がえり」(2002)では現世で生きる人々のもとに亡くなった大切な人が舞い降りてくるという、あちらから会いたい人がやって来るという構図なのだけど、今作ではこちらから会いに行くという構図になっている。その点ですでに作為的要素が含まれているといってもいいのだけど、この映画のメインとなるのは結局この世を去った憧れの人を救おう、生き永らえさせようとする話なわけで、そこら辺はどうもオイラは胡散臭さを感じてしまった。

だって要は積極的に未来を変えて死者を甦らせようとするわけで、そこに十分な説得力、つまり死んだ者は絶対に生き返らないという命題を覆す魔力を持たせるにはやはりタイムパラドックスの定石を使っていくしかないと思うのだけど。。

しかし、この映画はそれをあえて無視した上で完全に人間ドラマに徹した感がある、、、のだが、ものの見事に肩透かしをくらったような力の無さには目を覆うばかり。

作為に満ちた独りよがりな映画とはまさにこのことを言うのではなかろうか。

ただ、塩田監督もなにやら罪滅ぼしでもしたかったのか、それとも塩田監督なりのケジメの付け方なのか、ラストに出てきた生き永らえた和美(ミムラ)の姿にはなんとも厳しすぎる年輪が刻まれていて、それまでの演出とはかけ離れていたので驚いたというか、また別な意味で肩透かしをくらっちゃった・・・(笑)。なんだかわけの分からん映画だったな。。

オイラが思うに、生んだ直後に亡くなってしまった母親、今まで幻だった母親に会うことになる若いヤクザ(勝地涼)の話をメインにすればそれなりに見れたのではないかと思うなぁ。命のやり取りはこの映画には重すぎる・・・。

あるいは、どうせだったらどっかの老人ホームのバスが崖下に転落しちゃうとかさ(笑)、んでその拍子に1946年にタイムスリップしちゃうとか。だってジッちゃんバッちゃんの方が人生で本当にひとつだけやり直したいことの重みって説得力がありそうだし。

とにかく「黄泉がえり」の二匹目のドジョウとはなりえなかったな今回は。

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バブルへGO!!タイムマシンはドラム式(2006年・東宝・116分)WOWOW

 監督:馬場康夫

 出演:阿部寛、広末涼子、吹石一恵、伊藤裕子、劇団ひとり、薬師丸ひろ子

 内容:2007年の日本。国は800兆円の借金を抱え、日本経済は破綻寸前。そんな日本の危機を救うべく、財務省官僚の下小路(阿部寛)はある計画をぶち上げていた。それは、1990年にタイムスリップしてバブル崩壊をくい止めようというものだった。ところが、先にタイムスリップしていた開発者の田中真理子(薬師丸ひろ子)がそのまま行方不明になってしまう。そこで下小路は、真理子の娘で借金取りに追われているフリーターの真弓に目をつけ、真弓は母親を救うためにタイムマシンに乗り込むのだったが・・・。

評価★★★/60点

バブル全盛期に山ん中に秘密基地を作ったりして駆けずり遊んでいた小学生時代のオイラにははっきりいってあまりピンとこなくて実感がわかない題材だし、しかしかといってバブル崩壊後の失われし10年の真っ只中で就職超氷河期にブチ当たってしまったオイラからするとああいう軽いノリで描かれるとなんだかしゃくにさわるし・・・(笑)。なんだかなぁ。。

タイムマシーンを起動するのに洗剤を入れるというのは笑えたけどね。

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地下鉄<メトロ>に乗って(2006年・日本・121分)WOWOW

 監督:篠原哲雄

 出演:堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお、笹野高史、吉行和子

 内容:43歳の営業マンである真次(堤真一)はある日、父が倒れたという連絡を受ける。が、真次は大財閥の総帥であった傲慢な父に反発し、高校卒業後に家を出たっきり一度も会っていなかった。そんな真次が地下鉄を出ると、、、昭和39年の東京にタイムスリップしていた!しかも真次の恋人であるみち子(岡本綾)もタイムスリップしてしまう。そして真次は、若き日の父(大沢たかお)に出くわすのだった・・・。

