夢のシネマパラダイス482番シアター:その昔、、エンタメの王道はミュージカルだったって本当?
オペラ座の怪人
出演:ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン、ミランダ・リチャードソン、ミニー・ドライヴァー
監督・脚本:ジョエル・シュマッカー
(2004年・米/英・143分)2005/02/08・MOVIX仙台
評価★★★☆/70点
内容:1870年代のパリ。プリマドンナの代役として新作オペラの主役に抜擢されたクリスティーヌと、幼なじみの青年貴族ラウル、怪人ファントムの哀しくも究極の愛。。不朽の名作ミュージカルを、舞台版の作曲者であるアンドリュー・ロイド・ウェバーが自らプロデューサーとなって映画化。
“オペラ座の最前列に座らせてくれはしたが、舞台の上にまでは断固として上がらせてくれない。”
クリスティーヌ(エミー・ロッサム)がキン肉マンの母親に似ていると思ったのはたしかだが、と同時に往年のMGMミュージカルに出てきてもおかしくない逸材だと思ったのもたしかだ。
どこかジュディ・ガーランドを偲ばせるクラシカルな雰囲気を醸し出していて、今の時代においてあまり見られない稀なタイプの女優さんだなとお見受けした。
映画自体も正統派ミュージカルに輪をかけた王道路線。
ゴージャスと喧噪のナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」、手ブレと夢のドキュメント「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、留置場の中の空想の舞台「シカゴ」と、21世紀仕様の新機軸を打ち出してきたこれらの作品に比すると、このオペラ座の怪人は、現実とミュージカル(空想)を分離させることなどせず、非常にオーソドックスかつ古典的なミュージカル―現実とミュージカルが連鎖してつながっている―として作られている。
オードリー・ヘプバーンの「マイ・フェアレディ」やら「ウエストサイド物語」なんかは個人的には好きなクチなので、こういうタイプのミュージカルにはほとんど抵抗がないし、しかも舞台がパリのオペラ座とこれまた古典的で、そういう古典的な要素が逆に新鮮に映った。
また、オペラ座の怪人自体も知っているようで知らなかったので、まぁせいぜいTRFの「masquerade♪」という曲でシャンデリアが落ちてきてどうのこうのする話だっけかと思い出すくらいで、じっくり見せるこの映画はオイラにはちょうど良かったかも。
ただ、個人的にミュージカル映画において、ミュージカルとドラマ性の両立というのは不可能とまではいかないまでも、はなっから信じていないというか期待しないようにしているので、いつも大体良くてこの点数が限度になってしまうわけで、この映画もその例に漏れずといったところ。
実は「シカゴ」のレビューで、王道ミュージカル=凡庸とはき捨ててしまったのだが、今回のオペラ座の怪人を観た後もその考えに変わりはない。
ホラーと孤独と苦悩と傷のお手軽内面描写4点セットを完備しているはずのファントムでさえ内面もへったくれもあったもんじゃない、、、、それくらい浅く凡庸なのだ。
ゆえにその中での評価のしどころはミュージカル部分の出来とその個人的な好みということになってしまうわけで、今回の作品は自分好みだったということ。
やはり「シカゴ」みたいに、いちいち現実とミュージカル部分を区切らずに、往年のミュージカル映画のごとく歌とストーリーを繋げる、歌がストーリーを引っ張る形にして流れを断ち切らせないやり方だったのもフツーに観れた要因なのかもしれない。
また舞台では出せない映画ならではのカメラワークと手の込んだセットが、一見すると狭苦しくなりそうなオペラ座に幅と奥行きを与えており、この点だけは固定カメラを据えるのが常道の往年のミュージカル映画とは一線を画していて良かったと思う。
しかしまぁ、とにかく歌の部分だけでも元は十分にとれるとは思う。
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雨に唄えば(1952年・アメリカ・102分)NHK-BS
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
出演:ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズ、ジーン・ヘイゲン
内容:映画がサイレントからトーキーに移行した頃のハリウッドを背景にしたMGMミュージカルの代表作。ハリウッドの中心的スターであるドンと、彼の相手役リーナは、周囲から結婚も間近と思われていたが、ドンはリーナの愚かさ加減と鳥のような悪声に愛想をつかしていた。ある夜、ファンの包囲から逃げたドンは行きずりの車に飛び込み、コーラスガールのキャシーと出会う。やがて、ドンとリーナの新作がトーキーで作られることになるが、鼻にかかったリーナの声が問題となり・・・。
評価★★★★★/100点
“ザッツ・エンターテインメント!!”
