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2008年9月18日 (木)

夢のシネマパラダイス509番シアター:球技はオレにまかせろ!?

メジャーリーグ

Mp128 出演:トム・べレンジャー、チャーリー・シーン、レネ・ルッソ、ウェズリー・スナイプス

監督・脚本:デビッド・S・ワード

(1989年・アメリカ・106分)Video

内容:35年間優勝とは無縁のインディアンズに新しく女性オーナーが就任するが、彼女はチームを売却しようと目論んでいた。そのためノーコンピッチャーやストレートしか打てないバッター、ベースボールよりもお祈りが最優先の選手など2流3流選手ばかりスカウトしてくる。しかし、選手たちはその目論見を知り、一致団結して優勝を目指して頑張るのだがままならず・・・。

評価★★★★/75点

“ボールとバットとグラブに乗せて描かれるダメ人間集団の逆襲が、当時9番ライトの野球少年だった自分にとって胸がすく爽快さを味わわせてくれた。”

え゛っ、監督・脚本って「スティング」(1973)の脚本やってる人だったの?

そっかぁ、道理で納得できたぞ。テイラーのホームラン予告後のバント奇襲作戦。。

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メジャーリーグ2(1994年・アメリカ・105分)NHK-BS

 監督:デビッド・S・ワード

 出演:チャーリー・シーン、トム・べレンジャー、デニス・ヘイズバート、石橋貴明

 内容:奇跡の優勝を遂げたインディアンズ。が、リッキーやセラノはいい気になりすぎて再び落ちこぼれに戻ったため、日本から助っ人タナカを呼ぶことになるのだが・・・。

評価★★★/60点

続編というよりはリプレイを延々見せられてるかんじでダレるが、タカさんに免じて+1点。

試合中のベンチにタカさんを見つけようとするんだけど、いっつもいないのね(笑)。。

あと、ピッチャーにうまく返球できないキャッチャーというのはツボにハマって面白かったな。

あ、そういえばホームでのクロスプレーでキャッチャーを飛び越えるプレーを実際にやってみようとしたことがあるんだけど、あれね、手ひねるからやめた方がいいよ・・(笑)。

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エニイ・ギブン・サンデー(1999年・アメリカ・151分)DVD

 監督・脚本:オリバー・ストーン

 出演:アル・パチーノ、キャメロン・ディアス、デニス・クエイド

 内容:亡き父の後を継ぎ、アメフトチーム、マイアミ・シャークスのオーナーになったクリスティーナ。スポーツをビジネスとしか考えない彼女の最大の敵は、チームのヘッドコーチ、トニーだった。しかし、かつての名門も今は連戦連敗で・・・。

評価★★★☆/70点

アメフトというスポーツでベン・ハーの戦車競争のごとき文字通りのスペクタクルを、あくまでもオリバー・ストーンの文法で表現できたことには一定の評価をしたい。

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リプレイスメント(2000年・アメリカ・118分)WOWOW

 監督:ハワード・ドイッチ

 出演:キアヌ・リーブス、ジーン・ハックマン、ブルック・ラングドン

 内容:プレッシャーに弱い元アメフト選手、走ることだけが取り柄の短距離ランナー、元力士やサッカー選手らの落ちこぼれ軍団が、代理選手=リプレイスメントとしてアメフトのフィールドを走り回る!

評価★★★★/75点

他人の言うことなど断固として聞かない無骨でサディスティックかつ猜疑心の塊という印象が強かったJ・ハックマンが、いいかんじで円くなって人情味あふれる姿を見せてくれただけでこの点数あげたい気分。

我が愛しのレアル・マドリーの監督でいえば、ビセンテ・デルボスケ(現スペイン代表監督)に似てるかも。あと、温かく力強い無骨さという意味では、“メキシコ魂”ハビエル・アギーレ(現アトレティコ・マドリー監督)とかね。

名監督ジミー・マクギンティー。

厳しいけど大らかで、実はユーモア心にもあふれるその性格。しかし本人は、脚光を浴びることを嫌い、目立たないところで努力を続け、見定めた目標に向かってマイペースに小石を積み上げていくタイプの監督だとお見受けした。名監督たる所以ですな。

まさかキアヌ・リーブスじゃなくてJ・ハックマンの方が印象に残ってしまうとは、、、自分でもビツクリ。。

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ドッジボール(2004年・アメリカ・93分)DVD

 監督・脚本:ローソン・マーシャル・サーバー

 出演:ヴィンス・ヴォーン、クリスティーン・テイラー、リップ・トーン

 内容:零細スポーツジムの経営者ピーターは、5万ドルの支払い期限を目前に控え大ピンチ。一発逆転を狙って、ジムの仲間たちとドッジボールチームを結成。優勝賞金目当てに大会に出るのだが・・・。

評価★★★★/75点

ドッジボールをナメているとしか思えないが、映画自体が最初っからナメきっているのでそれは大した問題ではない。。

久々に恥も外聞もかなぐり捨ててバカに徹しまくったバカ度100%映画を見たので逆にこの点数になってしまったというオチっス・・。

いやぁ笑った笑った。こういう意味のない笑いも時には必要なのかもね。

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コーチ・カーター

Coach_carter_thumb 出演:サミュエル・L・ジャクソン、ロブ・ブラウン、ロバート・リチャード、アシャンティ

監督:トーマス・カーター

(2005年・アメリカ・136分)2005/08/14・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:リッチモンド高の弱小バスケチームに赴任してきたコーチのカーター。彼は、規律を順守し選手たちを厳しく指導、やがてチームに奇跡が起きる・・・。T・カーター監督が、実話を映画化した感動のスポーツドラマ。

“熱血教育コーチってナンだ!?”