評価★★★/60点

とうとう解りあえなかった父親が戦前、戦中、戦後という激動の昭和をどのように生きてきたのか、その知られざる真実にスポットを当てることによって父親と息子がつながっていくという、いたってシンプルなお涙頂戴もののはずだったのに。

そこにいきなり80年代角川映画もビツクリの近親相姦ネタに、あげくの果てに妹が自殺(正確には存在自体を消してしまう)しちゃうって、、、こんなん2時間で消化しきれねぇよ。韓流ドラマみたいに全50話くらいでやってくれ(笑)。

しかも、階段から突き落とされたお時(常盤貴子)の人生はどうなっちゃうんだよ。全然消化不良じゃん。

ていうか肝心のテーマが一気にボヤけちゃったし・・・。

オイラの祖父ちゃんも小沼佐吉(大沢たかお)と同じように、戦時中に満州行って結局ソ連軍に連行されて、シベリア抑留を体験してなんとか生きて日本に帰ってくることができた人だったから、かなりリンクするところはあったと思うんだけど、ラストの仰天ネタに一気にガクッときてしまった・・・。

夢のシネマパラダイス546番シアター:トンマッコルへようこそ

Welcome_to_dongmakgol 出演:シン・ハギュン、チョン・ジェヨン、カン・へジョン、イム・ハリョン、ソ・ジェギョン

監督:パク・クァンヒョン

(2005年・韓国・132分)2006/12/06・仙台フォーラム

評価★★★★/80点

内容:朝鮮戦争がつづく1950年代。山の奥深くに、他の土地から隔絶し自給自足の生活を送る不思議な村トンマッコルがあった。そんな平和な村にある日、アメリカの連合軍スミス大尉の偵察機が不時着する。その後、韓国軍の脱走兵2人と、朝鮮人民軍の兵士3人も村に現れ、3組は武器を手に一触即発の事態に。しかし、武器さえ見たことのない村人たちはそんなこと気にする素振りも見せず、、、いつしか兵士たちも打ち解けていき、友情を育んでいくまでに至るのだが・・・。

“ファンタジーを描く土壌が今までなかったはずの韓国映画がリアリズムの極致にある戦争と武器を見たことがない人々が住むユートピアというファンタジーを何の違和感もなしに結び付けてしまった、、、恐るべし韓国映画。”

トンマッコル村の入り口の山道に置かれた石像なんかを見ると思わず宮崎駿の「千と千尋の神隠し」を思い浮かべてしまったり、しかも音楽が久石譲だし。

また、久石譲の音楽が近年ではベストの部類に入る良さなんだわこれがまた。

そういうジブリ臭がプンプンしたもんだから、緑あふれる中に白い蝶が飛び交っているという世界観はすんなり受け入れられた。ていうかフツーに好きだな、こういうの。

爆弾の雨あられがポップコーンの雪に、手榴弾の安全ピンが指輪に、ヘルメットが洗面器に、銃が木の棒に、そして彼ら村人が1番恐いのは戦争でもなければ人間でもない。畑を荒らすイノシシなのだ、、、そんな純真無垢な人々が暮らす村トンマッコルに迷い込んでしまった韓国軍2人、人民軍3人、連合軍1人の計6人の兵士たち。

トンマッコルという究極の第三者的空間に放り込まれた彼らの滑稽な姿が鮮やかすぎるほどにあぶり出されていく様は、はっきりいって痛快そのものだし、憎悪の対象者同士が次第に心を通わせていく過程は見ていて心地が良い。

平和な時でさえ仮想敵を作らなければならないような国家という名の下のイデオロギーを身にまとい、憎しみ合い争いつづけることのバカバカしさをこれほど愉快痛快に皮肉って描いた映画はそうはない。それぞれの軍服を脱ぎ捨て、トンマッコルの村の衣服を身にまとった彼らに武器は似合わない。

