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2008年10月31日 (金)

夢のシネマパラダイス124番シアター:JSA

Jsa01 出演:イ・ビョンホン、ソン・ガンホ、イ・ヨンエ、キム・テウ、シン・ハギュン

監督・脚本:パク・チャヌク

(2000年・韓国・110分)DVD

評価★★★★☆/85点

内容:北緯38度線、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある共同警備区域=JSAで発砲事件が発生。中立国から派遣された女性将校が捜査にあたるが、北と南の兵士の意見は食い違い、やがて驚くべき真実が浮かび上がる・・・。南北分断の悲劇を描き、韓国で「シュリ」以上のヒットを記録したサスペンスドラマ。

“エンターテイメントとして描くにはあまりにも厳しすぎる50年の現実。”

いや、日本の植民地支配時代も含めれば100年以上か・・・。

決してハッピーエンドで終わらせることができないという作り手側の意志はそのまま現在の朝鮮半島の現実とも重なる。

イ・スヒョクの自殺というやり切れないラスト、これはイ・スヒョクの内面を考察してどうこうするというよりも、完全に作り手側の意志が介入したものとみるのが妥当である。

映画、そしてエンターテイメントというある意味逃避の世界と現実世界の折り合いという点であのようなラストを作り手側が選択せざるを得なかったということをこそ考察しなければならないのだと思う。

ジャッキー・チェンの映画に出てきそうなベタベタのスイス人だかスウェーデン人のボッタ将軍が1つだけいいことを言っている。

「調べるのは犯人ではなく、原因だ。重要なのは結果ではなく過程だ。」

全くその通りだと思う。

今のアメリカにこそ言ってやりたい言葉だが、なぜ同一民族で構成されている朝鮮半島が今のような状態になってしまったのか。。。

まったく救いようのないバカげた大国の論理で分断され、後始末もできなくなり、放置プレイとでもいうべき勝手気ままさで操作管理されて・・・。

50年も経てばそういうことさえ薄まり、過去のこととなり、北と南という既成事実だけが厳然として存在する、、、特に自分みたいな1980年代近くに生まれた日本人にとってはまさにそうだ。

考えてみりゃ戦争という惨禍の下で分断という悲劇を奇跡的に味わわなかったのは日本くらいのものだろう。冷戦の前哨戦としてドイツ、朝鮮半島、冷戦体制の中でのベトナム。

すべて大国の論理の下で分断され、果ては戦争へと同一民族が突っ走っていったのだ。

日本は非常に稀なケースといえるだろう。

アメリカは日本を占領統治するにあたって旧ソ連を締め出すことに成功し、アメリカただ1カ国による占領体制がとられた。悪く言えばただそれだけの理由で日本は分断を免れることができたといえる。逆に言えばただそれだけの違いでさらなる悲劇が生まれてしまう・・・。

大国の思惑と論理という置き土産だけを残していき、その土地の人々は放っておく。現在のイスラエル・パレスチナ問題も完全にそうなのだけど、自分たちの蒔いた種がもはや収拾のつかないところまで行き着いてしまうということが繰り返される歴史事実を見るにつけ、この映画のラストは強烈なカウンターパンチともいえるし、なおかつ北と南という大きすぎる既成事実を解消することのあまりにも絶望的な現実の象徴ともいえるのではないか。

悲劇的なラストでしか終わりようのないことにこそ、この映画にこめられた真のメッセージがあるのではないだろうか。

とはいえ、よくエンターテイメントとしても観れる作品に仕上げたものだと思う。感心してしまう。

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タイフーン

835e83c83t815b8393_2 出演:チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ、イ・ミヨン

監督・脚本:クァク・キョンテク

(2005年・韓国・124分)DVD

評価★★/40点

内容:米軍の秘密兵器を密かに輸送中の貨物船が、台湾沖でシン率いる海賊団に襲撃され、積荷を強奪されてしまう。アメリカが介入に及び腰になる中、韓国政府は元米国海軍将校カン・セジョンにシンの追跡を命じる。さっそく調査を開始したセジョンは、シンが20年前、韓国に亡命を拒否された脱北者であることを突き止める・・・。

“自作自演の香港映画でも見せられているような安っぽさは最後までぬぐえず・・・。”

つーか、あの台風、日本も通るやんけ・・・(笑)。

しかし、南北分断という悲劇を終わらせることは絶望的な問題なのだ、というスタンスともとれる重くのしかかってくるような現実感覚は、「JSA」を見てもそうだったのだけど、平和平和な日本人の想像の域を絶しているんだろうな、と思ってしまう。

反北朝鮮感情や危機感をいたずらに煽るような報道が占めている中、なぜ南北分断という現在のような状況になってしまったのか、それをまず我々もしっかり知ることが大事なのではないだろうか。

日本も過去においてその一要因に加担していたはずなのだから・・・。

それを知ることからしないと、この問題は解決できないだろうと思う。韓国と北朝鮮だけの問題ではないのだということを理解しないと、そして知るということをしないと。。

夢のシネマパラダイス302番シアター:THE 改革宣言!

県庁の星

Kencyo 出演:織田裕二、柴咲コウ、佐々木蔵之介、和田聰宏、紺野まひる、益岡徹

監督:西谷弘

(2006年・東宝・131分)2006/03/04・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:K県庁の35歳のエリート公務員、野村聡。ある時彼は、県政の目玉プログラムである民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれる。ところが、派遣されたのは田舎の三流スーパー「満天堂」。しかも、野村のお目付け役は、24歳のパート女性店員だった。プライドが高く、書類とマニュアル優先の仕事しか知らない野村はことあるごとに彼女と衝突してしまう・・・。

“県庁の何十階という高さから町を見下ろすことに慣れきった男が、3階建てスーパーから見るものとは!?”

民間の三流スーパーに派遣された“県庁の星”と期待されていたエリート公務員が、三流スーパーをどう改革するのか、というところからお話的に「スーパーの女」のようなハウツーものに流れていくのかと思っていたのだけど。。

しかし、あくまでも視点は織田裕二扮する野村聡の意識や心といった人間性に終始寄り添って、その変容の過程を主眼に描いていったのがなんとも秀逸だった。

形のみにこだわる公務員体質の野村が、“個人の顔”を直視し本当のマンパワーというものに気付いていくプロセスは見ていて面白かったし、妙に納得させられることしきりだった。

変革というのは制度や仕組み、システムを変えても、そこで働く人たちの意識が変わらなければただの形だけのものになり何の意味もないのだ、、、ということを身をもって経験した野村の晴れやかな表情が印象的だ。

やっぱ人間、一度奈落の底に落ちないと変わらないのかなぁ。オイラみたいに奈落の底に落ちたまま這い上がれないカワイソス人間も居るねんけど・・crying

でも、一方では、なんかこの映画、出来レースぽいかんじもスゴイしたんだよね。

それは、要は野村という男の仕事に対する意識、ヤル気、スキルが半端ないくらい高いということに行き着くのだけども。

企画提案能力、情報処理能力、語学力(外国人従業員にそれぞれの言語でマニュアル本を作っちゃうんだから恐れ入る・・・)、書類作成能力、交渉力、計画力etc..ホンマにすきのないプロ中のプロやんけ。オイラが持ち合わせてないものばかり・・・うう。やっぱキャリア組っつうのは違うんけ・・。

適当にやって半年ガマンすればいいんだ、と言いながらやってることはスゲェじゃねえか(笑)。生っ粋の目立ちたがり屋さんだし。

環境適応能力がちょっと不足していたのと過剰な自信の塊で覆われていたくらいなもので、マイナス要素と呼べるのは。逆にスーパー従業員の方がやる気あるの?みたいな。遅かれ早かれ改革されるだろこれは、と思っちゃう。とまぁ、そんな穿った見方もしちゃったんだけど。。

県庁の何十階という高さから町を見下ろすことに慣れきった男、その目線で民間へ行ってしまった男が、ほんのちょっと視線と目線を変えるだけで大事なコトに気付かされる。

それだけで意識は劇的に変わるのだということ、あとは彼の持ち合わせているプロなみの能力を適材適所で引き出していけば従業員の意識改革も含めて事はスムーズに運んでいくわけで、、、改革順調!メデタシメデタシ。

ただ、大事なコトに気付かせてくれたのは、パート店員である二宮をはじめとするスーパーの皆だった。

官vs民バトルではなく官・民が相互に補い合って持ちつ持たれつガンバっていこーー♪一件落着!

でいいんちゃうん。。

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金融腐蝕列島【呪縛】

Title1 出演:役所広司、椎名桔平、矢島健一、遠藤憲一、仲代達矢、根津甚八、風吹ジュン、若村麻由美

監督:原田眞人

(1999年・東映・115分)1999/09/30・仙台フォーラム

内容:総会屋への多額の利益供与が発覚した朝日中央銀行に東京地検特捜部の捜査のメスが入る。経営陣はパニックに陥り、政財界の大物でもある黒幕、佐々木取締相談役の顔色ばかりをうかがう有り様。そんな上層部の態度に奮起した企画本部副部長で佐々木相談役の娘婿でもある北野をはじめとするミドル層と呼ばれる中堅行員たちは、銀行の悪しき因習を断ち切るべく再建のための改革を断行しようと立ち上がる。。

評価★★★★/80点

映画観てる最中、人物の立ち位置を異様なまでに意識させられたのはこれが初めてだ。なんか壮大な舞台劇を見たような気分。

改革を断行しようとする中堅組、自分たちの体裁を守ろうと組織のしがらみから抜け出せない上層部、皮肉たっぷりに描かれるマスコミ、この三者三様がめまぐるしく交錯してテンポも速く、アクション映画よりもアクション映画ぽかった。

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どら平太(2000年・日本・111分)NHK-BS

 監督:市川崑

 出演:役所広司、浅野ゆう子、宇崎竜童、片岡鶴太郎、石橋蓮司、石倉三郎、菅原文太

 内容:ある小藩の町奉行に着任した望月小平太は、その豪快ぶりから“どら平太”というあだ名までつく型破りな役人。彼はこの藩の壕外と呼ばれる売春や賭博が横行する藩の吹きだまり地区で権力を握る3人の親分の不正を正すべく動き出すが・・・。黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹によって結成された「四騎の会」の第1回作品として共同執筆されながらもお蔵入りになっていた山本周五郎原作の時代劇を市川崑が映画化。

評価★★★/60点

“伏魔殿とやらはどこへやら。なぁんだ、実はみんないい奴じゃん・・・。”

この映画、現代の日本の政治と照らし合わせてみると意外に面白いかも。

ある小藩。ま、永田町のどこぞやの党ですか。改革を謳うどこぞやの首相が殿。

しかし改革をやるぞ!やります!やる!と言うだけで何ら行動しないお殿さま。

一応、望月小平太を改革担当大臣に据える。んで改革実行は小平太に任せっきりでお殿様は最後まで姿を見せず。

そう、この映画、、お殿様が出てこない。。。

一方、改革に乗り出した小平太のまわりには、いくつかの派閥に分かれてはいるが一応足並みが揃っている抵抗勢力の存在が。

上意!上意であるぞ!と叫びながら小平太は心血注いで改革に身を焦がす。

しかし殿は一向に姿を現さず。小平太は一人矢面に立って孤軍奮闘するのであった。ときにはバッサバッサと斬り捨てる痛みをともなう手段もとる小平太であったが、そこはさすがの小平太。刀の峰で討ったように命にかかわらない程度の最小限の痛みに抑えるのであった。

改革の本丸、壕外、それは悪の巣窟。汚辱と悪徳のゴミ溜め。

財界、大企業はたまた道路公団か社保庁か、、まぁ次から次へと・・・。

しかし、一方では壕外から入ってくる献金、闇金が重要な財源となっているのもまた事実。

はたして小平太は癒着の毒の根を絶つことができるのでありましょうか。チャンチャン。

なんかこの映画の最後は内閣総辞職てなかんじで終わったけどね・・・。

とはいうものの冒頭に書いたように、なんかみんないい人になって終わるんだよね。

伏魔殿というよりは単なる馴れ合いだったか・・・。

レアル・マドリー狂想曲第49番:デラレッドを襲った悲劇・・・!?

週末のリーガでビルバオ相手に3-2でヒヤヒヤもんの勝利を挙げて、ミッドウィークのコパデルレイ(国王杯)に臨んだ我が愛しのレアル・マドリー。

対戦相手は2部リーグB(実質3部)の古豪レアル・ウニオンとのアウェイ戦。

今日の布陣は、

                 サビオラ

   ドレンテ                       イグアイン

           グティ         デラレ

                 ディアッラ

 マルセロ                            サルガド

           エインセ      メッツェルダー

                 デュデク

ラウルやカシージャス、Sラモス、カンナ、ロッベンなど主力はお休みで、まぁ1.5軍といったところか。

要は相手からすると、なんてことはない試合になるはずだったんだけど、、、何かを感じたのかオイラは試合が始まる朝5:00(現地時間21:00)にムックリと起き上がって、ネット観戦。

そして、、それは突然起こった・・・。

Photo ←前半10分過ぎ、相手ゴールキックの時にペナルティエリアまで走りこんでいたデラレが普通に戻ろうとした瞬間、、、突然パタッと前から倒れてしまったのだ・・・。写真を見れば分かるように、完全に瞳孔が開いた状態。

これ見て真っ先に昨シーズン、セビージャの左ラテラルとして売り出していた22歳のプエルタの死(ピッチ上で突然倒れて、意識を一度は取り戻したものの、その後亡くなった)を思い出して、マジに不安になってしまいました。

が、ピッチ上でなんとか意識を取り戻したデラレは担架で運ばれて病院に直行。心臓疾患か何かなのか・・・。

一応、メディカルコメントとしては、低血圧が原因だとか発表されているようだけど、マドリードに戻ってからより精密な検査を行うようだ。選手生命に関わる疾患じゃなければいいけど、あの倒れ方と失神は尋常じゃなかったからなぁ・・。心配です。

さて、試合の方は、実質3部チームに2-3の負け、、、っておいおい!いくら、アウェイだとはいえ、ヒドイぞこれは。

特に守備・・・。守る気あんのかお前ら、、、というくらいヒドかった。メッツェルダーもなんとかならんもんかなぁ、ただ図体デカイだけやん。。

しかし、今シーズンのレアルは、昨季がウソのように失点が多い・・。                  

2008年10月29日 (水)

夢のシネマパラダイス541番シアター:花よりもなほ

061124_hanayorimonaho 出演:岡田准一、宮沢りえ、古田新太、浅野忠信、香川照之、國村隼、原田芳雄、加瀬亮

監督・脚本:是枝裕和

(2006年・松竹・127分)2006/06/10・盛岡名劇

評価★★★☆/70点

内容:元禄15年、徳川綱吉の時代。武士である青木宗左衛門(岡田准一)は、父の仇・金沢十兵衛(浅野忠信)を討つために信州松本から江戸に出てきたが、一向に仇を見つけられず、貧乏長屋に腰を据え、寺子屋を開くまでになっていた。おまけに向かいに住む美しい未亡人、おさえ(宮沢りえ)に恋心を抱いてしまう始末。が、切腹させられた浅野内匠頭の仇を討つべく動き出した赤穂浪士たちが長屋に潜伏し、宗左衛門が吉良の密偵ではないかと疑いをかけ始め・・・。

“嘘をつくのが大の苦手な是枝裕和が挑んだ「大江戸エンターテイメント!」、、、が、やっぱり嘘つけない性分なんですな、この人・・・。”

元禄江戸の下流社会の底辺で生きる社会的弱者たちののどかで平和な超楽天生活を軸に、“武士道”をバッサリ斬り捨て、“庶民道”を大らかに謳い上げる今回の作品。

監督長編5作目にして時代劇という作られた世界の中で、どのように是枝監督は立ち回るのか、と思っていたが、物語の構図的には悪人が1人も出てこなくて、ただ市井の日常を見つめるだけという、定型的な時代劇の枠からはみ出た一風変わった「誰も知らない」時代劇という色合いが濃くなっている。

赤穂浪士の仇討ちというオーソドックスな時代劇ネタを180度裏っ返してスクリーン上に焼き付けてしまうという大胆さにもさすが是枝監督だなと唸ってしまう。

しかし、ドキュメンタリータッチの是枝節ならではの弊害もなかったわけではない。

それは、この映画を桜の花びらに例えていうならば、ライトアップして見せることもせず、そよ風を吹きつけたりすることもせず、「フォレスト・ガンプ」のオープニングに出てくる羽毛のごとくヒラヒラ舞わせることもせず、触れることさえしない・・・。5メートル離れた所からただ優しく見つめるだけなのだ。

悪くいえば起伏がなくて平坦といったかんじなのだが、是枝監督のこの映画に対する距離感というのが、各登場人物との距離感にもろに反映されてしまっていて、あと一歩踏み込んでいけないもどかしさというのは、映画を観ている間中ずっと感じてしまった。役者陣が魅力的だっただけになおさら。。

定型的な時代劇という枠からはみ出してはいるものの、作られた世界という借り物の中で一定の距離を置いた是枝監督のスタンスというのが逆に定型化してしまっているのが垣間見えちゃって、ちょっと鼻に付いたかな。。

なんつうか、たぶんこの監督、嘘つくのが下手なんだろうね。対象が人であればなおさら苦手というか。それが距離感として映画に出ちゃってるんだもん。

もっと吹っ切れて対象に迫っていけるような赤裸々な嘘をついてもらわないと、物語世界としては脆弱だと思う。特に時代劇では。せっかくの魅力的な設定が生きないわな。

まぁ、ただそうはいっても、“武士道”というのを嘘として描いてしまう是枝監督のこの独特な視点というのは嫌いにはなれないし、心魅かれてしまう自分もいて、なんというか観終ってホント複雑な気持ちになっちゃいますた・・・。

この映画が好きか嫌いか、と訊かれたらやっぱ好きって答えちゃうもん。そういう是枝ワールドの魅力は消えてないんだけど。。。

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(おまけ)

忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年・松竹・106分)WOWOW

 監督・脚本:深作欣二

 出演:佐藤浩市、高岡早紀、津川雅彦、荻野目慶子、渡辺えり子

 内容:鶴屋南北による狂言「東海道四谷怪談」に、もともと設定にあった「忠臣蔵」の物語を大きく組み込んで古典ドラマを再構築した異色時代劇。元禄14年、浪人に身をやつした赤穂藩士は主君の仇・吉良への仇討ちの時を待っていた。湯女のお岩と暮らす伊右衛門は、ある時、吉良家臣の娘・お梅に見初められる。仲間の脱藩で心を揺らしていた彼は、意を翻してお梅と一緒になってしまった。お岩は毒殺され、さらに伊右衛門は赤穂藩家老暗殺の命を受ける・・・。

評価★★☆/50点

オープニングテーマ曲にカール・オルフの“カルミナ・ブラーナ”が鳴り響いた時点で、ん?大丈夫なのかこの映画?と訝ってしまったが、、、いろんな意味でオカシイ映画だった。オカシイといっても可笑しくて思わず吹き出してしまうという方ね・・(笑)。

お岩さんの顔より渡辺えり子の顔の方にウギャーーッcoldsweats02てなったのはともかく、佐藤浩市の白塗りの顔には爆笑!

志村けんのバカ殿さまでも十分通用するやろ。しかも、これだけ豪華なメンツで・・・。

美巨乳が強烈なインパクトを残した高岡早紀のもだえ苦しむ姿の体当たり演技は評価されてしかるべきなのかもしれないけど、それもチャイニーズ・ゴーストストーリーばりのサイキックパワー炸裂で雲散霧消。妖しさもなにもあったもんじゃない。いったい何を描きたかったのかサッパリ・・。

小林正樹や溝口健二といった往年の名監督の怪談映画を意識している節もチラホラ見受けられたけど、まぁ深作欣二の作風とは相容れない要素だからなぁ。

そういう点ではよく出来てる方なのかも!?

、、だからって、日本アカデミー作品賞獲っちゃうというのはいかがなものか・・・。

夢のシネマパラダイス540番シアター:ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー

E38396e383ace382a4e38396e382b9e3838 声の出演:松たか子、大泉洋、常盤貴子、ウエンツ瑛士、今井美樹

監督:千明孝一

(2006年・日本・111分)2006/07/20・盛岡フォーラム

評価★★/40点

内容:ある日、小学5年生のワタルが学校から帰ってくると、父親が家を出て行ってしまい、さらに母親は倒れて入院してしまう。突然家族がバラバラになってしまった現実を受け入れられないワタルは、転校生ミツルの言葉を思い出した。それは、「幽霊ビルの屋上から天に伸びる階段の先の扉の向こうへ行けば、運命を変えられる」というもの。ワタルは家族を取り戻したい一心でその扉の中に飛び込んでいく・・・。直木賞作家・宮部みゆきの冒険ファンタジー小説のアニメ映画化。

“このRPGゲームが中古で売られていたとしても、、、100%買わない。。”

それくらいツマラなかったです、この映画・・・。

ま、宮部みゆき原作小説の映画化作品って、「理由」以外見るに堪えないのばかりだけど。1番好きな作家だけに困っちゃうんだけどな(笑)。

なんで映画になるとツマラナイのか。。

それは、宮部みゆきの小説がなぜ面白いのかと言い換えることができると思うんだけど、独特かつ唯一無二の洗練され研ぎ澄まされた確かな日常感覚と、事件や犯罪から超常現象に至るまで異常なまでに豊かな非日常性が、見事な完全調和をみせているところにあると思う。

しかし、これが映画になると、日常感覚にほとんど光が当たらないという体たらくになってしまうのだ。

非日常的エピソードの積み重ねを追うというのは映画生来のサガではあるのだが、こと宮部みゆき原作に関しては確かな日常感覚に光が当たらないというのはもはや致命的である。

そう考えると、今回の「ブレイブ・ストーリー」は、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」と比べてもよく分かるが、異世界(幻界)へ行く前の主人公ワタルの日常的エピソードがじっくりと描かれていて、しかも家族という日常が崩壊しつつある危うさにワタルが直面していく過程がややクドイくらいに描かれているのが大きな特徴といえる。

ここまではまだいい。

しかしだ、、、肝心の非日常世界へ行ってからの薄っぺらさと安っぽさと怠けっぷりはナンダ!?一体何なのだ!?なぜなんだ(笑)?こいつらにヴィジョンはあるのか!?

こっちが良ければ、今度はあっちがダメかぁ、、、って、おいおい頼むよ~。

成長過程が全然ないというか、Aqua Timezの歌の力で見習い勇者のレベルがブッ飛んじゃった、、みたいな。。なんじゃそりゃ。

また、幻界という異世界の描写も日常感覚(リアリティ)と非日常性(ファンタジー)のバランスが全く取れていない。

やっぱこういうの見ると、ジブリアニメの凄さってのが如実に実感できるなぁ(笑)。トホホ。

「千と千尋」でいえば、冒頭から何の説明もなしに千尋は異世界へ迷いこんでしまうわけだけど、宮崎駿はその異世界をおもいっきり非日常的な世界でありながら、なおかつおもいっきり日常的に現実世界と表裏一体で渾然一体に描いてしまうという離れ技をやってのけた。

それは、一貫性のないストーリーを無理やり引っ張ってしまうという力技にもなったのだが、終始一貫して主人公千尋に視線を寄り添わせて描くことで、少女が生きる力を取り戻す物語世界としてしっかりと成立させてしまった。

こりゃもうかなわんわな・・・。

本作にそこまでを求めるのは酷といえども、ひとつの物語世界としてもう少ししっかりしたものを提示してもらいたかった。映像としての世界だけで見せようとするのは駄作への近道以外の何ものでもないし、そういう安易な手法に埋没するのは避けてもらいたい。切に願います。。

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(おまけ)

カクレンボ(2005年・日本・24分)NHK-BS

 監督:森田修平

 声の出演:竹内順子、植木誠、鈴木真仁、内藤玲

 内容:夜、カクレンボをすると鬼に連れて行かれる・・・。行方不明になった妹を探す少年ヒコラたちと、鬼の正体を暴こうとするノシガたち、そして謎の少女もまじえた7人の子供たちが摩天楼の最下部の薄暗く入り組んだ街中へと足を踏み入れ、おトコヨさまのお遊戯カクレンボを始める・・・。

評価★★/40点

題名をローマ字表記で出してくる時点でこりゃちょっと違うなと感じたけど、まさにその通りの出来だった・・・。

とにかく才能をひけらかすように絵で語ろうとするのはやめれ!そんな離れ技できるのは宮崎駿くらいなもんなんだから。

ストーリーがとにかく薄すぎて話にならないよこれじゃ。。

2008年10月28日 (火)

夢のシネマパラダイス539番シアター:パイレーツ・オブ・カリビアン

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち

070518_pirates_p3 出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、ジェフリー・ラッシュ、キーラ・ナイトレイ

監督:ゴア・ヴァービンスキー

(2003年・アメリカ・143分)2003/08/28・仙台第1東宝

評価★★★★/80点

内容:17世紀。海賊バルボッサ率いるブラック・パール号がカリブ海の港町を襲撃、総督の娘エリザベスを誘拐した。彼女に恋心を抱く刀鍛冶のウィルは、バルボッサと因縁のある伝説の海賊ジャック・スパロウと手を組み、彼女を救出するため船に乗り込む。しかし、バルボッサたちは、呪いにより不死の身体となっていた・・・。ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」の映画化。

“この映画に呪いをかけられたオイラが思わずとってしまった行動・・・”

そしてそれは我が映画人生において最も恥ずかしい思い出のひとつとなってしまった。

キャプテン・ジャック・スパロウに呪いをかけられた、、、これは嘘ではない。正真正銘真実である。

この映画をバカにしていたオイラは間違いなく呪いにかけられた。そしてスクリーンから跳ね返ってくる夜光に照らされたオイラはすっかり骨抜きにされた姿をさらけ出していたのだ。

シートの背もたれに寄りかかることもせず、連れが隣に座っていることも忘れるほど胸は高鳴り、目は童心に返ったように光り輝き、口元は終始ユルみっぱなし・・・。

そう、オイラはこの映画をバカにしていた。というかそもそも眼中にさえなかった。劇場で「HERO/英雄」を観たときに予告編が流れたのだが、この映画を観たいという気にさえならなかった。ゼロ。

ここで言い訳がましいことを言わさせてもらえば、劇場で流れた予告編を見て真っ先に思い出したのが「カット・スロート・アイランド」だったのだ・・・。中途半端に面白く、しかし心には全く残らないレニー・ハーリン&ジーナ・デイビスの映画が頭の中に浮かんできて、悲しいかな今回の映画を観たいという気持ちを完全に縛り付けてしまったのだ。

こうして、オイラの中でパイレーツ・オブ・カリビアンは封印されてしまった・・・。

が、しかし、これで終わりではなかった。

封印された後から自分の周りで呪いの前兆ともいえる現象が相次いだのである。

会う友人が「パイレーツ・オブ・カリビアンおもろかったー!」「良かったよ。」「もう笑った笑った。」などと口をそろえて言ってくるのである。中には非常に興奮した乱調ぶりでメールを送ってくる女友達さえいたのだ。

そしてついにジャック・スパロウの魔の手は彼女にも及び、オイラは懸命に北野武の「座頭市」を見たいと言い張ったのだがあえなく却下・・。

こうして全く自分の眼中になかったブラック・パール号は面舵いっぱいの急旋回でいきなり眼前に迫ってきたのである。

そして、、、オイラはこの映画の虜になり、すっかり骨抜きにされてしまったのですた。

が、が、しかし、これで話は終わりではない。本当の呪いはこれからなのだ。

映画の中盤でオイラは尿意をもよおしてしまったのだが、映画に引きずり込まれ、結局トイレに行くこともないまま映画を観終わった。そして、あっ、そういえばトイレ行きたかったんだと思い出し、エンドクレジットが流れ始める中、オイラと彼女は席を立ち、先頭を切ってドアまで向かった。

しかし、この時あろうことか、オイラは完全にジャック・スパロウ気取りになっていたのである。。エンディング曲に合わせて歩き方が・・・彼女を笑わせようとしたこともあるが、おすぎとピーコをデフォルメしたようなジャック・スパロウの歩き方になっていたのだ、というかマネしてみたのだ。そしてドアを豪快に開け、腕をフリフリ目はすまして脚はちょいヒョコヒョコ走りで出ていったのです、、、と、、もの凄い数の視線がオイラにふりそそぎました、ハイ。

なにせ日曜の1番混む時間帯。次の上映を待ってる奴らがわんさかいたのだーーッshock

あちこちで抑えた笑いが・・・。固まるオイラ。マジで恥ずかしかったっス。

これは絶対呪いだ!

