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2008年6月30日 (月)

欧蹴球狂想曲第44番:スペイン完全優勝!

Photo 熱狂スペイン!!44年ぶり2回目の優勝!

オイラが生きているうちに果たしてスペインはビッグトーナメントで優勝できるのか、という果てなき夢がついに実現しました。ヤッホーイ!

ていうか生まれてから30年、初めてスペインの優勝を見れたっちゅうわけで、これはホントに記念すべき日になりましたゾイ。

しかも全勝優勝は、1984年のフランス以来ということで、今回のスペイン代表はまさに記録にも記憶にも残る名チームになったと思います。素晴らしい!

Photo_2 結局最後に勝つのはいつもドイツというサッカージンクスも、万年2位終わりというバラックのジンクスを打ち破ることはできなかったということかな(笑)。。

まぁそれ抜きにしても今回のスペインは美しく魅せて勝つサッカーを最後まで見せてくれて、やはり優勝に値するのはドイツではなくスペインだった。正当な優勝だね。

さて、布陣は、、、

ドイツ:4-2-3-1     レーマン

         メルテザッカー    メッツェルダー

フリードリッヒ                          ラーム

         フリンクス      ヒツルスベルガー

シュバインシュタイガー   バラック        ポドルスキー

                 クローゼ

 VS     VS     VS     VS     VS     VS

スペイン:4-1-4-1    トーレス

 イニエスタ     シャビ        セスク      シルバ

                   セナ

カプデビラ                            Sラモス

            マルチェナ     プジョル

                 カシージャス

ドイツは得点に係るほとんどをラーム&ポドルスキーの左サイドから得ている中、準決勝ロシア戦でジルコフの縦突破をことごとく防いだセルヒオ・ラモスがどこまでドイツ左サイドの攻撃を食い止めることができるか・・。

そしてスペインは今まで2トップで開始していたのだが、ビジャがロシア戦で負傷し、トーレスの1トップで臨む。ユーロ予選で4-1-4-1は機能していたものの、その多くがビジャの1トップであり、トーレスの1トップというのはアラゴネスはあまり採用してこなかったのだが、今回ドイツ相手にどう機能するか・・。

また、両チームともに中盤5人を並べ、中盤主導権をどちらが握るかも重要なポイント。「攻撃は最大の防御」「ボールを保持していれば攻められることはない」という信条のもと、パスで相手をいなしつつポゼッションを高めていくスペインと、激しいボールプレッシングから電光石火のごとき怒涛の攻撃を繰り出していくドイツ。

そんな中始まった世紀の決戦は、前半10分過ぎまでは生き生きとしたドイツと、カチコチのスペインという構図で始まり、試合の入り方としてはスペインは地に足の着いていない最悪といってもいい立ち上がりだった。

Photo_3 とにかくDF陣も硬いし、中盤でもなかなかリスクを負ってドイツの懐に入っていこうとしないし。ボールの獲りどころがなかなか定まらない。正直どうなることかと思ってたけど。

しかし、前半14分に初めてドイツ自陣に潜り込んだイニエスタが放ったシュートが相手DFに当たってコースが変わり、レーマンがなんとか指先で弾いたところあたりから、スペインが本来の調子を取り戻していく。

22分には、トーレスのヘディングシュートがポストに当たる惜しいシーン。

この試合スペインの攻撃で特徴的だったのは、1トップに張ったトーレスの裏への抜け出しを狙った一発縦パスを頻繁に狙い続け、ポゼッション重視のサッカーをあまり意識しない展開を見せていたことで、逆にドイツの方が左サイドに繋げて組み立てていこうとする意識が強く、戦前の予想とは異なる意外な図式の展開となった。

結局試合を終えてのポゼッション率はドイツの52%、またパス本数もドイツの360本に対し、スペインは314本と明らかに今までのスペインとは違う戦い方、ある意味堅い試合運びを見せたといっていい。

今回のスペインは100%イケイケのサッカーではなく、ある程度のリアリスティックな待ちのサッカーを見せていたことは確かだが、今日の数字はその中でも異彩を放っている。

これはある意味では1トップに張るトーレスを最大限に活かそうとするリバプールの攻撃に近いものがあったと思うが、攻めるだけがスペインではないということを如実に物語る試合巧者ぶりを表わしているように思う。実はどういうわけか驚くほどの堅守なのよ今回のスペイン(笑)。。

Photo_5 さらに、トーレスへの裏への一発縦パスは、高さには強いがスピードには弱いドイツCBに対する作戦だったことは明確で、アタックが5回失敗しても1回勝てば良いというものだったと思うが、案の定その1回が前半33分に訪れることになる。

シャビの一発スルーパスに、カバーに入ったラームとの競り合いを振り切って右足でチョコンと合わせたボールは、ゴール右隅に転がっていき、待望の先制点。トーレスが文字通りエル・ニーニョ=神の子になった瞬間だった。

Photo_6 その後ドイツはバラックが右目まぶたを切るというアクシデントに見舞われ、暗雲が立ち込める。

決勝戦出場も危ぶまれたバラックだったが、やはりこの試合、あまり本調子ではなかったように見受けられた。

1点取ったスペインはいつものようにより引いて相手の出方をうかがい、機を見て速攻に移るというカウンターサッカーへ移行していくが、攻めたいドイツもスペイン守備網に捕まりなかなか思うようにいかない。ここでも堅守を支える聖カシージャスやプジョルをはじめとするDF陣の健闘が光った。

Photo_7 結局最後まで威力を発揮することなく終わったドイツ左サイド。前半を終えて足に裂傷を負ったラームが退いたことで、この試合はジ・エンドだったのかもしれない。

後半頭からヤンゼンが入り、さらに後半開始後ヒツルスベルガー→クラニーを前線に入れてフリンクスをアンカーに置く4-1-3-2にして攻勢をかけるドイツだったが、ヒツルスベルガーがいなくなりバラックがより下がり目になったことで、逆にスペインが中盤でボールを回しやすくなってしまう結果になった。さらにシャビ・アロンソ、カソルラを投入したことで、ドイツの反攻も尻すぼみになってしまった。

Photo_8 グイサがトーレスに代わって入った後半30分からは完全にスペインのペースで、何度も決定的チャンスがあったのに面白いように入らない・・。これはゲルマン魂炸裂か!?とビクビクしてたけど、何事もなく無事に終了。終わってみればドイツに何もさせない完勝だった。

CAMPEONES!CAMPEONES♪CA~MPEONES♪

Photo_9 聖カシージャスがアンリ・ドロネー杯を受け取り、歓喜に揺れる!

サポーターの数ではドイツの方が明らかに多かったけど、熱情のスペインサポも揺れまくり。

みんなよくやった!おめでとう!ありがとう!今度は2年後だ!日本なんてどうでもいい(笑)!

Photo_10 ←69歳アラゴネス、胴上げ、、、っつうか死体を運んでるようにしか見えないんだけど(笑)。葬送の儀礼!?

頑固爺さんアラゴネスもいろいろ批判を浴びながらも、最高の歓喜をスペインにもたらしてくれました。お疲れさまです。

どうやら今大会で退任という路線らしく、後任にはデル・ボスケが内定との噂もあるけど、44年ぶりの優勝ということでどうなるかねぇ。

Photo_11 とにもかくにも今回のスペインは、今まで見てきた代表チームの中でも本当に素晴らしい、見ていて楽しいサッカーをしてくれるチームだったと思います。

2年後、さらに強くなっているスペインを夢見て、、、。

アディオス!ユーロ2008!グラシアス!エスパーニャ!

2008年6月28日 (土)

夢のシネマパラダイス443番シアター:cinema慰霊大社第40柱/正直どうでもいい事件簿の館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.13:デンジャラス・ビューティー(2000年・アメリカ・110分)DVD

 監督:ドナルド・ペトリ

 出演:サンドラ・ブロック、ベンジャミン・プラット、マイケル・ケイン、キャンディス・バーゲン

 内容:グレイシーはやり手のFBI捜査官。が、ある事件で同僚に重傷を負わせ自責の念にかられる。そんな折、凶悪犯から爆破予告が届く。そして色気ゼロの彼女が潜入捜査のためとはいえ、美人コンテストへ出場することに決定してしまい・・・。

評価★★☆/50点

この映画は、陽気でキュートなハスッパ姐さんサンドラを大いに楽しむか、単純極まりない出来レースをただボーッと眺めるか、その二つに一つしかない。

ちなみにわたくし、後者でございまして・・・。

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祭神名票No.247:ハリウッド的殺人事件(2003年・アメリカ・116分)WOWOW

 監督・脚本:ロン・シェルトン

 出演:ハリソン・フォード、ジョシュ・ハートネット、レナ・オリン、マスターP、ルー・ダイアモンド・フィリップス

 内容:ある殺人事件を捜査する2人の刑事は、ななんと副業持ち。ベテランのジョーは不動産の仲介、俳優志望のK.C.は女性向けのヨガ講師。はたして事件は解決するのか!?知らねえよそんなん(笑)!

