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2008年8月31日 (日)

20世紀少年再読:解けない謎・・

昨年2007年10月から11ヶ月かけて漫画20世紀少年を全巻すみずみまで読み直してきたこの一大企画(笑)、20世紀少年再読。

とにかく1巻1巻の構成が過去・現在・未来を行ったり来たりするので、分かりやすく整理してまとめるのが大変で、逆に浦沢直樹の凄さを実感した次第です。正直今はこの企画から解放された安堵感と達成感で一杯っス。

最終巻で、フクベエに成り代わった新“ともだち”はカツマタ君だったという、自分の記憶の片隅にさえ残っていない人物だったことから始めた20世紀少年再読ですが、一生懸命読み直しても結局解けない謎は残ってしまいました・・・。それを箇条書きしてみます。

謎①1971年(小6)、理科室の水槽の電源を入れ忘れたモンちゃんが、ケロヨン、コンチ、ドンキーを引き連れて夜中に学校に行く。

そして、一人入って行ったドンキーがそこでフクベエの首吊りを見るわけだが(第14巻)、第1巻では校庭に入っていくコマで5人のシルエットが描かれているのだが、この5人目の人物はいったい誰だったのか?

→カツマタ君というのが最も合理的なのだが。。

*関連巻:1巻・14巻・16巻

謎②同じくこの理科室のシーンで、ドンキーが窓から飛び降りた後、フクベエの首吊りトリックの仕掛けが外れてしまう(第16巻)のだが、この後の詳しい描写がない。

果たしてその場にいたヤマネとナショナルキッドの少年(この人物が誰だったのかも謎だが、カツマタ君だと思う)はどう対処したのか?フクベエが隠したかったこの時の真実とは?

→まず、カツマタ君が“死んだ”日=存在を消された日は1970年の夏休みに、駄菓子屋ジジババで宇宙特捜隊のバッヂの万引き犯人扱いされ、フクベエに「おまえは今日で死にました。」と言われた日(21世紀少年上巻)。

この理科室事件はそれからほぼ1年後に起こっている。フクベエに恨みを持っていたカツマタ君はこの時とばかり、フクベエに復讐をしようとして飛びかかったか何かしたのではないかor意識を失ったフクベエを蘇生させ、フクベエとの力関係を対等に持っていった、あるいは逆転させた!?

*関連巻:14巻・16巻

謎③第16巻の謎。

新“ともだち”カツマタ君がヴァーチャルアトラクション(VA)の記憶をインストールしているが、この時のVAでの1969年~1971年までの記憶が基本的にフクベエ視点になっているのはなぜか?そして時おり出てくるのっぺらぼうは何なのか?

→のっぺらぼう=カツマタ君だと思うのだが、となるとどこかしこにカツマタ君視点が混在している可能性があり、ますますわけが分からなくなってきてしまう・・・

謎④秘密基地のある原っぱがボウリング場建設(建てたのは神様)で取り壊されることになり、タイムカプセル(カンカラ)を埋める(1970年の秋ごろ)が、その場面に11人いることが確認できる(第1巻)。

21世紀少年上巻から、ケンヂ・マルオ・ヨシツネ・オッチョ・モンちゃん・ケロヨン・コンチ・ユキジ・ドンキーの9人は確定できる。では残りの2人は誰だったのか?

→21世紀少年下巻から、カンカラに木製のリモコンを入れた人物=カツマタ君の可能性が高いのではないだろうか。残りの1人はフクベエなのか・・・なぁ。

*関連巻:1巻・21世紀少年上下巻

謎⑤フクベエとサダキヨが秘密基地で出会った年が1年ズレているのはなぜか?

第10巻のサダキヨの回想では1970年で、これはサダキヨが転校してきた年なので辻褄が合う。しかし、第16巻のVA内では1969年になっている・・。

→16巻のVA内での出来事は、先に指摘したようにカツマタ君視点が混在している可能性があるので、かなり信憑性は下がるとは思うのだが、しかし、10巻のシーンでは2人とも顔が描かれていないのに対し、16巻のこのシーンのコマにはしっかりとフクベエとサダキヨの顔が描かれているのがなんとも・・・イジワル(笑)。。

ただ、突っ込んだ推理をすれば、この第10巻のサダキヨが出会った少年はフクベエと読者にすり込ませるミスリードで、この人物は実はカツマタ君だったのかも。すなわち、サダキヨが秘密基地で出会ったのはフクベエではなくカツマタ君だった!?

一方、1969年の方は、フクベエとカツマタ君が出会ったシーン、、と強引にこじつけてみる・・。う~ん・・・・(笑)。

*関連巻:10巻・16巻

謎⑥1970年8月29日、首吊り坂の屋敷のお化け事件で、テルテル坊主のシーツの中にいる2人の少年の会話が微妙に違うのはなぜか?

第8巻の小泉響子が入ったVA内(1970年の出来事なのにこのVAは1971年と1年意図的にズラされている)では、右側の少年(サダキヨ)と左側の少年(フクベエ?)は対等に話している。一方、第16巻のVA内(年代のズレはない)の方ではフクベエが一方的に命令口調で話している。

→分かりません。

*関連巻:8巻・9巻・16巻

こんなとこでしょうか。。分かんねぇ~~・・。

他にも、例えば謎⑤でサダキヨが出会ったのがカツマタ君だった可能性が真実だとするならば、21世紀少年上巻でのサダキヨとカツマタ君の会話(サダキヨが転校を伝えるシーン)からしても、サダキヨにとっての“ともだち”は最初からカツマタ君だった可能性があることなど、深読みすればいくらでも答えが出てきてしまう・・・。

また、新“ともだち”カツマタ君と旧“ともだち”フクベエの関係というのもイマイチ分からんし。

はぁ~あ。

もうこうなったら、最後の手段。いいようにこじつけてやる(笑)!

そのこじつけは、考えがまとまったら載せたいと思います。今は無理ポ・・。ガクッ。

2008年8月29日 (金)

20世紀少年再読:年表

一応1巻~最終巻までで分かりうるかぎりの年表を作ってみちゃったり。。

1959年・・・・ケンヂ生まれる

1967年(小2)

   ・初めて姉キリコに連れられて喫茶店「さんふらんしすこ」に入る。この喫茶店の隣にあったのがスナック「ロンドン」。1997年、最初に謎のウイルス感染が起こった所がサンフランシスコとロンドンだった・・。

1968年(小3)

   ・“私は死にました”と10回言うと生き返る遊び(ケロヨン考案?)が流行る。蛙帝国の逆襲。

1969年(小4)

   ・秘密基地完成(オッチョ、ケンヂ、ヨシツネ、マルオ)

   ・ケンヂによって“よげんの書”完成

   ・秘密基地でフクベエとサダキヨ出会う。*ただしヴァーチャルアトラクション内・第16巻(サダキヨの回想だと1970年)

   ・7月20日・・アポロ11号月面着陸

   ・しんよげんの書がヤマネによって作られる。

   ・夏の終りにヤン坊マー坊に秘密基地を壊される。

1970年(小5)

   ・一学期、サダキヨ転校してくる

   ・秘密基地でフクベエとサダキヨ出会う。

         (*サダキヨの回想・第10巻)

   ・夏休み中、大阪万国博覧会

   ・ナショナルキッドの少年=カツマタ君が、駄菓子屋ジジババで宇宙特捜隊のバッヂを万引きしたとババァに犯人扱いされる(本当の犯人はケンヂ)。それを見たフクベエが「おまえは今日で死にました。」と嘲る。→カツマタ君がその存在を消された(死んだ)日!?

   ・この後、この万引き事件は瞬く間に広まり、ナショナルキッドの

    少年が道端で同級生にボコボコにされている。

   ・8月29日深夜1時頃・・首吊り坂の屋敷事件

   ・サダキヨ、一学期終了後、夏休みが終わる前に転校していく。

   ・秋。イカサマ露天商のチャック万丈目と出会うフクベエ。

   ・ボウリング場建設のため立ち入り禁止になった秘密基地の原

    っぱにケンヂたちがタイムカプセルを埋める。

   ・フクベエと山根が理科室でしんよげんの書のウイルス計画について話していると、ナショナルキッドの少年(フクベエらはサダキヨと言う)が入ってきて、仲間に入れてもらう。(ただし、1971年の冬~春先の可能性もあり)

1971年(小6)

   ・春あたり・・スプーン曲げ事件

   ・夏休みには既にボウリング場が営業しており、秘密基地は取

    り壊されている。

   ・8月31日・・万丈目からオレと組まないかと言われたフクベエ

   (山根・ナショナルキッドの少年もいる)は名刺を渡される。

   ・8月31日・・理科室お化け事件

   ・小学校卒業

1972年(中1)

   ・TV番組「万国ちびっこビックリショー」にスプーン曲げの少年が出演するが、インチキだと判明し、打ち切りになる。その少年をテレビ局に紹介したのはチャック万丈目。(1972年の出来事だが、4月以前だとまだ小学校卒業前の小6ということになる)

   ・ケンヂ、4千円のクラシックギターを買う。

1973年(中2)

   ・ケンヂ、第4中学校に初めてロック(T-REXの20センチュリ

   ーボーイ♪)を鳴り響かせる!

   ・同日、ナショナルキッドの少年=カツマタ君が屋上から飛び降

    り自殺を図ろうとするが、ケンヂが鳴り響かせた曲を聴いて思

    いとどまる。

1979年(大学2年)・・・ケンヂ、ギタリストくずれ

1980年・・・・万丈目の事務所に、ハットリと名乗る青年が現れ、例の計画を実行しようともちかける。

1989年・・・キリコの恋人、諸星を線路に突き落として死なせたロンゲ男(高校生)とケンヂが出くわす。

1994年(ケンヂ35歳)・・・・姉キリコの恋人、諸星が駅のホームから突き落とされて死亡。

1995年・・・・鳴浜町で全身から血が吹き出る謎の病気が発生するが、“ともだち”が経営する鳴浜病院に勤めていたキリコがワクチンを使って沈静化。鳴浜町は来たる血の大みそかに向けての実験場だったと思われる。

1997年(38歳)

   ・カンナ生まれるが、母親であるキリコはカンナをケンヂに預け

    て失踪してしまう。

   ・ドンキー死亡。

   ・チョーさん、ともだちの正体を突き止めた矢先に同僚のヤマさ

    んに殺害される。

   ・サンフランシスコ、ロンドンで謎の病原体発生。細菌テロ。

   ・9月19日・・第169回ともだちコンサートでケンヂ、ともだちと

           対面。

   ・“ともだち”のロボット会議(娘を人質にとられた敷島教授が同

    席)で原子力ロボットを作ることが決定される。

   ・クラス会でフクベエ(=ともだち)と再会するケンヂはクラス会後、フクベエをマンション(606号室)まで送っていき、3人の子供にケンチャンライスをご馳走してあげる(3巻)。しかし、後に(2015年)、マルオはフクベエがこの部屋の住人ではないことをつきとめる(12巻)。

   ・羽田空港爆破。

   ・ケンヂの家兼コンビニ(キングマート)が放火されて全焼。

2000年(41歳)

   ・12月21日・・国会議事堂爆破事件

   ・12月31日・・世界同時多発テロ、血の大みそか。テロリスト集団ケンヂ一派(ケンヂ、オッチョ、ヨシツネ、マルオ、ユキジ、モンちゃん、フクベエ)が引き起こしたこととされる。

   ・フクベエ、ビルから転落して死亡。(もちろん替え玉)

2001年・・・・NY国連本部で世界を救ったとして盛大に迎えられる友民党幹部たち

2002年

   ・病魔に冒されたモンちゃん、病床でしんよげんの書のコピーをユキジに見せる。その後、病院から姿を消したモンちゃんはサダキヨに会いに行き、ともだちの正体に関する証言を聞きだすが、サダキヨに殺害される。

   ・夏、キリコが廃墟となった鳴浜病院にやって来て何かを捜して

    いた。

2003年

   ・ヤマネの研究室(大福堂製薬)をキリコが訪れる。

2014年 

   ・都立新大久保高校に通っているカンナは常盤荘というオンボロ

    アパートで一人で暮らしている。

   ・海ほたる刑務所からオッチョ、漫画家の角田が脱獄。その後

    ヤマネの居所を捜し出す。

   ・神永球太郎こと神さま、日本人初の民間宇宙観光旅行

   ・カンナの同級生の小泉響子、ともだちランドでヴァーチャルアト

    ラクションを体験。

   ・カンナ、ローマ法王暗殺を阻止するために、新宿歌舞伎町のタ

    イマフィアと中国マフィアの歴史的和解を仲介する。

   ・小泉響子、カンナのクラスの新担任サダキヨの顔がヴァーチャルアトラクションで見てしまったともだちの顔そのままだったことに失神。その後、サダキヨの車に乗せられ、ともだちの家へ(ともだち博物館)。そして当時の担任、関口先生のいる老人施設へ。

   ・カンナ、校長先生から“ともだち”が父親であることを告げられ

    る。

   ・カンナ、鳴浜町で母親キリコの足跡をたどり、キリコが映ったフ

    ィルムを見る。

   ・12月28日・・西アフリカで全身から血が吹き出す伝染病発生

2015年

   ・元日・・ともだち=フクベエであることをつきとめるヨシツネや

    マルオ

   ・元日の夜・・ともだち=フクベエ、ヤマネに拳銃で撃たれて心

    配停止状態に陥る。ヤマネもともだちの部下に射殺される。

   ・世界各地でウイルス感染による大量の死者が発生

   ・感染症被害の出た世田谷区と、北海道・室別町が封鎖。

   ・ローマ法王来日。

   ・万博開会式セレモニーで“ともだち”生き返り、ローマ法王暗殺

    を身を挺して救う。

   ・1週間後、ともだちは完全復活を遂げる。

   ・アメリカ、ミシガン湖畔のMGC製薬の工場が爆発。そこにいた

    キリコをケロヨンが救出する。

   ・世界各地で、防毒マスクにスーツ姿のセールスマンが最凶

    ウイルスを散布する。

ともだち暦3年

   ・サナエ、カツオ姉弟のもとでオッチョがかくまわれる。

   ・各地でラジオからケンヂの歌がかすかに流れてくるようにな

    る(DJコンチが北海道から発信している)。

   ・オッチョ、カンナと再会。8月20日の武装蜂起を事前に察知され、2人は万丈目のもとに連行されるが、万丈目から“ともだち”を殺してほしいと依頼される。それは、今の“ともだち”は別人だからだと万丈目は言う。

   ・北方の検問所に矢吹丈と名乗る宇宙人=ケンヂが現れ、検問を突破して警備に当たっていた蝶野とともに東京へ向かう。

   ・東村山のケロヨンの秘密基地“カエル帝国”でキリコが最終ウイルスのワクチン生成に成功する。

   ・“ともだち”府に乗り込むカンナ、オッチョ、ユキジ。カンナは“ともだち”と対面。オッチョ・ユキジはマー坊に助け出される。カンナも脱出に成功。

   ・万丈目が高須に殺害される。

   ・壁の中の東京に空飛ぶ円盤が現れる。

   ・“ともだち”がテレビで、「予言なんてウソで、全部自分がやったことだ。1週間でこの世界を終わりにします。」と宣言する。

   ・“ともだち”府がヨシツネに率いられたゲンジ一派や都民らによって無血開城、占拠される。

   ・“ともだち”がリモコンで敷島教授が作り直したロボットを動かし、小学校の校庭でついにケンヂと対峙。

   ・空飛ぶ円盤が3機とも撃墜される(2機はオッチョが撃ち落し、1機は田村マサオがヘリで激突)。その残骸に押しつぶされて、“ともだち”死亡。サダキヨ重傷を負う。

   ・万博会場で史上最大のロック・フェス開催

   ・日本に国連軍が進駐してくる。

   ・万博会場の太陽の塔の内部に反陽子爆弾と思われる巨大風船が浮いているのが見つかる。

   ・ケンヂ、国連軍の要請で反陽子爆弾について調べるため、ヴァーチャルアトラクションに潜入する。

   ・常盤荘の前で停止していたロボットが、反陽子爆弾のスイッチを踏みつけようと動き出すが、現実世界に帰還したケンヂが乗り込み横転させる。

   ・ケンヂ、やり残したことをやるために(転校していくサダキヨときちんとお別れすること及びバッヂを盗んだことをババァとカツマタ君に謝ること)、再びヴァーチャルアトラクションに入る。

   ・危篤状態に陥っていたサダキヨが、カンナやヨシツネらに見守られながら病院で亡くなる。

   ・国連総会にヨシツネらが招かれ、人類を未曾有の危機から救ったとして、ローマ法皇から祝福される。

   ・オッチョはタイに、カンナと蝶野将平はアフリカで救済活動を続けるキリコに会いに行く。

   ・ケンヂ、、ユキジにプロポーズ!

   ・ケンヂ、ベースのビリー、ドラムのチャーリー(春波夫)3人組バンドが世界ツアーに出発!?          

2008年8月28日 (木)

20世紀少年再読:21世紀少年下巻

つ、ついに最終巻まできました。。映画公開日前に間に合ったどーー!!

ヴァーチャルアトラクション(VA)内、、、(1970年、夏)

大人のケンヂが道を歩いていると、ナショナルキッドの少年が同級生に踏みつけられいじめられている。

「やっぱ犯罪者は死刑だよな。」と、すでに駄菓子屋ジジババでバッヂを万引きしたということが広まっている(実際に万引きしたのはケンヂ)。

それを大人のケンヂが止めに入り退散させる。

ケンヂ「大丈夫か?おまえ、サダキヨか?それとももう一人の方の、、ともだちか?あのさ、、おまえ反陽子ばくだんって知ってるか?」

ナショナルキッドの少年「ククク、、、まだ早いよ。ここのルールが分かってない。やんなきゃいけないこと他にあるんじゃないの?ケーーンヂくーん。」

とお面をとった少年の顔は、のっぺらぼう・・・。「バハハーーイ」と走り去っていく。

「現実のようで現実じゃねえ、、、ここにはここのルールと辻褄があるってか、、どうすりゃいいんだ・・・」と途方にくれるケンヂ。

しかし、現実世界で、危篤状態のサダキヨの思念から反陽子ばくだんのリモコンの隠し場所が原っぱの秘密基地の中にあることを読み取ったカンナは、VA内のケンヂ少年の夢の中にテレパシーでそのことを伝えることに成功。

ケンヂ少年からそのことを聞いた大人のケンヂはさっそく秘密基地へ。

すると“反陽子ばくだんのリモコンはカンカラの中”と書かれたメモ用紙が。。しかし、秘密基地の中にはなくて、基地を出るケンヂ、、、と思いきや、なぜか1年後(1971年)、神様が建てたボウリング場(ガッツボウル)のレーンに出てしまうのだった・・・。

そこでケンヂ少年とモンちゃんと出くわした大人のケンヂは、ボウリング場建設前にカンカラ(タイムカプセルの缶)を埋めたことを思い出し(第1巻)、掘り返してみる。

するとカンカラの中には木製のリモコンが入っていて、“本物はテーマパークの秘密基地の中“とマジックで書かれている・・・。

それが、現実世界で“ともだち”が造ったケンヂたちの住んでいた昭和の町を復元したテーマパークであると分かったケンヂ。

オバケ万丈目が出てきて、その事実を現実世界のカンナに思念で伝え、万丈目はそのまま昇天し消えていく・・。

しかし、“反陽子ばくだんで世界は滅びるだろう”という文面のさらに先に、“巨大ロボットが秘密基地を踏みつぶしたとき、スイッチが押され、地球は大爆発”とあるのを見つけたケンヂ、、、「行っちゃだめだカンナ!!」

                 ・

                 ・

ケンヂはヘッドディスプレイを無理やり取って血ヘドを吐きながら強制的にVA内から離脱。速攻でテーマパークへ向かう。

が、万丈目からメッセージを受け取ったカンナはユキジとともにその場所へ一足早く向かっていた。そして復元されている秘密基地の地面の下にどでかいスイッチが埋め込まれているのを見つける。

一方、その頃、常盤荘の前で停止したままだったロボットが突然動き出し(敷島教授の娘がリモコンで動かしている)、テーマパークの秘密基地の方へ・・・。

ケンヂはロボットに乗り込み、なんとかロボットを横転させることに成功する。

さらにユキジは敷島教授の娘からリモコンを奪い返すことに成功。

地球と人類は救われる!!!