今が人生で1番のハイライトではないし、今が人生で1番のピークなのではない。本当の人生はこれから始まるんだ!というカーターの言葉がこの作品をただの熱血スポ根体育会系映画の枠に収まらない、いっぱしの教育映画に昇華させている。

暴力と麻薬にまみれた澱んだ街の現実と、麻薬の売人になるか刑務所に行くかという若者たちの閉ざされた未来、、、あるいは「華氏911」で描かれていたように、戦場に派遣されて命を落としていく若者の供給源というのは行き場のない彼らのような人々なのかもしれない。

しかし、凄絶な格差社会と貧困という錆び付いて開きそうもない扉から、かすかではあっても希望という一条の光はいついかなる時でも射し込んでいるのだ。特に学生の若者には。

その扉のすき間に身をよじらせてあちら側の世界へ抜け出せるだけの可能性と選択肢を作るために今なすべき本当のこととは。そして本当の努力とは何なのか、、、カーターの熱い言葉は何の変哲もない日常に流されて生きているようなオイラにもズシリと重く響いた。

妊娠したケニヨンの彼女が最終的に堕胎したり、ラストの試合がリッチモンド高の劇的逆転負けで終わるなど、ありふれた軽快なヒップホップ系映画とは違う現実感覚にあふれた映画だったと思う。

まぁこの現実感覚が、日本人の自分には想像もできないような凄まじいものだったけど。。だって、悪フザケで銃を向けるなんて・・・。凄すぎる世界だわ。。

でも、オイラもカーターみたいな人に教わりたかったなぁ。

一応高校は進学校と呼ばれてたところに通ってたけど、どの教師も自校の大学進学率アップしか頭になかったし、大学をブランドのようにしか見てなくて選択肢にない行きたくもない大学を無理やり勧めてきたり・・。大学へ進学した後の人生について教えてくれたりする教師なんて一人もいなかった。それもツライものがあるよな・・・。

でも、毎年お正月にある全国高校サッカー選手権大会のハイライト番組で、「涙のロッカールーム」という負けたチームのロッカールームの様子を映すのがあるんだけど、もうねあれ見ると、監督という監督がみんなコーチ・カーターそのものなんだよね。言ってることもさ。

世の中には居るねんなぁ。自分が出会わなかっただけで。。

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アフリカン・ダンク(1994年・アメリカ・108分)NHK-BS

 監督:ポール・マイケル・グレイザー

 出演:ケビン・ベーコン、ヨランダ・バスケス、チャールズ・ギトンガ・マイーナ

 内容:大学バスケのスカウトマン、ジミーは有能な選手を発掘すべくアフリカへ。そこで驚くほどのテクニックを持つサレと出会い、彼をチームへ誘うのだが・・・。

評価★★★☆/70点

この映画を一言で言い表すならば、、、ナフタランジャー!!

これしかない。ウン。

ケビン・ベーコンの映画の中で1番好きかも。。

2008年9月15日 (月)

夢のシネマパラダイス508番シアター:未来世紀ブラジル

未来世紀ブラジル

00000563964l出演:ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、イアン・ホルム、キム・グライスト

監督:テリー・ギリアム

(1985年・英/米・143分)NHK-BS

評価★★/45点

内容:個人のプライバシーがコンピューターで管理される未来社会の悪夢を描いた、テリー・ギリアムの壮大なSFファンタジー。全国民の個人データを記録管理する情報局に勤めるサム・ラウリーは、日常の退屈さから天使のような美しい娘と大空を飛び交う自分を夢想していた。ある日、入力ミスが原因でテロリストに代わって罪もない靴職人が逮捕される。その一件を通じて、夢に見ていた娘にそっくりな美女ジルと出会ったサムは、彼女を追ううち巨大な悪夢の中に吸い込まれていった・・・。

“TVゲーム「塊魂」でくっつけたような無機質空間に響き渡る無感動・無感覚な人間たちの呻き声に思わずめまいを覚える、、、もとい思わず眠気に襲われる。。”

中世ヨーロッパはたまた1930年代ドイツ表現主義、50年代のレトロ感、60年代のサイケ調に至るまで過去の様々な時代の様式を80年代のデジタルと交配させまくった奇妙な世界が創造されているのだが、交配しまくったせいで、そこかしこの遺伝子に異常が生じているのがミソで、それがまるで見ている自分の想像力・創造力の源泉を枯渇させてしまうほどの今まで味わったことのないような粘着質のある生々しさを生んでいる。

、、のだが、見ていて正直息苦しい・・。

この世界を創造したギリアムの才能は素晴らしいが、どうやら自分には全く合わないようだ。。

しかも、レストランで爆弾テロが起きようが我関せずでランチを摂り続ける客たちや、オフィスの仕事場でクラシック映画をむさぼるように見入る局員たち、妻の名前を間違えられたのにその後間違えられた方の名前で妻を呼ぶ夫など、この映画に出てくる人間どもは、皆これまたどこか遺伝子レベルで欠落があるような無気力・無感動・無感覚人間。

まるでダブルパンチを喰らったかのように自分の脳内タイプライターは、・・・と思考停止状態に陥ってしまった。眠い。。

これはもう生理的に無理なんだなと納得する以外になさそうだ。

しかし、徹底したブラックユーモアで縁取られ描かれる管理社会の中で一人悪戦苦闘するサムも、実はその世界に組み込まれる構成員に過ぎなかったわけで、こう見てくるとホンモノの人間といえたのは夫バトルを亡くして泣き叫ぶバトルの奥さんと息子、そしてバトルが帰ってくるのを待ち続ける幼い娘くらいなものだったかもしれない。

退屈という二文字で終わらせたくはない映画ではあるのだけど。。

サムが夢の中で戦う戦国武将のエピソードは黒澤明へのオマージュらしいけど、黒澤明が見た夢を具現化したのが「夢」(1990)だとするならば、テリー・ギリアムの見た夢を具現化したのがこの映画ということだろうか。

なんだろう、「12モンキーズ」のベースになった「ラ・ジュテ」を見た時と同じような感覚を味わったような気はする。

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恋愛睡眠のすすめ

20150624102740出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール、ミュウ=ミュウ、アラン・シャバ、エマ・ドゥ・コーヌ

監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー

(2005年・フランス・105分)WOWOW

内容:仕事も恋も全く冴えない人生を送ってきた青年ステファンは、父親の他界でメキシコから母親の暮らすパリに帰郷した。そして母が大家をしているアパートに住み始めるが、隣の部屋に引っ越してきた女性ステファニーに恋をしてしまう。内気で気持ちを伝えられない現実とは裏腹に、夢の中ではステファニーと理想的な恋愛を繰り広げていくのだが・・・。