評価★★★/60点

リーサル・ウェポンのなんちゃってパロディといった趣だが、あの堅物2人組に笑いのツボを予想以上に刺激されてしまうとは、、、ナメてかかりすぎてしまった・・・。

夢のシネマパラダイス442番シアター:あの頃~君は若かった~♪

トップガン

20060506_175682 出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、バル・キルマー、アンソニー・エドワーズ

監督:トニー・スコット

(1986年・アメリカ・110分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:戦闘機F-14のパイロットであるピート、通称マーヴェリックは“トップガン”と呼ばれる選りすぐりの精鋭たちを養成する訓練校にやって来る。彼は酒場で知り合った美人教官チャーリーと恋に落ちる一方で、厳しい訓練を重ねる。ところが、ある日の訓練飛行でマーヴェリックの乗るF-14がトラブルに見舞われ、彼は緊急脱出したが、パートナーのグースが機体もろとも海中に墜落してしまう・・・。

“自分の青春時代真っ只中にこういう映画があったらなぁと、ふと思ってしまった。”

「サタデー・ナイト・フィーバー」のディスコブームの数年後に生まれた自分はもちろんブルース・リーのカンフーブームなど露知らず。

ブラット・パックが一世を風靡してた時は幼稚園でお昼寝の真っ最中。この「トップガン」の時にはまだ小学生だもんなぁ。トム・クルーズのファッションをマネするなんてできるはずもなく(笑)。

自分が80年代の空気に包まれていたあの時の匂いと見事にリンクする映画といったら「グーニーズ」くらいなものだから・・。

そして、ふと自分の高校時代とか大学時代を送った90年代後半にそういうタイムカプセルのような映画あったっけ?と考えると、無いんだなぁこれが。

しかも、こういう「トップガン」みたいなアツすぎるおバカ一直線成長映画ってほぼ絶滅してたしね(笑)。クールが持てはやされる時代になっちゃってたし、んで代わりにデミ・ムーアが筋肉ムッキムキになっちゃったりして・・。

やはり「ジュラシック・パーク」のしでかしてしまった事って、ある意味罪深いのかも。

まぁせいぜい「スピード」でキアヌの髪型マネしたのと、「セブン」のブラピくらいかなぁ、、って猟奇もんかよ。

とにかく80年代を青春時代真っ只中で過ごした諸先輩のアツい話を聞くたびに、憧れと羨ましさと悔しさが入り混じったちょっと嫉妬にも似た感情を覚えてしまうのでありました。

そういう意味ではこの映画も青春時代にリアルタイムで見ることができてたら、また違ったのかもしれないなぁなんて。

ただ、トニー・スコットの色使いのこだわり、特に朝焼け&夕焼けの空の色は印象的。恋人ケリー・マクギリスとの逢瀬で家を訪れるシーンで、アメリカ西海岸の海岸沿いに立つヤシの木をバックにトム・クルーズがバイクで走る際の空の色が紫がかってるのが白眉。そこに一切ハズレのない音楽がかぶさってきて、わけもなく感傷に浸ってしまう自分がいたのもたしか・・w

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コマンドー(1985年・アメリカ・89分)WOWOW

 監督:マーク・L・レスター

 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、レイ・ドーン・チョン、ダン・ヘダヤ

 内容:テロリストへの協力を拒否した元兵士マトリックスが、娘を誘拐された。奪還を誓う彼は、黒人娘のシンディの助力で敵に迫っていくが・・・。

評価★★★/55点

「ねえ、パパの働いてるところって見に行ったことある?」

「うん、あるよ。」

「えっ本当?どこ?」

「殺戮現場。」

「え゛っ。。」

「凄いでしょー。」

「・・・・」

、、ていう映画。。

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サタデー・ナイト・フィーバー

83t835e83f815b83i83c83g83t83b815b83 出演:ジョン・トラボルタ、カレン・ゴーニー、ドナ・ぺスコー

監督:ジョン・バダム

(1977年・アメリカ・119分)NHK-BS

内容:世界中にディスコ・ブームを巻き起こし、トラボルタを一躍トップスターに押し上げた青春映画。ブルックリンに住むイタリア系失業家庭の息子トニーは、薄給の塗料店員だったが、土曜の夜だけは着飾って仲間たちとディスコへ繰り出すディスコキングとして知られていた。3週間後に開かれるダンスコンテストで優勝を目指すトニーは、練習スタジオで偶然出会ったステファニーの踊りに目を奪われ、彼女にコンテストのパートナーを依頼する。。

評価★★★/65点

意外に暗い映画で、意外に律儀なトニー(トラボルタ)の姿に意外な青春映画を掘り出した気持ちだが、ただ一点、アネットの描き方があまりにも残酷で少し引く。

カーセックスに耽るのもいいけど、どう見たって輪姦されてるだろ、あれは・・・。

ビージーズのステイン・アライブ♪で始まるオープニングと、愛はきらめきの中で♪で終わるラストは印象的だったけどさぁ。なんだか・・。

2008年6月27日 (金)

夢のシネマパラダイス441番シアター:佳作監督・小栗康平

泥の河

Doronokawa 出演:田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ、朝原靖貴、桜井稔、柴田真生子

監督:小栗康平

(1981年・東映・105分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:キネ旬ベストワンに輝いた小栗康平のデビュー作。昭和31年、大阪・安治川の河口あたりで食堂を営む晋平は、後妻の貞子と息子・信雄と3人で暮らしている。ある日信雄は、食堂の対岸につながれた舟で母と姉と生活している同じ年頃の少年・喜一と出会い、親しくなった。しかし、晋平は信雄にその舟に行くことを禁じるのだった・・・。

“この映画の風景が頭に焼きついて離れないのは、子供たちの目を忘れることができないからだ。”

小学3年生の信雄は周りへの気遣いにも心を配る優しく賢い子で、自分の家に喜一と彼の姉の銀子を招いて食卓を囲んだ時の2人の嬉しそうな姿を見て喜ぶ表情とか、喜一がカニに火を付けているのを悲しい眼差しで見つめる表情などからもそれは分かる。

そして火のついたカニを助けようと船べりを這って行った結果、決して見てはいけないことを見てしまうわけだが。

しかし、そもそも穴の空いた靴を履いている喜一と出会ったときから、この優しさと賢さをあわせ持った少年・信雄は喜一と銀子の境遇-陸に上がっては生きていくことができない-と、決して癒されない悲しみだけではなく、喜一の母親の悲哀さえをも薄々感じて分かっていたのではないだろうか。

ラストでそれは決定的なショックとして信雄の目に刻まれるわけだが、だからこそ突然の別れのつらさと悲しみが観る者にも深く刻まれるのだと思う。

でもこの信雄は絶対に素晴らしい大人に成長すると思うな。田村高廣演じたお父さんみたいな。

一方、喜一は、同い年の信雄という友だちができたことによる嬉しさと楽しさから笑顔をいつでも絶やさない。ホントに嬉しかったんだろうなぁ。

信雄の両親とも接していくうちに信雄に対する羨ましさも時おり垣間見せたりしていくわけだけど、しかし、見られてはいけないことを信雄に見られてしまったときの彼の目は忘れられない。

でも1番ツライのは銀子だろうな。喜一と信雄よりも年上で、母親のしていることなども全て分かっているわけで、それが表情にも表れていたけど、信雄の家のうどん屋を手伝ったりして非常にけなげに振る舞っているのがまた印象的なんだよね。

そして信雄の両親によくしてもらった時の喜びを隠しきれない表情と笑顔が忘れられない。信雄のオカンと一緒にお風呂に入っているときに銀子の笑い声が聞こえてきて、喜一が久しぶりに姉ちゃんが笑ったって喜ぶんだよね。良いシーンだった、ウン。

なおさらあのラストが悲しくツライよ

それにしてもこれって1981年の作品なのね。ビツクリ仰天。ていうかこの映画のにおいは’81年じゃないだろ。。

「キューポラのある町」だとか黒澤の「野良犬」はたまた「飢餓海峡」なんかと同じ匂いがするんですけど、これはいったいどういうことなんやろか。スゴイの一言。

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死の棘(1990年・松竹・229分)WOWOW

 監督・脚本:小栗康平

 出演:松坂慶子、岸部一徳、木内みどり、松村武典、近森有莉、山内明

 内容:結婚10年を迎えたミホとトシオの夫婦に変化の時が訪れていた。夜間学校で非常勤講師をしているトシオの浮気が発覚し、ミホは精神の平衡を失いながら執拗にトシオへの詰問を続ける。トシオは愛人との関係も清算してミホの精神の安定のために尽くすが、事態は一向に好転せず、ミホの狂気はますます深まっていく・・・。島尾敏雄の自伝的同名小説を映画化した夫婦の愛憎の物語。カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞。

評価★★★/65点

あきらめと達観と爆発のリフレイン。それすなわち底なしの不信とエゴと狂気の永遠に続くかと思われるリフレイン。

愛に生きるって、実は物凄い恐ろしいことなのね、、と分かった気で観てたけど、全くトゲトゲしくもなく妙に安定していてちょっと退屈だったのもたしか・・。不安定が昇華すると安定になっちゃうってか?

監督の視点がいったいどこにあるのかもイマイチつかめなかったし。あきらめ?達観?それとも・・・。ラストの2人のセリフなんてもしかして「眠る男」の伏線なのかと思っちゃったり。

それにしても松坂慶子のオッパイってあんなん小さかったっけ?蒲田行進曲のときはもっと、、、って結局お前は何を見とんねん!

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眠る男(1996年・日本・103分)NHK-BS

 監督・脚本:小栗康平

 出演:アン・ソンギ、役所広司、クリスティン・ハキム

 内容:温泉町の一筋町では、様々な暮らしが営まれている。ある家には事故で意識を失い眠り続けている拓次がいた。町外れのスナックでは南の国から来たティアが働いている。電気店を営む上村は、拓次を見舞いながら昔よく遊んだ山奥のことを回想する。。山あいの小さな町に暮らす人々の日常を、静謐なタッチで点描する人間ドラマ。製作費を群馬県が出資し、初めて地方自治体が製作した商業用劇映画として注目された。

評価★★★/65点

はなっから眠ってるのは役所広司だとばっかり思ってたオイラ。。

中盤になるまで全く気付かず。起きてるシーンは回想だと思ってたし、、、それでもけっこう繋がるんだけどね(笑)。先入観って恐いなぁ、、ておい!

でも言い訳っちゃあなんだけど、何しゃべってるのか分かんないんだよこれ。

ま、人間どんなバカなことをしても、冬の次には春が来るっていうことはよく分かったけど。。

欧蹴球狂想曲第43番:ユーロ準決勝!スペイン完勝!