                 ・

                 ・

一件落着、、、かと思われたが、ケンヂはやり残したことを、やるべきことをやってくるために再びVA内に入る。「俺、まだやんなきゃいけないことがあるんだ。」

再びVA内、、、1970年、夏、、、

大人のケンヂはケンヂ少年を、サダキヨのところに連れて行く。引っ越していく間際のサダキヨ。。

ケンヂ少年「あれ?引っ越しちゃうのか?向こう着いたら手紙くれよな。サダキヨ。」

サダキヨ「あ、あのさ、、僕たち、友達・・・・・」

大人のケンヂ「サダキヨ、、、おまえ、もうお面とれよ。」

はにかみながらお面をとるサダキヨとケンヂは笑顔で別れる。

「じゃあな!手紙くれよ。」「うん、絶対!じゃあね、またね!!」

時を同じくして、現実世界で危篤状態に陥っていたサダキヨは穏やかな表情で息をひきとるのだった。。。

大人のケンヂ「さてと、おまえにはあともうふたつ、やんなきゃいけないことがある。とぼけたってダメだ。一生悔やむことになるぞ。」と言って、ケンヂ少年を駄菓子屋ジジババに連れて行き、バッヂを盗んだことを謝らせる。

さらに、ナショナルキッドの少年にも謝らせる。

ケンヂ少年「本当ごめん!万引きしたのは僕です!」

                  ・

                  ・

同じくVA内。

21巻第11話の冒頭のつづきのシーン(21巻ではともだちの回想シーン)、、、中学生のケンヂが校内にT-REXの20センチュリーボーイ♪を響かせた日。

中学生のナショナルキッドの少年が屋上に上っていく、、、“今の世の中、、必要?必要じゃない?今の世の中は必要・・・?こんな世の中、、、いらない!!”

大人のケンヂが屋上に上がると、ナショナルキッドの少年が柵をよじ登って飛び降りしようとしている。

が、突然校内にT-REXの曲が鳴り響き、少年は飛び降りを思いとどまる・・。

と、そこに中学生のケンヂがやってきて、寝転がってラジオを聴きだす。すると、ナショナルキッドの少年が側にやってきて、「ねえねえ。今の曲聴いた!?」と声をかけてくる。

中学生ケンヂ「んー、ああ、、俺がかけたんだもんよ。」

少年「僕、、明日以降の予定が、、、ずっとずっと白紙だったんだ、、、ねぇ、僕と“ともだち”になってくれる?」

中学生ケンヂ「別にいいけどさ、、友達なんてなろうって言って、なるもんじゃないぜ。聴くか?ラジオでいい曲かかってるぜ。」と言うが、少年はスタスタと去っていく。。

そして屋上のドアの前に来たとき、大人のケンヂが声をかける。

「よお、おまえさ、、、カツマタ君だろ。」

少年はだまってちらっとケンヂを見て、ドアを閉めて出て行く・・・。

                   ・

                   ・

地球と人類を未曾有の危機から救ったとしてヨシツネら(マルオ・ケロヨン・コンチ・ヤン坊マー坊)は国連に招かれ、ローマ法王から祝福を受ける。

一方、オッチョはタイに行き、カンナと蝶野はキリコに会いにアフリカへ行く。。

神様と小泉響子は来るべきボウリングブームに備えてガッツボウルでストライク連発!

そして、、ケンヂは、ベースのビリー、ドラムのチャーリー(春波夫)とともに世界ツアーに出かけるらしい。

あ、そうそう、あとユキジにプロポーズしたんだ。

チャンチャン♪長かったぁ~~ん。

完。

ひととおり20世紀少年再読してみたけど、結局全ての謎が解決されたわけじゃないんだよなぁ・・・。理科室お化け事件の謎とか。

また、例えば、フクベエ少年はそのままフクベエだけど、大人のフクベエは実はカツマタ君だったとか勝手に推理してみたんだけど、どうしてもどっかで矛盾が生じちゃうんだよねぇ。

まぁとにかくだ。また、何か気付いたらちょくちょく手直しして更新していきたいと思いますわ。

じゃあ、、、バハハーーイ!

2008年8月26日 (火)

夢のシネマパラダイス96番シアター:DEATH NOTE デスノート前後編

S054027 出演:藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、鹿賀丈史、中村獅童

監督:金子修介

(2006年・日本・126分)2006/07/04・MOVIX仙台

評価★★★/60点

内容:「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ!」死神界で退屈極まりない日々を送っていた死神が、退屈しのぎに人間界に落とした死のノート=デスノート。そのノートを拾ったのは、誰にも負けない頭脳を誇る天才エリート学生・夜神月(やがみライト)。彼は、犯罪のない理想の世界を築くため、自らの手で世界中の犯罪者を裁き始める。しかし、ライトの前に名探偵Lが立ちはだかる。

“所詮お子ちゃまレベルと言ってしまえばそれまでだが、例えば戦争の抑止力が核(世間ではそう言われているらしい・・・)なら、犯罪の抑止力がデスノートなのか、、、とかそういう考えをめぐらすこと自体全く意味をなさないほど単純エンタメとして楽しむための作品。そう、死神界で過ごすのが退屈でたまらなくなって、面白そうだからという単純な理由で人間界にデスノートをわざと落とした死神のように。”

“このビデオを見たら1週間後に死ぬ”という誰にでも分かる幼稚な発想を見事ホラーに昇華・具現化したのが小説「リング」ならば、“このノートに名前を書かれたら死ぬ”という幼稚な発想を、マンガ媒体でありながら見事サスペンスミステリーに昇華・具現化したのがマンガ「デスノート」だといえる。

しかも、マンガ「デスノート」は過剰ともいえる状況説明や解説セリフとモノローグの駆使、ロジックとトリックを巧妙に組み合わせた頭脳戦、硬質な絵柄という特徴をもっていながら、それら要素とは似つかわしくない少年マンガ誌、しかも努力と根性が売りの週刊少年ジャンプに連載されるというまことに異質な作品だった。

しかし、にもかかわらず、そのギャップをこの作品は人間ドラマを徹底的に省いたスピード感あふれる頭脳バトルと、安易で説教的な思想論に落とし込まずにエンタメとして徹底的に単純化することによって埋め、ある種のゲーム感覚で見させている。

やはりなんだかんだ言ってこれはまさしく少年マンガの方法論なのだ。

かくいうオイラもこのマンガにハマッたくちなのだが、この内容で青年マンガ誌というのはちょっとムリだろうなぁとは感じていた。

やはり少年誌レベルでちょっと大人ごっこしてみました、でも実体は子供レベルですよ、というかんじだろう。

しかし、そこらへんのところを少年ジャンプを読む子供たちがどう捉えるか、“死を自由に操れる”という題材が題材なだけに、賛否両論物議を醸したというのは分かる気がする。

でも例えば自分が小学生だった頃は、ドラゴンボールやキン肉マンをこぞって見ていたが、両作で頻繁に描かれた“登場人物が1回死んだのにまた生き返ることができる”というプロットに対して、子供たちに悪影響を与えているとお堅い大人たちに言われたことを思い出すが、当の子供だったオイラは、いや他の子供たちだって現実の“死”は再生絶対不可能というのは理解していたはずだ。

例えばドラクエで生き返る呪文を唱えれば生き返ってやり直すことができるというTVゲーム感覚と同じなわけで、現実とファンタジーの境界線というのは、ファンタジー漬けの毎日を送っていた自分にもしっかり明確に引かれていたのだ。

まさか、今の子供たちにはそれが無いというわけでもなかろう。<注>

まあ、そういう点では、マンガ「デスノート」の終わり方は納得できるし、死んだキャラクターは決して生き返らなかった、ということもこの作品のけじめとして評価できると思う。

さて、そろそろ肝心の映画の話へ。

まず、率直な感想から言えば、マンガを読んでた時の自分のテンションを100とすると、映画を観てたときのそれはせいぜい60といったところ。。

それもそのはず、少年マンガのつくりの方法論で徹底的に単純化、幼稚化されたマンガ原作をさらに単純化してスリム化していったのが今回の映画なのだから・・・。

もともと、このマンガ原作を映画化する際のキーポイントとなるのは、先に指摘した人間ドラマの欠如という面をどう補っていくのか。

また、どのマンガにも増してセリフや、キャラクターの心情をナレーションで説明するモノローグが多用されているマンガであるという特徴がある中で、しかし映画手法においてモノローグというのは禁じ手であるという相反する要素をどのように映画として表現していくのか。

この2点がもっとも大きなポイントだと思っていたが、、、フタを開けてみたら、セリフの取捨選択で単純にスリム化を図っていき、モノローグを心情描写ではなく説明セリフとして特化させることで上手くまとめているというのがこの映画の特徴だろう。

これだけとってもマンガ原作よりレベルが数段落ちるのは確実なのだが、単純にスリム化していくことによって落ちていくレベルを強化、維持するために映画版オリジナルキャラ秋野詩織、しかも夜神月の恋人という設定で出してきたのにもかかわらず、全く人間ドラマが描かれていない(のか描こうとして描けていないのか)のは正直イタイ。

また、その影響を(あるいは被害といってもいい)最も受けたのが夜神月のキャラ作りであることは明白だろう。

マンガ原作より明らかに人間味が付け加えられていて、それはそれで全然かまわないのだけど、しかし大学生の夜神月が犯罪のない世界を作るという理想に燃える良心者から一転して罪深き悪魔へ変貌していく様、いわばダークサイドに堕ちていく過程が全く描かれていないことがより明確に露わになってしまっていることが、悲しいことにこの映画のレベルをますますもって貶めさせているのだ。。

やはり、映画になっても所詮はゲーム感覚の粋を超えられず、か・・・。

マンガでは完全無欠の優等生かつナルシストで自己陶酔に浸り、バカ女には興味なし、苦悩や恐怖に無縁の天才夜神月がダークサイドに落ちてもまだどこかで応援してしまうような悪魔的カリスマ的魅力があっただけに、藤原竜也で大丈夫かな、と思っていたが、そもそも映画でのライトのキャラの性格付けが異なっていたことからすると、まあまあ無難にこなしていたのではないかと思う。

ここまでさんざんけなしてきた感があるが(笑)、しかし原作のスリム化という点ではよく出来てたんじゃないスか。

司法試験に合格したライトが法制度の理不尽な欠陥に憤り失望し、それを法曹界のバイブル六法全書を捨てた後にデスノートを拾うという分かりやすい形で映像化した表現方法なんかは単純に上手いと思う。

やはり、わけが分からない映画になるのが1番失望は大きいので、それを考えるとシンプルかつ分かりやすくまとめられていたので、それはそれで良かったのかな。。

(初記)2006/07/07

追記:<注>しかし、後に知ったが、ある調査では小学生の6割が、死んだらまた生き返ることができると思っているらしい。。

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DEATH NOTE デスノートthe Last name

20061105164437 出演:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、片瀬那奈、池畑慎之介、津川雅彦、鹿賀丈史、中村獅童

監督:金子修介

(2006年・日本・140分)DVD

評価★★★/55点

内容:死神リュークが落としたデスノートを拾い、凶悪犯を次々と粛清していく天才大学生、夜神月。巷では犯罪者の連続不審死が救世主“キラ”の出現と賞賛され始めていた。そんな中、彼はキラ逮捕に協力すると称し、前作で失態を演じた警視総監の父、そして宿敵Lのいる捜査本部に自ら潜入する。そんなある夜、売れっ子アイドルの弥海砂ことミサミサは、暴漢に襲われそうになったところを死神レムによるデスノートにより助けられる。。

“この監督にカメラで覗かれた女性は、太股を必要以上にさらけ出してしまう・・・。”

金子修介の極度の足フェチが1番印象に残った映画だった、、、というのが率直な感想なんだけど。。

映画としては、、う~ん、、、まぁ前編のレビューで、マンガを読んでたときの自分のテンションを100とすると、映画を観てたときのそれはせいぜい60といったところ、、、と書いたのだけど、今回はもっと低くてせいぜい55といったところ・・。

まず、原作との相違点としては、ミサミサが第二のキラ容疑で逮捕され、ライト自らへの疑いを晴らすため、「最低13日以内に人の名前を書きつづけなければ自分が死ぬ」という嘘ルールを追加した上でデスノートの所有権を捨てて、それまでのデスノートの記憶を失うというライトの行動までは同じ。

違うのはここからで、ヨツバキラ事件とメロ&ニアvs夜神月という第2部をまるまる省略している。

そして、第2部に出てくるNHNアナウンサー高田清美をさくらTVのアナウンサーという設定にし、原作に出てくるヨツバキラ火口の役回り、すなわち第3のキラとしての役回りを演じさせ、原作におけるヨツバキラの捕獲作戦で高田清美の正体が暴露されてしまうというショートカット戦法でストーリーを転がし、原作第1部の大団円へとうまくはめ込んでいる。

また、例えば顔がバレないように(顔と名前が一致しなければ殺せないので)ヘルメットを装着して突入するプロットなんかは、原作第2部におけるメロがいるマフィアアジトへの突入作戦から持ってきているように、ポイントポイントで原作第2部をうまく取り込んでいる。

そしてその中で最大の相違点は、いわずもがなラストの大団円なのだが、これも第2部でニアが実行したノートすり替え作戦というプロットを持ってきて第1部と第2部の結末を融合させた形にしている。

このように、まぁつくりとしては要するに第2部のニア&メロvsライトの大団円に至るまでをうまくショートカットして第1部と第2部の結末を合体させたという形にしていて、上手くまとめられているとは思うんだよね。

ただ、それが観る側のテンションにつながっていかないのがイマイチというか。

はっきりいってこの映画のオチは完全に想定内なんだよな。予定調和というか。

原作第2部のラスト、ニアとライトの対峙でのライトの本性剥き出しの鬼気迫る壮絶なあがきは、芸達者藤原竜也の絶対にハズせない見せ場であることは最初から分かっていたわけで、それをLvsライトという映画の主軸のストーリーの中でどう絡ませて決着をつけるのかというのが最大のポイントだと思っていたのだけれど。

それを今回の映画では、ノートすり替え作戦を超えるLの究極の選択と覚悟でもって、原作でのLの無念の死に全く別な意味をもたせてうっちゃりを決めたのはつくりとしては完璧に近いとは思う。

けど、落としどころとしてはまぁこんなもんだろうな、、、という安っぽさが透けて見えるのがなんともツライところで、それは死、そして殺人までもが記号的にしか見えないという現実感覚の麻痺した、およそゲーム感覚の枠を超えられない世界観しか提示できなかったことに起因するように思われる。

それでいて「仕方がないので、私は自分の命をあきらめることにしました」とLにとどめを刺されちゃあ、こりゃ完全に命の値段をゲーム脳が上回ったなと脱力しちゃうわなぁ。。。

ノートに名前を書かれた者は死ぬという非現実的かつヴァーチャルな世界観は十分マンガチックではあるのだけれど、それをマンガ原作では徹底的にダークな世界観でもって醸成し上塗りすることで今までのマンガでは考えられないほどリアルでテンションの高いサスペンスを盛り上げることに成功していたが、そのような世界観を提示できなかった映画の方が逆にマンガチックに見えてしまったような気もする。

映像はマンガとは違って良くも悪くも虚構的現実をリアルに目の前にさらけ出す力を持っているが、そこに単純におんぶに抱っこしてしまい、それがかえってマンガチックな世界観とキャラクターを強調させてしまい、ヴァーチャルな世界観から抜け出すことができないという結果をもたらしたのはなんとも皮肉だ。

まぁ、結局最後までお子ちゃまランチの域を出ない作品だったが、コミックのスリム化で小奇麗にまとめた点は買うとしても、映像化するにあたっては原作とは異なるアプローチで記号ではなくあくまでもリアルな触感を求めていってもらいたかったな。

だからって太股を極端に露出しろとは言ってないゾ(笑)。

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L change the WorLd(2008年・日本・128分)WOWOW

 監督:中田秀夫

 出演:松山ケンイチ、工藤夕貴、福田麻由子、南原清隆、石橋蓮司、瀬戸朝香、藤村俊二

 内容:デスノートを使い新世界の神になろうと目論む夜神月との最終決戦に臨んだLは、自分の命とワタリの死という代償を払ってキラ事件に終止符を打った。そんな中、タイでひとつの村が焼き尽くされ消滅。それは世界の崩壊にもつながる新種のウイルスによるバイオテロ事件の予兆だった・・・。

評価★★/40点

“南ちゃんがいつセリフを噛むかが1番の恐怖!”

そもそものところで、Lというキャラを掘り下げること自体にオイラの需要がないんだけど・・・(笑)。

それを言っちゃあオシマイよってなわけだけど、それにしたって背筋をピンと伸ばすアクティブなLなんざ、こちとら見たくないわけよ。

デスノートのスピンオフ企画とはいえ、中田秀夫のグログロ演出もイマイチな世界観だったし。鶴見辰吾の死にざまホラーショウなんてやりすぎ。

名前を書かれたら死ぬというデスノートが、感染したら死ぬというウイルスに変わっただけで、こんなにありきたりなご都合主義映画に成り下がっちゃうとは興ざめだな。

とはいえ、デスノートの映画の方もお子ちゃまランチレベルだったけども・・・w

やっぱLは引きこもりだからこそLなんだよ。よう反省しいや。

2008年8月25日 (月)

レアル・マドリー狂想曲第45番:スペルコパ第2戦!レアルvsバレンシア!

01 獲ったどーーー!!!

我が愛しのレアル・マドリーがスペルコパ第2戦を4-2の勝利で飾り、第1戦のトータルスコア6-5で優勝いたしました!しかも前半にラフィ(ファンデルファールト)が、後半にファンニステルローイが退場処分になって2人少ないにもかかわらずの劇的な勝利にベルナベウも揺れに揺れました。

凄い!凄すぎるもんをみさせて頂きました。

ネット観戦だったから、いつ何どき回線が切れちゃうかと冷や冷やしながら見たけど、そんなのも一気にぶっ飛ぶほどのベルナベウ劇場でありました。

さて、今日のスタメンは以下の通り、、、                

                 カシージャス

            ぺぺ         エインセ          

Sラモス                              トーレス

                  ディアッラ

          グティ              ラフィ

     ラウル                       ロッベン

                   ニステル

前半は、攻め手が中途半端で、ラフィも効果的な仕事ができず、縦へ急ぐ無用な攻撃に終始し、逆になかなかペナルティエリアに入っていけないというかなりストレスが溜まる内容。

バレンシアの方が効果的な細かいパス回しからサイドのホアキン、マタに渡し、危険な攻撃を繰り出していた。

そして、シルバに先制され、さらに前半終了間際にはラフィが一発レッドで退場と、さんざんな前半だったのだが・・・。

04 後半2点取らなければならなくなったレアルは、さっそく5分にニステルのPKで追いつくと、1人少ない数的不利を感じさせない戦いぶりを繰り広げていく。まさに前半とは見違えるような内容に変貌!

まぁ1人少なくなったことで、戦い方がより明確化されたともいえるけどもね。

これに対してバレンシアはマタ→ビセンテと第1戦と同じ駒代え。

対するレアルはトーレス→ドレンテと入れて左サイドの攻撃をなんとか活性化させようとする。この交代はシュスターにしては面白い交代策だったと思う。通常ならロビーニョ入れるんだろうけど、チェルシー移籍話のゴタゴタでレアルを出たいと言っちゃったし・・。ベンチには入ってたけども。

05 が、そんなこんなの後半28分。大事件が起こってしまう。

ニステルが2枚目のイエローをもらってレッドカード退場!ななんと2人少なくなってしまうという異常事態に・・。

ラフィの一発レッドも厳しすぎたけどさ、審判厳しいよ~。カラスの巣みたいな頭しやがって(笑)。こいつとメディナ・カンタレホには今季も苦しめられそうだな。

が、しかしこの数分後、またまた大事件が起きてしまう。

後半32分、ななななんとグティのコーナーキックからSラモスが押し込み2-1と逆転!このままいけばトータルスコアでレアル優勝!

