夢のシネマパラダイス465番シアター:アジアン映画祭
季節の中で
出演:グエン・ゴック・ヒエップ、チャン・マイン・クオン、ドン・ズオン
監督・脚本:トニー・ブイ
(1999年・米/ベトナム・108分)NHK-BS
評価★★★★/80点
内容:ハス摘みの少女と病に冒された詩人との心の交流。娼婦に心を寄せるシクロの運転手。都会の片隅で懸命に生きるストリートキッズ。ベトナム女性との間に生まれた娘を探す元米兵。現代ベトナムを舞台に、4つのストーリーが並行して語られていく。サンダンス映画祭史上初のグランプリ、観客賞をダブル受賞した。
“オイラの遺伝子がここだぁっ!とざわめき立っている。”
ベトナムというと、「青いパパイヤの香り」に代表されるように、原初的な東洋の香りとフランス、アメリカをはじめとする西洋の香りが渾然と混ざり合って、ベトナム独特のエスニックの香りを漂わせている。
そんな香りと雰囲気、感覚を思い浮かべる。タイにはない香りだ。
一方では、「地獄の黙示録」の冒頭のような狂気じみた暑さとどこか空ろな空気感、ある時点を境に未来を失って歩みを止めてしまったような無常な感覚をも思い浮かべてしまう。
この映画は、この3つの感覚をベトナムの四季とともに優しく掬い取っている。
それがイイ。
心の中にスーッと入り込んでくる香り。
暑さもコカ・コーラの看板の前でコーラを飲めばちょっとは忘れられるかもしれないし、シクロの運転席にもたれかかって本を読めばそこだけゆったりとした時間が過ぎていくのかもしれない。
そしてなにより自分のありのままを受け止めて、自分らしく生きていくこと、それがホントの幸せ。それがホントの強さ。それを理解してくれる人との出会い。
幸せの価値なんてのは人それぞれ。だけど1番大切なものだけは、どこかに置き忘れてきたくはない、自分もそんなことしてまで「あっちの世界」に行って生きたくはないなとは思ったかな。
あ゛っ、、でも日本はもうすでに「あっちの世界」か・・・。
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少女の髪どめ(2001年・イラン・96分)NHK-BS
監督・脚本:マジッド・マジディ
出演:ホセイン・アベディニ、ザーラ・バーラミ、モハマド・アルミ・ナジ
内容:冬のテヘラン。建設現場で働く17歳のイラン人青年・ラティフ。ある日、その現場で転落事故が起き、不法に雇っていたアフガン難民の男が怪我を負ってしまう。翌日、その息子だという少年ラーマトが代わりにやって来るが、この少年にはある秘密があり・・・。
評価★★★/65点
“イランが描いた「アフガン零年」”
イギリスが描いたアフガン零年「イン・ディス・ワールド」では、パキスタンの難民キャンプに暮らすアフガン難民の少年がロンドンを目的地としてアジアを横断する。
そう、アジアは繋がっているんだ。
でも、アジアの東の片隅の日本までちゃんと繋がっているんかいな・・・。
こういう映画観ると、全く反対方向のアメリカ映画ばかりに目を向けてる自分が後ろめたくなってくるような、そんな気にさせられてしまう。
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北京好日(1993年・中国・93分)NHK-BS
監督:ニン・イン
出演:ホワン・ツォンルオ、ホワン・ウェンチェ、ハー・ミン
内容:珠市口劇院の住み込み管理人ハンは、40年勤め上げ、退職の日を迎えた。翌日、死んだ妻の写真と少しの荷物を持って町へ出たハンは、ふらりと立ち寄った公園で自分と同年代の老人たちが京劇を楽しんでいる姿を目にする。老人たちの仲間に加わるうち、ハンはいつの間にか皆から一目置かれるようになり・・・。
評価★★★/65点
当時世界のトレンドだったマイケル・ジャクソンも中国の伝統ある京劇の歴史の体現者である頑固爺さんの手にかかれば一刀両断の瞬殺斬り!