さて、ちょっと気を取り直して映画について。

なんか正真正銘の海賊映画と呼べるものを初めて観た、そんな気がする。

子供の頃に見た「グーニーズ」のラスト、海賊ウィリーの海賊船が船出するシーンで終わるあのラストに子供心にものすごいロマンを感じ興奮したのを覚えているんだけど、まさにあの気持ち、あの感情の高ぶりを見事に甦らせてくれました。感謝ですhappy01

ところでちょっと気になったのがラスト。

ウィルとジャックがノリントンたちに囲まれて、そこにエリザベスが割り込んでくるシーンについてなんだけど、あそこで簡単にノリントンが折れちゃって、ウィルとエリザベスがほとんど無血入城状態で結婚を許されるというのがどうもなんかなぁ。

オイラが考える理想のラストは、エリザベスが割り込んできた時にウィルがエリザベスを人質にとってそのままジャックともども下の海に飛び降りてブラック・パール号に乗り込むってのがイイなと。

エリザベスを人質にとるというのは前半のシーンでジャックがやってることだし(正確には倒れちゃう)、下の海に飛び込むというのも冒頭でエリザベスがやってるし。だからそれらが伏線としてしっかり生きてくるし、人質になるエリザベスとしても分かってるわけだしな。

まぁ、「ルパン3世カリオストロの城」でクラリスは私を泥棒にして下さいとルパンに頼むんだけど、それは叶わぬ願いだった。しかし、このパイレーツ・オブ・カリビアンでは叶っちゃった!どんなもんでしょ。

ただネックとなるのが、あのラストシーンでエリザベスの親父がちゃんと出てくる点と、海賊船に女が乗るとロクなことがないという掟なんだよなぁ。ま、掟は破るためにあるんだからな。ま、いっか(笑)。

(初記)2003/09/01

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パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

Intro 出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ビル・ナイ、ステラン・スカルスガルド

監督:ゴア・ヴァービンスキー

(2006年・アメリカ・151分)2006/08/03・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:バルボッサとの闘いを乗り越え、再びブラック・パール号の船長となったジャック・スパロウ。しかし、彼にさらなる苦悩が押し寄せようとしていた。それは13年前にブラック・パール号を手に入れるために幽霊船フライング・ダッチマン号の船長デイヴィ・ジョーンズと交わした血の契約の刻限が迫っていることだった。一方、結婚式を挙げようとしていたウィルとエリザベスは、ジャックを逃がした罪で投獄されるハメに・・・。

“スターウォーズ・オブ・カリビアン/帝国の逆襲”

子供ココロと遊びココロと悪戯ココロと冒険心、好奇心、そして豊かな想像力であふれかえった完璧かつ強固な魅力的な世界観が確立されていた前作。その続編とあって、よほどの悪ノリをしたとしても前作で敷かれたレールを脱線することはないという余裕があった中で、“北を指さないコンパス”を片手に快調にそのレールの上をブッ飛ばしてくれたなという安定感は見て取れた。

逆にいえば、それは映画の作り手側の自信であり、楽しんで作っている証拠であるわけで、それが直に観ている側にちゃんと伝わってきたのはさすが。

どちらかといえばインディーズ系俳優だったジョニー・デップを一気にメガトンメジャー級スターへと変貌させてしまった前作に引き続き、嬉々として丸焼き寸前のジャック・スパロウを演じているジョニデを見てもそれはよく伝わってくる。

だからアトラクション的な1つの確立されたエンタメ空間を今回も安心して楽しむことができたと思う。特にクラーケンが船を真っ二つにブッ潰しちゃうところなんかはシビレまくり。

強いていえば、2時間半というボリュームの中でもっと悪ノリしちゃってもよかったかな、とは感じたけど。なんか前作から裾野が広がっていかないというか、全体的に狭い視野しか提示されなかった気も・・・。

ま、それは3作目を見てから総合的に判断しなければならないのだろうけどね。

とにかく、楽しくて面白いアトラクションは何回乗っても飽きないもの。このシネマアトラクション、パイレーツ・オブ・カリビアンも全くそう。

さらなる魅力と楽しさ満載の宝箱を携えてリニューアルされる3rdバージョンにも決して乗り損ねることは許されない!

余談flair

「スターウォーズ」との類似点が指摘されている本シリーズだけど、今回出てきたブードゥー教の魔女でジャック・スパロウの元カノであるティア・ダルマの住処が、ヨーダの住む沼地で覆われた惑星ダゴバに酷似しているのにはビツクリ。

さらに、ジャック・スパロウが今回迎えた壮絶な最期も、2作目「帝国の逆襲」でジャバ・ザ・ハットに捕まって冷凍保存されたハン・ソロの境遇に似すぎるほど似すぎる展開で、、、こうなると3作目は「ジェダイの復讐」を下敷きにしてると考えていいのか・・・?

となると、何?ウィルとエリザベスは兄妹だったとか、、、っておいおい一体どうなっちゃうんだ(笑)。。。

(初記)2006/08/05

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パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(2007年・アメリカ・170分)2007/06/05・盛岡フォーラム

 監督:ゴア・ヴァービンスキー

 出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、ジョナサン・プライス、チョウ・ユンファ

 内容:デイヴィ・ジョーンズを配下に従えた東インド貿易会社のベケット卿は、世界制覇を目論み次々と海賊たちを撃破。ついに海賊の時代は終焉の時を迎えようとしていた。そこで海賊たちは最後の手段として、伝説の海賊9人を招集し全面対決に持ち込むことにするが、その9人のうちのひとりが生死不明のジャック・スパロウであることが判明。ウィルやエリザベスたちは、船乗りの墓場デイヴィ・ジョーンズ・ロッカーに囚われたジャックの救出に向かうが・・・。

評価★★★/65点

“「オレがちょっと目を離すとこうだ。何もかもメチャクチャだ!」byジャック・スパロウ”

まさにこのジャック・スパロウのセリフそのものを地で行くような映画だった。

2作目からちょっと目を離してみたら、なんじゃこのグダグダのメチャクチャさは(笑)。

幕開けでいきなり変な歌を歌い出して、えっ何?ミュージカル?と思いきや、べトコンの村に忍び込む米兵が水の中からヌゥッと顔を出す「地獄の黙示録」の様相を呈し、そこに現れたのはマーロン・ブランドならぬチョウ・ユンファ。

前作で最強の船フライング・ダッチマンを操る深海の悪霊デイヴィ・ジョーンズがあっさりとベケット卿の軍門に下っているあっけなさ。

チャーリー・カウフマンもビックリのシュールすぎるジャック・スパロウの一人芝居。そのジャックを絞めたはずの怪物クラーケンが死骸になって浜に打ち上げられている取って付けたような再登場。

理解に苦しむカリプソカニミソなんじゃこりゃ。。

とにもかくにも脈絡もヘッタクレもない行き当たりばったりのシナリオの中で、自分のためなら平気で人を裏切る芯の通っていない行き当たりばったりキャラたちがすったもんだのドタバタ騒ぎをするという、はっきりいって映画としては最悪の部類に入る出来だと思うんだけど(笑)。。

かといいつつ、1作目に出てきたノリントン配下の衛兵2人組が今作の最後で海賊にくら替えする場面をちゃっかり入れちゃうなどサービス精神も満載。

ホント詰め込めるだけ詰め込んだ3時間。ゲップが出るくらいグダグダです・・・。

ただ実はコレ、2回目別なお方と観に行ってん。そしたっけ2回目はそこそこ面白かったんだよね。ストーリー展開も頭の中で整理できて見られたし。ていうかストーリーを追えたというただそれだけなんだけど。。。

デッドマンズ・チェストの3作目へTo be Continueという締め方は最高に期待をそそるものだっただけに残念な出来だったというのが正直なところ。まぁ、1作目から楽しく観てきたという点を考慮して★3っつかな・・。

2008年10月27日 (月)

夢のシネマパラダイス538番シアター:ダ・ヴィンチ・コード

Moviedavinci 出演:トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン、アルフレッド・モリーナ、ジャン・レノ、ポール・ベタニー

監督:ロン・ハワード

(2006年・アメリカ・150分)2006/05/30・盛岡フォーラム

評価★★☆/50点

内容:ある日、ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエールが殺害される。しかも遺体は、レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図を模した形で横たわり、周りには不可解な暗号が記されていた。殺害当夜、館長と会うことになっていたハーバード大学教授で宗教象徴学の権威であるロバート・ラングドンは、フランス司法警察から協力を依頼されるが、ファーシュ警部はラングドンを犯人と疑うのだった。そこへ、館長の孫娘で暗号解読官であるソフィー・ヌヴーが駆けつけるが・・・。

“ダン・ブラウンの原作小説の選りに選りすぐった見せ場のみを取り出して映像で再現した贅沢なエンタメ作、、、になるはずが・・・”

オイシイとこ取りに徹したあげく、味も素っ気もない単なる平面的な模造品になり下がってしまったトンでも作、、、になってしまった。

まぁ、様々な秘密や暗号の数々が散りばめられ、大胆な発想力による驚愕の謎解きを加え、既成の枠をはるかに超えた上下巻の原作を2時間半にまとめること自体至難の技に近いのだが・・・。

しかし、上下巻で600ページを越える原作は骨格としては意外にオーソドックスなものであり、どのプロットを取り入れて膨らませて描き、どのプロットを省いて描かないかという取捨選択に関しては予想以上に容易なはずで、それさえ間違わなければ一級のエンタメ作になるはずだったのだが、、、ウゲーーッshock全部入れたんかい!!?

そう、、この映画の最大の失敗は、取捨選択を全くといっていいほど放棄していることにあるといってよい。

とにかく全部入れちゃった、、エヘ、、、みたいな。。

おかげでまるでキャベツの千切りのごとくサクサクサクサク突っ走っていきよる・・。見せ場もヘッタクレもあったもんじゃない。しかも見せ方も下手・・・。

例えば、ティービング卿の飛行機でイギリスへ降り立ったラングドンたちを飛行場で警察が待ち構えている場面。ここではパトカーが格納庫に入ってくるのと同時に迎えの車の車内にラングドンとソフィーが逃げ込んで、飛行機のタラップから普通に降りてきたティービング卿が警察をあざむいて難を逃れる、という流れになるのだけど、単純にラングドンの視点で見せりゃいいものを、どうやって飛行機に乗ってたはずのラングドンとソフィーが姿をくらましたかというのをいっちいちフラッシュバックまで使って画で見せてくるのな。。マジックの種明かしにもならない大したことないシーンなのに。

こういうところで変な発想力使わないでほしいわ、ったく。もっと別な重要なところで使ってくれよ。

この原作はフィボナッチ数列やアナグラム、鏡文字、ダ・ヴィンチの描いた絵画、死のダイイングメッセージといった暗号の数々を読み解いていく知識欲と、キリスト教会の暗部の歴史の秘密とミステリーを暴いていく探求欲と、ソニエール殺害事件の犯人にされて警察から追われるハメになったラングドンの逃走劇にハラハラドキドキする生存欲とで高濃度で満ち満ちており、脳内神経刺激されまくりで読み出したらもうどうにも止まらなくなるくらいだ。

これを映画化する場合、ラングドンのスリリングな逃走劇というところに関しては十八番といってもいい題材だと思うが、問題は知識欲・探求欲をどう映像で見せていくかだと思う。大胆な発想力はここで使わないと。。

しかし、さっき述べたプロットの取捨選択も含めて、この部分が今回の映画は致命的に弱いと思うのだ。

原作では、宗教象徴学の権威であるラングドンとフランス司法警察の暗号解読官ソフィーというスペシャリストが道先案内人および解説者として読者の想像力を決して削ぐことなく最終地点まで導いてくれる。

しかし、これが映画となると、このスペシャリスト2人が観客を置き去りにしてあれよあれよという間に暗号を解いていき勝手に突っ走っていってしまう。

そこには何の面白みもないし、想像力やら知識欲やらが入り込む余地もなく文字通り味も素っ気もないと言わざるをえない。

もちろん、文字媒体と映像媒体という手法の違いはあるわけで、がしかし、この映画はそれを全く同じ土俵で捉えて再現しようとしていることに、もはや救いを見出すことさえ危ぶまれてしまうくらいだ・・・。ガッカリだす。。

例えば、ラングドンとソフィーというスペシャリストコンビに全くのド素人キャラを新たに加えて3人トリオにしてもよかったのではなかろうか、とも思っちゃったけど。

いずれにしても、もうちょっと視点と焦点を絞ってポイントを押さえてやった方が良かったのではないかと思う。

文字媒体そのまんまをただトレース・模写するだけじゃ1個の映画としては不完全にしかならないってことだね・・・。大ベストセラーの完全映画化という謳い文句がかえってわびしく聞こえてしまう哀しい一作・・・。

2008年10月26日 (日)

夢のシネマパラダイス416番シアター:そこに足を踏み入れてはいけない・・・

サイレントヒル

Silent_hill_ver6_2 出演:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー

監督:クリストフ・ガンズ

(2006年・アメリカ・126分)2006/07/12・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:ローズとクリストファー夫妻には、9歳の養女シャロンがいるが、しばしば夢遊病で行方不明になることがあった。そして見つかると決まってシャロンは「サイレントヒル」とつぶやくのだった。彼女を救う手掛かりを探すローズは、やがてウエストヴァージニアにサイレントヒルという街が実在することを突き止める。そこは、30年前に大火災に見舞われ、今ではゴーストタウンと化している所だった。ローズはシャロンを車に乗せてその街を目指すが、途中で事故に遭い、ローズは気を失ってしまう。そして彼女が意識を取り戻したとき、そこにシャロンの姿はなかった。ローズはシャロンの後を追って、サイレントヒルへ彷徨い込んでいくが・・・。コナミの人気ゲームの映画化。

“ここは地獄の一丁目・・・”

TVゲームの方をやったことがないので、どれくらい忠実に再現しているのかは分からないが、それをぬきにしたってこの映画は一個の独立したホラー映画として十分すぎるほどの出色の出来栄えだと思う。

特に映像面が醸し出すゴーストタウン・サイレントヒルの雰囲気と世界観には脱帽するしかない。

暗がりの明暗分けがたい微妙な色味の肌ざわりというものを非常にリアルかつ生々しく映像で再現していて、暗部を光と闇でこれほど巧く映像化した作品というのも稀有な例だと思う。

そして、知らず知らずのうちに魅き込まれてしまう美しさと、その裏に潜む世にもおぞましい闇と腐臭の世界の慟哭のスパイラルに、まるで醒めない悪夢でも見ているような錯覚に陥ってしまった。

ロビン・ウィリアムズが主演した「奇蹟の輝き」(1998)で絵画的なヴィジュアルとして地獄の世界が再現されていたが、今回のサイレントヒルの耳につんざくサイレンとともに圧倒的な描写力で迫り来る決して抜け出すことのできない暗黒パラレルワールドにこそ、終わることのない底なしの世界である無間地獄を強くイメージさせられてしまった。

終盤になるにつれ、B級テイストが強くなっていくのはご愛嬌としても、重苦しくてやり切れない余韻をもって締めるラストのまとめ方には、思わず唸らされてしまったし、この映画が何か心に不気味に引っ掛かったまま終わったのもホラー映画としてうまいと思う。

超人ミラジョヴォがバッサバッサとゾンビをハッ倒していく「バイオハザード」よりも、非力で華奢な肉体改造などしていない普通の女性が逃げ惑うという今回の作品の方が断然面白いのもたしかだろう。

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悪魔の棲む家(2005年・アメリカ・90分)WOWOW

 監督:アンドリュー・ダグラス

 出演:ライアン・レイノルズ、メリッサ・ジョージ、ジェシー・ジェームズ、ジミー・ベネット

 内容:ロングアイランド・アミティビルのとある大邸宅を破格の値段で購入したジョージとキャシーのラッツ夫妻。実は1年前、ここに住んでいた一家がそこの長男によって惨殺される事件が起きていたのだが、ジョージは不安に思いつつも購入を決意したのだった。夢だった自分たちの家をようやく手にし、さっそく子供たちと共にこの家へと引っ越してくる一家。しかし、娘のチェルシーが姿の見えない何かと会話を始めたりと、一家は次々と不気味な現象に遭遇していく・・・。1979年製作版のリメイク。

評価★★☆/50点

“人間の棲む家”

お化けが天井に引っ付いてたり、湯船から手が何本も出てきたり、ドアが勝手に閉まったりといった霊現象や超常現象よりも、オヤジが薪割りの時に子供に薪を両手で支えさせて斧を振り下ろすシーンが1番ゾッとする。

昨今次から次へと世間を震え上がらせる凄惨な殺人事件や虐待事件を目の当たりにすると、魑魅魍魎が跋扈する世界というのは、そっくりそのまま人間が棲む世界と言いかえることができそうだ。

お化けさえも縮み上がるモンスター、人間。

そういう意味では、追いつめられていく家族の心理描写をじっくりと描いてもらいたかったが、それをこの手のアメリカン・ホラーに求めるのは酷なので、それならばオヤジにさっさと豹変してもらって母子を追っかけ回してほしかった気もする・・・。

音楽とホラー映像の派手さで恐がらせるのはいつもながらの常套手段だが、この手の映画では及第点はあげてもいいのでは。といっても50点だけどね(笑)。。

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ローズマリーの赤ちゃん(1968年・アメリカ・137分)NHK-BS

 監督・脚本:ロマン・ポランスキー

 出演:ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス、モーリス・エヴァンス、ルース・ゴードン

 内容:悪魔主義者の儀式によって、知らないうちに悪魔の子を宿してしまった若妻の恐怖を描き、オカルト映画ブームのはしりとなった作品。売れない俳優のガイと妻のローズマリーは、マンハッタンの古いアパートに引っ越してきた。ある日、隣人のおせっかいな老夫婦の養女が、アパートの窓から飛び降り自殺した。翌日、老夫婦は娘が身に着けていたペンダントをローズマリーにプレゼントする。やがて妊娠した彼女は、喜びもつかの間、夜ごと悪夢を見るようになった・・・。

評価★★★☆/70点

悪魔そのものではなく、あくまでも日常を描く中でその中に潜む悪魔「のようなもの」として描いたところが現実感を醸し出していて、怖さが切迫感をもって迫ってくる。

男のオイラには分からない、どちらかといえば女性にしか分からない怖さというのがふんだんに盛り込まれていると思うのだけど、それを抜きにしてもやはりこの得体の知れない怖さは生理的にかなりイヤだ。

ちなみにジョン・レノンが住んでいたNYのダコタハウスで撮影されてるんですねぇ、、、やっぱ呪いなのか・・・?

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箪笥―たんす―(2003年・韓国・115分)WOWOW

 監督・脚本:キム・ジウン

 出演:イム・スジョン、ムン・グニョン、ヨム・ジョンア、キム・ガブス

 内容:長期入院から自宅に戻ってきた姉妹。二人は、怪しげな継母、悪夢、そして怪現象に神経をすり減らす。やがて、すべての原因は妹の部屋の箪笥にあることが判明するのだが・・・。

評価★★☆/50点

“サツキとメイ、継母に襲われる!?の巻”

やっぱサツキとメイのオカンは病気で亡くなっていたのね!あな恐ろしやぁ~(笑)。。

しかしこの箪笥、映画としての引き出しをやたらめったら開け閉めしちゃって、、、もっとちゃんと整理してください!いや、だからそっちの生理じゃなくてさ・・。

んもぉ~結局、真っ黒クロスケも出るタイミングを逃がしてしまったじゃんかよっ。おいおい。。

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アナコンダ(1997年・アメリカ・89分)Video

 監督:ルイス・ロッサ

 出演:ジョン・ボイト、ジェニファー・ロペス、アイス・キューブ、エリック・ストルツ

 内容:アマゾンへやって来た撮影隊が、体長14mの巨大ヘビ、アナコンダを生け捕ろうとする男の罠にはまるが、肝心のその男もヘビの罠にハマってしまうというトンだ一品・・。

評価★★★/60点

ジョン・ボイトの強烈でイヤらしい目つきの方が、アナコンダの毒牙より勝る!やっぱトンだ一品。。

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シャイニング

E382b7e383a3e382a4e3838be383b3e382b 出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュバル、ダニー・ロイド

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1980年・イギリス・119分)NHK-BS

内容:コロラド・ロッキーの大ホテル。小説家のジャックは冬季の留守管理を請け負い、妻と息子ダニーを連れてやって来る。しかし、そのホテルではかつて管理人が家族を惨殺し、自分も自殺するという事件が起こっていた。最初は気にも留めていなかったジャックだったが、やがて不気味な出来事が起こり始め、彼自身が殺人鬼と化していく・・・。スティーブン・キングの同名小説を、鬼才キューブリックが映像化したホラー。

評価★★★☆/70点

“8畳一間の部屋に住んでいるオイラが、あんなだだっ広いホテルでいきなり暮らしたら、気が狂う自信が、、、、大いにあります(笑)!”

せめて足の小指をぶつけない程度の広さの所には住みたいんだけどね。マジに痛いのよ、いっつも同じとこ・・・。

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ホーンテッド・マンション(2003年・アメリカ・98分)WOWOW

 監督:ロブ・ミンコフ

 出演:エディ・マーフィ、ジェニファー・ティリー、テレンス・スタンプ、ナサニエル・パーカー

 内容:人里離れた高級住宅街にある呪われた幽霊屋敷に足を踏み入れてしまった一家に襲いかかる999匹のゴースト!といってもディズニーランドの人気アトラクションを映画化しただけあって、半分以上コメディです・・・。

評価★★/40点

やっぱ体験しないとダメよこれは。

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ホーンティング(1999年・アメリカ・107分)WOWOW

 監督:ヤン・デ・ボン

 出演:リーアム・ニーソン、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、オーウェン・ウィルソン、リリ・テイラー

 内容:人間の恐怖を研究するマロー教授は、何も知らされていない被験者3人をいわくつきの幽霊屋敷に連れて来るが・・・。

評価★★/40点

“キャサリン・ゼタ・ジョーンズが痩せているのが1番のホラーだ。。。”

夢のシネマパラダイス537番シアター:GOAL!ゴール!

20060516_62937 出演:クノ・ベッカー、スティーヴン・ディレイン、アンナ・フリエル、アレッサンドロ・ニヴォラ

監督:ダニー・キャノン

(2005年・米/英・118分)2006/06/06・盛岡フォーラム

内容:メキシコの貧しい家庭に生まれた少年サンティアゴ・ムネス。家族と共にロサンゼルスへ移住した彼は、サッカー選手になることを夢見て、草サッカーをしながら働いていた。やがて20歳になったサンティは、イングランド・プレミアリーグのニューカッスルのスカウトの目に留まり、単身英国へと渡る。が、夢にあふれるサンティをリザーブリーグでの苦闘の日々が待ち受けていた・・・。

評価★★★★/75点

ロビーニョのぺダラーダを織り交ぜた軽快なフットワークのごとくトントン拍子で話が進んでいくのは少々安っぽさを禁じえないが、純粋にこの手のサッカー選手サクセスストーリーが今までなかったことを考えると、期待を裏切らない内容で、サッカー好きとしては十分楽しめる映画に仕上がっている。

ここ最近泣かず飛ばず状態のニューカッスルだけに、優勝争いではなく、チャンピオンズリーグ(CL)出場権争い(プレミアリーグでは4位以内に入れば次シーズンのCLに出場できる)という現実的に最大限背伸びできるところでお話を作ったのはリアルがあって良し。

要するにリーグ最終節でリバプールと4位の座を賭けて戦ったわけやな。現実問題4位と5位とでは雲泥の差があるからねぇ。CLに出れるか出られないかはホントでかいっスよ。

それはさておき、ニューカッスルの選手たちも“レジェンド”シアラーをはじめとしてジャーメイン・ジェナスやキーロン・ダイアーなど錚々たるメンバーが出てきましたな。

その中でも1番興奮・感動したシーンは、リザーブチームにいたサンティアゴが、トップチームの練習に呼ばれたときの場面なんだけど、トップチームに昇格できた喜びとともにトップチームの錚々たる名手たちの中に入っていって一緒に練習することができるという、、、そりゃ興奮しまくりでっせアータ。思わず身震いしちゃったもん。

サッカー好きなら誰もが一度は夢見たことある画がホンモノ感覚十分な映像で眼前で繰り広げられるのだから、もうホントたまらんよね。。

また、ちょっと活躍しただけでハゲワシのごとく狙いをつけてくる低俗な代理人だとか、イングランドフットボールの悪しき慣習である(今はそれほどでもないが)酒浸りと女漬けの放蕩三昧であるとか、この映画の作り手は欧州サッカー界やイングランドフットボールの取り巻く環境や背景などよく分かっていらっしゃる。

何の奇もてらわないシンデレラストーリーではあるけど、そういう背景とか細かいところのリアル感がよくできていて、そういう意味ではしっかりとした作品にはなっていると思う。

ちょっと不満だったのは試合シーンかな。カメラアングルがほとんどアップやズームばっかりで、フツーにTVで見るサッカーの試合とかスカパーで見るプレミアリーグの試合のかんじがほとんど出てなかったのは消化不良だったな。

さあ、PART2は、我が愛しのレアル・マドリーが話の舞台になるっちゃ!

サンティアゴよりもなによりも世界一のメガクラブであるマドリーがどう描かれるのか、という方にマドリディスタのオイラは注目しちゃうんだけど。とにかく楽しみだ。

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ゴール!2(2007年・イギリス・114分)スカパー

 監督:ジャウム・コレット=セラ

 出演:クノ・ベッカー、アレッサンドロ・ニヴォラ、スティーヴン・ディレイン、アンナ・フリエル、レオノラ・バレラ

 内容:ニューカッスルで頭角を現してきたサンティにスペインの強豪レアル・マドリーから移籍のオファーが舞い込む。そして一躍<銀河系軍団>の一員になったサンティだったが・・・。

評価★★★/60点

“レアルファンのための映画!それ以上でも以下でもない・・・。”

我が愛しのレアルマドリディスタとしては嬉しいかぎりの企画なのだけど、映画としては凡作以外のなにものでもなかった。レアルファン以外にはどうなんだろう、この映画って(笑)。

さて、この映画撮影時、すなわち2005-06シーズンのレアルは、銀河系が崩壊し、マスコミには“銀河系”どころか“廃墟”とまで揶揄されていた最悪の時期で、映画オープニングに出てきたクラシコ(永遠のライバルであるバルセロナとの伝統の一戦)ではホームのサンチャゴ・ベルナベウでの試合にもかかわらず、ロナウジーニョにコテンパンにやられまくり、0-3の敗戦を喫した屈辱の一戦として刻み込まれている。

このレアルの危機的状況をオープニングにもってきて、これではいかんゾとニューカッスルからサンティを移籍期限ギリギリで獲得するというくだりは現実味があって面白く、しかもサンティのレアル入団会見で当時のレアル会長だったフロレンティーノ・ペレス(05-06シーズン中に銀河系軍団瓦解とともに辞任した)と、入団会見でレアルのユニホームをその選手に渡す役目を実際につかさどる名誉会長のディ・ステファノがちゃんと出てくるのもレアルファンとしては嬉しいかぎり。

ようこそ、レアル・マドリーへ!!