Photo 最大の山場である準々決勝でイタリアとのPK戦を制し、鬼門のベスト8の壁を破った無敵艦隊スペイン。

ここまで全勝なのは、1984年の全勝優勝を果たしたフランス以来だとか。

対する相手はヒディンクマジックが炸裂しまくるロシア。グループリーグ初戦でスペインに1-4の大敗を喫した以外は、魅力的なサッカーでギリシャ、スウェーデン、そして最強オランダを沈めてきた。

遠くで雷雲がゴロゴロと音を立てながら迫ってくる中、決勝戦ドイツへの挑戦権をかけた試合の火蓋が切って落とされた。

さて、布陣は、、、

ロシア:4-4-2     アキンフェエフ

          ベレズツキー    イグナシェビッチ

アニュコフ                             ジルコフ

                  セマク

      ジリヤノフ                 サエンコ

                 セムショフ

        パブリュチェンコ     アルシャビン

 VS     VS     VS     VS     VS     VS

スペイン:4-4-2 トーレス      ビジャ

   シルバ                         イニエスタ

             シャビ       セナ

 カプデビラ                            Sラモス

            プジョル     マルチェナ

                 カシージャス

スペインは累積警告や怪我もなく、磐石の布陣。対するロシアは2人が出場停止。

試合は、前半開始はロシアがボールをキープし、スペインは様子をうかがう構図。しかし待ちのスペインと前掛かりのロシアになるかと思いきや、やはりGL初戦1-4での大敗が頭にあるのか必要以上にロシアも突っかかって来ず、特に両サイドバックは攻め上がりを自重していた。

これを見抜いたスペインが徐々にボールポゼッションを高めていき、遅攻を主体としつつも、裏へ抜け出そうとするトーレスへの一発ロングパスも見せるなど、ロシアの守備陣に的を絞らせない攻めを繰り出していく。主導権を握るスペイン。

Photo_2 が、ここでアクシデントが・・。前半34分、ビジャが足を痛めてしまい、セスクと交代。

先のロシア戦でハットトリックを達成したビジャがここで退くのは痛いと思っていたのだけど、心配ご無用!クアトロ・フゴーネス(4人の創造者)がピッチに君臨する4-1-4-1(トーレス1トップ、セナがアンカーに入る形)になったことで、よりスペインの戦い方が明確化され、スペインらしいサッカーが躍動する結果となった。

Photo_3 そしてそれは後半早々に形になって表れる。

後半5分。中盤シャビから左サイドへ開いていたイニエスタへボールが渡り、相手のチェイスを切り返したイニエスタのシュート性のクロスに中盤から走りこんで来たシャビがドンピシャで合わせて先制!ビューティフルゴール!!

スペインにとっては最高の時間帯、ロシアにとっては最悪の時間帯に動いた試合。

中盤でのポゼッションで全く太刀打ちできないロシアは試合をなかなか作ることができない。生命線であるサイド突破もジルコフの前にセルヒオ・ラモスが立ちはだかり、頼みのアルシャビンの速攻もセナにことごとく摘み取られてしまう。

先制された直後にセムショフ→ビリャレトジノフ、サエンコ→シチェフと迅速な手を打ったヒディンクマジックも、シャビ→シャビ・アロンソ、トーレス→グイサ(4-2-3-1)のアラゴネス采配によってかき消されてしまう。

Photo_4 そして、後半28分、右サイドSラモスの攻め上がり→セスクの秘儀ダイレクトワンタッチ絶妙落としからグイサがこれまた絶妙にキーパーをあざ笑うかのように右足で押し込み2-0!

これでほぼ試合は決した。

ヒディンクにはもはや3枚目のカードを切る余力すら残っていなかった。打つ手なし・・・。

そして攻めるしかないロシアを尻目にお得意のカウンターを決めていくスペイン。

今大会を通じてそうだけど、こんな“魅せて勝つ”というスペインのサッカーを心底見せられた試合というのもホントに嬉しい。

Photo_5 後半37分には、イニエスタの裏へのロングパスに抜け出たセスクが左サイドを疾駆!クロスに走りこんでいたシルバがダメ押し3点目を決める!

このシルバのトラップの上手いこと上手いこと。。羨ましいかぎりだよ。

3-0完勝!!!

終わってみれば苦もなくロシアを下してしまったスペインが24年ぶりに決勝へ駒を進めた。

Photo_6 スペイン国内も大変な騒ぎになっているようでっす。

決勝の相手はゲルマン魂ドイツ!相手にとって不足はない。

自分たちのサッカーを貫くのみ。

でも、ビジャは出られるのかなぁ。そこは心配。

2008年6月26日 (木)

夢のシネマパラダイス440番シアター:胸くそ悪くなってくる戦慄映画傑作選!

時計じかけのオレンジ

Aclockworkorange 出演:マルコム・マクドウェル、パトリック・マギー、ウォーレン・クラーク

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1971年・アメリカ・137分)DVD

内容:非行少年のアレックスは殺人を犯した結果、仲間に裏切られ投獄された。そこで彼は政府の非行対策の一環として考えられた、暴力とセックスを嫌悪する洗脳の実験台とされ、全くの無抵抗人間に成り果てる。かつてアレックスの被害者だった者たちは、ここぞとばかりに彼を襲い、何も抵抗できないアレックスは自殺を試みる・・・。アレックスが「雨に唄えば」のメロディに乗せて有閑マダムをレイプするシーンなど、激しい暴力描写をクールに演出してしまうキューブリックの変態性に圧倒される一品。

評価★★/40点

行きつけの大手レンタルショップでこの映画のDVDパッケージに“ラブロマンス”と紹介シールが貼られていたのには、さすがに戦慄を覚えた。洒落た嫌がらせにしては度が過ぎてるゾ。

何も知らないカップルが借りて見たらどないするねんッ店長、と言うてやるか言わまいか本気で悩んでるんですけど。

にしたってどうすればこれがラブロマンスになるんだ!?シール余ってたんか?しかもDVDの透明なケースには洋画青春というラベルが貼ってあったし、これもどうかと思うぞ。

さらに別な大手のレンタル屋が出してるシネマハンドブックでは“素晴らしきSFの世界”というトピックの中で紹介されてたし、なんといっても極めつけはオイラの友達の一言、「あれはさぁ、妖精のおとぎ話なんだよ。」

、、、、思わずゲロりそうになってゲップが出ちまったぞワレ。オゲッ。。

なんだか皆この映画をビティーーッたあげく頭の中がオパーーッになって無軌道になってしまったんじゃないのか。

自分が店長だったら良心的に“ホラーショー”とラベルを貼るけどな。

でも、母乳成分入りのウルトラミルクってのは1度飲んでみたい、、かも。

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アメリカン・サイコ(2000年・アメリカ・102分)WOWOW

 監督・脚本:メアリー・ハロン

 出演:クリスチャン・ベール、ウィレム・デフォー、クロエ・セヴィニー、ジャレッド・レト、リース・ウィザースプーン、カーラ・シーモア

 内容:’80年代のNY。27歳のパトリックはウォール街の一流証券会社の副社長。しかし、すべてを手にした彼が行き着いたのは、虚無感と深い闇に包まれた世界だった。満たされない心を埋めるために彼は人殺しを決行するが・・・。

評価★★/40点

“バカに付ける薬は無ぇ!”

女性がこういう映画を監督しちゃう時代なんだもんな・・・。スゲェ。オゲェ。

何が嫌って、この27歳のナル男くんが生理的にキモかったのと、自分と同じ年代っちゅうのがまるで鏡の中の自分を見ているような気がしてきて、なんだか具合が悪くなってきた。

自分自身、名刺自慢なんて何の興味もないし、ナル男くんのようなタイプではないとは分かっていても、どこか本質的なところでイタイところを突かれているような。。

あと、クリスチャン・ベールのしゃべり方がオイラの好きなジェフ・ブリッジスのしゃべり方に似ていて、これまた嫌悪感倍増(笑)。

顔面の肌がテカッてるのがまたキモいんだよねぇ・・・。

ま、見なかったことにしとこう。。

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下弦の月~ラスト・クォーター(2004年・松竹・112分)2004/10/13シネ・リーブル

 監督:二階健

 出演:栗山千明、成宮寛貴、HYDE、黒川智花、陣内孝則

 内容:19歳の誕生日を迎えた音大生の美月(栗山千明)は、恋人の知己(成宮)の裏切りを知り街を彷徨っていた。そしてふらりと訪れた謎の洋館でミステリアスな青年アダム(HYDE)と運命的な出会いを果たし、二人で新たな旅立ちに出ることを決意する。しかし、1週間後、アダムとの待ち合わせ場所に向かう途中、美月はトラックに轢かれてしまう。目を覚ました美月は、アダム以外の記憶を失くしたイブとなって洋館に閉じ込められ、生死の世界を彷徨いはじめた。やがて中学生の白石蛍(黒川智花)が洋館に足を踏み入れ、美月と出会うのだが・・・。人気漫画家、矢沢あい初の実写映画化となったミステリアス・ラブ・ファンタジー。

評価★/20点

“もうそろそろ終わりかな、と思って時計を見たら、まだ1時間しか経っていなかった・・・。”

