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2008年10月31日 (金)

夢のシネマパラダイス124番シアター:JSA

Jsa01 出演:イ・ビョンホン、ソン・ガンホ、イ・ヨンエ、キム・テウ、シン・ハギュン

監督・脚本:パク・チャヌク

(2000年・韓国・110分)DVD

評価★★★★☆/85点

内容:北緯38度線、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある共同警備区域=JSAで発砲事件が発生。中立国から派遣された女性将校が捜査にあたるが、北と南の兵士の意見は食い違い、やがて驚くべき真実が浮かび上がる・・・。南北分断の悲劇を描き、韓国で「シュリ」以上のヒットを記録したサスペンスドラマ。

“エンターテイメントとして描くにはあまりにも厳しすぎる50年の現実。”

いや、日本の植民地支配時代も含めれば100年以上か・・・。

決してハッピーエンドで終わらせることができないという作り手側の意志はそのまま現在の朝鮮半島の現実とも重なる。

イ・スヒョクの自殺というやり切れないラスト、これはイ・スヒョクの内面を考察してどうこうするというよりも、完全に作り手側の意志が介入したものとみるのが妥当である。

映画、そしてエンターテイメントというある意味逃避の世界と現実世界の折り合いという点であのようなラストを作り手側が選択せざるを得なかったということをこそ考察しなければならないのだと思う。

ジャッキー・チェンの映画に出てきそうなベタベタのスイス人だかスウェーデン人のボッタ将軍が1つだけいいことを言っている。

「調べるのは犯人ではなく、原因だ。重要なのは結果ではなく過程だ。」

全くその通りだと思う。

今のアメリカにこそ言ってやりたい言葉だが、なぜ同一民族で構成されている朝鮮半島が今のような状態になってしまったのか。。。

まったく救いようのないバカげた大国の論理で分断され、後始末もできなくなり、放置プレイとでもいうべき勝手気ままさで操作管理されて・・・。

50年も経てばそういうことさえ薄まり、過去のこととなり、北と南という既成事実だけが厳然として存在する、、、特に自分みたいな1980年代近くに生まれた日本人にとってはまさにそうだ。

考えてみりゃ戦争という惨禍の下で分断という悲劇を奇跡的に味わわなかったのは日本くらいのものだろう。冷戦の前哨戦としてドイツ、朝鮮半島、冷戦体制の中でのベトナム。

すべて大国の論理の下で分断され、果ては戦争へと同一民族が突っ走っていったのだ。

日本は非常に稀なケースといえるだろう。

アメリカは日本を占領統治するにあたって旧ソ連を締め出すことに成功し、アメリカただ1カ国による占領体制がとられた。悪く言えばただそれだけの理由で日本は分断を免れることができたといえる。逆に言えばただそれだけの違いでさらなる悲劇が生まれてしまう・・・。

大国の思惑と論理という置き土産だけを残していき、その土地の人々は放っておく。現在のイスラエル・パレスチナ問題も完全にそうなのだけど、自分たちの蒔いた種がもはや収拾のつかないところまで行き着いてしまうということが繰り返される歴史事実を見るにつけ、この映画のラストは強烈なカウンターパンチともいえるし、なおかつ北と南という大きすぎる既成事実を解消することのあまりにも絶望的な現実の象徴ともいえるのではないか。

悲劇的なラストでしか終わりようのないことにこそ、この映画にこめられた真のメッセージがあるのではないだろうか。

とはいえ、よくエンターテイメントとしても観れる作品に仕上げたものだと思う。感心してしまう。

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タイフーン

835e83c83t815b8393_2 出演:チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ、イ・ミヨン

監督・脚本:クァク・キョンテク

(2005年・韓国・124分)DVD

評価★★/40点

内容:米軍の秘密兵器を密かに輸送中の貨物船が、台湾沖でシン率いる海賊団に襲撃され、積荷を強奪されてしまう。アメリカが介入に及び腰になる中、韓国政府は元米国海軍将校カン・セジョンにシンの追跡を命じる。さっそく調査を開始したセジョンは、シンが20年前、韓国に亡命を拒否された脱北者であることを突き止める・・・。

“自作自演の香港映画でも見せられているような安っぽさは最後までぬぐえず・・・。”

つーか、あの台風、日本も通るやんけ・・・(笑)。

しかし、南北分断という悲劇を終わらせることは絶望的な問題なのだ、というスタンスともとれる重くのしかかってくるような現実感覚は、「JSA」を見てもそうだったのだけど、平和平和な日本人の想像の域を絶しているんだろうな、と思ってしまう。

反北朝鮮感情や危機感をいたずらに煽るような報道が占めている中、なぜ南北分断という現在のような状況になってしまったのか、それをまず我々もしっかり知ることが大事なのではないだろうか。

日本も過去においてその一要因に加担していたはずなのだから・・・。

それを知ることからしないと、この問題は解決できないだろうと思う。韓国と北朝鮮だけの問題ではないのだということを理解しないと、そして知るということをしないと。。

レアル・マドリー狂想曲第49番:デラレッドを襲った悲劇・・・!?

週末のリーガでビルバオ相手に3-2でヒヤヒヤもんの勝利を挙げて、ミッドウィークのコパデルレイ(国王杯)に臨んだ我が愛しのレアル・マドリー。

対戦相手は2部リーグB(実質3部)の古豪レアル・ウニオンとのアウェイ戦。

今日の布陣は、

                 サビオラ

   ドレンテ                       イグアイン

           グティ         デラレ

                 ディアッラ

 マルセロ                            サルガド

           エインセ      メッツェルダー

                 デュデク

ラウルやカシージャス、Sラモス、カンナ、ロッベンなど主力はお休みで、まぁ1.5軍といったところか。

要は相手からすると、なんてことはない試合になるはずだったんだけど、、、何かを感じたのかオイラは試合が始まる朝5:00(現地時間21:00)にムックリと起き上がって、ネット観戦。

そして、、それは突然起こった・・・。

Photo ←前半10分過ぎ、相手ゴールキックの時にペナルティエリアまで走りこんでいたデラレが普通に戻ろうとした瞬間、、、突然パタッと前から倒れてしまったのだ・・・。写真を見れば分かるように、完全に瞳孔が開いた状態。

これ見て真っ先に昨シーズン、セビージャの左ラテラルとして売り出していた22歳のプエルタの死(ピッチ上で突然倒れて、意識を一度は取り戻したものの、その後亡くなった)を思い出して、マジに不安になってしまいました。

が、ピッチ上でなんとか意識を取り戻したデラレは担架で運ばれて病院に直行。心臓疾患か何かなのか・・・。

一応、メディカルコメントとしては、低血圧が原因だとか発表されているようだけど、マドリードに戻ってからより精密な検査を行うようだ。選手生命に関わる疾患じゃなければいいけど、あの倒れ方と失神は尋常じゃなかったからなぁ・・。心配です。

さて、試合の方は、実質3部チームに2-3の負け、、、っておいおい!いくら、アウェイだとはいえ、ヒドイぞこれは。

特に守備・・・。守る気あんのかお前ら、、、というくらいヒドかった。メッツェルダーもなんとかならんもんかなぁ、ただ図体デカイだけやん。。

しかし、今シーズンのレアルは、昨季がウソのように失点が多い・・。                  

2008年10月26日 (日)

夢のシネマパラダイス416番シアター:そこに足を踏み入れてはいけない・・・

サイレントヒル

Silent_hill_ver6_2 出演:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー

監督:クリストフ・ガンズ

(2006年・アメリカ・126分)盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:ローズとクリストファー夫妻には、9歳の養女シャロンがいるが、しばしば夢遊病で行方不明になることがあった。そして見つかると決まってシャロンは「サイレントヒル」とつぶやくのだった。彼女を救う手掛かりを探すローズは、やがてウエストヴァージニアにサイレントヒルという街が実在することを突き止める。そこは、30年前に大火災に見舞われ、今ではゴーストタウンと化している所だった。ローズはシャロンを車に乗せてその街を目指すが、途中で事故に遭い、ローズは気を失ってしまう。そして彼女が意識を取り戻したとき、そこにシャロンの姿はなかった。ローズはシャロンの後を追って、サイレントヒルへ彷徨い込んでいくが・・・。コナミの人気ゲームの映画化。

“ここは地獄の一丁目・・・”

TVゲームの方をやったことがないので、どれくらい忠実に再現しているのかは分からないが、それをぬきにしたってこの映画は一個の独立したホラー映画として十分すぎるほどの出色の出来栄えだと思う。

特に映像面が醸し出すゴーストタウン・サイレントヒルの雰囲気と世界観には脱帽するしかない。

暗がりの明暗分けがたい微妙な色味の肌ざわりというものを非常にリアルかつ生々しく映像で再現していて、暗部を光と闇でこれほど巧く映像化した作品というのも稀有な例だと思う。

そして、知らず知らずのうちに魅き込まれてしまう美しさと、その裏に潜む世にもおぞましい闇と腐臭の世界の慟哭のスパイラルに、まるで醒めない悪夢でも見ているような錯覚に陥ってしまった。

ロビン・ウィリアムズが主演した「奇蹟の輝き」(1998)で絵画的なヴィジュアルとして地獄の世界が再現されていたが、今回のサイレントヒルの耳につんざくサイレンとともに圧倒的な描写力で迫り来る決して抜け出すことのできない暗黒パラレルワールドにこそ、終わることのない底なしの世界である無間地獄を強くイメージさせられてしまった。

終盤になるにつれ、B級テイストが強くなっていくのはご愛嬌としても、重苦しくてやり切れない余韻をもって締めるラストのまとめ方には、思わず唸らされてしまったし、この映画が何か心に不気味に引っ掛かったまま終わったのもホラー映画としてうまいと思う。

超人ミラジョヴォがバッサバッサとゾンビをハッ倒していく「バイオハザード」よりも、非力で華奢な肉体改造などしていない普通の女性が逃げ惑うという今回の作品の方が断然面白いのもたしかだろう。

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悪魔の棲む家(2005年・アメリカ・90分)WOWOW

 監督:アンドリュー・ダグラス

 出演:ライアン・レイノルズ、メリッサ・ジョージ、ジェシー・ジェームズ、ジミー・ベネット

 内容:ロングアイランド・アミティビルのとある大邸宅を破格の値段で購入したジョージとキャシーのラッツ夫妻。実は1年前、ここに住んでいた一家がそこの長男によって惨殺される事件が起きていたのだが、ジョージは不安に思いつつも購入を決意したのだった。夢だった自分たちの家をようやく手にし、さっそく子供たちと共にこの家へと引っ越してくる一家。しかし、娘のチェルシーが姿の見えない何かと会話を始めたりと、一家は次々と不気味な現象に遭遇していく・・・。1979年製作版のリメイク。

評価★★☆/50点

“人間の棲む家”

お化けが天井に引っ付いてたり、湯船から手が何本も出てきたり、ドアが勝手に閉まったりといった霊現象や超常現象よりも、オヤジが薪割りの時に子供に薪を両手で支えさせて斧を振り下ろすシーンが1番ゾッとする。

昨今次から次へと世間を震え上がらせる凄惨な殺人事件や虐待事件を目の当たりにすると、魑魅魍魎が跋扈する世界というのは、そっくりそのまま人間が棲む世界と言いかえることができそうだ。

お化けさえも縮み上がるモンスター、人間。

そういう意味では、追いつめられていく家族の心理描写をじっくりと描いてもらいたかったが、それをこの手のアメリカン・ホラーに求めるのは酷なので、それならばオヤジにさっさと豹変してもらって母子を追っかけ回してほしかった気もする・・・。

音楽とホラー映像の派手さで恐がらせるのはいつもながらの常套手段だが、この手の映画では及第点はあげてもいいのでは。といっても50点だけどね(笑)。。

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ローズマリーの赤ちゃん(1968年・アメリカ・137分)NHK-BS

 監督・脚本:ロマン・ポランスキー

 出演:ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス、モーリス・エヴァンス、ルース・ゴードン

 内容:悪魔主義者の儀式によって、知らないうちに悪魔の子を宿してしまった若妻の恐怖を描き、オカルト映画ブームのはしりとなった作品。売れない俳優のガイと妻のローズマリーは、マンハッタンの古いアパートに引っ越してきた。ある日、隣人のおせっかいな老夫婦の養女が、アパートの窓から飛び降り自殺した。翌日、老夫婦は娘が身に着けていたペンダントをローズマリーにプレゼントする。やがて妊娠した彼女は、喜びもつかの間、夜ごと悪夢を見るようになった・・・。

評価★★★☆/70点

悪魔そのものではなく、あくまでも日常を描く中でその中に潜む悪魔「のようなもの」として描いたところが現実感を醸し出していて、怖さが切迫感をもって迫ってくる。

男の自分には分からない、どちらかといえば女性にしか分からない怖さというのがふんだんに盛り込まれていると思うのだけど、それを抜きにしてもやはりこの得体の知れない怖さは生理的にかなりイヤだ。

ちなみにジョン・レノンが住んでいたNYのダコタハウスで撮影されてるんだねぇ、やっぱ呪いなのか・・!?

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箪笥―たんす―(2003年・韓国・115分)WOWOW

 監督・脚本:キム・ジウン

 出演:イム・スジョン、ムン・グニョン、ヨム・ジョンア、キム・ガブス

 内容:長期入院から自宅に戻ってきた姉妹。二人は、怪しげな継母、悪夢、そして怪現象に神経をすり減らす。やがて、すべての原因は妹の部屋の箪笥にあることが判明するのだが・・・。

評価★★☆/50点

“サツキとメイ、継母に襲われる!?の巻”

やっぱサツキとメイのオカンは病気で亡くなっていたのね!あな恐ろしやぁ~(笑)。。

しかしこの箪笥、映画としての引き出しをやたらめったら開け閉めしちゃって、もっとちゃんと整理してください!いや、だからそっちの生理じゃなくてさ・・w

んもぉ~結局、真っ黒クロスケも出るタイミングを逃がしてしまったじゃんかよっ。おいおい。。

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アナコンダ(1997年・アメリカ・89分)WOWOW

 監督:ルイス・ロッサ

 出演:ジョン・ボイト、ジェニファー・ロペス、アイス・キューブ、エリック・ストルツ

 内容:アマゾンへやって来た撮影隊が、体長14mの巨大ヘビ、アナコンダを生け捕ろうとする男の罠にはまるが、肝心のその男もヘビの罠にハマってしまうというトンだ一品・・。

評価★★★/60点

ジョン・ボイトの強烈でイヤらしい目つきの方が、アナコンダの毒牙より勝る!やっぱトンだ一品。。

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シャイニング

E382b7e383a3e382a4e3838be383b3e382b 出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュバル、ダニー・ロイド

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1980年・イギリス・119分)NHK-BS

 

内容:コロラド・ロッキーの大ホテル。小説家のジャックは冬季の留守管理を請け負い、妻と息子ダニーを連れてやって来る。しかし、そのホテルではかつて管理人が家族を惨殺し、自分も自殺するという事件が起こっていた。最初は気にも留めていなかったジャックだったが、やがて不気味な出来事が起こり始め、彼自身が殺人鬼と化していく・・・。スティーブン・キングの同名小説を、鬼才キューブリックが映像化したホラー。

評価★★★☆/70点

“6畳一間の部屋に住んでいる自分が、あんなだだっ広いホテルでいきなり暮らしたら、、気が狂う自信が大いにあります!”

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ホーンテッド・マンション(2003年・アメリカ・98分)WOWOW

 監督:ロブ・ミンコフ

 出演:エディ・マーフィ、ジェニファー・ティリー、テレンス・スタンプ、ナサニエル・パーカー

 内容:人里離れた高級住宅街にある呪われた幽霊屋敷に足を踏み入れてしまった一家に襲いかかる999匹のゴースト!といってもディズニーランドの人気アトラクションを映画化しただけあって、半分以上コメディです・・・。

評価★★/40点

やっぱ体験しないとダメよこれは。

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ホーンティング(1999年・アメリカ・107分)WOWOW

 監督:ヤン・デ・ボン

 出演:リーアム・ニーソン、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、オーウェン・ウィルソン、リリ・テイラー

 内容:人間の恐怖を研究するマロー教授は、何も知らされていない被験者3人をいわくつきの幽霊屋敷に連れて来るが・・・。

評価★★/40点

“キャサリン・ゼタ・ジョーンズが痩せているのが1番のホラーだ。。。”

夢のシネマパラダイス537番シアター:GOAL!ゴール!