サイレントからトーキーへの移行という映画ファンにとってはたまらないハリウッドの歴史の変わり目と裏側を面白おかしい絶妙のドタバタ劇として味付けしたストーリー。
ステージ・ミュージカルの要素をスクリーンという平面に無駄なくかつふんだんに盛り込んだ群舞シーンの華麗なフォーメーションと、ジーン・ケリーやドナルド・オコナーの超絶技巧ぶりがものの見事に融合したスペクタクルと呼ぶにふさわしいダンス。
全ての曲を必聴スタンダードナンバーに選んでも誰も文句を言うはずがない音楽。
ストーリー、ダンス、音楽の上質なアンサンブルが全編見せ場の連続を演出し、カタルシスと心地良さがとめどなくあふれてくる。これほどまでに魅力的なミュージカル映画を自分は知らない。
悪声女優リーナの吹き替えをしたキャシー=デビー・レイノルズの歌声も実は吹き替えだったことや、水にミルクを混ぜた雨、キレやすかったジーン・ケリーの怒号の嵐、、、など映画の裏話も含めて興趣が尽きない作品だ。
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オリバー!(1968年・イギリス・146分)WOWOW
監督:キャロル・リード
出演:マーク・レスター、オリヴァー・リード、ロン・ムーディ、シャニ・ウォリス、ジャック・ワイルド
内容:チャールズ・ディケンズの「オリバー・ツイスト」を原作とする戯曲を基にした、名匠キャロル・リードのアカデミー作品賞、監督賞など5部門を受賞したミュージカル。19世紀のロンドン、生活苦にあえぐ貧しい社会に育った孤児のオリバーは、スリの少年たちのグループと知り合い彼らの仲間になった。ある日、オリバーはひょんなことから、ある紳士に引き取られることになるが・・・。
評価★★/45点
“フニャケちゃってこれ以上伸びない輪ゴムをさらにむやみに思いっきり伸ばしたような冗長さは一体何なの・・。”
オリバーの運命と行く末のドラマをじっくり堪能したいのに、まるでテレビCMのごとく執拗な嫌がらせのように差し挟まれるミュージカルに全くリズムをつかめず。。
ミュージカルがエンタメとして物語にメリハリをつけるとともに、人物の内面からほとばしる喜怒哀楽を表現することによって映画に奥行きと広がりを見せてくれるならともかく・・。
この作品はミュージカルでいきたいのか、人間ドラマでいきたいのか、そのバランスがとれていないというか不明瞭で、そのためミュージカルが幼稚園のお遊戯程度のものにしか見えなかった。
よって、人間ドラマを追っていきたかった自分にとってはこのミュージカルはまったくもって無用の長物としかとれない。
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アニー(1982年・アメリカ・127分)NHK-BS
監督:ジョン・ヒューストン
出演:アルバート・フィニー、アイリーン・クイン、キャロル・バーネット
内容:時は大恐慌吹き荒れる1930年代。孤児院暮らしのアニーは、いつか両親が迎えに来てくれると希望を捨てず明るく暮らす少女。ある日、大富豪のウォーバックスの秘書グレースが、ウォーバックスのイメージアップのために孤児の一人を豪邸に招待するため孤児院にやって来た。そこでアニーが目に留まり招待されることになり・・・。
評価★★★☆/70点
劇中、ウォーバックス(アルバート・フィニー)がアニーのために貸しきった映画館のミュージカルシーンで、“アメリカ映画は必ずハッピーエンドで終わるのよ”という歌詞があって印象的だったんだけど、それをそっくりそのまま体現したような映画。
ある意味なんでもかんでも通り一辺倒なハッピーエンドと揶揄されやすいアメリカ映画だけど、やっぱりこういう映画見るとアメリカ映画の底抜けのハッピーさというのはイイもんだなと思う。
また、リベラルな民主党員を描くのは得意なハリウッドが、コテコテの共和党員のハゲ親父をこれだけ円く描いちゃったというのもある意味画期的で、そう考えるとそこまで穏和にさせてしまうほどの天真爛漫なアニーの魅力ってやっぱりスゴイなと感じ入ってしまう。
小公女セーラのような陰惨さが入り込む余地がないからね、この娘ッコには。。
しかし、このいかついタコ入道ウォーバックスも実は凄いオッサンで、FBIはたまた大統領を電話一本で動かせちゃうんだから、いやぁ、これ以上ないリッチな里親を見つけることができて良かったよホントw。
個人的には怪しいインド人執事プンジャブがお気に入り。
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コーラス(2004年・フランス・97分)DVD
監督・脚本:クリストフ・バラティエ
出演:ジェラール・ジュニョ、ジャック・ぺラン、フランソワ・ベルレアン
内容:世界的指揮者のピエールは、友人から恩師が記した1冊の日記を手渡される。そこには、ピエールたち寄宿舎の問題児と、音楽教師マチューの心の交流が綴られていた・・・。
評価★★★/65点
純粋にいい映画だが、ストーリーの旋律に畳み掛けてくるような力強さがなく線が細い。初めから終わりまでずっと独奏(ソロ)というかんじで、決して合奏という類のものではないのが何か物足りなさを残す。
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天使にラブ・ソングを2(1993年・アメリカ・107分)NHK-BS
監督:ビル・デューク
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、キャシー・ナジミー、マギー・スミス、ローリン・ヒル
内容:歌う尼さんコメディの第2弾。ウーピー演じるドロレスはショービズ界に戻っていたが、スラム街の高校生を歌で更正させるべく聖職に復帰するが・・・。
評価★★★/60点
Let’s enjoy the Music!で万事OK。
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