評価★★☆/50点

うーん、、ん~、、ムムム、、う~ん、、ツマラナイと言いたくない自分

しかし、、ツマラなかった。。

何が1番引っかかるというと、好きな女のコの部屋に侵入して変態呼ばわりされるようなキモ男wの妄想がこんな健全であっていいはずがない(笑)。

男子版アメリといった趣だけど、アメリでさえエッチな妄想力を発揮しているのに。メキシカンならR-18レベルだろフツーなのにまさかの小学生レベル

これをオシャレで可愛いと思えるかどうかが評価の分かれ目だと思うけど、自分は全く合わなかった。

いや、今どきの小学生でさえこんなメルヘンじゃないしww

でも、小学生だと思えば、不法侵入も熟女の同僚と一緒にお風呂もほほ笑ましく見ていられるってことなんだろうか。。だからどうしたって話だけど(笑)。

いや、せめてステファニー(シャルロット・ゲンズブール)の方は不思議ちゃんじゃなくてマトモちゃんであって欲しかったけど、2人揃ってだとキツイよねぇw

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トイズ(1992年・アメリカ・121分)NHK-BS

 監督:バリー・レビンソン

 出演:ロビン・ウィリアムズ、マイケル・ガンボン、ジョーン・キューザック

 内容:個性的な工場を持つおもちゃ会社の社長が急死し、社長の弟であるバリバリの軍人が会社を引き継ぐことになった。しかし社長に就任するやいなや、規律が一気に厳しくなり社内の雰囲気は一変、あげくの果てにはおもちゃの軍事兵器を開発しようとまでする始末。それを知った社長の息子レスリーは、それを阻止すべく立ち上がるのだが・・・。

評価★★/40点

“子供心を忘れた大人が玩具で遊ぶとこういう映画になる・・・。”

どこか勘違いしてないか?これ作った大人たち。少年の心を持ったR・ウィリアムズを出せばいいってもんじゃない。

でもって、悪趣味にもなりきれていないという・・・。

見終わってみると、この映画が言いたいことは分かるのだが、見ている最中は、いったい何を狙っているのかさっぱり分からない映画だった。。

夢のシネマパラダイス507番シアター:彼女を信じないでください!?

彼女を信じないでください

C783800 出演:カン・ドンウォン、キム・ハヌル、ソン・ジェホ、キム・ジヨン

監督:ぺ・ヒョンジュン

(2004年・韓国・115分)WOWOW

評価★★★★☆/85点

内容:薬剤師の青年と女詐欺師の恋を描いたラブコメ。詐欺罪で服役中のヨンジュは、仮釈放されて姉の結婚式に向かうことに。しかし、列車で出会ったヒチョルの指輪が盗まれ、泥棒に間違われたくない彼女は、必死で取り戻そうとするのだが・・・。

“この映画を信じてください。そしてこの映画を貶める人を信じないでください。”

聞くところによると、韓国では結婚というのはそのカップル同士のイベントというよりも家族対家族、家系に関わる最大のイベントという文化的位置付けの方がいまだに強烈なんだそうで。

結婚する当人が相手方の家族にどう迎えられるか、特に奥さんの方はその点が重要ということで、この映画でもヒチョルの両親はもとより叔父さんから変なオバサン軍団まで選り取り見取り。

その中で悪戦苦闘する“新しい嫁”。無条件でドツボにハマりました。

映画という“ウソ”の中で怒涛のウソをつきつつ“本当のこと”をさらりと見せるこの作品、何度も言うようだけどドツボにハマりますた。。

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恋する遺伝子(2001年・アメリカ・98分)NHK-BS

 監督:トニー・ゴールドウィン

 出演:アシュレイ・ジャッド、グレッグ・キニア、ヒュー・ジャックマン、マリサ・トメイ、エレン・バーキン

 内容:テレビ局で働くキャリアウーマンのジェーン。毎日忙しい日々を送る中、彼女は恋愛がしたいと親友と語り合う。ようやく、新番組のプロデューサーのレイと付き合い始めるのだが、彼にはすでに彼女がいて・・・。

評価★★★/60点

ジェーンの極論武装を「分かる分かる」と納得されちゃ男としてはたまったもんじゃないが、、、特に反論もできなかったりする。。

あの~~、男もさ、無いアタマをフルに使って、一応考えて行動してんのよ。

そこらへんのところ、分かってくれないかなぁ、、、なんて結局いつの間にか出たとこ勝負になっちゃってるオイラ・・・おいおい

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トゥー・ウィークス・ノーティス

2week 出演:ヒュー・グラント、サンドラ・ブロック、デビッド・ヘイグ、アリシア・ウィット

監督:マーク・ローレンス

(2002年・アメリカ・101分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:NYの古い建築物の保存に奔走する熱血女性弁護士ルーシーは、お気に入りの公民館が取り壊されるという話を聞き、街の再開発を進める大手不動産会社の御曹司ジョージに直談判する。そこでルーシーは、公民館は壊さないという条件のもと彼の顧問弁護士になるのだが・・・。職業も性格もライフスタイルも全く正反対な2人が次第に惹かれ合っていくさまをリズミカルに描いたラブコメ。

“ラブコメのアタリハズレの分かれ目はいかに素直かつ安心して見られるかにかかっていると思うのだが、この映画はそのアタリ方が度を越している。。リスクを感じないのも逆に物足りなさが残るんだな・・・。”

冒頭のコミュニティセンターを取り壊すための鉄球にしがみ付いているS・ブロックの姿を見て、あ、こりゃアタリだなと。

ヒュー・グラントについてはもう何も言うことなし。あ、こりゃハズレだなと。

そんで、頑固で気の強すぎる女と、優柔不断なヤワすぎる男の夫婦漫才、あ、こりゃ大アタリだなと。

しかし、、、アタリすぎた・・・。

S・ブロックもH・グラントもバリバリ地じゃなかろうかというくらいハマリすぎていて、価値観も考え方も違うあり得ない2人がくっつく話のはずなのに、最初っからあり得るだろこれと思えてしまう。