20060516_62937 出演:クノ・ベッカー、スティーヴン・ディレイン、アンナ・フリエル、アレッサンドロ・ニヴォラ

監督:ダニー・キャノン

(2005年・米/英・118分)2006/06/06・盛岡フォーラム

内容:メキシコの貧しい家庭に生まれた少年サンティアゴ・ムネス。家族と共にロサンゼルスへ移住した彼は、サッカー選手になることを夢見て、草サッカーをしながら働いていた。やがて20歳になったサンティは、イングランド・プレミアリーグのニューカッスルのスカウトの目に留まり、単身英国へと渡る。が、夢にあふれるサンティをリザーブリーグでの苦闘の日々が待ち受けていた・・・。

評価★★★★/75点

ロビーニョのぺダラーダを織り交ぜた軽快なフットワークのごとくトントン拍子で話が進んでいくのは少々安っぽさを禁じえないが、純粋にこの手のサッカー選手サクセスストーリーが今までなかったことを考えると、期待を裏切らない内容で、サッカー好きとしては十分楽しめる映画に仕上がっている。

ここ最近泣かず飛ばず状態のニューカッスルだけに、優勝争いではなく、チャンピオンズリーグ(CL)出場権争い(プレミアリーグでは4位以内に入れば次シーズンのCLに出場できる)という現実的に最大限背伸びできるところでお話を作ったのはリアルがあって良し。

要するにリーグ最終節でリバプールと4位の座を賭けて戦ったわけやな。現実問題4位と5位とでは雲泥の差があるからねぇ。CLに出れるか出られないかはホントでかいっスよ。

それはさておき、ニューカッスルの選手たちも“レジェンド”シアラーをはじめとしてジャーメイン・ジェナスやキーロン・ダイアーなど錚々たるメンバーが出てきましたな。

その中でも1番興奮・感動したシーンは、リザーブチームにいたサンティアゴが、トップチームの練習に呼ばれたときの場面なんだけど、トップチームに昇格できた喜びとともにトップチームの錚々たる名手たちの中に入っていって一緒に練習することができるという、、、そりゃ興奮しまくりでっせアータ。思わず身震いしちゃったもん。

サッカー好きなら誰もが一度は夢見たことある画がホンモノ感覚十分な映像で眼前で繰り広げられるのだから、もうホントたまらんよね。。

また、ちょっと活躍しただけでハゲワシのごとく狙いをつけてくる低俗な代理人だとか、イングランドフットボールの悪しき慣習である(今はそれほどでもないが)酒浸りと女漬けの放蕩三昧であるとか、この映画の作り手は欧州サッカー界やイングランドフットボールの取り巻く環境や背景などよく分かっていらっしゃる。

何の奇もてらわないシンデレラストーリーではあるけど、そういう背景とか細かいところのリアル感がよくできていて、そういう意味ではしっかりとした作品にはなっていると思う。

ちょっと不満だったのは試合シーンかな。カメラアングルがほとんどアップやズームばっかりで、フツーにTVで見るサッカーの試合とかスカパーで見るプレミアリーグの試合のかんじがほとんど出てなかったのは消化不良だったな。

さあ、PART2は、我が愛しのレアル・マドリーが話の舞台になるっちゃ!

サンティアゴよりもなによりも世界一のメガクラブであるマドリーがどう描かれるのか、という方にマドリディスタのオイラは注目しちゃうんだけど。とにかく楽しみだ。

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ゴール!2(2007年・イギリス・114分)スカパー

 監督:ジャウム・コレット=セラ

 出演:クノ・ベッカー、アレッサンドロ・ニヴォラ、スティーヴン・ディレイン、アンナ・フリエル、レオノラ・バレラ

 内容:ニューカッスルで頭角を現してきたサンティにスペインの強豪レアル・マドリーから移籍のオファーが舞い込む。そして一躍<銀河系軍団>の一員になったサンティだったが・・・。

評価★★★/60点

“レアルファンのための映画!それ以上でも以下でもない・・・。”

我が愛しのレアルマドリディスタとしては嬉しいかぎりの企画なのだけど、映画としては凡作以外のなにものでもなかった。レアルファン以外にはどうなんだろう、この映画って(笑)。

さて、この映画撮影時、すなわち2005-06シーズンのレアルは、銀河系が崩壊し、マスコミには“銀河系”どころか“廃墟”とまで揶揄されていた最悪の時期で、映画オープニングに出てきたクラシコ(永遠のライバルであるバルセロナとの伝統の一戦)ではホームのサンチャゴ・ベルナベウでの試合にもかかわらず、ロナウジーニョにコテンパンにやられまくり、0-3の敗戦を喫した屈辱の一戦として刻み込まれている。

このレアルの危機的状況をオープニングにもってきて、これではいかんゾとニューカッスルからサンティを移籍期限ギリギリで獲得するというくだりは現実味があって面白く、しかもサンティのレアル入団会見で当時のレアル会長だったフロレンティーノ・ペレス(05-06シーズン中に銀河系軍団瓦解とともに辞任した)と、入団会見でレアルのユニホームをその選手に渡す役目を実際につかさどる名誉会長のディ・ステファノがちゃんと出てくるのもレアルファンとしては嬉しいかぎり。

ようこそ、レアル・マドリーへ!!

サンティのかわりにニューカッスルへトレードされたのがオーウェンというのも現実的だし(ていうか実際05-06シーズン直前にニューカッスルへ移籍した)、なぜかコーチ役でレアルOBのマクマナマンが出てくるのも嬉しいかぎり。

また、2001-02シーズン以来遠ざかっているチャンピオンズリーグ優勝を映画の中だとはいえ味わえるというのも最っ高、、、なのだけど、撮影に使われた実際のアーセナル戦ではレアルは敗れ、ベスト16で散ったんだよねぇ・・・。。

しかもこのシーズン優勝したのはバルサだし・・・。ホロ苦というか皮肉というか。。

ま、そういうレアルファンとしての見所は多々あったのだけれど、映画ファンとして見た場合は見所は何にもなかったな、と。はっきりいってヒドすぎるよ、このシナリオは。

ダラダラとしたサイドストーリーには緊張感のかけらもなく、なんか1作目から一気にガタ落ちになってしまった感が強い。

レアルと同じ末路をたどるのか、、、いやいや、その後レアルはスペインリーグで2連覇してっからね。PART3は持ち直すやろ。。

2008年10月25日 (土)

夢のシネマパラダイス535番シアター:妄想が現実に勝ったとき・・・

ファイト・クラブ

1716  出演:ブラッド・ピット、エドワード・ノートン、ヘレナ・ボナム・カーター

監督:デビッド・フィンチャー

(1999年・アメリカ・139分)新宿文化シネマ

評価★★★/65点

内容:ヤング・エグゼクティブのジャックは不眠症と鬱状態を抜け出せず、カウンセリングに通う日々を送っていた。が、カリスマ性のあるタイラーと知り合い、秘密の組織“ファイト・クラブ”に入会。最初は殴り合うことでお互いを認め合うという集まりに過ぎなかったのだが、次第に社会に不満を持つ男たちが集まってきて、遂にはテロ行為をおっ始め・・・。偽善に満ちた現代を挑発するD・フィンチャー監督の衝撃作。

“ていうか不眠症のヤツがこれ観たらすぐ寝れると思うんだよね・・・”

2時間恍惚感と倦怠感がいっしょくたに脳みそに押し寄せてきて、頭だけがパニくってグッタリきます。

それが当ファイト・クラブの強みでございます。

それでも眠れない方は神通力も失せてきた教祖デビッド・フィンチャーの“パニック・ルーム”をご利用いただきますと倦怠感だけをジワジワと感じることができますので、こちらと合わせてご利用ください。

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ベティ・サイズモア

Ssahogma 出演:モーガン・フリーマン、レニー・ゼルウィガー、クリス・ロック、グレッグ・キニア、アーロン・エッカート

監督:ニール・ラビュート

(2000年・アメリカ・110分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:ウェイトレスとして働くベティ。ある日、彼女は夫が殺し屋に惨殺される瞬間を目撃。パニックを起こし、いつも夢中になって見ていた昼メロを、現実の世界だと思い込んでしまう・・・。

“妄想が現実より勝ってしまうほどの最強天然ボケかませキャラ祭り!”

コーエン兄弟の例えば「ビッグ・リボウスキ」に出てくるホワイトロシアンとマリファナを常用しているような奇人変人ほどナンセンスかつデフォルメされ作り込まれているわけではなく、また、ヴィンセント・ギャロの「バッファロー’66」の主人公ビリー・ブラウンほど傷つきやすくて切なくて痛いほどの極端な純粋培養なわけでもなく、ちょうどその中間に位置する程よい天然ボケかませキャラなのが、観る方としても変に身構えなくてもいいので安心して見れて良い。

ベティの周りもほどよく皆イッちゃってるというのもイイしね。

また、その天然を自然に見させているレニー・ゼルウィガーのこれは表現力なのかそれとも地なのか分からないけど、とにかく自然体な姿がすっかりハマってて、そこに引き込まれちゃうんだろうな。

「アメリ」のオドレイ・トトゥもそんなかんじだけど、レニー・ゼルウィガーに勝るものはいないだろう。

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奥さまは魔女(2005年・アメリカ・103分)WOWOW

 監督・脚本:ノーラ・エフロン

 出演:ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、シャーリー・マクレーン、マイケル・ケイン

 内容:人間世界に舞い降りてきた魔女イザベルだが、ある日、落ち目俳優ジャックが再起を図ろうとしているTVドラマへの出演を依頼される。そのドラマは「奥さまは魔女」だった・・・。往年の人気TVドラマを現代風にアレンジして映画化。

評価★★★/60点

“103分間ニコールを凝視して時間をやり過ごす作戦・・・”

ストーリーにひとひねり利かせてはいるけど、ニコールが魔女役を演じている「プラクティカル・マジック」同様、御年ウン歳のキュートなニコールを凝視するしか他に道がない、そういう映画です・・・。

落ち目の映画俳優ジャックも、演じたウィル・フェレルはアメリカでは大人気らしいけど、日本ではほぼ完全にスルーされてる俳優さんなので、オイラもさえない役者やなぁという目線でどうしても見てしまう。

それゆえ、ただでさえロマコメとしても純粋なラブ・ストーリーとしても求心力が低いのに、感情移入さえままならないとなると、もうニコールを凝視してるしか時間をつぶしていく方法がないねやんか。

ウィル・フェレルに合わせてもうちょっとハジケてもよかったかな、なんてことをニコールに感じてしまったりもしたのだけど、脇をマイケル・ケイン&シャーリー・マクレーンが固めていただけにね。

それこそ「望みがかなわない普通の生活が憧れ」というのであれば、フツーに日常生活でのドタバタをやった方が良かったような気もするけど。。

でも、ま、いいか。別にこれ以上深入りしていっても何の収穫もない映画だし(笑)。

にしても、ヘルボーイにどこか似ているオッサンのどこにホレたんだ・・・?

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ミセス・ダウト

D110475870 出演:ロビン・ウィリアムス、サリー・フィールド、ピアース・ブロスナン

監督:クリス・コロンバス

(1993年・アメリカ・126分)NHK-BS

内容:7色の声を使い分ける声優のダニエルは、ボスと揉めて仕事をクビになってしまい、妻のミランダから離婚を宣言されてしまった。裁判の結果、ダニエルは週に一度しか子供たちに会うことができなくなる。ミランダが家政婦を探していることを知ったダニエルは、特殊メイクアップ・アーティストの兄の協力によって初老の婦人になりすまし、ミセス・ダウトと名乗ってミランダに雇われることになったが・・・。

評価★★★★/80点

ラストってこんなんだっけ・・・

リアルタイムで観た当時は子供心になんてヒドイ妻なんだと完全にR・ウィリアムスに感情移入して観ていたけど、あれから十数年経って久々に観たっけ、離婚されて当然だろ、このウザ親父ッと思うようになっている自分がいた・・・。

また、当時観ていた記憶からスッポリ抜け落ちていたのがラスト。えっ?こんなシリアスな終わり方だっけとビックリしちゃった。

それまでの抱腹絶倒ドタバタコメディからいきなりせつない現実へ引き戻されちゃったような。。

夫としては最低だけど、父親としては最高なダニエル。

こういう時ってどうすりゃいいんだろうな。同情しちゃうよ妻のミランダに(笑)。

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スプラッシュ(1984年・アメリカ・109分)NHK-BS

 監督:ロン・ハワード

 出演:トム・ハンクス、ダリル・ハンナ、ユージン・レビー

 内容:ある夜、海で溺れかかっていた少年アレンが人魚に命を救われる。20年後、彼は兄と青果市場を経営する実業家となったが、恋愛はさっぱり。ある日、泥酔して海に転落した彼を再び人魚が助ける。やがて、人魚は海底でアレンの身分証が入った財布を見つけ、人の姿でニューヨークへとやって来るが・・・。NYを舞台に人魚伝説を描いたロマコメ。水をかけられると人魚に戻るというアイデアは秀逸。

評価★★★★/75点

“この映画で描かれたNYにだったら住んでみてもいい。”

NYの様々なロケーションが満遍なく出てきてしっかりとNYが描かれているのが意外ではあったのだけど、満月とエンパイアステート・ビルの幻想的な組み合わせなんかも、人魚との恋というファンタジックなラブストーリーを大いに盛り上げるのに一役買っている。

人魚の尾びれが付いていても何ら違和感のないダリル・ハンナ、一生独身で独り寂しく死んでいくんだろうなと嘆くサエない独身男を軽いノリで演じれちゃうトム・ハンクス、青く暖かい海、そして80’sテイスト満載のあっけらかんとしたコメディタッチが、映画全体を、そしてNYの街を幸福感いっぱいで満たしてくれる。

泳げなかった主人公アラン(T・ハンクス)がマジソン(D・ハンナ)のつないだ手に引っ張られるように深海の人魚世界へ入って行くというラストも魅惑的でよろしい。

80’s映画の幸福感を象徴するような作品だ。

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ジャック・サマースビー(1993年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督:ジョン・アミエル

 出演:ジョディ・フォスター、リチャード・ギア、ビル・プルマン

 内容:南北戦争で死んだと思われていた夫が6年ぶりに帰還する。別人のような優しさに疑いと戸惑いを持ちながら、妻はその偽者らしき男を愛してしまうが・・・。

評価★★★/65点

高校時代デートで劇場で観たときの印象が強く、かなり心に残っている作品なのだが、十数年ぶりに見てみたら、あれっ?こんなどうしょーもない映画だっけ?と肩透かしをくらった気分・・・。

南北戦争から帰還した夫が実は別人だった!?という設定は非常に魅力的なのだが、うまく生かしきれていない。

舵をサスペンスに取るのか、それとも恋愛に取るのかはっきりすればちゃんとまとまった作品になったと思うのだけど、この作品は二兎を追っちゃったかんじで、ちょっとそこらへんが中途半端というかヌルイ印象を与えてしまったような。。

特に裁判のシーンは、、、まぁ高校生の頃はこの展開にものめり込んだんだろうけど、今見ると何なんだこのイイ加減さはと思わず笑いがこみ上げてくる始末。

だって被告人であるジャック(リチャード・ギア)にオレはジャックだァーーッと大演説をぶたせて、あげくの果てにこの人はジャックじゃないと主張する妻ローレル(ジョディ・フォスター)に「だって夫とはこんなにエッチの相性よくなかったもの!女の私にしか分からないことよ!」と言わせちゃうんだから、それを言っちゃあオシマイよw。

裁判官ジェームズ・R・ジョーンズのアポーンとした表情がこれまたツボにハマッてしまったが、サスペンスを解決するには映画としてあまりにも強引な手法にオイラもアボーーン・・・。

ジャック・サマースビーとして絞首刑になるという結末は悪くはないとしても、もうちょっとちゃんとした見せ方、撮り方ってもんがあるだろうに。。

まぁ、また十数年後に見たときはまた違った印象と感想になるのかもね。それもまた映画の楽しみ方なのかな。

2008年10月24日 (金)

夢のシネマパラダイス534番シアター:クラッシュ

Crash_jpg_300px 出演:サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、マイケル・ペーニャ