、、、がしかし、2人少ない状態でまだ残り15分、、はたして守りきれるのか・・・。

案の定バレンシアはDFのアルビオルを下げてモリエンテスを投入。猛攻を仕掛ける。

08 しかし、聖カシージャス、ぺぺ&エインセのCBとピボーテのディアッラをはじめとして皆が体を張って守りきり、そこからロッベンの猛爆カウンターを繰り出すレアル。

そして後半42分、デラレッドが値千金のミドルループシュートを決め3-1!

さらには相手DFのGKへのバックパスをかっさらったイグアインがゴールを陥れて4-1!

09 ←まさにお祭り騒ぎ状態

揺れるサンチャゴ・ベルナベウ!

はっきりいってこんな試合初めて見たぞオイラは。最高ーー!

いやぁ、開幕1週間前に全ての運を使い切っちゃったかんじだけど、とにもかくにも1冠達成オメデトー!!

10 あと残る唯一の問題がロビーニョなんだけど・・・。今日の試合に出ることもなく。。

一応冒頭の写真には写ってるけどね。

残って欲しいねぇ。

2008年8月24日 (日)

夢のシネマパラダイス492番シアター:cinema慰霊大社第4柱/最近邦画がおもろない館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.22:約三十の嘘(2004年・日本・100分)WOWOW

 監督:大谷健太郎

 出演:椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一、八嶋智人、伴杏里

 内容:大阪駅に集結した5人の詐欺師。京都で巨乳の女詐欺師が合流し一同は寝台特急で札幌へ。仕事は成功したものの、せしめた大金が消えてしまい・・・。劇作家・土田英生の同名戯曲を映画化した男女6人の密室群像サスペンスコメディ。

評価★★★/60点

純粋に良い映画だったが、詐欺師が6人も出てくる映画で純粋にと言わせしめてしまうこの映画の題名を「約三十のバカ正直」に変えたい。

2008年8月23日 (土)

夢のシネマパラダイス491番シアター:釣りバカ日誌シリーズ

釣りバカ日誌

B0009rqxe6 出演:西田敏行、三國連太郎、石田えり、谷啓、名古屋章、丹阿弥谷津子

監督:栗山富夫

(1988年・松竹・93分)

内容:鈴木建設に勤める浜崎伝助は、仕事よりも釣りが好きという釣りキチサラリーマン。高松支社から東京本社の営業三課へ転勤してきたハマちゃんは、ある日の昼下がり、食堂で孤独な老人と出会う。意気投合したハマちゃんは釣り初体験の老人を釣りに連れて行き、師匠と弟子の関係にまでなるのだが、実はこの老人、鈴木建設の社長・鈴木一之助だった・・。

評価★★★★/80点

冒頭10分で2回も合体してしまうほど(しかも2回目は熱烈合体ってww)ハマちゃんとみち子さん夫婦のイチャツキ具合がハンパなくて今見るとチョイ引き

しかもスーさんの方もこの頃はまだ現役っぽくて(笑)、石田えりと三國連太郎が嫁に手を出す義父という関係にしか見えなくてw、そういう怪しい匂いがイヤでも漂ってくるのも、イイ(笑)。

石田えりのフェロモンがまたスゴイんだww

釣り好きの条件は、短気とスケベだと言うみち子さん。最っ高です♪

そいえばマドンナって1作目はまだ出てなかったんだね。まさか営業三課の山瀬まみ!?とも思ったけど、鶏がら女ってことで一蹴されてたし(爆)。

あと、ハマちゃんが四国の高松に居たってことで関西弁を流暢に話すところなんかも新鮮で面白かったな。

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釣りバカ日誌2(1989年・松竹・96分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、石田えり、原田美枝子、谷啓

 内容:過労で体調を崩し、医者から引退を勧められたスーさんだが、後継者が育っていないのが悩みの種。そんなスーさんは釣り道具一式を抱えて行方をくらませてしまう。捜索に出たハマちゃんは、愛知県渥美半島の高級ホテルでスーさんを発見。が、スーさんの隣には美人女性がいて・・・。

評価★★★☆/70点

大昔の脂ぎった三國連太郎だったらソッコーで原田美枝子の服を引っぺがして襲ってたんだろうけど、老いさらばえた御老体ではさすがに無理だったか・・(笑)。

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釣りバカ日誌3(1990年・松竹・96分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、石田えり、谷啓、五月みどり

 内容:伊豆の星ヶ浦にヒラメ釣りに行ったスーさんとハマちゃんは、そこで雪子という女性と出会う。実は彼女はスーさんが戦中に兵隊として滞在していたときに思いを寄せていた女性の娘だった。一方、鈴木建設は星ヶ浦をリゾート地にしようと開発計画を進めていた…。

評価★★★★★/90点

釣りバカシリーズの中で1,2を争う面白さ。

こう言うとお前何言ってんだと笑われるかもしれないが、それを承知で言わせてもらう。

日本の喜劇映画史上の最高傑作だと。

コンドームをも釣り餌にしてしまう&精子が濃すぎるハマちゃんの絶倫っぷり、所構わず当たり散らすスーさんのブチキレ社長っぷりと両者ともに相方を押しのけてでも前に出ようとする覇気にあふれていて、酸いも甘いもかみ分けた両者の激突が映画史に残る名コンビを生み出す瞬間を捉えていて実に面白い。

みち子さんの理想的な奥さんっぷりも最高だし、なによりスケベは健全であることをこれほど高らかに謳い上げた映画が他にあるだろうか(笑)。

ハマちゃん&スーさん釣りバカコンビは永久に不滅です!

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釣りバカ日誌4

0728 出演:西田敏行、三國連太郎、石田えり、谷啓、尾美としのり、佐野量子

監督:栗山富夫

(1991年・松竹・96分)

評価★★★★/80点

内容:子宝に恵まれないのが唯一の悩みだったハマちゃんに待望のニュースが!愛妻ミチ子さん御懐妊~!一方、スーさんは甥の和彦の積極性のなさに頭を悩ませていた。。

“釣りバカシリーズ最高傑作!”

最近すっかり丸くなってしまった同シリーズにおいて、やはりシリーズ初期は笑いにキレとキワドさとアクの強さがあった。ようするに勢いがあった。そのシリーズ初期作品の中でも1番脂のノッている出色の出来なのが本作である。

マンボウのようにボケーッとしている男・宇佐美和彦と妹が付き合うことに大反対して大暴れし、手の付けられない状態に陥っている八ちゃんをおとなしくさせるため、八ちゃんの首を絞めて落としちゃうハマちゃんとか、ミチ子さんの出産現場に飛び入り参加してしまうスーさんとか、しかもミチ子さんの大事なアソコをしっかり覗き込んじゃってるからねスーさんったら。

ラマーズ法をこの映画で初めて知った人も多いはず。オイラなんてこれ多感な中2のときに見てるわけだからね・・・(笑)。

ヒッヒッフッうーん、ヒッヒッフッう~ん

よろしい。

はい、次は切迫呼吸やって!

ハッハッハッハッハッハッ、、、、ドサッ

しかし、11時を回って出社してそれがお笑いになっちゃうハマちゃんって幸せもんだなぁ・・・。

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釣りバカ日誌5(1992年・松竹・95分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、石田えり、谷啓、中本賢、乙羽信子

 内容:長男・鯉太郎が生まれて溺愛するハマちゃんだったが、会社に連れて行った鯉太郎が行方不明になってしまう。社内はてんやわんやの大騒ぎになり、責任をとらされたハマちゃんは丹後半島のスッポン養殖場に左遷させられるハメに・・・。

評価★★★★/80点

マドンナを登場させず鯉太郎ネタだけで1作つくり上げることができちゃうというのはある意味すごい。釣りバカシリーズならではの強みだろう。

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釣りバカ日誌6(1993年・松竹・96分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、石田えり、喜多嶋舞

 内容:岩手は釜石を舞台に、ハマちゃんが社長に間違われて大騒動となる様をおもしろおかしく描いたシリーズ6作目。

評価★★★★/75点

鈴木建設の社歌が流れると思わずハモッてしまうのはオイラだけだろうか。。

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釣りバカ日誌7(1994年・松竹・97分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、名取裕子、山岡久乃、寺尾聰

 内容:福井に出張したスーさんは、そのままハマちゃんと東尋坊で釣り三昧。その最中、2人は田上彩子という女性と知り合い、仲良く釣りを楽しんだ。数日後、スーさんは歯医者で歯科医として働く彼女と再会。ハマちゃんに内緒で週末に釣りへ行く約束を取り付けるが、それがハマちゃんにバレてしまい・・・。

評価★★★★/80点

釣りバカコンビ絶交宣言&断釣宣言と奥の手を出し、シリーズネタのレパートリーのパターンはこの7作目で出しきったかんじで、これ以降は偉大なるマンネリへとまい進していく。

でも今回、誠意誠意で当時話題になった羽賀研二が出てて笑っちゃったけど、山田洋次ってどうでもいい芸能ネタも拾うんだとビックリw

けど、ギャグに世相を取り入れるのもこういう簡単に色褪せちゃうやつだと問題あるよね(笑)。

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釣りバカ日誌8(1996年・松竹・111分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、柄本明、室井滋

評価★★★★/75点

砂浜で股間を室井滋の顔に押し付ける柄本明!デパートという公共の場でミチ子さんにちょっかいを出すハマちゃん。

が、今回のMVPは、インパール作戦で生き残ったその精神力で、自力で浣腸を行い、悶え苦しむスーさんに決定!

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釣りバカ日誌9(1997年・松竹・115分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、小林稔侍、風吹ジュン、浅田美代子、中村梅之助

 内容:新任の営業部長として配属された馬場(小林稔侍)は、ハマちゃんと同期。真面目で仕事一筋の彼は、妻と離婚し、息子との父子関係もうまくいっていない。そんなある日、大口の取引きを失う危機に見舞われるが、ハマちゃんの人脈で事なきを得る。ハマちゃんに救われた馬場は、お礼がしたいと小さなバーに連れて行くが、どうやら馬場はママの茜(風吹ジュン)にホレているようで・・・。

評価★★★/65点

“わたしは、これで会社をやめました。”

あのCMにウチの親父が爆笑してたのを子供ごころに何でだろうと思ってたけど(笑)。。タバコのCMだったっけ?

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花のお江戸の釣りバカ日誌(1998年・松竹・118分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、黒木瞳、酒井法子、山田純大、市川團十郎

 内容:時は幕末。浜崎伝助は8年前に釣りが原因で藩をクビになり、長屋で浪人暮らしの身。そんなある晩、隅田川に夜釣りへ出かけた伝助は、寂しげなご隠居・鈴木一之助と知り合い意気投合する。が、実はこのお方、東北は庄内藩の江戸家老だった・・・。

評価★★★/60点

市川團十郎のシーンはてっきり合成なのかと思ってたアフォなボク・・・。

だって60年代あたりの往年の時代劇に出てくる名優かなにかと思っちゃったんだもん。オーラが全然違ってたし。

と思ってたら現在もしっかりご存命であらせられるのね。スミマセン海老蔵さん・・・。

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釣りバカ日誌10(1998年・松竹・110分)

 監督:栗山富夫

 出演:西田敏行、三國連太郎、金子賢、宝生舞、浅田美代子、夏八木勲

 内容:スーさんがななななんと社長を辞めると宣言!ビルのメンテナス会社に再就職し、さっそくとあるビルに派遣させられるが、そこはあろうことか鈴木建設で・・・。

評価★★★★/75点

“最強の嫌がらせ!”

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釣りバカ日誌イレブン(1999年・松竹・112分)

 監督:本木克英

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、村田雄浩、桜井幸子、谷啓

 内容:女子社員が物凄っごく可愛がっていたウサギをあろうことか食べてしまったハマちゃん責任を感じて沖縄へ逃亡か!?ってウサギ食べられるんかいっ。。

評価★★★/60点

この頃の釣りバカは明らかなネタ切れ状態。以前の作品と全く同じネタを使うどころか、寅さんからも拝借しちゃう始末。

寅さんの場合は様式として完成されていたけど、これはマンネリのそしりを免れない。

えっ?11作目で気付くなって?

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釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇(2001年・松竹・111分)

 監督:本木克英

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、宮沢りえ、吉岡秀隆、青島幸男、大杉漣

 内容:ある日、ハマちゃんのところに鈴木建設の釣り同好会の会長と副会長として親しくしていた高野常務(青島幸男)が退職の挨拶にやって来た。高野常務は生まれ故郷の山口県萩市に帰り、長年の夢だった釣り三昧の悠々自適の生活を送るのだという。それを羨望の眼差しで聞き入るハマちゃんは、なんとか常務をカムバックさせたいスーさんに連れられて萩を訪れることに。ところが2人は、高野の姪の梢(宮沢りえ)から高野が入院していることを知らされる・・・。

評価★★★/65点

“最強満ヘェ獲得トリビア!”

コンドームは釣りのとき、餌として使うことができる!

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釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!(2002年・松竹・109分)

 監督:本木克英

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、鈴木京香、小沢征悦、杉浦直樹、丹波哲郎

 内容:鈴木建設が請け負った富山県の美術館建設で設計に絡むトラブルが発生。発注元でハマちゃんの釣り仲間でもある富山の老舗薬問屋の偏屈会長・黒部五郎(丹波哲郎)が美術館を自分でデザインすると言い張り、奇抜な要求をハマちゃんが受け入れたのだという。それに憤慨した設計部のエース・桐山桂(鈴木京香)はスーさんに直談判。結局、2人は会長説得のため富山に出向くことになるが・・・。

評価★★★★/75点

お笑いの質が明らかに異質になっている・・・。

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釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!(2003年・松竹・116分)

 監督:朝原雄三

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、谷啓、高島礼子、笑福亭仁鶴、三宅裕司

 内容:佐々木課長(谷啓)がついに次長へ昇進!代わりに営業三課の新しい課長になった海外帰りのエリート・岩田(三宅裕司)は、問題児のハマちゃんを目の仇に再教育に乗り出す。一方、そんなこと露知らずのスーさんは、リフレッシュ休暇を取ってハマちゃんを強引に連れ出し、念願の四国八十八ヶ所巡りに出発する。その道中、男勝りの美人トラック運転手みさきと出会い・・・。

評価★★★/65点

“サラリーマン専科と合体!”

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釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?(2004年・松竹・107分)

 監督:朝原雄三

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、江角マキコ、筧利夫、吉行和子

 内容:不況吹き荒れる世の荒波が鈴木建設にも押し寄せ、人事制度改革に着手することになったが、経営コンサルタント会社の早川薫(江角)の提案を聞いたスーさんは、安易なリストラにつながりはしないかと一抹の不安を覚える。一方その頃ハマちゃんは、新任課長を出し抜いて1週間の有給休暇をとることに成功、秋田へ釣り旅行に出かける。そこで水産試験場の福本哲夫(筧利夫)と知り合い意気投合したハマちゃんは、彼の実家に招かれることになったが、その道中の新幹線で哲夫の同級生である薫と隣り合わせの席になる。もちろんハマちゃんは彼女がリストラの仕掛け人だとは露知らず・・・。

評価★★★★/75点

“小津映画と釣りバカとの見事な合体!!”

ハマちゃんとスーさんコンビが霞んでしまうくらい江角マキコが良い仕事してます。

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釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪(2005年・松竹・115分)

 監督:朝原雄三

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、伊東美咲、金子昇、ボビー・オロゴン、尾崎紀世彦

 内容:スーさんはハマちゃんを連れて長崎県佐世保に出張。が、到着するなりハマちゃんは現地営業所の久保田(金子)に釣り船を手配させ、釣りバカ米兵ボブとともに海に直行。夜も元歌手の河口(尾崎)が経営する米兵相手のバーでドンチャン騒ぎをする始末。が、そこでハマちゃんは、久保田が東京転勤を拒んでいる理由が、バーのマドンナで河口の娘・美鈴(伊東美咲)との関係にあることを知る。。

評価★★★☆/70点

ハマちゃん、北朝鮮に拉致られる!?の方が現実味があって良かったんちゃう・・・?

釣りは世界を救う!

ハマちゃんなら金正日と互角にやり合えるんじゃないかな(笑)。なんてね。。

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釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!

Kgusmvunoh 監督:朝原雄三

出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、石田ゆり子、宮崎美子、大泉洋、片岡鶴太郎

(2006年・松竹・107分)

内容:かつて社長秘書を務めるなど社内のマドンナ的存在だった沢田弓子(石田ゆり子)が会社の再雇用制度で7年ぶりに職場復帰し、ハマちゃんの営業三課に配属された。が、エリート証券マンと結婚して幸せに暮らしていると思われた彼女には何やら事情があるらしいことをスーさんは察知する。しかも、そんな彼女に八ちゃんが一目ボレしてしまい・・・。

評価★★★/60点

鈴木建設の伝説的マドンナという名に恥じない石田ゆり子の映えっぷりだけが見所。

韓国の純愛ものでも通用しなさそうな石田ゆり子と大泉洋の中身スカスカなラブロマンスも釣りバカシリーズだけでは許されるってか・・・。おいおい。

また、飄々としているばかりでイマイチはじけない大泉洋も宝の持ちぐされというかんじでもったいない。

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釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束(2007年・松竹・114分)

 監督:朝原雄三

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、檀れい、星由里子、高嶋政伸

 内容:鈴木建設の社長の座を降り、会長職へ就いたスーさんだったが、散歩中に行方不明になってしまう。捜索に出たハマちゃんは岡山で若い女性と一緒にいるスーさんを発見するが・・・。

評価★★★/60点

元気のない三國連太郎、、終焉のとき近しか・・・。おいおい

鈴木建設のリゾート開発に反対する側にどさくさに紛れ込んでしまうハマちゃんというのも今まであったし、ネタ的にはもう尽き果てちゃってるよね。鯉太郎もいつの間にかデカくなっちゃって。

年齢的に合体もそろそろ、、、ねぇww

終焉のとき近し、だな。。

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釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様(2008年・松竹・110分)

 監督:朝原雄三

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、常盤貴子、竹内力、山本太郎、北村総一郎

 内容:会社の健康診断で再検査となったハマちゃんは、胃カメラを飲むことを大騒ぎしながら嫌がるが、総務部の派遣社員・河井波子の説得でなんとか検査終了。晴れて社員旅行に参加したハマちゃんは波子の故郷でもある大分県へ。釣りのことしか頭にないハマちゃんは、漁師をしている波子の兄の船で釣り三昧だったが・・・。

評価★★★/60点

これ見て胃カメラも結婚式での祝辞も絶対にやりたくなくなった・・・。

でも、常盤貴子モロにイイっす。こんな人と一緒になりたいものだけど。。

しかし、釣りバカシリーズの恋愛ってデートもそこそこに即行プロポーズになっちゃうのね。釣りの合い間に仕事して給料もらえるハマちゃんといい、羨ましいよホンマ・・。

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釣りバカ日誌20 ファイナル(2009年・松竹・118分)

 監督:朝原雄三

 出演:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、松坂慶子、吹石一恵、塚本高史

 内容:折からの不況下、業績不振に陥っている鈴木建設。そんなの頭の片隅にもなく釣りしか頭にないハマちゃんだったが、釣りの人脈がもとで大型受注に成功。会長賞を受賞したハマちゃんは褒美に釣り休暇をもらって北海道へ。スーさんも旧友の墓参りついでに一緒に行くことになるが・・・。

評価★★★/55点

正直いって全22作の中で1番グッダグダで歯切れの悪い作品になってしまった気がする・・。

スーさんを三途の川に片足突っ込ませるシークエンスに力を入れるより、ハマちゃんから次世代にバトンを渡すくらいの余裕をもったシナリオにするべきで、悪ノリするポイントが明らかにズレている。