が、映画はここで終わらなかった。

普通ならここでハッピーエンドでもいいと思うのだが、そこは現在まで厳然として続く朝鮮半島の歴史のリアリズムに裏打ちされた韓国映画の成せるわざなのか、終盤に大きく現実ベクトルへ舵を切った。その点でいえば、この映画の結末には賛否分かれるかもしれない。

村の象徴ともいうべき少女ヨイルが撃ち殺され、トンマッコルを守るために武器をとってしまう、とらなければならない状況に追い込まれた6人の兵士たちは死地へと向かっていく。

結局、平和を守るために武器は必要なのだという結論とも解釈できるのだけど、ただ戦う相手が米軍というのがミソで、ここでもちゃっかりアイロニーを織り込んでいるのは巧いと思う。

う~~ん、、ファンタジーを描かせても韓国映画は凄かった。。

頑張れ日本映画(笑)!!

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(おまけ)

遠くの空に消えた

20070913225555 出演:神木隆之介、大後寿々花、ささの友間、小日向文世、鈴木砂羽、伊藤歩、チャン・チェン

監督・脚本:行定勲

(2007年・日本・144分)WOWOW

評価★★★/65点

内容:一面に麦畑が広がる田舎の馬酔村。都会から転校してきた楠木亮介は、転校早々クラスのガキ大将の公平に目をつけられるが、取っ組み合いのケンカをするうちに意気投合、たちまち親友になっていく。そんな2人は、父親をUFOにさらわれたと言う少女ヒハルと出会う。一方、亮介の父親は、村に持ち上がった空港建設計画の責任者として反空港運動を繰り広げる村人たちに強引な買収工作を仕掛けるが、それがかえって火に油を注ぐ結果となり・・・。

“ここにも居った20世紀少年。。。”

時代背景はおそらく浦沢直樹の漫画「20世紀少年」と同じく70年代くらいの日本だろうし、UFOと交信しようとするヒハル(大後寿々花)なんてサダキヨじゃん(笑)。ともだちマークみたいな旗も出てきよるし。

ま、それはさておき、オリジナル作品にこだわった姿勢は買いたいが、突拍子のないエピソードを別個に羅列していく構成からは本筋がなかなか見えてこず、少々とまどいながら見ざるをえなかった。

しかし、韓国映画の「トンマッコルへようこそ」に出てくる、ここではないどこかにある子供のように純粋な村を想起させるような雰囲気の空間を作り出すことには成功していたと思うし、観終わった後も映画を見たというよりはむしろ舞台劇を見た感覚に近いものを感じて、なんか不思議な感慨にひたれてしまう作品だった。

あえてストーリー性を無視して、夜空にきらめく星々のごとくエピソードを散りばめることで寓話的な要素を抽出しようとしたのかもしれないが、そういう観点から見れば一応やりたいことはやり切った映画にはなってるんじゃないかな。

まぁ、シナリオにもうちょっとメリハリがあったらもっと良かったんだろうけど、ビミョーなところだね。

そういえば、スチュワーデス役の女優さん、オイラ的にビンゴheart02だったんだけど、どっかで見たような見てないような、、、名前が分からん。。誰か教せーて!

夢のシネマパラダイス141番シアター:ミッション・インポッシブル

ミッション:インポッシブル

Missionimpossible 出演:トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール、ジャン・レノ

監督:ブライアン・デ・パルマ

(1996年・アメリカ・110分)1996/08/10・仙台第1東宝

評価★★★★/75点

内容:極秘スパイ組織IMFのメンバーであるイーサン・ハントたちは、東欧に潜入しているCIA情報員のリストを盗んだアメリカ大使館員と情報の買い手を捕らえる指令を受けた。しかし、作戦はなぜか敵に筒抜けで、メンバーの数人が銃弾に倒れてしまう。辛くも逃れたハントはIMFに内通者がいることを聞かされ、今回の作戦がそれを暴くために仕組まれたものであることを知るのだが、、、。

“「クレアの味を知っているからねぇ・・・」このエロ親父!”