監督:ポール・ハギス

(2004年・アメリカ・112分)2006/02/14・盛岡フォーラム

評価★★★★☆/85点

内容:クリスマスを控えたロサンゼルス。黒人刑事グラハム(ドン・チードル)とその同僚でヒスパニック系の恋人リア(ジェニファー・エスポジート)。9.11テロの影響で不当な差別に憤慨し、銃で自衛するペルシャ人の雑貨店経営者ファハド(ショーン・トーブ)。白人に敵意を抱くチンピラ黒人強盗2人組に車を奪われる地方検事リック(B・フレイザー)とその妻ジーン(サンドラ・ブロック)。ヒスパニック系のため客に信用されないながらも、家族のために仕事をこなす錠前屋ダニエル(マイケル・ペーニャ)。差別主義者の白人警官ライアン(マット・ディロン)と同僚のハンセン(ライアン・フィリップ)に不快な取調べを受ける裕福な黒人夫婦キャメロン(テレンス・ハワード)とその妻クリスティン(サンディ・ニュートン)。。。ハイウェイで起きた1件の衝突事故から始まる、人種も階層も立場も違う人々が交錯していく群像劇。アカデミー賞作品・脚本・編集賞を受賞。

“痛いほどヒリヒリする内容とは裏腹に、この映画を観終わった第一印象は、美しい映画だったなぁというものだった。その美しさとは、純粋に人が人らしく生きていくための魂の灯火だったのかもしれない。”

雑貨店を営むファハドのお店が何者かに荒らされたときに娘のドリが、「私たちはペルシャ人なのに、、アラブ人と誤解されてるわ。」と言うが、この言葉を聞いたとき、この映画を観ていたオイラは少し混乱した。

ペルシャ人とアラブ人の違いって、、、何?同じちゃうの?と・・・。

後日2回目観たときに、ガンショップでイラク人と間違われて言い合いになりブチ切れるファハドを見てようやく、ああそっかイラン人だったんだと理解できたのだが、そこでようやくペルシャ人とアラブ人は別民族なんだと分かり、そして後で調べてみたら、イラクはアラブ人国家でイランはペルシャ人国家なのだということが分かり・・・。

こんな浅はかな知識しか持っていないオイラは、心のどこかで彼らを一緒くたにイスラム教徒というくくりで捉え→イスラム原理主義→非合理かつ狂信的なテロリストという流れとくくりで、非歴史的で皮相な中東イメージを思わず連想してしまっていた。

いや、過去形などではなく、少なからず現在進行形の今でもそういうイメージをしてしまっている・・・。

同様に、黒人と話すらしたことさえないオイラは、黒人の男は怖いというイメージを持ってしまっている。例えばオイラが住む街の大通りにヒップホップ系ファッションのセレクトショップがあるのだが、ズンチャカズンチャカリズム音を刻ませているその店の前にはいつもデカイ黒人がズンと立っていて、オイラは目合わせたらヤベェと思いながらそこを通り過ぎてしまう。店の中になんて入れるわけがない。。

ましてや本場アメリカのロスで、しかもタトゥーをバンバン彫っていようものなら、たぶん逃げ出したくなるだろう。

でも、セレクトショップの店員であるあの黒人といざ話してみたら流暢な関西弁なんかが飛び出してくる可能性だってなくはないのだ(笑)。

そんなオイラはおそらく人種のるつぼ渦巻くアメリカに行けばまず間違いなく無知な人間であることを思い知らされる典型的なタイプなのだと思う。日本にいるから普段は感じないだけで。。

そう、無知と無理解ほど恐ろしいものはない。人種差別などのあらゆる差別の根源はこの無知なのだと思う。

そして、無知の中で、一方的なイメージと先入観だけが地平の彼方へと突き進んでいく。しかも往々にして無知から生み出されるイメージには負の要素がつきまとう。そしてそれが非歴史的で薄っぺらな世界観をまとった負のイメージへと増幅、ちょっとした負の要素が加わるだけで一気にこの負のイメージは拡散していき、簡単には手の施しようがなくなってしまう。

負のイメージから不寛容と憎しみの連鎖は生まれるが、寛容と許しの連鎖は生まれようがない。

その場合、人は、無知と見かけだけの判断から一方的に生み出された負のイメージを纏った得体の知れない存在・対象に対して上から見下ろして罵倒するか、あるいは心に(時には自らの手に)武器や防具を身につけて闘う。同じ地平に立ったところから言葉を放つことができない。

そして、差別と衝突は生まれる・・・。

さきほど日本にいるからあまりそういうことを感じないと言ったけど、実は日本にだって同じ人種でありながらそういう差別はあった。

いわゆる被差別部落に代表されるケガレ思想というものだが、結局あれだって牛馬の解体処理を行ったり、罪人などの死体処理をしたりといった、いわゆる死穢に触れることが多い(エタ=穢多)=汚い仕事という日本人特有のケガレ意識という観念・イメージから生まれたものだ。

もちろん統治上、政策上の産物ともいえるかもしれないが、根底にあるのはやはり無知から一方的に生み出された負のイメージなんだと思う。

さて、肝心の映画についてだけど、今回の作品「クラッシュ」は、とにかく真っ直ぐな目線でヒスパニック系、アフリカ系、アジア系、黒人、白人、中国人、ペルシャ人、タイ人など様々な人種が入り混じる現実を見据えるところからスタートしているように思える。

この映画に出てくる登場人物はほとんどみんな非歴史的で薄っぺらな世界観という負のイメージを抱え込み、心に重たい鎧を付けしっかりと鍵をかけている。

しかも彼らは必ずしも無知だけから負のイメージを抱いているのではないところが、アメリカ社会における人種差別の根深さを物語っているように思う。

社会的環境、歴史、自らの経験・・・。

例えば、白人警官で生っ粋の人種差別主義者であるライアン巡査は、しかし、過去に彼の父親が黒人を雇って会社を経営していたにもかかわらず、政府のマイノリティ優遇政策により会社が倒産してしまい、その父親は病気になってしまう。そのことに対する怨念が黒人差別を一気に助長させたことは想像にかたくない。

また、差別される側にとっても、9.11同時多発テロ以降、容姿が似ていたり見分けがつかないけどアラブ人っぽいというだけで白い目で見られ差別されてしまうペルシャ人のファハドのような移民たちは、いわばことあるごとに自分のルーツ、アイデンティティといったものを不当に傷つけられているわけで、憎しみを抱かないようにと説得することの方が難しいだろう。

はては、アメリカ建国以来差別されつづけてきた黒人の憎悪は、時に暴力と犯罪へと走らせる。そしてその憎悪にさらされた白人は、黒人の凶悪犯罪率は白人のそれより何倍も高いということでさらなる一方的な偏見のイメージをふくらませる。

まさに負の連鎖が連綿として繰り返されていく。

この映画はその残酷な現実を決して情緒的にならずに、まっすぐな目線で見据え、そこにある本質を照らし出していく。

しかも人種差別を嫌悪していた若手刑事トミーが誤解から黒人青年を撃ち殺してしまうという、どこまでも残酷な一面をもさらけ出していく。

それどころではない。有色人種同士のいがみ合いや、人種差別とは関係のない同じ家族までもが分かり合えないという悲しみまでをも射抜き通す、、、母、兄、弟はついに最後まで交わることはなかった。。

それなのに、映画としての結論もこの映画なりの正論をもこの作品は提供してくれない。ただそこにある本質と真実を淡々と見据えるだけなのだ。

その中で、映画的な美しさとささやかな奇蹟と小さな偶然と少しの理解を散りばめることによって、残酷で悲しい決して美しいとはいえないこの世の中を、人が人らしく生きていくための希望の力と灯火を照らし出してくれたのがせめてもの救いか。

ロスに降る儚い雪のようにすぐに消えてなくなってしまうかもしれないその灯火は、しかしネオンと街の灯が点滅しつづける美しい星空のようなロスの街のように、くすぶることなく今もどこかしこで光り輝いているのかもしれない。

美しい映画だったなぁという、この映画を観終わった自分の第一印象は間違っているのかもしれない。

しかし確実に自分の心にも希望の灯火はともったのだ。

2008年10月23日 (木)

夢のシネマパラダイス533番シアター:「下関三部作」

チルソクの夏(2003年・日本・114分)WOWOW

 監督・脚本:佐々部清

 出演:水谷妃里、上野樹里、桂亜沙美、三村恭代、淳評

 内容:70年代後半の下関を舞台に、日韓高校生の淡い恋と友情を描いた青春ドラマ。1977年夏、姉妹都市である下関と韓国・釜山は親善事業として陸上競技大会を毎年交互に開催していた。釜山での大会に出場した長府高校の陸上部員・郁子は、そこで同じ高跳び競技に出ていた釜山の高校生・アンと出会い、郁子はアンに淡い恋心を抱く。帰国前夜、2人は来年のチルソク(七夕)に再会しようと約束をかわす。携帯もメールもなく、両国の関係も親密ではなかった時代、日韓にまたがる前途多難な恋の行方は・・・。

評価★★★★/75点

下関~釜山間、200km足らず。

東京~浜松、新潟~富山、姫路~広島、仙台~宇都宮間と同じでっせ。

織り姫と彦星の時代はもう古いっ!

、、とホントに思える日が来るといいな。

韓流を引っ張るのは40代以上のオバハン連中だけど、若者世代が盛り上げればもっと良くなるのにね。といっても、サッカーくらいしかないからなぁオイラは。。

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四日間の奇蹟(2005年・東映・118分)WOWOW

 監督:佐々部清

 出演:吉岡秀隆、石田ゆり子、尾高杏奈、西田敏行、松坂慶子

 内容:発育障害を患いながらも天才的なピアノの才能を持つ少女・千織は5年前、ロンドンで暴漢に襲われそうになったところをピアニスト・如月敬輔に助けられる。が、その時の銃撃で敬輔は指の神経を断裂し、ピアニスト生命を絶たれてしまった。その後、日本各地の施設へ慰問演奏の旅をして回っていた2人は、とある島の療養センターを訪れることになったが、そこには敬輔の初恋の女性が働いていた。。

評価★★☆/50点

深刻な表情をよりいつにもまして深刻にしてブッ通す吉岡秀隆+ファンタジーを撮るには、佐々部清監督はあまりにも実直かつ地味すぎて、その合わせ技が悪い方に炸裂してしまっている。

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カーテンコール

Katen_2 出演:伊藤歩、藤井隆、鶴田真由、奥貫薫、藤村志保、夏八木勲

監督:佐々部清

(2004年・日本・111分)WOWOW

評価★★★★/80点

内容:東京の出版社に勤めていた香織は、自分の記事がきっかけで福岡に都落ちするハメに。そこのタウン誌で彼女は、読者から投稿された「懐かしマイブーム」を取材する担当をさせられるが、そこで1通のハガキに目が留まる。それは、昭和3,40年代に下関の映画館で幕間芸人をしていた人を探して欲しいというものだった。彼女はさっそく「みなと劇場」という映画館に足を運ぶが・・・。

“ニュー・シネマ・パラダイスか、いやいやこれは探偵!ナイトスクープだ!”

昭和30~40年代に映画の幕間に形態模写をやったり、ギター片手に歌ったりしていた幕間芸人がいたことなんてこの映画を観るまで全く知らなかったので、映画黄金期の頃の昭和の匂いがプンプンする映画館の様子がとても新鮮に目に映った。

さらに、ニュー・シネマ・パラダイス調から大阪朝日の人気番組「探偵!ナイトスクープ」調へと変わっていったのはご愛嬌としても、「ALWAYS三丁目の夕日」のように昭和ノスタルジー一点張りで押し通し記憶をただ懐かしむだけかと思いきや、懐古の情だけではない悲しみも歓びも愛憎入り混じった人生の記憶をたどっていく旅として現在にしっかりつなげて描いていることに好感をもてた。

また、過去と現在のつながりの結節点として、父と娘という親子と家族の切っても切れない唯一無二のつながりと深い絆という普遍的なテーマでしっかり支えているのもよろしい。

済州島でやっとのことで安川修平にたどり着いた香織が思わずもらした「遠かったぁ・・・。」という言葉と涙が心に響きます。

あとはさっきも述べたけど、昭和の映画全盛時代の古き良き映画館<みなと劇場>のにぎわいが、あの時代には生まれてもいないオイラにもグッとくるものがあり・・。

左右の通路にまで立ち見が出るほど満杯になった劇場で夢中になって映画を観る人々、その幸せな空気で満たされた世界に触れてオイラは思わず泣きそうになってしまった。

映画は幸せを運ぶ青い鳥。

映画って、やっぱりイイなぁ、と再確認しました。

夢のシネマパラダイス532番シアター:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

Pwa03 出演:ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン

監督:セルジオ・レオーネ

(1984年・アメリカ・205分)NHK-BS

評価★★★/65点

内容:マカロニ・ウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネが、ユダヤ人移民のギャング団の年代記を描いた一大叙事詩。1920年代初めのアメリカ、貧しい移民たちの街で、ユダヤ系の悪ガキ6人が仲間になり、禁酒法の裏をくぐって金儲けを始めた。最初は自衛のための団結だったが、たちまち凶悪なギャング集団になっていく。やがて禁酒法が廃止され甘い汁が吸えなくなると、リーダーのマックスは連邦準備銀行の襲撃という無謀な計画に没頭する・・・。

“血は水より濃い”

「ゴッドファーザー」が生涯ベスト1の自分にとっては、どうしても比べてしまう作品なのだが、“血は水より濃い”ということわざのごとく、「ワンス・アポン~」の方が格段に薄っすく見えてしまう。。

まるで卵を1個溶いてフライパンでオムライス作ろうと思ったら、そのフライパンがバカでかくて、伸ばしに伸ばしたあげくペッラペラの薄い生地になってしまった、、みたいな。

そこにノスタルジック風味満載の映像と音楽のケチャップをドバドバかけたかんじ。

ユダヤ系ギャングのクロニクルをゆったりとした時間の流れの中で描こうとしているのは分かるが、どうしても無駄に冗長に感じてしまう。

「ゴッドファーザーPART2」では若かりし日のドン・ヴィトー・コルレオーネに扮したデ・ニーロ。そこではシチリア移民の家族思いの絆にあふれた家族愛の象徴とアメリカン・ドリームの体現者として描かれたヴィトー。

一方、本作では友情の絆に結ばれていながらも結局昔の仲間から逃れ、ひっそりと生きてきたヌードルスのアメリカン・ドリームとはかけ離れた孤独は、ゴッドファーザーとはあまりにも対照的だ。

“家族の映画”ゴッドファーザーは、“友情の映画”ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカより濃い、のである。

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スリーパーズ(1996年・アメリカ・147分)盛岡フォーラム

 監督・脚本:バリー・レビンソン

 出演:ブラッド・ピット、ジェイソン・パトリック、ケビン・ベーコン、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ブラッド・レンフロ

 内容:’60年代のNY。4人組の少年たちが少年院送りに。そこで残忍な看守による暴力と性的虐待を受ける。10年後、彼らは看守への復讐に乗り出すが・・・。

評価★★★/65点

“善なる人々が行動を怠れば、必ず悪が勝利する・・・byエドマンド・バーク”

善なる人々デ・ニーロ神父の神妙な面持ちが象徴するように映画自体もどこか陰鬱。

ラストの5人が見せるこの映画唯一の笑顔になんとか救われた感はあるけど、もうどうせだったらデ・ニーロが復讐の鬼になって暴れまくってくれる方がまだよかったような・・・。

2008年10月22日 (水)

夢のシネマパラダイス531番シアター:シン・シティ

シン・シティ

Sincity_2 出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ジェシカ・アルバ、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ジョシュ・ハートネット

監督:フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス/クエンティン・タランティーノ

(2005年・アメリカ・124分)2005/10/09・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:誰も近づこうとしないくらい醜い容姿を気にもせずに一夜の愛をくれた高級娼婦が何者かに殺され、復讐に立ち上がるマーヴ(ミッキー・ローク)。罪から逃れるため過去を捨ててシン・シティに身を潜めるも、昔の恋人が仕切る娼婦街で働く女たちを守るために命を張る男ドワイト(クライヴ・オーウェン)。かつて街の実力者の息子の魔の手から少女ナンシー(ジェシカ・アルバ)を救い出すために、罪をかぶって8年間投獄されていた老刑事ハーティガン(B・ウィリス)・・・。罪の街=シン・シティで繰り広げられる3人の男たちの愛と復讐を描いたクライム・アクション。

“設定なんてどうでもいいようなアケスケでこれ見よがしの茶番劇とデジタルの雨の絶妙な融合!”