笑いと感動で締めてほしかったけど、なんかイタさとサブさだけが残ってしまったな。。

20世紀少年再読:21世紀少年上巻

校庭の上空で、田村マサオ操縦のヘリが円盤に激突!校庭に残骸が落ちてくる。サダキヨは重傷を負いながらもなんとかケンヂに救出される。

“ともだち”は残骸の下に押しつぶされている・・。ケンヂが覆面を取ると、、フクベエの顔だ。

マルオ「フクベエ、、そんなはずはない。整形か?お前は誰だ。」

ともだち「ケンヂが、、、知ってるよ。」と言いながら息を引き取る。

ケンヂ「お前が、こんなふうに死ぬとは思わなかったよ。ごめんな・・・」

マルオ「こいつが誰だか知ってるのか?」

ケンヂ「分からないけど、俺は・・・」

その後、別な円盤墜落現場で救出にあたっていたケロヨンと再会!ロボットのそばにへたり込んでいるオッチョとも合流。

カンナはサダキヨの看病につきっきりであたる。サダキヨは病床でうわ言のように「マンガが現実に、、仕掛けた、、あいつが、、あそこに、、反陽子ばくだん、、、」と言っている。

一方、蝶野将平は、東京拘置所に収監されている山崎元警察庁長官:ヤマさんの取調べをしている。

“ともだち”の遺体写真を見せる蝶野「間違いなくそれが“ともだち”ですか?」

ヤマさん「そっくりだが違うな。いや、俺が入信した時の“ともだち”じゃないってことさ。こいつは本当の“ともだち”が死んだ時にすりかわった。“ともだち”のコピーだよ。俺が信じたのはこいつじゃない。」

そして、チョーさんを絶交した後、チョーさんの残したメモを見たらそこにはすべての謎の答えが書いてあったという。あの時点ですでにともだちにすりかわった人物も突き止めていた・・・(第2巻)。(詳しくは“20世紀少年の最終回にボー然”および“20世紀少年再読②”にて

ともだち亡き後、日本に国連軍が進駐してくる。

そして、国連軍司令部は人類を未曾有の危機に追い込んだ“ともだち”の内面を調査する過程で、しんよげんの書の最終ページに“反陽子ばくだんで世界は滅びるだろう”と書かれているのが何を意味するのか調べるため、ヴァーチャルアトラクションにケンヂを送り込むことに。

その頃、万博会場の太陽の塔の内部にともだちマークの巨大な風船が見つかる・・・。

                 ・

                 ・

                 ・

ヴァーチャルアトラクション、、、1970年、、、

駄菓子屋ジジババのババァが宇宙特捜隊のバッヂが1個足りないのを見つける。「犯人は、、、誰だ。」

、、とナショナルキッドの少年が通り過ぎていく。胸にはバッヂが・・・。「あ、、あいつか~~。」

とそこに、当たりくじを持ったマルオがやって来て、バッヂと交換する。

                 ・

                 ・

(20巻第11話、キリコの回想と重なるシーン)

公園のベンチで本を読んでいるキリコ。そこにナショナルキッドのお面を付けたサダキヨが。一方、公園の片隅ではフクベエ・ヤマネ・ナショナルキッドのお面を付けた別な少年が何か話し込んでいる。

フクベエ「でさ、これがスゴイ計画なんだ。」

ヤマネ「教えてよ。“ともだち”が考えてることもっと知りたいよ。」

フクベエ「くくく、、、どうしようかな。」

お面の少年「ねえ、僕、夢見たんだ。君たち2人が出てきたんだ。学校の教室に2人がいてさ、君(ヤマネ)が、、君(フクベエ)を殺しちゃうんだ。」

ヤマネ「何ふざけたこと言ってんだ?おまえ、いつからそんな口きけるようになったんだ?」

フクベエ「山根行こう。理科の実験しない?」

ヤマネ「いいね、行こう。」

2人が立ち去った後、少年は何か独り言をつぶやいている。「円盤が飛んできて、巨大ロボットと対決だ。ドカーーン。人類の平和はそれで保たれました。ところが、、、これがすごい計画なんだ。くくく、、、最後の爆弾があるんだ。反陽子ばくだん、、それで世界は終わり。、、、て夢の中の大人の僕が言うんだ。」

                  ・

                  ・

夜、、、

神社の鳥居の前にケンヂ、マルオ、ヨシツネがいる。5組の河本と西尾が落武者みたいなオバケを見た(その正体はヴァーチャルアトラクションに入っている最中に高須に撃ち殺され、思念のみが残ってしまい現実に戻りたくても戻れなくてさまよっている万丈目)というので、確かめにやって来たのだった。

マルオは当たった宇宙特捜隊のバッヂを付けている。

ケンヂ「当たったんだ、それ・・・」

マルオ「えへへ、いいだろー。」

マルオとヨシツネは鳥居の前で尻込みし、ケンヂだけが石段を登って境内へ・・・。

、、とそこに、ヴァーチャルアトラクションに入った途端、オバケ万丈目にブン殴られて昏倒してしまった大人のケンヂとばったり出くわしてしまう。

大人のケンヂ「反陽子ばくだんって知ってるか?」

ケンヂ少年「うん。スーパージェッターだよ。あと、W3(ワンダースリー)にも出てくるよ。」

ケンヂ「ネタ元はマンガか・・」

ケンヂ少年「地球がいい星だったら爆発しないけど、悪い星だったら、、、一瞬でボン!!」

下でマルオとヨシツネが呼んでいる。

ケンヂ「あ、おまえさ、、、あの、、宇宙特捜隊の・・・」

ケンヂ少年「何?」

ケンヂ「あの、、宇宙特捜隊の、、、まぁいいや、行け。」

なんだよ・・・と言いながらケンヂ少年は走り去っていく。

、と後ろの暗がりからオバケ万丈目が現れる。

万丈目「助けてくれ。現実の世界に戻りたい。この世界に入って、出口が見つからない。」

ケンヂ「いきなり殴りつけといて、今度は助けてくれかい。無理だよ。あんた、もう戻れない。現実の世界じゃ死んじまったんだから。」

茫然自失となる万丈目をスナックロンドンに連れて行くケンヂ。

ケンヂ「あんたがスプーンを曲げさせていたのはフクベエか?」

万丈目「ああ、、ハットリだ。他にハットリの取り巻きがいたな。ヤマネ。あと、いつもお面かぶってる奴がいた。」

ケンヂ「サダキヨか?」

万丈目「知らねえ。お面かぶってんだからよ。」

ケンヂ「2015年にともだちが死んだ後、ともだちになりすましていた奴、、、あれは誰なんだ?」

万丈目「知らねえ。」

ケンヂ「元々よげんの書は俺が書いた。フクベエがそれをマネしてしんよげんの書を作った。そのフクベエのマネをした奴が、反陽子ばくだんとか言い出したわけだ・・・」

万丈目「マネのマネか、、昔、俺がガキにした話だ、、、思い出したよ。そのガキは妙に熱心にその話を聞いてた、、、マネのマネが世界を取る・・・」

                  ・

                  ・

道端でレトルトカレーをNASAが開発した宇宙食だとダマくらかして子供たちに売ろうとしている若き日の万丈目。しかし子供たちは皆去っていき、一人ナショナルキッドの少年だけが残っている。

少年「ようするに、、本物のマネのマネか・・・」

万丈目「そうだよ。オリジナルは損する。そのコピーをした奴はまだまだだ。世界をつかむのは決まってコピーのコピーだ。」

少年「ふーん。マネのマネならケンヂのまねのフクベエのまね、、、あいつらは細菌兵器って言ってたけど、僕はちょっと違うな。僕だったら反陽子ばくだん仕掛けるね。」

万丈目「反、、、なんだって?」

少年「仕掛けるところは決まりだ。“ばんぱくばんざい。ばんぱくばんざい。”」

                  ・

                  ・

ケンヂ「そのガキは反陽子ばくだんをどこに仕掛けるって言ったんだ!!」

万丈目「1970年っていったら決まりだ。万博の・・・・」

“あそこしかないね。”

                  ・

                  ・

セミの鳴き声の下、道を歩いているナショナルキッドの少年。

と、同じくナショナルキッドのお面をつけ、しかも全く同じ服のサダキヨと出くわす。

サダキヨ「僕、今度転校するんだ。」

少年「ふーん。フクベエは知ってんの?」

サダキヨ「ん、、、うーん、まぁ・・・」

少年「そうか。あのさ。いいこと思いついたんだ。反陽子ばくだんってどう思う?」

サダキヨ「どう思うって・・・」

少年がサダキヨに紙を渡す。「これ、あげる。大切なものの隠し場所。反陽子ばくだんの、、リモコン。」

                  ・

                  ・

駄菓子屋ジジババの店の前を通り過ぎるフクベエとヤマネ。理科室での実験について話していると、後ろで「こらーー!!」と怒鳴るババァの声が。。

「ついに捕まえたぞーー!!」とババァがナショナルキッドの少年をひっつかまえている。

少年「何もしてないよーー!!」

そこにヨシツネ、マルオも通りかかる。

ババァ「じゃあ、これは何だね!!」と少年の胸についているバッヂを取り返す。

少年「当たったんだよ。当たりが出たから、、おばあさんがお店にいなかったから当たり券を置いて・・・」(22巻第10話にそのシーンがある)

ババァ「バァさんだからってなめんじゃないよ!だいたいこんなお面なんかかぶって。」と、お面をひっぺがす。

顔を手で覆ってうずくまる少年。

周りに集まってきた子供たちは「あ~あ、犯罪者だー。」「ハイ、それまでよ~♪」と嘲っている。

そこにケンヂが「どうしたー?」とやって来る。

ヨシツネ「宇宙特捜隊のバッヂ万引きしたんだって。マルオは本当に当たったのか?」

マルオ「バカ言うな。俺はちゃんと当たりました!」

ヨシツネ「だいたいあれ、当たりが出なさすぎ。いくらガム買っても当たらねえの、俺もケンヂも、、、なぁ、ケンヂ、、、あれ?」

何食わぬ顔で見ていたケンヂ(22巻や21世紀少年下巻などから実は万引きした犯人はケンヂ)だったが、いつのまにかいなくなっている。原っぱに行ったんだろうとマルオ、ヨシツネも走っていく。

ババァ「いつまでも泣いてないで立ちな。名前は?何年何組?」

と、フクベエが「4組。こいつ5年4組だよな。」と言う。

うずくまりながら少年は「僕はやってない、僕はやってない!!」と泣き叫ぶ。

フクベエ「んーー?どこからか声がするけど見えないな~。」

少年「僕はやってない・・・」

フクベエ「あれー。見えないなぁ。こんな悪いことしたんじゃ、死刑だな。おまえは今日で死にました。」

ヤマネ「きゃはははは!!」

去っていくフクベエとヤマネ。

                  ・

                  ・

現在。。

病室で危篤状態に陥っているサダキヨのところに国連軍が反陽子ばくだんのことを聞きにやって来るが、自白剤まで使おうとする関係者をカンナが制止する。

「あたしが聞いてくる。」

サダキヨの思念がカンナに伝わってくる・・・。

ヴァーチャルアトラクション内、、、駄菓子屋の前でうずくまっている少年を路地裏の影でじっと見ているサダキヨ。

少年からもらった紙を持って走っていくサダキヨ「これ、隠すんだ。」

・・・現実に戻るカンナ。「分かったの、隠し場所。反陽子ばくだんのリモコンの隠し場所!原っぱの秘密基地!!」

最終巻へつづく・・・

2008年8月22日 (金)

夢のシネマパラダイス490番シアター:交渉人真下正義&容疑者室井慎次

交渉人 真下正義

050613_negotiator 出演:ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、高杉亘、松重豊、柳葉敏郎、水野美紀、國村隼

監督:本広克行

(2005年・東宝・128分)2005/05/18・MOVIX仙台

評価★★★/65点

 

内容:「踊る大捜査線」シリーズのキャラクター真下正義に焦点をあてたスピンオフ作品。2004年のクリスマスイブ。ロス市警でFBI訓練プログラムを受け、警視庁初の交渉人となった真下警視のもとに、室井管理官から緊急の呼び出しがかかる。地下鉄の最新鋭実験車両(通称クモ)が何者かに乗っ取られ、東京の地下鉄網を暴走、乗降客200万人の命に危険が及んでいた。“弾丸ライナー”と名乗る犯人は、交渉の窓口に真下を指名し・・・。

“オイラにも、、、できるんじゃね!?”

プロの交渉人というわりには物凄くアバウトな印象が強かったような・・。

だって、犯人との駆け引きのやり取りの最中に真下の口から「ちょっと待って」なんていうセリフが出てくること自体かなり引いてしまう。2回は言ってたぞ。

脇の取り巻き連中はプロという感じがしたけどもさ。

しかし、木島丈一郎(寺島進)をはじめとして國村隼指令長、線引屋のオッサン、石井正則広報はたまた指揮者西村雅彦と、脇の方が魅力的なキャラとして立ってるのに、肝心のユースケの方が本来の魅力からはプラスアルファというよりはマイナスになっている感が強くてやや自分の中で盛り上がりに欠けてしまった。

ま、それでもフツーに楽しく見られるという意味ではこの点数付けていいかも。。

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容疑者 室井慎次

00000635493l 出演:柳葉敏郎、田中麗奈、哀川翔、八嶋智人、吹越満、柄本明、佐野史郎、真矢みき

監督・脚本:君塚良一

(2005年・東宝・117分)DVD

評価★★/40点

 

内容:室井慎次管理官を主演に据えたスピンオフ第2弾。2005年2月、室井が、自ら陣頭指揮をとった殺人事件の捜査中に逮捕されるという事態が発生した。警察の不正を暴くと意気込む灰島弁護士(八嶋)によって室井は窮地に追い込まれていく。そんな室井の弁護にあたることになったのは、若き女性弁護士・小原久美子(田中麗奈)だった。。

“結局この映画を見終わって感じたのは、「事件はいったいどこで起こってたんだ?」”

単純かつ支離滅裂というどうしようもない内容。

最初の30分でオイラの顔は室井以上のしかめっ面、次の30分であきれ顔、次の30分で目がトロロン、最後の30分でボーッと、というかんじ。

まず君塚良一がどういうスタンスでこの映画を作っているのかが全く分からない。

「踊る~」から離れたいのかくっつきたいのか。見た印象では「踊る~」から離れたシリアス路線でいきたいが「踊る~」のコミカルな演出もふりかけ程度で添えなきゃいかんというかんじに見えたけど。

しかし、如何せん肝心のシリアス路線を形作るはずのドラマが骨粗鬆症なみに密度の薄っぺらな稚拙極まりないものなので、ふりかけ程度だった「踊る~」路線が非常に浮いて見えてしまい、全てが嘘っぽく見えてしまう。

スリーアミーゴスが拘置所に面会にやって来たところに真矢みきが入ってくるシーンなんかはその典型で、なんだこのバツの悪さはと感じてしまったし、その中で押し黙った深刻な表情の室井がかえって浮いて見えてしまうという悪循環に陥っている。はっきりいってスリーアミーゴスは今回いらなかっただろと思う。

あとは灰島弁護士の非現実的なキャラも気になった。精神的に幼いお子ちゃまキャラで、結局勝手にボロ出して自爆するし。柄本明と八嶋智人を入れ替えたら良かったのではとさえ思ってしまう。

まぁ何だかんだ言って、そもそものところ室井が逮捕されるきっかけとなった事件そのものがお子ちゃまレベルだし、室井の逮捕も権力構造の中でただ単にとばっちりを受けただけなわけで。。

結局この映画を見終わって感じたのは、「事件はいったいどこで起こってたんだ?」ということ。

“事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ”という名セリフを残した「踊る~」からは隔世の感があるが・・・。

これはちょっとやそっと手直し加えただけで面白くなる作品ではないと思う。

本広克行でイチから作り直してもらいたいですな。。

2008年8月18日 (月)

レアル・マドリー狂想曲第44番:08-09シーズン始動!スペルコパ第1戦

Photo 昨シーズン、リーガ2冠を達成した我が愛しのレアル・マドリーの08-09シーズンがいよいよ幕を明けやんした。

といってもリーガ開幕は今月31日で、今日の試合はリーガ優勝チーム・レアルと国王杯(コパ・デル・レイ)優勝チーム・バレンシアによるスペルコパ第1戦です。舞台はバレンシアのメスタージャ。

チャンピオンズリーグ、リーガ、国王杯、スペルコパの4冠を狙うレアル・マドリーとしては、今シーズンを占う上でも重要な公式戦。

さて、まずは今日のレアルの布陣から、、、              

                聖カシージャス

          ハビ・ガルシア     エインセ 

サルガド                          ミゲル・トーレス

                  ディアッラ

        デラレッド             ラフィ

                                  ロビーニョ

          ラウル

                  ファンニステルローイ

とまぁ、こんなかんじ。

Photo_2 ベンチにはグティ、Sラモス、ロッベンなど主力が控え、ぺぺはいつの累積警告なのか分からんけど出場停止、カンナバーロ・スナイデルは負傷リハビリ中、ガゴ・マルセロ・ドレンテは北京五輪でいないということで、まぁ完成形では全然ないんだけど。

ただ、チェルシー行きが取りざたされているロビーニョが先発出場だったことはマドリディスタとしてはホッと一息ついたし、あとは新戦力ラフィことラファエル・ファンデルファールトがどう連係を深めていくかも注目だった。

ちなみに今夏のレアルの移籍市場は例年になく動きがなく(といってもマンUのロナウド獲りには執着してお騒がせしたもののw)、獲得はラフィ、ガライ(来季から加入で今季はラシンに留まる)、ヘタフェから出戻りのデラレッド、オサスナから出戻りのハビ・ガルシアくらいなもの。

放出は、バチスタがローマへ、バルボアがベンフィカへ。今シーズンはシュスター2年目ということで、熟成路線ということなのかしら。

あ、そうそう、ラフィの奥さん、超キレイなのね、、ってそげなことはどうでもええねん。

ということで、試合試合。。

、、、内容がありませんですた・・・。以上。

結果は2-3でしたが、内容では完敗といったところ。

昨シーズン混乱に見舞われたバレンシアが今日は躍動してましたね。ホアキンとマタ(ちなみにレアルの下部組織出身)の両サイド攻撃がド迫力もんで、後半にはさらに復活ビセンテが入ってきて、完全にサイドの攻防でレアルは後塵を拝してしまいました。

後半途中で、ロビーニョ→ロッベン、サルガド→Sラモスの交代でちょっとは息を吹き返したけど、防戦は変わらず。

Photo_3 でも、そんな低調な試合でも、数少ないチャンスでファンニステルローイがあっさりと2点取っちゃうんだからスゴイわな。

やっぱりウチのニステルは32歳とはいえまだまだ世界でも三指に入る点取り屋だね。ボックス内では無頼の決定力でっせ。

ただ、ニステルが負傷などで抜けた場合は、昨季もそうだったけどチームとしての恐さが無くなっちゃうんだよね。そこが今季も課題になりそう。

フロントはニステルの後継者として、アヤックスのフンテラール獲りに動いているようだけど、なかなか難しそうな状況のようで。

でも、フンテラール入ったら、白いレアルが完全にオレンジ化しちゃうな(笑)。

ニステル、ロッベン、スナイデル、ラフィ、ドレンテですでに5人居るんだもん。

まぁまぁブラジル派閥よりはだいぶマシなようだけどね。

とにかくまずは来週のベルナベウでの第2戦に勝って優勝せんとな。アウェイゴール2点取ってるんだし有利ではあるわけやし。

そして、今シーズンはCL獲るぞー!おー!

アッラララララ♪マドリー!!! 

