夢のシネマパラダイス531番シアター:シン・シティ
シン・シティ
出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ジェシカ・アルバ、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ジョシュ・ハートネット
監督:フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス/クエンティン・タランティーノ
(2005年・アメリカ・124分)2005/10/09・MOVIX仙台
評価★★★★/80点
内容:誰も近づこうとしないくらい醜い容姿を気にもせずに一夜の愛をくれた高級娼婦が何者かに殺され、復讐に立ち上がるマーヴ(ミッキー・ローク)。罪から逃れるため過去を捨ててシン・シティに身を潜めるも、昔の恋人が仕切る娼婦街で働く女たちを守るために命を張る男ドワイト(クライヴ・オーウェン)。かつて街の実力者の息子の魔の手から少女ナンシー(ジェシカ・アルバ)を救い出すために、罪をかぶって8年間投獄されていた老刑事ハーティガン(B・ウィリス)・・・。罪の街=シン・シティで繰り広げられる3人の男たちの愛と復讐を描いたクライム・アクション。
“設定なんてどうでもいいようなアケスケでこれ見よがしの茶番劇とデジタルの雨の絶妙な融合!”
毛穴という毛穴からどぎつい血潮とベタついた脂がドボドボと溢れ出てきて、あちらこちらにまき散らす、そんな熱情B級アナログおバカ一直線で突き進んできたロバート・ロドリゲス。
そんなロドリゲスが「スパイキッズ」というファミリー向けお子ちゃま映画を、しかも3作シリーズで作ってしまった(3作目なんて3Dメガネまでかけさせてしまうねんで)ことにド肝を抜かれ、ロドリゲスは一体この先どこに向かっていくのかと気をもんでいた矢先・・・
トンでもない所に来ちまいやがった。
基本設定なんてどうだっていいアケスケでこれ見よがしの茶番劇とデジタルの雨が絶妙にシンクロし、ロドリゲス&タランティーノコンビのどぎつく熱いエキスがモノクロの描線と完璧な化学反応を起こしている。
ピンポイントで取り込まれる映画的な原色効果もすこぶる良く、固まった溶岩のごとく表面的には重くて暗いが、その中では真っ赤に燃えたドロドロとしたマグマが煮えたぎっているのだ。不器用で孤独な男の熱き戦いと見事にマッチングしている。
さらに、ページをめくる手が止まらないというのはこのことで、マンガ本をパラパラと人よりも早くめくるようなロドリゲスお得意のスピーディさが、流れるデジタルと流れるバイオレンスを加速させている。
怪作です。
押井守の「アヴァロン」なんかよりよっぽど面白かったし良かったと思う。
それにしても、ロドリゲスがつくった映画スタジオの名前がトラブルメイカー・スタジオってのもバカ趣味炸裂でイイ。オープニングでドドーンと出てきたこのスタジオ名が映画と合ってるんだよね。
スパークしちまった。こりゃまたシリーズ化かな。
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