毛穴という毛穴からどぎつい血潮とベタついた脂がドボドボと溢れ出てきて、あちらこちらにまき散らす、そんな熱情B級アナログおバカ一直線で突き進んできたロバート・ロドリゲス。

そんなロドリゲスが「スパイキッズ」というファミリー向けお子ちゃま映画を、しかも3作シリーズで作ってしまった(3作目なんて3Dメガネまでかけさせてしまうねんで)ことにド肝を抜かれ、ロドリゲスは一体この先どこに向かっていくのかと気をもんでいた矢先・・・

トンでもない所に来ちまいやがった。

基本設定なんてどうだっていいアケスケでこれ見よがしの茶番劇とデジタルの雨が絶妙にシンクロし、ロドリゲス&タランティーノコンビのどぎつく熱いエキスがモノクロの描線と完璧な化学反応を起こしている。

ピンポイントで取り込まれる映画的な原色効果もすこぶる良く、固まった溶岩のごとく表面的には重くて暗いが、その中では真っ赤に燃えたドロドロとしたマグマが煮えたぎっているのだ。不器用で孤独な男の熱き戦いと見事にマッチングしている。

さらに、ページをめくる手が止まらないというのはこのことで、マンガ本をパラパラと人よりも早くめくるようなロドリゲスお得意のスピーディさが、流れるデジタルと流れるバイオレンスを加速させている。

怪作です。

押井守の「アヴァロン」なんかよりよっぽど面白かったし良かったと思う。

それにしても、ロドリゲスがつくった映画スタジオの名前がトラブルメイカー・スタジオってのもバカ趣味炸裂でイイ。オープニングでドドーンと出てきたこのスタジオ名が映画と合ってるんだよね。

スパークしちまった。こりゃまたシリーズ化かな。

レアル・マドリー狂想曲第48番:ダービー&ユーべ戦

代表ウィークで1週開き、週末にビセンテ・カルデロンでアトレティコとマドリード・ダービーを、ミッドウィークにスタジオオリンピコで宿敵ユベントスとCLで対戦と、今季初の山場を迎えた我が愛しのレアル・マドリー。

まずは19日に行われたマドリードダービーから。

布陣は以下の通り、、、

アトレティコ4・4・     レオ・フランコ

          ハイティンハ    ウイファルシ 

  ペレア                           ペルニア

                 アスンソン     

    ラウル・ガルシア               マニシェ

                  バネガ    

           アグエロ       フォルラン

 VS     VS     VS     VS     VS     VS

レアル・マドリー4・3・3    ニステル

      ラウル                   イグアイン

           スナイデル       デラレ

                   ガゴ

   マルセロ                        Sラモス

            カンナバーロ      ぺぺ

                 カシージャス 

レアルは、グティ・ディアッラ・ロッベンが怪我で欠場、スタメンを張っていたファンデルファールトことラフィはベンチスタートで、代わりに怪我明けのスナイデルが今季初スタメン。

一方、アトレティコは4-4-2(4-3-1-2)で、怪我明けのフォルランとアグエロの2トップが脅威。

Partido6 マドリードダービーはここ何年もずっとレアルが優位に立っていて負けていないのだけど、今回も試合開始早々にいきなり先制!笛吹いてから40秒くらいだったか。

マルセロのパスを相手DFを背負いながら受けたニステルが振り向きざまに右足一閃、ゴール左隅に簡単に吸い込まれてしまった。20メートルくらいの距離だったでしょうか。

ゴールってこんなに簡単に決まっちゃうものなのか、、、と脱帽。32歳のニステルまだまだ世界一のゴールゲッターです!

それにしても、何年か前にはロナウドが開始14秒で決めちゃった時もあったし、マドリードダービーはつくづくレアルに味方するのね

さらに、追い打ちをかけるように右SBのペレアが前半30分にスナイデルに肘撃ちを食らわし一発退場。スナイデル鼻血ブー

が、しかし、ここから主審のオカシな判定が試合を揺動させていく・・・。

Partido12 なななんと前半39分、今度はニステルが一発退場を食らってしまったのだ。。

もう、どう見たってあれはイエローだろっちゅうに!オカシイわ、あの審判。他にもオカシな判定があったし、ホントだったらレアルの楽勝だったはずだわさ。

まぁ、愚痴はこのへんにしとくとして、これで10対10になったわけだけど、アトレティコはペレア退場のあと、前半37分にラウル・ガルシア⇔アントニオ・ロペスを右SBに入れて4-3-2に、そして後半頭からペルニア⇔シモンで下記の3-4-2へ。

                レオ・フランコ

    ハイティンハ     ウイファルシ    アントニオ・ロペス

            アスンソン     マニシェ

   バネガ                          シモン

             アグエロ     フォルラン

Partido16 これで、前半はアグエロを中心とした個の中央突破頼みだった攻めを後半はサイド重視にしたことで、完全に主導権を握る。さらに、後半25分には、ウイファルシ⇔ルイス・ガルシアと攻撃的カードを切ってくるアギーレ。ウイファルシの所にアスンソンが入り、バネガが中に入り、ルイス・ガルシアが右サイドに位置したことで、まさに怒涛の攻勢を仕掛けていくアトレティコ。

対するレアルはニステル退場の後、そのままの形を崩さず、4-3-2で臨む。後半22分にスナイデル⇔ラフィ、32分にデラレ⇔ハビ・ガルシア、38分にラウル⇔ドレンテ。

カウンター一発のロッベンがいれば4-4-1といった形が常道なのだろうけど。。。無策なのか、チャレンジャーなのか、、しかしいつもそれが吉と出てしまうのがシュスターのスゴイところ。

後半終了間際にFKからシモンが叩き込み同点とするも、後半途中で主審が足を痛めて様子を見た時間がそのままロスタイム6分という長さに反映され、そしてそのロスタイムも残りわずかでドレンテがペナルティエリア内でハイティンハに倒されPK!

テレビ画面はずっとラフィを捉えていたので、てっきりPKはラフィが蹴るもんだと思ってたら、まさかのイグアイン(笑)。

いやぁ、後半は防戦一方だったので、望外の勝ち点3を勝ち取れたことは大きいな。

これで意気揚々とユーべ戦に臨めますわ。アッラ・マドリー!!!

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CLグループリーグ第3節。勝ち点6で首位のレアルと勝ち点4で2位のユーべの天王山。

Photo ユーべは主力のブッフォン、カモラネージが欠場。しかもここ1ヶ月勝ちに見放されているチーム状況でホームにレアルを迎えた。

一方のレアルは、ロッベンが復帰したがベンチスタート。

左ラテラルにエインセ、中盤にデラレの代わりにラフィを入れ、今季初めてラフィとスナイデルが同時起用された。しかしアウェイでこの布陣を組んでくるとはシュスターもチャレンジャー。。

Photo_2 が、、試合開始直後にいきなりデルピエロが豪快にミドルを叩き込み先制してしまい、出鼻をくじかれたレアル・・・。

守るだけなら天下一のイタリアの雄ユーべにホームで先制されたら、、そりゃ相手の思うツボだわさ。。

ポゼッション65%近く取りながら、なかなかユーべの堅牢を崩せないレアル、、、。ラフィ・スナイデルの併用のせいなのかは吟味する必要はあるだろうけど、中央突破に偏りすぎて、サイド起点が作れなかったのが痛かった。あれじゃユーべの網に引っかかっちゃうわ。

あげくの果てに後半開始早々の4分にアマウリに決められてしまい、ジ・エンド。。

エインセの左は攻撃性能ゼロだし、頼みのSラモスも調子悪い状態が続いてるし。後半8分にロッベン、30分にドレンテ入れてサイド攻撃を活性化させたけど、1点返すのがやっと・・。

これで、ユーベが勝ち点7で首位に。裏のゼニト×BATEボリソフが1-1のドローだったため、まだ2位レアルと3位ボリソフとは勝ち点4差なのでまだ全然悲観すべき状況ではないんだけども。

次節ベルナベウで絶対リベンジだ!!

アッラ・マドリー!!!

2008年10月17日 (金)

夢のシネマパラダイス97番シアター:父親たちの星条旗

Main_1 出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、バリー・ペッパー、ジェイミー・ベル、ポール・ウォーカー、ロバート・パトリック

監督:クリント・イーストウッド

(2006年・アメリカ・132分)2006/11/5・盛岡名劇2

評価★★★★/80点

内容:1945年2月23日、硫黄島の摺鉢山山頂に星条旗を打ち立てた6人の兵士の写真の真実と、戦場から生き残りアメリカ本土に帰還した3人が英雄に祭り上げられ、戦時国債調達のキャンペーンに利用されてしまう様とその後の人生を描いた作品。太平洋戦争で最激戦となった「硫黄島の戦い」を日米双方の視点から描いた2部作の1作目で、アメリカ側の視点で描かれている。

“ようするに人の尊い生命の灯火をたくさん消すには天文学的なお金が必要だってこと、心がすさまない戦争なんてないんだということ、戦争を美談のように能弁と語り、「英雄」を作り出すのは決して戦場に行くことのない者たちだということ。そして傷つくのはいつも無名の若者であり、彼らの生命の灯火をこの世に送り出した母親だということ・・・”

ピュリツァー賞が創設されたのは1917年だが、そこに写真部門が新設されたのは1942年だった。

時はまさに第二次大戦の真っ只中、フォトジャーナリズムが戦争とともに歩んできたことを考えればきわめて自然な成り行きだったのだろう。

それから60年あまり、ピュリツァー賞の写真は悲劇的な事故や事件の決定的瞬間、歴史的瞬間の証言者となってきた。

そこに写されているのは、ベーブ・ルースの引退、人種差別、公民権運動、学園紛争、処刑、殺戮、戦禍、反乱、リンチ、粛清、死のダイブ、暗殺(旧社会党委員長浅沼稲次郎暗殺の決定的瞬間、ケネディ暗殺の容疑者オズワルドの暗殺、レーガン大統領暗殺未遂事件)、内戦、飢餓、東欧民主化、ソ連崩壊、、、とまさにその時代時代を象徴する歴史を克明にとらえてきた。

それはすなわち人間の狂気と業の叫び、そして残酷で無惨かつ容赦のない死をとらえてきたことに他ならない。

そう、フォトジャーナリズムとはかくも残酷な一面を内包しているのだ。

話はそれるが、例えば1994年受賞作「スーダンの飢えた少女」は、飢えのために道でうずくまっている少女の傍らでハゲワシが虎視眈々と少女の死を待っている場面を写した衝撃的な1枚だが、のちに撮影するよりも先に少女を助けるべきだったという批判が湧き起こり、これを撮ったカメラマンが自殺するという悲しい顛末を向かえている。

しかし、一方で、あの写真の誰が見ても一目で分かる強烈なインパクトは、内戦や干ばつで疲弊しきっていたスーダンの危機的状況を世界に知らしめる決定的かつ象徴的な1枚になったことも確かなのだ。

フォトジャーナリズムは、すぐそばにある“死”とともに歩んできた、いや、そこから逃れられない、逃れることができない宿命を背負っている。

そして、その最も象徴的なものが戦争だった。

20世紀、戦争の世紀、、、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム、世界各地で絶えることのない内戦、紛争、、そしてアフガニスタン、イラク・・・。

その全てに関わってきたアメリカは、しかしベトナム以降はほぼ全ての戦争で手痛い傷を負ってきたといってよい。

数々のベトナム戦争映画で描かれてきた疲弊しきり、孤独と荒廃に苛まれる兵士たちの姿(ベトナムを題材にしたピュリツァー賞受賞回数は今までで最多の計9回となっている)、リドリー・スコットが映画化した「ブラックホーク・ダウン」の舞台となったソマリア内戦では、ボロ雑巾のように群衆に引きずられるアメリカ兵の死体、その軍服を剥ぎ取られた無惨な肢体(1994年受賞写真)があまりにも象徴的だ。

しかし、こと第二次大戦に関しては、アメリカは、悪の枢軸から自由と正義を守るために闘ったのだとする自分たちの正当性を今でも決して曲げようとはしないし、これから先もその態度を変えることはしないだろう。

その象徴となった決定的1枚が1945年2月23日にAP通信社のジョー・ローゼンソールによって撮影されピュリツァー賞を受賞した“摺鉢山に掲げられる星条旗”なのだ。

戦略的要衝硫黄島をめぐって1ヶ月続いた激戦で日本軍守備隊2万3千余が全滅、しかし、アメリカ軍も死者7千、負傷者2万6千という太平洋戦争最大の人的損害を被ったというまさに死闘となった硫黄島の戦い。

そのような中で、自由の象徴である星条旗が硫黄島のてっぺんに掲げられるというこの写真が、結果的に第二次大戦の終結とアメリカの勝利を象徴する歴史的な1枚となったわけだ。

しかし、今回のクリント・イーストウッド監督作で描かれたこの写真の真実には思わずこれってヤラセじゃん!?と冷笑してしまうようなシニカルな驚きがあった。

歴史ってやっぱり面白い、と思うと同時に、無力な若者たち、ひいては国民までもが政治権力とときの体制に簡単に利用され操作されてしまう恐さ、そしてメディアそれ自体が持つ力の恐さをまざまざと見せつけられた。

メディア力で世論を操作した人物といえばすぐさまヒトラーを思い浮かべるが、アメリカほど作り話をつくるのに長けたお国もない(笑)。。

1991年の湾岸戦争時にイラク軍が油田を破壊したために原油が海に流出し、海鳥が油まみれになってしまったという誰もが覚えているであろう有名なニュース映像は、まったくのヤラセだったことは周知の事実だし、そういう例には枚挙にいとまがない。。

そこにまたひとつ、第二次世界大戦で最も有名なもののひとつであるあの写真が加わった、、、ということか。。

だが、しかし監督イーストウッドの語り口はヤラセを暴露してやるというような高圧的かつ挑戦的な態度では決してなく、「許されざる者」「マディソン郡の橋」「ミリオンダラー・ベイビー」と同じような控え目で静かな旋律であり、どこまでも淡々としたリズムを刻んでいく。

しかし、そのリズムが戦争の虚しさをいやが上にも引き出していくところはさすがイーストウッドだなと唸らずにはいられない。

雄大な美しい自然と、その中で卑小な人間たちが繰り広げる殺し合いを残酷なまでに対峙させることによって戦争の虚しさを静かに描き出したテレンス・マリックの「シン・レッド・ライン」も今までにない戦争映画だったが、今回のイーストウッド作品には美しい自然は皆無。

どこまでも黒々とした死の大地と、荒涼としたアメリカ中西部の平原と、アスファルトとコンクリートで固められた大都会がフラッシュバックで繰り返されるのみだ。

黒々とした砂の大地と、戦場には決して行かず戦争を裏で操る黒々とした無神経な大人たち、その中で戦争の表舞台である戦場という最前線で地獄と砂と血にまみれる無名の若者たちは、戦争の裏舞台へ引きずり出され、そこでまたさらなる傷を受けていく。

そして利用されるだけ利用された後は好き勝手にポイ捨てされる。そこには救済などない容赦のない現実が大口を開けて待っている。

彼らは「英雄」でもなければ「加害者」でもない。ただの無名の「若者」であり「被害者」なのだ。

戦争映画は大抵の場合、俯瞰的パノラマ的な視点に拠っていく手法が多いが、この作品はよりパーソナルな視点に拠っているところが大きいし、しかも3人の個に複数の時間軸が絡まり、なかなか観る側の視点が定まりづらいというところが難点ではある。

自分としては時間軸を現在と過去というせめて2つにして(今回の作品で製作を務めるスピルバーグの「プライベート・ライアン」のように、、)、もっとオーソドックスにしてもと思ったりもしたが、戦争の表と裏の両方から挟み込まれていく3人の若者を追うにはイーストウッドの手法は的を射ていたのかもしれない。

まあ、なんてったって脚本がポール・ハギスだもんな。。

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(おまけ)

ウインドトーカーズ(2002年・アメリカ・134分)2002/09/01・MOVIX仙台

 監督:ジョン・ウー

 出演:ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ、クリスチャン・スレーター

 内容:1943年、第二次大戦中のガダルカナル島。エンダーズ伍長の任務は、“ウインドトーカーズ”と呼ばれるナバホ族の通信兵を護衛すること。2人の間には次第に信頼関係が生まれていくが、任務の真の目的は暗号の秘密を守ることで、彼が捕虜になることがあるようなら、彼を抹殺することも指令に含まれていた・・・。

評価★★/40点

アクション映画と同じ軽さでしか命を扱うことができないジョン・ウーを監督に持ってきたのは人選ミスとしか言いようがない、、そんな出来。。命の重さと尊さが全く伝わってこなかった・・・。

2008年10月16日 (木)

夢のシネマパラダイス70番シアター:SPIRIT

Imo_spirit 出演:ジェット・リー、中村獅童、スン・リー、原田眞人、ドン・ヨン

監督:ロニー・ユー

(2006年・香港・103分)2006/03/26・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:1910年中国。植民地にしようと進出してきた西洋・日本列強に蔑まれていた清朝末期の上海で、世界中から戦いの猛者が集い、世界初の異種格闘技戦が開催されることになった。そこで、隠遁生活を送っていた天津一の格闘家・霍元甲が人々の誇りを取り戻すべく立ち上がる!

