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2008年8月10日 (日)

夢のシネマパラダイス480番シアター:パッチギ!

00000592857l 出演:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、揚原京子、尾上寛之、真木よう子、小出恵介、オダギリジョー

監督:井筒和幸

(2004年・日本・119分)2005/02/02・仙台フォーラム

評価★★★★/80点

内容:1968年、京都。府立東校2年生の松山康介はある日、担任から常日頃争いの絶えない朝鮮高校へ親善サッカーの試合を申し込みに行くように言われる。親友の紀男と一緒に恐る恐る訪れた康介は、音楽室でフルートを吹くキョンジャという女生徒に一目惚れしてしまう。が、彼女の兄貴が朝鮮校の番長アンソンであることを知ってしまい・・・。

“押忍押忍押忍押忍押忍メスッ!オスッ!押忍っ、やっっしぃ、、、落ち着け。。日本が鬼畜米英に負けたんもABCD包囲網ぅぉ!ABCD、、、分かるか?押忍!”

A:アンソン男前ちゃうねん我ぇ!これはなあ、アリラン統一戦線との鴨川最終決戦は引き分けでお開きやぁっ!戦争をもって戦争に反対するんはこのことじゃぁ!っちゅう意味や。

押忍っ!

来週土曜、また再戦じゃあっ!押忍っ!!

B:ビー玉は消化できねえんだよ!口から出すのはいいが、ケツから出すなぁカスぅ!

押忍押忍っ!

C:静岡でもなければCHINAのけざわひがしでもないっ!男たる者、愛する人の出産には必ず立ち会えいっ!

押忍押忍押忍っ!

よそ見すなぁ、カス!

押忍!

D:どんな理由があろうとなぁ、歌ったらいけねえ歌なんかこの銀河系のどこ探したってそんなものはどこにもねぇんだっ!

やっっしっ、、、分かったなっ。

押忍押忍押忍押忍っ!

ようし、、パッチギ包囲網で日本映画界を一網打尽じゃ!

押忍!

               ・

               ・

さて、本題。おいおい・・

淀川のシジミも土手の野草も食べたことはないし、在日朝鮮の人たちの苦しみも20代のオイラにとっては本当のところまではよく分からない。

しかし、この映画を観て何か凄い力を感じたことは確かなのだ。

それは国境すらも越えてしまう歌の力であり、愛の力であり、どんなことにも立ち向かって突き破る前向きの力であり、相手をブチのめす力であり、一致団結する力であるわけで、それがこの映画の力となって結集される。

その激流にオイラは一気に押し流されてしまった。

ただ、この激流があまりにも強すぎて、対岸までたどり着くことがとうとう出来なかったのは少々無念。。

この映画のもつ真のメッセージを掴み取ることができずに、ただただ流されてしまった。

あれだけ暴力に彩られた今作において、日本人と朝鮮人が今までのことを全部お開きにして仲良くしましょという単純なメッセージでないことは確かなわけで、その先にあるものを掴むことができなかった。

しかし、確かな手ごたえがあったのもたしかで、、、。そうだなぁ、これから先、自分が生きていく中で見つけていきますか。

ま、ええもん見させてもらいましたわ。

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パッチギ!LOVE&PEACE(2007年・日本・127分)WOWOW

 監督:井筒和幸

 出演:井坂俊哉、中村ゆり、西島秀俊、藤井隆、風間杜夫、キムラ緑子

 内容:1974年、アンソンは病気を患った息子チャンスのために京都から東京へ引っ越してきた。そしてある日、駅のホームで大乱闘しているところを気のいい国鉄職員の佐藤に助けられ、以来2人は家族ぐるみで親しくなっていく。一方、芸能プロダクションからスカウトを受けた妹のキョンジャは、苦しい家計を助けるため芸能界入りを決意。トントン拍子で売れていく彼女だったが、ある時、自分のルーツとは相容れない特攻隊礼賛映画のヒロイン役を与えられ・・・。

評価★★★★/75点

“この凄まじい入れ込み具合とハイテンションはいったい何なんだ(笑)。。。”

前作は日本人の17歳の男子高校生が在日朝鮮の女子高生に恋心を抱いたことによる日本人と在日の心の交流と、無軌道な若者たちによる頭突きと血の交流を怒涛のごときアツさで描ききった青春群像劇だったが、青春のほとばしる若き血潮とおさえきれないエネルギーが国境という深い河を軽々と越えさせ、社会的差別の壁を簡単にブチ破ってしまうようなポジティブな大きな力として迫ってきた。

一方、今回は、「なんで朝鮮人に生まれてきたん、朝鮮人なんかに生まれてきたくなかった。」と言うキョンジャの言葉に言い表わされるように、社会的差別という障害の壁をどうやっても越えることができない在日の苛酷な現実をとことん在日側の視点で描いていく。

前作の高校時代から6年経ち、社会人になって社会の荒波を直に受けるということなのかもしれないが、しかしその描写がド真ん中のストレートでなおかつステレオタイプなので説教臭くもあり、西島秀俊の変貌ぶりなどはあまりにも露骨でやや辟易してしまう。

しかも井筒監督の凄まじいまでの入れ込み具合とハイテンションだけが一人歩きしている感も否めず、言いたいことが山ほどある中でとにかくそれらを全部ぶっ込んだかんじで、映画の完成度としてはイマイチ低いといわざるを得ないと思う。

ただ、沢尻エリカに代わってキョンジャ役を担った中村ゆりが予想外の好演だったことと、監督の有無を言わせぬアツさにほだされて評価は甘めになってしまいますた・・・。

クライマックスのキョンジャの舞台あいさつシーンも心に残ったし。

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