ジョン・ヴォイトのイヤらしい目が脳裏から離れない。。セクハラ親父でっせどう見ても。

しかもエマニュアル・べアールに手を出すなんて。うう・・考えただけでも・・・。ていうか妄想すんなオレ・・。

マックスばあさんの方がお似合いだろうがよ。。

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M:I-2(2000年・アメリカ・124分)DVD

 監督:ジョン・ウー

 出演:トム・クルーズ、ダグレー・スコット、サンディ・ニュートン、ビング・レイムス

 内容:休暇を楽しむイーサン・ハントにまたもや指令が下る。それは、ロシアの医学博士が開発した、感染後約30時間で人間の赤血球を破壊する殺人ウイルスの行方を探し出せというものだった・・・。

評価★★★☆/70点

“あまりにもジョン・ウーの独特な映像美が強すぎて、映画のもつスリルにハラハラドキドキできない。ルーサーに比べたら観てるこちら側のスリル感なんてちっぽけなもんだ。”

ライトバンの中にこもってモニター見ながらイーサン・ハントのバックアップをする男、ルーサー。

イーサンが何を好き勝手しようがモニターを見てただ待つしかない男、ルーサー。

「敵がそこまで来ているーーッ!」「おい、あと19秒しかないぞーーッ!」「10、9、8、7、6、、、急げーーッ!」・・・ただ叫び伝えることしかできない男、ルーサー。

爆弾まで仕掛けられてしまう男、ルーサー。

浮いた話が全くない男、ルーサー。

そのくせ実はけっこうイイ奴、それがルーサー。

心拍数上がりまくりで、強心臓じゃないと耐えられない精神的重労働に文句一つこぼさず務める男、ルーサー。

Part3にも出てほしい男、ルーサー。

はたしてPart3まで心臓もつのかな・・・。

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M:i:Ⅲ

061117_mi3_dvd 出演:トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィング・レイムス、マギー・Q、ローレンス・フィッシュバーン

監督:J・J・エイブラムス

(2006年・アメリカ・126分)2006/08/03・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:看護士ジュリアとの結婚を控えるイーサン・ハントは、一線を退いて教官としてスパイの育成に務めていた。そんなある日、イーサンのもとに新たなミッションが届く。教え子である女性エージェントのリンジーがベルリン潜入中に、闇ブローカーのオーウェン・デイヴィアンの組織に拘束されてしまったのだ。さっそくイーサンは、同僚とともに救出へ向かうのだが・・・。

“ヤル気満々ハイテンションフルスロットルで疾走するトム・クルーズにジャッキーの幻影を見た!”

上海の裏町をラン・ローラ・ランも真っ青の全力疾走、ビルからビルへスパイダーマンも真っ青の大ジャンプからカリオストロのルパンも真っ青のビルの壁面直滑降。

ここだけ聞けばジャッキー・チェンの映画としか言いようがないのだけど、開けてびっくり見てびっくり、ヤル気満々のトム・クルーズが必死の形相で世界を股に息もつかせぬ熱血体当たり演技を120分にわたって繰り広げる本気度120%のサスペンスアクションになっていたのだ。

断じてこれはスパイ映画とは呼べないシロモノだが(笑)、しかしミッション・インポッシブルシリーズでは1番出来の良い作品だといえよう。

1作目の裏切りサスペンスネタをより洗練させ、2作目の「24」ばりのタイムリミットネタとハードアクションをよりスピーディかつ派手にしたことで、前2作がそれぞれシンプルかつバージョンアップした上でうまく融合された形となった。

また、“ラビットフット”と呼ばれる世界を破滅に導く武器名としか分からないシロモノが、いわゆるマクガフィンとして映画のサスペンスと緊張を持続させる道具として効果的に用いられている。

結局最後までラビットフットとは何だったのか詳しく明かされることはなかったが、そのことが全く気にならないほど映画としての完成度は高い。これほどマクガフィンがうまく活かされている映画というのは近年では稀ではないだろうか。

J・J・エイブラムスの確かな手腕を見出せる作品だった。

しかし、、、イーサンの奥さんのド素人とは思えない銃さばき・・・まさか奥さんもどっかの秘密組織に(笑)!?