“ヤバ、、、アクション映画観てて初めて泣きそうになった。”

実在の人物フォ・ユァンジャの壮絶怒涛な人生を通して真の強さ・力とは、真の武術とは何なのかを照らし出していく物語は、「ラスト・サムライ」が武士道の精神世界をひも解いていったように、武術家精神とも呼べる真のSPIRITスピリット、そのルーツを語り伝えようとしていく。

これは明らかにチャン・イーモウ&ジェット・リーの「HERO」で描かれた“知己”と“平和”をより具体的かつシンプルに掘り下げていったものともいえるが、それもこれもジェット・リー渾身の演技によるところが大きい。

特にリー・リンチェイ時代を全くといっていいほど知らず、「リーサル・ウェポン4」の悪役から始まり、ヒップホップのリズムの中でアメリカナイズされていくハリウッド俳優ジェット・リーとして知っていくようになったオイラにとっては、初めてジェット・リーのルーツである本場中国でのカンフーアクションに触れられたわけで、オイラが知っているジェット・リーはそこにはおらず、この人はリー・リンチェイだ!と初めて体感できた気がする。

それはまさしくオイラに涙を流させるほどの変容と変身だったのだといえよう。

「HERO」の時の来日会見でジェット・リーは、「平和な世界ではヒーローはいらないはずなのだから僕はヒーローは見たくない、そんな世界になればいい」と言っていたが、その彼の精神がそっくりそのまま受け継がれているのが今回の作品だったのだと思う。

自身最後のカンフーアクション映画と銘打った決意にふさわしい全身全霊の映画だといえよう。

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少林寺(1982年・中/香・100分)NHK-BS

 監督:チャン・シンイェン

 出演:リー・リンチェイ(現ジェット・リー)、ユエ・ハイ、デイン・ナン

 内容:古き動乱時代の中国。父を虐殺され少林寺で育てられた少年は厳しい鍛錬を経て成長し、非道な将軍を滅ぼす役目を担う。中国の広大な風景をバックに、少林寺の修行風景や合戦場面が壮大なスケールで描かれる武術映画。

評価★★★/60点

“犬も歩けば丸コゲになる!”

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リーサル・ウェポン4(1998年・アメリカ・127分)DVD

 監督:リチャード・ドナー

 出演:メル・ギブソン、ダニー・グローバー、ジョー・ぺシ、レネ・ルッソ

 内容:バディ・ムービー最強コンビ、リッグス&マータフにシリーズ最強の敵が挑む!その名はジェット・リー!今となってはリー・リンチェイ改めジェット・リーのハリウッドデビュー作としての方で有名な作品。

評価★★★/60点

どうしてもジェット・リーがナイナイの岡村とかぶってしまう・・・。そのせいなのかなぁ、正真正銘の悪役に見えないんだよなぁ。。

それはさておき、冒頭の火炎放射器のシーンで、あ、このシリーズはもう完全にコメディものへと華麗なる進化を遂げたなと確信してしまった。いや、すでにPart3でお笑いへと進化していたのは言うまでもないし、それはつまりかつて自殺願望を抱いて心の病と闘いあえぎながら刑事という職業に就いているという、どう見てもアブない男だったリッグスが完全に病から立ち直ったことと無関係ではないだろう。

そんな中で今までの作品とPart4の決定的な違いが、ジェット・リーの悪役である。が、しかし、これが個人的にはしっくりこなかったんだよね。もっといえば中途半端。

動のリッグス&マータフコンビと静のジェット・リー。

せっかくの進化を遂げた映画の勢いがどうしてもジェット・リーのところで停滞してしまう。それゆえどうも中途半端な感が否めなかった。

どうせならジェット・リーを味方側につけた方が面白かったと思うのは贅沢だろうか・・・。

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ロミオ・マスト・ダイ(2000年・アメリカ・115分)WOWOW

 監督:アンジェイ・バートコウィアク

 出演:ジェット・リー、アリーヤ、イザイア・ワシントン、ラッセル・ウォン

 内容:チャイニーズ・マフィアと黒人系ギャングの抗争が、何世代にもわたって続いているオークランド。ある日、チャイニーズ・マフィアの首領の息子ポーが殺された。彼の死を知った兄のハンが、服役していた刑務所から脱獄し、事件の真相に迫る。

評価★★★/60点

アリーヤは本当にジュリエットになっちゃったんだね。。

そう思って観ないと・・・

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ブラック・ダイヤモンド(2003年・アメリカ・101分)WOWOW

 監督:アンジェイ・バートコウィアク

 出演:ジェット・リー、DMX、アンソニー・アンダーソン、ケリー・フー

 内容:「金庫の中の何を盗んでもいいが、ブラック・ダイヤモンドだけは置いていけ。」その警告を無視してトニーはブツを盗むが、犯罪組織のボスに娘を誘拐され、取り引きを要求される。娘を取り戻し、ブツの謎を解くため、トニーは謎の男スーと手を組むが・・・。

評価★★/40点

ラストのカットでジェット・リーが画面からハミ出してるのがこの映画のいい加減な性格を如実に表わしている・・・。香港でいっちょ禊した方がええんちゃうか。。

2008年10月14日 (火)

夢のシネマパラダイス323番シアター:遙かなる山の呼び声

Harukanaru 出演:高倉健、倍賞千恵子、ハナ肇、武田鉄矢、鈴木瑞穂、吉岡秀隆

監督・脚本:山田洋次

(1980年・松竹・124分)NHK-BS

評価★★★★★/90点

内容:北海道の酪農の町・中標津で、女手ひとつで息子を育てながら牧場を営んでいる未亡人の民子は、ある春の夜、道に迷ったと訪ねてきた田島という男を納屋に泊める。彼は夜中に突然始まった牛のお産を手伝って、翌朝どこかへ行ってしまう。夏になり、田島はまた牧場を訪ねてきて、民子を手伝い働くようになったが・・・。北海道の四季を背景に、罪を犯して逃亡中の男と、牧場の未亡人と小学生の息子の心の交流を描いた感動ドラマ。

“幸せの涙色のハンカチ”

山田洋次の手法は分かりきってるくらい単純極まりないのにダメなんだ、、、ドツボにハマって抜け出せなくなっちゃうんだよ

なんだろ、野球に例えれば、山田洋次という人は華のある表舞台を陰でしっかり支える裏方さんなんだよね。選手たちが練習でフリーバッティングするときにピッチャーの役を務めるバッティングピッチャー。

選手がここに投げてもらいたいというコースに寸分の狂いもなく投げてあげられる。よほどの制球力がなければ務まらないお仕事。しかも、一日に何百球という球数を投げつづけなければならない持久力と体力のいる大変な役目を務めるお仕事。

山田洋次はそれを完璧にこなし、70km/hのボールを毎回投げ込んできてくれるのだ。

そう、70km/h。各駅停車の鈍行とか単線じゃないとダメなの。ましてや福岡から飛行機でひとっ飛びに北海道に来るなんて考えられないから。車で来た武田鉄矢は正解!

そんな山田洋次がオイラはやはり好きなのです。

なに?毎回同じ球しか投げてこないから面白くないって?

うーん、それはあなたがよほどの天才的な大打者か、よほどの大根役者かどっちかだね。。

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息子(1991年・松竹・121分)NHK-BS

 監督・脚本:山田洋次

 出演:三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、原田美枝子

 内容:東京でアルバイトをしながら一人暮らしをしている浅野哲夫は、母の一周忌で故郷の岩手に帰った。父の昭男と久しぶりに言葉を交わした哲夫は、東京に戻ってから下町の鉄工場で働くようになる。ある日、取引先の倉庫で事務をしている征子という娘と出会った哲夫は、彼女に恋をして気持ちを打ち明けた。ところが彼女が聴覚障害者であることが分かり・・・。

評価★★★★/80点

“いつまでも親は子供に手をかけたいものなのだね。”

「東京物語」から38年後の物語。

昔の街並みはマンションにとってかわり、鈍行も新幹線へと姿を変えた。

それでも家族と郷愁に思いを馳せる老人の姿は変わらない。

90年代における家族の姿と幻のごとくつかの間に浮かび上がってくるかつての家族の姿を、取り残されていく昭男(三國連太郎)の目を通して希望と無常感をもってシンクロさせていく。

それはある意味残酷なシンクロでもあるのだが、日本の現在の社会状況を見事に見据えていたのもたしかだろう。

単なる小津映画の継承として終わらせない力がやはり山田洋次にはあるのだと思う。

「幸せだ・・・。」とつぶやく昭男の姿と、しんしんと降り積もる白い雪が印象的だった。

2008年10月13日 (月)

夢のシネマパラダイス527番シアター:チャップリンを見ずして死ねるかっ!その2.

キッド(1921年・アメリカ・52分)NHK-BS

 監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 出演:チャールズ・チャップリン、ジャッキー・クーガン、エドナ・パーヴィアンス

 内容:街の浮浪者チャーリーは、ある日、車の中に置き去りにされた捨て子を拾い、育てることになる。5年後、成長した子供はキッドと呼ばれ、チャーリーを助けながらインチキ商売に精を出していた。やがて、そんな2人の前にキッドを捨てた実の母親が現れる。。

評価★★★★/80点

最強名子役級タイトルマッチ。

赤コーナー、MGM所属~、そばかす顔の笑顔と泣き顔にかけては右に出る者なし~。“チャンプ”リッキー・シュローダー!!

青コーナー、チャップリンフィルム所属~、逃げ足ステップにかけては誰にも負けない可愛いイタズラ天使~。“キッド”ジャッキー・クーガン!!

、、、甲乙つけがたし。。

夢のシーンでチャップリンが飛翔するところのワイヤーアクションは必見です!凄い。

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チャップリンの独裁者

20040814 出演:チャールズ・チャップリン、ジャック・オーキー、ポーレット・ゴダード

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1940年・アメリカ・126分)DVD

評価★★★★★/100点

内容:トメニア国にヒンケルの独裁政権がおこり、ユダヤ人を迫害すると同時にオスタリッチ国への侵攻を開始した。ところが、ユダヤ人でヒンケルに瓜二つの理容師が、迫害の手を逃れたところでヒンケルに間違われてしまい、狩りに出ていた本物は理容師に間違われて逮捕されてしまう・・・。ナチス・ドイツがポーランドへ侵攻した1939年に製作開始され、ヒトラーの独裁政権とユダヤ人迫害を弾劾しヒューマニズムを説いた作品。ちなみに当時、日独伊三国同盟を結んでいた日本では公開禁止で、1960年にやっとで公開された。また、チャップリンとヒトラーは、生年月日がたった4日違いだそうだ。

“本来はくっつくはずがないパントマイムと「ことば」を完璧に融合させてしまったチャップリン芸の最高峰ここに極まれり。”

「ことば」を使わず、「からだ」ひとつで自由にひとつの世界を形作り、身体の動きの面白さを突き詰めていくパントマイムが、「言葉」を使用し、「言葉」で説明していくということは、その自由を狭めて制限していくことを考えると本来は両立しないはずである。

しかしこのチャップリン初のオールトーキー作品の中でチャップリンは、表現したいこと伝えたいことを端的に伝えられる「ことば」とサイレント向きの演技動作を見事な創造力でひとつの表現として確立し、徹底的に映像化することに成功していると思う。

だからこそ映画的なテクニックを一切排除したラストの大演説シーンが極めつけに際立っているのだ。

頑なにトーキーを拒んでいたチャップリンが本来の型を崩してまで語らなければならないと考えた意味は限りなく重い。

そして、この映画がチャップリンのトレードマークである山高帽にチョビ髭、ダブダブズボンにステッキ姿の最後の作品となった。

チャップリンにとって映画というものが最強の武器になった瞬間である。

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ライムライト

Limelight 出演:チャールズ・チャップリン、クレア・ブルーム、バスター・キートン

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1952年・アメリカ・137分)NHK-BS

評価★★★/65点

内容:第一次世界大戦前のロンドン、かつて一流とうたわれた芸人カルヴェロが、自殺を図ったバレリーナのテリーを助けた。老境に入り下り坂のカルヴェロは、彼女を舞台に復帰させ、自信を取り戻したテリーを見たあとに姿を消した。数ヵ月後、彼と再会したテリーは、彼のために大劇場の舞台を用意するが・・・。赤狩り弾圧を前にアメリカで製作した最後の作品で、チャップリン自身の心境がかなり投影されている物語となっている。バスター・キートンとの最初で最後の共演も見所のひとつ。

“年輪を刻んだチャップリンの内面から滲み出てくるような寂しさと物悲しさがバスター・キートンともども見ていてツライ。”

しかも笑えないのがもっとツライ・・・。

光と影の陰影の使い方、その残酷なコントラストが非常に印象的。カメラワーク等も含めて映画的なテクニックとしては文句の付けようがないのはたしかなのだが。。

まるでチャップリンがチャップリンを永遠に葬り去ってしまったかのような幕の引き方は、軽快なフットワークで飛び跳ねているチャップリンが大好きなオイラにはやはり重くツライのだ・・。

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チャップリンの移民(1917年・アメリカ・22分)NHK-BS

 監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 出演:チャールズ・チャップリン、エドナ・パーヴィアンス

 内容:苦労してアメリカに渡ってくる移民の船旅と、ニューヨークに上陸してからのさらに苦しい暮らしぶりを笑いの中に描いた快作。この年、アメリカは移民の大量流入を抑えるために移民制限法を成立させており、そうした社会背景に対する批判精神もにじませた、チャップリンの後の作風につながる転機的作品。

評価★★★★★/100点

たった22分。たった22分なのにお腹いっぱいで大満足。

1分1秒1コマにチャップリンの髄液が満遍なく染み渡り、チャップリンの世界観が完璧な形で凝縮されている。

これを傑作と言わずして何という。

レストランで豆料理の豆を一粒一粒ナイフとフォークで食べる姿が何ともいえない可笑しさと雰囲気を醸し出していて最高です。放浪紳士チャップリンの十八番である食事シーンはいつ見ても楽しい。味はマズイんだろうけどね・・・(笑)。

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犬の生活(1918年・アメリカ・30分)NHK-BS

 監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 出演:チャールズ・チャップリン、エドナ・パーヴィアンス、チャック・ライスナー

 内容:浮浪者チャーリーは、野良犬同士のケンカでボコボコにされている一匹の犬に自分を重ね合わせ、その犬を助け出し、奇妙な共同生活を始める。そんなある日、ダンス・バーで出会った歌手エドナの悲惨な状況に同情を覚えたチャーリーは・・・。

評価★★★★/80点

昔っからハリウッドの動物たちは千両役者だったんだなぁ。。

チャップリンのダブダブのえんび服の裾を咬んだままグルグル振り回されようとも決して食らいついて離れない犬とかね。完璧主義者のチャップリンのことだから、撮るの大変だったんだろうなぁ・・・。

そういう苦労が垣間見えるのがまたイイし、それがあるからこそますますもって抱腹絶倒ぶりに磨きがかかって輝きが増すというものなのだね。

2008年10月12日 (日)

夢のシネマパラダイス415番シアター:チャップリンを見ずして死ねるかっ!その1.

モダン・タイムス

1936_modern_times10 出演:チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、チェスター・コンクリン

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1936年・アメリカ・87分)DVD

評価★★★★★/100点

内容:機械文明にがんじがらめになった人間の姿を風刺した喜劇。トーキー嫌いのチャップリンが劇中で「ティティナ」を歌い、初めて声を聞かせた作品として知られる。大工場の工員チャーリーは、毎日毎日ベルトコンベヤーで流れてくる機械部品のネジを締め続けるうちに、とうとう手の動きが止まらなくなり、気がふれたと思われ病院に送られる。退院したチャーリーは工場をクビになり、町を歩いていたところを工員のデモ隊の首謀者と間違われて投獄されてしまう・・・。

“ここぞの逃げ足は人一倍のチャーリーと、裸足で縦横無尽に駆け回る少女のスーパーコンビならば、泥道だろうがイバラの道だろうがお構いなしに突き進んでいくだろう。”

ピストルから至近距離で発射される弾丸をよけまくる70年前のマトリックスだぜ、チャップリン!

シャブ入りの塩を大量に摂取してヘロヘロになりながらも目がガンガンにイッちゃってるチャップリン!