ツライよねぇこういう時。HYDEファンの彼女に強引に連れてかれたっけ・・。

でもさぁHYDEよ。自分の名前「アダム」って言うところを「アダムォ」って言うなよ。もう途中からアダモにしか聞こえなくなっちゃったじゃないか。

「アダモの元へ飛んで行きたい」「アダモは19年前にあなたの後を追って死んだの」「アダモってミュージシャンだったんだ」

、、、笑いを隠し通すのに大変だったんだぞオレは。。

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茶の味(2003年・日本・143分)WOWOW

 監督・脚本:石井克人

 出演:佐藤貴広、坂野真弥、浅野忠信、手塚理美、我修院達也、三浦友和、土屋アンナ

 内容:山間の田園地帯に住む春野一家。娘の幸子は巨大な自らの分身が現れるという妙な悩みを抱き、息子のハジメは女性恐怖症なのに惚れっぽい自分に戸惑っていた。母親・美子は昔鳴らしたアニメーターへの復帰を図ろうとし、さえない催眠療法士の父・ノブオはそれを良く思っていない。その他にも元カノのケツばかり追いかける叔父さんや、変テコなお爺ちゃんなど、彼らはそれぞれに悩みを抱え悶々としていた・・・。新感覚映像の旗手が描く斬新な家族の物語。

評価★★/40点

味の渋い下等なお茶でもなければ、苦味のするお茶でもない。

ヌルくなってモンヤリしたションベンみたいな茶を2時間ずっとホラ、ホラ、ホラどうぞと笑顔で目の前に出され続けたもんにゃ、オイラの頭の上にでっかく茶番という立体文字がドスンと落ちてきて、気だるさの中にズブズブと生き埋めにされていく・・・。

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インストール(2004年・日本・94分)DVD

 監督:片岡K

 出演:上戸彩、神木隆之介、中村七之助、菊川怜、田中好子

 内容:女子高生の朝子(上戸彩)は、平凡すぎる毎日に耐えられず学校から完全ドロップアウト。あげくの果てに部屋の中の物も全て処分してしまう始末。が、処分して動かなくなったパソコンを持っていった小学生のかずよし(神木)は、インストールし直したパソコンを使って一緒に簡単なバイトをしようと持ちかけてくる。それはエロチャットで26歳の人妻風俗嬢になりきって会話をするというものだった・・・。「蹴りたい背中」で芥川賞を史上最年少で受賞した綿矢りさが17歳で発表したデビュー小説の映画化。

評価★☆/30点

上戸彩のかわりに綿矢りさの背中をおもいっきり蹴りたい気分。。

これは何なん?原作読んだことないし、これ見て読むつもりも失くしたけどさ、綿矢りさが悪いのか上戸彩が悪いのか監督が悪いのか、、それすらもうどうでもいいかんじ。

とにかくあれだよ、上戸彩の口からスカトロだとか棒を腹に突き刺すだとかいう言葉を聞きたくなかった。しらけまくり・・・。

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ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年・アメリカ・119分)Video

 監督:オリバー・ストーン

 出演:ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス、トミー・リー・ジョーンズ

 内容:衝動的な殺人を繰り返して逃亡を続ける狂気のカップルがついに逮捕される。だが、刑務所内でさえ彼らの凶行は止まるところを知らず、前代未聞の大暴動と大虐殺が展開する・・・。ハードロックのリズムに彩られた殺戮シーンにはオリバー・ストーンおなじみの戦争のイメージをかき立てられるが、脚本を改変しすぎたことで、原案のタランティーノが激怒したことでも有名。

評価★★☆/50点

同じアメリカでボニー&クライドが100年経つとこうなっちゃうのかというのは風刺として分からないではないが、ミッキー&マロリーはともかく映画の作り手からでさえ罪の意識が微塵も感じられないことに、あきれるを通りこしてある意味感服すら覚えてしまう。。

2008年6月23日 (月)

夢のシネマパラダイス437番シアター:素晴らしき兄弟愛

ギルバート・グレイプ

103 出演:ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、レオナルド・ディカプリオ

監督:ラッセ・ハルストレム

(1993年・アメリカ・117分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:アイオワ州の田舎町エンドーラ、24歳のギルバート・グレイプは、大型スーパーの進出で流行らなくなった食料品店に勤めている。知的障害を持つ弟アーニーの面倒を見るため、ギルバートは町を離れられなかった。ある日、ギルバートは沿道にキャンプを張っている美少女ベッキーと知り合い、2人の仲は急速に深まっていくが・・・。精神的に傷つきやすい家族を守って生きる青年の姿を通して、家族の絆や青春の痛み、未来への希望を描いたヒューマンドラマ。

“なぜか「華氏911」をふと思い出してしまった。”

ギルバートの暮らす町の雰囲気と、「華氏911」に出てきた寂れた田舎町とがなんか似てるなあと思ったのだ。

その町に住む若者たちは職にあぶれ、結局軍隊に入隊して生計を立てるしかなく、そしてイラクへと旅立っていく。ギルバートのような若者たちが・・・。

それが非常に印象的だったせいか、本作を観ていてふとマイケル・ムーアのあの映画に出てきた町の情景を思い出してしまったのだった。

ギルバートはラストの方で、「俺たちはどこへでも行けるんだ。どこへでも、、、」と言ってたけど、戦場なんてところには行ってくれるなよ。アンタみたいな家族思いの純粋なヤツはそうはいないんだから。

ラッセ・ハルストレムの映画って「サイダーハウス・ルール」にしてもそうだけど、現実的なつらくて重いテーマや問題を扱っていながら常に生きる喜びを失わず、生きることに対する前向きな姿勢を見つめ直してくれるところがスゴク好きだな。

残酷な一面を常に抱えているのだけど、それ以上に純粋な優しい視線で包まれているのが彼の映画が心に残る1つの理由でもあると思う。

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リバー・ランズ・スルー・イット

River_runs 出演:ブラッド・ピット、クレイグ・シェーファー、トム・スケリット、エミリー・ロイド

監督:ロバート・レッドフォード

(1992年・アメリカ・124分)DVD

評価★★★★/80点

内容:1920年代のモンタナを舞台に、フライフィッシングで結ばれた兄弟とその父親の、家族の絆を描いたヒューマンドラマ。2歳違いのノーマンとポールの兄弟は、小さい頃から牧師をしている厳格な父にフライフィッシングと勉強を教わっていた。成長した兄弟はそれぞれの夢を追っていたが、ことあるごとに2人は渓流へ足を運ぶ。しかし、いつしかポールはポーカーで莫大な借金を抱えてしまい・・・。

“釣りしてる時の顔がイイ。。”

映画を観てる最中にふと、自分が渓流釣りしてる時って何考えてるんだろうと自問自答してしまったのだが、それが我ながらどうも分からないというか思い出せないのだ・・・。

まぁ釣りに集中してることだけは確かなのだが、無の境地というヤツなのだろうか。

仕事のことや悩みなど、釣りしてる時はどこかへ吹き飛んでしまう。1人で行ったときは熊やヘビやスズメバチが出て来ないかといった怖さや孤独感はあるにはあるけど、ヒットするその瞬間その時のためだけにただ気持ちを静かに昂らせるだけだ。

そして、風の音と木々がざわめく音、そして川のせせらぎが耳をつんざき、しばらくすると同化してしまう不思議な感覚にとらわれる。

そういうことを自分自身の中でふと思い巡らせていたのだが、その思いが映画のラストで出てくる年老いたノーマンの釣りをする姿と、それにつづく詩のようなナレーションという形で表現してくれたことに物凄くシンパシーを感じてしまった。

「私は川のとりこだ。全ては1つに溶け合い、その中を川が流れる。」

ラストが美しい映画は大好きだ。

さあ、またドライブがてら釣りに行きたくなったゾ!

岩の下には言葉が、、、もいいけど、岩の下にはね、生の餌がウヨウヨしとるんですよん♪

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バックドラフト(1991年・アメリカ・136分)Video

 監督:ロン・ハワード

 出演:カート・ラッセル、ウィリアム・ボールドウィン、ロバート・デ・ニーロ、スコット・グレン

 内容:勇敢な消防中尉として活躍するスティーヴンの弟ブライアンは、兄への複雑な思いもあって消防士になることを拒んできたが、意を決して6年ぶりにシカゴの土を踏んだ。しかし、火事の現場に遭遇したブライアンは、生き物のように襲い掛かる炎の恐ろしさとそれに立ち向かう兄の英雄的な姿を見て、現場を離れることを決意する。ブライアンは放火犯罪調査官ドナルドの下で働くことになるが、折りしもシカゴでは、殺人を目的とする放火事件が相次いでいた・・・。

評価★★★★★/90点

烈火のごとく這いずり回る猛烈な炎に対抗するのが水ではなく、観る側に飛び火せんばかりの男たちの沸騰した魂の熱さであるところにこの映画の素晴らしさがある。

漢!カート・ラッセルに惚れる!

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ツインズ(1988年・アメリカ・107分)NHK-BS

 監督:アイバン・ライトマン

 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デビート

 内容:優秀な精子を使って、知力体力ともに優秀な1人の男の子が誕生。30数年後、自分に双子の兄がいることを知った彼は家族探しの旅に出るのだった・・・。

評価★★★☆/70点

子供ごころにシュワちゃんの気持ち良さそ~うなニンマリ笑顔が興味津々だったのを覚えてるんだけど(笑)。

童貞とムキムキを演じさせたら右に出る者はいないシュワちゃん確立!