2008年8月16日 (土)

夢のシネマパラダイス486番シアター:良き学び舎に良きお話あり。。

ロボコン

Qpnwtezkvi 出演:長澤まさみ、小栗旬、伊藤敦史、塚本高史

監督・脚本:古厩智之

(2003年・東宝・118分)NHK-BS

評価★★★★/75点

内容:課題をサボって居残り授業確実になった高等専門学校生の里美に、担任は「第2ロボット部に入ってコンテストに出場せよ」と取引きを提案。落ちこぼれ4人衆がロボットコンテスト、通称ロボコンにかける情熱が際立つ青春映画。

“第2ロボット部の奴らが汗をかかない分、オイラが熱い汗かいてやったぞ・・・。”

数式を駆使して正しいたったひとつの答えを導き出すことが身体に染み付いている理数系人間&ハミ出し者チーム。

その中に数学は大好きだけど赤点ばかり、しかし大の負けず嫌いである里美(長澤まさみ)が闖入してくることによって巻き起こる化学反応を爽やかすっきりと描いている。

答えはひとつじゃない、無数にあるんだ、そしてプロセスも含めた結果こそが重要なのだという本当の答えを教えてくれる。

ただこの化学反応があまりにもストレートでさっぱりしすぎているきらいがあり、やや淡白なことも確かだ。

しかしその物足りなさは、なんといってもロボコンの白熱おもしろバトルが十二分に補填してくれる。

文系人間の自分でも大いに楽しめる一本だった。

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二十四の瞳(1954年・松竹・156分)NHK-BS

 監督・脚本:木下恵介

 出演:高峰秀子、月丘夢路、小林トシ子、田村高廣、笠智衆

 内容:瀬戸内海に浮かぶ小豆島を舞台に、分教場に赴任した若い女性教師と、その教え子12人との交流を年代記的に描くドラマ。昭和3年、大石先生が分教場に赴任した。ハイカラな彼女は当初白い目で見られていたが、やがて厚い信頼を得ていく。時を経て教え子たちは離散していき、先生も実子を失い、また戦争で命を落とした者も出る。終戦後、生き残った教え子たちは再び大石先生を囲んで旧交を温める。。

評価★★★/65点

カラスの歌♪しか印象に残らないが、軍靴の重いリズムとともに響きわたる軍歌よりはまだマシか・・・。でも、さすがに耳にタコができたな。。

「昨日につづく今日だった」というくらいのありふれた1日が、実はかけがえのない幸せなんだなぁ、、ってことをしみじみ考えさせられたな。

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モナリザ・スマイル(2003年・アメリカ・120分)WOWOW

 監督:マイク・ニューウェル

 出演:ジュリア・ロバーツ、キルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホール

 内容:1953年、ニューイングランドの名門女子大に、女性教師キャサリンが赴任してくる。彼女は、教育より結婚を重視する保守的な学生たちに驚き、自立心と自由な精神を植えつけようとするのだが・・・。

評価★★/45点

芸術とは何ぞやを語る前に、映画の語り方を学んだ方がええな。

「プリティ・ウーマン」のおバカ女から「ペリカン文書」の学生と「エリン・ブロコビッチ」の爆烈主婦を経て、ついにジュリア・ロバーツも教師になってしまったかぁ、という感慨にはひたれるけどね。。

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イブラヒムおじさんとコーランの花たち

Hana 出演:オマー・シャリフ、ピエール・ブーランジェ、ジルベール・メルキ

監督・脚本:フランソワ・デュペイロン

(2003年・フランス・91分)2004/11/27・仙台フォーラム

内容:ユダヤ人の少年モモは、家族の愛を知らずに育った。万引きをしたモモに、店主のイブラヒムおじさんは微笑みながら「盗みを続けるならウチの店で」と語りかける。大きな愛情に触れ、心を開いていくモモ。やがて2人の間には、本物の親子のような愛情が芽生えていく。。

評価★★★☆/70点

オマー・シャリフのすきっ歯しか印象に残らない(笑)。

最強最高の守護聖人イブラヒムの無償の愛の眼差しに普通ならツッコミ入れたいところだけど、それを上回る最強最高の遊び人モモ、しかも13歳!のマセガキ放蕩ぶりが絶妙なバランスをもたらしていて滞りなく観れてしまう。

しかし、観終わった後、特に何も残らない・・・。佳作ってのはこういうものなのかしら!?

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僕はラジオ(2003年・アメリカ・109分)WOWOW

 監督:マイク・トーリン

 出演:キューバ・グッティングJr.、エド・ハリス、アルフレ・ウッダード、デブラ・ウィンガー

 内容:ハイスクールでアメフトのコーチをしているジョーンズは、いつも見かける知的障害者の黒人青年にチームの応援や世話を頼むようになる。常にラジオを離さない彼にジョーンズが付けたニックネームは“ラジオ”。授業にも参加し、皆に受け入れられていくラジオだったが・・・。ちなみに実話です。

評価★★★★/80点

近年稀にみる純度100%の善良映画。

たまにはこういう汚れのないクリアな作品で心を潤すのもありかな、なんてね。

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リンダリンダリンダ

Linda 出演:ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、三村恭代、湯川潮音

監督:山下敦弘

(2005年・日本・114分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:高校生活最後の文化祭に向け、練習に励む軽音楽部の女子部員たち。だが、本番直前にメンバーが離脱。急遽、韓国人留学生をボーカルに迎えてブルーハーツのコピーをやることに。。低体温な雰囲気で描き出した、おかしみあふれる青春映画。

“ロックしてるのに全っ然ハジケない映画。なのに、全っ然浸れてクセになっちゃう映画。。”

ロックでシャウトするところよりも、他愛のない会話の方が断然面白かったりする。

ソンちゃんとカラオケ屋の店員とのやりとりとか、バス停でバスを待つ恵とソンちゃんの会話など、ヘンに印象に残ってしまう。

独特な会話の間とソンちゃんの微妙なツッコミが絶妙な雰囲気を醸し出していて、マッタリと浸れちゃうんだよね。

その点では屋上でマンガ喫茶をやってる中島姐御が1番イイ味出してるかも。肝心の本番のステージに時間になっても来ないメンバーたちの代わりにユニコーンの“すばらしい日々♪”をギターの弾き語りでやってくれるところなんかは、どっぷり浸かっちゃいますた。。

全っ然アツくなく肩の力が抜けたような一風変わった映画なのだけれど、あの頃の儚い“すばらしい日々”を文化祭という特別なひと時に凝縮させて「ドブネズミみたいに写真には写らない美しさ」で光り輝かせた映画であることもたしかで、観て決して損はしない映画だと思う。

2008年8月14日 (木)

夢のシネマパラダイス485番シアター:子供には刺激が強すぎる!?監督:伊丹十三

マルサの女

42661121 出演:宮本信子、山崎努、津川雅彦、大地康雄、桜金造、マッハ文朱、大滝秀治、室田日出男

監督・脚本:伊丹十三

(1987年・東宝・127分)NHK-BS

評価★★★/65点

内容:税務署の調査員をしている板倉亮子は、ある日、ラブホテルなどを経営する実業家の権藤が脱税しているのではないかという疑念を抱き調査を始めるが、くせ者の権藤はなかなか尻尾をつかませない。国税局査察部に配属が決まり、晴れてマルサの一員となった亮子は、上司の花村らとともに再び権藤の内偵を進める。。脱税の取締りを担当する国税局査察部の通称マルサと呼ばれる査察官たちの活躍を描いた社会派エンターテインメント。

“枯渇することのない欲望に執着するオスとメスの生態を赤裸々に捉えたニッポン裏側観察記”

看護婦のおっぱいチューチューから開幕したときはどうなることかと思ったけども。

とにかく出てくるキャラ出てくるキャラがまるで本能に従う動物のごときアクの強さで、観てるこっちは完全に胸焼け状態。。

ゴミをあさり貧乏人にも情け容赦のない味噌っかす女、板倉さんはミュージカルのアニーに見えてくるし、そしてなにより権藤社長。手塚治虫のマンガに出てくる名悪役アセチレンランプやろ。頭にロウソク立てたら、まんまじゃないスか。

そう考えると、なんかマンガチックなのだけども、しかしこれはやはり妙に生々しいすえたニオイのするアブノーマルなれっきとした映画なんだよね。二度と観ないけど(笑)。。

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マルサの女2(1988年・東宝・127分)WOWOW

 監督・脚本:伊丹十三

 出演:宮本信子、津川雅彦、丹波哲郎、大地康雄、益岡徹、三國連太郎

 内容:ベテランの域に差し掛かった板倉亮子に、東大を卒業したばかりの部下がついた。そんな亮子の今回のターゲットは、宗教法人を隠れ蓑に私腹をこやす大悪人、鬼沢鉄平。ヤクザや大物政治家とも繋がりがある鬼沢の罪を暴こうと亮子らはあの手この手を使って追いつめていく。。

評価★★★/65点

岡本麗オバさまのスカートがまくり上がってパンツひけらかしてるんだから、もう何でもありだな・・・。

鬼沢(三國連太郎)の怨念と執念が映画全体を取り巻いていて、板倉亮子をはじめとするマルサたちの執念がまるでバブルがはじけてしまったかのように鎮まってしまっているのは、やや物足りない。

強さ、弱さ、おかしさ、哀しさ、エロさ。人間の裏の裏まで見せびらかした三國連太郎に圧倒されたといったところか。いや、たしかに凄かったわ。

実は単なるコマのひとつに過ぎなかった鬼沢の怨念・・・。

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ミンボーの女(1992年・東宝・123分)NHK-BS

 監督・脚本:伊丹十三

 出演:宮本信子、大地康雄、村田雄浩、宝田明、中尾彬

 内容:サミットの開催を控えている名門ホテル、ロイヤルコートは、ヤクザの逗留を許している危機管理の甘さを理由に開催権をライバルホテルに奪われてしまった。ヤクザを排除しようと考えた総支配人は、経理マンの鈴木とベルボーイの若杉をヤクザ担当に任命する。しかし、素人の彼らはヤクザの術中にはまって金をむしり取られてしまい、さらに悪化した事態に頭を悩ませるホテル側は、ミンボー(民事介入暴力)専門の女性弁護士・井上まひるを雇うことに・・・。

評価★★★★/75点

ハエやゴキブリを追い落とすアースジェットのごときジェット噴射口撃で毅然とまくし立てる宮本信子が痛快!

血尿を出して身を粉にしてまで闘った大地康雄にも泣きの一票!

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お葬式

51w18kfezfl 出演:山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、財津一郎、江戸屋猫八、高瀬春奈

監督・脚本:伊丹十三

(1984年・日本・124分)DVD

評価★★★/65点

内容:「新しき土」などで知られる名監督・伊丹万作の息子で、俳優やエッセイストとして第一線で活躍していた伊丹十三が、初めて監督に挑戦した人間喜劇。俳優の井上侘助は、妻で女優の千鶴子の父親が急死したとの知らせを受けて、マネジャーの里見とともに妻の両親が暮らす別荘に駆けつけた。多くの親類縁者が訪れ、葬儀の準備が着々と進められていく中、侘助と千鶴子は「冠婚葬祭入門」というビデオを見て本番に備えるが・・・。

“高瀬春奈がお昼のトーク番組に出てきたときに、なぜか無性に悶々としたことを覚えている・・・。”

当時小学生だった自分の記憶中枢の奥深くに焼き付けられたアレ・・・。わき毛が生えてるのがまたなんともエロレロ、、でございまして。。

はぁ~あ・・・(笑)。

でも、超高級車に乗ってやって来るボッタクリ御前様や、お通夜の酒盛りを早々と終わらせたい奥方連中とまだ飲み足りない殿方連中の丁々発止など、エンタメとしてカユイところにも手が届く気の利いた巧い描写の数々はさすがとしか言いようがない。

はぁ、、、死んだらああやってオイラも寄ってたかって覗き込まれるのか。。

あ゛っ、ヤバ、オレ長男だったんだ・・・

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タンポポ(1985年・東宝・115分)Video

 監督・脚本:伊丹十三

 出演:山崎努、宮本信子、渡辺謙、安岡力也、大滝秀治、役所広司、黒田福美、加藤嘉

 内容:タンクローリーの運転手ゴローと助手のガンは、街道沿いの寂れたラーメン屋に立ち寄り、ひょんなことからこの店を町一番のラーメン屋に立て直すことになった。女主人タンポポとともに、ゴローは究極のラーメン作りを目指し、様々な食通たちの助けを得て極上のラーメンを完成させる。メインのストーリーとは無関係な、食べ物にまつわる13のエピソードが随所に挿入されるユニークな構成の作品。

評価★★★/65点

これは“食べる”映画ではない。“吸う”映画だ!

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静かな生活(1995年・東宝・121分)NHK-BS

 監督・脚本:伊丹十三

 出演:山崎努、柴田美保子、渡部篤郎、佐伯日菜子、今井雅之

 内容:絵本作家を目指すマーちゃんの家族は、作家のパパと優しいママ、予備校生の弟オーちゃん、そして知的障害を抱えながらも音楽の才に恵まれた兄のイーヨーの5人。ある日、オーストラリアの大学へ講師として招かれたパパはママと一緒に渡航することになり、留守番のイーヨーとマーちゃんの“静かな生活”が始まる。。原作はノーベル賞作家、大江健三郎の連作短編小説。

評価★/25点

大林宣彦にエロ薬を飲ませたような筆致と描写が非常にキモ悪くて胸焼け起こしそう(笑)。。

2008年8月12日 (火)

夢のシネマパラダイス483番シアター:偉人豪放列伝!

アビエイター

Abi_l 出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ブランシェット、ケイト・ベッキンセール、ジュード・ロウ、アレック・ボールドウィン

監督:マーティン・スコセッシ

(2004年・アメリカ・169分)2005/04/07・MOVIX仙台

評価★★★/65点

内容:映画と飛行機に情熱を捧げた実在の大富豪、ハワード・ヒューズの破天荒な半生が綴られる。アカデミー賞11部門のノミネートされ、助演女優・撮影・美術・編集賞を受賞。

“「ハワード・ヒューズは、あまりにもハワード・ヒューズでありすぎる。それが問題。」、、、この一言に尽きる。”

映画撮影で理想的な雲が出るまで8ヶ月待った規格外の男ハワード・ヒューズを描いた映画の方は、規格内だったというオチ。。

ルイス・B・メイヤーやらエロール・フリン、はたまたジェーン・ラッセルやクローデット・コルベールの胸の谷間が何cm見えるだとか、さりげなくジョージ・キューカーとケイリー・グラントの後ろ姿まで写すところなど、ハリウッド映画草創期の舞台裏が垣間見えて楽しかったのは事実。

特に客を呼べない女優No.1だった!?キャサリン・ヘプバーン(ケイト・ブランシェット)の規格外ぶりは抱腹もので、規格外どうしの掛け合いは見所十分。

自分にとってのこの映画のハイライトは、ハワードとキャサリンの夜間飛行デートといっても過言ではない。だって、あのキャサリン・ヘプバーンが自ら操縦桿を握っているというだけで観てるこっちは感激してしまうんだもの

しかし、この映画のオイラにとっての六気筒エンジン並みの求心力は、このシーン以降一気に減退していく。

キャサリンが去って以降、後半戦はハワードの心の問題へと焦点が当てられていくわけだが、ディカプリオの熱演と映画の勢いがイマイチかみ合っていないように思えて失速感が否めなかった。

まぁ、ハワード・ヒューズの波乱の半生を描いているのだから彼自身に焦点が絞られていくというのは当然なわけで、オイラのこの映画の見方がやや方向違いだったのかもしれないけど・・・。

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ヴェロニカ・ゲリン(2003年・アメリカ・98分)WOWOW

 監督:ジョエル・シュマッカー

 出演:ケイト・ブランシェット、ジェラード・マクソーリー、シアラン・ハインズ

 内容:1994年、ダブリン。ジャーナリストのヴェロニカ・ゲリンは麻薬犯罪を告発し、次第に組織の黒幕へと迫っていく。警告として足を狙撃されようと彼女はひるまない。しかし、ついに彼女に最後通牒が突きつけられる・・・。

評価★★★/65点

少なくともトリップ感あふれるファッションだとかぬかす「トレインスポッティング」よりは断然良い。

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モーターサイクル・ダイアリーズ

Mot 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ

監督:ウォルター・サレス

(2003年・英/米・126分)2004/10/15・恵比寿ガーデン

評価★★★★☆/85点

内容:今なお支持され続ける伝説の革命家チェ・ゲバラの若き日々を、「セントラル・ステーション」のW・サレス監督が描いたロードムービー。医学生のエルネストは親友アルベルトと、南米大陸縦断のバイク旅行に出発。幾多の出会いを重ねながら旅した時間は、彼らの人生に大きな影響を与えることになる。

“土に根を下ろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越し、鳥と共に春を歌おう。人は土から離れては生きてはいけないのよ!”

天空の城ラピュタでの名セリフだが、映画を観終わってこのセリフがふと心をよぎった。

アスファルトで固められた道ではなく、人が歩いたからできた道を土煙を上げながらとにかくひたすら進み続ける。

清冽に広がる青い空、緑の草原、雄大なアマゾン、雪のアンデス、不毛の砂漠、神秘のマチュピチュ、、、自然の美しさと厳しさ、そして人間の悲しみも喜びもすべてひっくるめた歴史を静かに包み込む南米大陸という大地。

灼熱の大地、といってもヒートアイランド現象で熱が溜まったアスファルトとコンクリートに囲まれた人工都市で生きるオイラにとっては、悠然とした自然と土の匂いをスクリーンから感じられただけで大満足だったといってもいい。

自分の中の失われつつある、、いや、もうすでに失われてしまったかもしれないDNAが、まるで磁石に吸い付けられるかのように郷愁と興奮のもとスクリーンに引きつけられ甦っていった。

この映画の中で、エルネストとアルゼンチンのセックス大使を自称するアルベルトの行き当たりばったり珍道中―冒険心と情熱の魂、旅を愛する心―が表を飾るが、「人生は苦痛だ。」という言葉とともに語られる裏の顔―差別や貧困にあえぐ人々の姿―もまた印象的だった。

そして、ほとんど政治臭などしない物語の中で、エルネストの純粋な思いと衝動と行動がこの映画の表と裏をしっかり繋いでくれたのも、ただのロードムービーには終わらせない魅力と重さを映画に与えてくれたのだと思う。

チェ・ゲバラ。

教科書に載っていたのかさえ分からないくらいほとんど知らない人物。

しかしこの映画に出てきた彼は、とても魅力的な素晴らしい男として目に映った。

しかし、、この人たち、何回コケたんだ・・・(笑)?