無銭飲食をしようとも山高帽を手に取ってお礼をすることは忘れない、れっきとした紳士チャップリン!

そんな貧乏だけど心の中は果てしなく豊かな放浪紳士チャップリンがやはり何といっても大好きなのです!

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黄金狂時代

20070201032858 出演:チャールズ・チャップリン、ジョージア・へール、マック・スウェイン

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1925年・アメリカ・72分)DVD

評価★★★★/80点

内容:喜劇王チャップリンの初の長編映画。ゴールドラッシュに沸くアラスカを舞台に、一攫千金を夢見て訪れた放浪者チャーリーの恋と冒険を描く。吹雪で山小屋に閉じ込められたチャーリーが、ドタ靴を煮て食べるシーンは映画史に残る名場面で、全編にわたってウィットに富んだ抱腹絶倒のシークエンスが展開されていく。

“人間のありとあらゆる欲望がすべて入っている文字通りの「狂」映画。そしてオイラは今日もチャップリンに酔狂。”

靴を食べるシーンのチャップリンの目が1番狂ってたかも。

たしかチャップリンの母親ってチャップリンが小さい頃、あまりの困窮生活に本当に精神が狂ってしまい精神病院に入院してたことがあったそうだ。もしかして靴食べたのって本当にあった話なのかも。。。

そういう悲惨な体験を笑いに昇華させてしまう凄さよ。

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街の灯

Mati1 出演:チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー

監督・脚本・音楽:チャールズ・チャップリン

(1931年・アメリカ・86分)DVD

内容:街の放浪者がふとしたことから盲目の花売り娘と知り合った。娘は彼を大金持ちだと勘違いし、彼女に心惹かれた放浪者は働いて金を稼ぎ、彼女から花を買ったり、彼女の家を紳士らしく訪問したりする。彼女の目を治す手術には大金が必要で、賞金目当てにボクシング試合に飛び入り参加するが、あっけなく叩きのめされてしまう。そんなある日、彼は酔っ払って自殺しようとしていた億万長者の男と仲良くなり・・・。

評価★★★★★/100点

打ち上げ花火をドッカンドッカン打ち上げつづけてお腹いっぱいになったラストで、線香花火でしっかりと余韻を残してくれるところはさすが花火師チャップリン。心の中にまで灯をともしてくれるんですなぁ。

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チャップリンの殺人狂時代

Satsujin 出演:チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、マリリン・ナッシュ、イザベル・エルソム

監督・脚本・音楽:チャールズ・チャップリン

(1947年・アメリカ・124分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:不況のため職場をクビになったヴェルドウ氏は、妻子を養うため、金持ちの中年女性を口説いては金を巻き上げ殺すという“商売”を始める。やがて逮捕された彼は法廷で、少数の殺人が裁かれる一方、大量の殺人は賛美される矛盾を訴える・・・。チャップリンがオーソン・ウェルズの原案により、「チャップリンの独裁者」以来7年ぶりで製作、戦争による大量殺人を痛烈に批判し抗議したブラックユーモア満載の風刺劇。チャップリンは山高帽にチョビひげ、ドタ靴、ステッキといった往年のスタイルを捨てて主演した。

“チャップリンの言ってることが100%詭弁に聞こえる時代がいつかやって来るのだろうか・・・”

「1人殺せば犯罪だが、戦争で何百万人も殺せば英雄だ。」「大量殺人なら世界中がやっている。」

いくら理不尽で冷たくて醜い世の中だろうが1つの殺人も大量殺人も許されるものではないし、数の多さで罪の重さが決まるわけでもないことは誰しもが分かっていることなのだろうけど、、、現実では世界の国々で武器の輸出入がフツーに行われ、国をあげて兵器をせっせと作り、一国の大統領がある日ボタンを押せば何百万どころではない人間を殺すことができるようなシステムが確立してしまっている。

いつの世も、偉大な殺人狂が歴史を動かす・・・。合掌。

夢のシネマパラダイス526番シアター:SAYURI

Sayuri 出演:チャン・ツィイー、渡辺謙、ミシェル・ヨー、役所広司、桃井かおり、工藤夕貴、コン・リー

監督:ロブ・マーシャル

(2005年・アメリカ・146分)2005/12/22・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:昭和初期。貧しい漁村に生まれ、9歳で祇園の花街の置屋に売られ女中として働く少女・千代(大後寿々花)。花街一の売れっ子芸者、初桃(コン・リー)の猛烈ないじめに希望を見失いかけていた千代は、ある日、会長さんと呼ばれる立派な紳士(渡辺謙)に声をかけられる。この一瞬の出会いが千代に希望をもたらし、以来、芸者になって会長さんにもう一度会いたいと夢見る千代は、花形芸者・豆葉(ミシェル・ヨー)の後ろ盾のもと、さゆり(チャン・ツィイー)として芸者の道を歩み始める。。

“総工費8500万ドルのカリフォルニア産オリエンタルミュージアムに入館料1800円払って恐る恐る足を踏み入れたオイラは、しかしその魅力的な夢のような世界観に思わず酔いしれてしまった。”

日本が生んだ世界に誇る最強の日本食、それはお寿司であろう。

いきなり何の話かって、いやいや、いまや欧米を中心に世界各地で食されているお寿司、もちろん、アメリカでも寿司は大人気でどの都市にも必ずといっていいほど寿司屋がある。しかし、日本人の口に合う寿司を出してくれるお店を探すのはホントに難しいのだ。

しっかり事前に下調べをしておかないと、偶然通ったところにある店にパッと入ったもんにゃ、とんでもない目にあうことは必至(笑)。そして、アメリカ人の握ったSUSHIというのはやはり日本人の握った寿司とは味も形もどこか似て非なるものなんだよね。

もともとアメリカでは生の魚も海苔などの海藻類も食べる文化ではないそうだけど、そんな中でアメリカ人寄りに様々に形を変え進化して欧米文化のフィルターを通した“SUSHI”という新たな文化となって定着してきているのだと思う。

映画とは関係のない話が長くなっちゃったけど、要は何が言いたいのかというと、西洋人が日本を含めた東洋世界を創造し表現すること、あるいはその逆もまたしかりだけど、100%完璧に相手の文化の色に染まって表現できるなど土台無理があると思うのだ。やはりどこか奇異なところは出てきてしまうものだし、それは仕方のないことだと思う。

例えば、日本人が西部劇を日本で撮ったとしても、あるいは18世紀ヨーロッパを日本で撮ったとしても同じことだと思う。

もちろん一定以上の基礎と土台と、そのための勉強と努力は必要だと思うけど、それよりも重要なのはそこで何を創造し作り出すことができるのか、ということだと思う。

そういう意味では、アメリカ人が日本を舞台にした映画をつくるというのは、オイラとしてはそのチャレンジ精神も含めてとても嬉しく思ってしまう。

ポップコーンとボリュームと濃い味好きのあちらの人々から見れば、侘びや寂びの境地などまるで正反対で神秘的に映るであろう異文化を、はたしてどれほどの器量で創造し表現してくれるのかワクワクしてしまうのだ。もちろん、どこか恐いもの見たさもあるが。。

とうことで、ようやく本作なんだけど、、、

正直、かなり驚いた。フジ系のお正月のかくし芸大会でやる外国語劇レベルか、はたまた寿司でいえば、カリフォルニアロールとかクリームチーズロールみたいなバリバリ創作料理を頭に思い描いていたのだけど、オイラが甘かった。

コイツら本気だ。本気で勉強して努力している。それがありありと伝わってくる。

もちろん100%完璧なホンモノの日本というにはどこか日本以外の、まるでウォン・カーワイ的なオリエンタルムード漂う奇異なところもあるにはあったが、オイラは純粋にこの映画で描かれた世界を歩いてみたくなった。それほどこの映画の世界観に魅かれてしまった。

ストーリーはアメリカ人にも通用するような雑魚レベル、しかし花街の街並みや家屋、衣装、調度品や雨降りのときの湿気感に至るまで1コマ1コマが見事なまでの美的感覚の質で創造され、アメリカならではのボリューム感も日本的な繊細さとうまく融合していて魅力ある雰囲気の画になっていたと思う。

ここまで作り込まれているとは予想外だった。。

また、どうしても欧米文化のフィルターを通した視点で表現されてしまう完全アウェイでの闘いで大奮闘した大後寿々花、コン・リー、チャン・ツィイーをはじめとするアジアの錚々たる役者陣、J・ウィリアムスの音楽、撮影の冴えなど演出面の水準も相当に高い。

そしてそれらが1つの独特な世界観と様式美を表出し、雑魚レベルのお話を支えているのだ。

オイラが甘いのかもしれないけど、1本の映画としては十分すぎるほどの出来だと思う。

日本を舞台にした映画としてもこれは十分ありなのではなかろうか。相撲をあれだけちゃんと描ける映画ってそうざらにはないと思うし。なんてったって第30代木村庄之介本人まで出てくるんだから。

唯一、“パンプキン”くらいかな、赤点だったのは。

とにかく、どっぷり浸かるとともにあっという間に過ぎていった有意義な2時間半だった。

2008年10月11日 (土)

夢のシネマパラダイス525番シアター:cinema慰霊大社第34柱/どーしょーもないお話の館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.102:心霊写真(2004年・タイ・97分)WOWOW

 監督:パークプム・ウォンプム、バンジョン・ピサヤタナクーン

 出演:アナンダ・エヴァリンハム、ナッターウィーラヌット・トーンミー

 内容:友人の結婚式の帰り道、カメラマンのタンとその恋人ジェーンは、突然飛び出してきた女性を車ではねてしまう。動揺した2人はその場から逃げ去ってしまうが、それ以後、2人の周りで次々と恐ろしい出来事が起こる・・・。

評価★★★/55点

“オイラが許す!呪え!”

だって呪い殺されて当然じぇねえかよ、あのケダモノ男ども。。輪姦されているところを写真で撮っちゃうあの主人公も最っ低野郎だな。

なんか、ジャパニーズホラーの怖さって、何の関係もない赤の他人が家に入っただけでとか、ビデオを見ただけで、あるいは電話に出ただけで呪われてしまうという、理由がないのに呪われてしまう不合理かつ不条理なところが恐怖の醸造源になっていると思うのだけど、このタイ映画はバリバリこれ以上ないというくらい合理的な理由でおもろない(笑)。しかも生々しいし・・。

そういう意味では韓国ホラーの血の方が濃いのかも。

日本発韓国経由バンコク行きってところかな。

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祭神名票No.164:ランナウェイ(1997年・アメリカ・96分)DVD

 監督:ブレット・ラトナー

 出演:クリス・タッカー、チャーリー・シーン、ポール・ソルビーノ

 内容:密輸犯が護送車から脱走。同じ手錠でつながれたケチな詐欺師のフランクリンも、便乗して逃走を図る。ところが警察は、フランクリンを凶悪犯として指名手配。無実を証明するため、彼は危険な賭けに出る・・・。クリス・タッカーが毒舌&ギャグを炸裂させるアクション・コメディ。

評価★★★/55点

クリス・タッカーのクリス・タッカーによるクリス・タッカーのための映画。好き勝手し放題のまさに独壇場です。

一方、おダシにもならないチャーリー・シーンは影薄っすぃ。はっきりいって印象に残らない・・・。

あ、そうそう印象に残るといえば、スタジアムで飴玉しゃぶりながらバズーカを豪快にブッ放す黒人男がオイシイ役どころでクリス・タッカーを食っちゃってたけど、あのキザな男がサッカー・コートジボワール代表のドログバに似てると思ったのはオイラだけか。。

2008年10月10日 (金)

夢のシネマパラダイス524番シアター:ハッと息のむ3秒前...

現金に体を張れ

1152287395 出演:スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ、ヴィンセント・エドワーズ

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1956年・アメリカ・85分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:5年の服役を終えて刑務所を出たジョニーは、さっそく競馬場の売上金強奪を企てた。彼は仕事仲間として5人の男を引き入れ、200万ドルの紙幣を奪うことに成功する。しかし、仲間の1人であるジョージの妻シェリーが情夫と組んで横取りを企んだため、ジョニーたちは殺し合いに巻き込まれる・・・。スタンリー・キューブリックがセミ・ドキュメンタリーの手法を使って、ライオネル・ホワイトの探偵小説「見事な結末」を映画化した犯罪劇。

“質素な精進料理のつくりで至高のグルメへと転化してしまうシネマの鉄人キューブリックの凄腕に舌鼓を打つ。”

欲に憑かれた人間たちを描きながら、当の若きキューブリックの欲のない(ように見えてしまう)スタイルが実に小気味よい。

しかしそれは実はパズルの一片一片の組み合わせまで計算しつくしたキューブリックの才の成せるワザであることは言うまでもない。

完璧に計算されながらラスト一瞬の狂いで破綻をきたした大強奪作戦。

しかし、キューブリックの計算には一寸の狂いも破綻もなかった。

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暗くなるまで待って(1967年・アメリカ・109分)NHK-BS

 監督:テレンス・ヤング

 出演:オードリー・ヘプバーン、アラン・アーキン、リチャード・クレンナ

 内容:夫のサムが飛行機の中で知り合った女から預かった人形には、密かに麻薬が縫い込まれてあった。そうとは知らない盲目の妻スージーは、麻薬を取り戻そうとする組織の男たちを、夫の留守中に家に入れてしまう。しかし、持ち前の勘の良さから疑念を抱いた彼女は、襲ってくる殺し屋と暗闇の中で対決する・・・。

評価★★★/65点

キャットウーマンの元祖はオードリーだった!!

おびえ震えるオードリーに萌え~~、、、のオイラはちょっとオカシイですよね、ハイ・・・。

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ファイヤーウォール

D111778492 出演:ハリソン・フォード、ポール・ベタニー、ヴァージニア・マドセン、メアリー・リン・ライスカブ

監督:リチャード・ロンクレイン

(2006年・アメリカ・106分)2006/04/13・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:ランドロック・パシフィック銀行のセキュリティ部門の責任者ジャックは、銀行の合併問題から経営陣と対立していた。そんなジャックにビジネスマンを装った男ビルが近づいてくるが、やがてビルはジャックの妻子を人質にとり、銀行から1億ドルを指定口座に移し替えるように脅迫してくる・・・。

“ヒッチコックの典型的巻き込まれ型サスペンスが現代版として甦ったかんじ。”

といっても、斬新なオリジナリティがあるわけではなく、どこまでもオーソドックスな味付けなのだが、徹底的にシンプルかつテンポ良く描ききることでジェットコースター的なスリリングさを煽り立てていて、全く飽きることがないのが強みだろう。

そしてそれを可能にしているシナリオの無駄のなさも特筆もの。

ラストも後日談には目もくれないスパッと切っちゃう終わらせ方で、まさにこれもジェットコースター的でよろしい。

でも、主犯格のビル(ポール・ベタニー)の落ち着きと余裕を感じさせる人物像と悪役っぷりがあまりにも完璧だったので、どこからボロが出てくるのかと思ったら、、、やっぱ敵一味の内部崩壊からだったか。。そこらへんもあまりにもオーソドックスなんだけどね・・・。

ダイ・ハード2あたりから始まったのかなぁ、このての敵一味の身内争いから火がつくオチってのは。。

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恐怖の報酬

Image998 出演:イヴ・モンタン、シャルル・ヴァネル、ヴェラ・クルーゾー、フォルコ・ルッリ

監督・脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー

(1952年・フランス・149分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:中南米のラス・ピエドラスの町から500キロ離れた山上の油田で火災が発生した。石油会社はニトログリセリンの爆風で火を消すことを決め、山上までニトロを運ぶ2台のトラック運転手を賞金つきで募集する。選ばれた4人は、いずれも希望のない日々を送る男たちだった。2組に分かれて出発した彼らを次々に苛酷な試練が襲う・・・。カンヌ国際映画祭作品賞。

“CGなどの余計な化合物を一切含まない純度100%の原液サスペンススリラーは一滴一滴がとにかくタフで熱い!!これがホントの賭博黙示録だ!!”