サンティのかわりにニューカッスルへトレードされたのがオーウェンというのも現実的だし(ていうか実際05-06シーズン直前にニューカッスルへ移籍した)、なぜかコーチ役でレアルOBのマクマナマンが出てくるのも嬉しいかぎり。

また、2001-02シーズン以来遠ざかっているチャンピオンズリーグ優勝を映画の中だとはいえ味わえるというのも最っ高、、、なのだけど、撮影に使われた実際のアーセナル戦ではレアルは敗れ、ベスト16で散ったんだよねぇ・・・weep。。

しかもこのシーズン優勝したのはバルサだし・・・。ホロ苦というか皮肉というか。。

ま、そういうレアルファンとしての見所は多々あったのだけれど、映画ファンとして見た場合は見所は何にもなかったな、と。はっきりいってヒドすぎるよ、このシナリオは。

ダラダラとしたサイドストーリーには緊張感のかけらもなく、なんか1作目から一気にガタ落ちになってしまった感が強い。

レアルと同じ末路をたどるのか、、、いやいや、その後レアルはスペインリーグで2連覇してっからね。PART3は持ち直すやろ。。

2008年10月25日 (土)

夢のシネマパラダイス536番シアター:明日の記憶

20060513_181609 出演:渡辺謙、樋口可南子、坂口憲二、吹石一恵、水川あさみ、木梨憲武、香川照之、大滝秀治

監督:堤幸彦

(2005年・東映・122分)DVD

評価★★★★☆/85点

内容:広告代理店に勤める49歳の佐伯(渡辺謙)は、大プロジェクトを抱える敏腕部長で、一人娘の結婚も控え公私ともに充実した日々を送っていたが、最近、急に物忘れが激しい・・。その変化を感じ取っていた妻の枝実子(樋口可南子)は夫を医師(及川光博)に診せに行く。しかし、そこで下された診断は若年性アルツハイマーという病気だった・・・。

“この映画作品を観る人の記憶の中にしっかりと刻み込ませ留めさせようとする映画の作り手の熱意と気迫と意欲がストレートに真正面から伝わってきて、思わず圧倒されてしまう。”

先日、アキ・カウリスマキの「過去のない男」を観たのだが、これは見知らぬ土地でチンピラ集団に襲われてボコボコにされたあげく、それまで積み上げてきた過去の記憶を一瞬にして名前から何から全て失くしてしまった男を描いた映画だ。

この映画の中で男は、失った過去を取り戻そうとすることなく、新たな記憶を積み重ね今を生きていくことで、生まれ変わった“過去のある男”となっていく。

“過去の記憶”(過去を振り返ること)よりも“明日の記憶”(未来を見つめること)の中でささやかに生きていこうとする男というのは、今回の作品にも通じるところがある。

しかし、今まで積み重ねてきた記憶=人生が、パズルの一片一片が欠け落ちていくように徐々に、しかし確実に日常を送る中で奪われていく、という今回の作品で描かれている残酷さと比べれば両作はあまりにも対照的だ。

「過去のない男」が新たな再生を描いていたとすれば、「明日の記憶」は喪失の過程を描いているといえるのだから。

そして、この映画は妻との関係という夫婦の話、娘との関係という家族の話、仕事との関係という社会の話、すなわち全てひっくるめた日常を丁寧に描いていく中で、喪失の過程をゆっくりと追っていく。

それは、しかし恐いくらいにリアルだ。

記憶を失っていく主人公の不安や恐怖、確実に進行していく喪失という絶望を、堤幸彦監督独特の奇をてらった演出がこの映画においては正攻法になっているところが大きなミソで、逆に日常生活を丁寧に切り取っていく“らしくない”落ち着いた演出で積み重ねていくことによってメリハリの効いたリアルで凄みのある映像に仕上がっている。

堤幸彦の技のレパートリーの豊富さには舌を巻くばかりだ。

そして渡辺謙と樋口可南子の、映像に負けないくらいの迫りくる演技にはもはや脱帽するしかない。映画であることを忘れてしまうほどの圧倒的感覚を久々に味わった気がする。

喪失の果てにある残酷であまりにも絶望的な現実が待ち受けるラストも、夫と妻が初めて出会った思い出の地を出発点に、どんなに過酷であろうともまた2人で歩き出すんだというささやかな希望を予感させるところに持って行ったのはなんとも絶妙だった。

この映画は、自分の記憶の中にしっかりと刻み込まれた。

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(おまけ)

折り梅(2001年・日本・111分)NHK-BS

 監督:松井久子

 出演:原田美枝子、吉行和子、トミーズ雅、田野あさ美

 内容:名古屋郊外の豊明市。パート勤めの主婦・巴はサラリーマンの夫、そして中学生と小学生の2人の子供と4人家族で暮らしている。ある日、夫から相談され、ひとり暮らしをしている義母・政子を呼び寄せて同居することになるが、巴はまぁどうにかなるだろうと嫁姑問題を気楽に考えていた。しかし、暮らしてみると政子に振り回される日々が続き、巴は噴火寸前。が、政子の異常行動の原因がアルツハイマー型痴呆症と判明して・・・。

評価★★★★/80点

“オレんちは、、、こううまくはいかなかった・・・。”

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阿弥陀堂だより(2001年・東宝・128分)NHK-BS

 監督:小泉堯史

 出演:寺尾聰、樋口可南子、田村高廣、香川京子

 内容:三文文士の孝夫は、心の病にかかった妻・美智子の療養のため東京から彼の故郷である信州に移り住む。都会の暮らしに疲れ果てた2人は、村民との温かい交流を通して再生していく。。

評価★★★★/75点

ヤッベェ、まじヤッバイわこれ。

ある夏の日の夕方、セミの鳴き声を聴いて夕涼みしながらこの映画見たっけ、えもいわれぬ安らぎを満喫しちゃったで。

正真正銘のアミダババァも拝見できたし。

床屋で髪洗われているような気分。

フンがーー、、(*´~`*)。o○Z・・・。。

夢のシネマパラダイス535番シアター:妄想が現実に勝ったとき・・・

ベティ・サイズモア

Ssahogma 出演:モーガン・フリーマン、レニー・ゼルウィガー、クリス・ロック、グレッグ・キニア、アーロン・エッカート

監督:ニール・ラビュート

(2000年・アメリカ・110分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:ウェイトレスとして働くベティ。ある日、彼女は夫が殺し屋に惨殺される瞬間を目撃。パニックを起こし、いつも夢中になって見ていた昼メロを、現実の世界だと思い込んでしまう・・・。

“妄想が現実より勝ってしまうほどの最強天然ボケかませキャラ祭り!”

コーエン兄弟の例えば「ビッグ・リボウスキ」に出てくるホワイトロシアンとマリファナを常用しているような奇人変人ほどナンセンスかつデフォルメされ作り込まれているわけではなく、また、ヴィンセント・ギャロの「バッファロー’66」の主人公ビリー・ブラウンほど傷つきやすくて切なくて痛いほどの極端な純粋培養なわけでもなく、ちょうどその中間に位置する程よい天然ボケかませキャラなのが、観る方としても変に身構えなくてもいいので安心して見れて良い。

ベティの周りもほどよく皆イッちゃってるというのもイイしね。

また、その天然を自然に見させているレニー・ゼルウィガーのこれは表現力なのかそれとも地なのか分からないけど、とにかく自然体な姿がすっかりハマってて、そこに引き込まれちゃうんだろうな。

「アメリ」のオドレイ・トトゥもそんなかんじだけど、レニー・ゼルウィガーに勝るものはいないだろう。

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奥さまは魔女(2005年・アメリカ・103分)WOWOW

 監督・脚本:ノーラ・エフロン

 出演:ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、シャーリー・マクレーン、マイケル・ケイン

 内容:人間世界に舞い降りてきた魔女イザベルだが、ある日、落ち目俳優ジャックが再起を図ろうとしているTVドラマへの出演を依頼される。そのドラマは「奥さまは魔女」だった・・・。往年の人気TVドラマを現代風にアレンジして映画化。

評価★★★/60点

“103分間ニコールを凝視して時間をやり過ごす作戦・・・”

ストーリーにひとひねり利かせてはいるけど、ニコールが魔女役を演じている「プラクティカル・マジック」同様、御年ウン歳のキュートなニコールを凝視するしか他に道がない、そういう映画です・・・。

落ち目の映画俳優ジャックも、演じたウィル・フェレルはアメリカでは大人気らしいけど、日本ではほぼ完全にスルーされてる俳優さんなので、オイラもさえない役者やなぁという目線でどうしても見てしまう。

それゆえ、ただでさえロマコメとしても純粋なラブ・ストーリーとしても求心力が低いのに、感情移入さえままならないとなると、もうニコールを凝視してるしか時間をつぶしていく方法がないねやんか。

ウィル・フェレルに合わせてもうちょっとハジケてもよかったかな、なんてことをニコールに感じてしまったりもしたのだけど、脇をマイケル・ケイン&シャーリー・マクレーンが固めていただけにね。

それこそ「望みがかなわない普通の生活が憧れ」というのであれば、フツーに日常生活でのドタバタをやった方が良かったような気もするけど。。

でも、ま、いいか。別にこれ以上深入りしていっても何の収穫もない映画だし(笑)。

にしても、ヘルボーイにどこか似ているオッサンのどこにホレたんだ・・・?

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ミセス・ダウト

D110475870 出演:ロビン・ウィリアムス、サリー・フィールド、ピアース・ブロスナン

監督:クリス・コロンバス

(1993年・アメリカ・126分)NHK-BS

内容:7色の声を使い分ける声優のダニエルは、ボスと揉めて仕事をクビになってしまい、妻のミランダから離婚を宣言されてしまった。裁判の結果、ダニエルは週に一度しか子供たちに会うことができなくなる。ミランダが家政婦を探していることを知ったダニエルは、特殊メイクアップ・アーティストの兄の協力によって初老の婦人になりすまし、ミセス・ダウトと名乗ってミランダに雇われることになったが・・・。

評価★★★★/80点

ラストってこんなんだっけ・・・

リアルタイムで観た当時は子供心になんてヒドイ妻なんだと完全にR・ウィリアムスに感情移入して観ていたけど、あれから十数年経って久々に観たっけ、離婚されて当然だろ、このウザ親父ッと思うようになっている自分がいた・・・。

また、当時観ていた記憶からスッポリ抜け落ちていたのがラスト。えっ?こんなシリアスな終わり方だっけとビックリしちゃった。

それまでの抱腹絶倒ドタバタコメディからいきなりせつない現実へ引き戻されちゃったような。。

夫としては最低だけど、父親としては最高なダニエル。

こういう時ってどうすりゃいいんだろうな。同情しちゃうよ妻のミランダに(笑)。

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スプラッシュ(1984年・アメリカ・109分)NHK-BS

 監督:ロン・ハワード

 出演:トム・ハンクス、ダリル・ハンナ、ユージン・レビー

 内容:ある夜、海で溺れかかっていた少年アレンが人魚に命を救われる。20年後、彼は兄と青果市場を経営する実業家となったが、恋愛はさっぱり。ある日、泥酔して海に転落した彼を再び人魚が助ける。やがて、人魚は海底でアレンの身分証が入った財布を見つけ、人の姿でニューヨークへとやって来るが・・・。NYを舞台に人魚伝説を描いたロマコメ。水をかけられると人魚に戻るというアイデアは秀逸。

評価★★★★/75点

“この映画で描かれたNYにだったら住んでみてもいい。”

NYの様々なロケーションが満遍なく出てきてしっかりとNYが描かれているのが意外ではあったのだけど、満月とエンパイアステート・ビルの幻想的な組み合わせなんかも、人魚との恋というファンタジックなラブストーリーを大いに盛り上げるのに一役買っている。

人魚の尾びれが付いていても何ら違和感のないダリル・ハンナ、一生独身で独り寂しく死んでいくんだろうなと嘆くサエない独身男を軽いノリで演じれちゃうトム・ハンクス、青く暖かい海、そして80’sテイスト満載のあっけらかんとしたコメディタッチが、映画全体を、そしてNYの街を幸福感いっぱいで満たしてくれる。

泳げなかった主人公アラン(T・ハンクス)がマジソン(D・ハンナ)のつないだ手に引っ張られるように深海の人魚世界へ入って行くというラストも魅惑的でよろしい。

80’s映画の幸福感を象徴するような作品だ。

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ジャック・サマースビー(1993年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督:ジョン・アミエル

 出演:ジョディ・フォスター、リチャード・ギア、ビル・プルマン

 内容:南北戦争で死んだと思われていた夫が6年ぶりに帰還する。別人のような優しさに疑いと戸惑いを持ちながら、妻はその偽者らしき男を愛してしまうが・・・。

評価★★★/65点

高校時代デートで劇場で観たときの印象が強く、かなり心に残っている作品なのだが、十数年ぶりに見てみたら、あれっ?こんなどうしょーもない映画だっけ?と肩透かしをくらった気分・・・。

南北戦争から帰還した夫が実は別人だった!?という設定は非常に魅力的なのだが、うまく生かしきれていない。

舵をサスペンスに取るのか、それとも恋愛に取るのかはっきりすればちゃんとまとまった作品になったと思うのだけど、この作品は二兎を追っちゃったかんじで、ちょっとそこらへんが中途半端というかヌルイ印象を与えてしまったような。。

特に裁判のシーンは、、、まぁ高校生の頃はこの展開にものめり込んだんだろうけど、今見ると何なんだこのイイ加減さはと思わず笑いがこみ上げてくる始末。

だって被告人であるジャック(リチャード・ギア)にオレはジャックだァーーッsign03と大演説をぶたせて、あげくの果てにこの人はジャックじゃないと主張する妻ローレル(ジョディ・フォスター)に「だって夫とはこんなにエッチの相性よくなかったもの!女の私にしか分からないことよ!」と言わせちゃうんだから、それを言っちゃあオシマイよw。

裁判官ジェームズ・R・ジョーンズのアポーンとした表情がこれまたツボにハマッてしまったが、サスペンスを解決するには映画としてあまりにも強引な手法にオイラもアボーーン・・・。

ジャック・サマースビーとして絞首刑になるという結末は悪くはないとしても、もうちょっとちゃんとした見せ方、撮り方ってもんがあるだろうに。。

まぁ、また十数年後に見たときはまた違った印象と感想になるのかもね。それもまた映画の楽しみ方なのかな。

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舞妓Haaaan!!!(2007年・東宝・120分)WOWOW

 監督:水田伸生

 出演:阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ、小出早織、京野ことみ、吉行和子、伊東四朗

 内容:平凡なサラリーマン、公彦。彼は高校時代に修学旅行先の京都で舞妓に出会って以来、いつか舞妓さんと野球拳をするという夢を抱いていた。そんな中、念願の京都支社への転勤命令が下り、彼女を捨てて京都入り。颯爽とお茶屋デビューをしようと意気込む公彦だったが、「一見さんお断り」という壁が立ちふさがるのだった・・・。

評価★★/45点

阿部サダヲを主役に据えるなら小文字のaが4連続付くくらいのテンションで突っ走る映画しかないよなとは思ってたけど、これほどまでにハチャメチャなものだとは予想をはるかに超えていて、途中からついて行けなくなった・・・。

ただ、植木等(これが遺作になった)が出てきて、ああ、これは「無責任シリーズ」なのねと妙に合点がいったけど、時すでに遅く。。

“一見さんお断り”の映画ってこういうことをいうのだね・・(笑)。。

2008年10月24日 (金)

夢のシネマパラダイス534番シアター:クラッシュ

Crash_jpg_300px 出演:サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、マイケル・ペーニャ

監督:ポール・ハギス

(2004年・アメリカ・112分)2006/02/14・盛岡フォーラム

評価★★★★☆/85点

内容:クリスマスを控えたロサンゼルス。黒人刑事グラハム(ドン・チードル)とその同僚でヒスパニック系の恋人リア(ジェニファー・エスポジート)。9.11テロの影響で不当な差別に憤慨し、銃で自衛するペルシャ人の雑貨店経営者ファハド(ショーン・トーブ)。白人に敵意を抱くチンピラ黒人強盗2人組に車を奪われる地方検事リック(B・フレイザー)とその妻ジーン(サンドラ・ブロック)。ヒスパニック系のため客に信用されないながらも、家族のために仕事をこなす錠前屋ダニエル(マイケル・ペーニャ)。差別主義者の白人警官ライアン(マット・ディロン)と同僚のハンセン(ライアン・フィリップ)に不快な取調べを受ける裕福な黒人夫婦キャメロン(テレンス・ハワード)とその妻クリスティン(サンディ・ニュートン)。。。ハイウェイで起きた1件の衝突事故から始まる、人種も階層も立場も違う人々が交錯していく群像劇。アカデミー賞作品・脚本・編集賞を受賞。

“痛いほどヒリヒリする内容とは裏腹に、この映画を観終わった第一印象は、美しい映画だったなぁというものだった。その美しさとは、純粋に人が人らしく生きていくための魂の灯火だったのかもしれない。”

雑貨店を営むファハドのお店が何者かに荒らされたときに娘のドリが、「私たちはペルシャ人なのに、、アラブ人と誤解されてるわ。」と言うが、この言葉を聞いたとき、この映画を観ていたオイラは少し混乱した。

ペルシャ人とアラブ人の違いって、、、何?同じちゃうの?と・・・。

後日2回目観たときに、ガンショップでイラク人と間違われて言い合いになりブチ切れるファハドを見てようやく、ああそっかイラン人だったんだと理解できたのだが、そこでようやくペルシャ人とアラブ人は別民族なんだと分かり、そして後で調べてみたら、イラクはアラブ人国家でイランはペルシャ人国家なのだということが分かり・・・。

こんな浅はかな知識しか持っていないオイラは、心のどこかで彼らを一緒くたにイスラム教徒というくくりで捉え→イスラム原理主義→非合理かつ狂信的なテロリストという流れとくくりで、非歴史的で皮相な中東イメージを思わず連想してしまっていた。

いや、過去形などではなく、少なからず現在進行形の今でもそういうイメージをしてしまっている・・・。

同様に、黒人と話すらしたことさえないオイラは、黒人の男は怖いというイメージを持ってしまっている。例えばオイラが住む街の大通りにヒップホップ系ファッションのセレクトショップがあるのだが、ズンチャカズンチャカnotesリズム音を刻ませているその店の前にはいつもデカイ黒人がズンと立っていて、オイラは目合わせたらヤベェと思いながらそこを通り過ぎてしまう。店の中になんて入れるわけがない。。

ましてや本場アメリカのロスで、しかもタトゥーをバンバン彫っていようものなら、たぶん逃げ出したくなるだろう。

でも、セレクトショップの店員であるあの黒人といざ話してみたら流暢な関西弁なんかが飛び出してくる可能性だってなくはないのだ(笑)。

そんなオイラはおそらく人種のるつぼ渦巻くアメリカに行けばまず間違いなく無知な人間であることを思い知らされる典型的なタイプなのだと思う。日本にいるから普段は感じないだけで。。

そう、無知と無理解ほど恐ろしいものはない。人種差別などのあらゆる差別の根源はこの無知なのだと思う。

そして、無知の中で、一方的なイメージと先入観だけが地平の彼方へと突き進んでいく。しかも往々にして無知から生み出されるイメージには負の要素がつきまとう。そしてそれが非歴史的で薄っぺらな世界観をまとった負のイメージへと増幅、ちょっとした負の要素が加わるだけで一気にこの負のイメージは拡散していき、簡単には手の施しようがなくなってしまう。

負のイメージから不寛容と憎しみの連鎖は生まれるが、寛容と許しの連鎖は生まれようがない。

その場合、人は、無知と見かけだけの判断から一方的に生み出された負のイメージを纏った得体の知れない存在・対象に対して上から見下ろして罵倒するか、あるいは心に(時には自らの手に)武器や防具を身につけて闘う。同じ地平に立ったところから言葉を放つことができない。

そして、差別と衝突は生まれる・・・。

さきほど日本にいるからあまりそういうことを感じないと言ったけど、実は日本にだって同じ人種でありながらそういう差別はあった。

いわゆる被差別部落に代表されるケガレ思想というものだが、結局あれだって牛馬の解体処理を行ったり、罪人などの死体処理をしたりといった、いわゆる死穢に触れることが多い(エタ=穢多)=汚い仕事という日本人特有のケガレ意識という観念・イメージから生まれたものだ。

もちろん統治上、政策上の産物ともいえるかもしれないが、根底にあるのはやはり無知から一方的に生み出された負のイメージなんだと思う。

さて、肝心の映画についてだけど、今回の作品「クラッシュ」は、とにかく真っ直ぐな目線でヒスパニック系、アフリカ系、アジア系、黒人、白人、中国人、ペルシャ人、タイ人など様々な人種が入り混じる現実を見据えるところからスタートしているように思える。

この映画に出てくる登場人物はほとんどみんな非歴史的で薄っぺらな世界観という負のイメージを抱え込み、心に重たい鎧を付けしっかりと鍵をかけている。

しかも彼らは必ずしも無知だけから負のイメージを抱いているのではないところが、アメリカ社会における人種差別の根深さを物語っているように思う。

社会的環境、歴史、自らの経験・・・。

例えば、白人警官で生っ粋の人種差別主義者であるライアン巡査は、しかし、過去に彼の父親が黒人を雇って会社を経営していたにもかかわらず、政府のマイノリティ優遇政策により会社が倒産してしまい、その父親は病気になってしまう。そのことに対する怨念が黒人差別を一気に助長させたことは想像にかたくない。

また、差別される側にとっても、9.11同時多発テロ以降、容姿が似ていたり見分けがつかないけどアラブ人っぽいというだけで白い目で見られ差別されてしまうペルシャ人のファハドのような移民たちは、いわばことあるごとに自分のルーツ、アイデンティティといったものを不当に傷つけられているわけで、憎しみを抱かないようにと説得することの方が難しいだろう。

はては、アメリカ建国以来差別されつづけてきた黒人の憎悪は、時に暴力と犯罪へと走らせる。そしてその憎悪にさらされた白人は、黒人の凶悪犯罪率は白人のそれより何倍も高いということでさらなる一方的な偏見のイメージをふくらませる。

まさに負の連鎖が連綿として繰り返されていく。

この映画はその残酷な現実を決して情緒的にならずに、まっすぐな目線で見据え、そこにある本質を照らし出していく。

しかも人種差別を嫌悪していた若手刑事トミーが誤解から黒人青年を撃ち殺してしまうという、どこまでも残酷な一面をもさらけ出していく。

それどころではない。有色人種同士のいがみ合いや、人種差別とは関係のない同じ家族までもが分かり合えないという悲しみまでをも射抜き通す、、、母、兄、弟はついに最後まで交わることはなかった。。

それなのに、映画としての結論もこの映画なりの正論をもこの作品は提供してくれない。ただそこにある本質と真実を淡々と見据えるだけなのだ。

その中で、映画的な美しさとささやかな奇蹟と小さな偶然と少しの理解を散りばめることによって、残酷で悲しい決して美しいとはいえないこの世の中を、人が人らしく生きていくための希望の力と灯火を照らし出してくれたのがせめてもの救いか。

ロスに降る儚い雪のようにすぐに消えてなくなってしまうかもしれないその灯火は、しかしネオンと街の灯が点滅しつづける美しい星空のようなロスの街のように、くすぶることなく今もどこかしこで光り輝いているのかもしれない。

美しい映画だったなぁという、この映画を観終わった自分の第一印象は間違っているのかもしれない。

しかし確実に自分の心にも希望の灯火はともったのだ。

2008年10月23日 (木)

夢のシネマパラダイス533番シアター:「下関三部作」

チルソクの夏(2003年・日本・114分)WOWOW

 監督・脚本:佐々部清

 出演:水谷妃里、上野樹里、桂亜沙美、三村恭代、淳評

 内容:70年代後半の下関を舞台に、日韓高校生の淡い恋と友情を描いた青春ドラマ。1977年夏、姉妹都市である下関と韓国・釜山は親善事業として陸上競技大会を毎年交互に開催していた。釜山での大会に出場した長府高校の陸上部員・郁子は、そこで同じ高跳び競技に出ていた釜山の高校生・アンと出会い、郁子はアンに淡い恋心を抱く。帰国前夜、2人は来年のチルソク(七夕)に再会しようと約束をかわす。携帯もメールもなく、両国の関係も親密ではなかった時代、日韓にまたがる前途多難な恋の行方は・・・。

評価★★★★/75点

下関~釜山間、200km足らず。

東京~浜松、新潟~富山、姫路~広島、仙台~宇都宮間と同じでっせ。

織り姫と彦星の時代はもう古いっ!

、、とホントに思える日が来るといいな。

韓流を引っ張るのは40代以上のオバハン連中だけど、若者世代が盛り上げればもっと良くなるのにね。といっても、サッカーくらいしかないからなぁオイラは。。

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四日間の奇蹟(2005年・東映・118分)WOWOW

 監督:佐々部清

 出演:吉岡秀隆、石田ゆり子、尾高杏奈、西田敏行、松坂慶子

 内容:発育障害を患いながらも天才的なピアノの才能を持つ少女・千織は5年前、ロンドンで暴漢に襲われそうになったところをピアニスト・如月敬輔に助けられる。が、その時の銃撃で敬輔は指の神経を断裂し、ピアニスト生命を絶たれてしまった。その後、日本各地の施設へ慰問演奏の旅をして回っていた2人は、とある島の療養センターを訪れることになったが、そこには敬輔の初恋の女性が働いていた。。

評価★★☆/50点

深刻な表情をよりいつにもまして深刻にしてブッ通す吉岡秀隆+ファンタジーを撮るには、佐々部清監督はあまりにも実直かつ地味すぎて、その合わせ技が悪い方に炸裂してしまっている。

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カーテンコール

Katen_2 出演:伊藤歩、藤井隆、鶴田真由、奥貫薫、藤村志保、夏八木勲

監督:佐々部清

(2004年・日本・111分)WOWOW

評価★★★★/80点

内容:東京の出版社に勤めていた香織は、自分の記事がきっかけで福岡に都落ちするハメに。そこのタウン誌で彼女は、読者から投稿された「懐かしマイブーム」を取材する担当をさせられるが、そこで1通のハガキに目が留まる。それは、昭和3,40年代に下関の映画館で幕間芸人をしていた人を探して欲しいというものだった。彼女はさっそく「みなと劇場」という映画館に足を運ぶが・・・。

“ニュー・シネマ・パラダイスか、いやいやこれは探偵!ナイトスクープだ!”

昭和30~40年代に映画の幕間に形態模写をやったり、ギター片手に歌ったりしていた幕間芸人がいたことなんてこの映画を観るまで全く知らなかったので、映画黄金期の頃の昭和の匂いがプンプンする映画館の様子がとても新鮮に目に映った。

さらに、ニュー・シネマ・パラダイス調から大阪朝日の人気番組「探偵!ナイトスクープ」調へと変わっていったのはご愛嬌としても、「ALWAYS三丁目の夕日」のように昭和ノスタルジー一点張りで押し通し記憶をただ懐かしむだけかと思いきや、懐古の情だけではない悲しみも歓びも愛憎入り混じった人生の記憶をたどっていく旅として現在にしっかりつなげて描いていることに好感をもてた。

また、過去と現在のつながりの結節点として、父と娘という親子と家族の切っても切れない唯一無二のつながりと深い絆という普遍的なテーマでしっかり支えているのもよろしい。

済州島でやっとのことで安川修平にたどり着いた香織が思わずもらした「遠かったぁ・・・。」という言葉と涙が心に響きます。

あとはさっきも述べたけど、昭和の映画全盛時代の古き良き映画館<みなと劇場>のにぎわいが、あの時代には生まれてもいないオイラにもグッとくるものがあり・・。

左右の通路にまで立ち見が出るほど満杯になった劇場で夢中になって映画を観る人々、その幸せな空気で満たされた世界に触れてオイラは思わず泣きそうになってしまった。

映画は幸せを運ぶ青い鳥。

映画って、やっぱりイイなぁ、と再確認しました。

夢のシネマパラダイス532番シアター:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

Pwa03 出演:ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン

監督:セルジオ・レオーネ

(1984年・アメリカ・205分)NHK-BS

評価★★★/65点

内容:マカロニ・ウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネが、ユダヤ人移民のギャング団の年代記を描いた一大叙事詩。1920年代初めのアメリカ、貧しい移民たちの街で、ユダヤ系の悪ガキ6人が仲間になり、禁酒法の裏をくぐって金儲けを始めた。最初は自衛のための団結だったが、たちまち凶悪なギャング集団になっていく。やがて禁酒法が廃止され甘い汁が吸えなくなると、リーダーのマックスは連邦準備銀行の襲撃という無謀な計画に没頭する・・・。

“血は水より濃い”

「ゴッドファーザー」が生涯ベスト1の自分にとっては、どうしても比べてしまう作品なのだが、“血は水より濃い”ということわざのごとく、「ワンス・アポン~」の方が格段に薄っすく見えてしまう。。

まるで卵を1個溶いてフライパンでオムライス作ろうと思ったら、そのフライパンがバカでかくて、伸ばしに伸ばしたあげくペッラペラの薄い生地になってしまった、、みたいな。

そこにノスタルジック風味満載の映像と音楽のケチャップをドバドバかけたかんじ。

ユダヤ系ギャングのクロニクルをゆったりとした時間の流れの中で描こうとしているのは分かるが、どうしても無駄に冗長に感じてしまう。

「ゴッドファーザーPART2」では若かりし日のドン・ヴィトー・コルレオーネに扮したデ・ニーロ。そこではシチリア移民の家族思いの絆にあふれた家族愛の象徴とアメリカン・ドリームの体現者として描かれたヴィトー。

一方、本作では友情の絆に結ばれていながらも結局昔の仲間から逃れ、ひっそりと生きてきたヌードルスのアメリカン・ドリームとはかけ離れた孤独は、ゴッドファーザーとはあまりにも対照的だ。

“家族の映画”ゴッドファーザーは、“友情の映画”ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカより濃い、のである。

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スリーパーズ(1996年・アメリカ・147分)盛岡フォーラム

 監督・脚本:バリー・レビンソン

 出演:ブラッド・ピット、ジェイソン・パトリック、ケビン・ベーコン、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ブラッド・レンフロ

 内容:’60年代のNY。4人組の少年たちが少年院送りに。そこで残忍な看守による暴力と性的虐待を受ける。10年後、彼らは看守への復讐に乗り出すが・・・。

評価★★★/65点

“善なる人々が行動を怠れば、必ず悪が勝利する・・・byエドマンド・バーク”

善なる人々デ・ニーロ神父の神妙な面持ちが象徴するように映画自体もどこか陰鬱。

ラストの5人が見せるこの映画唯一の笑顔になんとか救われた感はあるけど、もうどうせだったらデ・ニーロが復讐の鬼になって暴れまくってくれる方がまだよかったような・・・。

2008年10月22日 (水)

夢のシネマパラダイス531番シアター:フランク・ミラーのグロかっこいいお話

シン・シティ

Sincity_2 出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ジェシカ・アルバ、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ジョシュ・ハートネット

監督:フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス/クエンティン・タランティーノ

(2005年・アメリカ・124分)2005/10/09・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:誰も近づこうとしないくらい醜い容姿を気にもせずに一夜の愛をくれた高級娼婦が何者かに殺され、復讐に立ち上がるマーヴ(ミッキー・ローク)。罪から逃れるため過去を捨ててシン・シティに身を潜めるも、昔の恋人が仕切る娼婦街で働く女たちを守るために命を張る男ドワイト(クライヴ・オーウェン)。かつて街の実力者の息子の魔の手から少女ナンシー(ジェシカ・アルバ)を救い出すために、罪をかぶって8年間投獄されていた老刑事ハーティガン(B・ウィリス)・・・。罪の街=シン・シティで繰り広げられる3人の男たちの愛と復讐を描いたクライム・アクション。

“設定なんてどうでもいいようなアケスケでこれ見よがしの茶番劇とデジタルの雨の絶妙な融合!”