2008年11月 2日 (日)

夢のシネマパラダイス545番シアター:光が消える、、あなたを感じる

タイヨウのうた

Taiyonouta 出演:YUI、塚本高史、麻木久仁子、岸谷五朗

監督:小泉徳宏

(2006年・松竹・119分)2006/06/26・仙台フォーラム

評価★★★★/75点

内容:海辺の街に暮らす16歳の少女、雨音薫は、太陽の光に当たれないXP(色素性乾皮症)という難病のため、昼間は外に出られない。しかし彼女は、夜に駅前でギターの路上ライブをするのを日課としながら日々を明るく生きていた。そんなある日、彼女は初めての恋をした・・・。

“YUI=雨音薫という奇跡”

いい加減ウンザリしてきた難病もの、なおかつシンガーソングライターを主演に起用ということで、これはYUIのPVになっちゃうのかぁ!?と高をくくっていたが、フタを開けてみたらそれは全くの杞憂に終わった。

難病ものにありがちな安易なお涙頂戴を狙った演出とは一線を画しており、なにより主人公・雨音薫の生きることに対する真摯かつ前向きな姿勢に共感と好感が持てることが大きい。

そしてなんといってもYUIの存在感だろう。

彼女の拙くも懸命な演技が、窓ガラスからしか太陽の出ている外界を感じ取ることができない薫の人物造型をかえって浮き立たせていてプラスに作用しているし、なおかつ歌の世界に入り込んだときの生きることへの情熱だとか哀しみといった感情の発露を身体全体のエネルギーで表現しきってしまうYUIの圧倒的存在感が、そのまま雨音薫へと完璧に投影されていて、YUI=雨音薫という図式に観る側が何のためらいもなく入り込んでいけることも大きく、そういう意味ではありきたりな言葉になってしまうけども、奇跡のような作品になっていると思う。

“生きることは書くこと”とは作家・柳美里の代名詞的なフレーズだが、“生きることは歌うこと”というフレーズこそYUI=雨音薫にあてはまるのではなかろうか。

その点でいえば、ラストの方のセリフで父親に対し、「死ぬまで生きるって決めた!」と薫に言わせしめたのはこの映画にとって非常に大きい意味のあることで。

“死にたくない”とか“死ぬのはイヤ”ではなくて、“死ぬまで生きる”。

この両者の違いは本当に大きいと思うし、生きることに前向きな言葉を薫に言わせたことでこの映画の色は決定付けられたといっていいと思う。

今までややクセのあった塚本高史も真っ直ぐな好青年役をさわやかに演じているし、期待以上の佳品になっていたと思う。

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大停電の夜に

Daiteiden 出演:豊川悦司、田口トモロヲ、原田知世、吉川晃司、寺島しのぶ、井川遥

監督:源孝志

(2005年・日本・132分)WOWOW

評価★★★/60点

内容:クリスマス・イブの夜を迎えたばかりの東京の街が、首都圏を襲った大停電により暗闇に包まれた。かつての恋を待ち続けるジャズ・バーのマスターと向かいのキャンドル・ショップの女のコ。妻と愛人の間で揺れる会社員。秘めた想いに迷っていた老夫人。エレベーターに閉じ込められた中国人のベルボーイとOL。病院の屋上にたたずむ少女、、、12人の男女の秘めた想いが、静かに動き出す・・・。

“大停電とかけて、映画の出来と解く。そのココロは・・・”