渋滞にハマってトイレを我慢できなくなるというのもS・ブロックなら往々にしてありそうだもん(笑)。

想定外が皆無なのも逆に疲れるんだなってことが分かった。。

ただ、ラブコメの作りとしてこの映画は100点だよ、ウン。それだけは言っとく。

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オオカミの誘惑(2004年・韓国・115分)WOWOW

 監督・脚本:キム・テギュン

 出演:チョ・ハンソン、カン・ドンウォン、イ・チョンア、チョン・タヘ

 内容:ソウルにやって来たばかりのごく普通の女子高生ハギョンを、転入先の学園の人気者と隣の高校のアイドル、2人のハンサムが奪い合う!まんま少女漫画の世界です・・。

評価★★/40点

“どこから本気でどこまでが冗談なのかと勘繰りながら見てしまったのが運のツキ。本気度120%まっしぐら映画にオイラの本気度30%じゃはなっからついていけるはずがなかった・・・。”

だって、こいつら高校生!?てとこはまだしも、テソンがハギョンを「お姉さん」と呼ぶのもこれって冗談か言いがかりなんだろ?と途中までマジに思ってたし・・・。

そもそもハギョンにモテモテ男2人が猛アタックする理由が分からない(笑)。

こりゃ、たのきんトリオとか少年隊をリアルタイムで見たことがない、あるいは少女漫画をほとんど読んだことがないオイラみたいな男には、はなっからお呼びじゃない、そういう映画なのかも、ってことで納得。。

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メラニーは行く!(2002年・アメリカ・109分)WOWOW

 監督:アンディ・テナント

 出演:リース・ウィザースプーン、ジョシュ・ルーカス、パトリック・デンプシー、キャンディス・バーゲン

 内容:NYでファッションデザイナーとして成功したメラニーは、市長の息子のアンドリューからプロポーズされ有頂天。しかし、実は彼女には高校時代に結婚し、いまだ離婚を承諾してくれない夫が、故郷のアラバマにいたのだった・・・。

評価★★★/60点

例えて言えば、大阪を舞台にしていながら肝心の人情が抜けているという本末転倒な映画だが、田舎娘と垢抜けない都会娘の双方が板についていたウィザースプーンに免じて★3っつ。

でも、1番人情と男気にあふれていたのはメラニーの恋人アンドリューだったというオチですた。。

レアル・マドリー狂想曲第47番:レアル4-3でなんとか勝利。。

Photo 鬼門リアソールで例年通りの敗戦で幕を開けた今シーズンのレアル・マドリー。代表ウィークで2週間ぶりに再開となったリーガ第2節。相手は開幕戦でバルサ相手に大金星をあげた昇格組みのヌマンシア。

と、その前にラウルがめでたく栄えあるディ・ステファノ賞を受賞

FWの補強もなく、さらにロビーニョが抜けた今、ラウルにかかる期待と責任は重大ですから、昨シーズン以上の活躍を期待したいところ。

Photo_2 ←大のマドリディスタである世界No.1テニスプレーヤー、ラファエル・ナダル君もカルデロンとガッチリ握手。強い味方です。

強い味方といえば、世界最速ランナーの欽ちゃん走りで有名なウサイン・ボルトもレアルの大ファンらしく、近々レアルの練習に参加するとか(笑)。

さて、今日の布陣はごらんの通りでっす。               

                 カシージャス

            ぺぺ        メッツェルダー 

 サルガド                             マルセロ

                  ディアッラ

          グティ              ラフィ

   イグアイン                        ロッベン

                  ニステル

今後20日間で7試合だかを戦わなくてはならない中、ラウルはベンチ。

Photo_3 試合は、前半から点の取り合いになり、25分間で4点入ってしまうという乱れよう。

←前半22分のバルケロの左足で放った強烈ミドル。カシージャス横っ飛びも届かず。この時点で1-2。

なんつうか、レアル守備網が全く役に立たず、相手ボールホルダーへの寄せが大甘も大甘で、簡単にバイタルエリアで前を向かせてしまう始末・・・。

さらに開幕戦のデポル戦でも露わになったセットプレーからの失点が今日も3失点中2失点と全く改善されていない有り様。。この2週間何やっとったんじゃい!とも言いたくなるわな。もちろん代表に多くを取られてるのは分かるけども、あまりにもユルユルで開いた口が最後まで閉まらなかったわ・・。

Photo_4 なんとか前半33分にラフィのペナルティボックス左隅からのスーパーゴールで突き放し、40分にもCKから相手オウンゴールを誘い、前半で4-2としたものの、後半またしてもセットプレーのFKから直接ゴールを割られ、4-3。

試合終了間際にも危うく失点しかねないアブないシーンがあり、終わってみればヒヤヒヤもんの勝利だった。

相手が昇格組だからといって舐めてるわけじゃないだろうけど、あまりにも軽率なプレーが多すぎる。

これではCL戴冠もまたもや夢の藻くずと消えちゃうぞ。

次はミッドウィークにCL初戦。きっちりとコンプリートしてほしいっスな。

これでは満足はできまへん。

2008年9月10日 (水)

夢のシネマパラダイス503番シアター:往年名作劇場6番館

アパートの鍵貸します

Apa 出演:ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイ

監督・脚本:ビリー・ワイルダー

(1960年・アメリカ・125分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:出世のために自分のアパートを上司たちの浮気場所として提供しているしがないサラリーマン。しかしある日、部長がアパートに連れ込んだ愛人は、彼が恋するエレベーター嬢だった・・・。

“このシャーリー・マクレーンは、はっきりいってタイプ

ロマコメの女王メグ・ライアンやリーズ・ウィザースプーンの原点はここにいた!

そう、その名はシャーリー・マクレーン!!

90年代以降のお婆ちゃん姿しか見たことなかったから、まさかこんなにもキュートだったなんて。妖精オードリーよりも、こっちの方が好みかも。。うん。

気さくで闊達で小生意気なんだけど、実はすごくデリケートでナイーブというキャラは、ストライクど真ん中!