毛穴という毛穴からどぎつい血潮とベタついた脂がドボドボと溢れ出てきて、あちらこちらにまき散らす、そんな熱情B級アナログおバカ一直線で突き進んできたロバート・ロドリゲス。

そんなロドリゲスが「スパイキッズ」というファミリー向けお子ちゃま映画を、しかも3作シリーズで作ってしまった(3作目なんて3Dメガネまでかけさせてしまうねんで)ことにド肝を抜かれ、ロドリゲスは一体この先どこに向かっていくのかと気をもんでいた矢先・・・

トンでもない所に来ちまいやがった。

基本設定なんてどうだっていいアケスケでこれ見よがしの茶番劇とデジタルの雨が絶妙にシンクロし、ロドリゲス&タランティーノコンビのどぎつく熱いエキスがモノクロの描線と完璧な化学反応を起こしている。

ピンポイントで取り込まれる映画的な原色効果もすこぶる良く、固まった溶岩のごとく表面的には重くて暗いが、その中では真っ赤に燃えたドロドロとしたマグマが煮えたぎっているのだ。不器用で孤独な男の熱き戦いと見事にマッチングしている。

さらに、ページをめくる手が止まらないというのはこのことで、マンガ本をパラパラと人よりも早くめくるようなロドリゲスお得意のスピーディさが、流れるデジタルと流れるバイオレンスを加速させている。

怪作です。

押井守の「アヴァロン」なんかよりよっぽど面白かったし良かったと思う。

それにしても、ロドリゲスがつくった映画スタジオの名前がトラブルメイカー・スタジオってのもバカ趣味炸裂でイイ。オープニングでドドーンと出てきたこのスタジオ名が映画と合ってるんだよね。

スパークしちまった。こりゃまたシリーズ化かな。

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300 スリーハンドレッド

P0001555 出演:ジェラルド・バトラー、レナ・へディ、デヴィッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト

監督:ザック・スナイダー

(2007年・アメリカ・117分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:紀元前480年、大帝国ペルシアはスパルタを次なる標的に定め、ペルシア大王クセルクセスに服従の証を立てるよう迫ってきた。これに対し、戦闘国家スパルタの王レオニダスはそれを一蹴、100万の軍勢で迫ってくるペルシアと戦うことを決意する。そして、レオニダスのもとには300人の精鋭が集結した!ヘロドトスの「歴史」でも記されているテルモピュライの戦いを舞台に描いたフランク・ミラーのグラフィックノベルを映画化。

“嗚呼!!少年ジャンプ黄金時代!”

この映画を観ていて真っ先に思い浮かべたのが“北斗の拳”“花の慶次”だ。

ようするに原哲夫の漫画なのだが、荒ぶる「漢(おとこ)」気質とやたらに醜悪な敵キャラはそのまんまだし、「仲間たちとの絆は絶対にちぎれない」=友情、「苛酷な鍛錬と場数を積んで経験値を上げていく」=努力、「バリ3根性で戦えば例え己の命が尽き果てようとも決して負けることはない」=勝利という少年ジャンプ精神まで受け継いでいる始末。

ジャンプ黄金世代の匂いをこれほどまでにトレースしてくれた映画が今までにあっただろうか!?、、、って製作者にそんな意図など100%なかっただろうけど。。

ホモッ気漂うクセルクセス王をイランのアフマディネジャド大統領になぞらえて、アメリカンフリーダムの精神のもと、健常者アメリカが蛮族イランに鉄槌を下すというプロパガンダとも容易にとれてしまうほど映画レベルとしては相当にエグくて低いのだが、単純に80年代少年ジャンプの世界観を堪能できたことを評価したいのでこの点数っス。。

レアル・マドリー狂想曲第48番:ダービー&ユーべ戦

代表ウィークで1週開き、週末にビセンテ・カルデロンでアトレティコとマドリード・ダービーを、ミッドウィークにスタジオオリンピコで宿敵ユベントスとCLで対戦と、今季初の山場を迎えた我が愛しのレアル・マドリー。

まずは19日に行われたマドリードダービーから。

布陣は以下の通り、、、

アトレティコ4・4・     レオ・フランコ

          ハイティンハ    ウイファルシ 

  ペレア                           ペルニア

                 アスンソン     

    ラウル・ガルシア               マニシェ

                  バネガ    

           アグエロ       フォルラン

 VS     VS     VS     VS     VS     VS

レアル・マドリー4・3・3    ニステル

      ラウル                   イグアイン

           スナイデル       デラレ

                   ガゴ

   マルセロ                        Sラモス

            カンナバーロ      ぺぺ

                 カシージャス 

レアルは、グティ・ディアッラ・ロッベンが怪我で欠場、スタメンを張っていたファンデルファールトことラフィはベンチスタートで、代わりに怪我明けのスナイデルが今季初スタメン。

一方、アトレティコは4-4-2(4-3-1-2)で、怪我明けのフォルランとアグエロの2トップが脅威。

Partido6 マドリードダービーはここ何年もずっとレアルが優位に立っていて負けていないのだけど、今回も試合開始早々にいきなり先制!笛吹いてから40秒くらいだったか。

マルセロのパスを相手DFを背負いながら受けたニステルが振り向きざまに右足一閃、ゴール左隅に簡単に吸い込まれてしまった。20メートルくらいの距離だったでしょうか。

ゴールってこんなに簡単に決まっちゃうものなのか、、、と脱帽。32歳のニステルまだまだ世界一のゴールゲッターです!

それにしても、何年か前にはロナウドが開始14秒で決めちゃった時もあったし、マドリードダービーはつくづくレアルに味方するのねbleah

さらに、追い打ちをかけるように右SBのペレアが前半30分にスナイデルに肘撃ちを食らわし一発退場。スナイデル鼻血ブーng

が、しかし、ここから主審のオカシな判定が試合を揺動させていく・・・。

Partido12 なななんと前半39分、今度はニステルが一発退場を食らってしまったのだ。。

もう、どう見たってあれはイエローだろっちゅうに!オカシイわ、あの審判。他にもオカシな判定があったし、ホントだったらレアルの楽勝だったはずだわさ。

まぁ、愚痴はこのへんにしとくとして、これで10対10になったわけだけど、アトレティコはペレア退場のあと、前半37分にラウル・ガルシア⇔アントニオ・ロペスを右SBに入れて4-3-2に、そして後半頭からペルニア⇔シモンで下記の3-4-2へ。

                レオ・フランコ

    ハイティンハ     ウイファルシ    アントニオ・ロペス

            アスンソン     マニシェ

   バネガ                          シモン

             アグエロ     フォルラン

Partido16 これで、前半はアグエロを中心とした個の中央突破頼みだった攻めを後半はサイド重視にしたことで、完全に主導権を握る。さらに、後半25分には、ウイファルシ⇔ルイス・ガルシアと攻撃的カードを切ってくるアギーレ。ウイファルシの所にアスンソンが入り、バネガが中に入り、ルイス・ガルシアが右サイドに位置したことで、まさに怒涛の攻勢を仕掛けていくアトレティコ。

対するレアルはニステル退場の後、そのままの形を崩さず、4-3-2で臨む。後半22分にスナイデル⇔ラフィ、32分にデラレ⇔ハビ・ガルシア、38分にラウル⇔ドレンテ。

カウンター一発のロッベンがいれば4-4-1といった形が常道なのだろうけど。。。無策なのか、チャレンジャーなのか、、しかしいつもそれが吉と出てしまうのがシュスターのスゴイところ。

後半終了間際にFKからシモンが叩き込み同点とするも、後半途中で主審が足を痛めて様子を見た時間がそのままロスタイム6分という長さに反映され、そしてそのロスタイムも残りわずかでドレンテがペナルティエリア内でハイティンハに倒されPK!

テレビ画面はずっとラフィを捉えていたので、てっきりPKはラフィが蹴るもんだと思ってたら、まさかのイグアイン(笑)。

いやぁ、後半は防戦一方だったので、望外の勝ち点3を勝ち取れたことは大きいな。

これで意気揚々とユーべ戦に臨めますわ。アッラ・マドリー!!!

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CLグループリーグ第3節。勝ち点6で首位のレアルと勝ち点4で2位のユーべの天王山。

Photo ユーべは主力のブッフォン、カモラネージが欠場。しかもここ1ヶ月勝ちに見放されているチーム状況でホームにレアルを迎えた。

一方のレアルは、ロッベンが復帰したがベンチスタート。

左ラテラルにエインセ、中盤にデラレの代わりにラフィを入れ、今季初めてラフィとスナイデルが同時起用された。しかしアウェイでこの布陣を組んでくるとはシュスターもチャレンジャー。。

Photo_2 が、、試合開始直後にいきなりデルピエロが豪快にミドルを叩き込み先制してしまい、出鼻をくじかれたレアル・・・。

守るだけなら天下一のイタリアの雄ユーべにホームで先制されたら、、そりゃ相手の思うツボだわさ。。

ポゼッション65%近く取りながら、なかなかユーべの堅牢を崩せないレアル、、、。ラフィ・スナイデルの併用のせいなのかは吟味する必要はあるだろうけど、中央突破に偏りすぎて、サイド起点が作れなかったのが痛かった。あれじゃユーべの網に引っかかっちゃうわ。

あげくの果てに後半開始早々の4分にアマウリに決められてしまい、ジ・エンド。。

エインセの左は攻撃性能ゼロだし、頼みのSラモスも調子悪い状態が続いてるし。後半8分にロッベン、30分にドレンテ入れてサイド攻撃を活性化させたけど、1点返すのがやっと・・。

これで、ユーベが勝ち点7で首位に。裏のゼニト×BATEボリソフが1-1のドローだったため、まだ2位レアルと3位ボリソフとは勝ち点4差なのでまだ全然悲観すべき状況ではないんだけども。

次節ベルナベウで絶対リベンジだ!!

アッラ・マドリー!!!

2008年10月20日 (月)

夢のシネマパラダイス530番シアター:原爆が残したもの・・・

父と暮せば

Kura 出演:宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信

監督・脚本:黒木和雄

(2004年・日本・99分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:広島に原爆が投下されてから3年。図書館に勤める美津江は、愛する人たちを原爆で失い、自分だけが生き残ったことに負い目を感じながらひっそりと暮していた。そんな彼女はある日、図書館で大学助手の木下という青年と出会い、互いに惹かれあっていったが、「うちは幸せになってはいけんのじゃ」と恋心を押さえ込んでしまう。それを見かねた彼女の父・竹造は亡霊となって姿を現し、“恋の応援団長”として娘の心を開かせようとするのだが・・・。

“広島の原爆慰霊碑に記銘されている「安らかに眠って下さい。過ちは二度と繰り返しませんから。」という言葉を忘れずに受け継いでいくためには、とにかく語り継いでいくことしか道はない。”

戦争・被爆体験の記憶を風化させてはならないという声は、戦後60年が経ち、TVゲームばりのシミュレーション感覚で戦争がTV画面から流れてくることにどこか感覚が麻痺しかけている現在、特に声高に叫ばれていることだが、風化を防ぐためにはとにかく戦争体験者の悲惨な記憶を世代を越えて語り継いでいかなければならない。

風化させてはならないのならば語り継いでいかなければならない。~しなければならない、それは義務であり責任であり使命である。戦争を体験した者としての。

と、疑問のはさみ込む余地などないような当然なこととして自分なんかは考えてきたのだが、この映画を観てハッと気付かされたことがある。

それは、語り継ぐ者の苦悩とツラさだ。

思い出したくもない、他人に話したくもない悲惨な体験の記憶を吐露すること。そのエネルギーと勇気はそれを受け取る側からは計り知れないほどのものがあるのだろう。

原爆投下から3年後の広島で生きる美津江の苦悩、未来を断絶させてしまうほどの人間そのものを深くえぐる傷。

「あんときの広島では死ぬるんが自然で、生き残るんが不自然なことじゃったんじゃ。」という言葉にしばし絶句してしまう。

生き残った者としての苦しみを切々と表現した宮沢りえと、その何十倍もの苦しみを背負いながら美津江を大らかに包んでいく「恋の応援団長」原田芳雄の存在感にただただ脱帽するばかりだ。

次の世代に継いで行く、それにはもちろん受け取る次の世代の側にも義務と責任と使命が課されるわけだが、はたして語り継ぐ側とどれだけ価値観を共有できるのか、どれだけ彼らのつらく苦しい記憶を実体と重さのあるものとして受け止められるのかという問題も最近は出てきたように感じられる。

先の戦争では日本軍兵士の多くが実は餓死で亡くなっているというのは事実だが、この飽食の時代に、はたして飢餓を想像できるだろうか。以前TVで、あまりにも空腹で、炭をガリガリかじって食べたんです、という元兵士の話を聞いたが正直オイラはわけが分からなかった。だって、炭って・・・。

また、例えば、ひめゆり部隊の沖縄戦に関する語り部の証言が「退屈で飽きてしまった」などということが高校の入試問題に平気で出てしまう、今はそんな時代になってしまったのだ。

風化は日々進んでいる。

とにかくもう時間がない。次の世代に継いでいかなければならない時間が・・・。

戦後60年経って、涙を流しながらやっとで重い口を開く方もいる。戦後60年経っても、いまだに戦争の悪夢にうなされる方々がいる。

オイラの祖父はシベリア抑留を経験していたが、15年ほど前、オイラが中学生の時に交通事故であっけなく逝ってしまった。

祖父には右手の親指がなかったが、戦争で銃弾を受けたせいだと言っていた。

結局、祖父からは戦争体験らしいものを聞くことなく別れてしまったのだが、今となっては少し心残りな気もする。

シベリア抑留、オイラはほとんど分からないし知らない。

これは、問題だ。。

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黒い雨

Bnashzxau 出演:北村和夫、田中好子、市原悦子、小沢昭一、三木のり平、沢たまき

監督・脚本:今村昌平

(1989年・東映・123分)NHK-BS

評価★★★★★/90点

内容:1945年8月6日、高丸矢須子は瀬戸内海の小船の上で強烈な閃光を見た。その直後、空は見る見る暗くなり、矢須子は黒い雨を浴びてしまう。5年後、福山市に移り住んだ矢須子は、原爆症の疑いをかけられて縁談がなかなかまとまらず、彼女の面倒を見る叔父は気をもんでいた。やがて、矢須子は発病し、被爆の後遺症に悩まされる・・・。

“「正義の戦争より不正義の平和の方がマシ」という印象的なセリフがあったけど、昭和20年の日本より平成20年の日本の方がマシ、、、と今の75歳以上の後期高齢者の方々は本当に思えるんだろうか、、というのもなんだか怪しい世の中になってきちゃってるような気がしてならない。。”

自分にとってトラウマになっている映画というのは何本かあって、それは例えば「ターミネーター」だとか「オーメン」「バタリアン」など小学校低学年で見た映画が多いのだけど、その中で最強のトラウマ映画といえるのが、小1で見せられたアニメ版「はだしのゲン」。

ヤッター!アニメ見れるぜー!と意気込んで見に行ったが最後、劇場の座席が電気イスに感じられてしまうほどの苦痛を味わってしまったわけで。それはまさに永遠に続くかと思われるほどの醒めない悪夢だった・・・。

ただ小さい頃、親にこの手の反戦映画を網羅させられたのは今となっては良い経験になったと思うし、戦争という悲劇のトラウマを小学生くらいで植え付けるというのは教育上大変によろしいことだと思うので、親には感謝しております(笑)。。

んで「火垂るの墓」をはさんで「黒い雨」を観たのが小5くらいだったと思うんだけど、これがまたエライ思い出があって。

オカンに連れられてオイラと弟、妹の4人で観に行ったのだけど、劇場窓口でチケットを買って劇場に入っていったら、職員のオバちゃんが風船だとかキャラクターもののお面だとかの特典グッズをオレら兄弟にくれるわけ。

お、ラッキーと思いながら「黒い雨」が上映される2階に上がっていこうとしたっけ、そのオバちゃんが「東映アニメ祭りはそっちじゃなくて1階ですよ!」と教えてくれるわけよ(笑)。ようするにそのオバちゃんはオレらが東映アニメ祭りを見に来たんだろうと早合点してそのグッズをくれたのだろうけど、そりゃそうだよなぁ妹なんてまだ幼稚園かそこらだったんだから、まっさか今村昌平のゲテモノ作品を見に来たなんて露ほども思わないだろうよ。

しかしウチのオカンが「いいえ、黒い雨を観に来たのでこっちでいいんです!」とキッパリ。ポカーンとしてるオバちゃんの顔が今でも忘れられない・・。

とともに田中好子のオッパイを見てしまったという記憶もしっかり残ってるんだけど(笑)。

いやぁ、、、オイラが親になったら絶対に東映アニメ祭りの方を見せるよ、ウン。

ただ、ガキの時点でこの映画、半分分かって半分分からないような映画だったんだけど、胃の中を何かドス黒く熱いものがうごめき、這いずり回っているような息苦しさと圧迫感を終始感じたのはたしかだ。

電車の中で叔父さん(北村和夫)が被爆するシーンの衝撃、そして死屍累々の廃墟と化し、焼けただれた皮膚がズルリと剥け落ちてくるゾンビと化した人間たちが呻き声を上げながら方々をさまよう広島の街を、叔父さん、叔母さん(市原悦子)、矢須子(田中好子)の3人が必死で逃げ回る情景はあまりにも強烈で、川を流れてくる死体とか、道ばたに転がっている黒コゲになった死体だとか、おそらくこういう衝撃は自分の中の記憶としてずっと残っていくんだろうと思う。

つい先日、二次被爆の悲劇を描いた「夕凪の街、桜の国」の原作マンガを読んだときに、髪の毛が抜け落ちるシーンを見て、この「黒い雨」を観たときの圧迫感と同じものを感じて何とも言い表すことのできない重苦しさにとらわれてしまった。

遠い国で起きている戦争が、夕飯時のTVから流れてくるヴァーチャルなものとしか感じられない今の時代にあって、いかに戦争の悲惨さを子供たちに実感できるものとして伝えていくかというのは、戦後から3世代経った自分たちに課された大きな宿題なのかもしれない。

そういう意味では映画の果たす役割って大きいんだよなぁ。

人間、こういうことはすぐ忘れていっちゃう生き物だからな・・・。

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夕凪の街 桜の国

Ph1_yugagi20comic 出演:田中麗奈、麻生久美子、吉沢悠、伊崎充則、藤村志保、堺正章

監督:佐々部清

(2007年・日本・118分)2007/08/07・盛岡フォーラム

評価★★★/65点

内容:原爆投下から13年後の広島。母(藤村志保)と2人で暮らす平野皆実(麻生久美子)は、会社の同僚・打越(吉沢悠)から告られるが、原爆で死んでいった多くの人々を前にして自分だけ幸せになっていいのだろうかとためらってしまう。やがて、そんな彼女を原爆症の恐怖が襲う・・・。所かわって現在の東京。定年退職した父・旭(堺正章)と暮らしている娘の七波(田中麗奈)。ある日、父の行動を不審に思った七波は、親友の東子(中越典子)と父の後をつけるが、乗り込んだバスがたどり着いたのは広島だった・・・。

“いい映画だったな止まり。根本的に何かが足りない。。”

佐々部清という監督は、一貫して理想的な人間関係のもとにある心優しき人間ドラマを描きつづけていて、その作風はどこまでも爽やかかつ良心的、なおかつ昭和の良き時代の家族観と温かさ、懐かしさを共有しているという点では山田洋次の系譜に連なる作り手さんだと思う。

しかし、今回はその持てる特徴がアダになってしまった感が強いのではないかと思う。

こうの史代の原作を素直なほど忠実に映像化しているのは認めるが、翻っていえば100P足らずの物語をトレースすることは誰にでもできることだ。

問題は、原作でこうの史代が描く温かく優しい街並みや笑顔の絶えない人々、その表面と上っ面だけをバカ正直にトレースしてしまったことであり、その裏にある決して癒されない悲しみ、決して終わることのない憎しみと怒り、決して消えることのない記憶、つまりは広島が「ヒロシマ」になってしまった原爆という毒がすっぽり抜け落ちているのだ。

たった1発の爆弾、たった一瞬の閃光が60年間3世代にわたり刻みつける負の遺産、その重みと痛みがこの映画からは伝わってきにくい・・・。

原作を読み終わったときの読後感は、かなり精神的にズシリとくるものがあり、なんて哀しいマンガなんだと思ったものだが、この映画を観終わると、いい映画だったな止まりで終わっちゃうんだよね。

そういう意味ではかなりガッカリしたかも。。。

マンガと映画、どっちを薦めるかといったら、100%マンガの方をすすめるな。

記憶が歴史というものを形づくるとするならば、この記憶を決して風化させてはならない、決して忘れてはならない。

今も続く物語・・・。

2008年10月18日 (土)

夢のシネマパラダイス528番シアター:戦争が残したものとは。。

男たちの大和 YAMATO(2005年・東映・145分)2005/12/29・MOVIX仙台

 監督:佐藤純彌

 出演:反町隆史、中村獅童、鈴木京香、松山ケンイチ、仲代達矢

 内容:昭和20年4月、乗組員3千余名を乗せた世界最大級を誇る戦艦大和は沖縄へと向かう途中、米軍による集中爆撃により東シナ海の深海へと沈んでいった・・・。2005年4月、鹿児島県枕崎の漁港。老漁師の神尾のもとを内田真貴子と名乗る女性が訪ね、60年前に沈んだ戦艦大和が眠る場所まで船を出してほしいと懇願する。彼女が大和の乗組員・内田二兵曹の娘と知った神尾は、漁船を目的の場所へと走らせるのだった。。

評価★★/40点

“良くも悪くも角川映画の悪癖から抜け出せず・・・。”

唯一、戦艦大和を派手にブッ壊したいという意気込みだけは伝わってきたが、大雑把にすぎるツギハギな物語を安っぽい人情でなんとかくっつけるさまは、もはや過去の遺物としかみれない。

戦争でもまるで意味のない特攻のごとく捨てられ、映画でも捨て駒のように捨てられ、、、二重の意味で大和が捨てられてしまった気がしてあまり良い気分になれない。

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戦場のメリークリスマス

075202 出演:デイヴィッド・ボウイ、坂本龍一、トム・コンティ、ビートたけし、ジョニー大倉

監督・脚本:大島渚

(1983年・日/英・123分)NHK-BS

評価★★/45点

内容:1942年、ジャワ島の日本軍捕虜収容所の所長ヨノイ大尉は、バタビアの軍法会議にかけられていた英国陸軍少佐セリアズになぜか心惹かれるものを感じ、自分の収容所へ連れてくる。セリアズを特別扱いするヨノイのことを、軍曹のハラはいぶかしがるが、そういうハラも日本語を流暢に操る英軍中佐ローレンスと親しくしていた。しかし、セリアズは捕虜たちの待遇改善を訴えて、ヨノイに反抗を始める。。

“黒澤明が言うところの、映画が映画でしか表現できない一瞬を獲得したときに「映画になる」という言い方がその通りであるならば、この作品はれっきとした「映画」だろう。だが、しかし・・・”

だが、しかし、、、オイラはその一瞬一瞬が、狂気や殺気や色気がとめどなく錯綜する物語の中で、また日本人の西欧に対する倒錯した感情がえぐり出されるこの作品の大きな流れの中で観る者にしっかりと語りかけてこなければ何も意味がないと思う。

この作品は、この点において絶対的に弱い。はっきりいって映画としてのレベルは相当に低いと言わざるをえないと思う。

「映画になった」瞬間は数多くあれど、それらはまるでまばらに明滅する蛍の光のようにはかなく消え入ってしまう。

たしかにそれはそれで美しいのだが、しかし後に残るのは不毛な青白き闇の空虚と坂本龍一の音楽のみ。

はたしてその空虚は、日本人と西欧との間に横たわる観念や思想の違いからくる決定的なディスコミュニケーションの空虚なのか、それともこの作品の力量不足なのか・・・。

いずれにしろ、オイラはその空虚に耐え切ることができるだけの魅力をとうとうこの映画から感じ取ることができなかったようだ。

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フルメタル・ジャケット

Fullmetaljacket 出演:マシュー・モディン、アダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオ

監督:スタンリー・キューブリック

(1987年・アメリカ・116分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:サウスカロライナの海兵隊新兵訓練基地では、ベトナムの前線に向けて、8週間に及ぶ地獄の特訓が始まっていた。鬼教官ハートマンのしごきにより、精神に異常を来たしたパイルは、ハートマンを射殺して自殺する。1968年、報道隊員となったジョーカーは、ベトナム最前線のフエ市で訓練仲間と再会し、百戦錬磨の兵士たちと銃火の真っ只中で行動を共にするが・・・。

“悲しみが皆無な戦争映画というのは後にも先にもおそらくこれ1本きりだろう。観ている最中ノドがカラカラになってくる・・・。”

今までこの手の戦争映画には、小さじ1杯ほどでも道徳や正義や倫理が少なからず織り込まれていたし、それらが麻痺し喪失していくのは戦争の狂気がそうさせるのだという言説が常に描かれてきた。

そしてそこに通底するものは、悲劇であり悲しみであった。

しかし、キューブリックによる本作は、それらの要素や言説をことごとく徹底的に排除し、戦争の狂気を作り出す張本人は人間なのだというごくごく当たり前のことを胸くそが悪くなるくらいまで徹底的にえぐり出していく。

特に若者たちを虫ケラのごとき殺人兵器に変えていく新兵訓練基地での非情な地獄の日々を描いた前半部分は強烈だ。

発狂して自殺する新兵パイル(ヴィンセント・ドノフリオ)の狂った目が脳裏に焼きついて離れない・・。

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グローリー(1989年・アメリカ・122分)WOWOW

 監督:エドワード・ズウィック

 出演:マシュー・ブロデリック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマン

 内容:南北戦争期、アメリカ史上初めて組織された北軍黒人部隊。彼らは南部からの脱走奴隷だったが、指揮官に着任した若き白人大佐ショーは彼らの誇りと熱気を感じる。そして、雌雄を決するフォートワグナーの戦いに臨むのだった・・・。

評価★★★/65点

D・ワシントン&モーガン・フリーマンの魂を震わす熱演がなかったら、若きマシューが人間を撃ち殺したくてウズウズしまくっている若い衆をなんとかなだめすかすただのナヨナヨ優男にしか見えないところだった。

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ジョニーは戦場へ行った(1971年・アメリカ・112分)NHK-BS

 監督・脚本:ダルトン・トランボ

 出演:ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ドナルド・サザーランド

 内容:青年兵士のジョーは、耳も目もあごも失い、手足ももがれて野戦病院のベッドに横たわっていた。すでに彼の肉体はただの物体の塊と化していたが、ジョーの意識は少しずつ自分の今の有り様を知覚していく。やがてモールス信号を思い出したジョーは、首を振ることで軍医や看護婦たちに死なせてくれと訴えるのだった・・・。第一次世界大戦を題材にした反戦的な内容で、1938年の発表当時、発禁処分となったダルトン・トランボの小説を、赤狩りによるハリウッド追放を乗り越えて自らが監督した反戦映画。

評価★★★☆/70点

“戦慄のホラー無間地獄体験”

自ら祖国のために勇んで戦争へ志願していった代償。

顔中が吹き飛ばされ、耳も聞こえず口もきけず目も見えず、両手両足、視覚・触覚すべての感覚を失ってしまった、胸と下腹部と陥没した頭だけの生ける肉の塊。

江戸川乱歩の「芋虫」と似たようなかんじなのだが、おどろおどろしさに包まれた怪奇に満ちたホラーに、まるで悪夢の中で彷徨うような得体の知れない胸クソ悪さに支配されてしまう。

反戦とか戦争批判うんぬんというよりも、はっきりいってホラーとしか見れないよねこれは。。

戦争による祖国のための名誉で甘美な死なんてものはないんだ、そんなのはまやかしなんだ!ということは十二分に伝わってくることは確かだけど、それ以上に生々しさとかおどろおどろしさ、まがまがしさの方が先に立って読後感は非常に悪いし、なんか吐きそう・・・shock

ホント、S...O...S...Help..me..