パッとしない。。ウガ×ッ・・・。

人工照明の機能的な明かりではなくキャンドルの光と星空に包まれたほんわかな映像は良かったけど、12人の男女が織り成す群像劇としては人物それぞれに力がないというか、素直すぎるんだよね人物像がみんな。

だからこの映画で重要な要素を占める会話劇にも味がないというか、表面的なちょっとイイ話というところで立ち止まっちゃってる気がする。

例えば、「ラブ・アクチュアリー」なんかと決定的に異なるのはユーモアセンスの有無だと思うのだけど、それが人物像にどう関わってくるのかといえば、その人物の見た目からだけでは分からない内面に抱える触れられたくない変な欠点や、普通の人間の型枠からはみ出している部分、またネガティブな側面だったりをさらけ出す、つまり端的にいえばその人物をカッコ悪く描けるかどうかだと思うんだよね。

それが結局、人物像にユーモアと親しみやすさを付加させることにつながるわけで、そのキャラクターがどんどん膨らんできて最終的にはそれがカッコ良く見えちゃうんだわ。

だから今回の映画の人物像のように、キレイキレイしてるだけじゃ全然深みも広がりもなくて上っ面だけのものにしか見えないってこと。そこがスゴイ残念な映画だったなぁ。

と、この監督、黒木瞳&岡田准一の「東京タワー」の監督さんだと知ってものすごく合点がいった。この映画も映像だけだったもん良かったのって・・・。

夢のシネマパラダイス544番シアター:アフリカ、灼熱の愛

イングリッシュ・ペイシェント

Exntlucpl 出演:レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォー、クリスティン・スコット=トーマス

監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ

(1996年・アメリカ・162分)仙台フォーラム

評価★★★★☆/85点

内容:1944年のイタリア。飛行機事故で全身にやけどを負い、生死の境をさまよう男アルマシーを、戦争で恋人も親友もなくした従軍看護婦のハナが、荒れ果てた修道院で献身的な看護を続ける。そして男は断片的によみがえる思い出をハナに聞かせる。消えゆく意識の中で男の脳裏に浮かぶのは、最愛の人キャサリンとのアフリカの砂漠での燃えるような恋の思い出だった・・・。アカデミー作品賞、監督賞など9部門を受賞。

“映画に酔う、至福の時”

今まで映画を数多く観てきて、時には感動し、時には涙を流し、時には腹を抱えて笑い、時には胸が躍るような興奮を味わい、時には納得のいく答えを求めて思考の迷路を彷徨い、時には記憶に焼き付けられるようなショックを受け、、、と様々に心を揺り動かされてきたのだが、“映画に酔う”という体験をしたのはこの映画が唯一無二かもしれない。

喉の渇きをかき立てるとともにロマンをもかき立ててくれる古から変わることのない北アフリカの乾いた大地の壮大なスケール感。

その中で渇きを満たすかのように繰り広げられる情熱の不倫ラブ・ロマンスという危険で甘い香りが、サハラの赤茶けた砂の中にしっとりと染み込んでゆく。

そして、水分を多分に含んだ筆が紙の上を滑らかな筆致で進むように、やがてスクリーンは豊潤な映画のイメージで包まれ、その濃密な浸透力は映画を観る我々の肌にもヒタヒタと押し寄せてくるかのように染み込んでいく。

映画に酔うというのはこういうことなのか・・・。

現在と過去が錯綜する時間軸、北アフリカとイタリア・トスカーナという2つの空間軸が絡み合い、時間の感覚が麻痺してとろけてしまうようなゆったりとした雰囲気を味わうことができる。160分弱という長尺も全く気になることがないままあっという間に時間は過ぎていった。

あと1時間だろうが2時間だろうが見続けていられるような、映画の世界にずっと身を委ねていたい、そんな気分にさせてくれる魅力的な映画だったと思う。

インド人のイギリス中尉キップがジュリエット・ビノシュ扮する従軍看護婦ハナをロープで吊り上げて浮遊させ、松明だけの明かりで壁画を見せるシーンは珠玉でした。

これぞ映画だ!というシーンが目白押しで往年のハリウッド映画を思い起こさせるような気品に満ちあふれた映画です。必見。

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ナイロビの蜂

Hachi 出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ユベール・クンデ、ダニー・ヒューストン、ビル・ナイ