そんな彼女が、自分の部屋の自分のベッドの上で他の男とシッポリやってるなんて・・。絶対に耐えられない

せつないどころの話じゃないでこれは。

しかも上司たちの不倫フェスティバルに露骨な出世競争に自殺未遂と、かなりお下品な中身なのだけど、これがビリー・ワイルダーの手にかかればシニカルな味を効かせたロマコメになっちゃうのだからスゴイ。

また、映画を味わい深いものにしているジャック・レモンの絶妙な演技も見逃せない。

でも、テニスラケットをざる代わりにして作ったパスタは食べたくないし、ラブホと化した自分のベッドでは絶対に寝たくない・・(笑)。

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山猫

Img746800c4od19ds 出演:バート・ランカスター、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレ

監督・脚本:ルキノ・ヴィスコンティ

(1963年・イタリア・161分)NHK-BS

内容:1860年のイタリア統一革命を背景に、時代の流れに抗して生きる人たちの波乱の生きざまを描いたヒューマンドラマ。山猫の紋章に象徴され、300年もの間、シチリア島に絶大な権力を誇っていた公爵家は、激しい時代の波に押し流され始めていた。革命軍が進撃を続ける中、公爵の甥にあたるタンクレディは義勇軍に身を投じる。公爵が盛大に開いた晩餐会の席に現れたタンクレディは、そこで野性的な娘アンジェラと出会う。。カンヌ国際映画祭作品賞。

評価★★★/65点

よく話が飲み込めない。なのに映画にいつの間にか飲まれてる。魂持ってかれたかんじで、疲れちった・・・。

しかし、タンクレディという名前、どうにかならなかったのかね。。アメリカ西海岸の砂浜を悠々と歩くブロンド水着美女というイメージしか湧かなくて思わず笑いがこみ上げてくる場面が多々あったんですけど・・。だってアラン・ドロンよ(笑)。

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地上<ここ>より永遠<とわ>に(1953年・アメリカ・118分)WOWOW

 監督:フレッド・ジンネマン

 出演:バート・ランカスター、モンゴメリー・クリフト、デボラ・カー、フランク・シナトラ

 内容:真珠湾攻撃直前のホノルルを舞台に、アメリカ軍隊生活の苛酷な現実を厳しく描き、アカデミー作品賞など8部門を受賞。

評価★★☆/50点

ボクシング部が優勝すれば休暇がもらえるのでボクシング強い奴を入部させようとするが、そいつがボクシング部に入りたくないと言ったので、何としてもボクシング部に入部させようと画策する話が、なんでアカデミー賞獲るの(笑)?

はては、傷めつけられているのに「俺は軍を愛している!」ときたもんだ。

ドナ・リードの「じゃあ、あなたは軍に片想いなのね。」という言葉に「それが男の愛ってもんだ。」

なんじゃそりゃ・・・。マゾかゲイじゃないのかこいつ。。おいおい・・

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大いなる西部(1958年・アメリカ・166分)NHK-BS

 監督:ウィリアム・ワイラー

 出演:グレゴリー・ペック、チャールトン・へストン、キャロル・ベイカー

 内容:1870年代のテキサス州サンラファエル、東部から1人の紳士ジム・マッケイが、有力者テリル少佐の娘パットと結婚するためにやって来た。出迎えた牧童頭のスティーヴはひそかにパットのことを想っており、ジムに敵意を示す。。巨匠ワイラーが『西部の男』以来18年ぶりに手がけた大型西部劇。

評価★★/40点

“荒々しく広大な西部の何もない風景の中で3時間近くにわたって繰り広げられる大ゲンカ”

しかし、それは、、ちゃちく見えてしかたなかった。。

もしそれが争いの無意味さを表現するための作り手の狙いだったとしても、その中に颯爽と闖入してきた海男グレゴリー・ペックとその対極にいる牧童頭チャールトン・へストンに何ら変化が見られないステレオタイプのままだったのは自分にとっては致命的なツマラなさで・・。

まぁ、そもそもこの2人の決闘シーンに至るまでに1時間50分くらい要してるんだから、、男と男の挨拶に2時間かいっ。。しかも何の化学反応も起こさないときたもんだ。

耐えられない・・・。

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草原の輝き(1961年・アメリカ・124分)NHK-BS

 監督:エリア・カザン

 出演:ウォーレン・ベイティ、ナタリー・ウッド、パット・ヒングル、ゾーラ・ランバート

 内容:ハイスクールの同級生バッドとディーンは、互いに愛し合っていたが、それを確かめ合おうとはしていなかった。ディーンはセックスを罪悪視する母親の影響を受け、バッドの方は女遊びの激しい実業家の父親に対して反発している。2人とも身体での結びつきを夢見てはいたが、なかなか合体に至らない(笑)。しかし、そんなイライラがついにバッドを他の女のコに向かわせてしまい・・・。

評価★★★★/75点

“青春劇とは甘酸っぱいものだとばかり思っていたが、これはもの凄く辛かった・・・。”

半エクソシスト状態のナタリー・ウッドに女優魂を見た気がする。

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キネマの天地(1986年・松竹・135分)WOWOW

 監督・脚本:山田洋次

 出演:中井貴一、有森也実、渥美清、すまけい、松坂慶子、倍賞千恵子、笠智衆

 内容:浅草の活動写真小屋で売り子をしていた小春は、映画監督に見出されて蒲田の大部屋女優となった。彼女はすぐに演技の難しさに落ち込むが、周囲の人々に励まされ、女優の道を歩み続ける。やがて、大作の主演に決まっていた大スター川島澄江が愛人と失踪し、小春に代役が回ってきた。。日本映画がサイレントからトーキーに移行し始めた頃の、映画に情熱を傾けた人々の姿を描いた松竹大船撮影所50周年記念映画。

評価★★★/60点

渥美清が出てなかったらとてもじゃないが見られない作品だったと思うと、やっぱり唯一無二の存在感なんだなと今更ながらに実感。

亡くなってからその良さと凄さに気付いた大バカ者です。。

2008年9月 9日 (火)

夢のシネマパラダイス501番シアター:戦争ほど酷いものはない・・・

禁じられた遊び

21654125_2出演:ブリジット・フォッセー、ジョルジュ・プージュリ、リュシアン・ユベール

監督:ルネ・クレマン

(1952年・フランス・87分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:1940年6月のフランス。ドイツ軍の手に落ちたパリを追われ、田舎道を急ぐ難民の群れにナチス戦闘機が襲い掛かってきた。5歳の少女ポーレットは、機銃掃射で両親を殺され、死んだ小犬を抱いたまま一人ぼっちになってしまう。彼女は難民の列から離れてさまよううちに、牛を追ってきた農家の少年ミシェルに出会った。11歳になる彼はポーレットの不幸に同情して彼女を家に連れ帰る。。ヴェネチア国際映画祭作品賞。

“はっきりいってこれはコメディだ!”

