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2008年8月 7日 (木)

夢のシネマパラダイス476番シアター:「Uボート」に挑むもすべて轟沈・・・!?

Uボート

Uf_d 出演:ユルゲン・プロホノフ、ヘルベルト・グレーネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン

監督・脚本:ヴォルフガング・ペーターゼン

(1981年・ドイツ・209分・ディレクターズカット版)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの誇る潜水艦Uボートに乗り込んだ従軍記者の手記をもとに、巨費を投じて製作された戦争スペクタクル。1941年、22歳の報道記者ヴァーナーは、ナチスが占領しているフランスの港町ラ・ロシェルで、潜水艦U-96に乗り込んだ。30歳の艦長以下、潜水艦の乗組員たちはほとんどが20代前半の若者たちだった。やがて嵐が続き、乗組員たちが無為な日々に苛立ち始めた頃、U-96は敵の駆逐艦の爆撃に遭い、度重なる攻撃のため艦内は酸素不足に陥る・・・。

“海洋版「地獄の黙示録」”

最新のVFXやCG映像を駆使した今の映画と比べると、アナログ全開なのは一目瞭然。

しかし、極限状況下の生々しい人間ドラマに焦点を当てている本作にあっては、そのことが逆にデジタルとは程遠い人間味や人間臭さを生み出し、かつ強調することに大いに役立っている。

そして技術的制約の下でできる最大限の映画的演出に徹底してこだわっているのもこの映画を印象深いものにしている。

特に徹底しているのが、閉鎖された潜水艦内の様子を延々と強調して描写していることで、例えば敵軍との壮絶な戦いでも今、潜水艦がどのような状況になっているのかという客観的な俯瞰シーンを極力排除して、そのかわりに徹底して潜水艦内の緊迫した様子と、“音”と“耳”しか状況把握ができない中で、極限状況に心身を削られていく乗員たちの死線の境を彷徨う姿を捉えつづけるばかりなのだ。

疲弊しきり、人間性を喪失していく乗員たちの表情と姿が、コッポラの「地獄の黙示録」に出てくるジャングルの奥地に潜むイカレた兵士たちのゾンビのような姿とダブって見えるのが象徴的だが、観ているこちらまで疲弊しきってしまうところがある意味この映画のスゴイところ。

そして、ラストの思わずガックリくるような皮肉極まりないオチに完全にグッタリ・・・。

ようするに、言いたかったことは、、、長っげぇんだよ(笑)!!

いやはや潜水艦映画とは本来こうあるべきだという見本ですな。。

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ローレライ

Blog20050320出演:役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、石黒賢、堤真一

監督:樋口真嗣

(2005年・東宝・128分)2005/03/16・仙台第1東宝

評価★★☆/50点

内容:1945年8月、広島に原爆が投下され、いよいよ窮地に立たされた日本軍は、ドイツから極秘裏に接収した戦利潜水艦<伊507>に最後の望みを託す。特殊兵器ローレライを搭載する伊507は、第2第3の原爆投下を阻止するため、原爆搭載機の発進基地テニアン島の奇襲作戦の任務を受け、絹見少佐をはじめとする70名余りの乗員を乗せて敵地に向かうのだが・・・。

“電車男ならぬバス男ならぬ潜水艦男の果てなる妄想・・・”

何の前知識もなしで観たのが、かえってアダになったかんじ。

ポスターの絵づらをパッと見たときは男と男の闘いだぁっと思い込んでしまったのだが。しかし、このポスター、よ~く見たら妻夫木くんとギバちゃんの間に小ちゃくおるやんけ、アキバ系コスプレ女が。気付けよ自分。。

妄想ゲームばりの世界観にはなかなか入っていけなかったし、例えばパウラが初めて甲板に上がるシーンにおける大海原と大空のなんとちっぽけで安っぽい絵よ。

ここのシーン見て、ああ、こりゃダメだわオイラには、と確信してしまった。自分の中で「ローレライ」という世界が広がっていかないのだから。。

そんなシーンのオンパレードで挙げたらきりがないが、さすがに佐藤隆太くんが手を挟めてあの世行きには、、、笑っていいんですよね?あれって。。

まだ韓国映画の方が1枚も2枚も上手だな、このジャンルは。

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亡国のイージス

Aegiss 出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩一、中井貴一、勝地涼、チェ・ミンソ

監督:阪本順治

(2005年・松竹・127分)DVD

評価★★/40点

内容:ある日、東京湾沖で訓練航海中の海上自衛隊イージス艦いそかぜが乗っ取られた。それは副長の宮津と某国対日工作員ヨンファが共謀して実行したものだった。さらに宮津は、政府に対し、毒ガス兵器“グッソー”を搭載した全ミサイルの照準を東京に合わせたことを宣言する。政府が対応に手間取る中、艦の構造を熟知している先任伍長の仙石が艦の奪還に向かうのだが・・・。

“最凶の八つ当たり!!”