どのシーンも一攫千金を夢見るギラギラとした男の熱さと、吹きだまりのような中南米のへき地に群がってくる食いつめ者たちの暑苦しさであふれている。

どん底生活から這い上がるために必要なのはとにかく金、金、金、、、金のためなら何だってする。金のためなら油まみれにだってなる。金のためなら非情なエゴイストにもなる。

ヒーロー?そんなもんよりも2000ドル手に入れて生きていければそれでいいんだという欲望むき出しの人間像。

そのためなら友情を轢き殺してしまうことも厭わない。

このアンチ・ヒーローともいうべきマリオ=イヴ・モンタンが強烈な印象を残す。

そして、わずか一滴落としただけで爆発してしまうニトログリセリンを大量におんぼろトラックに積んで不安定なデコボコ道をカタツムリのようなスピードでただひたすら運ぶ、そこにはCGなど入り込む余地のない“恐怖”の源泉が詰まっている。

そしてそこから湧き出してくる猛烈な恐怖が揺れるトラックの荷台にジリジリと迫り寄ってくるのだ。

しかし、この欲望と恐怖の狭間で悪戦苦闘する人間を天から見下ろしているようなある種驚くほどの冷たい目線で捉えていくクルーゾー監督の体感温度差も見所で、単なるサスペンスを超えた衝撃の不条理劇にたたみかける展開に十分な説得力をもたせている。

サスペンスの教科書です。

2008年10月 8日 (水)

夢のシネマパラダイス523番シアター:愛をかけたネバー・ギブ・アップ!

チャンプ

Mp223 出演:ジョン・ヴォイト、フェイ・ダナウェイ、リッキー・シュローダー

監督:フランコ・ゼフィレッリ

(1979年・アメリカ・123分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:ビリーはかつて世界チャンピオンの座に就いた男だったが、7年前に妻のアニーに去られてからは酒とギャンブルに溺れ、今は競馬場の厩舎の作業員として働いていた。そんな彼を、一人息子のT・Jはチャンプと呼んで誇りにし、いつの日か父親が栄光の座に返り咲いてくれると信じている。そして息子の期待に応えようと一大決心をしたビリーは、再びチャンピオンを目指してトレーニングを開始するのだった。

“MGM世界シネマ級タイトルマッチ落涙決定戦チャンプvsオイラ!結果は惜しくもオイラの12回TKO負け・・・。”

序盤は肩透かしをくらうようなストレート一本槍、中盤は見えすいたジャブ攻撃を余裕で受け止めていたオイラ。

しかし、終盤10回あたりからチャンプの強引なラッシュと必殺技シュローダーパンチの連発をくらい、ついに最終12回落涙で目が見えなくなる傷を負い、無念のドクターストップとあいなった。

「こ、堪え切れんかった・・」我が敗戦の弁である。

ビリーが親子3人でまた暮らしたいと願ったのも分かるし、アニーがビリーを捨てて出て行ったのも分かるし、T・Jがチャンプじゃなきゃ嫌だぁッと泣き叫んだのも分かるし、、、笑顔で終わらせてあげたかった物語です。。

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シンデレラマン

129 出演:ラッセル・クロウ、レニー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ、クレイグ・ビアーコ

監督:ロン・ハワード

(2005年・アメリカ・144分)2005/09/25・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:愛する妻メイと3人の子供に囲まれて暮らすジムは、将来を嘱望されたボクサーだった。しかし、時代は恐慌を迎え、ジムも右手を故障してからは引退寸前まで追い込まれてしまい、家計のやり繰りにさえ困窮してしまう。そんなある日、元マネージャーのジョーから、一夜限りの復帰試合の話が舞い込んでくるのだが・・・。1930年代に活躍し、「シンデレラマン」と呼ばれた実在のボクサー、ジム・ブラドックの伝記映画。

“親の背中を見て子は育つ”

まるで教会のミサで見せられるようなベタで真摯で実直な家族愛を謳い上げた裏表のない映画なのだが、裏表のありすぎる今の世の中と次々に起きる陰惨な家族の事件をニュースで日々目の当たりにしていると、こういうストレート一本槍の映画が無性に愛おしくなってきてしまう。

ベタもベタで定型的なシナリオの中でロン・ハワードの演出が決して見えすいたお膳立て通りの低レベルなものに陥っておらず、しっかりツボをおさえてバランスが取れているのもよろしい。

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ロッキー

Jkpzwgeey 出演:シルベスター・スタローン、タリア・シャイア、バージェス・メレディス

監督:ジョン・G・アヴィルドセン

(1976年・アメリカ・119分)DVD

評価★★★★/80点

内容:4回戦ボクシングで日銭をかせぐ街のチンピラ、ロッキー・バルボアは、30歳になった今もうだつの上がらぬ毎日を過ごしている。ロッキーは近所のペットショップに勤める娘エイドリアンに恋心を抱いていたが、内気な彼女はなかなか心を開いてくれない。そんなある日、彼に思わぬチャンスが転がり込む。世界ヘビー級チャンピオンのアポロが無名のボクサーと戦うと発表し、その対戦相手にロッキーが選ばれたのだ。このチャンスは逃がせないとロッキーは必死のトレーニングを積む・・・。不遇を囲っていたスタローンが100万ドルという格安の製作費で自作自演した本作は大ヒットを記録し、アカデミー賞でも作品・監督・編集賞を受賞し、まさにアメリカンドリームを体現した作品となった。

“オイラが以前勤めていたスーパーでは、夕方の1番の売り時のタイムサービス時にロッキーのテーマ曲を店内中ガンガン響き渡らせていた。。”

店長曰く闘争本能をかき立てられ購買意欲が増すのだという。おもろい店だった(笑)。でもその成果なのか、グループ内で全国一の売上げを誇っていたんです。これマジっス。

それはさておき、この映画、オイラが生まれる前の映画ということもあってか、個人的にはロッキー3くらいからの印象の方が強いのだけど、今回久しぶりにあらためて見返してみて、ちょっとビックリしたというか。

ヤクザの下働きでなんとか食いつなぎ、みすぼらしいおんぼろアパートの部屋で夢も希望もない暮らしを続けている三十路の落ちぶれ男ロッキー・バルボア・・。

オイラの記憶に残るロッキーは、すでにスーパーヒーローになった姿だっただけに、こんな負け犬街道を突き進んでる寂しい男だったとは、、、さらに驚いたのがエイドリアンってこんなブサイクだったっけ、、みたいな。。

あ、あと記憶に全く残っていなかったといえば、ヘビー級王者アポロとのタイトルマッチの結果。てっきり勝利して「エイドリアーーン!」と叫ぶのかと思いきや、判定負けだったのね。いい加減だなぁ、、記憶って。。

でもって結局、、、スンゲェ感動した!心にグッときたァッ!っス。何も言えねー。

第2作以降は、さっきも言ったようにヒーローに上りつめたロッキーのいわば勝者の栄光の輝きを保つための予定調和の見せ場作りともいえるわけで、その点でいえば、この1作目は全く趣を異にするテイストだといえると思う。

光も何も当たらない無名の幕下力士が東の横綱に挑むような夢の企画、いや無謀ともいえる企画はまさにアメリカンドリームそのもの。

しかし、世界最強といわれたヘビー級王者モハメド・アリに挑んで善戦したチャック・ウェブナーの試合にいたく感動したスタローンが、たった3日で脚本を仕上げただけあって、粗雑な中にも当時の売れない役者スタローン自身の渾身の思いの丈が込められたといっても過言ではないアツい勢いがストレートパンチのごとく炸裂し、無謀ともいえる企画に挑んでいくロッキー、そしてスタローンに等身大のリアリティと奇蹟の輝きをもたらしている。

脚本が良いんだ、これがまた。

ぶっきらぼうなロッキーと内気なエイドリアンがおんぼろアパートの部屋で愛をかわすシーンとか、老トレーナーのミッキーを罵倒して追い返した後に思い直したロッキーが追いかけていって仲直りするシーンとか。

よーし、こうなったら「ロッキー・ザ・ファイナル」まで一気に見返しちゃろか!

P.S.

ロッキーの代名詞である“イタリアの種馬”てのも考えてみれば、スタローンのスクリーンデビュー作ってポルノ映画の絶倫男の役なんだよね(笑)。

スタローンの実人生を相当ダブらせてるんだろうね、ロッキーには・・。

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ロッキー・ザ・ファイナル

Rocky_final_1_1a 出演:シルベスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、タリア・シャイア

監督・脚本:シルベスター・スタローン

(2006年・アメリカ・103分)2007/04/28・盛岡フォーラム

評価★★★★★/90点

内容:ロッキー・バルボアも今では引退し、地元フィラデルフィアで小さなイタリアンレストランを経営していた。妻エイドリアンはすでに他界し、親の七光りに反発する息子のロバートは独立し疎遠になっている。もはやかつての栄光とエイドリアンとの思い出にすがって生きるのみだったロッキー。一方、無敵の現役ヘビー級チャンピオンのディクソンは、その強さゆえに対戦相手に恵まれず、マッチメイクに苦しんでいた。そして、彼の陣営は伝説の王者ロッキーとのエキシビジョンマッチを企画する・・・。

“心は年をとらないのだ!”

オイラはこの映画で2度泣いた。

冒頭、ロッキーがエイドリアンの命日に墓前でイスに座って語りかけながら佇んでいるシーンと、ラストでロッキーコールの中、試合会場を後にしようとするロッキーが手を高々と上げて歓声にこたえる姿とその上げた手が観客の手としっかり触れ合ったワンカット。

その瞬間、オイラは受け取った!

ロッキーの信念、生きざま、チャレンジ精神、夢をあきらめない、そのすべてを。

そしてつづくエンディングロールで、フィラデルフィア美術館の階段を颯爽と駆け上がって飛び跳ねたい気分を抑えながらも流れる涙をこらえることができなかった。

久々にイイ涙を流させてもらいました。

映画のつくりとしては、ほぼ過去作品(特に1作目)をなぞった懐古主義丸出しの形で、映画の評価としては低評価に終わるのかもしれない。

でも、そんなのオイラにはどうでもいい。

もともと、今回の作品に関しては変な飾りつけとか小細工はしてもらいたくなかったというのもあるし、、少なくともロッキー5のようなグダグダなつくりにだけはなってもらいたくなかったから。

エイドリアンを失った悲しみの中で回想にひたり、過去の記憶に生きる孤独な老兵。その彼が、くすぶっていた炎を再びメラメラと燃えたぎらせ、卵一気飲みといったお決まりの特訓を経てリングに上がり、脇腹をおもいっきりブッ叩かれて身体がねじれ上がってマットに沈もうとも不屈の精神で立ち上がり、ロープにしがみつこうとも強靭なタフネスで最後まで闘い抜く。

そうだ。それが見たかったんだ。オイラが見たかったのはこれなんだ。これだけでいいんだ!

だって、これがロッキーの生きざまなんだもの。

茶番だと言われようが駄作と言われようがそんなことどうでもいい。

まるで自分がサンドバッグであるかのごとく、ロッキーの思い、そしてスタローンの思いと気持ちが重ったいパンチとしてドッカンドッカンと打ち込まれる。

心が揺さぶられる映画だ。

オイラの炎は、、、まだ消えてないよな。。

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遥かなる大地へ

108001p 出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、トーマス・ギブソン、ロバート・プロスキー

監督:ロン・ハワード

(1992年・アメリカ・140分)NHK-BS

内容:19世紀末、アイルランドの片田舎で暮らす貧しい小作農ジョセフは、地主の収奪によって亡くなった父親の復讐を果たそうと地主の屋敷へ乗り込むが、あえなく失敗。が、そこで地主の娘シャノンと出会い、新天地に憧れて家出したシャノンと一緒にアメリカへ渡ることに。しかし、賭けボクシングで日銭を稼ぐ2人のアメリカでの新生活は苦難の連続だった・・・。

評価★★★★/80点

身分違いの恋といい、気の強い勝ち気なヒロイン像にアイリッシュの青年、ヨーロッパからアメリカへの渡航と、まるで「タイタニック」の原型を見ているようなかんじだけど、その「タイタニック」で号泣した自分にとっては今作もものすごく心に残るものとなっている。

しかし、やはりこの映画のキモはジョセフ(T・クルーズ)とシャノン(N・キッドマン)の腐れ縁ともいうべき運命の人とのロマンスを、アイルランドの寒風吹きすさぶ貧しい土地から新天地アメリカ西部の豊穣な緑の大地を目指す遥かなる夢と希望という冒険ロマンとチャレンジ精神に絡めて、壮大でありながら決して重くならずにおとぎ話のようなとっつきやすさで描いてくれたところにある。

特にトム・クルーズとニコール・キッドマンの反発し合いながらも磁石のように心を通わせていくさまは、古典的なボーイ・ミーツ・ガールのハリウッド恋愛喜劇の流れを巧みに取り込んでいて、なかなか楽しく魅力的に見ることができる。

まぁなんてったって2人の結婚直後の新婚ホヤホヤの共演作品だったからな。この頃は2人の息の良さも合っていたんでしょうな。

2008年10月 5日 (日)

夢のシネマパラダイス521番シアター:世界は陰謀でできている・・・。

シリアナ

20060917_173124 出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、アマンダ・ピート、クリス・クーパー、ジェフリー・ライト

監督・脚本:スティーヴン・ギャガン

(2005年・アメリカ・128分)2006/03/14・盛岡フォーラム

内容:アメリカの巨大石油企業コネックス社が絡んだ大型合併が進行している・・・。アメリカ資本からの脱却に意欲的な中東某国の王子ナシールと、彼の相談役に抜擢された経済アナリスト・ブライアン(M・デイモン)。中東で諜報活動に従事するCIA工作員ボブ(J・クルーニー)。ワシントンの大手事務所で合併の合法性を調査する弁護士・ベネット(ジェフリー・ライト)。合併の影響でナシールの国にあるコネックス社の油田現場の出稼ぎ職を解雇されたパキスタン人青年・ワシーム。まるでつながりを持たないはずの彼らの運命は一つの巨大なシステムの中に深く組み込まれていく・・・。

評価★★★☆/70点

CIA工作員、新進気鋭のエネルギー・アナリスト、野心家の弁護士、アラブの石油王、パキスタンの出稼ぎ青年。

それぞれの物語の視座から、彼らが組み込まれた世界的で巨大な石油利権を巡るシステムを暴き出していく、、、と言えば聞こえはいいのだけど。

例えば、それぞれの物語の主人公たちが一様に抱える家族との間の矛盾と軋轢が主人公の人物像の矛盾に必ずしも繋がっていないように、人間のドラマを描くには人物像が平板かつ平面的にすぎる。

かといって、推移する状況に重点を置いたドラマというには、編集にスピーディさが足りなく、よく動き回るカメラの波長と合っていない。

それどころか平板な各々の物語を意地悪く難しく見せようとしている節があり、それが逆にあだになっているかんじで、せっかくの意気込みが空回りしている印象が・・・。

問題の本質というよりは、表層をだだ滑りしているだけという中途半端さが鼻についたが、まぁそれでもこういう題材を選んで映画を作ろうという勇気と意気込みは買いたいかな。

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カンバセーション・・・盗聴・・・(1974年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ

 出演:ジーン・ハックマン、ロバート・デュバル、ジョン・カザール、フレデリック・フォレスト

 内容:西海岸一の評判をとる盗聴屋のハリーは、ある依頼で密会中のカップルの会話を録音中、「殺されるかもしれない」という女のかすかな声を聞いた。どうやら盗聴を依頼した人物が妻とその愛人を殺そうとしているらしい。やがて、ハリーは何者かに監視され、自分自身が盗聴されていることを知る・・・。カンヌ国際映画祭作品賞。

評価★★★/65点

ただ単純に職業病というだけじゃない?なんて思ったりもしたけど、、、彼にとってはもはや自分で吹くサックスの音色だけがホンモノの音となってしまったのだろう。

なんとも可哀想なオッサンだが、しかし、携帯とネットを常に手放せなくなった今の現代人の孤独とアンモラルさとこのオッサンの狂気が繋がっているかんじがして、見ているうちに何だか恐くなった・・。

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ニュースの天才(2003年・アメリカ・94分)WOWOW

 監督・脚本:ビリー・レイ

 出演:ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード、クロエ・セヴィニー

 内容:政治雑誌の若手記者グラスは、次々にスクープ記事を発表。一躍注目を浴びるが、その大半が捏造だったことが発覚。やがて破滅の道を辿ることになる・・・。1998年に実際に起きた記事捏造事件をモチーフにした社会派ドラマ。

評価★★/40点

そもそものところ、スティーブン・グラスの記事ネタ自体に魅力を感じないんですけど・・・。

アメリカ大統領専用機エアフォースワンで唯一読まれている雑誌の捏造がどのくらい凄いことなのかは分からないけど、当のアメリカ政府のやってる情報操作に比べたらお子ちゃまレベルだろ。ちゃう?