しかし、男にしてみたらホンマ理想的でオイシイ展開だったなぁ。。

夢のシネマパラダイス436番シアター:ミリオンダラー・ベイビー

ミリオンダラー・ベイビー

Million 出演:クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、ヒラリー・スワンク、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル

監督:クリント・イーストウッド

(2004年・アメリカ・133分)2005/06/16・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:ロスのダウンタウンにある小さなボクシングジムを営む老トレーナー、フランキー。その指導力には疑いのない彼だったが、その育成方法から優秀なボクサーは彼のもとを去って行ってしまう。そんなある日、31歳になる女性マギーがジムの門を叩き、フランキーに弟子入りを志願する。しかし、女性選手の育成に関心はないと一時は追い返すものの、諦めずにジムに通い続けるマギー。しかしフランキーの親友スクラップは、そんな彼女の素質と根性を見抜き、やがてフランキーはトレーナーを引き受けるのだが・・・。アカデミー賞で作品・監督・主演女優・助演男優賞を受賞。

“自分の映画観が根底から揺さぶられるような重いパンチをレバーに喰らって、ただいま呼吸困難に陥っております・・・。誰か助けて。。”

「パッション」のレビューでも書いたけど、ぶっちゃけ人殺しをしようが何をしようがとにかくなりふり構わぬ生への執着、生きることへの必死さ、そういう思いが伝わってくる映画が最も好きだということが自分の映画観の基準だ。

さて、そこでこの映画である。

困った。。。

どう判断をつければいいのか自分自身戸惑っている。感動もしなければ、突き放すこともできない映画、ただ自分の心の深い芯の部分に掌底を喰らってグラグラ揺れているグロッキー状態の自分がいる。

決してあきらめないマギーが32歳でつかんだ成功街道が急転直下、崖下へ。そして尊厳死という道。

あきらめることを知らないマギーが最初で最後、生きることをあきらめた。

つまりは生への執着を捨てたわけで、その点ではやはり納得できかねる部分があるのはたしかだ。

しかし、と同時に、できかねるとある通り、どこかで納得させられてしまう部分もあるのも確かで、そこが自分を大いに苦悩させる。

納得させられてしまったというのは、ある意味人生を賭けたマギーの不屈の闘いがしっかりと自分の眼に刻み込まれたことが大きい。

生活保護を不正受給するようなそんな社会の末端から這い上がろうとし、プロボクサーへの夢を追い続けるマギー。そのためにはレストランで客が残した食べ物を持って帰って腹の足しにすることもいとわない。

そこには彼女の揺るぎない確固とした意志があり、その意志の力がフランキーを動かし、そして映画を観る自分をも納得させえた。

人生の苦しみを射抜き倒し、その先にある希望を見据えた彼女の強い眼光が印象的だったが、それは人生の苦闘を味わってこなければ出せないものだ。

だからこそ最後の最後に訪れてしまった痛みと絶望に、彼女がああいう決断を下したというのはなんとも悔やまれる。

しかしここでも彼女の揺るぎない意志が舌を噛み切るという強烈な形で露わになり、映画を観ている自分をがんじがらめにする。

そして、マギーの人生は完全燃焼したという思いがふと頭をよぎった。

薬を打たれて半昏睡状態で白目になっているマギーにもはやあの眼光は消えていた。そして、彼女が彼女であるための誇りと信念をフランキーはある決断をもって受けとめる・・・。

2本目の注射器を持ちたくもない自分は遂に居場所をなくし、席からしばし立ち上がることができなかった。

正直この映画に自分なりのはっきりとした結論を下すことはできない。

ただある女性と老人の生きざまをしっかりと目に焼き付けたということだけは言っておきたい。

なにやら北野武監督の「Dolls」をふと思い出したり。。。

自分の中に肯定と否定が入り混じっている状態だけど、この映画への自分なりの反証としては「レナードの朝」が思い浮かぶかなぁ。いやはや。。

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(おまけ)

パーフェクト・ワールド

Photo_52 出演:ケビン・コスナー、クリント・イーストウッド、ローラ・ダーン

監督:クリント・イーストウッド

(1993年・アメリカ・138分)Video

評価★★★/65点

内容:1963年、テキサス州アラバマ刑務所から脱走した囚人ブッチとテリーは、8歳の少年フィリップの家に押し入り、彼を人質にして逃亡した。しかし、ブッチはフィリップに危害を加えようとしたテリーを射殺。州警察の署長ガーネットはブッチ追跡の陣頭指揮を執るが、ガーネットはブッチが10代の頃に彼の更正を願って少年刑務所に送った当人だった。

“ブッチは悪い人なんかじゃない!!”

ただマヌケなだけなんだ!!

はっきりいって感情移入はできない。悪党にかわりはないし、なにやら屈折した面を抱えているらしいが、なにぶん描写が浅い。

警察さん見つけて下さいと言わんばかりに行く先々で自分のフンを撒き散らす単なるおバカさんにしか見えない。。

子役フィリップ改めバズも幼すぎるし。なにやら「ライフ・イズ・ビューティフル」とか「ポネット」はたまた「蝶の舌」に出てくるような純真無垢ないたいけな子ッコで感動させようとしているのが丸見え。微妙なさじ加減だけど、もうちょっとおませな子供にしてもらいたかったなぁ自分としては。

ラストもさぁ、、イーストウッドもこの後にシークレット・サービスやったんやろ。そしたら弾道に入れよ(笑)。おいおい・・。

ブッチを撃ったFBIの男はあの状況では当然の行動だったと思うので、イーストウッドがなんとかするべきだったと思うんだよね。ハ~~ァ。。

なんだ、、相当に感情移入してんじゃん(笑)・・・。

欧蹴球狂想曲第42番:ユーロ16日目:スペインベスト4!!

Photoいざ出陣!スペイン!

ゲルマンドイツ、ミラクルトルコ、ヒディンクロシアと、ここまで全てグループリーグを2位で突破したチームがベスト4へ名乗りを挙げている中、最後のイスの座をかけて、無敵艦隊スペインカテナチオイタリアと対戦。

主要な大会では、公式戦10試合戦ってスペインの1勝3分5敗とまったくもって分が悪く、その1勝が1920年のアントワープオリンピックまで遡らなければならないほどの鬼門。

はたして今回もダメなのか・・。

まず布陣は、、、

スペイン:4-4-2    カシージャス

          マルチェナ      プジョル

Sラモス                           カプデビラ

        マルコス・セナ       シャビ

 イニエスタ                       シルバ

           ビジャ        トーレス

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

イタリア:4-4-2 カッサーノ    ルカ・トニ

                  ペロッタ

     アンブロジーニ               アクイラーニ

                  デロッシ

 グロッソ                           ザンブロッタ

           キエッリーニ     パヌッチ

                  ブッフォン

スペインはグループリーグ1、2戦目と同じ布陣。

対するイタリアは司令塔ピルロと潰し屋ガットゥーゾが累積警告で出場停止、守備でもバルザーリが怪我で離脱。中盤にデロッシ、アクイラーニ、ペロッタというローマ勢を配置してきた。

Photo_2 試合は、前半から細かくパスをつなぐスペインと、完全リトリートして自陣のスペースを消して文字通り鍵をかけるカテナチオのイタリアという構図で進む。

守備に常時7人以上を自陣に引かせるイタリアは攻撃面では、前線に張るトニめがけての中盤からのロングパスや、サイドからのトニに向けての早めのアーリークロス。試合を通して、はっきりいってこの2つの選択肢しかなかった。

ツマンネェーぞ!イタリア!

Photo_3 引きこもりのイタリアをなんとか崩そうとパスをつなぐスペインも、イタリアの蜂の一突きを恐れてなかなかリスクを背負ってまで突っかけには行かない。

しかし、前半25分過ぎからシルバやセナがミドルを撃ちはじめていく。

これで、イタリアのラインが下がるか、、、って最っ初からドン引きだから意味ねえよ(笑)!

まぁ、これがイタリアの伝統といえばそれまでだけど、ピルロがいないことで、よりイタリアの戦い方は守備守備守備トニ守備守備で統一されてしまって、変化が全く無かったね。面白くないよ、こんなん。いつものことだけど。

ここまで来ると攻のスペインと守のイタリアの我慢比べといった感じだったが、気温31℃というコンディションがどちらを早く消耗させるか。。

イタリアはドン引きのため、スペインの攻撃は遅攻にならざるを得ず、一方のスペインも中盤底に陣取るセナが効きまくっていて、攻撃の芽を摘み取りイタリアの速攻を許さない。

Photo_4 そんな我慢比べの中、もうひとつの対決が静かに火花を散らしていた。

それは、このスペイン×イタリアで注目されていたもう一つのマッチアップ聖カシージャス×ブッフォンのキーパー対決。しかも二人ともキャプテンという、世界一GKの称号をかけた戦い!

後半15分、左足1本で止めたカシージャス!イタリアにとっては決定的でした。。

我が愛しのレアル・マドリーの聖人がスペイン代表でも聖なる称号を振りかざす!!見たかブッフォン。

イタリアもペロッタ→カモラネージ、カッサーノ→ディナターレと投入し、よりトニへのクロスを増やす手を打ってきたが、トニへのクロスに対し常に2人を張り付かせてトニを封殺。

凡ミスをしやすいマルチェナも今日は完璧でした。

後半、スペインは早い段階で、イニエスタ→カソルラ、シャビ→セスクと交代し勝負をかける。これはスウェーデン戦と全く同じ交代策で、その後スペインが怒涛の攻撃を繰り出しスウェーデンを沈黙させた経緯があり、アラゴネスの奇策と思わせる適策だった。

今回もその後、ビジャとトーレスにボールが上手く渡るようになってくるのだけど、この2人独力勝負を挑もうとしすぎて、逆にピラニアのように集ってくるイタリア守備陣にすぐ取り囲まれて打開できない、、、うぅ~~フラストレーションがだんだん溜まってくる~~。。

Photo_5 結局試合は前後半+延長戦を戦っても決着つかず、ついに心臓に悪いPK戦へ突入。

カシージャス×ブッフォン!

世界一の称号に君臨してきたブッフォン。

でもウチのカシージャス様はすでに聖人の称号を手にしていて、崇め奉られてますから!

どっちが凄いかといったら、そりゃ聖人の方が凄いに決まっとるやん。神なんだから。

Photo_6 ←ハイ、止めます。簡単に止めちゃいます(笑)。お分かり?

デロッシとディナターレをPKストッーープ!

スペインはグイサが外したものの、最後はセスクがしっかり決めてPK戦4-2で勝利。

Photo_7 抱き合い歓喜に沸くスペイン、ついに鬼門のベスト8の呪縛を解き放つ!