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ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方(2004年・米/英・125分)DVD

 監督:スティーブン・ホプキンス

 出演:ジェフリー・ラッシュ、シャーリズ・セロン、エミリー・ワトソン、ジョン・リスゴー

 内容:「ピンク・パンサー」シリーズや「博士の異常な愛情」などで知られる天才喜劇俳優ピーター・セラーズの波乱に満ちた生涯を映画化した伝記ドラマ。1980年に54歳で亡くなるまで、コメディに命をかけた天才俳優の仕事と奔放な私生活をめぐる真実の姿。。

評価★★★☆/70点

“不本意にもピーター・セラーズの映画の中で1番笑った映画になってしまった。。”

空っぽの容れ物を回転台に乗せ、まるでクイズ番組の立体文字クイズのごとき様々な面と角度から照明を当ててみせるという、伝記映画としてなかなかありそうでなかった趣向と工夫が施されていて実に興味をそそられる作品だった。

現実とフィクション、虚像と実像がめまぐるしく入れ代わる不可思議かつ魅力的な構成しかり、映画ファンにはうれしい彼の代表作の撮影マル秘トリビアしかり、監督の手腕が冴えに冴えわたっているなという強い印象を受けた。

、、ってこの監督、そんなに凄い監督だっけ・・・(笑)。

ただ、ピーター・セラーズという実体の無い空っぽの存在、それゆえに無限の存在になれてしまうという皮肉は面白かったが、感情移入することを全く許さないので、心に残るほどの充足感は得られなかったというのが正直なところ。

良くも悪くも構成の妙にうまくダマされちゃった感が強い。

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ザ・ディレクター「市民ケーン」の真実(1999年・アメリカ・83分)NHK-BS

 監督:ベンジャミン・ロス

 出演:リーヴ・シュレイバー、ジェームズ・クロムウェル、メラニー・グリフィス、ジョン・マルコビッチ

 内容:オーソン・ウェルズがパン・フォーカス撮影やロングショット、フラッシュバックなどの映画的技法、トリック撮影を駆使して弱冠26歳で作り上げた不朽の名作(?)「市民ケーン」(1941)製作の内幕を描いた作品。

評価★★☆/45点

ええ゛っ!?“バラのつぼみ”(新聞王ケーンが息を引き取るときに残した最後の言葉)ってそういう意味だったのかよ・・・。ケーンのモデルになった実在の新聞王ハーストの愛妾の、、、、アソコ、アソコといえばアソコwwをハーストはそう呼んでいたらしい。アハハ。。

死ぬ間際にそれが頭に思い浮かぶってのがちょっと凄いな。ある意味男としては尊敬しちゃうわ。

で、、ますますオイラは「市民ケーン」が嫌いになってしまいましたとさ(笑)。

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エド・ウッド(1994年・アメリカ・124分)NHK-BS

 監督:ティム・バートン

 出演:ジョニー・デップ、マーティン・ランドー、サラ・ジェシカ・パーカー

 内容:史上最低の映画監督エドワード・デイヴィッド・ウッド・ジュニア(通称エド・ウッド)の奇想天外な半生を、エドの同類を自認するティム・バートンがモノクロ映像で紡いだ伝記映画。オーソン・ウェルズに憧れ映画製作の夢に燃えるエドが、往年の怪奇スター、べラ・ルゴシと出会った。彼はべラの出演を励みに監督となり、性転換が主題の「グレンとグレンダ」を撮り上げる。作品は全く評判を呼ばなかったが、エドはめげずに奇人を集め映画製作を続けるのだった。。

評価★★★/65点

ティム・バートンにもエドのような性癖があるのだろうか、、あの顔で・・・。

考えるだけでゾッとする。恐るべき真実にオイラの心臓は耐えられるのだろうか。。

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バグジー(1991年・アメリカ・136分)NHK-BS

 監督:バリー・レビンソン

 出演:ウォーレン・ベイティ、アネット・ベニング、ハーヴェイ・カイテル

 内容:1930年代に実在したギャングで、砂漠に囲まれたラスベガスを一大賭博場に変えようと目論み今に至るラスベガスの礎を築いたベンジャミン・バグジー・シーゲルをモデルにしたドラマ。

評価★★★/60点

ウォーレン・ベイティって、、、、、

今までに出た映画の中で何発喰らったんだろう。。たぶん節穴だらけになるんだろうなww

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チャーリー(1992年・アメリカ・145分)NHK-BS

 監督:リチャード・アッテンボロー

 出演:ロバート・ダウニーJr.、ジェラルディン・チャップリン

 内容:喜劇王チャーリー・チャップリンの生涯を描いた伝記映画。

評価★★★★/75点

映画のことを知れば知るほど、噛めば噛むほどこの作品は味が出る。

フェアバンクスにピックフォードにはたまた雪洲も登場してたし、ハリウッド草創期の内幕も知れてオイシイ一本ですた。

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マルコムX(1992年・アメリカ・202分)CS

 監督・脚本:スパイク・リー

 出演:デンゼル・ワシントン、アル・フリーマン・ジュニア、デロイ・リンド

 内容:1965年に凶弾に倒れた伝説的な黒人解放運動の指導者マルコムXの伝記ドラマ。

評価★★★/60点

1コマ90分として、人種、思想、宗教について2コマ+補習分やるんだから、そりゃ集中力も切れるわなぁw。。。

20世紀少年再読22.

必ず映画公開日までに終わらせてみせる!大団円22巻!

1週間でこの世界を終わりにします、という“ともだち”の予告から2日、暴動や略奪も収束し、壁の中の東京都民はウイルスから身を守るため、家の中に閉じこもってしまっている。

なんとか都民を万博会場に避難させようとするカンナは、放送局で北海道からヘリでやって来た田村マサオとDJコンチと出くわす。武装蜂起を呼びかけようとするマサオを制止して、万博会場で史上最大のロック・フェスティバルをやろうと決め、都民にラジオ放送で呼びかける。

ダミアン吉田が復帰したエロイム・エッサイムズの出演が決定。さらに春波夫はケンヂがやって来ることを信じ、ドラムの練習に打ち込む。

一方、マルオ、ケロヨン、キリコたちは東京に入る壁の前で地球防衛軍に足止めをくらい、逃げ込んだデパ地下で、ウイルスで親を亡くした子供たちと戯れるお面大王(ナショナルキッドのお面)=サダキヨと出会う。そして、サダキヨも連れて、壁をよじ登って東京に入る。

しかし、時を同じくして、ゲンジ一派に潜入したともだちスパイによって、敷島教授の作ったロボットのリモコンが“ともだち”の手に渡り、突如ロボットが動き出す。

敷島教授はその時の衝撃で崩れ落ちてきた足場につぶされて亡くなる。

オッチョはロボットを手動で止めようと、ロボットに飛び乗る。

その頃、ゲンジ一派に率いられた都民が蜂起し、“ともだち”府を無血開城で占拠。

そして、万博会場に続々とやって来る何万もの人々・・・。それを見て、満身創痍のカンナは昏倒し、新宿の常盤荘に戻り寝かされる。

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東京に入ったケンヂは一路、ある場所に向かう。

             ・

             ・

少年時代、、、ジジババの店先で、当たりが出たら宇宙特捜隊のバッヂ(正義の証)がプレゼントされるウルティモマンのフーセンガム。その当たりくじを持った“ともだち”が店先でジジババを呼ぶが、店に誰もいないので仕方なく当たりくじを置いて宇宙特捜隊のバッヂを胸に付けて持っていく。

、、と、それを電柱の影から見ていたケンヂは、バッヂを盗んでしまうのだった・・・。

             ・

             ・

“あれが、もうひとつの始まりだった。”

ケンヂが通っていた小学校の校庭でリモコンを操る“ともだち”と対峙するケンヂ。

ロボットはカンナのいる常盤荘の前に・・・。

ともだち「このリモコンをちょっと動かすと、、、どうなるかな?何が地球を救う男だ。何が正義を守る男だ。思い出せよ。お前こそ悪の大王じゃないか、ケンヂくん。思いださなきゃお前のかわいいカンナが踏み潰されるぞ!!」

が、カンナの「やめてーー!」という叫びとともに超能力が発動し、ロボットが制御不能になり動きを止めてしまう。

ケンヂ「俺、、全部覚えてる。俺、全然忘れたことなんかないよ。」

ともだち「え、、あれ?リモコンが、、お前が急に変なこと言うからリモコンの調子が・・・」

ケンヂ「ごめんな、、ずっと後悔してた、、ずっと心の奥で決着つかないままだった、、、ごめんな」

ともだち「なんで、お前、覚えてるんだよ!!お前が謝ったら全部終わっちゃうじゃないか!」

ケンヂ「全部話すよ。万博会場に集まった人たちの前で、俺がやったことを全部話す。それで全部終わりにしよう。」

ともだち「おしまいなんかさせるか、悪者め!このコントローラを押したらあの円盤は万博会場に飛んでいく。万博会場は血の海だ。」

、、、と、突然サダキヨが「僕はいい者だ、、一緒に死のう」とナイフを手に“ともだち”を後ろから羽交い締めにする。

円盤をロボットに装備された砲塔で2機撃ち落すオッチョ。残る1機に田村マサオが操縦するヘリコプターが校庭の真上で激突自爆し、残骸が校庭に落ちてくる・・・。

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万博会場で開かれたフェスにケンヂが登場。春波夫を含めた3人バンドで3曲演奏する。

カンナと抱き合うケンヂ。

つづく・・・。

2008年8月11日 (月)

夢のシネマパラダイス482番シアター:その昔、、エンタメの王道はミュージカルだったって本当?

オペラ座の怪人

Phantom_opera出演:ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン、ミランダ・リチャードソン、ミニー・ドライヴァー

監督・脚本:ジョエル・シュマッカー

(2004年・米/英・143分)2005/02/08・MOVIX仙台

評価★★★☆/70点

内容:1870年代のパリ。プリマドンナの代役として新作オペラの主役に抜擢されたクリスティーヌと、幼なじみの青年貴族ラウル、怪人ファントムの哀しくも究極の愛。。不朽の名作ミュージカルを、舞台版の作曲者であるアンドリュー・ロイド・ウェバーが自らプロデューサーとなって映画化。

“オペラ座の最前列に座らせてくれはしたが、舞台の上にまでは断固として上がらせてくれない。”

クリスティーヌ(エミー・ロッサム)がキン肉マンの母親に似ていると思ったのはたしかだが、と同時に往年のMGMミュージカルに出てきてもおかしくない逸材だと思ったのもたしかだ。

どこかジュディ・ガーランドを偲ばせるクラシカルな雰囲気を醸し出していて、今の時代においてあまり見られない稀なタイプの女優さんだなとお見受けした。

映画自体も正統派ミュージカルに輪をかけた王道路線。

ゴージャスと喧噪のナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」、手ブレと夢のドキュメント「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、留置場の中の空想の舞台「シカゴ」と、21世紀仕様の新機軸を打ち出してきたこれらの作品に比すると、このオペラ座の怪人は、現実とミュージカル(空想)を分離させることなどせず、非常にオーソドックスかつ古典的なミュージカル―現実とミュージカルが連鎖してつながっている―として作られている。

オードリー・ヘプバーンの「マイ・フェアレディ」やら「ウエストサイド物語」なんかは個人的には好きなクチなので、こういうタイプのミュージカルにはほとんど抵抗がないし、しかも舞台がパリのオペラ座とこれまた古典的で、そういう古典的な要素が逆に新鮮に映った。

また、オペラ座の怪人自体も知っているようで知らなかったので、まぁせいぜいTRFの「masquerade♪」という曲でシャンデリアが落ちてきてどうのこうのする話だっけかと思い出すくらいで、じっくり見せるこの映画はオイラにはちょうど良かったかも。

ただ、個人的にミュージカル映画において、ミュージカルとドラマ性の両立というのは不可能とまではいかないまでも、はなっから信じていないというか期待しないようにしているので、いつも大体良くてこの点数が限度になってしまうわけで、この映画もその例に漏れずといったところ。

実は「シカゴ」のレビューで、王道ミュージカル=凡庸とはき捨ててしまったのだが、今回のオペラ座の怪人を観た後もその考えに変わりはない。

ホラーと孤独と苦悩と傷のお手軽内面描写4点セットを完備しているはずのファントムでさえ内面もへったくれもあったもんじゃない、、、、それくらい浅く凡庸なのだ。

ゆえにその中での評価のしどころはミュージカル部分の出来とその個人的な好みということになってしまうわけで、今回の作品は自分好みだったということ。

やはり「シカゴ」みたいに、いちいち現実とミュージカル部分を区切らずに、往年のミュージカル映画のごとく歌とストーリーを繋げる、歌がストーリーを引っ張る形にして流れを断ち切らせないやり方だったのもフツーに観れた要因なのかもしれない。

また舞台では出せない映画ならではのカメラワークと手の込んだセットが、一見すると狭苦しくなりそうなオペラ座に幅と奥行きを与えており、この点だけは固定カメラを据えるのが常道の往年のミュージカル映画とは一線を画していて良かったと思う。

しかしまぁ、とにかく歌の部分だけでも元は十分にとれるとは思う。

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雨に唄えば(1952年・アメリカ・102分)NHK-BS

 監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン

 出演:ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズ、ジーン・ヘイゲン

 内容:映画がサイレントからトーキーに移行した頃のハリウッドを背景にしたMGMミュージカルの代表作。ハリウッドの中心的スターであるドンと、彼の相手役リーナは、周囲から結婚も間近と思われていたが、ドンはリーナの愚かさ加減と鳥のような悪声に愛想をつかしていた。ある夜、ファンの包囲から逃げたドンは行きずりの車に飛び込み、コーラスガールのキャシーと出会う。やがて、ドンとリーナの新作がトーキーで作られることになるが、鼻にかかったリーナの声が問題となり・・・。

評価★★★★★/100点

“ザッツ・エンターテインメント!!”

サイレントからトーキーへの移行という映画ファンにとってはたまらないハリウッドの歴史の変わり目と裏側を面白おかしい絶妙のドタバタ劇として味付けしたストーリー。

ステージ・ミュージカルの要素をスクリーンという平面に無駄なくかつふんだんに盛り込んだ群舞シーンの華麗なフォーメーションと、ジーン・ケリーやドナルド・オコナーの超絶技巧ぶりがものの見事に融合したスペクタクルと呼ぶにふさわしいダンス。

全ての曲を必聴スタンダードナンバーに選んでも誰も文句を言うはずがない音楽。

ストーリー、ダンス、音楽の上質なアンサンブルが全編見せ場の連続を演出し、カタルシスと心地良さがとめどなくあふれてくる。これほどまでに魅力的なミュージカル映画を自分は知らない。

悪声女優リーナの吹き替えをしたキャシー=デビー・レイノルズの歌声も実は吹き替えだったことや、水にミルクを混ぜた雨、キレやすかったジーン・ケリーの怒号の嵐、、、など映画の裏話も含めて興趣が尽きない作品だ。

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オリバー!(1968年・イギリス・146分)WOWOW

 監督:キャロル・リード

 出演:マーク・レスター、オリヴァー・リード、ロン・ムーディ、シャニ・ウォリス、ジャック・ワイルド

 内容:チャールズ・ディケンズの「オリバー・ツイスト」を原作とする戯曲を基にした、名匠キャロル・リードのアカデミー作品賞、監督賞など5部門を受賞したミュージカル。19世紀のロンドン、生活苦にあえぐ貧しい社会に育った孤児のオリバーは、スリの少年たちのグループと知り合い彼らの仲間になった。ある日、オリバーはひょんなことから、ある紳士に引き取られることになるが・・・。

評価★★/45点

“フニャケちゃってこれ以上伸びない輪ゴムをさらにむやみに思いっきり伸ばしたような冗長さは一体何なの・・。”

オリバーの運命と行く末のドラマをじっくり堪能したいのに、まるでテレビCMのごとく執拗な嫌がらせのように差し挟まれるミュージカルに全くリズムをつかめず。。

ミュージカルがエンタメとして物語にメリハリをつけるとともに、人物の内面からほとばしる喜怒哀楽を表現することによって映画に奥行きと広がりを見せてくれるならともかく・・。

この作品はミュージカルでいきたいのか、人間ドラマでいきたいのか、そのバランスがとれていないというか不明瞭で、そのためミュージカルが幼稚園のお遊戯程度のものにしか見えなかった。

よって、人間ドラマを追っていきたかった自分にとってはこのミュージカルはまったくもって無用の長物としかとれない。

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アニー(1982年・アメリカ・127分)NHK-BS

 監督:ジョン・ヒューストン

 出演:アルバート・フィニー、アイリーン・クイン、キャロル・バーネット

 内容:時は大恐慌吹き荒れる1930年代。孤児院暮らしのアニーは、いつか両親が迎えに来てくれると希望を捨てず明るく暮らす少女。ある日、大富豪のウォーバックスの秘書グレースが、ウォーバックスのイメージアップのために孤児の一人を豪邸に招待するため孤児院にやって来た。そこでアニーが目に留まり招待されることになり・・・。

評価★★★☆/70点

劇中、ウォーバックス(アルバート・フィニー)がアニーのために貸しきった映画館のミュージカルシーンで、“アメリカ映画は必ずハッピーエンドで終わるのよ”という歌詞があって印象的だったんだけど、それをそっくりそのまま体現したような映画。

ある意味なんでもかんでも通り一辺倒なハッピーエンドと揶揄されやすいアメリカ映画だけど、やっぱりこういう映画見るとアメリカ映画の底抜けのハッピーさというのはイイもんだなと思う。

また、リベラルな民主党員を描くのは得意なハリウッドが、コテコテの共和党員のハゲ親父をこれだけ円く描いちゃったというのもある意味画期的で、そう考えるとそこまで穏和にさせてしまうほどの天真爛漫なアニーの魅力ってやっぱりスゴイなと感じ入ってしまう。

小公女セーラのような陰惨さが入り込む余地がないからね、この娘ッコには。。

しかし、このいかついタコ入道ウォーバックスも実は凄いオッサンで、FBIはたまた大統領を電話一本で動かせちゃうんだから、いやぁ、これ以上ないリッチな里親を見つけることができて良かったよホントw。

個人的には怪しいインド人執事プンジャブがお気に入り。

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コーラス(2004年・フランス・97分)DVD

 監督・脚本:クリストフ・バラティエ

 出演:ジェラール・ジュニョ、ジャック・ぺラン、フランソワ・ベルレアン

 内容:世界的指揮者のピエールは、友人から恩師が記した1冊の日記を手渡される。そこには、ピエールたち寄宿舎の問題児と、音楽教師マチューの心の交流が綴られていた・・・。

評価★★★/65点

純粋にいい映画だが、ストーリーの旋律に畳み掛けてくるような力強さがなく線が細い。初めから終わりまでずっと独奏(ソロ)というかんじで、決して合奏という類のものではないのが何か物足りなさを残す。

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天使にラブ・ソングを2(1993年・アメリカ・107分)NHK-BS

 監督:ビル・デューク

 出演:ウーピー・ゴールドバーグ、キャシー・ナジミー、マギー・スミス、ローリン・ヒル

 内容:歌う尼さんコメディの第2弾。ウーピー演じるドロレスはショービズ界に戻っていたが、スラム街の高校生を歌で更正させるべく聖職に復帰するが・・・。

評価★★★/60点

Let’s enjoy the Music!で万事OK。

2008年8月10日 (日)

夢のシネマパラダイス480番シアター:パッチギ!

00000592857l 出演:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、揚原京子、尾上寛之、真木よう子、小出恵介、オダギリジョー

監督:井筒和幸

(2004年・日本・119分)2005/02/02・仙台フォーラム

評価★★★★/80点

内容:1968年、京都。府立東校2年生の松山康介はある日、担任から常日頃争いの絶えない朝鮮高校へ親善サッカーの試合を申し込みに行くように言われる。親友の紀男と一緒に恐る恐る訪れた康介は、音楽室でフルートを吹くキョンジャという女生徒に一目惚れしてしまう。が、彼女の兄貴が朝鮮校の番長アンソンであることを知ってしまい・・・。

“押忍押忍押忍押忍押忍メスッ!オスッ!押忍っ、やっっしぃ、、、落ち着け。。日本が鬼畜米英に負けたんもABCD包囲網ぅぉ!ABCD、、、分かるか?押忍!”

A:アンソン男前ちゃうねん我ぇ!これはなあ、アリラン統一戦線との鴨川最終決戦は引き分けでお開きやぁっ!戦争をもって戦争に反対するんはこのことじゃぁ!っちゅう意味や。

押忍っ!

来週土曜、また再戦じゃあっ!押忍っ!!

B:ビー玉は消化できねえんだよ!口から出すのはいいが、ケツから出すなぁカスぅ!

押忍押忍っ!

C:静岡でもなければCHINAのけざわひがしでもないっ!男たる者、愛する人の出産には必ず立ち会えいっ!

押忍押忍押忍っ!

よそ見すなぁ、カス!

押忍!

D:どんな理由があろうとなぁ、歌ったらいけねえ歌なんかこの銀河系のどこ探したってそんなものはどこにもねぇんだっ!

やっっしっ、、、分かったなっ。

押忍押忍押忍押忍っ!

ようし、、パッチギ包囲網で日本映画界を一網打尽じゃ!

押忍!

