夢のシネマパラダイス323番シアター:遙かなる山の呼び声
出演:高倉健、倍賞千恵子、ハナ肇、武田鉄矢、鈴木瑞穂、吉岡秀隆
監督・脚本:山田洋次
(1980年・松竹・124分)NHK-BS
評価★★★★★/90点
内容:北海道の酪農の町・中標津で、女手ひとつで息子を育てながら牧場を営んでいる未亡人の民子は、ある春の夜、道に迷ったと訪ねてきた田島という男を納屋に泊める。彼は夜中に突然始まった牛のお産を手伝って、翌朝どこかへ行ってしまう。夏になり、田島はまた牧場を訪ねてきて、民子を手伝い働くようになったが・・・。北海道の四季を背景に、罪を犯して逃亡中の男と、牧場の未亡人と小学生の息子の心の交流を描いた感動ドラマ。
“幸せの涙色のハンカチ”
山田洋次の手法は分かりきってるくらい単純極まりないのにダメなんだ、、、ドツボにハマって抜け出せなくなっちゃうんだよ。
なんだろ、野球に例えれば、山田洋次という人は華のある表舞台を陰でしっかり支える裏方さんなんだよね。選手たちが練習でフリーバッティングするときにピッチャーの役を務めるバッティングピッチャー。
選手がここに投げてもらいたいというコースに寸分の狂いもなく投げてあげられる。よほどの制球力がなければ務まらないお仕事。しかも、一日に何百球という球数を投げつづけなければならない持久力と体力のいる大変な役目を務めるお仕事。
山田洋次はそれを完璧にこなし、70km/hのボールを毎回投げ込んできてくれるのだ。
そう、70km/h。各駅停車の鈍行とか単線じゃないとダメなの。ましてや福岡から飛行機でひとっ飛びに北海道に来るなんて考えられないから。車で来た武田鉄矢は正解!
そんな山田洋次がオイラはやはり好きなのです。
なに?毎回同じ球しか投げてこないから面白くないって?
うーん、それはあなたがよほどの天才的な大打者か、よほどの大根役者かどっちかだね。。
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息子(1991年・松竹・121分)NHK-BS
監督・脚本:山田洋次
出演:三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、原田美枝子
内容:東京でアルバイトをしながら一人暮らしをしている浅野哲夫は、母の一周忌で故郷の岩手に帰った。父の昭男と久しぶりに言葉を交わした哲夫は、東京に戻ってから下町の鉄工場で働くようになる。ある日、取引先の倉庫で事務をしている征子という娘と出会った哲夫は、彼女に恋をして気持ちを打ち明けた。ところが彼女が聴覚障害者であることが分かり・・・。
評価★★★★/80点
“いつまでも親は子供に手をかけたいものなのだね。”
「東京物語」から38年後の物語。
昔の街並みはマンションにとってかわり、鈍行も新幹線へと姿を変えた。
それでも家族と郷愁に思いを馳せる老人の姿は変わらない。
90年代における家族の姿と幻のごとくつかの間に浮かび上がってくるかつての家族の姿を、取り残されていく昭男(三國連太郎)の目を通して希望と無常感をもってシンクロさせていく。
それはある意味残酷なシンクロでもあるのだが、日本の現在の社会状況を見事に見据えていたのもたしかだろう。
単なる小津映画の継承として終わらせない力がやはり山田洋次にはあるのだと思う。
「幸せだ・・・。」とつぶやく昭男の姿と、しんしんと降り積もる白い雪が印象的だった。
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