宮津の配役に寺尾聰という時点で何か嫌な予感はしたが、案の定やはり単なる良い人に落ち着いてしまった。

しかし、それだからこそ宮津の国家への反逆が、息子を謀殺された(かもしれない)ことへのプッツン切れた復讐心にしか見えないのが痛すぎる。

最凶の八つ当たりだ。

軍隊を持てば平和が訪れる、、、歴史上そのような国が真の平和を実現させたことなどいまだかつて無いわけだが、今回の映画で描かれたように、私怨で軍隊をいいように使われたもんなら、たまったもんじゃない。

この映画を観るかぎりにおいては、産経新聞の期待通りにはどうやら自分は添えそうもない。

軍隊は無い方がいい。

しかし、士官をはじめとする乗員たちも、よく宮津について行こうと決心がついたものだ。。毅然とした意思統一と彼ら全員に命もあるいは故郷さえも捨てさせるには、人間的魅力の他に確固とした共通の実現可能な大目的が必要なはずなのだが、この映画では「宮津学校」というそれらしい単語は出てくるものの、やはり宮津の人間的魅力、、、いや、寺尾聰のいい人ぶりを拠り所としているに過ぎない、としか見れない。

その土台の弱さを某国工作員ヨンファ(中井貴一)が一身に背負って孤軍奮闘しているのがまたなんとも痛々しく見えてしかたないのだ。。

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出口のない海

20060917212913 出演:市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、三浦友和、塩谷瞬、柏原収史

監督:佐々部清

(2006年・松竹・121分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:1945年4月、敗戦濃厚の日本は、定員1名で脱出装置なしの人間魚雷“回天”に戦況挽回の望みをつないでいた。甲子園優勝投手で明治大学に進んだ後、海軍士官学校に入隊した並木浩二(市川海老蔵)は、陸上部の北(伊勢谷友介)らと回天に乗り込むことを志願することになるのだった・・・。横山秀夫の同名小説を原作に、山田洋次らが脚本を担当して映画化。

“佑ちゃんフィーバーから遡ること60数年前にあった現実に暫し絶句・・・。”

今、東京六大学野球がアツい。

いわずとしれた甲子園の優勝投手で早稲田の斉藤佑樹投手こと佑ちゃんフィーバーに沸いているからだが、そのおかげで神宮球場も大いに盛り上がっている。

しかし、今から60数年前、同じ甲子園の優勝投手が馬鹿げた戦争に駆り出されたあげく、敵艦にもろとも体当たりするという未来への希望も夢も脱出口さえ閉ざされた、人を小バカにしたような人間魚雷として儚き命を散らさなければならなかった現実と、その時代に思わず涙してしまった。

映画としてやや一本調子に過ぎた淡白さと冒険心の無さは気になったし、まるで記録映画のようなかんじで、“情”の大御所・山田洋次が一枚かんでいるせいか映画として優しすぎる面も否めず。

しかし、それでも真剣かつ真摯な語り口がラストの現代の神宮球場と山口・大津島の絵にしっかりと繋がりをもたせていて、心に日本人が忘れかけ風化しようとしている、トゲが突き刺さったような感覚が押し迫ってきた。

自分自身、神風特攻隊は多少の知識はあっても、回天についてはほとんど何も知らなかったので、過剰さを排したこのような演出に徹して、結果良かったのかもしれない。

とにかくあれだな。今の世の中、気だるい平和だとか金で買った平和だとかぬかす輩もいるけど、国民をバカにしたようなホントにバッカバカしい惨めで無意味な戦争するよりはマシやろ。

バカバカしい戦争するよりは、バカバカしく平和平和と叫んでる方がまだ許せる。そんな思いを強くした。

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クリムゾン・タイド(1995年・アメリカ・116分)盛岡ピカデリー

 監督:トニー・スコット

 出演:デンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマン、ヴィゴ・モーテンセン

 内容:ロシアの反乱軍がシベリアの核基地を占拠する事件が発生。核攻撃の危機にさらされた米軍は、原子力潜水艦アラバマに出撃命令を下す。しかし、艦長と副艦長が、核に対する思想の違いから対立。やがてそれは艦内を二分する内乱へと発展していく・・・。

評価★★★★/80点

今これ映画にしたら反乱軍はロシアじゃなくて北朝鮮になるんだろうか。作戦名「半島を出よ」とかって。。

ロシアの反乱軍がアメリカと日本にミサイルをぶっ放すっつーんだから、はた迷惑極まりない話なのだけど、アメリカ様が守ってくれるからいいのかな・・・おいおい。。

しかし、この映画、フィクションとも言い切れないところがちょっと怖い。艦長、副艦長両者とも正しい行動をしているといえるのだから。

人間プッツン切れると何しでかすか分からんからなぁ。。それゆえ、ラスト、男と男の友情として話が帰結してしまうという安易な終わり方には疑問を感じてしまう。

・・・あ、ジェリー・ブラッカイマー製作なのか。じゃ、納得だ(笑)。

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深く静かに潜航せよ(1958年・アメリカ・93分)NHK-BS

 監督:ロバート・ワイズ

 出演:クラーク・ゲーブル、バート・ランカスター、ジャック・ウォーデン、ブラッド・デクスター

 内容:日本軍の駆逐艦アキカゼに艦を撃沈されたリチャードソン中佐は、新たな艦を与えられた。彼は、アキカゼへの復讐戦を挑もうと豊後水道に向かうが、副艦長のブラッドソーたちはリチャードソンに猛反発する・・・。

評価★★★/60点

いっぱしの骨太感と迫力に満ちているのは、おなじみの潜水艦映画といったかんじだが、決定的に“恐怖”というものに欠けている。

「Uボート」以前と以後の違いを如実に体感。

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