目指すは44年ぶりのユーロ戴冠。

大丈夫。聖カシージャスが絶対に連れて行ってくれるさ。押忍!

Animo!Espana!Campeon!Espana!Ole♪Ole♪Espana!

2008年6月20日 (金)

欧蹴球狂想曲第41番:ユーロ13日目:アディオス!ロナウド!アディオス!ポルトガル!

Photo ユーロもついにベスト8が出揃い、一発勝負のトーナメント方式の戦いが始まる。

今日は準々決勝の第1試合目となったポルトガル×ドイツ!

この両者は2年前のドイツW杯の3位決定戦でも対戦しており、その時はシュバインシュタイガーの右足から3点を奪ったドイツが3-1で勝っている。

そして、今日もシュバインシュタイガーが躍動した・・。

まずは布陣、、、

ポルトガル:4-3-2-1  リカルド

             ぺぺ     カルバーリョ

 ボジングワ                     パウロ・フェレイラ

                 ぺティ

          デコ        モウティーノ

   シモン                     ロナウド

                ヌノ・ゴメス      

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

ドイツ:4-2-3-1     クローゼ

  ポドルスキ                  シュバインシュタイガー

                  バラック

          ロルフェス       ヒツルスベルガー

 ラーム                            フリートリッヒ

          メッツェルダー     メルテザッカー

                  レーマン 

ポルトガルは主力を第3戦で温存し、丸々1週間休養できたのに対し、3戦目までもつれ込んだドイツは中2日という強行軍。しかも中盤のフリングスが肋骨を骨折し、出られない事態に陥った。

スペイン×ポルトガルのイベリア半島対決を決勝で見たかったオイラとしてはポルトガルを応援していたのだけど。

ちなみに2年前のドイツW杯での対戦のときに出たスタメンメンバーで今回もスタメンで出たのは、ドイツ、ポルトガルとも5人ずつ。この中から果たして2010南アW杯に出るのは何人なのだろう・・。

Photo_2 さて、試合は、ポルトガルがデコを中心としてポゼッションを図り、主導権を握ろうとするもののロナウドが密着マークされ、うまくボールが回らない。一方、ドイツは、素早い攻守の切り替えからシュバインシュタイガーの右サイド、ラームの左サイドから展開の速いサッカーで崩しにかかり、主導権を握った。

そして、前半22分には、ラームを起点として、左サイドからポドルスキがバラックとのワンツーで突破し、そのグラウンダークロスをシュバインシュタイガーが滑り込んできて先制した。まさに電光石火といえる豪快な先制点だった。

さらに4分後の26分には、シュバインシュタイガーのFKからクローゼがドンピシャで頭で決めて2-0。

シモン、ボジングワの右サイドからの崩しからチャンスを演出していたポルトガルにとってはあまりにも痛い失点となった。

しかし前半40分、シモンから絶妙のスルーパスを受けたロナウドがシュート!それをレーマンが弾いたのだが、ゴール前に詰めていたヌノ・ゴメスが押し込んで1点を返す。

なんとかドイツ一辺倒は免れ、後半に期待をもたせる展開となった、、、のだが、、

Photo_3 ガガーン!!またもやセットプレーか、、、後半16分。シュバインシュタイガーのFKから今度はバラックが決めて3-1。

こりゃポルトガル終わったな・・・。

後半42分にポスティガが決めて再び1点差に追いすがるものの残り時間が無さすぎた。

Photo_4 なんだかんだ言って残るのはドイツなんだよなぁ・・・。イヤだなぁ(笑)。でも、コンディション面ではポルトガル優位だったはずなのに、終わってみればドイツの質実剛健さばかりが目立った試合だったな。

やっぱここぞのドイツの強さというのは半端ないね。

でもさぁ、、ドイツ×イタリアなんていう決勝はやめてよ。頼むから。。

さらばロナウド・・。さらばポルトガル・・。

さあ、巷ではロナウドが我が愛しのレアル・マドリーに移籍するのでは、とも大々的に報道されているけど、どうなるのかなぁ。。

しかし、ロナウドがもし来ることになったら、ロビーニョが放出されるようだということで、これもかな~りショック。。複雑だわさ・・。

2008年6月18日 (水)

夢のシネマパラダイス435番シアター:韓流恋愛模様

僕の彼女を紹介します

Bokuno 出演:チョン・ジヒョン、チャン・ヒョク、キム・テウク、チャン・ホビン、チャ・テヒョン

監督・脚本:クァク・ジェヨン

(2004年・韓国・123分)2004/12/23・プラゼール

評価★★/40点

内容:犯人と間違えてうっかり取り押さえてしまったのが恋の始まり。正義感あふれる熱血美人婦人警官ギョンジンと、心優しい高校教師ミョンウの2人は瞬く間に恋に落ちる。強気な彼女と穏やかな彼氏、2人の触れ合いが明るい笑いを交えて描かれるが、突然の別離から奇跡の愛の物語が始まる。。

“漫画と昼ドラのチヂミ仕立ては最初の10分で飽きがくる・・。”

「猟奇的な彼女」はハマって、こっちは全くハマれない。なんでだろう。

て考えること自体すでに「猟奇的~」の二番煎じの匂いがプンプン、、、て考えること自体ラストのオチでブッ飛んだ。

こいつら確信犯じゃん。もう付いてけないわ・・・。

にしてもチョン・ジヒョンの使い方がなんというか見ててイタかったなぁ。1回から9回まで味方の援護なしに投げきって玉砕したピッチャーみたいな。

しかもこのピッチャーがゴメンの一言も言えないような根性曲がりのブンブン丸で、相方のキャッチャーはブンブン丸のイエスマンである単なるやわな金魚のフン。おかげでブンブン丸の投球が逸れて当たって死んじゃったけど。。

ブンブン丸と金魚のフン。

しかしこのブンブン丸。実は双子のうりふたつの兄が、いや姉か、がいて登板予定だったのが交通事故にあって帰らぬ人となってしまった。。。

、、ってタッチじゃん、それ!じゃあ金魚のフンは南ですか!?なんじゃこりゃ。

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誰にでも秘密がある

4_11265 出演:イ・ビョンホン、チェ・ジウ、チュ・サンミ、キム・ヒョジン、チョン・ジェヒョン

監督:チャン・ヒョンス

(2004年・韓国・101分)WOWOW

内容:女心を知り抜いた完璧な男をめぐり、美人三姉妹が繰り広げる恋模様を描いたセクシー・コメディ。ミヨンは二枚目実業家のスヒョンに一目惚れし付き合い始める。ところがスヒョンは、人妻の長女ジニョンや恋愛経験ゼロの次女ソニョンにも巧みなアプローチをかけ・・・。

評価★★★★/75点

ふと、もし伊丹十三が監督してたら、、、淫ら好きでいやらしいオイラの頭中で伊丹バージョンを想像しだしたら、もうどうにも止まらない♯♪

だって妹の結婚式直前に姉貴がその新郎とヤッちゃうわけでしょ。しかも騎乗位で・・・。これはやっぱ伊丹さんじゃないと(笑)。

ヤバイ、、、誰にでも秘密があるって、、、オイラの場合は趣味が妄想ってことじゃん!?

半分冗談はさておきこの映画、伊丹十三が監督してなくて本当にヨカッタ。おいおい。。

映画を完璧に清潔に締めていた必殺仕事人イ・ビョンホンの爽やかスマイルは、オイラになんて出来っこねえよ、というひがみにしかならないのでどうでもいいんだけど、何といってもチェ・ジウのキャラクターに触れずにはおれまい。

恋愛経験ゼロの27歳処女。

冬ソナなどのTVドラマは1度も見たことがないので、自分にとっては記念すべきチェ・ジウ初体験だったのだけれど、伊達に韓流の看板を背負ってるんじゃないのよ!みたいなオーラを纏っていて、とにかくこの次女のキャラが図抜けて良かった。

だからぁ。伊丹さんに撮らせてればさぁ、、、ハッ、またまた妄想が・・。

な、なにせ小学生の時分に家族で見てしまった「お葬式」が衝撃的だったものですから。

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春の日は過ぎゆく(2001年・韓国・113分)NHK-BS

 監督:ホ・ジノ

 出演:ユ・ジテ、イ・ヨンエ、ぺク・ソンヒ、パク・イナン、シン・シネ

 内容:録音技師の青年サンウはある日、ラジオ局のDJをしている女性ウンスから仕事の依頼を受けた。それは、自然の音を採集するというもの。2人は録音のための小旅行をする中で打ち解けあい、いつしか恋に落ちていく。しかし、2人の恋は時が経つにつれ、春の日が過ぎゆくようにすれ違っていくのだった・・・。

評価★★★/60点

“女心は分からないそのまんまの体現者イ・ヨンエと、未練タラタラやさ男ユ・ジテの愛の不条理日記に理性を保ったままのオイラは中盤以降ついていけず・・・。”

「親切なクムジャさん」での冷め切った般若と「オールド・ボーイ」での偏執的な微笑を先に見ていたため、自然の中に溶け合っていくような優しい表情にはやや面食らった感が・・。

さらに車に引っかき傷つけるかよサンウさん。

まぁ、たしかに気持ちの整理がつかないやり場のなさを感じるほどこのバツイチの大人のお姉さんの行動は純真な年下の男のコにはわけ分からんのかもしれないけど。いや、オイラも分からなかったんだけどさ・・(笑)。勝手気ままな女にしか見えないし。

これが大人の都会派的な恋愛なのよなんて、もしさらっと言ってきたらそれこそ車に傷つけてこっちから別れてやるみたいな気になるけど、実際そういうオーラを出してたからなぁウンス姐さんは。

だからとっとと踏ん切りつけろよサンウよ!と途中から思ってしまったのだけど、恋は思案の外とはよく言うもんで、恋愛まっしぐらだと理性なんて途中からすっぽ抜けちゃうもんなぁ。分かる、分かるよサンウ。