監督:フェルナンド・メイレレス

(2005年・イギリス・128分)2006/05/19・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:ケニアのナイロビ。英国外交官のジャスティンは、アフリカで精力的に救援活動を続ける妻テッサとすれ違いの日々が続いていた。が、そんなある日、テッサが何者かに殺害されてしまう。事件に不審なものを感じたジャスティンは、自ら調査に乗り出すことに。やがて、事件には製薬会社と治験を請け負った会社、そして英国政府との間に国際的陰謀が絡んでいることを突き止める・・・。

“「イングリッシュ・ペイシェント」と比べれば、、、この点数。。”

巷では非常に高評価の本作品だが、個人的にはどうしてもレイフ・ファインズとアフリカでいうと、「イングリッシュ・ペイシェント」を思い浮かべてしまって。

情感と情緒が肌に染み込むような、ときに幻想的なアンソニー・ミンゲラの映像美と狂おしいほどの愛憎劇に圧倒されたクチのオイラは、どうしてもかの作品と見比べちゃうんだよねぇ・・・。

いや、悪くはないんだけどね全然。つくりとしては穴のない確かな手応えのある作品だし。「イングリッシュ・ペイシェント」と比べるとってだけの話で。

「イングリッシュ~」のロケ地はチュニジアということで、北アフリカ地中海世界に組み込まれることもあって、どこかロマンをかき立てられる印象をもってしまうのだが、本作は東アフリカのケニアをロケーションとしており、熱気や厳しい渇きといった、これぞ本場アフリカの空気をドキュメンタリータッチで力強く描写していく手法をとっている。

ハンディカメラを主に使っているのもフェルナンド・メイレレス監督の特徴だが、夫婦の愛情を、厳しい大自然を、そして悲惨な社会の現実とその裏でほくそ笑みながらうごめく“親切な”人々を赤裸々に容赦なく焼き付けていく。

「シティ・オブ・ゴッド」で見せた社会派エンターテイメントの極致ともいうべきメイレレスの才能に対する期待が確信に変わったといっても過言ではない新感覚の演出力には思わず驚嘆してしまうほどだ。

“庭”を軽々と越えて外の世界へ積極的に出ていくパッションのおもむくままに行動する妻テッサの姿を、自分の“庭”から出ることはしない堅実な夫ジャスティンは、窓ガラス越しにただ見つめるだけ。

しかし、妻の死を起点として、ジャスティンは恐る恐る“庭”から足を踏み出しテッサの見た世界を懸命になぞっていこうとする。

その道程で彼の眼前に突きつけられる人間たちのおぞましい欲望と陰謀の真相、と同時に妻テッサの言葉では言い表せない愛の深層に触れていく。

まるで歌舞伎や文楽で演じられる死の道行きのごとき旅路の果てにジャスティンがたどり着いたトゥルカナ湖の湖畔。彼岸の岸辺にたたずむジャスティンの横にはすでにテッサがあどけない笑顔で座っている。

まさにジャスティンのたどった道程は、此岸から彼岸に渡るための死に場所を求めての旅だったのだ。

それをこんな社会派の作品で描ききっちゃうフェルナンド・メイレレスの手腕にただただ脱帽。

自分でも制御できないほどの行動力と情熱を持ち合わせるテッサを演じたレイチェル・ワイズはもちろんだが、それとは正反対に変に慎み深く穏やかなジャスティンの、妻への疑念に揺れる心と真実をつかみ取った確かな表情をしっかり演じ分けたレイフ・ファインズの方が印象に残ったかも。

といいつつ、この点数・・・。

いや、何度も言うようだけど、「イングリッシュ・ペイシェント」と比べればってだけの話で。。ハイ。

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