夢のシネマパラダイス499番シアター:奇抜奇天烈コスチューム
ヘルボーイ
出演:ロン・パールマン、ジョン・ハート、セルマ・ブレア、ルパート・エバンス
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
(2004年・アメリカ・132分)DVD
評価★★★★/75点
内容:悪魔の子にして心優しき異形のヒーローの活躍を描いたSFアクション。第二次世界大戦中、魔界から偶然に呼び寄せられたヘルボーイ。彼はやがて正義のヒーローとして、異界からの侵略者たちと戦いを繰り広げる。。
“ダサくてイカつい悪魔オヤジを、ダサかっこよくて愛嬌のあるネコ好きのヤンチャ坊主に仕上げてみせたロン・パールマンの一人勝ち。”
アメコミヒーローのキャラものでは久々に観ているこっちの負けを認めざるをえないブッ飛びキャラ。
それを何と形容すればいいのか分からない特殊メイクの異形を纏ったロン・パールマンが、しっかり地に足をつけてなりきっているのが素晴らしいのはもちろんのこと、今までの出演作で異色キャラが多かった背景を考えても何か微笑ましささえ感じてしまう魅力と面白さに満ちあふれている。
配役の勝利とはこういうこと。監督が7年間映画会社を説得し続けただけのことはある。
また、これは勝手な思い込みだし、ジャンルも違うのだけど、インディ・ジョーンズの雰囲気、特にオープニングなんかはそんな雰囲気が漂っていて、キャラだけでなくゴシック調のセンスも映画に深みを与えていて良かった。
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キャットウーマン(2004年・アメリカ・104分)WOWOW
監督:ピトフ
出演:ハル・ベリー、シャロン・ストーン、ベンジャミン・プラット、ランベール・ウィルソン
内容:「バットマン」の人気キャラを主人公にしたファンタジー・アクション。自分が務める会社の秘密を知ってしまったために殺されたペイシェンス。しかし、その瞬間、彼女は超人的なネコの能力を持つキャットウーマンとして甦り、巨大企業の陰謀に立ち向かっていく。。
評価★★★/60点
酷評されてたわりに思ったほどには悪くない印象。
しかし、途中からタイのニューハーフショーでも見てるようなかんじになってくる・・。
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デビルマン(2004年・東映・116分)2004/10/15・丸の内
監督:那須博之
出演:伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、渋谷飛鳥、宇崎竜童
内容:70年代にTVアニメが大ヒットした永井豪原作のマンガ「デビルマン」を実写映画化。人間の体を乗っ取る邪悪なデーモンに取り憑かれながらも、人間としての意識を失わず“デビルマン”として生まれ変わった高校生の不動明。彼は人間を次々に襲うデーモンと戦う決心をつけるが、その守るべき人間たちは逆に「悪魔狩り」と称して殺戮を始めていた・・・。
評価★/20点
映画館で味わう本当の地獄ってこういうことを言うんだなって思った・・・。
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マスク2(2005年・アメリカ・96分)WOWOW
監督:ローレンス・ガターマン
出演:ジェイミー・ケネディ、アラン・カミング、トレイラー・ハワード、ボブ・ホスキンス
内容:小心者のティムは緑色のマスクをかぶった途端、陽気で大胆な男に変身。しかも、生まれてきた子供もスーパーパワーを持っていて・・・。
評価★★/40点
「スパイ・キッズ」がバグッたかんじ・・。直しようがないなこりゃ。リセット押したい気分。
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エレクトラ(2005年・アメリカ・98分)WOWOW
監督:ロブ・ボウマン
出演:ジェニファー・ガーナー、ゴラン・ヴィシュニック、テレンス・スタンプ
内容:人気アメコミをベン・アフレック主演で映画化した「デアデビル」のヒロインキャラ、エレクトラを主人公にしたスピンオフ作品。
評価★☆/30点
時おりジェニファー・ガーナーがババ臭く見えてしまってしょうがなかった・・・。集中できないよあれじゃ(笑)。
エレクトラのブッ細工なコスチュームにも問題ありなんじゃないかな・・。
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Vフォー・ヴェンデッタ
出演:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィーヴィング、スティーブン・レイ、ジョン・ハート
監督:ジェームズ・マクティーブ
(2005年・英/独・132分)2006/04/29・盛岡フォーラム
評価★★★☆/70点
内容:アダム・サトラー議長が支配するファシズム国家になっている近未来のイギリス。TV局で働くイヴィー(N・ポートマン)はある日、夜間の外出禁止時間中に外を歩いているところを秘密警察に見つかってしまうが、“V”と名乗る謎の仮面男に救われる。しかし、その男は、1605年に国家転覆を図りイギリス議事堂を爆破しようとしたガイ・フォークスに倣って、たった一人でサトラー政府に反旗を翻すテロリストだった・・・。80年代に発表されたコミックを元に、「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が脚本化したサスペンス・アクション。
“楠田枝里子が5万人!”
トラファルガー広場に押し寄せる無数の楠田枝里子が国会議事堂大爆破花火大会を目のあたりにして、その仮面を外し個々人の素顔をさらすというこの映画のクライマックスはこの映画の中で唯一印象に残る場面だった。
全体主義体制の名のもとに言論や表現が封殺・抹殺され個人の自由が抑圧された社会、すなわち人々が仮面をかぶって生きていかなければならない世の中からの解放を意味していたのではないか、とオイラは受け取った。
そして、素顔をさらけ出した人々の顔が、この映画を観る我々の顔に重ね合わされる瞬間、彼ら群像が見つめる先にあるものは、スクリーンを突き抜けた現実の今の世の中なのではないか。
サトラー議長がヒトラーよろしく支配する全体主義国家像は、まんまナチスドイツをもじったようなステレオタイプなものであったことは否めないとしても、メディアによる情報操作や盗聴天国と化した監視システム社会を痛烈なアイロニーを込めて辛辣に描いているところなんかは、明らかにジョージ・ブッシュが君臨するどこぞの国を意識していると思われるし。
はたまた現実に50万台もの監視カメラがにらみをきかせるロンドンの未来かもしれないし、いや、急速に右傾化している日本だってKY首相が考えた「美しい国」の行き着く先にあるものって、、、と考えるとちょっと怖くなってくる。。
しかし、1番怖いのは、人々が黙ってそのシステムの中で安住しちゃうことなのだとこの映画は言っているわけで、例えば、メディアによる情報操作によってタレ流される作られたニュース映像を家庭で、あるいはバーでじっと見つめる無機質な市民たちの姿が印象的に写し出される。
その中で「こんな報道ウソッぱちよ!」と普通に見抜いちゃうのが牛乳ビンの底のようなメガネをかけた女の子だったというのは皮肉めいてて笑えた。
現実のアブない世の中をアイロニーに満ちた視線で風刺する映画としては非常に面白い作品だったと思う。
が、しかし、一方では、イヴィーを故意に拉致監禁して洗脳したり、テロや暴力を正当化するという、フツーならば悪役キャラでもおかしくない“V”のヒーロー像や考え方、またなぜ人々は1年後の11月5日に集まろうというVの呼びかけに真正直に楠田枝里子の仮面をかぶって(笑)応じたのかというところなど、イマイチ飲み込めないところもあり、、、もう1回観るべき作品かも。。
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