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劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

K0507hagaren 声の出演:朴路美、釘宮理恵、豊口めぐみ、大川透、内海賢二

監督:水島精二

(2005年・松竹・105分)DVD

内容:禁忌の罪を犯したために大きな代償を払うことになり、果てなき旅を続ける幼き兄弟、エドワード・エルリックとその弟アルフォンス・エルリックは、しかし平行する別々な世界に離ればなれになってしまう(TVアニメシリーズ最終回)。西暦1923年、第1次世界大戦後のインフレ吹き荒れるミュンヘンに降り立った兄のエドワードは、弟の面影を残すアルフォンス・ハイデリヒの助けを借り、なんとか故郷へ帰ろうとしていたが思うようにいかない。しかし、理想郷“シャンバラ”を求めるオカルト教団の暗躍が、エドにひとつの道を開いていくのだった・・・。

評価★★★/65点

TVアニメで51話かけてバカっ広く広げられたパラレルワールドという驚愕の大風呂敷をたった100分弱で回収しようということ自体無理があると思うのだけど・・・(笑)。

なんかハガレンオールスター感謝祭みたいなかんじで、それはそれで楽しめたけど、足早にせかせかと進んでいくストーリー展開はあまり魅力を感じなかった。。

しかも、現実世界の方でエドとアルが生きていくというオチは、ちょっと消化しきれなかったなぁ。ウィンリィやピナコばっちゃんを置いて・・。それにしたって別れがあっさりしすぎてるよ。。

兄弟が引き裂かれた悲劇が再会という希望へとつながると思ったら、それが錬金術世界の崩壊というさらなる悲劇へとつながり、再会した兄弟が門を壊すことにより別世界でそれらの悲劇を一身に背負って生きていく、、、なんつう哀しい物語やねん。

こんなの割り切れないよーー。。

まぁドイツの生んだ伝説の巨匠フリッツ・ラングの使い方なんかは面白かったけどさ。。

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松川事件(1961年・日本・163分)WOWOW

 監督:山本薩夫

 出演:小沢弘治、宇野重吉、宇津井健、永井智雄、北林谷栄

 内容:昭和24年8月17日に福島で起こった国鉄列車転覆事件と、その犯人逮捕、その後の公判がいかに不当に行われてきたかを緻密に描いた社会派ドラマ。映画発表から2年後の1963年、被告たち全員が無罪判決を勝ち取るのに大きな力を発揮した。

評価★★★/65点

“映画人の気迫に圧倒!”

下山、三鷹、松川という事件名はどこぞやで聞いたことはあったが、この映画を観て初めて松川事件は列車の脱線転覆事故なのだと知った。

映画自体バリバリの左翼思想が貫いているし、一方通行の片側視点も甚だしく、とにかくオチがない裁判シーンを3時間も見せられるのはだいぶクドイものがある。

が、事件の判決が出る前にこういう映画を作ってしまう映画人の気迫、そしてそれがまかり通ってしまうような熱い世の中だったというのは、気だるさを享受する現代からみると正直うらやましいものがある。

とにかく演者がどいつもこいつもアツい!凄いよこれは。

社会に直接訴えかけるという映画の持つ力が確実に信じられていた時代。

今は、はたしてどうなんだろう・・・。

映画の力を信じたいな。

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ザ・センチネル/陰謀の星条旗

20061110_233712 出演:マイケル・ダグラス、キーファー・サザーランド、エヴァ・ロンゴリア、キム・ベイシンガー

監督:クラーク・ジョンソン

(2006年・アメリカ・108分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:かつてレーガン大統領を暗殺の危機から救ったシークレットサービスのベテラン局員ピート・ギャリソン。ある日、彼の同僚が自宅前で射殺される事件が起き、さらにシークレットサービス内部の人間が大統領暗殺計画に関係しているという情報を得たピート。しかし、捜査に当たったデヴィッドの捜査線上にピートが容疑者として挙がってきて・・・。

“女に手を出すと100%ろくな事にならないマイケル・ダグラス・・・”

女絡みで最悪のドツボに陥ってしまうことにかけては百戦錬磨のマイケル・ダグラスが、今回はファースト・レディに手を出してしまうというおバカプロットはまだしも、「24」のジャック・バウアーもどきが別れた妻を絶倫ダグラスに寝取られたという私怨を仕事にまで持ち出してきて、復讐の腹いせにしてしまうくだりも相当にC級なプロットで、思わず笑いがこみ上げてきてしまう・・・。

なんだけど、それでもテンポよく最後まで見られたのもたしかで、ウチで見るぶんには及第点つけてもいいかなと。

映画館で金払って見てたら話は違うけどね。。

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エネミー・オブ・アメリカ(1998年・アメリカ・132分)DVD

 監督:トニー・スコット

 出演:ウィル・スミス、ジーン・ハックマン、ジョン・ヴォイト、レジーナ・キング

 内容:議員暗殺事件の秘密を偶然手に入れた若手弁護士が、証拠隠滅を図る政府機関の最新鋭監視システムを駆使した執拗な追跡に窮地に陥っていくのだが・・・。

評価★★★☆/70点

ハイテク駆使に終始していたくせにラストの突飛な終わり方は一体全体どういうことだ・・・。ついでにガブリエル・バーンが出てきたのも一体全体どういうことだ・・・。はっきりいって意味ないで、あの使い方は(笑)。

映画自体の話は、面白いといえば面白い。特にヒッチコックばりの典型的巻き込まれパターンを踏襲し、そこにハイテクが絡む。

なんかTOKIOの鉄腕ダッシュの100人刑事から東京中を逃げ回る企画を思い出しちゃったりして、非常に魅力的な題材なのは確か。

でもねぇ、、、ハイテクという最先端で攻めてきながらラストで一気にひと昔前の旧来手法に戻っちゃうというのは唖然とするわな。。「T2」見てるときに「ターミネーター」が割り込んでくるようなかんじやろ。

それにしてもジーン・ハックマンは動物好きなのねぇ。。「クリムゾン・タイド」では小犬、今回は子猫チャンかい。しかもラストの去り方が同じだし・・。パクッたな(笑)。

2008年10月 2日 (木)

夢のシネマパラダイス518番シアター:ライフ・イズ・ミラクル

ライフ・イズ・ミラクル

Lm 出演:スラヴコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック、ヴク・コスティッチ、ヴェスナ・トリヴァリッチ

監督:エミール・クストリッツァ

(2004年・セルビア/仏・154分)2005/10/14・仙台チネラヴィータ

評価★★★/65点

内容:1992年、セルビアとの国境にほど近いボスニアの片田舎。セルビア人で鉄道技師のルカは、家族や仲間たちとともにのんびりとした日々を送っていた。ところが、サッカー選手を目指していた息子ミロシュが突然徴兵され、おまけに妻がハンガリー人ミュージシャンと駆け落ちしてしまい、一人きりになってしまった。それからすぐにボスニア内戦が勃発し、ミロシュが捕虜になったとの報せが届く。数日後、顔見知りでムスリム人の看護婦サバーハが村人によって捕まり、ミロシュとの交換要員としてルカが身柄を預かることに。ところがルカはあろうことか彼女と恋に落ちてしまい・・・。

“ライフ・イズ・疲れる・・・。”

過酷で悲惨な現実を笑い飛ばす過剰なほどのバカエネルギーに、しらふなオイラは正直ついて行くことができなかった。。

クストリッツァ流人間賛歌というよりはクストリッツァ流ドタバタコントといった趣で、特に前半部分に関しては観ていて疲れる・・・。

一転、サバーハが登場する後半は、コントの中にヒリリと痛く突き刺さる悲劇をしのばせていて、人生の中にある悲喜こもごもをバランスよく感じさせてくれる。

100分くらいにまとまっていたらオイラ的にはちょうど良かったかも。ま、クストリッツァにそれを求めるのはあまりにも無理難題というものだが。。

ところで、前半に出てきたサッカー大乱闘シーンは、サッカー好きなオイラにとっても大いに笑えるシーンだったが、このシーンを見ながら真っ先に思い出したのが、旧ユーゴで実際にあった大乱闘事件だ。

ディナモvsレッドスターの試合で、セルビア警官隊をも巻き込んだ大乱闘が発生し、後にACミランで活躍し、クロアチア代表として’98フランスW杯で3位となる原動力となった司令塔ズボニミール・ボバンのスーパー飛び蹴りキックが相手を直撃!しかも運悪くTVにバッチリ撮られ、結局9ヶ月の出場停止処分を受けた。

旧ユーゴ系、セルビアとかクロアチアとかあそこらへんの選手って、情緒不安定でノッてる時は良い意味で手が付けられないのだけど、いったんキレるともう手の施しようがないんだよね(笑)。

サッカー界の常識、、焦らせて焦らせまくって怒らせればユーゴは勝手に自滅する・・・そんなストイコビッチがオイラは大好きでした(笑)。。ハイ。

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博士の愛した数式

060707_hakasedvd 出演:寺尾聰、深津絵里、齋藤隆成、吉岡秀隆、浅丘ルリ子

監督・脚本:小泉堯史

(2005年・日本・117分)2006/02/01・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:家政婦をするシングルマザーの杏子が新たに派遣された先は、10年前に遭った交通事故で80分しか記憶が持たなくなってしまったという天才数学博士のもとだった。博士は記憶を補うために着ている背広にメモを何枚も貼り付けていたが、杏子は博士となかなかうまくコミュニケーションがとれずに四苦八苦する。そんなある日、杏子が10歳の息子を連れて来る。そして博士は彼のことをルートと名付けるのだった。。

“のどごしがスッキリしすぎで何もつっかえるものがなくて後味がないというのも考えものかも。。”

原作を映画化する上でポイントになるのは、原作をただなぞるだけではなく、原作のもつ世界観を大切にしながらその先にある物語を映像化すること、そして原作のもつ力に吸収されるのではなく、跳ね返すくらいの力をもつような良い意味で原作ファンの期待を裏切ることだと思うのだが。

しかしそこには、うっかり外してしまうと一巻の終わりというリスクも常につきまとう。

しかし、そのリスクを負おうとしている映画がオイラは好きだし、その上で腹八分なら十分満足なのだが、今回の映画はといえば、そういうリスクを負わない中で腹六分といったかんじなのだ。

この原作が全国の書店員が売りたい本を選ぶといういわば最大公約数で選ばれる本屋大賞受賞作ということもあるのかもしれないが、なにか観客の最大公約数を狙ったようなリスクを負わない安全策と、まるで割れ物にでも触るような慎重さとバカ丁寧さで扱うことに終始したかんじで、普通に良い映画なのだけど、なにか物足りなさを感じてしまった。

もともと原作がすこぶる優しいタッチで、辛味という炭酸に欠けていたのはたしかだが、映画化でさらにそれが薄まってしまったのもたしかだろう。

なにせ“優しさ”にかけては右に出る者がいない小泉&寺尾最強コンビだ、彼らの手にかかれば親父の雷も温かい人情へと様変わりする。

そういう点では原作のもつ世界観を表現することにかけては成功していたと思うし、無機質な数字と数学用語をいかに原作のもつような温かさで映像的に表現するかについても、原作では母親の視点で語られていたのを、成長して数学教師となったルートの視点に変えることによってうまく表現できていたと思う。

しかし、人間を描くことよりも自然の美しさを撮ることに重点が置かれていたような印象が強いほどの優しさは、登場人物の優しさと相まって鮮烈に焼きつくような強みに欠ける。

残酷な事故の後遺症とその葛藤や悲しみを描くことをしないため、それぞれの肖像が圧倒的に弱いのだ。映画ではそこをこそ描いてもらいたかったのだが・・・。

のどごしがスッキリしすぎで何もつっかえるものがなくて後味がないというのも考えものなのだな。。。

それにしても博士のところにやって来た家政婦は長続きしないで次々に辞めていくというわりには、寺尾博士はやはり優しすぎるのでは・・・。原作ではもっと融通の利かないとっつきにくく小難しい人間という印象があったのだが。

でも、ルート(吉岡秀隆)の寝ぐせは良かったな。

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マン・オン・ザ・ムーン(1999年・アメリカ・119分)NHK-BS

 監督:ミロシュ・フォアマン

 出演:ジム・キャリー、コートニー・ラブ、ダニー・デビート、トニー・クリフトン

 内容:コメディアンのアンディ・カフマンは長い下積みを乗り越えて、絶大な人気を得る。しかし、彼のパフォーマンスは過激さを増し、次第に中傷の渦に巻き込まれていく・・・。35歳で世を去った天才コメディアンの栄光と挫折を描いた人間ドラマ。

評価★★★/60点

何が面白いのかさっぱり分からないのだけど、、、なぜか最後まで観れてしまった。でも、二度目はご勘弁。。

なんだろ、この映画を観てるこっちがネタにされてしまうような、この映画自体がアンディの笑いの構造に組み込まれているような。

映画の作り手が天上からこちら側を眺めてほくそ笑んでいるかんじで、「トゥルーマン・ショー」とは立ち位置がまんま逆転しちゃっているんだよね。。

見られているのはアンディじゃなくて、我々だった・・・。

でも、単純にモリマンvs山崎邦正の方が面白いと思う(笑)。

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過去のない男(2002年・フィンランド/仏/独・97分)WOWOW

 監督:アキ・カウリスマキ

 出演:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、アンニッキ・タハティ

 内容:ある日列車に揺られ、夜のヘルシンキに流れ着いた一人の男。公園のベンチで夜明けを待っていた彼は暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負い、自分の名前にいたるまで過去の記憶をそっくり失ってしまう。しかし、幸運にもそんな彼にコンテナで暮らす一家が手を差し伸べ、男は彼らと共に穏やかな生活を送り始める。やがて、男は救世軍の女性・イルマと運命的な出会いを果たす・・・。カンヌ国際映画祭グランプリ、主演女優賞受賞。

評価★★★☆/70点

“過去を見つめるでもなく、過去と向き合うでもなく、過去を探ろうとするでもなく、過去にとらわれるでもなく、過去に縛られるでもなく、過去を取り戻そうとするでもなく、、、ただ淡々と「今」を生きる。”

映画としての求心力として過去を完全に失ってしまった男という設定は、サスペンスとか人間ドラマや感動ドラマだとか様々な道を選べる魅力的なものだと思うのだけど、カウリスマキはそれらの道には一目もくれずにただ真っ直ぐに延びた道を脱線することなくゆっくりと歩んでいく、、、、ってフツーじゃん(笑)。いや、あるいはビミョーじゃん。。

、、と感じるはずなのだけど、なぜか不思議と温かく、生きるぬくもりがじんわりと伝わってくる魅力的な作品だったなぁというのが観終わったときの印象なのだ。

でも、人間にとって最も重要な装置であり、これまでの人生を形作ってきた記憶の積み重ねが突然バツンと断ち切られた時って、あーだこーだ苦悶苦闘してジタバタするというよりは、もしかして逆にこの映画のように、変わることなくフツーに人とつながっていき、新たな記憶を積み重ねていき、新たな人生を形作っていくのかもしれない。

特に今回の場合は明らかに1回死んでるもんな、あのオッサン(笑)。

まぁ、なんつーかホント、なんてこたぁないお話なのだけれどねぇ・・・。

打算とか損得勘定みたいなのが一切ない映画だから、生きることに疲れたとき、ちょっと落ち着きたいときに観るといいかもね。ていうか、そういう打算的な考え方を突き抜けちゃってるところの境地に達しちゃってるからなぁカウリスマキさん・・。

やっぱりビミョー、、、だ。。

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ロレンツォのオイル

4008 出演:ニック・ノルティ、スーザン・サランドン、ピーター・ユスティノフ

監督・脚本:ジョージ・ミラー

(1992年・アメリカ・129分)NHK-BS

内容:“ロレンツォのオイル”とは、医学知識のない夫婦が難病(副腎白質ジストロフィー)に冒された息子を救うために、必死の努力の末に作り出した薬の名前。その誕生までの実話を映画化。

評価★★★★/80点

夫婦の絆と家族の愛情に感動し涙、そして無限の宇宙をあてどもなく求め彷徨うかのごとき広大な知の冒険と、人間の持つ果てなる可能性の素晴らしさにさらなる感動を味わう。

まだ、ネットが発達する前の時代、専門家とは無関係の一般人が答えの端緒に辿り着くための困難さは容易に想像がつく。

人間は艱難辛苦の危機から愛する人を救い守るために、このような“奇跡”を幾度となく繰り返して今まで生き延びてきたのかもしれない。

そう考えると、“愛”ってスゲェ!!

、、、と真実の愛を探し求めて茫漠たる日常を独りさすらうオイラが言う。。。

P.S.聞くところによると、ロレンツォは現在も健在(2008年時点)だそうで、でも母親の方は2000年7月に肺ガンで亡くなったそうです。

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