シュールなコメディ。

橋の上でドイツ軍機の機銃掃射をくらってポーレットの両親があっけなく亡くなる場面しかり、ポーレットの愛犬を川に無造作に投げ捨てるバァさんしかり、牛に蹴られて負傷し容態が悪化したミシェルの兄にひまし油を無理やり飲ませる場面しかり、そこで兄のために祈りながら頭の中は“墓地”のことで一杯のミシェルが新たな獲物を見つける場面しかり、隣家どうしの取っ組み合いの大乱闘しかり、嘘をつくとき鼻がヒクつくポーレットしかり・・。

そういう一見シュールなコメディタッチで彩られた本作だが、しかしそれを包み隠すように鳴り響くアコースティックギターの旋律があまりにも印象的。

そしてラスト、、、この作品唯一にして戦争がもたらす残酷な惨禍を非情なリアルさで映し出したラストが“FIN”という字幕とともに全てを飲み込んでいく。

あとに残るのは、痛くて痛くてどうしようもない自分の心と戦争がもたらす悲しみの深さだけだ。

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コーカサスの虜(1996年・カザフスタン/ロシア・95分)NHK-BS

 監督:セルゲイ・ボドロフ

 出演:オレグ・メンシコフ、セルゲイ・ボドロフJr.、スサンナ・マフラリエヴァ

 内容:ロシア軍兵士のワーニャとサーシャは、チェチェンの戦場で捕われてしまった。2人を金で買ったアブドゥルは、2人をロシア軍に捕まった彼の息子と交換しようとするのだが、交渉はうまくまとまらず、やがて些細な事から悲劇へと変わってしまう・・・。トルストイの短編小説を、チェチェン紛争に置き換えて映画化。

評価★★★★/80点

おそらくこれから先も人間は憎しみ合い殺し合うことを止められないのだろう。

しかし、とともに語り合い許し合うことも止められないはずなのだ。

そんな十字架のごとき性を背負った人間というものを見事に描ききった佳品。

それにしても、、、主人公が痩せてる時のロナウドに似ている。。てのはどうでもええ。

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ライフ・イズ・ビューティフル

Poster120102 出演:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ、マリサ・パレデス

監督・脚本:ロベルト・ベニーニ

(1996年・イタリア・117分)仙台セントラル劇場

評価★★★★★/90点

内容:1939年。書店を開業しようとトスカーナ地方の町アレッツォにやって来たユダヤ系イタリア人グイドは、そこで小学校教師ドーラと恋に落ち結婚。幸福な家庭を築いたグイドとドーラだったが、町はナチス・ドイツに占領されていった。グイドは息子ジョズエとともに強制収容所に送られ、ドーラも夫と息子の後を追う。その日からグイドは、命をかけて息子を守ろうと、必死に知恵を絞る。。。カンヌ国際映画祭審査員グランプリやアカデミー賞外国語映画賞、主演男優賞などを受賞。

“人の不幸は面白い、というスタンスをホロコーストを題材にとりながら徹底的に深化・デフォルメしていく道化師ベニーニの才能と、喜劇人・映画人としての覚悟と魂にただただ感服。”

人間の愚かさ、悲惨さ、残虐かつ無惨な歴史、怒り、憎しみ、不幸。

それらを理屈抜きの笑顔と無心な表情だけで映し出していく凄さ。

オイラはその中にたしかにリアリズムは生み出されていたと思う。

人の不幸は面白い、というスタンスをホロコーストを題材にとりながら徹底的に深化しデフォルメしていくベニーニの才能と喜劇人・映画人としての覚悟にはただただ驚くばかりだ。

そして、その中から見えてくる人生の素晴らしさと生きる喜びと幸せ、そしてそれが壊されていくことへの怒りという真実は果てしなく重い。

リリー・フランキーは、その著作の中で、「人間の能力には果てしない可能性があるにしても、人間の“感情”はすでに、大昔から限界が見えている。感情の受け皿には、もう可能性はない。」と述べている。

人間を選別する能力、人間を貶める能力、人間を管理する能力、人間を焼却する能力・・・・恐ろしく愚かなくらい果てしない人間の能力。

しかし一方では、なぞなぞをスラスラと解く能力、陽気におどけてみせる能力、家族を守るために全能力の中から数パーセントを弾き出して嘘をつく能力、人を愛する能力、人を信じる能力、残虐な能力からかけ離れた簡単で滑稽ともいえるような能力をも人間は有している。

それもまた人間の果てしない可能性の中のひとつなのだ。そしてそれこそが最も人間らしい能力なのだとベニーニは言っているような気がする。

この映画は、人間賛歌の映画だったのだ。

憎しみや怒りよりも、滑稽であろうとまずは笑顔と喜びなのだと。

それを映画という“嘘”な世界で“完璧な嘘”を貫き通して表現したベニーニにオイラは感嘆を禁じえない。

そして我々の感情の受け皿には深い悲しみと静かな怒り、そして優しい勇気と嬉しさが残る。

凄い映画だ。

ジョズエにウィンクして見せるグイドの姿が忘れられない。

最後に、ユーモアの大切さについて、アウシュビッツ強制収容所で妻と二人の子供を殺され、苛酷な体験をした心理学者V・E・フランクルの言葉を借りよう。

“ユーモアは自分を見失わないための魂の武器だ。ユーモアとは、ほんの数秒間でも、周囲から距離をとり、状況に打ちひしがれないために、人間という存在に打ちひしがれないために、人間という存在に備わっている何かなのだ”(その著書「夜と霧」より)

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ビルマの竪琴(1985年・東宝・133分)NHK-BS

 監督:市川崑

 出演:中井貴一、石坂浩二、北林谷栄、川谷拓三、渡辺篤史、小林稔侍、菅原文太

 内容:1956年に自ら映画化した竹山道雄の反戦小説を、同じ市川崑が前作と同様に和田夏十の脚本をもとに、念願のカラーで再映画化。1945年夏、ビルマ戦線で敗退する日本軍の井上小隊は、タイ国境近くまで苦難の退却を続けていた。やがて戦争が終わり、収容所に入れられた井上隊は、そこでオウムを肩に乗せた1人のビルマ僧と出会う。ところが、その僧侶は敗戦を信じず降伏しない小部隊を説得に行ったまま戻らなかった水島上等兵にそっくりだった・・・。