しかし、理性を保った平常な時に外野から見てしまうと、ああ、男ってなんでこんな未練がましいんだ、、、と我ながら見てて恥ずかしくなっちゃうんだわさ。。。

なんだ、オイラすっかり感情移入してたんやん・・・。

自然の音の旋律と緩やかな映像、そこに静かに佇む人間、、、落ち着く映画だったのもたしかだ。「バスと女は去ったら追うもんじゃない。」は名言だったし。

でも、この点数がいっぱいいっぱいなんだよなぁ・・。

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美術館の隣の動物園(1998年・韓国・108分)NHK-BS

 監督・脚本:イ・ジョンヒャン

 出演:シム・ウナ、イ・ソンジェ、アン・ソンギ、ソン・ソンミ

 内容:結婚式場に勤めるチュニ(シム・ウナ)のアパートに見知らぬ若い男が訪ねてきた。男は部屋の元住人タヘの恋人だったが、タヘは他の男と婚約していた。同情したチュニは、期限付きで彼を部屋に置くが・・・。

評価★★★/60点

少女マンガのにおいがプンプンしてイマイチのれず。

なんだろう、、、ファンタジー恋愛とでもいえばいいだろうか。チュニとチョルスが共同して作るシナリオによる劇中映画はファンタジー恋愛でもいいのだが、実際のチュニとチョルスの恋愛への過程にはもう少しリアリティが欲しかった気がする。

特にこの映画の核となるチュニとチョルスの奇妙な共同生活にはもうちょっとひねりとスパイスを利かせてもらいたかった。

なにかまるでお見合いで結婚した夫婦が心を通い合わせていくようなレベルで、フツーに夕飯を食べてるところなどすでに土台が出来上がっちゃってて、プラスアルファで積み上げられるものが薄いわけよ。

しかし、その薄さをシム・ウナという希代の女優の魅力が最大限引き伸ばしてくれて、飽きることなく見られたのは特筆できるかな。

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子猫をお願い(2001年・韓国・112分)NHK-BS

 監督・脚本:チョン・ジェウン

 出演:ぺ・ドゥナ、イ・ヨウォン、オク・ジヨン、イ・ウンシル

 内容:高校時代からの仲良し5人娘は卒業後もしょっちゅう集まっていた。しかし、選んだ道や環境の違いから次第に距離が開き始め・・・。5人をつなぐ捨て猫ティティの姿を織り込みながら、夢や悩みに揺れ動く20歳の微妙な心情をみずみずしく描いた青春群像劇。

評価★★★/65点

“等身大女のコ5人組よりもカワイイ子猫よりも、ヘリウムガスが1番印象的。”

うーむ、、、男のオイラから見ると一応分かったつもりになって見てはいたけど、やっぱどこかで限界があるのかも。

女のコ5人組の感情の起伏を軸にして、5人の青春と夢と現実をとらえ、観る側の自分にもそれが反映してきて、今ここにいる自分の青春をも振り返させる、、、。

それができていればこの映画は自分の心に残ったと思うが、イマイチ映画から自分に反映してくるものがなかった。

人間にとって最高の宝、財産は絶対に友だちだと思うんだけど、この映画はそのことにある種残酷な形で正面から向き合っている作品ではあるんだ。

でも、ノドの奥になにかが引っかかってしまうような、そんな後味が残った映画だった。

ま、“白線流し”には勝てまへんわなぁ。

2008年6月16日 (月)

欧蹴球狂想曲第40番:ユーロ9日目:チェフまさかのキャッチミス・・・

Photoトップレス美女軍団キターー!!

一応これオーストリア×ドイツなんです(笑)。。上半身真っ裸のオナゴどもが、オーストリア(赤)とドイツ(白)のユニフォームをペイントして砂場でフットサル決戦!

あ、あの~生チチがボインボイン揺れてるんですけど・・・。観衆はもちろん携帯電話持った男たちが大半(笑)。そりゃ写すわな、ウン。

、、、っていうお前もちゃんとサッカー見ろよ!はい、分かりました・・。

しかし、さすがヨーロッパの女性は違うね(笑)。信じられない光景だわさ。

ということで、スイス×ポルトガルはそっちのけで、正真正銘信じられない光景を目の当たりにしてしまったトルコ×チェコ戦を。

布陣は、、、

トルコ:4-4-2       ヴォルカン

        エムレ・ギュンゴル    セルヴェト

ハミト・アルティントップ                 ハカン・バルタ

        メフメト・アウレリオ     アルダ

 トゥンジャイ                     メフメト・トパル

            ニハト       セミフ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

チェコ:4-1-4-1      コレル

    プラシル             マチェヨフスキー   シオンコ

             ポラク

                    ガラセク

 ヤンクロフスキー                        グリゲラ

            ロゼフナル     ウイファルシ

                    チェフ

勝った方がグループリーグ2位突破、引き分けの場合はPK戦で2位チームを決めるという一大決戦は、まさに信じられないような幕切れを見せた。

前半は堅実な守備からトルコの攻撃を封じたチェコがペースを完全につかんだ。

Photo_2 特にアンカーに位置するガラセクが好守の起点となってチームをまとめ、前線に君臨するコレルがくさび役として確実な仕事をこなし、両翼からプラシル、シオンコが走りこんでくる攻撃はトルコを完全に押し込んだ。

そして、前半34分には、ガラセクが起点となってマチェヨフスキーから右サイドのグリゲラへ、そこからのクロスをコレルが頭で決めて先制。流れるような攻撃からの得点だった。

その後、マチェヨフスキーが負傷し、ヤロリムと交代。

前半は完全にチェコの思い通りのサッカーが展開された。

しかし、後半開始あたりから雨が降り出し始める。

そう、、トルコが劇的な逆転勝利を収めたスイス戦も、、だった。。

後半頭からトルコは、セミフを下げてサブリを投入。トゥンジャイを中に入れてサブリを右に入れて中盤を厚くしたのだが、これが奏功し、前半とは打って変わってトルコが攻勢を仕掛ける。特にサブリの右からの崩しはアルティントップとの連係も活きて再三チャンスを演出していく。

トルコはさらにトパルを代えてカズムを投入。トゥンジャイを左サイドに置き、アルダを前目に上げ、カズムを右のセカンドトップ気味に置く4-1-3-2の超攻撃的布陣を後半15分までに敷いてくる。

まさに攻撃を身上とするトルコならではの思い切った賭けともいえたが、少なくとも絶対に1点取らなければ終わってしまう試合。今のままではチェコの思惑通りのまま終わってしまうと読んだのだろう。熱血監督ファティ・テリムのアツさがどう出るか。

個人的にはこういうサッカー大好きっス。

が、しかし、後半16分・・・。CBのエムレ・ギュンゴルが足を痛めてしまい、急いで交代させようとするもののなかなか交代できないでいて1人少ないところを、チェコが急襲。右サイドのシオンコからのクロスを逆サイドから走りこんできたプラシルがダイビングシュートを決めて2-0としてしまったのだ。

あちゃー、、、これはトルコはもうダメじゃな、とこの時のオイラは完全に思ったのだが、、。トルコは両サイド特に右サイドから効果的な崩しを見せていくのだが、完全にテンパッてしまっているカズムがサブリと重なってしまったりして、なかなか息が合わない。

後半残り15分。これはもうチェコの完勝っしょ。

が、、本降りになってくる強い雨が、ここからドラマを呼び込む・・。

まずは後半30分。右サイドから裏に抜け出たハルティントップからのグラウンダーのクロスをアルダが決めて2-1と1点差に詰め寄る。

Photo_3 ここからはサブリ&カズム&ハルティントップの右サイドからトルコが怒涛の攻めを繰り出していく。

カドレツ、ヴルチェクを投入し守備固めに入るチェコと、イケイケモードに入ったトルコの総力戦!

そしてドラマは後半42分に起こった。

右サイドからのハルティントップのクロスをなななんと名手チェフがキャッチミス・・。1回弾いてしまったところを詰めていたニハトがゴールに押し込む!!まさかの同点。

Photo_4 そしてそしてそれから2分後の後半44分。またもやアルティントップからのスルーパスが裏へ抜け出たニハトに渡り、ドライブがかったシュートがゴール右上ポストに当たりながら収まってしまった。

あれよあれよの大逆転!まさかまさかの大逆転!3-2。アンビリーバボー・・・。

ロスタイムにはトルコGKのヴォルカンがコレルとやり合い一発レッドで退場、トゥンジャイが臨時GKを務めるというハプニングというおまけ付きまであったが、そのままトルコが3-2で50年ぶりにチェコに勝利した。

ある意味トルコじゃなかったら出来なかった逆転劇だったかもね。

一方、後半30分までは完璧なプラン通りに事を進めていたチェコだったのだが、残り15分で一気に奈落の底へ・・。そして初めて見たといってもいいチェフの凡ミス・・。

ホントに信じられないような試合だった。これがサッカーなんだねぇ。

いやぁ、サッカーって本当にいいものですね♪       

2008年6月15日 (日)

欧蹴球狂想曲第39番:ユーロ8日目:ビジャ得点王へ邁進!

Photo 美女キターー!スウェーデン北欧の美女が遂に舞い降りた。

アータ、双眼鏡でそればっか捜してないで試合見ろっちゅうに・・・。いや、男はサッカー、女は面食いで勝負っスから!

と思ってたらギリシャ×ロシア戦でまたまたキター!!!

Photo_2 この豊かな胸元を見ろ!見れ!見なはれ!ロシア5-0!