地獄です、、これが本当の・・・。

戦争やってイイことなんてひとっつもないんだ。得するのはお偉方だけなのさ。

そういえば、9.11テロを題材に11人の監督がそれぞれの視点で撮ったオムニバス映画「セプテンバー11」で今村昌平は、人間であることをやめて“ヘビ”になってしまった復員兵の姿を映し出したのが思い出される。

戦争の後遺症は人間を人間たらしめる要素さえ殺してしまう、、、なんと恐ろしいことなのだろうか。

ジョニーは想像力まで封印されてしまった、、、その無間地獄に背筋が思わず震えてしまう・・・。

2008年10月17日 (金)

夢のシネマパラダイス127番シアター:硫黄島からの手紙

324563view001 出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、裕木奈江

監督:クリント・イーストウッド

(2006年・アメリカ・141分)初見2006/12/25・盛岡フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:戦況が悪化の一途をたどる1944年6月。アメリカ留学の経験をもち、米軍との戦いの厳しさを誰よりも覚悟していた陸軍中将栗林が硫黄島に降り立った。着任早々、栗林は本土防衛の最期の砦である硫黄島を死守すべく、島中にトンネルを張り巡らせ、地下要塞を築き上げる。そんな栗林の登場に硫黄島での日々に絶望していた西郷ら兵士たちは希望を見出す。しかし、古参の将校たちの間では反発が高まり、、、。米軍は当初圧倒的な戦力の違いから5日で陥落できると踏んでいたが、予想以上の日本軍の抵抗により36日間に及んだ激戦となった硫黄島の戦いをイーストウッド監督、スピルバーグ製作により日米双方の視点から見つめた硫黄島2部作の第2作目。

“2006年から61年前の硫黄島にタイムスリップした現代人・二宮和也が間近で体験した硫黄島の激戦!世界ウルルン滞在記。”

、、、といっても過言ではないつくりにはなっていると思う。

だって、あの言葉遣いは実際どうなの・・・(笑)?

なんかふと2005年の年末にテレ朝でやった山田太一ドラマスペシャル「終りに見た街」を思い出してしまった。。

システムエンジニアをしている中井貴一扮する主人公とその家族が、朝家でフツーに起きたら昭和19年の東京になっちゃってたというとんでもない話。

主人公の友人(柳沢慎吾)も息子とともに昭和19年の東京にタイムスリップしてしまうのだけど、その息子(窪塚俊介)がなんか今回の映画の西郷(二宮和也)と似てたような気がしたもんで。。

冷めた視線とかやる気のない感じとか。だってあんなヤル気のない「天皇陛下万歳!」を映画で見たのは初めてでっせ(笑)。

それはともかくあのTVドラマはあの時代にタイムスリップしたことによるジェネレーションギャップをことさら強調して描くことで戦争の恐ろしさを過去の絵空事としてではなく、より現実感をもって伝えられていたように思うが、一方今回の「硫黄島からの手紙」は内地・東京のお話ではない。最前線の戦場に置かれた兵士たちの話なのだ。

ここにあのTVドラマとの大きな違いが生じる。

そう、、少なくともオイラは最前線の戦場に置かれた兵士たちどころか、あの戦争でお国のために戦ったいわゆる旧帝国軍人の話や体験談などことごとく聞いたことがないのである。

たぶんオイラみたいに戦後何十年も経って生まれてきた人たちはみんなそうだと思う。

空襲や原爆、特攻、沖縄のひめゆり部隊などは耳にタコができるくらい聞かされてきたし、脳裏に焼きつくくらい映像で見せられてきたが、なぜか外地で戦っていた兵隊さんたちの話は、まるでタブーであるかのごとくほとんど聞かされたことがないし、そういう映画すらほとんど見たことがない。

なのに判で押したようなステレオタイプとして旧帝国軍人は人道にもとる極悪非道な絶対悪として言われ、教えられ、描かれてきた感は拭えない。

個人的には、人殺しを生業とする軍隊に良い軍隊などあるわけがないと思っているので、それが善か悪かと問われれば問答無用で悪と答えるだろう。

しかし、その悪の中に自ら進んで飛び込んでいった者であれ、強制的に放り込まれた者であれ、彼ら軍人一人一人を単純にいっしょくたに悪一色で片付けてしまう思考の処理の仕方は絶対におかしいと思うのだ。それは日本軍であれ米軍であれ。

問題は、善良な人間がその悪の中に入っていかざるをえなかった時に、その人間が内に持っていた理想や信じていた大義が、戦争の圧倒的に無慈悲な現実の前で打ちのめされ殺がれていく中で、次第に彼の中にある善なるもの悪なるもののせめぎ合いさえもなくなっていく、すなわち人間性が消失していくという愚かで醜くて空しい狂気の過程こそが重要であって、誰が善で誰が悪か、どっちが善でどっちが悪かという結果ありきの線引きは意味を成さないと思うのだ。

もちろんそのせめぎ合いの中で人間性を完全に消失してしまい、狂気の戦闘マシーンへとなりはてる者もいれば、かろうじて人間性を失わない者もいるだろう。

そしてその悲劇の過程を通した上で戦争という悪、軍隊という悪、死ぬことを強要する狂気という絶対悪へと駆り出していった国家の罪というものをあぶり出していくというのが至極まっとうな戦争映画だとオイラは思う。

例えば今回の映画の製作にも名を連ねるスピルバーグが監督した「プライベート・ライアン」では、トム・ハンクス演じたミラー大尉がアメリカ本国にいた時に何の職業に就いていたかを部下たちが予想して賭けをするというシークエンスがあったが、国語の教師をしていたことが明らかになることで、生きることを子供たちに教えるはずの教師が暴力と殺戮の世界である戦争に駆り出されるという異常性と悲劇を如実に暴き出していたと思う。

しかし、今までの日本映画なりTVドラマなりで描かれてきた軍人像というのはそういう過程を骨抜きにして、最初っからこの人は善良で正直者で可哀想な人ですよ、こっちの人は悪の塊で善良な人や敵国の一般住民をとにかく虐げ、殺しまくる人間性の欠片もない人ですよというふうに完全に色分けして描かれてきた面が相当あると思う。

前々から戦場を描いた日本の戦争映画って、なんで狂気を描けなくてこんなうわべだけの薄っぺらい“青春映画”(戦争映画ではなく・・・)になっちゃうんだろう、、、と思うことがしばしばだったのだけど、そういう思考回路で作っちゃうからそうなっちゃうわけで、この思考がいかに幼稚で薄っぺらなものかということは今回の映画を観るまでもなく分かろうものだ。

、、、、が、しかし、ここが1番大きな問題だと思うのだが、今まで日本人はそれを建て前上良しとしてきた面があった(とオイラは感じる)のではないだろうか。

心のどこかであの戦争の被害者を演じることで、加害者としての側面や戦争の闇、狂気の部分というものから逃避し思考をストップさせてしまうある種の逃避装置として働いてきたのではないだろうか、ステレオタイプな描き分けというあまりにも単純で通り一辺倒の手法を通してあの戦争の総括から逃げ続けてきたのではないだろうか、、、そして日本の戦争映画というのはいつしか被害や加害、善か悪かを超えた理不尽な悲劇としてではなく、あくまで被害者として狂気ではなくいかに可哀想に描くか、ということになっていき、戦場を描いた映画というのが数えるほどもないという体たらくに陥ってしまったし、日本人もそれを良しとした・・・。

そういうことが今回のクリント・イーストウッド監督作のアメリカ映画を通して一気に骨抜きにされた気がしてならない。

日本人の多くが教えられてきたであろうあの戦争は間違った悪い侵略戦争だったという認識(オイラはそう思う)を暗黙の了解のもと旧日本軍=旧帝国軍人がやったことは全て悪という図式(逃避装置)でいっしょくたにして極力触れないようにしてきた一方、それじゃああの戦争を外地でお国のために懸命に戦った500万人(うち200万人余が戦死)もの日本人を断罪できるのか、といったらほとんどの日本人は断罪ではなく、哀悼の方を選ぶだろう(当たり前だ)。

しかも、うち300万人余は外地から無事復員してきて、生きて無事に帰ってこれて本当に良かったねぇと家族に迎えられ(かくいうオイラの祖父もノモンハン事件からシベリア抑留などの死線を経て無事生きて帰ってきた)、その後良い父親なり良い息子、そして普通の良き日本人として戦後日本社会の礎として懸命に生きてきたはずなのだ。

そういう建て前と本音のひずみの中に埋没することを避け、上っ面の中を浮遊してきた日本人、、、“天皇”や“靖国”の問題、突きつめていけば国家の戦争責任としての罪の問題にケリをつけられない、あるいはケリをつけようとしないできた日本人には「硫黄島からの手紙」のような映画は作れないし作りようがないのかもしれない。これから先も・・・。

そういうことを考えても、60年前にアメリカに戦争で負け、60年後映画でもアメリカに負けた、、、と言わざるをえないほどの衝撃を少なくともオイラは受けた。

日本人の自分でさえ、玉砕や潔い自決が美徳とされたあの時代の兵隊さんたちの内面を知ることや理解することが到底難しい中で、冷めた視線をもち、絶対に生きて帰るんだという意志をもつ現代っ子的なキャラである西郷(二宮和也)を中間点に置いて第三者的立場で語らせたのは上手いし、各々の人物の深みのある人間像の描き方には唸るしかない。

誇りある帝国軍人としての教育と鬼畜米英の精神的な貧弱さを徹底的に叩き込まれてきたであろうエリート憲兵隊員清水(加瀬亮)が現実と真実を目前で見せられることによって、理想と信念が揺らいでいき生への執着を見せ始める様、そして極めつけは今まで典型的ステレオタイプの憎まれ役で描かれてきたであろう厳格な帝国軍人伊藤中尉(中村獅童)のあまりにも皮肉の効いた顛末など、どれをとっても本当に考えさせられてしまう描写の連続だったと思う。

「天皇陛下万歳!」と叫ぶ姿、泣き叫びながら手榴弾を腹に抱いて自決する酷い姿、ものすごい砲弾の雨あられの中で排泄物の入ったバケツを四苦八苦しながら拾い上げる姿、、、本音と建て前のひずみの中に埋没していき、もがき苦しむ日本兵の姿に、人間の、そして日本人の深い所をえぐられたような、そんな重い衝撃を受けた。

先日開業したばかりの最新設備が調っているシネコンで見たのだが、閉所恐怖症のオイラは地下洞窟の中に響き渡る砲弾の轟音を聞いて足がガクガク震えそうになったくらいだ・・・。

そして、序盤で米軍が硫黄島を爆撃してくるシーンで空から爆弾がズドーンという腹に響くもの凄い爆音とともに砂塵を巻き上げて降り注いでくるところなんかは、ああ、これが爆弾が空から落ちてくるってことなんだ、、、と生まれて初めて実感したというか体感した気がする。

もちろん、この映画が硫黄島の戦いの悲劇を全て描き出していたとは思わない。

8月にNHKスペシャルで「硫黄島玉砕戦/生還者61年目の証言」を見たが、それによると米軍が硫黄島を制圧した後も何千という日本兵が地下にこもっていたそうだ。

そして“生きて虜囚の辱めを受けず”と徹底的に教育され投降が許されなかった彼らを新たに襲ったのが飢餓だったというのも悲しい・・・。

炭を食べたとか、遺族の方には決して話せないような仲間内での陰惨な悲劇など、それを証言者の一人は「畜生の世界」と言っていたのがあまりにも印象的だった。

いまだ1万数千もの日本兵の遺骨が未収集のまま眠っている硫黄島。

それを知っている日本人ははたしてどのくらいいるのだろうか。

自分も初めて知ったくちなのだが、渡辺謙がインタビューで言っていたように日本人は過去の戦争についてあまりにも知らなさすぎる。

それを戦後60年経った今考えさせてくれた今回の映画には感謝してもしきれないくらいだ。

中国映画の「鬼が来た!」(ちなみに本国中国では上映禁止処分)、そして今回のアメリカ映画「硫黄島からの手紙」で中国人、アメリカ人が提示した一言では括りきれない日本人像にオイラは衝撃を受けた。

日本人自身の手で撮った真の戦争映画が世に出る日がいつかやって来るのだろうか・・・。

(初記)2006/12/29

夢のシネマパラダイス97番シアター:父親たちの星条旗

Main_1 出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、バリー・ペッパー、ジェイミー・ベル、ポール・ウォーカー、ロバート・パトリック

監督:クリント・イーストウッド

(2006年・アメリカ・132分)2006/11/5・盛岡名劇2

評価★★★★/80点

内容:1945年2月23日、硫黄島の摺鉢山山頂に星条旗を打ち立てた6人の兵士の写真の真実と、戦場から生き残りアメリカ本土に帰還した3人が英雄に祭り上げられ、戦時国債調達のキャンペーンに利用されてしまう様とその後の人生を描いた作品。太平洋戦争で最激戦となった「硫黄島の戦い」を日米双方の視点から描いた2部作の1作目で、アメリカ側の視点で描かれている。

“ようするに人の尊い生命の灯火をたくさん消すには天文学的なお金が必要だってこと、心がすさまない戦争なんてないんだということ、戦争を美談のように能弁と語り、「英雄」を作り出すのは決して戦場に行くことのない者たちだということ。そして傷つくのはいつも無名の若者であり、彼らの生命の灯火をこの世に送り出した母親だということ・・・”

ピュリツァー賞が創設されたのは1917年だが、そこに写真部門が新設されたのは1942年だった。

時はまさに第二次大戦の真っ只中、フォトジャーナリズムが戦争とともに歩んできたことを考えればきわめて自然な成り行きだったのだろう。

それから60年あまり、ピュリツァー賞の写真は悲劇的な事故や事件の決定的瞬間、歴史的瞬間の証言者となってきた。

そこに写されているのは、ベーブ・ルースの引退、人種差別、公民権運動、学園紛争、処刑、殺戮、戦禍、反乱、リンチ、粛清、死のダイブ、暗殺(旧社会党委員長浅沼稲次郎暗殺の決定的瞬間、ケネディ暗殺の容疑者オズワルドの暗殺、レーガン大統領暗殺未遂事件)、内戦、飢餓、東欧民主化、ソ連崩壊、、、とまさにその時代時代を象徴する歴史を克明にとらえてきた。

それはすなわち人間の狂気と業の叫び、そして残酷で無惨かつ容赦のない死をとらえてきたことに他ならない。

そう、フォトジャーナリズムとはかくも残酷な一面を内包しているのだ。

話はそれるが、例えば1994年受賞作「スーダンの飢えた少女」は、飢えのために道でうずくまっている少女の傍らでハゲワシが虎視眈々と少女の死を待っている場面を写した衝撃的な1枚だが、のちに撮影するよりも先に少女を助けるべきだったという批判が湧き起こり、これを撮ったカメラマンが自殺するという悲しい顛末を向かえている。

しかし、一方で、あの写真の誰が見ても一目で分かる強烈なインパクトは、内戦や干ばつで疲弊しきっていたスーダンの危機的状況を世界に知らしめる決定的かつ象徴的な1枚になったことも確かなのだ。

フォトジャーナリズムは、すぐそばにある“死”とともに歩んできた、いや、そこから逃れられない、逃れることができない宿命を背負っている。

そして、その最も象徴的なものが戦争だった。

20世紀、戦争の世紀、、、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム、世界各地で絶えることのない内戦、紛争、、そしてアフガニスタン、イラク・・・。

その全てに関わってきたアメリカは、しかしベトナム以降はほぼ全ての戦争で手痛い傷を負ってきたといってよい。

数々のベトナム戦争映画で描かれてきた疲弊しきり、孤独と荒廃に苛まれる兵士たちの姿(ベトナムを題材にしたピュリツァー賞受賞回数は今までで最多の計9回となっている)、リドリー・スコットが映画化した「ブラックホーク・ダウン」の舞台となったソマリア内戦では、ボロ雑巾のように群衆に引きずられるアメリカ兵の死体、その軍服を剥ぎ取られた無惨な肢体(1994年受賞写真)があまりにも象徴的だ。

しかし、こと第二次大戦に関しては、アメリカは、悪の枢軸から自由と正義を守るために闘ったのだとする自分たちの正当性を今でも決して曲げようとはしないし、これから先もその態度を変えることはしないだろう。

その象徴となった決定的1枚が1945年2月23日にAP通信社のジョー・ローゼンソールによって撮影されピュリツァー賞を受賞した“摺鉢山に掲げられる星条旗”なのだ。

戦略的要衝硫黄島をめぐって1ヶ月続いた激戦で日本軍守備隊2万3千余が全滅、しかし、アメリカ軍も死者7千、負傷者2万6千という太平洋戦争最大の人的損害を被ったというまさに死闘となった硫黄島の戦い。

そのような中で、自由の象徴である星条旗が硫黄島のてっぺんに掲げられるというこの写真が、結果的に第二次大戦の終結とアメリカの勝利を象徴する歴史的な1枚となったわけだ。

しかし、今回のクリント・イーストウッド監督作で描かれたこの写真の真実には思わずこれってヤラセじゃん!?と冷笑してしまうようなシニカルな驚きがあった。

歴史ってやっぱり面白い、と思うと同時に、無力な若者たち、ひいては国民までもが政治権力とときの体制に簡単に利用され操作されてしまう恐さ、そしてメディアそれ自体が持つ力の恐さをまざまざと見せつけられた。

メディア力で世論を操作した人物といえばすぐさまヒトラーを思い浮かべるが、アメリカほど作り話をつくるのに長けたお国もない(笑)。。

1991年の湾岸戦争時にイラク軍が油田を破壊したために原油が海に流出し、海鳥が油まみれになってしまったという誰もが覚えているであろう有名なニュース映像は、まったくのヤラセだったことは周知の事実だし、そういう例には枚挙にいとまがない。。

そこにまたひとつ、第二次世界大戦で最も有名なもののひとつであるあの写真が加わった、、、ということか。。

だが、しかし監督イーストウッドの語り口はヤラセを暴露してやるというような高圧的かつ挑戦的な態度では決してなく、「許されざる者」「マディソン郡の橋」「ミリオンダラー・ベイビー」と同じような控え目で静かな旋律であり、どこまでも淡々としたリズムを刻んでいく。

しかし、そのリズムが戦争の虚しさをいやが上にも引き出していくところはさすがイーストウッドだなと唸らずにはいられない。

雄大な美しい自然と、その中で卑小な人間たちが繰り広げる殺し合いを残酷なまでに対峙させることによって戦争の虚しさを静かに描き出したテレンス・マリックの「シン・レッド・ライン」も今までにない戦争映画だったが、今回のイーストウッド作品には美しい自然は皆無。

どこまでも黒々とした死の大地と、荒涼としたアメリカ中西部の平原と、アスファルトとコンクリートで固められた大都会がフラッシュバックで繰り返されるのみだ。

黒々とした砂の大地と、戦場には決して行かず戦争を裏で操る黒々とした無神経な大人たち、その中で戦争の表舞台である戦場という最前線で地獄と砂と血にまみれる無名の若者たちは、戦争の裏舞台へ引きずり出され、そこでまたさらなる傷を受けていく。

そして利用されるだけ利用された後は好き勝手にポイ捨てされる。そこには救済などない容赦のない現実が大口を開けて待っている。

彼らは「英雄」でもなければ「加害者」でもない。ただの無名の「若者」であり「被害者」なのだ。

戦争映画は大抵の場合、俯瞰的パノラマ的な視点に拠っていく手法が多いが、この作品はよりパーソナルな視点に拠っているところが大きいし、しかも3人の個に複数の時間軸が絡まり、なかなか観る側の視点が定まりづらいというところが難点ではある。

自分としては時間軸を現在と過去というせめて2つにして(今回の作品で製作を務めるスピルバーグの「プライベート・ライアン」のように、、)、もっとオーソドックスにしてもと思ったりもしたが、戦争の表と裏の両方から挟み込まれていく3人の若者を追うにはイーストウッドの手法は的を射ていたのかもしれない。

まあ、なんてったって脚本がポール・ハギスだもんな。。

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(おまけ)

ウインドトーカーズ(2002年・アメリカ・134分)2002/09/01・MOVIX仙台

 監督:ジョン・ウー

 出演:ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ、クリスチャン・スレーター

 内容:1943年、第二次大戦中のガダルカナル島。エンダーズ伍長の任務は、“ウインドトーカーズ”と呼ばれるナバホ族の通信兵を護衛すること。2人の間には次第に信頼関係が生まれていくが、任務の真の目的は暗号の秘密を守ることで、彼が捕虜になることがあるようなら、彼を抹殺することも指令に含まれていた・・・。

評価★★/40点

アクション映画と同じ軽さでしか命を扱うことができないジョン・ウーを監督に持ってきたのは人選ミスとしか言いようがない、、そんな出来。。命の重さと尊さが全く伝わってこなかった・・・。

2008年10月16日 (木)

夢のシネマパラダイス70番シアター:SPIRIT

Imo_spirit 出演:ジェット・リー、中村獅童、スン・リー、原田眞人、ドン・ヨン

監督:ロニー・ユー

(2006年・香港・103分)2006/03/26・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:1910年中国。植民地にしようと進出してきた西洋・日本列強に蔑まれていた清朝末期の上海で、世界中から戦いの猛者が集い、世界初の異種格闘技戦が開催されることになった。そこで、隠遁生活を送っていた天津一の格闘家・霍元甲が人々の誇りを取り戻すべく立ち上がる!

“ヤバ、、、アクション映画観てて初めて泣きそうになった。”

実在の人物フォ・ユァンジャの壮絶怒涛な人生を通して真の強さ・力とは、真の武術とは何なのかを照らし出していく物語は、「ラスト・サムライ」が武士道の精神世界をひも解いていったように、武術家精神とも呼べる真のSPIRITスピリット、そのルーツを語り伝えようとしていく。

これは明らかにチャン・イーモウ&ジェット・リーの「HERO」で描かれた“知己”と“平和”をより具体的かつシンプルに掘り下げていったものともいえるが、それもこれもジェット・リー渾身の演技によるところが大きい。

特にリー・リンチェイ時代を全くといっていいほど知らず、「リーサル・ウェポン4」の悪役から始まり、ヒップホップのリズムの中でアメリカナイズされていくハリウッド俳優ジェット・リーとして知っていくようになったオイラにとっては、初めてジェット・リーのルーツである本場中国でのカンフーアクションに触れられたわけで、オイラが知っているジェット・リーはそこにはおらず、この人はリー・リンチェイだ!と初めて体感できた気がする。

それはまさしくオイラに涙を流させるほどの変容と変身だったのだといえよう。

「HERO」の時の来日会見でジェット・リーは、「平和な世界ではヒーローはいらないはずなのだから僕はヒーローは見たくない、そんな世界になればいい」と言っていたが、その彼の精神がそっくりそのまま受け継がれているのが今回の作品だったのだと思う。

自身最後のカンフーアクション映画と銘打った決意にふさわしい全身全霊の映画だといえよう。

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少林寺(1982年・中/香・100分)NHK-BS

 監督:チャン・シンイェン

 出演:リー・リンチェイ(現ジェット・リー)、ユエ・ハイ、デイン・ナン

 内容:古き動乱時代の中国。父を虐殺され少林寺で育てられた少年は厳しい鍛錬を経て成長し、非道な将軍を滅ぼす役目を担う。中国の広大な風景をバックに、少林寺の修行風景や合戦場面が壮大なスケールで描かれる武術映画。

評価★★★/60点

“犬も歩けば丸コゲになる!”

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リーサル・ウェポン4(1998年・アメリカ・127分)DVD

 監督:リチャード・ドナー

 出演:メル・ギブソン、ダニー・グローバー、ジョー・ぺシ、レネ・ルッソ

 内容:バディ・ムービー最強コンビ、リッグス&マータフにシリーズ最強の敵が挑む!その名はジェット・リー!今となってはリー・リンチェイ改めジェット・リーのハリウッドデビュー作としての方で有名な作品。

評価★★★/60点

どうしてもジェット・リーがナイナイの岡村とかぶってしまう・・・。そのせいなのかなぁ、正真正銘の悪役に見えないんだよなぁ。。

それはさておき、冒頭の火炎放射器のシーンで、あ、このシリーズはもう完全にコメディものへと華麗なる進化を遂げたなと確信してしまった。いや、すでにPart3でお笑いへと進化していたのは言うまでもないし、それはつまりかつて自殺願望を抱いて心の病と闘いあえぎながら刑事という職業に就いているという、どう見てもアブない男だったリッグスが完全に病から立ち直ったことと無関係ではないだろう。

そんな中で今までの作品とPart4の決定的な違いが、ジェット・リーの悪役である。が、しかし、これが個人的にはしっくりこなかったんだよね。もっといえば中途半端。

動のリッグス&マータフコンビと静のジェット・リー。

せっかくの進化を遂げた映画の勢いがどうしてもジェット・リーのところで停滞してしまう。それゆえどうも中途半端な感が否めなかった。

どうせならジェット・リーを味方側につけた方が面白かったと思うのは贅沢だろうか・・・。

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ロミオ・マスト・ダイ(2000年・アメリカ・115分)WOWOW

 監督:アンジェイ・バートコウィアク

 出演:ジェット・リー、アリーヤ、イザイア・ワシントン、ラッセル・ウォン

 内容:チャイニーズ・マフィアと黒人系ギャングの抗争が、何世代にもわたって続いているオークランド。ある日、チャイニーズ・マフィアの首領の息子ポーが殺された。彼の死を知った兄のハンが、服役していた刑務所から脱獄し、事件の真相に迫る。

評価★★★/60点

アリーヤは本当にジュリエットになっちゃったんだね。。

そう思って観ないと・・・weep

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ブラック・ダイヤモンド(2003年・アメリカ・101分)WOWOW

 監督:アンジェイ・バートコウィアク

 出演:ジェット・リー、DMX、アンソニー・アンダーソン、ケリー・フー

 内容:「金庫の中の何を盗んでもいいが、ブラック・ダイヤモンドだけは置いていけ。」その警告を無視してトニーはブツを盗むが、犯罪組織のボスに娘を誘拐され、取り引きを要求される。娘を取り戻し、ブツの謎を解くため、トニーは謎の男スーと手を組むが・・・。

評価★★/40点

ラストのカットでジェット・リーが画面からハミ出してるのがこの映画のいい加減な性格を如実に表わしている・・・。香港でいっちょ禊した方がええんちゃうか。。

2008年10月14日 (火)

夢のシネマパラダイス323番シアター:遙かなる山の呼び声

Harukanaru 出演:高倉健、倍賞千恵子、ハナ肇、武田鉄矢、鈴木瑞穂、吉岡秀隆

監督・脚本:山田洋次

(1980年・松竹・124分)NHK-BS

評価★★★★★/90点

内容:北海道の酪農の町・中標津で、女手ひとつで息子を育てながら牧場を営んでいる未亡人の民子は、ある春の夜、道に迷ったと訪ねてきた田島という男を納屋に泊める。彼は夜中に突然始まった牛のお産を手伝って、翌朝どこかへ行ってしまう。夏になり、田島はまた牧場を訪ねてきて、民子を手伝い働くようになったが・・・。北海道の四季を背景に、罪を犯して逃亡中の男と、牧場の未亡人と小学生の息子の心の交流を描いた感動ドラマ。

“幸せの涙色のハンカチ”

山田洋次の手法は分かりきってるくらい単純極まりないのにダメなんだ、、、ドツボにハマって抜け出せなくなっちゃうんだよcrying

なんだろ、野球に例えれば、山田洋次という人は華のある表舞台を陰でしっかり支える裏方さんなんだよね。選手たちが練習でフリーバッティングするときにピッチャーの役を務めるバッティングピッチャー。

選手がここに投げてもらいたいというコースに寸分の狂いもなく投げてあげられる。よほどの制球力がなければ務まらないお仕事。しかも、一日に何百球という球数を投げつづけなければならない持久力と体力のいる大変な役目を務めるお仕事。

山田洋次はそれを完璧にこなし、70km/hのボールを毎回投げ込んできてくれるのだ。

そう、70km/h。各駅停車の鈍行とか単線じゃないとダメなの。ましてや福岡から飛行機でひとっ飛びに北海道に来るなんて考えられないから。車で来た武田鉄矢は正解!

