夢のシネマパラダイス451番シアター:男はつらいよ第7章/ついに夫婦に・・・(48)
男はつらいよ 寅次郎紅の花
出演:渥美清、浅丘ルリ子、吉岡秀隆、後藤久美子、夏木マリ、宮川大助・花子
舞台:鹿児島県奄美大島、神戸
公開:1995年12月/観客動員:170万人
内容:日本映画を代表する長寿シリーズの第48作にして最終作。1989年の第42作「男はつらいよ・ぼくの伯父さん」以降は、寅さんの恋と並行して甥の満男の恋や青春が描かれてきた。本作には42~45作における満男のマドンナ・泉と、11作・15作・25作における寅さんのマドンナ・リリーが登場。満男は泉の縁談を壊して思いを告白し、寅さんもリリーと一時の同棲生活を送るなど、それぞれの恋の成就に近いものが描かれている。しかし、96年に主演の渥美清が逝去し、ついにこの一大シリーズも本作をもって終焉の時を迎えた。
評価★★★★★/100点
時事問題や社会問題にあえて首を突っ込むことなく距離を置いてきた映画シリーズにおいて、阪神淡路大震災を劇中に取り入れたのはいかに日本社会に衝撃を与えた有事だったのかが分かろうものだが、炊き出しのボランティアや、時の首相が避難所を慰問に訪れたことを伝えるニュース映像に行方知れずの寅さんが映り込むくだりは、寅さんが満男の恋の応援団長から国民の応援団長になり、文字通り日本人にとってシンボリックな存在になったという点で印象的。
そしてなにより寅さんの最終作がリリーとの旅立ちで締められたのが感慨深い。
地元の島唄の調べに乗せての晩酌シーンなど、シリーズ最高傑作の呼び声高い「ハイビスカスの花」とリンクさせるシーンもあったり、赤い糸で結ばれた寅さんとリリーのなれ初めを「ハイビスカスの花」などの過去作の映像をインサートするのではなく、昔を懐かしむ2人の饒舌な語り口で満男に聞かせるのもなんとも上手くて心に残る。
また、満男と泉の恋が成就するのも晴れ晴れしい。
名作ドラマ「北の国から」で初恋相手レイちゃんの結婚式を指をくわえて見ることしかできなかった純くんが、車をぶつけてまで泉ちゃんの結婚式をぶち壊すところは思わず快哉w
映画を見終えて、寅さんと寅さん映画に対する言葉に表わせないような様々な感情が湧いてきて心がいっぱいになった。
ありがとう、寅さん!またいつか会える日まで・・。
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