               ・

               ・

さて、本題。おいおい・・

淀川のシジミも土手の野草も食べたことはないし、在日朝鮮の人たちの苦しみも20代のオイラにとっては本当のところまではよく分からない。

しかし、この映画を観て何か凄い力を感じたことは確かなのだ。

それは国境すらも越えてしまう歌の力であり、愛の力であり、どんなことにも立ち向かって突き破る前向きの力であり、相手をブチのめす力であり、一致団結する力であるわけで、それがこの映画の力となって結集される。

その激流にオイラは一気に押し流されてしまった。

ただ、この激流があまりにも強すぎて、対岸までたどり着くことがとうとう出来なかったのは少々無念。。

この映画のもつ真のメッセージを掴み取ることができずに、ただただ流されてしまった。

あれだけ暴力に彩られた今作において、日本人と朝鮮人が今までのことを全部お開きにして仲良くしましょという単純なメッセージでないことは確かなわけで、その先にあるものを掴むことができなかった。

しかし、確かな手ごたえがあったのもたしかで、、、。そうだなぁ、これから先、自分が生きていく中で見つけていきますか。

ま、ええもん見させてもらいましたわ。

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パッチギ!LOVE&PEACE(2007年・日本・127分)WOWOW

 監督:井筒和幸

 出演:井坂俊哉、中村ゆり、西島秀俊、藤井隆、風間杜夫、キムラ緑子

 内容:1974年、アンソンは病気を患った息子チャンスのために京都から東京へ引っ越してきた。そしてある日、駅のホームで大乱闘しているところを気のいい国鉄職員の佐藤に助けられ、以来2人は家族ぐるみで親しくなっていく。一方、芸能プロダクションからスカウトを受けた妹のキョンジャは、苦しい家計を助けるため芸能界入りを決意。トントン拍子で売れていく彼女だったが、ある時、自分のルーツとは相容れない特攻隊礼賛映画のヒロイン役を与えられ・・・。

評価★★★★/75点

“この凄まじい入れ込み具合とハイテンションはいったい何なんだ(笑)。。。”

前作は日本人の17歳の男子高校生が在日朝鮮の女子高生に恋心を抱いたことによる日本人と在日の心の交流と、無軌道な若者たちによる頭突きと血の交流を怒涛のごときアツさで描ききった青春群像劇だったが、青春のほとばしる若き血潮とおさえきれないエネルギーが国境という深い河を軽々と越えさせ、社会的差別の壁を簡単にブチ破ってしまうようなポジティブな大きな力として迫ってきた。

一方、今回は、「なんで朝鮮人に生まれてきたん、朝鮮人なんかに生まれてきたくなかった。」と言うキョンジャの言葉に言い表わされるように、社会的差別という障害の壁をどうやっても越えることができない在日の苛酷な現実をとことん在日側の視点で描いていく。

前作の高校時代から6年経ち、社会人になって社会の荒波を直に受けるということなのかもしれないが、しかしその描写がド真ん中のストレートでなおかつステレオタイプなので説教臭くもあり、西島秀俊の変貌ぶりなどはあまりにも露骨でやや辟易してしまう。

しかも井筒監督の凄まじいまでの入れ込み具合とハイテンションだけが一人歩きしている感も否めず、言いたいことが山ほどある中でとにかくそれらを全部ぶっ込んだかんじで、映画の完成度としてはイマイチ低いといわざるを得ないと思う。

ただ、沢尻エリカに代わってキョンジャ役を担った中村ゆりが予想外の好演だったことと、監督の有無を言わせぬアツさにほだされて評価は甘めになってしまいますた・・・。

クライマックスのキョンジャの舞台あいさつシーンも心に残ったし。

2008年8月 9日 (土)

ドドンと開幕!北京オリンピック

121821357408_extras_albumes_0 ここ何年も仕事の関係でまともに開会式なんて見る暇もなかったけど、今回は最初から最後まで見ることができました。

なんてったって、演出監督がマイ・ベスト映画監督といってもいいチャン・イーモウ(「秋菊の物語」「活きる」「初恋のきた道」「HERO」「LOVERS」「単騎、千里を走る」など)だったので、これは見なければと。

「HERO」での原色を華麗にスクリーンに彩った映像センスや、ワイヤーアクションを美しいまでの芸術に昇華した手腕、また「活きる」「初恋のきた道」での素朴な人間模様を切り取る巧さなど、映画が持つ芸術性と娯楽性を最大限に広げる美的融合センスは当代随一といっても過言ではない。

ちなみに「単騎、千里を走る」では高倉健を主演に据えて映画を撮っている親日家。

121821357401_extras_albumes_0 人権、格差など様々な矛盾や厳しい現実を抱える中で、始まった“平和の祭典”。

なにか“鳥の巣”が他から隔絶された理想郷かはたまた酒池肉林か!?というようなかんじに見えて仕方なかったけど、、、しかしそういう穿った見方も開会式が幕を開ければ雲散霧消してしまった。

なんと絢爛豪華で壮麗なこと

いやはや中国4千年の意地を見せられた感じ。

121819894904_extras_albumes_0 ぶっちゃけ中国ならではの人海戦術に頼った人数任せのかんじもあったけど、さすがはチャン・イーモウ。

いちいち美しい!素晴らしかった!

あくまでもチャン・イーモウが凄いんだよ、これは(笑)。おいおい。。

なんか1つの映画作品を見せられているようなかんじだったなぁ。

121820046008_extras_albumes_0 ←映画だろ、これ(笑)。

衣装とかもったいないから、次の監督作品で使ってほしいな。

でも、鳥の巣って9万人収容なんだけど、昨日のテレビ映像で見るとやっぱかなり凄いんだなぁ9万人収容って。

いや、だって我が愛しのレアル・マドリーの本拠地サンチャゴ・ベルナベウは約8万人収容なんだけど、バルセロナのカンプノウなんて9万8千だからねアータ。それが毎週末満員になっちゃうんだから、ホントに凄いんだなと思った。レアルとバルサがね(笑)。今、北京五輪の話してるんですけど・・・

でも、テレビ画面で見るにはもったいないな、あれは。隅田川花火大会をテレビで見るくらいのもったいなさだなホンマ。

121820203916_extras_albumes_0 ←これなんて、映画に出てくるチャン・ツィイーそのものじゃん(笑)。

だけど、これかなり中国は株を上げたというか、観光客増やす宣伝にはもってこいだろうなぁ。

石原都知事はこれをどう見たんだろう。支那の野郎、、と歯ぎしりでもしてたかな(笑)。東京オリンピック招致は、9割方無理ポだと思うけど、冥土の土産に持っていきたいんだろうな。でも、この開会式見ちゃうと、日本でも見たいなと思っちゃうね。

121821357406_extras_albumes_0 ←これは予想だにしなかった。。。

これはけっこう記憶に残る聖火点灯だと思うな。さっすがチャン・イーモウ。

とにかく、深夜1時まで4時間長かったけど、見てよかった。

心に残る開会式ですた。日本代表頑張ってください!

20世紀少年再読21

映画公開までに間に合いそうもない再読!?ささっと21巻。

北海道のラジオ局でケンヂの歌を流し続けるコンチことDJは、そのラジオ局をともだち一味に発見されてしまうが、菓子工場に3年間隠れていた“13番”こと田村マサオとともにヘリで逃亡する。

田村マサオはともだちに会いに行くという。「あの方は2015年に亡くなった、、今いるともだちの正体は、、たぶん、、」

東京を外界から隔てる壁の前で野営しているケンヂ、蝶野ら。

スペードの市が東京に入れる地下道を見つけてくる。いよいよ東京へ・・・。

時を同じくして、マルオ、ケロヨン、キリコも壁の中の東京へ向かう。

一方その頃、壁の中の東京では、各地に空飛ぶ円盤が現れ、赤いペンキを撒き散らしていた。ウイルスを撒き散らす本番の予行練習・・。

民衆は恐怖のあまり火星移住の手続きに火星移民局に押し寄せて暴動寸前の状態に。

カンナらは壁の中で唯一、円盤が飛んでこない所が万博会場であることを突き止める。

カンナ「避難場所が見つかったわ。都民全員を万博会場に」(ちなみに壁の中の人口は50~100万人)

そして、国連総会で新たな予言を発表する“ともだち”。

「地球に再び危機が訪れようとしています。今回は宇宙人の襲来です。宇宙人は史上最悪のウイルスを地球上にばらまくでしょう。我々人類が生き残る道はただ1つ。火星へ移住するのです。」

“ともだち”の記憶・・・

少年時代、、、フクベエの家で山根、ナショナルキッドの少年(ともだち)の3人でしんよげんの書を見ている。

ナショナルキッドの少年が、しんよげんの書に“世界大統領は火星移住計画を発表しました”と書き込んだことに対して、フクベエが「ダメだ。こんなの。」と言って、そのページを破り捨てる。

フクベエ「お前、何も分かってないよ。世界大統領は無敵になるんだ。」

                ・

                ・

別な日、、、フクベエの家。山根がしんよげんの書を持ってきて、「これの最後見た?またアイツが書いたんだよ。」と見せる。

フクベエは最後のページを見て一瞬驚きの表情を浮かべるが、「こりゃないよ。」と言って一笑に付す。

フクベエの家の玄関前でジーッと立っているナショナルキッドの少年。と、その前をケンヂ、マルオ、ヨシツネが「ジジババにアイス食いに行こうぜ!」と走り過ぎていく。。

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                ・

1973年(中2)中学生時代、、、ケンヂが昼休み時間にT・レックスの「20センチュリーボーイ♪」のレコードを流そうと放送室に行こうとする(第1巻オープニング)が、教室前の廊下でヨシツネに止められている。そこを通りかかる“ともだち”。

“また同じような毎日だ、、今の世の中、、必要、、僕は必要、、?必要じゃない、、?今の世の中は、、必要、、?必要じゃない、、?こんな世の中、、、”ナショナルキッドのお面をつけて屋上へ上がっていく・・・

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                ・

現在。

しんよげんの書を見て、「最後のページ、、今日がその日だ。」

放送室にやって来る“ともだち”。

T・レックスの20センチュリーボーイをかける。

そして、、「やあ、みんな。2000年血の大みそか、、そして2015年、ウイルスで大勢の人が死んだね。全部僕の予言通りだったね。そして、今回は宇宙人が空飛ぶ円盤で襲来。全部僕の予言通りだったね。」

「世界はずっと僕の才能を認めなかった。僕は必要だけど、この世の中は必要じゃない。」

「予言なんてウソだよ。全部僕がやったことだ。神は1週間でこの世界を作られた。だから僕は1週間でこの世界を終わりにします。さようなら、みんな。」「ケーンヂくーん。あーそーびーまーしょ。」

空飛ぶ円盤が現れる・・・。

2008年8月 8日 (金)

夢のシネマパラダイス477番シアター:太陽がいっぱい

Hqfixbkp 出演:アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ

監督・脚本:ルネ・クレマン

(1960年・仏/伊・122分)

評価★★★★★/100点

内容:貧乏なアメリカ青年のトムは、金持ちの放蕩息子フィリップを連れ戻して欲しいと彼の父親に頼まれ、ナポリにやって来た。真っ青な海とまばゆい太陽の輝きに包まれる中、トムはフィリップが婚約者とエッチしているのを見て、妬みと憎悪から彼を殺そうと考える。トムはナイフでフィリップを刺殺し、死体を海に投げ込む。そして、彼の名を騙って1人2役を演じながら金と女を手に入れるのだった。しかし・・・。

“華麗なる悪魔に憑かれる。”

サスペンスに満ち充ちた娯楽映画としての要素と、トム・リプリー=アラン・ドロンのパーソナルな映画としての要素が絶妙に絡み合った作品といえるが、この2つの要素が混在両立する映画というのは実はそう多くはない。

しかもこの映画におけるサスペンスというのは、殺人者の迫り来る魔の手から逃れる恐怖と緊張感ではなく、殺人者がいかにうまく自分の罪を隠すかという緊張感と、またそのために重ねていく罪の恐怖であるわけで、唯一無二の独特な醍醐味を醸し出している。

また、トム・リプリー=アラン・ドロンのパーソナルな映画としての要素についていえば、両者をイコールで結んだが、ある面ではリプリー<アラン・ドロンという不等記号で結んだ方が正確なのかもしれない。

美形派で、実際に鏡の前でラブシーンを演じることが好きだったというナルシストな一面をもつアラン・ドロンには、バイ・セクシャルの噂やマフィアとの関わり合いなど常に影がつきまとっていた。

この作品では、そういうアラン・ドロン自身のパーソナルな部分が如実に滲み出ており、まさにアラン・ドロンの独壇場といえる作品になっている。

トム・リプリーとアラン・ドロン、鏡の世界と現実の世界、虚像と実像が密度濃く織り込まれた、やや危険な香りのする稀有な魅力にオイラは完全にとり憑かれてしまった。

しかし、他人を知るというプロセスを通じて本当の自分を知ることができ、その上で自分が変わっていく、その過程をドラマの俎上に乗せて描いた映画は数多い。しかし、そこを突き抜けて他人になってしまおうというのは、非常に映画的であるとともにある種の魅力的な悪夢といってもよい。

この悪夢とそれを見てリプリーを完全に応援してしまっていた自分の心の動きがリンクしてしまったのも、この映画のもたらす作用の大きさ、面白さと魅力を痛感せざるにはいられない。

傑作に触れるというのはこういうことをいうのかもしれない。

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リプリー(1999年・アメリカ・140分)DVD

 監督:アンソニー・ミンゲラ

 出演:マット・デイモン、ジュード・ロウ、グィネス・パルトロウ、ケイト・ブランシェット

 内容:貧しい青年リプリーは、NYの大富豪からイタリアで豪遊する息子を連れ戻すように頼まれる。しかし、リプリーは美しい恋人と優雅に戯れる御曹司に強く惹かれていき・・・。アラン・ドロン主演の名作「太陽がいっぱい」をリメイクしたミステリー。

評価★★★/60点

ハイ、よく出来ましたよく頑張りました。

でもねぇ、、、アラン・ドロン版が「あしたのジョー」なら、これは、、、何だろ・・?間違いなく言えることは、記憶には残らないってこと。。

マット・デイモンが頑張れば頑張るほど、イタリア警察が低脳でコキ下ろされればコキ下ろされるほど、アラン・ドロンの太陽が燦然とした輝きと灼熱さを増していく。

ま、良い引き立て役ということでおまけの★3っつ。

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青の炎(2003年・東宝・116分)BS

 監督:蜷川幸雄

 出演:二宮和也、松浦亜弥、鈴木杏、秋吉久美子、中村梅雀、山本寛斎

 内容:湘南の高校に通う17歳の少年・秀一は母・友子と妹・遙香との3人で穏やかに暮らしていた。ところがある日、母が10年前に離婚した男・曽根がひょこっと現れ、家に居ついてしまったことから平和だった家庭は一変する。曽根は傍若無人に振る舞い、母ばかりか妹にまで手を出そうとする始末。やがて警察や法律では問題が解決できないと悟った秀一は、自らの手で曽根を殺害する決意を固め、完全犯罪計画を練り始めるのだった・・・。

評価★★★★/75点

どう思い返してみてもサブリミナルとしか考えられない映像が2,3コマ入ってた気がするんですけど、、竹中直人その人ww

それまでの流れや空気を一瞬断絶させた張本人。

青の炎が一瞬ねずみ色に変わってしまった・・・。

そのサブリミナル映像以外は、北野ブルーともまた違う、はたまたガタカブルーとも違うれっきとした蜷川ブルーで包まれた非常に印象的な映画になっていたと思う。

アヤヤは天然オーラを発しているからまだしも、二宮があれだけの雰囲気を醸し出せるヤツだとはちょっと驚いてしまった。

まぁクストリッツァの映画が好きっつうトンデモ男だからなぁ秀一という男は・・・。あとなんだっけ、トム・ウェイツの声?おい、お前は昭和何年生まれだよ。。

自分が共感できたのはカリカリに焼けたベーコンとジダンのボールさばきくらいだな。

P.S.

あ、あれって自転車だろ秀一さんよ。

お亡くなりあそばしたお前さんの事故がもしニュースになったら、キャスターはロードレーサーにダンプカーが追突しましたなんて言わねえよ。絶対自転車って言うと思うぜ。

いくらお前が天国で、違う!ロードレーサーだ!と文句を言おうともう意味なしだぞ。それでも不満があるなら死ぬんじゃねぇよボケ。

今頃になって自分の内なる炎がメラメラ燃え出してきた・・・。

Posted at 2003.03.22

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(おまけ)

仁義(1970年・フランス・140分)NHK-BS

 監督・脚本:ジャン=ピエール・メルヴィル

 出演:アラン・ドロン、イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ、フランソワ・ペリエ

 内容:刑期を終えたばかりの男、脱走犯、元警官ら4人の宝石店襲撃とその挫折を描くフィルム・ノワール。

評価★★★/60点

哀愁漂ううすら寒い映像にピアノの旋律と言葉少ななセリフがかぶさり、独特の雰囲気を出しているが、いかんせんテンポが悪い上に小ざっぱりしすぎていてイマイチのりきれない。

“仁義”というくらいだから、もうちょっとドロドロしたものを期待していたのだけど。

そういう意味では、アル中のイヴ・モンタンが蜘蛛やら蛇やらトカゲやらに取り囲まれる幻覚を見るシーンが1番ドロドロしてたかも。

2008年8月 7日 (木)

夢のシネマパラダイス476番シアター:「Uボート」に挑むもすべて轟沈・・・!?

Uボート

Uf_d 出演:ユルゲン・プロホノフ、ヘルベルト・グレーネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン

監督・脚本:ヴォルフガング・ペーターゼン

(1981年・ドイツ・209分・ディレクターズカット版)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの誇る潜水艦Uボートに乗り込んだ従軍記者の手記をもとに、巨費を投じて製作された戦争スペクタクル。1941年、22歳の報道記者ヴァーナーは、ナチスが占領しているフランスの港町ラ・ロシェルで、潜水艦U-96に乗り込んだ。30歳の艦長以下、潜水艦の乗組員たちはほとんどが20代前半の若者たちだった。やがて嵐が続き、乗組員たちが無為な日々に苛立ち始めた頃、U-96は敵の駆逐艦の爆撃に遭い、度重なる攻撃のため艦内は酸素不足に陥る・・・。

“海洋版「地獄の黙示録」”

最新のVFXやCG映像を駆使した今の映画と比べると、アナログ全開なのは一目瞭然。

しかし、極限状況下の生々しい人間ドラマに焦点を当てている本作にあっては、そのことが逆にデジタルとは程遠い人間味や人間臭さを生み出し、かつ強調することに大いに役立っている。

そして技術的制約の下でできる最大限の映画的演出に徹底してこだわっているのもこの映画を印象深いものにしている。

特に徹底しているのが、閉鎖された潜水艦内の様子を延々と強調して描写していることで、例えば敵軍との壮絶な戦いでも今、潜水艦がどのような状況になっているのかという客観的な俯瞰シーンを極力排除して、そのかわりに徹底して潜水艦内の緊迫した様子と、“音”と“耳”しか状況把握ができない中で、極限状況に心身を削られていく乗員たちの死線の境を彷徨う姿を捉えつづけるばかりなのだ。

疲弊しきり、人間性を喪失していく乗員たちの表情と姿が、コッポラの「地獄の黙示録」に出てくるジャングルの奥地に潜むイカレた兵士たちのゾンビのような姿とダブって見えるのが象徴的だが、観ているこちらまで疲弊しきってしまうところがある意味この映画のスゴイところ。

そして、ラストの思わずガックリくるような皮肉極まりないオチに完全にグッタリ・・・。

ようするに、言いたかったことは、、、長っげぇんだよ(笑)!!

いやはや潜水艦映画とは本来こうあるべきだという見本ですな。。

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ローレライ

Blog20050320出演:役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、石黒賢、堤真一

監督:樋口真嗣

(2005年・東宝・128分)2005/03/16・仙台第1東宝

評価★★☆/50点

内容:1945年8月、広島に原爆が投下され、いよいよ窮地に立たされた日本軍は、ドイツから極秘裏に接収した戦利潜水艦<伊507>に最後の望みを託す。特殊兵器ローレライを搭載する伊507は、第2第3の原爆投下を阻止するため、原爆搭載機の発進基地テニアン島の奇襲作戦の任務を受け、絹見少佐をはじめとする70名余りの乗員を乗せて敵地に向かうのだが・・・。

“電車男ならぬバス男ならぬ潜水艦男の果てなる妄想・・・”

何の前知識もなしで観たのが、かえってアダになったかんじ。

ポスターの絵づらをパッと見たときは男と男の闘いだぁっと思い込んでしまったのだが。しかし、このポスター、よ~く見たら妻夫木くんとギバちゃんの間に小ちゃくおるやんけ、アキバ系コスプレ女が。気付けよ自分。。

妄想ゲームばりの世界観にはなかなか入っていけなかったし、例えばパウラが初めて甲板に上がるシーンにおける大海原と大空のなんとちっぽけで安っぽい絵よ。

ここのシーン見て、ああ、こりゃダメだわオイラには、と確信してしまった。自分の中で「ローレライ」という世界が広がっていかないのだから。。

そんなシーンのオンパレードで挙げたらきりがないが、さすがに佐藤隆太くんが手を挟めてあの世行きには、、、笑っていいんですよね?あれって。。

まだ韓国映画の方が1枚も2枚も上手だな、このジャンルは。

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亡国のイージス

Aegiss 出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩一、中井貴一、勝地涼、チェ・ミンソ

監督:阪本順治

(2005年・松竹・127分)DVD

評価★★/40点

内容:ある日、東京湾沖で訓練航海中の海上自衛隊イージス艦いそかぜが乗っ取られた。それは副長の宮津と某国対日工作員ヨンファが共謀して実行したものだった。さらに宮津は、政府に対し、毒ガス兵器“グッソー”を搭載した全ミサイルの照準を東京に合わせたことを宣言する。政府が対応に手間取る中、艦の構造を熟知している先任伍長の仙石が艦の奪還に向かうのだが・・・。

“最凶の八つ当たり!!”