そんな山田洋次がオイラはやはり好きなのです。

なに?毎回同じ球しか投げてこないから面白くないって?

うーん、それはあなたがよほどの天才的な大打者か、よほどの大根役者かどっちかだね。。

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息子(1991年・松竹・121分)NHK-BS

 監督・脚本:山田洋次

 出演:三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、原田美枝子

 内容:東京でアルバイトをしながら一人暮らしをしている浅野哲夫は、母の一周忌で故郷の岩手に帰った。父の昭男と久しぶりに言葉を交わした哲夫は、東京に戻ってから下町の鉄工場で働くようになる。ある日、取引先の倉庫で事務をしている征子という娘と出会った哲夫は、彼女に恋をして気持ちを打ち明けた。ところが彼女が聴覚障害者であることが分かり・・・。

評価★★★★/80点

“いつまでも親は子供に手をかけたいものなのだね。”

「東京物語」から38年後の物語。

昔の街並みはマンションにとってかわり、鈍行も新幹線へと姿を変えた。

それでも家族と郷愁に思いを馳せる老人の姿は変わらない。

90年代における家族の姿と幻のごとくつかの間に浮かび上がってくるかつての家族の姿を、取り残されていく昭男(三國連太郎)の目を通して希望と無常感をもってシンクロさせていく。

それはある意味残酷なシンクロでもあるのだが、日本の現在の社会状況を見事に見据えていたのもたしかだろう。

単なる小津映画の継承として終わらせない力がやはり山田洋次にはあるのだと思う。

「幸せだ・・・。」とつぶやく昭男の姿と、しんしんと降り積もる白い雪が印象的だった。

2008年10月13日 (月)

夢のシネマパラダイス3番シアター:39・刑法第三十九条

Iwutwauyd 出演:鈴木京香、堤真一、岸部一徳、江守徹、杉浦直樹、吉田日出子

監督:森田芳光

(1999年・松竹・133分)早稲田松竹

評価★★★★/80点

内容:夫婦殺人事件の犯人として逮捕された劇団員の青年・柴田真樹(堤真一)は、容疑そのものは認めたものの事件当時の記憶がなく、殺意は否認する。やがて裁判が始まると、弁護側は心神喪失を主張、精神鑑定により柴田が多重人格と認定される。ところが、鑑定を行った教授(杉浦直樹)の助手・小川香深(鈴木京香)は、その鑑定に疑問を覚え、独自の調査で柴田の内面に迫っていくが・・・。犯行時、犯人が心神耗弱もしくは心神喪失の場合は罪に問わないという刑法第三十九条の法の問題点を突いたサイコサスペンス。

“本当の狂気とは・・・”

心神喪失者・耗弱者の責任能力は、はたして的確にはかられてきたのだろうか。

昨今続発する凶悪な犯罪事件でことあるごとに精神障害の可能性が論じられ、一にも二にもまずは精神鑑定ありきということが時々不思議に感じてしまうこともあったのだが。。

しかし、心の病がある意味粗製乱造花盛りで用いられるのは、あまりにも常人には理解できない事件が日常の中で積み重ねられ、それが常態化してしまった時に、我々にはもはや狂気=心の病=犯罪という構図でしか理解する術を持てないからなのかもしれない。

が、だとすればますますもって冒頭に述べた心神喪失者・耗弱者の責任能力は的確にはかられてきたのか、という問題がクローズアップされてくるのではないかと思う。

その中でこの森田芳光監督の意欲的な作品は、そういう問題を、裁く側、鑑定する側の解釈の不備や矛盾を彼ら個々の人間性や心にまで踏み込み、デフォルメ、強調した異様な形で露わにしていく。

そして彼らに対峙する被告の狂気の偽装と、その裏にあるズシリと重い真実が刑法第三十九条を骨抜きにしていく。

これは、紛う方なき問題作だ。

まるで心が病んで闇を抱え人間性に欠陥があるかのごとき精神鑑定員と、感情を排した機械的な処理者として描かれる弁護士と検察官。

一方、人生を賭けた強靭な精神力で法に立ち向かう工藤啓輔(=柴田真樹)。

彼は、心に深い闇を抱えている。その闇が心の病にすり替わっていく容易さと安直さをあざ笑うかのように、狂気の偽装が同条の運用にあたっての問題点を浮き彫りにしていく。

しかしこの映画はそこで終わらない。

狂気の偽装をひも解いて工藤啓輔の哀しく重い人間性を露わにしていくことで、本当の狂気とはひとりの人間として裁きを受ける権利、その人間としての権利を奪う刑法第三十九条そのものにあるのではないか、というところにまで突き進んでしまうのだ。

しかも工藤啓輔の闇を解放したのは、鑑定人・小川香深の心の闇だった。

闇も人間の一部なのだ。

ここにこの映画の凄みが集約される。

この同条適用にあたっての問題提起においそれと答えを出せるものではないが、しかし非常に重い問題であることはたしかだ。

それにしても一本の映画でここまでまとめ上げることができるというのは驚くべきワザとしか言いようがない。

映画としての狂気、役者としての狂気を間近に肌で感じられたような気がする。久々にビリビリとくる映画だった。

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(おまけ)

真実の行方(1996年・アメリカ・131分)NHK-BS

 監督:グレゴリー・ホブリット

 出演:リチャード・ギア、エドワード・ノートン、ローラ・リニー

 内容:シカゴの大司教が惨殺され、教会に住んでいた少年アーロンが容疑者として逮捕された。野心家の敏腕弁護士ベイルは、不利な状況にもかかわらず彼の弁護を買って出るが・・・。

評価★★★☆/70点

見ず嫌いでこの映画を観ないこと約10年!よくまぁ10年もの間、内容結末ともに知らないできたもんだ(笑)。

地味ぃ~な印象がずっとあったんだよね、これ。作品選びに難がありすぎるリチャード・ギアの法廷ものというだけで遠ざけてたからなぁ。

いやはや、先入観は改めないと。

ま、それもこれもエドワード・ノートンのおかげなんだけどね。。

夢のシネマパラダイス527番シアター:チャップリンを見ずして死ねるかっ!その2.

キッド(1921年・アメリカ・52分)NHK-BS

 監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 出演:チャールズ・チャップリン、ジャッキー・クーガン、エドナ・パーヴィアンス

 内容:街の浮浪者チャーリーは、ある日、車の中に置き去りにされた捨て子を拾い、育てることになる。5年後、成長した子供はキッドと呼ばれ、チャーリーを助けながらインチキ商売に精を出していた。やがて、そんな2人の前にキッドを捨てた実の母親が現れる。。

評価★★★★/80点

最強名子役級タイトルマッチ。

赤コーナー、MGM所属~、そばかす顔の笑顔と泣き顔にかけては右に出る者なし~。“チャンプ”リッキー・シュローダー!!

青コーナー、チャップリンフィルム所属~、逃げ足ステップにかけては誰にも負けない可愛いイタズラ天使~。“キッド”ジャッキー・クーガン!!

、、、甲乙つけがたし。。

夢のシーンでチャップリンが飛翔するところのワイヤーアクションは必見です!凄い。

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チャップリンの独裁者

20040814 出演:チャールズ・チャップリン、ジャック・オーキー、ポーレット・ゴダード

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1940年・アメリカ・126分)DVD

評価★★★★★/100点

内容:トメニア国にヒンケルの独裁政権がおこり、ユダヤ人を迫害すると同時にオスタリッチ国への侵攻を開始した。ところが、ユダヤ人でヒンケルに瓜二つの理容師が、迫害の手を逃れたところでヒンケルに間違われてしまい、狩りに出ていた本物は理容師に間違われて逮捕されてしまう・・・。ナチス・ドイツがポーランドへ侵攻した1939年に製作開始され、ヒトラーの独裁政権とユダヤ人迫害を弾劾しヒューマニズムを説いた作品。ちなみに当時、日独伊三国同盟を結んでいた日本では公開禁止で、1960年にやっとで公開された。また、チャップリンとヒトラーは、生年月日がたった4日違いだそうだ。

“本来はくっつくはずがないパントマイムと「ことば」を完璧に融合させてしまったチャップリン芸の最高峰ここに極まれり。”

「ことば」を使わず、「からだ」ひとつで自由にひとつの世界を形作り、身体の動きの面白さを突き詰めていくパントマイムが、「言葉」を使用し、「言葉」で説明していくということは、その自由を狭めて制限していくことを考えると本来は両立しないはずである。

しかしこのチャップリン初のオールトーキー作品の中でチャップリンは、表現したいこと伝えたいことを端的に伝えられる「ことば」とサイレント向きの演技動作を見事な創造力でひとつの表現として確立し、徹底的に映像化することに成功していると思う。

だからこそ映画的なテクニックを一切排除したラストの大演説シーンが極めつけに際立っているのだ。

頑なにトーキーを拒んでいたチャップリンが本来の型を崩してまで語らなければならないと考えた意味は限りなく重い。

そして、この映画がチャップリンのトレードマークである山高帽にチョビ髭、ダブダブズボンにステッキ姿の最後の作品となった。

チャップリンにとって映画というものが最強の武器になった瞬間である。

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ライムライト

Limelight 出演:チャールズ・チャップリン、クレア・ブルーム、バスター・キートン

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1952年・アメリカ・137分)NHK-BS

評価★★★/65点

内容:第一次世界大戦前のロンドン、かつて一流とうたわれた芸人カルヴェロが、自殺を図ったバレリーナのテリーを助けた。老境に入り下り坂のカルヴェロは、彼女を舞台に復帰させ、自信を取り戻したテリーを見たあとに姿を消した。数ヵ月後、彼と再会したテリーは、彼のために大劇場の舞台を用意するが・・・。赤狩り弾圧を前にアメリカで製作した最後の作品で、チャップリン自身の心境がかなり投影されている物語となっている。バスター・キートンとの最初で最後の共演も見所のひとつ。

“年輪を刻んだチャップリンの内面から滲み出てくるような寂しさと物悲しさがバスター・キートンともども見ていてツライ。”

しかも笑えないのがもっとツライ・・・。

光と影の陰影の使い方、その残酷なコントラストが非常に印象的。カメラワーク等も含めて映画的なテクニックとしては文句の付けようがないのはたしかなのだが。。

まるでチャップリンがチャップリンを永遠に葬り去ってしまったかのような幕の引き方は、軽快なフットワークで飛び跳ねているチャップリンが大好きなオイラにはやはり重くツライのだ・・。

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チャップリンの移民(1917年・アメリカ・22分)NHK-BS

 監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 出演:チャールズ・チャップリン、エドナ・パーヴィアンス

 内容:苦労してアメリカに渡ってくる移民の船旅と、ニューヨークに上陸してからのさらに苦しい暮らしぶりを笑いの中に描いた快作。この年、アメリカは移民の大量流入を抑えるために移民制限法を成立させており、そうした社会背景に対する批判精神もにじませた、チャップリンの後の作風につながる転機的作品。

評価★★★★★/100点

たった22分。たった22分なのにお腹いっぱいで大満足。

1分1秒1コマにチャップリンの髄液が満遍なく染み渡り、チャップリンの世界観が完璧な形で凝縮されている。

これを傑作と言わずして何という。

レストランで豆料理の豆を一粒一粒ナイフとフォークで食べる姿が何ともいえない可笑しさと雰囲気を醸し出していて最高です。放浪紳士チャップリンの十八番である食事シーンはいつ見ても楽しい。味はマズイんだろうけどね・・・(笑)。

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犬の生活(1918年・アメリカ・30分)NHK-BS

 監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 出演:チャールズ・チャップリン、エドナ・パーヴィアンス、チャック・ライスナー

 内容:浮浪者チャーリーは、野良犬同士のケンカでボコボコにされている一匹の犬に自分を重ね合わせ、その犬を助け出し、奇妙な共同生活を始める。そんなある日、ダンス・バーで出会った歌手エドナの悲惨な状況に同情を覚えたチャーリーは・・・。

評価★★★★/80点

昔っからハリウッドの動物たちは千両役者だったんだなぁ。。

チャップリンのダブダブのえんび服の裾を咬んだままグルグル振り回されようとも決して食らいついて離れない犬とかね。完璧主義者のチャップリンのことだから、撮るの大変だったんだろうなぁ・・・。

そういう苦労が垣間見えるのがまたイイし、それがあるからこそますますもって抱腹絶倒ぶりに磨きがかかって輝きが増すというものなのだね。

2008年10月12日 (日)

夢のシネマパラダイス415番シアター:チャップリンを見ずして死ねるかっ!その1.

モダン・タイムス

1936_modern_times10 出演:チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、チェスター・コンクリン

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1936年・アメリカ・87分)DVD

評価★★★★★/100点

内容:機械文明にがんじがらめになった人間の姿を風刺した喜劇。トーキー嫌いのチャップリンが劇中で「ティティナ」を歌い、初めて声を聞かせた作品として知られる。大工場の工員チャーリーは、毎日毎日ベルトコンベヤーで流れてくる機械部品のネジを締め続けるうちに、とうとう手の動きが止まらなくなり、気がふれたと思われ病院に送られる。退院したチャーリーは工場をクビになり、町を歩いていたところを工員のデモ隊の首謀者と間違われて投獄されてしまう・・・。

“ここぞの逃げ足は人一倍のチャーリーと、裸足で縦横無尽に駆け回る少女のスーパーコンビならば、泥道だろうがイバラの道だろうがお構いなしに突き進んでいくだろう。”

ピストルから至近距離で発射される弾丸をよけまくる70年前のマトリックスだぜ、チャップリン!

シャブ入りの塩を大量に摂取してヘロヘロになりながらも目がガンガンにイッちゃってるチャップリン!

無銭飲食をしようとも山高帽を手に取ってお礼をすることは忘れない、れっきとした紳士チャップリン!

そんな貧乏だけど心の中は果てしなく豊かな放浪紳士チャップリンがやはり何といっても大好きなのです!

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黄金狂時代

20070201032858 出演:チャールズ・チャップリン、ジョージア・へール、マック・スウェイン

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

(1925年・アメリカ・72分)DVD

評価★★★★/80点

内容:喜劇王チャップリンの初の長編映画。ゴールドラッシュに沸くアラスカを舞台に、一攫千金を夢見て訪れた放浪者チャーリーの恋と冒険を描く。吹雪で山小屋に閉じ込められたチャーリーが、ドタ靴を煮て食べるシーンは映画史に残る名場面で、全編にわたってウィットに富んだ抱腹絶倒のシークエンスが展開されていく。

“人間のありとあらゆる欲望がすべて入っている文字通りの「狂」映画。そしてオイラは今日もチャップリンに酔狂。”

靴を食べるシーンのチャップリンの目が1番狂ってたかも。

たしかチャップリンの母親ってチャップリンが小さい頃、あまりの困窮生活に本当に精神が狂ってしまい精神病院に入院してたことがあったそうだ。もしかして靴食べたのって本当にあった話なのかも。。。

そういう悲惨な体験を笑いに昇華させてしまう凄さよ。

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街の灯

Mati1 出演:チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー

監督・脚本・音楽:チャールズ・チャップリン

(1931年・アメリカ・86分)DVD

内容:街の放浪者がふとしたことから盲目の花売り娘と知り合った。娘は彼を大金持ちだと勘違いし、彼女に心惹かれた放浪者は働いて金を稼ぎ、彼女から花を買ったり、彼女の家を紳士らしく訪問したりする。彼女の目を治す手術には大金が必要で、賞金目当てにボクシング試合に飛び入り参加するが、あっけなく叩きのめされてしまう。そんなある日、彼は酔っ払って自殺しようとしていた億万長者の男と仲良くなり・・・。

評価★★★★★/100点

打ち上げ花火をドッカンドッカン打ち上げつづけてお腹いっぱいになったラストで、線香花火でしっかりと余韻を残してくれるところはさすが花火師チャップリン。心の中にまで灯をともしてくれるんですなぁ。

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チャップリンの殺人狂時代

Satsujin 出演:チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、マリリン・ナッシュ、イザベル・エルソム

監督・脚本・音楽:チャールズ・チャップリン

(1947年・アメリカ・124分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:不況のため職場をクビになったヴェルドウ氏は、妻子を養うため、金持ちの中年女性を口説いては金を巻き上げ殺すという“商売”を始める。やがて逮捕された彼は法廷で、少数の殺人が裁かれる一方、大量の殺人は賛美される矛盾を訴える・・・。チャップリンがオーソン・ウェルズの原案により、「チャップリンの独裁者」以来7年ぶりで製作、戦争による大量殺人を痛烈に批判し抗議したブラックユーモア満載の風刺劇。チャップリンは山高帽にチョビひげ、ドタ靴、ステッキといった往年のスタイルを捨てて主演した。

“チャップリンの言ってることが100%詭弁に聞こえる時代がいつかやって来るのだろうか・・・”

「1人殺せば犯罪だが、戦争で何百万人も殺せば英雄だ。」「大量殺人なら世界中がやっている。」

いくら理不尽で冷たくて醜い世の中だろうが1つの殺人も大量殺人も許されるものではないし、数の多さで罪の重さが決まるわけでもないことは誰しもが分かっていることなのだろうけど、、、現実では世界の国々で武器の輸出入がフツーに行われ、国をあげて兵器をせっせと作り、一国の大統領がある日ボタンを押せば何百万どころではない人間を殺すことができるようなシステムが確立してしまっている。

いつの世も、偉大な殺人狂が歴史を動かす・・・。合掌。

夢のシネマパラダイス526番シアター:SAYURI

Sayuri 出演:チャン・ツィイー、渡辺謙、ミシェル・ヨー、役所広司、桃井かおり、工藤夕貴、コン・リー

監督:ロブ・マーシャル

(2005年・アメリカ・146分)2005/12/22・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:昭和初期。貧しい漁村に生まれ、9歳で祇園の花街の置屋に売られ女中として働く少女・千代(大後寿々花)。花街一の売れっ子芸者、初桃(コン・リー)の猛烈ないじめに希望を見失いかけていた千代は、ある日、会長さんと呼ばれる立派な紳士(渡辺謙)に声をかけられる。この一瞬の出会いが千代に希望をもたらし、以来、芸者になって会長さんにもう一度会いたいと夢見る千代は、花形芸者・豆葉(ミシェル・ヨー)の後ろ盾のもと、さゆり(チャン・ツィイー)として芸者の道を歩み始める。。

“総工費8500万ドルのカリフォルニア産オリエンタルミュージアムに入館料1800円払って恐る恐る足を踏み入れたオイラは、しかしその魅力的な夢のような世界観に思わず酔いしれてしまった。”

日本が生んだ世界に誇る最強の日本食、それはお寿司であろう。

いきなり何の話かって、いやいや、いまや欧米を中心に世界各地で食されているお寿司、もちろん、アメリカでも寿司は大人気でどの都市にも必ずといっていいほど寿司屋がある。しかし、日本人の口に合う寿司を出してくれるお店を探すのはホントに難しいのだ。

しっかり事前に下調べをしておかないと、偶然通ったところにある店にパッと入ったもんにゃ、とんでもない目にあうことは必至(笑)。そして、アメリカ人の握ったSUSHIというのはやはり日本人の握った寿司とは味も形もどこか似て非なるものなんだよね。

もともとアメリカでは生の魚も海苔などの海藻類も食べる文化ではないそうだけど、そんな中でアメリカ人寄りに様々に形を変え進化して欧米文化のフィルターを通した“SUSHI”という新たな文化となって定着してきているのだと思う。

映画とは関係のない話が長くなっちゃったけど、要は何が言いたいのかというと、西洋人が日本を含めた東洋世界を創造し表現すること、あるいはその逆もまたしかりだけど、100%完璧に相手の文化の色に染まって表現できるなど土台無理があると思うのだ。やはりどこか奇異なところは出てきてしまうものだし、それは仕方のないことだと思う。

例えば、日本人が西部劇を日本で撮ったとしても、あるいは18世紀ヨーロッパを日本で撮ったとしても同じことだと思う。

もちろん一定以上の基礎と土台と、そのための勉強と努力は必要だと思うけど、それよりも重要なのはそこで何を創造し作り出すことができるのか、ということだと思う。

そういう意味では、アメリカ人が日本を舞台にした映画をつくるというのは、オイラとしてはそのチャレンジ精神も含めてとても嬉しく思ってしまう。

ポップコーンとボリュームと濃い味好きのあちらの人々から見れば、侘びや寂びの境地などまるで正反対で神秘的に映るであろう異文化を、はたしてどれほどの器量で創造し表現してくれるのかワクワクしてしまうのだ。もちろん、どこか恐いもの見たさもあるが。。

とうことで、ようやく本作なんだけど、、、

正直、かなり驚いた。フジ系のお正月のかくし芸大会でやる外国語劇レベルか、はたまた寿司でいえば、カリフォルニアロールとかクリームチーズロールみたいなバリバリ創作料理を頭に思い描いていたのだけど、オイラが甘かった。

コイツら本気だ。本気で勉強して努力している。それがありありと伝わってくる。

もちろん100%完璧なホンモノの日本というにはどこか日本以外の、まるでウォン・カーワイ的なオリエンタルムード漂う奇異なところもあるにはあったが、オイラは純粋にこの映画で描かれた世界を歩いてみたくなった。それほどこの映画の世界観に魅かれてしまった。

ストーリーはアメリカ人にも通用するような雑魚レベル、しかし花街の街並みや家屋、衣装、調度品や雨降りのときの湿気感に至るまで1コマ1コマが見事なまでの美的感覚の質で創造され、アメリカならではのボリューム感も日本的な繊細さとうまく融合していて魅力ある雰囲気の画になっていたと思う。

ここまで作り込まれているとは予想外だった。。

また、どうしても欧米文化のフィルターを通した視点で表現されてしまう完全アウェイでの闘いで大奮闘した大後寿々花、コン・リー、チャン・ツィイーをはじめとするアジアの錚々たる役者陣、J・ウィリアムスの音楽、撮影の冴えなど演出面の水準も相当に高い。

そしてそれらが1つの独特な世界観と様式美を表出し、雑魚レベルのお話を支えているのだ。

オイラが甘いのかもしれないけど、1本の映画としては十分すぎるほどの出来だと思う。

日本を舞台にした映画としてもこれは十分ありなのではなかろうか。相撲をあれだけちゃんと描ける映画ってそうざらにはないと思うし。なんてったって第30代木村庄之介本人まで出てくるんだから。

唯一、“パンプキン”くらいかな、赤点だったのは。

とにかく、どっぷり浸かるとともにあっという間に過ぎていった有意義な2時間半だった。

2008年10月11日 (土)

夢のシネマパラダイス525番シアター:cinema慰霊大社第34柱/どーしょーもないお話の館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.54:ダニー・ザ・ドッグ(2005年・米/仏・103分)WOWOW

 監督:ルイ・レテリエ

 出演:ジェット・リー、モーガン・フリーマン、ボブ・ホスキンス、ケリー・コンドン

 内容:5歳のときに誘拐され、悪徳高利貸しのバートによって育てられた男ダニー。常に首輪をはめられ、借金の取立ての戦闘要員として、ひとたび首輪を外せば無敵の番犬として闘いに明け暮れていた。そんなある日、ダニーは取り立てに向かった先で一台のピアノに遭遇する。そして、ピアノに心奪われるダニーに、盲目のピアノ調律師サムが話しかけてきて・・・。

評価★★/40点

どうしょうもない単純プロットのシナリオと人間性回復というテーマ。これはジェット・リーではなく、ジャッキー向けの作品じゃなかろうか・・。

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祭神名票No.55:クルーエル・インテンションズ(1999年・アメリカ・97分)WOWOW

 監督・脚本:ロジャー・カンプル

 出演:ライアン・フィリップ、サラ・ミシェル・ゲラー、リース・ウィザースプーン

 内容:マンハッタンの豪壮な家に住むキャスリンとセバスチャンの兄妹。名門進学校に通う2人は、お金もジャンジャン使いまくり、欲望の赴くままに生きていたが・・・。

評価★★★/60点

GTOの破天荒教師、鬼塚だったらチョチョイのチョイで解決しちゃうよこんなもん。そんなレベルです、これ。。

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祭神名票No.56:コマンドー(1985年・アメリカ・89分)WOWOW

 監督:マーク・L・レスター

 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、レイ・ドーン・チョン、ダン・ヘダヤ

 内容:テロリストへの協力を拒否した元兵士マトリックスが、娘を誘拐された。奪還を誓う彼は、黒人娘のシンディの助力で敵に迫っていくが・・・。

評価★★★/55点

「ねえ、パパの働いてるところって見に行ったことある?」

「うん、あるよ。」

「えっ本当?どこ?」

「殺戮現場。」

「え゛っ。。」

「凄いでしょー。」

「・・・・」

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祭神名票No.102:心霊写真(2004年・タイ・97分)WOWOW

 監督:パークプム・ウォンプム、バンジョン・ピサヤタナクーン

 出演:アナンダ・エヴァリンハム、ナッターウィーラヌット・トーンミー

 内容:友人の結婚式の帰り道、カメラマンのタンとその恋人ジェーンは、突然飛び出してきた女性を車ではねてしまう。動揺した2人はその場から逃げ去ってしまうが、それ以後、2人の周りで次々と恐ろしい出来事が起こる・・・。

評価★★★/55点

“オイラが許す!呪え!”

だって呪い殺されて当然じぇねえかよ、あのケダモノ男ども。。輪姦されているところを写真で撮っちゃうあの主人公も最っ低野郎だな。

なんか、ジャパニーズホラーの怖さって、何の関係もない赤の他人が家に入っただけでとか、ビデオを見ただけで、あるいは電話に出ただけで呪われてしまうという、理由がないのに呪われてしまう不合理かつ不条理なところが恐怖の醸造源になっていると思うのだけど、このタイ映画はバリバリこれ以上ないというくらい合理的な理由でおもろない(笑)。しかも生々しいし・・。

そういう意味では韓国ホラーの血の方が濃いのかも。

日本発韓国経由バンコク行きってところかな。

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祭神名票No.164:ランナウェイ(1997年・アメリカ・96分)DVD

 監督:ブレット・ラトナー

 出演:クリス・タッカー、チャーリー・シーン、ポール・ソルビーノ

 内容:密輸犯が護送車から脱走。同じ手錠でつながれたケチな詐欺師のフランクリンも、便乗して逃走を図る。ところが警察は、フランクリンを凶悪犯として指名手配。無実を証明するため、彼は危険な賭けに出る・・・。クリス・タッカーが毒舌&ギャグを炸裂させるアクション・コメディ。

評価★★★/55点

クリス・タッカーのクリス・タッカーによるクリス・タッカーのための映画。好き勝手し放題のまさに独壇場です。

一方、おダシにもならないチャーリー・シーンは影薄っすぃ。はっきりいって印象に残らない・・・。

あ、そうそう印象に残るといえば、スタジアムで飴玉しゃぶりながらバズーカを豪快にブッ放す黒人男がオイシイ役どころでクリス・タッカーを食っちゃってたけど、あのキザな男がサッカー・コートジボワール代表のドログバに似てると思ったのはオイラだけか。。

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祭神名票No.217:親指さがし(2006年・日本・96分)WOWOW

 監督:熊澤尚人

 出演:三宅健、伊藤歩、松山ケンイチ、永井流奈、佐野史郎

 内容:親指を失った少女、その指を見つけた者は何でも願いが叶うというゲーム“親指さがし”。12歳の夏のある日、武(三宅健)ら6人がその遊びをしている最中、由美子(小野明日香)が忽然と姿を消してしまう。それから8年、同窓会で久々に再会した5人はもう一度“親指さがし”をするのだが・・・。

評価★/15点

これだけのメンツを集めておいてこれかよ・・・。

絶句と半笑いが交互交互に襲ってくる。そういう意味ではコワイけどね(笑)。

とにかくもう一度ネタさがしをやり直しなさい。。

2008年10月10日 (金)

夢のシネマパラダイス524番シアター:ハッと息のむ3秒前...