評価★★★★★/90点

残酷な大人のメルヘンと、戦争というリアリズムの極致の絶妙な共存。

映画という表現方法の奥深さと無限の可能性をまざまざと見せつけられた気がする。

傑作です。

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イノセント・ボイス-12歳の戦場-(2004年・メキシコ・112分)WOWOW

 監督:ルイス・マンドーキ

 出演:カルロス・パディジャ、レオノラ・バレラ、ホセ・マリア・ヤスビク

 内容:1980年代、わずか12歳の少年が徴兵される激しい内戦下の中米エルサルバドルを舞台に、徴兵におびえながらも懸命に日々を生きるひとりの少年の姿を力強く描いた衝撃のドラマ。実際に内戦下のエルサルバドルで少年時代を過ごし、14歳でアメリカに亡命したオスカー・トレスの自伝的脚本を、メキシコ出身のルイス・マンドーキ監督が映画化。

評価★★★★/75点

あんな地獄のような環境においても恋をして笑ってはしゃいで、ついでにオナラまでして、しっかり愛に包まれながら生きているんだ。人間のあるべき営みの姿が力強く描かれているのがささやかな救いか。

あの状況で外に遊びに行かせるのもこれまたスゴイことなのだけども。。

川向こうに住むおばあちゃんがお金を手渡して、少しだけどこれで何かおいしい物でも買って、、と言うかと思いきや、これで何か武器を買ってと言うんだもんなぁ・・。

言葉に詰まってしまうよ・・・。

2008年9月 5日 (金)

夢のシネマパラダイス499番シアター:奇抜奇天烈コスチューム

ヘルボーイ

1401 出演:ロン・パールマン、ジョン・ハート、セルマ・ブレア、ルパート・エバンス

監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ

(2004年・アメリカ・132分)DVD

評価★★★★/75点

内容:悪魔の子にして心優しき異形のヒーローの活躍を描いたSFアクション。第二次世界大戦中、魔界から偶然に呼び寄せられたヘルボーイ。彼はやがて正義のヒーローとして、異界からの侵略者たちと戦いを繰り広げる。。

“ダサくてイカつい悪魔オヤジを、ダサかっこよくて愛嬌のあるネコ好きのヤンチャ坊主に仕上げてみせたロン・パールマンの一人勝ち。”

アメコミヒーローのキャラものでは久々に観ているこっちの負けを認めざるをえないブッ飛びキャラ。

それを何と形容すればいいのか分からない特殊メイクの異形を纏ったロン・パールマンが、しっかり地に足をつけてなりきっているのが素晴らしいのはもちろんのこと、今までの出演作で異色キャラが多かった背景を考えても何か微笑ましささえ感じてしまう魅力と面白さに満ちあふれている。

配役の勝利とはこういうこと。監督が7年間映画会社を説得し続けただけのことはある。

また、これは勝手な思い込みだし、ジャンルも違うのだけど、インディ・ジョーンズの雰囲気、特にオープニングなんかはそんな雰囲気が漂っていて、キャラだけでなくゴシック調のセンスも映画に深みを与えていて良かった。

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キャットウーマン(2004年・アメリカ・104分)WOWOW

 監督:ピトフ

 出演:ハル・ベリー、シャロン・ストーン、ベンジャミン・プラット、ランベール・ウィルソン

 内容:「バットマン」の人気キャラを主人公にしたファンタジー・アクション。自分が務める会社の秘密を知ってしまったために殺されたペイシェンス。しかし、その瞬間、彼女は超人的なネコの能力を持つキャットウーマンとして甦り、巨大企業の陰謀に立ち向かっていく。。

評価★★★/60点

酷評されてたわりに思ったほどには悪くない印象。

しかし、途中からタイのニューハーフショーでも見てるようなかんじになってくる・・。

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デビルマン(2004年・東映・116分)2004/10/15・丸の内

 監督:那須博之

 出演:伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、渋谷飛鳥、宇崎竜童

 内容:70年代にTVアニメが大ヒットした永井豪原作のマンガ「デビルマン」を実写映画化。人間の体を乗っ取る邪悪なデーモンに取り憑かれながらも、人間としての意識を失わず“デビルマン”として生まれ変わった高校生の不動明。彼は人間を次々に襲うデーモンと戦う決心をつけるが、その守るべき人間たちは逆に「悪魔狩り」と称して殺戮を始めていた・・・。

評価★/20点

映画館で味わう本当の地獄ってこういうことを言うんだなって思った・・・。

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マスク2(2005年・アメリカ・96分)WOWOW

 監督:ローレンス・ガターマン

 出演:ジェイミー・ケネディ、アラン・カミング、トレイラー・ハワード、ボブ・ホスキンス

 内容:小心者のティムは緑色のマスクをかぶった途端、陽気で大胆な男に変身。しかも、生まれてきた子供もスーパーパワーを持っていて・・・。

評価★★/40点

「スパイ・キッズ」がバグッたかんじ・・。直しようがないなこりゃ。リセット押したい気分。

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エレクトラ(2005年・アメリカ・98分)WOWOW

 監督:ロブ・ボウマン

 出演:ジェニファー・ガーナー、ゴラン・ヴィシュニック、テレンス・スタンプ

 内容:人気アメコミをベン・アフレック主演で映画化した「デアデビル」のヒロインキャラ、エレクトラを主人公にしたスピンオフ作品。

評価★☆/30点

時おりジェニファー・ガーナーがババ臭く見えてしまってしょうがなかった・・・。集中できないよあれじゃ(笑)。

エレクトラのブッ細工なコスチュームにも問題ありなんじゃないかな・・。

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Vフォー・ヴェンデッタ

Vfo 出演:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィーヴィング、スティーブン・レイ、ジョン・ハート

監督:ジェームズ・マクティーブ

(2005年・英/独・132分)2006/04/29・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:アダム・サトラー議長が支配するファシズム国家になっている近未来のイギリス。TV局で働くイヴィー(N・ポートマン)はある日、夜間の外出禁止時間中に外を歩いているところを秘密警察に見つかってしまうが、“V”と名乗る謎の仮面男に救われる。しかし、その男は、1605年に国家転覆を図りイギリス議事堂を爆破しようとしたガイ・フォークスに倣って、たった一人でサトラー政府に反旗を翻すテロリストだった・・・。80年代に発表されたコミックを元に、「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が脚本化したサスペンス・アクション。

“楠田枝里子が5万人!”