そこにこの映画の強い信念と決意を見た。
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キャラバン(1999年・フランス・108分)CS朝日
監督:エリック・ヴァリ
出演:ツェリン・ロンドゥップ、カルマ・ワンギャル、グルゴン・キャップ
内容:ヒマラヤの村。人々は冬を乗り切るために塩を麦と交換するためキャラバン(ヤクを運搬手段にして通商するネパール高原民族の商隊)を行っている。ある日、キャラバンが村に戻ってくるが、長老の息子ラクパが事故で命を落としてしまった。そこで次のキャラバンの隊長は、ラクパの親友で有能な若者カルマと思われていたが、長老がそれに猛反発。まだ幼い孫のツェリンこそ後継者だと言って譲らない。2人は対立したまま別々のキャラバンを率いて出発するのだが・・・。
評価★★★★/75点
あまりにも自分の日常とかけ離れた世界なので面食らってしまうが、こういう確実に記し残されてきた人間の営みをしっかりと焼き付けた映画と出会えるとスゴク嬉しくなる。
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リトル・ブッダ(1993年・英/仏・141分)WOWOW
監督:ベルナルド・ベルトリッチ
出演:キアヌ・リーブス、ブリジット・フォンダ、アレックス・ウィーゼンダンガー
内容:シアトルに住む9歳のジェシーは、チベットの高僧からブッダの生まれ変わりだと告げられる。ブータン行きを勧められるのだが・・・。
評価★★★/65点
法事で2時間半正座して和尚さんのお勤めと説法を聞き続けたような、、、語り口は全く苦ではなかったのだけど、終わった途端にシビレを切らして立ち上がれないことに気付く、、時すでに遅し・・・。
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カンフーハッスル
出演:チャウ・シンチー、ユン・チウ、ユン・ワー、ドン・ジーホワ
監督・脚本:チャウ・シンチー
(2004年・中/米・103分)2005/01/09・MOVIX仙台
評価★★★★/75点
内容:強さに憧れるチンピラ、シンの夢は冷酷非情なギャング団“斧頭会”に入会すること。ある時、悪事をしでかそうとアパート“豚小屋砦”に目をつけるが、住人はなんとカンフーの達人ばかりだった!チャウ・シンチーなど、「小林サッカー」のスタッフが再結集した痛快カンフー・アクション。
“足が回転している映像を見てオイラは今、モーレツに感動している。”
オッス!オラ、悟空!
おめぇ、チャウ・シンチーっていうのか?ぷはーーっ。おめぇ強ぇなぁ。かなりヤバかったなぁ。オラ、もっと強ぇえ奴と戦けぇてんだ。
おめぇ、オラといっちょやっか!
よーし!今なら誰にも負ける気がしねえ!!怖ぇえはずなのになんかワクワクすんぞ!
へへ、オラ、こんなスゲェ奴は初めてだぞ。
そいえばオメェ、サッカー日本代表の阿部勇樹に似てるなぁ。えっ?サッカーもやってたのか。オメェやっぱスゲェなぁ。
決めた!オラ、おめぇの映画に出る!
おめぇに全てを託す!
、、、ハリウッド版ドラゴンボール楽しみにしてまっせ。
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TUBE(2003年・韓国・116分)NHK-BS
監督・脚本:ぺク・ウナク
出演:キム・ソックン、パク・サンミン、ぺ・ドゥナ、ソン・ビョンホ
内容:ソウル市内で地下鉄に爆弾を仕掛けた凶悪テロリストと一匹狼の刑事との因縁の対決を描いたサスペンス・アクション。
評価★★★/60点
殴る蹴るの暴行を受けてボコボコにされようとも顔色ひとつ変えずに凛と立ち上がるぺ・ドゥナの驚異的精神力に一票。
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