現金に体を張れ

1152287395 出演:スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ、ヴィンセント・エドワーズ

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1956年・アメリカ・85分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:5年の服役を終えて刑務所を出たジョニーは、さっそく競馬場の売上金強奪を企てた。彼は仕事仲間として5人の男を引き入れ、200万ドルの紙幣を奪うことに成功する。しかし、仲間の1人であるジョージの妻シェリーが情夫と組んで横取りを企んだため、ジョニーたちは殺し合いに巻き込まれる・・・。スタンリー・キューブリックがセミ・ドキュメンタリーの手法を使って、ライオネル・ホワイトの探偵小説「見事な結末」を映画化した犯罪劇。

“質素な精進料理のつくりで至高のグルメへと転化してしまうシネマの鉄人キューブリックの凄腕に舌鼓を打つ。”

欲に憑かれた人間たちを描きながら、当の若きキューブリックの欲のない(ように見えてしまう)スタイルが実に小気味よい。

しかしそれは実はパズルの一片一片の組み合わせまで計算しつくしたキューブリックの才の成せるワザであることは言うまでもない。

完璧に計算されながらラスト一瞬の狂いで破綻をきたした大強奪作戦。

しかし、キューブリックの計算には一寸の狂いも破綻もなかった。

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暗くなるまで待って(1967年・アメリカ・109分)NHK-BS

 監督:テレンス・ヤング

 出演:オードリー・ヘプバーン、アラン・アーキン、リチャード・クレンナ

 内容:夫のサムが飛行機の中で知り合った女から預かった人形には、密かに麻薬が縫い込まれてあった。そうとは知らない盲目の妻スージーは、麻薬を取り戻そうとする組織の男たちを、夫の留守中に家に入れてしまう。しかし、持ち前の勘の良さから疑念を抱いた彼女は、襲ってくる殺し屋と暗闇の中で対決する・・・。

評価★★★/65点

キャットウーマンの元祖はオードリーだった!!

おびえ震えるオードリーに萌え~~、、、のオイラはちょっとオカシイですよね、ハイ・・・。

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ファイヤーウォール

D111778492 出演:ハリソン・フォード、ポール・ベタニー、ヴァージニア・マドセン、メアリー・リン・ライスカブ

監督:リチャード・ロンクレイン

(2006年・アメリカ・106分)2006/04/13・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:ランドロック・パシフィック銀行のセキュリティ部門の責任者ジャックは、銀行の合併問題から経営陣と対立していた。そんなジャックにビジネスマンを装った男ビルが近づいてくるが、やがてビルはジャックの妻子を人質にとり、銀行から1億ドルを指定口座に移し替えるように脅迫してくる・・・。

“ヒッチコックの典型的巻き込まれ型サスペンスが現代版として甦ったかんじ。”

といっても、斬新なオリジナリティがあるわけではなく、どこまでもオーソドックスな味付けなのだが、徹底的にシンプルかつテンポ良く描ききることでジェットコースター的なスリリングさを煽り立てていて、全く飽きることがないのが強みだろう。

そしてそれを可能にしているシナリオの無駄のなさも特筆もの。

ラストも後日談には目もくれないスパッと切っちゃう終わらせ方で、まさにこれもジェットコースター的でよろしい。

でも、主犯格のビル(ポール・ベタニー)の落ち着きと余裕を感じさせる人物像と悪役っぷりがあまりにも完璧だったので、どこからボロが出てくるのかと思ったら、、、やっぱ敵一味の内部崩壊からだったか。。そこらへんもあまりにもオーソドックスなんだけどね・・・。

ダイ・ハード2あたりから始まったのかなぁ、このての敵一味の身内争いから火がつくオチってのは。。

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恐怖の報酬

Image998 出演:イヴ・モンタン、シャルル・ヴァネル、ヴェラ・クルーゾー、フォルコ・ルッリ

監督・脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー

(1952年・フランス・149分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:中南米のラス・ピエドラスの町から500キロ離れた山上の油田で火災が発生した。石油会社はニトログリセリンの爆風で火を消すことを決め、山上までニトロを運ぶ2台のトラック運転手を賞金つきで募集する。選ばれた4人は、いずれも希望のない日々を送る男たちだった。2組に分かれて出発した彼らを次々に苛酷な試練が襲う・・・。カンヌ国際映画祭作品賞。

“CGなどの余計な化合物を一切含まない純度100%の原液サスペンススリラーは一滴一滴がとにかくタフで熱い!!これがホントの賭博黙示録だ!!”

どのシーンも一攫千金を夢見るギラギラとした男の熱さと、吹きだまりのような中南米のへき地に群がってくる食いつめ者たちの暑苦しさであふれている。

どん底生活から這い上がるために必要なのはとにかく金、金、金、、、金のためなら何だってする。金のためなら油まみれにだってなる。金のためなら非情なエゴイストにもなる。

ヒーロー?そんなもんよりも2000ドル手に入れて生きていければそれでいいんだという欲望むき出しの人間像。

そのためなら友情を轢き殺してしまうことも厭わない。

このアンチ・ヒーローともいうべきマリオ=イヴ・モンタンが強烈な印象を残す。

そして、わずか一滴落としただけで爆発してしまうニトログリセリンを大量におんぼろトラックに積んで不安定なデコボコ道をカタツムリのようなスピードでただひたすら運ぶ、そこにはCGなど入り込む余地のない“恐怖”の源泉が詰まっている。

そしてそこから湧き出してくる猛烈な恐怖が揺れるトラックの荷台にジリジリと迫り寄ってくるのだ。

しかし、この欲望と恐怖の狭間で悪戦苦闘する人間を天から見下ろしているようなある種驚くほどの冷たい目線で捉えていくクルーゾー監督の体感温度差も見所で、単なるサスペンスを超えた衝撃の不条理劇にたたみかける展開に十分な説得力をもたせている。

サスペンスの教科書です。

2008年10月 8日 (水)

夢のシネマパラダイス523番シアター:愛をかけたネバー・ギブ・アップ!

チャンプ

Mp223 出演:ジョン・ヴォイト、フェイ・ダナウェイ、リッキー・シュローダー

監督:フランコ・ゼフィレッリ

(1979年・アメリカ・123分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:ビリーはかつて世界チャンピオンの座に就いた男だったが、7年前に妻のアニーに去られてからは酒とギャンブルに溺れ、今は競馬場の厩舎の作業員として働いていた。そんな彼を、一人息子のT・Jはチャンプと呼んで誇りにし、いつの日か父親が栄光の座に返り咲いてくれると信じている。そして息子の期待に応えようと一大決心をしたビリーは、再びチャンピオンを目指してトレーニングを開始するのだった。

“MGM世界シネマ級タイトルマッチ落涙決定戦チャンプvsオイラ!結果は惜しくもオイラの12回TKO負け・・・。”

序盤は肩透かしをくらうようなストレート一本槍、中盤は見えすいたジャブ攻撃を余裕で受け止めていたオイラ。

しかし、終盤10回あたりからチャンプの強引なラッシュと必殺技シュローダーパンチの連発をくらい、ついに最終12回落涙で目が見えなくなる傷を負い、無念のドクターストップとあいなった。

「こ、堪え切れんかった・・」我が敗戦の弁である。

ビリーが親子3人でまた暮らしたいと願ったのも分かるし、アニーがビリーを捨てて出て行ったのも分かるし、T・Jがチャンプじゃなきゃ嫌だぁッと泣き叫んだのも分かるし、、、笑顔で終わらせてあげたかった物語です。。

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シンデレラマン

129 出演:ラッセル・クロウ、レニー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ、クレイグ・ビアーコ

監督:ロン・ハワード

(2005年・アメリカ・144分)2005/09/25・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:愛する妻メイと3人の子供に囲まれて暮らすジムは、将来を嘱望されたボクサーだった。しかし、時代は恐慌を迎え、ジムも右手を故障してからは引退寸前まで追い込まれてしまい、家計のやり繰りにさえ困窮してしまう。そんなある日、元マネージャーのジョーから、一夜限りの復帰試合の話が舞い込んでくるのだが・・・。1930年代に活躍し、「シンデレラマン」と呼ばれた実在のボクサー、ジム・ブラドックの伝記映画。

“親の背中を見て子は育つ”

まるで教会のミサで見せられるようなベタで真摯で実直な家族愛を謳い上げた裏表のない映画なのだが、裏表のありすぎる今の世の中と次々に起きる陰惨な家族の事件をニュースで日々目の当たりにしていると、こういうストレート一本槍の映画が無性に愛おしくなってきてしまう。

ベタもベタで定型的なシナリオの中でロン・ハワードの演出が決して見えすいたお膳立て通りの低レベルなものに陥っておらず、しっかりツボをおさえてバランスが取れているのもよろしい。

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ロッキー

Jkpzwgeey 出演:シルベスター・スタローン、タリア・シャイア、バージェス・メレディス

監督:ジョン・G・アヴィルドセン

(1976年・アメリカ・119分)DVD

評価★★★★/80点

内容:4回戦ボクシングで日銭をかせぐ街のチンピラ、ロッキー・バルボアは、30歳になった今もうだつの上がらぬ毎日を過ごしている。ロッキーは近所のペットショップに勤める娘エイドリアンに恋心を抱いていたが、内気な彼女はなかなか心を開いてくれない。そんなある日、彼に思わぬチャンスが転がり込む。世界ヘビー級チャンピオンのアポロが無名のボクサーと戦うと発表し、その対戦相手にロッキーが選ばれたのだ。このチャンスは逃がせないとロッキーは必死のトレーニングを積む・・・。不遇を囲っていたスタローンが100万ドルという格安の製作費で自作自演した本作は大ヒットを記録し、アカデミー賞でも作品・監督・編集賞を受賞し、まさにアメリカンドリームを体現した作品となった。

“オイラが以前勤めていたスーパーでは、夕方の1番の売り時のタイムサービス時にロッキーのテーマ曲を店内中ガンガン響き渡らせていた。。”

店長曰く闘争本能をかき立てられ購買意欲が増すのだという。おもろい店だった(笑)。でもその成果なのか、グループ内で全国一の売上げを誇っていたんです。これマジっス。

それはさておき、この映画、オイラが生まれる前の映画ということもあってか、個人的にはロッキー3くらいからの印象の方が強いのだけど、今回久しぶりにあらためて見返してみて、ちょっとビックリしたというか。

ヤクザの下働きでなんとか食いつなぎ、みすぼらしいおんぼろアパートの部屋で夢も希望もない暮らしを続けている三十路の落ちぶれ男ロッキー・バルボア・・。

オイラの記憶に残るロッキーは、すでにスーパーヒーローになった姿だっただけに、こんな負け犬街道を突き進んでる寂しい男だったとは、、、さらに驚いたのがエイドリアンってこんなブサイクだったっけ、、みたいなcoldsweats01。。

あ、あと記憶に全く残っていなかったといえば、ヘビー級王者アポロとのタイトルマッチの結果。てっきり勝利して「エイドリアーーン!」と叫ぶのかと思いきや、判定負けだったのね。いい加減だなぁ、、記憶って。。

でもって結局、、、スンゲェ感動した!心にグッときたァッ!っス。何も言えねー。

第2作以降は、さっきも言ったようにヒーローに上りつめたロッキーのいわば勝者の栄光の輝きを保つための予定調和の見せ場作りともいえるわけで、その点でいえば、この1作目は全く趣を異にするテイストだといえると思う。

光も何も当たらない無名の幕下力士が東の横綱に挑むような夢の企画、いや無謀ともいえる企画はまさにアメリカンドリームそのもの。

しかし、世界最強といわれたヘビー級王者モハメド・アリに挑んで善戦したチャック・ウェブナーの試合にいたく感動したスタローンが、たった3日で脚本を仕上げただけあって、粗雑な中にも当時の売れない役者スタローン自身の渾身の思いの丈が込められたといっても過言ではないアツい勢いがストレートパンチのごとく炸裂し、無謀ともいえる企画に挑んでいくロッキー、そしてスタローンに等身大のリアリティと奇蹟の輝きをもたらしている。

脚本が良いんだ、これがまた。

ぶっきらぼうなロッキーと内気なエイドリアンがおんぼろアパートの部屋で愛をかわすシーンとか、老トレーナーのミッキーを罵倒して追い返した後に思い直したロッキーが追いかけていって仲直りするシーンとか。

よーし、こうなったら「ロッキー・ザ・ファイナル」まで一気に見返しちゃろか!

P.S.

ロッキーの代名詞である“イタリアの種馬”てのも考えてみれば、スタローンのスクリーンデビュー作ってポルノ映画の絶倫男の役なんだよね(笑)。

スタローンの実人生を相当ダブらせてるんだろうね、ロッキーには・・。

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ロッキー・ザ・ファイナル

Rocky_final_1_1a 出演:シルベスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、タリア・シャイア

監督・脚本:シルベスター・スタローン

(2006年・アメリカ・103分)2007/04/28・盛岡フォーラム

評価★★★★★/90点

内容:ロッキー・バルボアも今では引退し、地元フィラデルフィアで小さなイタリアンレストランを経営していた。妻エイドリアンはすでに他界し、親の七光りに反発する息子のロバートは独立し疎遠になっている。もはやかつての栄光とエイドリアンとの思い出にすがって生きるのみだったロッキー。一方、無敵の現役ヘビー級チャンピオンのディクソンは、その強さゆえに対戦相手に恵まれず、マッチメイクに苦しんでいた。そして、彼の陣営は伝説の王者ロッキーとのエキシビジョンマッチを企画する・・・。

“心は年をとらないのだ!”

オイラはこの映画で2度泣いた。

冒頭、ロッキーがエイドリアンの命日に墓前でイスに座って語りかけながら佇んでいるシーンと、ラストでロッキーコールの中、試合会場を後にしようとするロッキーが手を高々と上げて歓声にこたえる姿とその上げた手が観客の手としっかり触れ合ったワンカット。

その瞬間、オイラは受け取った!

ロッキーの信念、生きざま、チャレンジ精神、夢をあきらめない、そのすべてを。

そしてつづくエンディングロールで、フィラデルフィア美術館の階段を颯爽と駆け上がって飛び跳ねたい気分を抑えながらも流れる涙をこらえることができなかった。

久々にイイ涙を流させてもらいました。

映画のつくりとしては、ほぼ過去作品(特に1作目)をなぞった懐古主義丸出しの形で、映画の評価としては低評価に終わるのかもしれない。

でも、そんなのオイラにはどうでもいい。

もともと、今回の作品に関しては変な飾りつけとか小細工はしてもらいたくなかったというのもあるし、、少なくともロッキー5のようなグダグダなつくりにだけはなってもらいたくなかったから。

エイドリアンを失った悲しみの中で回想にひたり、過去の記憶に生きる孤独な老兵。その彼が、くすぶっていた炎を再びメラメラと燃えたぎらせ、卵一気飲みといったお決まりの特訓を経てリングに上がり、脇腹をおもいっきりブッ叩かれて身体がねじれ上がってマットに沈もうとも不屈の精神で立ち上がり、ロープにしがみつこうとも強靭なタフネスで最後まで闘い抜く。

そうだ。それが見たかったんだ。オイラが見たかったのはこれなんだ。これだけでいいんだ!

だって、これがロッキーの生きざまなんだもの。

茶番だと言われようが駄作と言われようがそんなことどうでもいい。

まるで自分がサンドバッグであるかのごとく、ロッキーの思い、そしてスタローンの思いと気持ちが重ったいパンチとしてドッカンドッカンと打ち込まれる。

心が揺さぶられる映画だ。

オイラの炎は、、、まだ消えてないよな。。

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遥かなる大地へ

108001p 出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、トーマス・ギブソン、ロバート・プロスキー

監督:ロン・ハワード

(1992年・アメリカ・140分)NHK-BS

内容:19世紀末、アイルランドの片田舎で暮らす貧しい小作農ジョセフは、地主の収奪によって亡くなった父親の復讐を果たそうと地主の屋敷へ乗り込むが、あえなく失敗。が、そこで地主の娘シャノンと出会い、新天地に憧れて家出したシャノンと一緒にアメリカへ渡ることに。しかし、賭けボクシングで日銭を稼ぐ2人のアメリカでの新生活は苦難の連続だった・・・。

評価★★★★/80点

生まれて初めてのデートで観た映画が「ホーム・アローン」だとしたら、中3のときに生まれて初めてキスした時のデートで観た映画がこの「遥かなる大地へ」だ。

甘い懐かし恋の味♪(っд`*)<(^A^;)”照れっ・・バカ

そういう思い出があるだけに、映画自体もものすごく心に残るものとなっている。

身分違いの恋といい、気の強い勝ち気なヒロイン像にアイリッシュの青年、ヨーロッパからアメリカへの渡航と、まるで「タイタニック」の原型を見ているようなかんじだけど。

しかし、やはりこの映画のキモはジョセフ(T・クルーズ)とシャノン(N・キッドマン)の腐れ縁ともいうべき運命の人とのロマンスを、アイルランドの寒風吹きすさぶ貧しい土地から新天地アメリカ西部の豊穣な緑の大地を目指す遥かなる夢と希望という冒険ロマンとチャレンジ精神に絡めて、壮大でありながら決して重くならずにおとぎ話のようなとっつきやすさで描いてくれたところにある。

特にトム・クルーズとニコール・キッドマンの反発し合いながらも磁石のように心を通わせていくさまは、古典的なボーイ・ミーツ・ガールのハリウッド恋愛喜劇の流れを巧みに取り込んでいて、なかなか楽しく魅力的に見ることができる。

まぁなんてったって2人の結婚直後の新婚ホヤホヤの共演作品だったからな。この頃は2人の息の良さも合っていたんでしょうな。

えっ?オイラと彼女との息の良さはどうだったかって?

良き思い出です、、、ハハ。ガクッ

2008年10月 7日 (火)

夢のシネマパラダイス522番シアター:有名原作に名画、、、ビミョー!?

ヴェニスの商人

Veni 出演:アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズ、リン・コリンズ

監督:マイケル・ラドフォード

(2004年・米/伊・130分)2005/11/10・仙台フォーラム

内容:1596年のヴェニス。キリスト教徒の貿易商アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)は、親友のバッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)が美しい女相続人ポーシャ(リン・コリンズ)と結婚するための保証人となる。アントーニオはその資金を調達するため、かつて迫害したことのあるユダヤ人の高利貸しシャイロックの所に行くが、期限以内に返済できない場合は、代わりにアントーニオの胸の肉1ポンドをもらう、という条件を突きつけられるのだった・・・。シェイクスピアの同名戯曲の映画化。

評価★★★/65点

単なる勧善懲悪の典型として終わらせようとしない映画の控え目な暴走っぷりには個人的には好感。しかし、控え目と書いた通り、まだ遠慮と逡巡が見え隠れしている。せっかくの豪華キャスト、やるならもっと派手にやってもらいたかった気もするけど。

この映画はシャイロックの視点から撮られているように、黒か白かという二項対立ではなく、その間のグレーゾーンを抽出しようとしている、あるいは描き出そうとしているのだと感じたが、しかしそこの部分を突きつめていく力強さと執着があるようにも見受けられず、少し曖昧なかんじは残った。

ただ、ユダヤ人への共感と同情という点においては、時代を越えて生きてきたさすがのシェイクスピアも現代のグローバリゼーションの波に抗しきれなかったかという意味では納得できたし見ていて興味深かったかな。

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山椒大夫(1954年・大映・124分)NHK-BS

 監督:溝口健二

 出演:田中絹代、花柳喜章、香川京子、進藤英太郎、菅井一郎

 内容:伝承民話の「安寿と厨子王丸」を森鴎外が小説化した「山椒大夫」をもとにした人間ドラマ。平安時代の末、越後を旅していた母子連れが、人買いにだまされて引き離されてしまう。子供2人は丹後の山椒大夫の荘園に奴隷として売られ、苛酷な労働と私刑に日夜苦しめられる。10年が過ぎ、ついに意を決した姉の安寿は、自らの命を犠牲にして弟の厨子王丸を逃がすのだった。。

評価★★★/65点

1シーン1カットの長大な長回しを長回しと感じさせない滑らかさと、歴史絵巻の中に佇む人間の真実の重みがこの映画を支えている。

しかし、物語自体がお子ちゃま向けの昔話なみに普遍的すぎて容易く消化できてしまうところに、逆に何か物足りなさを感じてしまった欲張りなオイラ・・。

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細雪(1983年・東宝・140分)NHK-BS

 監督・脚本:市川崑

 出演:岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、石坂浩二

 内容:谷崎潤一郎原作の名作3度目の映画化。関西の旧家の四姉妹をめぐる物語。

評価★☆/35点

お見合い言い合い馴れ合い、お見合い言い合い馴れ合いお見合い言い合い馴れ合い、、、、勝手にやってくれまへんか。

それにしてもまぁ、ろくな男が出てこねえなぁ(笑)。。

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オリバー・ツイスト(2005年・英/チェコ・129分)WOWOW

 監督:ロマン・ポランスキー

 出演:バーニー・クラーク、ベン・キングズレー、ハリー・イーデン、ジェイミー・フォアマン

 内容:19世紀イギリス。物心ついた頃から孤児院で育ってきた少年オリバー・ツイストは、そこの院長に売り飛ばされてしまうが、奉公先の葬儀屋を脱走。憧れのロンドンにヘロヘロでたどり着いたオリバーは、フェイギンが束ねる少年スリ団のリーダー、ドジャーと出会う。そこで盗みの手口を覚えていくオリバーだったが、ひょんなことから盗みに入ったブラウンロー氏という裕福な紳士に引き取られることになるが・・・。文豪チャールズ・ディケンズの名作の映画化。

評価★★★/60点

文豪ディケンズの名作「オリバー・ツイスト」の話の筋はよく分かった。しかし映画としてはそれ以上でも以下でもなく・・・。

この程度なら海外TVドラマ枠で十分なのでは。。

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犬神家の一族(2006年・東宝・135分)WOWOW

 監督:市川崑

 出演:石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助、富司純子、松坂慶子、萬田久子、仲代達矢

 内容:信州の犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が死去した。佐兵衛には腹違いの3人の娘、松子・竹子・梅子がおり、それぞれに佐清・佐武・佐智という息子がいた。また、屋敷には佐兵衛の恩人の孫娘である野々宮珠世も住んでいた。しかし、全員が固唾を飲んで見守る中、公開された遺言状の内容は驚くべきものだった。そして、それがもとで一族の間で血なまぐさい惨劇が繰り広げられていくのだが、事件の調査に名探偵・金田一耕助がやって来て・・・。1976年に製作された横溝正史原作ミステリーを、市川崑監督自らが完全リメイク。

評価★★★/60点

オープニングタイトルのロゴから石坂金田一のフケの量にいたるまで、思わず吹き出してしまうくらいオリジナルを忠実にトレースしていて驚いてしまったが、精度と感度、そしてなによりオリジナルにあったおどろおどろしい匂いがすっかりなくなっていて、30年ぶりの同窓会レベルでしかこのセルフリメイク作を見れないのはイタイ。

そういう意味でもなぜ今この映画をリメイクする必要があったのか非常に疑問が残るところ・・・。

まぁ、富司純子・尾上菊之助母子の共演や、加藤武演じる等々力署長のお決まりの名ゼリフ「よしっ、分かった!」がまた聞けたのはそれはそれで嬉しかったけどね。。

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黙秘(1995年・アメリカ・131分)NHK-BS

 監督:テーラー・ハックフォード

 出演:キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェイソン・リー、クリストファー・プラマー、デヴィッド・ストラザーン

 内容:アメリカ、メイン州の小さな島。大富豪の未亡人殺しの容疑で身柄を拘束された家政婦のドロレスは、無実を主張するも刑事の尋問には黙秘を続ける。NYでその事件を知ったドロレスの一人娘セリーナは、数年ぶりに帰郷するがドロレスは相変わらず口を固く閉ざすのだった。そんなドロレスには、20年前、夫殺しの容疑で不起訴になった過去があった・・・。スティーブン・キング原作のミステリー映画。

評価★★★☆/70点

“オンナの映画です・・・。オトコからするとちと恐い。”

中学生の時に劇場で観たときは、覗いてはいけないものを覗いてしまったかんじがして、なにか後味の悪さばかりが残ってしまった印象が強いのだけど、先日久方ぶりに観てみたら見入っちゃった。。

どこまでも曇天の寒々とした風景の下、外界から孤立した寂れた島で繰り広げられる母と娘の相克と葛藤、そして隠された秘密が、まるで月に隠されて影となってしまった太陽が光を射して顔を出すごとく明るみになっていく様は、ミステリーとしても人間ドラマとしても見応えのある作品になっていたと思う。

性的虐待や老人介護などの重いテーマもはらんでいて、なおかつ女性視点の作品ということで、キング・オブ・ホラーのスティーブン・キングにしてはよく描けてるなとは思った。

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どん底

Kurop17 出演:三船敏郎、山田五十鈴、香川京子、中村雁治郎

監督・脚本:黒澤明

(1957年・東宝・137分)NHK-BS

内容:四方を囲まれ陽も当たらず、荒れ果てた長屋には、様々な境遇の落ちぶれた人々が住み着いていた。しかし、外見の惨めさに反して、この長屋には自堕落で楽天的な空気が漂っている。ある日、この長屋にお遍路の老人が舞い込んできた。この世の荒波にもまれてきた老人は、長屋の連中にいろいろと説いて回り、長屋の雰囲気が変わっていく・・・。マキシム・ゴーリキーの同名戯曲に材をとり、陽の当たらない場末の長屋に住む人々の人間模様を描いたヒューマンドラマ。

評価★★★★/75点

どんな上質な舞台劇よりも圧倒的な舞台劇を見せられたようなかんじで、何しゃべってるか聞き取れないところが多々あるんだけど、あっという間の140分だった。

役者陣の熱いコラボレーション、パンフォーカスを印象的に使った映像、歪んだ長屋のセット。それらが渾然一体となり人々の貪欲な生のほとばしりをものの見事に映し出していたと思う。

でもやっぱりなんといっても、村木与四郎の美術とセットだよなぁ。

宮崎駿は「自分たちの生きているところに真っ直ぐなものはない。だからまっすぐを定規で描かなきゃいけないみたいなことは、この世界では初めから捨ててよろしい」と言ってるけど、まさにそれを実写の世界で体現してしまったかのような曲がり方(笑)。どう見たって斜めにゆがんでるからね、あの長屋。

みすぼらしいセットを作ることほど難しいものはないと思うけど、シナリオ、美術、照明、撮影、音楽、演技などそれぞれが極めて高いレベルで結びつき合った作品。それが黒澤映画の黒澤映画たるゆえんなのかもしれない。

やっぱり黒澤明は凄かった・・・。

ただ、、、香川京子のあの狂い方だけはなんとも解せなかったな。若い女性を描くことだけは苦手だったりして。。

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ラルジャン(1983年・仏/スイス・85分)NHK-BS

 監督・脚本:ロベール・ブレッソン

 出演:クリスチャン・パティ、カロリーヌ・ラング、ヴァンサン・リステルッチ

 内容:高校生のノルベールは、父親から小遣いがもらえずに借金が返せなくなって、友達のマルシャルに相談した。マルシャルは偽の500フラン札でカメラを買い、応対した店主の妻からつり銭を受け取る。店主は偽札だと気付いたが、それを集金に来たガソリン配達員のイヴォンに渡した。イヴォンは何も知らずにその偽札を使い、警察に逮捕されてしまい・・・。ロシアの文豪トルストイの原作を、舞台をパリに置き換えて映画化。

評価★★★/65点

“絶望映画という強烈な遺作”

ひょんなことから運命に見放されたかのように人生の奈落の底に落ちていく男の姿をイヤらしいほど冷徹に見下ろし続けるロベール・ブレッソン。

その救いのないブレない視線が1番恐い。

だってどこか救いの手といった温かみを入れたいものじゃん。なのにこの監督ときたらどこまでも冷めてて、人間の絶望と悪行をジーッとただ突き放したように見つめているだけなのだもの。

なぜこのような感情が切り捨てられたような絶望映画を作ることができたのか、作ろうとしたのか、その背景を知りたいもんだ。ていうか、、この監督の遺作なのねこれって・・(笑)。

2008年10月 5日 (日)

夢のシネマパラダイス521番シアター:世界は陰謀でできている・・・。

シリアナ

20060917_173124 出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、アマンダ・ピート、クリス・クーパー、ジェフリー・ライト

監督・脚本:スティーヴン・ギャガン

(2005年・アメリカ・128分)2006/03/14・盛岡フォーラム

内容:アメリカの巨大石油企業コネックス社が絡んだ大型合併が進行している・・・。アメリカ資本からの脱却に意欲的な中東某国の王子ナシールと、彼の相談役に抜擢された経済アナリスト・ブライアン(M・デイモン)。中東で諜報活動に従事するCIA工作員ボブ(J・クルーニー)。ワシントンの大手事務所で合併の合法性を調査する弁護士・ベネット(ジェフリー・ライト)。合併の影響でナシールの国にあるコネックス社の油田現場の出稼ぎ職を解雇されたパキスタン人青年・ワシーム。まるでつながりを持たないはずの彼らの運命は一つの巨大なシステムの中に深く組み込まれていく・・・。

評価★★★☆/70点

CIA工作員、新進気鋭のエネルギー・アナリスト、野心家の弁護士、アラブの石油王、パキスタンの出稼ぎ青年。

それぞれの物語の視座から、彼らが組み込まれた世界的で巨大な石油利権を巡るシステムを暴き出していく、、、と言えば聞こえはいいのだけど。

例えば、それぞれの物語の主人公たちが一様に抱える家族との間の矛盾と軋轢が主人公の人物像の矛盾に必ずしも繋がっていないように、人間のドラマを描くには人物像が平板かつ平面的にすぎる。

かといって、推移する状況に重点を置いたドラマというには、編集にスピーディさが足りなく、よく動き回るカメラの波長と合っていない。

それどころか平板な各々の物語を意地悪く難しく見せようとしている節があり、それが逆にあだになっているかんじで、せっかくの意気込みが空回りしている印象が・・・。

問題の本質というよりは、表層をだだ滑りしているだけという中途半端さが鼻についたが、まぁそれでもこういう題材を選んで映画を作ろうという勇気と意気込みは買いたいかな。

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カンバセーション・・・盗聴・・・(1974年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ

 出演:ジーン・ハックマン、ロバート・デュバル、ジョン・カザール、フレデリック・フォレスト

 内容:西海岸一の評判をとる盗聴屋のハリーは、ある依頼で密会中のカップルの会話を録音中、「殺されるかもしれない」という女のかすかな声を聞いた。どうやら盗聴を依頼した人物が妻とその愛人を殺そうとしているらしい。やがて、ハリーは何者かに監視され、自分自身が盗聴されていることを知る・・・。カンヌ国際映画祭作品賞。

評価★★★/65点

ただ単純に職業病というだけじゃない?なんて思ったりもしたけど、、、彼にとってはもはや自分で吹くサックスの音色だけがホンモノの音となってしまったのだろう。

なんとも可哀想なオッサンだが、しかし、携帯とネットを常に手放せなくなった今の現代人の孤独とアンモラルさとこのオッサンの狂気が繋がっているかんじがして、見ているうちに何だか恐くなった・・。

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ニュースの天才(2003年・アメリカ・94分)WOWOW

 監督・脚本:ビリー・レイ

 出演:ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード、クロエ・セヴィニー

 内容:政治雑誌の若手記者グラスは、次々にスクープ記事を発表。一躍注目を浴びるが、その大半が捏造だったことが発覚。やがて破滅の道を辿ることになる・・・。1998年に実際に起きた記事捏造事件をモチーフにした社会派ドラマ。

評価★★/40点

そもそものところ、スティーブン・グラスの記事ネタ自体に魅力を感じないんですけど・・・。

アメリカ大統領専用機エアフォースワンで唯一読まれている雑誌の捏造がどのくらい凄いことなのかは分からないけど、当のアメリカ政府のやってる情報操作に比べたらお子ちゃまレベルだろ。ちゃう?