トラファルガー広場に押し寄せる無数の楠田枝里子が国会議事堂大爆破花火大会を目のあたりにして、その仮面を外し個々人の素顔をさらすというこの映画のクライマックスはこの映画の中で唯一印象に残る場面だった。

全体主義体制の名のもとに言論や表現が封殺・抹殺され個人の自由が抑圧された社会、すなわち人々が仮面をかぶって生きていかなければならない世の中からの解放を意味していたのではないか、とオイラは受け取った。

そして、素顔をさらけ出した人々の顔が、この映画を観る我々の顔に重ね合わされる瞬間、彼ら群像が見つめる先にあるものは、スクリーンを突き抜けた現実の今の世の中なのではないか。

サトラー議長がヒトラーよろしく支配する全体主義国家像は、まんまナチスドイツをもじったようなステレオタイプなものであったことは否めないとしても、メディアによる情報操作や盗聴天国と化した監視システム社会を痛烈なアイロニーを込めて辛辣に描いているところなんかは、明らかにジョージ・ブッシュが君臨するどこぞの国を意識していると思われるし。

はたまた現実に50万台もの監視カメラがにらみをきかせるロンドンの未来かもしれないし、いや、急速に右傾化している日本だってKY首相が考えた「美しい国」の行き着く先にあるものって、、、と考えるとちょっと怖くなってくる。。

しかし、1番怖いのは、人々が黙ってそのシステムの中で安住しちゃうことなのだとこの映画は言っているわけで、例えば、メディアによる情報操作によってタレ流される作られたニュース映像を家庭で、あるいはバーでじっと見つめる無機質な市民たちの姿が印象的に写し出される。

その中で「こんな報道ウソッぱちよ!」と普通に見抜いちゃうのが牛乳ビンの底のようなメガネをかけた女の子だったというのは皮肉めいてて笑えた。

現実のアブない世の中をアイロニーに満ちた視線で風刺する映画としては非常に面白い作品だったと思う。

が、しかし、一方では、イヴィーを故意に拉致監禁して洗脳したり、テロや暴力を正当化するという、フツーならば悪役キャラでもおかしくない“V”のヒーロー像や考え方、またなぜ人々は1年後の11月5日に集まろうというVの呼びかけに真正直に楠田枝里子の仮面をかぶって(笑)応じたのかというところなど、イマイチ飲み込めないところもあり、、、もう1回観るべき作品かも。。

2008年9月 1日 (月)

レアル・マドリー狂想曲第46番:08-09リーガ・エスパニョーラ開幕!!

Photo さあ、やって来やした新シーズンが、、あぁぁ~~ぁぁ・・・と思ったら開幕戦、我が愛しのレアル・マドリーはデポルに1-2で負けてしまいました。

←シュスターも成す術なし・・・。

だって、相手はデポルでなおかつ敵地リアソール。。

なななんんとこの地で最後に勝ったのは1991年11月。16試合連続勝ち星なし&ここ最近は5連敗中と、あのカンプノウさえも凌ぐ鬼門中の鬼門!それがリアソールなのです。

どうあっても勝てない場所なんです。リアソールは・・(笑)。

そして今年も例年通り負けたと。ハイ終了。

クソーーーッッ!!!ぐやじい~~・・・。

ちなみに、今日の布陣です、、、

                 カシージャス

            ぺぺ         エインセ

Sラモス                              マルセロ

           ディアッラ        グティ

                                イグアイン

ロッベン           ラウル

                     ニステル

控えには負傷明けのカンナバーロ、メッツェルダー、トーレス、ガゴ、デラレッド、ドレンテと、FWが1人もいないという事態に・・・。

ラフィ(ファンデルファールト)が先日のスペルコパのレッドカードで出場停止、スナイデルはエミレーツカップのアーセナル戦で3ヶ月の負傷離脱、サビオラも負傷、そしてロビーニョはチェルシー行きを直訴で召集されず、、ということで、攻撃の手駒がおらへんという。

しかし、、ロビーニョ、、強行手段に打って出たな・・。

でも、現時点ではチェルシー行きのニュースもないし、現地ももう9月1日過ぎてるはずだから、移籍はないってことなのかな。

飼い殺しってやつ?

本人の会見ではスタンド観戦も辞さないと言ってるけど、レアルとしては飼い殺ししたくてもできないだろうし実際。昨シーズンと同じく貴重な戦力には違いないわけで。。今日の試合なんか見たもんなら使わざるを得ないやろ(笑)。

行かんといてロビーニョさま。

Photo_2 ウチには一応ロッベンがいるけど、いつ怪我するか分からんからねぇ・・・。

それが悩みの種だし、ロビーニョが捨てられない理由でもあるわけで。

しかしこのロビーニョ問題も、もとを辿ればクリスチアーノ・ロナウド獲得の代替要因として扱われ、さらに北京五輪行きにも直前でレアルからドクターストップをかけられて不満が鬱積していたことに行き着くわけで、種を撒いたのはレアルのフロント陣なんだけどね。

赤い悪魔の罰が当たったな。ファーガソンめ(笑)。

とにもかくにも今日の敗戦はある意味想定内なわけだから、次節ホームでのヌマンシア戦をきっちり勝って臨みたいですわな。W杯予選などで2週間空くみたいだけど。

Photo_3 さて、他のチームはどうだったかというと、、、レアルの最大のライバル、バルセロナが昇格相手のヌマンシアに負けちゃいますた・・。ヤッホー!

ペップことグアルディオラを新監督に迎え、ロナウジーニョ&デコを放出し、フレブやダニエウ・アウベスなどを補強、そして文字通りメッシが顔になった新生バルサだったのだが・・・。何があったのでしょう。試合見てないんで分かんないけど。

Photo_4しかし、ヌマンシアはホームで大金星だね。オメデトウ。

でも次のレアル戦は大敗して下さいね。頼むから(笑)。

他は、昨シーズン大混乱に陥ったバレンシアがホームで3-0、アグエロが覚醒中のアトレティコは4-0の圧勝、ビジャレアルとセビージャはともにドロー発進ということで、まぁまぁ始まったばかりだけど、混戦リーガの幕開けといったところでしょうか。

しかし、最後に優勝するのはレアル・マドリーだぁっ!!

アッラ・マドリー♪   

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