夢のシネマパラダイス508番シアター:未来世紀ブラジル
未来世紀ブラジル
出演:ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、イアン・ホルム、キム・グライスト
監督:テリー・ギリアム
(1985年・英/米・143分)NHK-BS
評価★★/45点
内容:個人のプライバシーがコンピューターで管理される未来社会の悪夢を描いた、テリー・ギリアムの壮大なSFファンタジー。全国民の個人データを記録管理する情報局に勤めるサム・ラウリーは、日常の退屈さから天使のような美しい娘と大空を飛び交う自分を夢想していた。ある日、入力ミスが原因でテロリストに代わって罪もない靴職人が逮捕される。その一件を通じて、夢に見ていた娘にそっくりな美女ジルと出会ったサムは、彼女を追ううち巨大な悪夢の中に吸い込まれていった・・・。
“TVゲーム「塊魂」でくっつけたような無機質空間に響き渡る無感動・無感覚な人間たちの呻き声に思わずめまいを覚える、、、もとい思わず眠気に襲われる。。”
中世ヨーロッパはたまた1930年代ドイツ表現主義、50年代のレトロ感、60年代のサイケ調に至るまで過去の様々な時代の様式を80年代のデジタルと交配させまくった奇妙な世界が創造されているのだが、交配しまくったせいで、そこかしこの遺伝子に異常が生じているのがミソで、それがまるで見ている自分の想像力・創造力の源泉を枯渇させてしまうほどの今まで味わったことのないような粘着質のある生々しさを生んでいる。
、、のだが、見ていて正直息苦しい・・。
この世界を創造したギリアムの才能は素晴らしいが、どうやら自分には全く合わないようだ。。
しかも、レストランで爆弾テロが起きようが我関せずでランチを摂り続ける客たちや、オフィスの仕事場でクラシック映画をむさぼるように見入る局員たち、妻の名前を間違えられたのにその後間違えられた方の名前で妻を呼ぶ夫など、この映画に出てくる人間どもは、皆これまたどこか遺伝子レベルで欠落があるような無気力・無感動・無感覚人間。
まるでダブルパンチを喰らったかのように自分の脳内タイプライターは、・・・と思考停止状態に陥ってしまった。眠い。。
これはもう生理的に無理なんだなと納得する以外になさそうだ。
しかし、徹底したブラックユーモアで縁取られ描かれる管理社会の中で一人悪戦苦闘するサムも、実はその世界に組み込まれる構成員に過ぎなかったわけで、こう見てくるとホンモノの人間といえたのは夫バトルを亡くして泣き叫ぶバトルの奥さんと息子、そしてバトルが帰ってくるのを待ち続ける幼い娘くらいなものだったかもしれない。
退屈という二文字で終わらせたくはない映画ではあるのだけど。。
サムが夢の中で戦う戦国武将のエピソードは黒澤明へのオマージュらしいけど、黒澤明が見た夢を具現化したのが「夢」(1990)だとするならば、テリー・ギリアムの見た夢を具現化したのがこの映画ということだろうか。
なんだろう、「12モンキーズ」のベースになった「ラ・ジュテ」を見た時と同じような感覚を味わったような気はする。
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恋愛睡眠のすすめ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール、ミュウ=ミュウ、アラン・シャバ、エマ・ドゥ・コーヌ
監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
(2005年・フランス・105分)WOWOW
内容:仕事も恋も全く冴えない人生を送ってきた青年ステファンは、父親の他界でメキシコから母親の暮らすパリに帰郷した。そして母が大家をしているアパートに住み始めるが、隣の部屋に引っ越してきた女性ステファニーに恋をしてしまう。内気で気持ちを伝えられない現実とは裏腹に、夢の中ではステファニーと理想的な恋愛を繰り広げていくのだが・・・。
評価★★☆/50点
うーん、、ん~、、ムムム、、う~ん、、ツマラナイと言いたくない自分
しかし、、ツマラなかった。。
何が1番引っかかるというと、好きな女のコの部屋に侵入して変態呼ばわりされるようなキモ男wの妄想がこんな健全であっていいはずがない(笑)。
男子版アメリといった趣だけど、アメリでさえエッチな妄想力を発揮しているのに。メキシカンならR-18レベルだろフツーなのにまさかの小学生レベル
これをオシャレで可愛いと思えるかどうかが評価の分かれ目だと思うけど、自分は全く合わなかった。
いや、今どきの小学生でさえこんなメルヘンじゃないしww
でも、小学生だと思えば、不法侵入も熟女の同僚と一緒にお風呂もほほ笑ましく見ていられるってことなんだろうか。。だからどうしたって話だけど(笑)。
いや、せめてステファニー(シャルロット・ゲンズブール)の方は不思議ちゃんじゃなくてマトモちゃんであって欲しかったけど、2人揃ってだとキツイよねぇw
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トイズ(1992年・アメリカ・121分)NHK-BS
監督:バリー・レビンソン
出演:ロビン・ウィリアムズ、マイケル・ガンボン、ジョーン・キューザック
内容:個性的な工場を持つおもちゃ会社の社長が急死し、社長の弟であるバリバリの軍人が会社を引き継ぐことになった。しかし社長に就任するやいなや、規律が一気に厳しくなり社内の雰囲気は一変、あげくの果てにはおもちゃの軍事兵器を開発しようとまでする始末。それを知った社長の息子レスリーは、それを阻止すべく立ち上がるのだが・・・。
評価★★/40点
“子供心を忘れた大人が玩具で遊ぶとこういう映画になる・・・。”
どこか勘違いしてないか?これ作った大人たち。少年の心を持ったR・ウィリアムズを出せばいいってもんじゃない。
でもって、悪趣味にもなりきれていないという・・・。
見終わってみると、この映画が言いたいことは分かるのだが、見ている最中は、いったい何を狙っているのかさっぱり分からない映画だった。。
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