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劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

K0507hagaren 声の出演:朴路美、釘宮理恵、豊口めぐみ、大川透、内海賢二

監督:水島精二

(2005年・松竹・105分)DVD

内容:禁忌の罪を犯したために大きな代償を払うことになり、果てなき旅を続ける幼き兄弟、エドワード・エルリックとその弟アルフォンス・エルリックは、しかし平行する別々な世界に離ればなれになってしまう(TVアニメシリーズ最終回)。西暦1923年、第1次世界大戦後のインフレ吹き荒れるミュンヘンに降り立った兄のエドワードは、弟の面影を残すアルフォンス・ハイデリヒの助けを借り、なんとか故郷へ帰ろうとしていたが思うようにいかない。しかし、理想郷“シャンバラ”を求めるオカルト教団の暗躍が、エドにひとつの道を開いていくのだった・・・。

評価★★★/65点

TVアニメで51話かけてバカっ広く広げられたパラレルワールドという驚愕の大風呂敷をたった100分弱で回収しようということ自体無理があると思うのだけど・・・(笑)。

なんかハガレンオールスター感謝祭みたいなかんじで、それはそれで楽しめたけど、足早にせかせかと進んでいくストーリー展開はあまり魅力を感じなかった。。

しかも、現実世界の方でエドとアルが生きていくというオチは、ちょっと消化しきれなかったなぁ。ウィンリィやピナコばっちゃんを置いて・・weep。それにしたって別れがあっさりしすぎてるよ。。

兄弟が引き裂かれた悲劇が再会という希望へとつながると思ったら、それが錬金術世界の崩壊というさらなる悲劇へとつながり、再会した兄弟が門を壊すことにより別世界でそれらの悲劇を一身に背負って生きていく、、、なんつう哀しい物語やねん。

こんなの割り切れないよーー。。

まぁドイツの生んだ伝説の巨匠フリッツ・ラングの使い方なんかは面白かったけどさ。。

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松川事件(1961年・日本・163分)WOWOW

 監督:山本薩夫

 出演:小沢弘治、宇野重吉、宇津井健、永井智雄、北林谷栄

 内容:昭和24年8月17日に福島で起こった国鉄列車転覆事件と、その犯人逮捕、その後の公判がいかに不当に行われてきたかを緻密に描いた社会派ドラマ。映画発表から2年後の1963年、被告たち全員が無罪判決を勝ち取るのに大きな力を発揮した。

評価★★★/65点

“映画人の気迫に圧倒!”

下山、三鷹、松川という事件名はどこぞやで聞いたことはあったが、この映画を観て初めて松川事件は列車の脱線転覆事故なのだと知った。

映画自体バリバリの左翼思想が貫いているし、一方通行の片側視点も甚だしく、とにかくオチがない裁判シーンを3時間も見せられるのはだいぶクドイものがある。

が、事件の判決が出る前にこういう映画を作ってしまう映画人の気迫、そしてそれがまかり通ってしまうような熱い世の中だったというのは、気だるさを享受する現代からみると正直うらやましいものがある。

とにかく演者がどいつもこいつもアツい!凄いよこれは。

社会に直接訴えかけるという映画の持つ力が確実に信じられていた時代。

今は、はたしてどうなんだろう・・・。

映画の力を信じたいな。

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ザ・センチネル/陰謀の星条旗

20061110_233712 出演:マイケル・ダグラス、キーファー・サザーランド、エヴァ・ロンゴリア、キム・ベイシンガー

監督:クラーク・ジョンソン

(2006年・アメリカ・108分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:かつてレーガン大統領を暗殺の危機から救ったシークレットサービスのベテラン局員ピート・ギャリソン。ある日、彼の同僚が自宅前で射殺される事件が起き、さらにシークレットサービス内部の人間が大統領暗殺計画に関係しているという情報を得たピート。しかし、捜査に当たったデヴィッドの捜査線上にピートが容疑者として挙がってきて・・・。

“女に手を出すと100%ろくな事にならないマイケル・ダグラス・・・”

女絡みで最悪のドツボに陥ってしまうことにかけては百戦錬磨のマイケル・ダグラスが、今回はファースト・レディに手を出してしまうというおバカプロットはまだしも、「24」のジャック・バウアーもどきが別れた妻を絶倫ダグラスに寝取られたという私怨を仕事にまで持ち出してきて、復讐の腹いせにしてしまうくだりも相当にC級なプロットで、思わず笑いがこみ上げてきてしまう・・・。

なんだけど、それでもテンポよく最後まで見られたのもたしかで、ウチで見るぶんには及第点つけてもいいかなと。

映画館で金払って見てたら話は違うけどね。。

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エネミー・オブ・アメリカ(1998年・アメリカ・132分)DVD

 監督:トニー・スコット

 出演:ウィル・スミス、ジーン・ハックマン、ジョン・ヴォイト、レジーナ・キング

 内容:議員暗殺事件の秘密を偶然手に入れた若手弁護士が、証拠隠滅を図る政府機関の最新鋭監視システムを駆使した執拗な追跡に窮地に陥っていくのだが・・・。

評価★★★☆/70点

ハイテク駆使に終始していたくせにラストの突飛な終わり方は一体全体どういうことだ・・・。ついでにガブリエル・バーンが出てきたのも一体全体どういうことだ・・・。はっきりいって意味ないで、あの使い方は(笑)。

映画自体の話は、面白いといえば面白い。特にヒッチコックばりの典型的巻き込まれパターンを踏襲し、そこにハイテクが絡む。

なんかTOKIOの鉄腕ダッシュの100人刑事から東京中を逃げ回る企画を思い出しちゃったりして、非常に魅力的な題材なのは確か。

でもねぇ、、、ハイテクという最先端で攻めてきながらラストで一気にひと昔前の旧来手法に戻っちゃうというのは唖然とするわな。。「T2」見てるときに「ターミネーター」が割り込んでくるようなかんじやろ。

それにしてもジーン・ハックマンは動物好きなのねぇ。。「クリムゾン・タイド」では小犬、今回は子猫チャンかい。しかもラストの去り方が同じだし・・。パクッたな(笑)。

2008年10月 4日 (土)

夢のシネマパラダイス520番シアター:cinema慰霊大社第77柱/リヤルに分からねぇ館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.243:9デイズ(2002年・アメリカ・117分)WOWOW

 監督:ジョエル・シュマッチャー

 出演:アンソニー・ホプキンス、クリス・ロック、ピーター・ストーメア

 内容:チェコの首都プラハ。人類滅亡を招くP.N.B(ポータブル核爆弾)の解除を実施するため、CIAのゲイロード(A・ホプキンス)は相棒とともに武器商人と交渉をしていたが、相棒が殺されてしまう。そこで、9日後の交渉のために、相棒の双子の弟でダフ屋のジェイク(クリス・ロック)を代わりに立てて決死のおとり作戦を決行するが・・・。

評価★★★/55点

核爆弾が入ったスーツケースが車から落ちる!階段を転がる!あげくの果てに投げるっ!

だ、大丈夫なのか・・・!?

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祭神名票No.244:ステルス(2005年・アメリカ・120分)2005/10/17・MOVIX仙台

 監督:ロブ・コーエン

 出演:ジョシュ・ルーカス、ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス、サム・シェパード

 内容:近未来のアメリカ。海軍で極秘に進められるテロ対策プロジェクトとして、最新鋭ステルス戦闘機に乗り込む3人のパイロットが選抜された。彼らは厳しい演習を積み、やがて空母に配属されることに。そこへ上官から4人目のパイロットを紹介されるのだが、姿を現したのはエディと呼ばれる最新鋭の人工知能を搭載した無人ステルス機だった。が、そのエディが暴走を始めてしまい・・・。

評価★★☆/45点

なんなんだ、、この恐るべき倫理観の欠如は・・・。

「我々は戦争してる時でも最低限の人間としての倫理観をもって判断しながら行動しているが、倫理観を持たない機械はそんなことお構いなしなのだからオレはエディを出撃させるのは反対だ!」とアツく語るテメェの倫理観をこそ問いたいんだけど・・。

しかし莫大な資金を投入してノー天気にこういう映画作れちゃうアメリカって、やっぱスゴイよなぁ。アハハ(爆)。。

2008年10月 3日 (金)

夢のシネマパラダイス519番シアター:キング・コング

Kingkong 出演:ナオミ・ワッツ、エイドリアン・ブロディ、ジャック・ブラック、トーマス・クレッチマン、ジェイミー・ベル

監督:ピーター・ジャクソン

(2005年・ニュージーランド/米・188分)2005/12/25・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:1933年のニューヨーク。野心家の映画監督カール・デナムは、かつてない冒険映画を撮ろうと、新進気鋭の脚本家ジャック・ドリスコルと美人の新米女優アン・ダロウを加えた撮影クルーを率い、危険な航海に出る。やがて、幻の孤島スカル・アイランド(髑髏島)へ辿り着いた一行は、さっそく撮影を開始する。しかし、アンが原住民にさらわれてしまい、救出に向かったクルーたちは、そこで原住民によるコングの生贄の儀式にアンが差し出される光景を目の当たりにするのだった・・・。1933年製作のSF映画の金字塔「キング・コング」を最新テクノロジーを駆使し、ピーター・ジャクソンが悲願の映画化にこぎつけた超大作。

“デジタルという神の手が魔神を森の思索者に変えてしまった。違う、美女じゃない!デジタルが野獣を殺したんだ!”

アフリカ奥地でマウンテン・ゴリラの保護に半生を捧げた女性学者の実話をシガニー・ウィーバー主演で映画化した「愛は霧のかなたに」。

この映画ではシガニー・ウィーバーが実際にゴリラの群れの中に入っていってカメラを回すという撮影方法がとられたという逸話が残っている。それによって、いつ何をしでかすか分からないゴリラ達との交流シーンがスリリングかつリアリティのある映像を生み出し、ただの感動動物映画とは一線を画した作品に仕上がっている。

さて、なぜシガニー・ウィーバー主演の映画をここで取り上げたのか。

それは今回の巨獣キング・コングを見ながら、正直これは“怪獣・モンスター”という部類ではなく、「愛は霧のかなたに」に出てきた“マウンテン・ゴリラがこんなにでっかくなっちゃった”というキャラクターに見えてしかたなかったからだ。

いや、これはもしかして「マイティ・ジョー」(ちなみに「マイティ・ジョー」のオリジナル「猿人ジョー・ヤング」の製作を務めたのがオリジナル「キング・コング」の監督メリアン・C・クーパー)に出てきたジョーの兄貴か!?と思った方がスッキリするかも。

それはつまり、崇拝の対象としてのアンタッチャブルな破壊神という畏怖と神秘性の視点が一気に薄まったかわりに、容易に感情移入できる親しみやすさと漢(おとこ)クサさ、人間クサさが一気に濃くなったということだ。

それにより、ナオミ・ワッツをめぐる男気あふれる野生児コングと弱々しい文系人間エイドリアン・ブロディのタイタニックをも凌ぐ命を賭けたねるとん紅鯨団対決にいつの間にか引きずり込まれてしまう仕組みになっている。

NYでの凍った池の上でのお滑りデートのカメラワークなんて「タイタニック」でアイルランド民謡をバックに歌い踊るジャックとローズそのもの・・。

じゃあこの映画はこれでいいのかと問われたら、、オイラはこれでイイと答えるだろう。というか、そう答えざるをえないほど、ピーター・ジャクソンの力技と、陰りなど一切感じられない自信たっぷりの咆哮ぶりにオイラは度肝を抜かれ腰を抜かした。

まるで、おもちゃ箱をありったけひっくり返したかのような過剰なボリューム感であふれ返っているこの映画。

しかし、ピーター・ジャクソンはただ闇雲にブッ散らかすのではなく、しっかり整理整頓して筋道を立ててブッ散らかしている。それがこの映画の肝ともいえる。

他人から見たらどう見てもブッ散らかした部屋でも当の本人から言わせるとどこに何があるか分かっている最高の状態だということがあるが、ピーター・ジャクソンはまさにそれ。

そしてそのブッ散らかした状態を言葉ではなく映像で語る彼の気質というか才能については、トールキンの大長編を映像にまとめ上げたロード・オブ・ザ・リングで十分すぎるほど証明されているが、今回のキング・コングがLOTRと異なる点は、ブッ散らかす質量ともにLOTRの比ではないハンパなさだというところにある。

1コマ1コマにそれらを大量に投下していき、それが3時間ブッ通しで続くのだから、見てるこちらはたまったもんじゃない(笑)。

従順なお子ちゃまなオイラは降参せざるをえなかったわけで・・・。

しかし、その降参があきらめの降参というよりは納得のいく降参に近いものがあったと思わせたのが、緻密で質の高いデジタル技術という神の手だった。

ゴリラになりきったアンディ・サーキスの演技をモーション・キャプチャーでコンピューターに取り込んだり、人間の表情をゴリラの表情に翻訳するソフトを開発するなどしてキング・コングの造型を作り上げていったというが、その細かい動作から目の動き、毛並みに至るまで、キング・コングひとつとってもその情報量はハンパではなく、それによって表わされる感情表現はまさに驚嘆の一語。

特にコングを前にしてのアン・ダロウの決死のダンスシーンは珠玉で、口をあんぐり開けて見入ってしまった。

オリジナル版では、情なんて一切ない問答無用の破壊と殺戮のかぎりを尽くした暴れっぷり、そして服をはぎ取りアン・ダロウを触った手のにおいを嗅ぐ変態ドスケベ顔しかなかったが、今回のコングの感情表現の多彩さの実現がアン・ダロウとの純粋なラブストーリーに転化していくのはある意味当然の帰結だったといえる。

とにかく今回のコングは、「T2」でのT-1000型ターミネーターを見たときや、「ジュラシック・パーク」で最初に出てきた巨大ブラキオサウルスを見て目を真ん丸くした時に匹敵する驚きだった。

それに加えて30年代NYのにおい、スカル・アイランドの秘境っぷり、怒涛のクリーチャー軍団など、よくぞここまで表現しきったもんだとかえってあきれ返ってしまうくらい。。いやはやふとインディ・ジョーンズの新作をこいつに監督させてみたくなったぞ。

それにしても一体ぜんたいCG技術はどこまでいっちゃうんだろう。

恐ろしい魔神をもついにひれ伏せさせてしまったこのデジタルという神の手は・・・。

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キング・コング(1933年・アメリカ・100分)WOWOW

 監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シュードサック

 出演:フェイ・レイ、ロバート・アームストロング、フランク・ライチャー

 内容:美女に魅せられた巨猿の姿を描き、世界中で大ヒットするとともに怪獣映画および特撮映画のエポック・メイキングとなった古典的名作。秘境ドキュメンタリー映画の撮影隊が南海の孤島で巨猿コングを発見する。映画のヒロイン、アンがさらわれたコングの生息地には、前世紀の恐竜が生き残っていた。一行はコングを捕らえてニューヨークで見世物にするが、興奮したコングは町中で暴れだす・・・。

評価★★★★/75点

キング・コングがフェイ・レイを手づかみで弄ぶ様が妙にイヤらしいどころか、その時のコングの顔がレンタルビデオ屋のAVコーナーでウロウロしているオヤジの顔と何ら変わりがない・・・(笑)。

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(おまけ)

マイティ・ジョー(1998年・アメリカ・115分)NHK-BS

 監督:ロン・アンダーウッド

 出演:シャーリズ・セロン、ビル・パクストン

 内容:1949年の「猿人ジョー・ヤング」のリメイク作。お互いの母親が殺され、アフリカの密林で姉弟のように育ったジルと巨大ゴリラのジョー。しかし、ジョーを狙う密猟者が現れて・・・。

評価★★/40点

映画として二番煎じどころじゃないなこれ。三番、四番煎じだぞ・・・

2008年10月 2日 (木)

夢のシネマパラダイス518番シアター:ライフ・イズ・ミラクル

ライフ・イズ・ミラクル

Lm 出演:スラヴコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック、ヴク・コスティッチ、ヴェスナ・トリヴァリッチ

監督:エミール・クストリッツァ

(2004年・セルビア/仏・154分)2005/10/14・仙台チネラヴィータ

評価★★★/65点

内容:1992年、セルビアとの国境にほど近いボスニアの片田舎。セルビア人で鉄道技師のルカは、家族や仲間たちとともにのんびりとした日々を送っていた。ところが、サッカー選手を目指していた息子ミロシュが突然徴兵され、おまけに妻がハンガリー人ミュージシャンと駆け落ちしてしまい、一人きりになってしまった。それからすぐにボスニア内戦が勃発し、ミロシュが捕虜になったとの報せが届く。数日後、顔見知りでムスリム人の看護婦サバーハが村人によって捕まり、ミロシュとの交換要員としてルカが身柄を預かることに。ところがルカはあろうことか彼女と恋に落ちてしまい・・・。

“ライフ・イズ・疲れる・・・。”

過酷で悲惨な現実を笑い飛ばす過剰なほどのバカエネルギーに、しらふなオイラは正直ついて行くことができなかった。。

クストリッツァ流人間賛歌というよりはクストリッツァ流ドタバタコントといった趣で、特に前半部分に関しては観ていて疲れる・・・。

一転、サバーハが登場する後半は、コントの中にヒリリと痛く突き刺さる悲劇をしのばせていて、人生の中にある悲喜こもごもをバランスよく感じさせてくれる。

100分くらいにまとまっていたらオイラ的にはちょうど良かったかも。ま、クストリッツァにそれを求めるのはあまりにも無理難題というものだが。。

ところで、前半に出てきたサッカー大乱闘シーンは、サッカー好きなオイラにとっても大いに笑えるシーンだったが、このシーンを見ながら真っ先に思い出したのが、旧ユーゴで実際にあった大乱闘事件だ。

ディナモvsレッドスターの試合で、セルビア警官隊をも巻き込んだ大乱闘が発生し、後にACミランで活躍し、クロアチア代表として’98フランスW杯で3位となる原動力となった司令塔ズボニミール・ボバンのスーパー飛び蹴りキックが相手を直撃!しかも運悪くTVにバッチリ撮られ、結局9ヶ月の出場停止処分を受けた。

旧ユーゴ系、セルビアとかクロアチアとかあそこらへんの選手って、情緒不安定でノッてる時は良い意味で手が付けられないのだけど、いったんキレるともう手の施しようがないんだよね(笑)。

サッカー界の常識、、焦らせて焦らせまくって怒らせればユーゴは勝手に自滅する・・・そんなストイコビッチがオイラは大好きでした(笑)。。ハイ。

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博士の愛した数式

060707_hakasedvd 出演:寺尾聰、深津絵里、齋藤隆成、吉岡秀隆、浅丘ルリ子

監督・脚本:小泉堯史

(2005年・日本・117分)2006/02/01・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:家政婦をするシングルマザーの杏子が新たに派遣された先は、10年前に遭った交通事故で80分しか記憶が持たなくなってしまったという天才数学博士のもとだった。博士は記憶を補うために着ている背広にメモを何枚も貼り付けていたが、杏子は博士となかなかうまくコミュニケーションがとれずに四苦八苦する。そんなある日、杏子が10歳の息子を連れて来る。そして博士は彼のことをルートと名付けるのだった。。

“のどごしがスッキリしすぎで何もつっかえるものがなくて後味がないというのも考えものかも。。”

原作を映画化する上でポイントになるのは、原作をただなぞるだけではなく、原作のもつ世界観を大切にしながらその先にある物語を映像化すること、そして原作のもつ力に吸収されるのではなく、跳ね返すくらいの力をもつような良い意味で原作ファンの期待を裏切ることだと思うのだが。

しかしそこには、うっかり外してしまうと一巻の終わりというリスクも常につきまとう。

しかし、そのリスクを負おうとしている映画がオイラは好きだし、その上で腹八分なら十分満足なのだが、今回の映画はといえば、そういうリスクを負わない中で腹六分といったかんじなのだ。

この原作が全国の書店員が売りたい本を選ぶといういわば最大公約数で選ばれる本屋大賞受賞作ということもあるのかもしれないが、なにか観客の最大公約数を狙ったようなリスクを負わない安全策と、まるで割れ物にでも触るような慎重さとバカ丁寧さで扱うことに終始したかんじで、普通に良い映画なのだけど、なにか物足りなさを感じてしまった。

もともと原作がすこぶる優しいタッチで、辛味という炭酸に欠けていたのはたしかだが、映画化でさらにそれが薄まってしまったのもたしかだろう。

なにせ“優しさ”にかけては右に出る者がいない小泉&寺尾最強コンビだ、彼らの手にかかれば親父の雷も温かい人情へと様変わりする。

そういう点では原作のもつ世界観を表現することにかけては成功していたと思うし、無機質な数字と数学用語をいかに原作のもつような温かさで映像的に表現するかについても、原作では母親の視点で語られていたのを、成長して数学教師となったルートの視点に変えることによってうまく表現できていたと思う。

しかし、人間を描くことよりも自然の美しさを撮ることに重点が置かれていたような印象が強いほどの優しさは、登場人物の優しさと相まって鮮烈に焼きつくような強みに欠ける。

残酷な事故の後遺症とその葛藤や悲しみを描くことをしないため、それぞれの肖像が圧倒的に弱いのだ。映画ではそこをこそ描いてもらいたかったのだが・・・。

のどごしがスッキリしすぎで何もつっかえるものがなくて後味がないというのも考えものなのだな。。。

それにしても博士のところにやって来た家政婦は長続きしないで次々に辞めていくというわりには、寺尾博士はやはり優しすぎるのでは・・・。原作ではもっと融通の利かないとっつきにくく小難しい人間という印象があったのだが。

でも、ルート(吉岡秀隆)の寝ぐせは良かったな。

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マン・オン・ザ・ムーン(1999年・アメリカ・119分)NHK-BS

 監督:ミロシュ・フォアマン

 出演:ジム・キャリー、コートニー・ラブ、ダニー・デビート、トニー・クリフトン

 内容:コメディアンのアンディ・カフマンは長い下積みを乗り越えて、絶大な人気を得る。しかし、彼のパフォーマンスは過激さを増し、次第に中傷の渦に巻き込まれていく・・・。35歳で世を去った天才コメディアンの栄光と挫折を描いた人間ドラマ。

評価★★★/60点

何が面白いのかさっぱり分からないのだけど、、、なぜか最後まで観れてしまった。でも、二度目はご勘弁。。

なんだろ、この映画を観てるこっちがネタにされてしまうような、この映画自体がアンディの笑いの構造に組み込まれているような。

映画の作り手が天上からこちら側を眺めてほくそ笑んでいるかんじで、「トゥルーマン・ショー」とは立ち位置がまんま逆転しちゃっているんだよね。。

見られているのはアンディじゃなくて、我々だった・・・。

でも、単純にモリマンvs山崎邦正の方が面白いと思う(笑)。

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過去のない男(2002年・フィンランド/仏/独・97分)WOWOW

 監督:アキ・カウリスマキ

 出演:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、アンニッキ・タハティ

 内容:ある日列車に揺られ、夜のヘルシンキに流れ着いた一人の男。公園のベンチで夜明けを待っていた彼は暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負い、自分の名前にいたるまで過去の記憶をそっくり失ってしまう。しかし、幸運にもそんな彼にコンテナで暮らす一家が手を差し伸べ、男は彼らと共に穏やかな生活を送り始める。やがて、男は救世軍の女性・イルマと運命的な出会いを果たす・・・。カンヌ国際映画祭グランプリ、主演女優賞受賞。

評価★★★☆/70点

“過去を見つめるでもなく、過去と向き合うでもなく、過去を探ろうとするでもなく、過去にとらわれるでもなく、過去に縛られるでもなく、過去を取り戻そうとするでもなく、、、ただ淡々と「今」を生きる。”

映画としての求心力として過去を完全に失ってしまった男という設定は、サスペンスとか人間ドラマや感動ドラマだとか様々な道を選べる魅力的なものだと思うのだけど、カウリスマキはそれらの道には一目もくれずにただ真っ直ぐに延びた道を脱線することなくゆっくりと歩んでいく、、、、ってフツーじゃん(笑)。いや、あるいはビミョーじゃん。。

、、と感じるはずなのだけど、なぜか不思議と温かく、生きるぬくもりがじんわりと伝わってくる魅力的な作品だったなぁというのが観終わったときの印象なのだ。

でも、人間にとって最も重要な装置であり、これまでの人生を形作ってきた記憶の積み重ねが突然バツンと断ち切られた時って、あーだこーだ苦悶苦闘してジタバタするというよりは、もしかして逆にこの映画のように、変わることなくフツーに人とつながっていき、新たな記憶を積み重ねていき、新たな人生を形作っていくのかもしれない。

特に今回の場合は明らかに1回死んでるもんな、あのオッサン(笑)。

まぁ、なんつーかホント、なんてこたぁないお話なのだけれどねぇ・・・。

打算とか損得勘定みたいなのが一切ない映画だから、生きることに疲れたとき、ちょっと落ち着きたいときに観るといいかもね。ていうか、そういう打算的な考え方を突き抜けちゃってるところの境地に達しちゃってるからなぁカウリスマキさん・・。

やっぱりビミョー、、、だ。。

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ロレンツォのオイル

4008 出演:ニック・ノルティ、スーザン・サランドン、ピーター・ユスティノフ

監督・脚本:ジョージ・ミラー

(1992年・アメリカ・129分)NHK-BS

内容:“ロレンツォのオイル”とは、医学知識のない夫婦が難病(副腎白質ジストロフィー)に冒された息子を救うために、必死の努力の末に作り出した薬の名前。その誕生までの実話を映画化。

評価★★★★/80点

夫婦の絆と家族の愛情に感動し涙、そして無限の宇宙をあてどもなく求め彷徨うかのごとき広大な知の冒険と、人間の持つ果てなる可能性の素晴らしさにさらなる感動を味わう。

まだ、ネットが発達する前の時代、専門家とは無関係の一般人が答えの端緒に辿り着くための困難さは容易に想像がつく。

人間は艱難辛苦の危機から愛する人を救い守るために、このような“奇跡”を幾度となく繰り返して今まで生き延びてきたのかもしれない。

そう考えると、“愛”ってスゲェ!!

、、、と真実の愛を探し求めて茫漠たる日常を独りさすらうオイラが言う。。。

P.S.聞くところによると、ロレンツォは現在も健在(2008年時点)だそうで、でも母親の方は2000年7月に肺ガンで亡くなったそうです。

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