宮津の配役に寺尾聰という時点で何か嫌な予感はしたが、案の定やはり単なる良い人に落ち着いてしまった。

しかし、それだからこそ宮津の国家への反逆が、息子を謀殺された(かもしれない)ことへのプッツン切れた復讐心にしか見えないのが痛すぎる。

最凶の八つ当たりだ。

軍隊を持てば平和が訪れる、、、歴史上そのような国が真の平和を実現させたことなどいまだかつて無いわけだが、今回の映画で描かれたように、私怨で軍隊をいいように使われたもんなら、たまったもんじゃない。

この映画を観るかぎりにおいては、産経新聞の期待通りにはどうやら自分は添えそうもない。

軍隊は無い方がいい。

しかし、士官をはじめとする乗員たちも、よく宮津について行こうと決心がついたものだ。。毅然とした意思統一と彼ら全員に命もあるいは故郷さえも捨てさせるには、人間的魅力の他に確固とした共通の実現可能な大目的が必要なはずなのだが、この映画では「宮津学校」というそれらしい単語は出てくるものの、やはり宮津の人間的魅力、、、いや、寺尾聰のいい人ぶりを拠り所としているに過ぎない、としか見れない。

その土台の弱さを某国工作員ヨンファ(中井貴一)が一身に背負って孤軍奮闘しているのがまたなんとも痛々しく見えてしかたないのだ。。

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出口のない海

20060917212913 出演:市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、三浦友和、塩谷瞬、柏原収史

監督:佐々部清

(2006年・松竹・121分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:1945年4月、敗戦濃厚の日本は、定員1名で脱出装置なしの人間魚雷“回天”に戦況挽回の望みをつないでいた。甲子園優勝投手で明治大学に進んだ後、海軍士官学校に入隊した並木浩二(市川海老蔵)は、陸上部の北(伊勢谷友介)らと回天に乗り込むことを志願することになるのだった・・・。横山秀夫の同名小説を原作に、山田洋次らが脚本を担当して映画化。

“佑ちゃんフィーバーから遡ること60数年前にあった現実に暫し絶句・・・。”

今、東京六大学野球がアツい。

いわずとしれた甲子園の優勝投手で早稲田の斉藤佑樹投手こと佑ちゃんフィーバーに沸いているからだが、そのおかげで神宮球場も大いに盛り上がっている。

しかし、今から60数年前、同じ甲子園の優勝投手が馬鹿げた戦争に駆り出されたあげく、敵艦にもろとも体当たりするという未来への希望も夢も脱出口さえ閉ざされた、人を小バカにしたような人間魚雷として儚き命を散らさなければならなかった現実と、その時代に思わず涙してしまった。

映画としてやや一本調子に過ぎた淡白さと冒険心の無さは気になったし、まるで記録映画のようなかんじで、“情”の大御所・山田洋次が一枚かんでいるせいか映画として優しすぎる面も否めず。

しかし、それでも真剣かつ真摯な語り口がラストの現代の神宮球場と山口・大津島の絵にしっかりと繋がりをもたせていて、心に日本人が忘れかけ風化しようとしている、トゲが突き刺さったような感覚が押し迫ってきた。

自分自身、神風特攻隊は多少の知識はあっても、回天についてはほとんど何も知らなかったので、過剰さを排したこのような演出に徹して、結果良かったのかもしれない。

とにかくあれだな。今の世の中、気だるい平和だとか金で買った平和だとかぬかす輩もいるけど、国民をバカにしたようなホントにバッカバカしい惨めで無意味な戦争するよりはマシやろ。

バカバカしい戦争するよりは、バカバカしく平和平和と叫んでる方がまだ許せる。そんな思いを強くした。

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クリムゾン・タイド(1995年・アメリカ・116分)盛岡ピカデリー

 監督:トニー・スコット

 出演:デンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマン、ヴィゴ・モーテンセン

 内容:ロシアの反乱軍がシベリアの核基地を占拠する事件が発生。核攻撃の危機にさらされた米軍は、原子力潜水艦アラバマに出撃命令を下す。しかし、艦長と副艦長が、核に対する思想の違いから対立。やがてそれは艦内を二分する内乱へと発展していく・・・。

評価★★★★/80点

今これ映画にしたら反乱軍はロシアじゃなくて北朝鮮になるんだろうか。作戦名「半島を出よ」とかって。。

ロシアの反乱軍がアメリカと日本にミサイルをぶっ放すっつーんだから、はた迷惑極まりない話なのだけど、アメリカ様が守ってくれるからいいのかな・・・おいおい。。

しかし、この映画、フィクションとも言い切れないところがちょっと怖い。艦長、副艦長両者とも正しい行動をしているといえるのだから。

人間プッツン切れると何しでかすか分からんからなぁ。。それゆえ、ラスト、男と男の友情として話が帰結してしまうという安易な終わり方には疑問を感じてしまう。

・・・あ、ジェリー・ブラッカイマー製作なのか。じゃ、納得だ(笑)。

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深く静かに潜航せよ(1958年・アメリカ・93分)NHK-BS

 監督:ロバート・ワイズ

 出演:クラーク・ゲーブル、バート・ランカスター、ジャック・ウォーデン、ブラッド・デクスター

 内容:日本軍の駆逐艦アキカゼに艦を撃沈されたリチャードソン中佐は、新たな艦を与えられた。彼は、アキカゼへの復讐戦を挑もうと豊後水道に向かうが、副艦長のブラッドソーたちはリチャードソンに猛反発する・・・。

評価★★★/60点

いっぱしの骨太感と迫力に満ちているのは、おなじみの潜水艦映画といったかんじだが、決定的に“恐怖”というものに欠けている。

「Uボート」以前と以後の違いを如実に体感。

2008年8月 6日 (水)

20世紀少年再読⑳

今日は20巻。あと一息・・。

ともだち暦3年、、、

厳道館道場というところで館長をしているユキジのところに、ともだちと決着をつけに行くというカンナ、オッチョ、ヨシツネがやって来る。

ユキジはカンナに、母親キリコと会うべきだと言う。

2015年、アメリカのミシガン湖畔のMGC製薬の工場が爆発し、そこでウイルスのワクチンを開発していたキリコは、駆けつけたケロヨンにより救出され、今現在は、東村山のケロヨン主宰の“カエル帝国”という共同体に匿われ、そこの研究施設で最終ウイルスのワクチンを生成している。

そこにマルオは向かっているという。

しかし、カンナはもうそんな時間はないと言って、“ともだち”本丸に乗り込んでいくのだった。

万丈目派の親友隊(地球防衛軍は現在の“ともだち”が率いる組織で、両者は対立している)の導きで“ともだち”タワーにすんなり入ることができたカンナ、オッチョ、ユキジ(ヨシツネは留守番)だったが、一人で決着をつけようとするカンナは、オッチョとユキジを地球防衛軍側に引き渡し、単独でともだちの元へ向かう。

そして覆面をつけたともだちと遂に対面するカンナ。が、とっさにこれは別人だと見抜く。

カンナ「あなた、、、誰?」

ともだち「何を言ってるんだい。ホンモノだよ。君のお父さんだよ。」

カンナ「あなたみたいな影武者が何人いるの?整形でもしてるの。」

ともだち「思った通りだ。頭のいい子に育った。そういう子に育つように、君のお母さんには妊娠中にいろいろ秘薬を投与して試したからね。」

カンナ「まさか、、、この力もそのせいで。。」とスプーンを超能力で曲げてしまうカンナ。

ともだち「僕の力が遺伝したんだ。偉大な力が・・・」

カンナ「ともだちがやったことは全部嘘よ!嘘!嘘!嘘!全部嘘!」

と激昂するカンナにともだちは「この娘、絶交」と言い放つ。

カンナは手榴弾を手にともだちを人質にとり、エレベーターに乗り込む。

ともだち「万博へは行ったかい?開幕してから3年、いまだに大勢の人々がやって来る。子供の頃、1970年の万博、行きたくて行きたくて行きたくて、、、人類の進歩と調和、本当にその通りだよね。万博は永遠に続くんだ。あれが人類の文明の完成形だ。そして、すべての文明が滅んだあと、あれだけが残るんだ。」

エレベーターを降りたカンナ「あなたは殺さないわ。本物の“ともだち”じゃないから。あなたは誰?」

ともだち「僕が誰だかケンヂが知ってるよ。僕が、僕こそが20世紀少年だ。」

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一方、残されたオッチョとユキジは、高須に連れられて万丈目のもとへ。

が、万丈目は高須により殺害されていた。

高須「あなた方が万丈目を暗殺した。それでクーデターを計画した親友隊のこともうやむやになる。すべて丸くおさまるわ。」

オッチョ「お前、万丈目にとってかわる気か、、」

高須「とんでもない。私は“せいぼ”になるのよ。それより脱出路を教えてあげる。あなた方には生きていてもらわないと。なにしろ地球を侵略するインベーダーなんだから。」

そして、地下へ逃げ込んだオッチョとユキジはそこで空飛ぶ円盤を見つける。

オッチョ「宇宙人襲来、、地球防衛軍、、火星移住計画、、最終戦争、、いつもの自作自演、、。」

空飛ぶ円盤が地球に侵略してきて、ウイルスを降り注ぎ地球は滅亡。人類は火星に移住するというともだちの最終計画・・・。

と、そこに科学技術省長官のマー坊が。。

万丈目派のマー坊は、2015年のウイルスで会社(Y&Mコーポレーション:ともだちと軍需産業と結びついて世界的大企業になった)創設以来ずっと一緒にやってきた長塚という仲間を亡くし、“ともだち”に反旗を翻したのだと言う。

そして彼らは2000年血の大みそかの時のロボットを制作した敷島教授のもとへ。

するとそこには新たなロボットが・・。

ともだちの予言を思いっきりひっくり返すために、ロボットで空飛ぶ円盤を撃墜する作戦!

マー坊「血の大みそかの仇討ちだ。」(お前が言えた義理かw)

オッチョ「あのロボットに乗る資格があるのは、ケンヂ以外いない。。」

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その頃、マルオはケロヨンと再会。ケロヨンは2000年血の大みそかの時に、ケンヂらに協力しなかったことをずっと悔やんでいたのだという。

マルオ「俺たちと戦おう。」

マルオとケロヨンは、別棟の研究施設にいるキリコのもとへ。

>キリコの記憶

カンナを産んだキリコの病室を訪れる父親「なんて可愛い子なんだ。人類が絶滅してもこの子だけは・・・」

            ・

            ・

数ヵ月後

キリコ「サークル?あなたいつもサークルに出かけるっていうけど、いったい何なの?」

「別にたいしたことじゃないよ。ちょっとした友達の集まりだよ。あ、、君が作った例のワクチンなんだけどね、、厚生省の認可が遅れているんだ。じゃあ、行ってくるよ。」

不審に思ったキリコは後を追い、その集会で覆面をつけた“ともだち”が壇上で「西暦2000年、人類は滅亡します。でも私と共にある皆さんは救われます。」と言う異常な光景を目の当たりにしてしまう。

キリコはすぐ赤ん坊のカンナをケンヂに預け、失踪(1997年)。そして、“ともだち”の団体の資料を警察に持っていくが、それに対応したのはともだち一味のヤマさんだった・・・・・・・・・・・。

研究施設にマルオとケロヨンがやって来る。キリコは、自分を人体実験として、最終ウイルスのワクチンの効果を調べている。24時間経って何も起こらなければ成功。。。

マルオ「カンナの父親は、本当に“ともだち”なんですか?ともだちはフクベエ?」

キリコ「ええ。」

しかし、アメリカから帰国後、会った“ともだち”は別人だと言う。「声も姿もフクベエにそっくりだけど、あれは別の誰か・・・」

<注>この一連の場面により、大人のフクベエは実はカツマタ君であり、整形したのはカツマタ君の顔に似せたフクベエの方だった、というオイラの勝手で大胆な推理にはかなりの無理があることになる(笑)のだが、、、強行策のオイラはまだこの推理を捨てきることができない・・。

マルオ「オッチョが3年前に確認した遺体、、、フクベエはあの時死んだ、、、じゃあ、今いるあのともだちは誰なんです?誰か心当たりはいませんか。フクベエに代わって“ともだち”になりすます人間は・・・」

キリコ「“ともだち”のサークルの初期に、彼は誰かある人によく電話してたわ。同い年くらいの友人と話してるみたいな。。それより・・・あのコは誰・・・?」

>キリコの記憶

中学生か高校生のキリコが公園のベンチで微生物に関する研究書を読んでいると、フクベエ・山根・ナショナルキッドの少年が通り過ぎて、公園の片隅で何やら話しこんでいる。

、、と、キリコの前にもう一人、ナショナルキッドのお面をつけた少年がやって来て、「何読んでるの?ふーん、ミジンコの勉強してるんだ。」と言ってくる。

キリコ「お面くらいとりなさいよ。」

お面をとると、それはサダキヨだった。

「じゃあ、あそこにいるナショナルキッドの少年は、誰・・・?」

<注>このキリコの回想場面で、ヴァーチャルアトラクション以外で初めてフクベエの少年時代の顔が正面から描かれている。これで少年時代のフクベエはやはりこの顔でいいということになる。が、さっきも述べたように、相当の無理はあるかもしれないが、大人のフクベエの顔はカツマタ君だと思う。そっちの方が面白いし。。おいおい・・

            ・

            ・

そして、24時間が経過し、ワクチンの人体実験は成功する。

2008年8月 2日 (土)

夢のシネマパラダイス471番シアター:珈琲時光

Cof1 出演:一青窈、浅野忠信、萩原聖人、余貴美子、小林稔侍

監督・脚本:ホウ・シャオシェン

(2003年・松竹・108分)2004/11/22・仙台フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:2003年、東京。取材先の台湾から帰国してきたフリーライターの陽子は、その足で神保町の古書店の2代目主人・肇とその親友の誠治のもとを訪れる。彼らはしばしば喫茶店で珈琲を飲みながら穏やかな時間を共有する仲だった。やがて、お盆で高崎の実家に帰省した陽子は、両親に自分が妊娠していることとシングルマザーになるつもりであることを告げるのだった・・・。小津安二郎の生誕100周年を記念して、小津を敬愛してやまないホウ・シャオシェンがオマージュを捧げて作った作品。

“美味しいとは言えないが不思議な味がする、とは言える。そして何かひとつ隠し味が足りない、とも言える。要するに非常に惜しいのです。。”

「ロスト・イン・トランスレーション」がいわゆる“外人”から見た異文化トーキョーを切り取った(いや、それしか切り取ることができなかった)のに対し、こちらは小津安二郎へのオマージュと銘打っている名に恥じず、微かなノスタルジックの匂い漂う東京の横顔を切り取ってくれた。

「機動警察パトレイバー劇場版」での衝撃的ともいえる昔ながらの下町描写、その喪失していく東京の痛みをえぐり出した押井守も凄いが、本作のホウ・シャオシェンも十分印象的だ。ここしかないというポイントと角度で東京の風景を切り取ってくれた。

しかもこの映画、匂い袋をどこかしこに忍ばせているのか、時おり台湾かと錯覚してしまうほどの強烈な香りを高ぶらせてくる。ここは台湾なのか、それとも平成の現在に残っている昭和の東京なのか。。

そして、そのことと関連して特筆すべきがなんといっても一青窈である。

小林稔侍のエセ笠智衆には思わず失笑してしまったが、小津安二郎へのオマージュという点において最も逸脱していると思われる一青窈というキャスティングが最も効力を発揮するとは・・。

おそらくこの映画でしか存立しえない独特な存在感ではあるのだけども、それにしたって彼女の存在感は凄かった。

台湾映画「藍色夏恋」の17歳の女のコ、グイ・ルンメイを成長させたようなかんじといえばいいだろうか。一青窈自身の出自にもよるのかもしれないが、ホウ・シャオシェンの描きたい世界観と見事にマッチングしてしまった。

「もののけ姫」に出てくるシシ神、このシシ神が歩いた跡には草木がさらさらと成長してはすぐに枯れていくのだが、本作においては一青窈の歩いた跡に時代と国境を越えた小津の情念、その不思議な世界がやわらかく芽吹きをあげる。

撮影手法もだいぶ小津とホウ・シャオシェンでは違いが見られる中で、彼女の果たした役割は思った以上に大きい。

しかし、だ。

その芽吹きは一向に成長しない。枯れはしないが、か弱くどこか表面的なのだ。

しかもホウ・シャオシェンはそれを高々しく育てようとはしない。ただ見つめるだけなのだ。

それがある面では個人的評価を下げた理由でもあるのだが。。

例えば、小津映画で描かれる東京というと、昭和の風景というのは当然のこととして、その作品で描かれる家族の悲喜劇、悲哀やわびしさや孤独といったものの心象風景として東京の風景が描き出されていて、静かな表情の中にも必ずそこに意味があった。

それに比べると、本作はやや表面的で柔な描写に終始しているとも感じてしまう。しかも物語がそれ以上に表面的で柔なため、相対的にみてもまるで一青窈のPVでも見てるようなそんな気分にもなってしまいかねない。

ホウ・シャオシェンの見つめる目はあまりにも優しすぎる。まぁそれはそれでいいのかもしれないが、小津映画の中で時おり垣間見せる残酷で鋭利な視線をこの映画でも見せてもらいたかったといったら酷だろうか。

いや、だからこそ小林稔侍のエセ笠智衆には嫌悪感を覚えてしまうのだ。あまりにも表面的すぎて。無口なのは浅野忠信扮する古書店の主人だけで十分。

「東京暮色」の妊娠した娘・有馬稲子がラストで事故死してしまうといった衝撃をこの映画に求めるものではないが、なにかもっと心を揺動させるような情感の高まりがほしかった。

惜しい作品ともいえるし、なにか実に不思議な作品にめぐり合ってしまった、、そんな気もする映画体験だった。

2008年8月 1日 (金)

20世紀少年再読⑲

今の“ともだち”はフクベエではないと言う万丈目。

万丈目「頼む、、あいつを殺してくれ。」とカンナとオッチョに言う。

そして、カンナとオッチョはヨシツネのもとへ行き、ともだち殺害を決意する。

一方、その頃、北の検問所を突破したケンヂと、一緒について来た蝶野は、東北と関東を隔てる関所にやって来る。ちなみに関所の向こう側の街は埼玉県熊谷。

その関所は関東軍が取り仕切っていて、通行手形がないと関所は通過できない。しかも、関所の外の街に居座るアウトロー・スペードの市の話によると、この3年間、1人を除いて3千人が偽造手形で関所越えを試みて撃ち殺されているという。

さっそくケンヂはその偽造手形を作っていた漫画家の氏木常雄(かつて常盤荘のアパートでカンナの隣の部屋に住んでいたウジコウジオの片割れ)に手形を作らせ関所の突破を図る。

関所に悠々とそびえ立つハリボテ城には、キリコの恋人・諸星を殺したロンゲ男が総統として君臨していたが、城に潜入したケンヂに見透かされ圧倒されてスペードの市らに取り押さえられ、関所は占拠される。

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