オイラが確約したる。5-0ロシアー!!その代わり、、、●×□○*@・・△□下さい。。。

いやぁ~世界はイイねぇ(笑)。

、、って完全なエロエロじじいになってしまった・・・。

さ、本題本題。

オイラが贔屓にしているスペイン代表がグループリーグ突破をかけて北欧の雄スウェーデンと対戦。

布陣は、、、

スウェーデン:4-4-2  イサクション

            メルベリ     ハンソン

 ストール                            ニルソン

      ダニエル・アンデション  スヴェンソン

  エルマンデル                   リュングべリ

           ラーション     ズラタン

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

スペイン:4-1-3-2 トーレス

                       ビジャ

     シルバ         シャビ         イニエスタ

                   セナ

 カプデビラ                        セルヒオ・ラモス

           マルチェナ     プジョル

                カシージャス

スペインは初戦と同じ布陣で、細かいパスを繋いでいく遅攻をベースにしたポゼッションサッカーは変わらず、対するスウェーデンはギリシャ戦とは打って変わって慎重な立ち上がり。

Photo_3 しっかしスペインの球捌きの巧さは筆舌に尽くしがたいものがあるね。

特にシャビ、シルバは格別。この2人の動きだけを90分見続けても飽きないと思うわ。華奢で小さいシルバなんて大男ばかりのスウェーデンからしたら簡単に弾き飛ばされそうなもんだけど、それがどうして足に吸い付くようなボールタッチと、小回りの効く身体のしなやかな使い方でボールをキープしちゃうんだから、もうホント恐れ入るよ。凄い!

ショートコーナーからのトーレスの足裏先制点もシルバがアシストしたけど、ボールを止めてクロスを上げるまでの足の使い方なんて恨みたくなるくらい上っ手いよねぇ(笑)。。勉強になったわホンマ。

Photo_4 しかし、その直後にプジョルが足を痛めてしまいアルビオルと交代したあたりから、スウェーデンが徐々にロングボールをDFライン裏に放り込み、縦に早いサッカーを展開していく。

それによりスペインのラインは間延びしてしまい、セカンドボールを拾えなくなってしまったことで、スペインが押し込まれる時間帯が増えた。と思ってたらズラタンが同点弾を沈めて1-1に。

何やらスペイン煮詰まってきたゾ~と不安不安不安・・・。

が、後半頭からコンディションが万全ではないズラタンがベンチに下がったことでスペインは救われた。やっぱズラタンがいるといないではその脅威は半減するわな。

後半13分にシャビ→セスク、イニエスタ→カソルラと3枚のカードを早々に切ったスペインは怒涛の攻撃を展開するがなかなか決められず。トーレスとビジャの2トップもお疲れ気味。

Photo_5 しかし1-1のまま終了するかと思われた後半ロスタイム、カプデビラが前線に送り出したロングボールをトーレスが潰れて活かし、それをビジャが受け継いでDFと1対2になりながら一気にゴールを陥れてしまった。

これぞ点取り屋の恐るべき嗅覚。2試合ですでに4得点!

ピチチも近いぞ~!頑張れ!ビジャ!頑張れ!スペイン!

Photo_6 2試合目は、オットー・レーハーゲルVSフース・ヒディンクの智将監督対決となったギリシャ×ロシア。

ここで負けたら敗退が決まるギリシャは、5バックを捨てて4-3-3という攻撃的布陣を敷いてきて、試合としては絶対に点を取って勝つという意気込みに溢れた非常に見ごたえのあるサッカーになって意外に楽しめてしまった。

まあギリシャ落ちてよかったけども。

ロシアはアルシャービンが次の試合から出場可能ということで、スウェーデンとの2位の座をかけた一騎打ちはマジ凄いことになりそう。

次なる美女を求めて今日も行く・・・。どうもボクです。

2008年6月14日 (土)

欧蹴球狂想曲第38番:ユーロ7日目:オランダ猛爆!!

勝ち点3オランダ、勝ち点1ルーマニア&フランス、勝ち点0イタリアで迎えた死のC組。

大変なことになってます!

まずはイタリア(FIFAランク3位)×ルーマニア(同12位)。

イタリア:4-2-3-1   ブッフォン

             パヌッチ    キエッリーニ

 ザンブロッタ                          グロッソ

             ピルロ      デロッシ

 カモラネージ         ペロッタ         デルピエロ

                   トニ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

ルーマニア:4-1-3-2      ダニエル・ニクラエ

               ムトゥ

       キヴ         コドレア         ペトレ

                   ラドイ

  ラト       ゴヤン        タマシュ        コントラ

                   ロボント

初戦から5人入れ替えてきたイタリアは、デロッシ&ペロッタのローマコンビを入れ、デルピエロを先発させるなど、点を取りに行く布陣。

一抹の不安はカンナバーロ&マテラッツィが負傷で使えないCBに、本職は右ラテラルのパヌッチと左ラテラルのキエッリーニを使ってきたことだったのだが・・・。

試合は開始直後から猛烈に飛ばしていくイタリアが主導権を握って攻め立て、それをしっかりと防御して蜂の一突きのカウンターを繰り出していくルーマニアという構図で進む。

とにかく最初からこれだけ飛ばしまくるイタリアというのは初めて見たような気がする。

ところがイタリアの圧力に決して怯むことないルーマニアも脅威そのもので、前半19分には、キヴのFKがパヌッチに当たってコースが変わりゴールポストに直撃する決定的シーンもあった。

Photo しかし、ルーマニアの中盤アンカー役のラドイが味方選手と激突して負傷退場した後はイタリアが一方的に攻め込む展開が続くが、1点が遠い・・・。

ルカ・トニへのクロス、ルカ・トニからの落としから決定的チャンスをつかむものの、GKロボントの好守に阻まれゴールを割ることができない。前半ロスタイムにはザンブロッタからのクロスをトニが決めたかに思えたが、無情のオフサイド・・。

そんなイヤ~な流れで来た後半10分。自陣からのFK、一発ロングパスをザンブロッタが頭でブッフォンに返したのだが、、、それを背後から走りこんだムトゥがかっさらってゴールしてしまった!

こんなあり得ねぇゴールが、そしてこんなあり得ねぇミスがイタリアで、しかもユーロで出ちゃうなんて・・・。今回のイタリアはどうにもツキがない。。

Photo_2 が、それから僅か1分後。

CKからファーサイドのキエッリーニが頭で戻したところをパヌッチが押し込んで同点に追いつく!

それからペロッタに代えてカッサーノを投入したイタリアは後半29分、トニの落としからペロッタがヘッドで押し込むが、またまたロボントが横っ飛びで弾きかえしてしまう。

Photo_3 そして、本日最大の分岐点となった後半35分。パヌッチがニクラエを倒してしまった痛恨のPK!

ムトゥVSブッフォン!  

が、これをブッフォンが止める!止めてしまう!

試合はこのまま終了し、両チーム勝ち点1を積み上げただけとなったが、ルーマニアはデカイ金星と勝ち点2を失い、一方のイタリアは首の皮一枚なんとかつながったトンでもない試合となった。

さて、2試合目オランダ(FIFAランク10位×フランス(同7位)の対戦。

オランダ:4-2-3-1 ファンデルサール

           オーイエル     マタイセン

ブラルーズ                              ジオ

           デヨング      エンゲラール

  カイト          ファンデルファールト      スナイデル

               ファンニステルローイ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS 

フランス:4-4-2   アンリ

                        リベリ

   マルダ                           ゴブ

              マケレレ     トゥララン

 パトリス・エブラ                        サニョル

              ギャラス     テュラム

                    クペ

オランダはイタリアを3-0と粉砕したメンバーをそのまま起用。

この試合でもまざまざとその攻撃力を見せつけたわけだが、攻撃は最大の防御をそのまま実践するかのようにポゼッションを高めて相手を上手くいなしながら、縦に入れて一気にスピードアップして相手防御陣を崩していくさまは圧巻そのもの。この攻撃性能はスペインをも上回るものと思われる。

そりゃそうだよ。なんてったってイタリア&フランスから7点取っちゃったんだから・・。

凄すぎ。

Photo_4 ポスト役として世界最高の技術を見せるニステル、中盤で鬼キープを見せるファンデルファールト、豊富な運動量で好守ともに前線を支えるカイ、左右両足から鋭いパスを繰り出すとともに試合のペース配分を考えながら司令塔役をこなすスナイデルで組む前線は、“魅せて勝つ”という我が愛しのレアル・マドリーのお株を奪うようなフィロソフィーをピッチでそのまま体現している。さらにここに左右両ラテラルのブラルーズ&ジオの攻め上がりも絡んでくるのだから、堅守のフランスもタジタジ。

Photo_5 さらに途中交代で入ったロッベンとファンペルシーが2人とも得点しちゃうんだから恐れ入る。

やっぱ凄すぎ。。

でも、予選でオランダは総得点15を記録したのだが、実はこの数字、16チーム中最少なんだよね。これも信じられない話なんだけど。。しかしそれがイタリアとフランス相手に2試合ですでに7点取っちゃってるんだから、ますます信じられない話になっちゃってるよ。なんじゃこりゃ。。

ちなみにニステル&ロッベン&スナイデルはレアル所属ですから~~ン♪

いやホント、凄いわ。ニステルのマルセイユルーレット、ロッベンの瞬殺ゴール、スナイデルのキャプ翼なみのドライブシュート!

やっぱレアルは世界一だニャ!!ウフン。

さてさて、対するフランスは、アネルカ、ベンゼマ、アビダルを代えてアンリ、ゴブ、エブラをスタメン起用してきたが、どうも連係がうまくとれない。全てが個のゴリ押しサッカーになってしまっていて、スペクタクルなオランダからは程遠いなんとも見栄えの悪いサッカーを展開してくれた。

やっぱ、なんだろ。ジダンがいないんだよね(笑)。。ファンデルファールトとスナイデルが君臨するオランダと比べると如実に分かるけど、やっぱ試合を作れるファンタジスタがいないんだよなあ。

そういう点ではやはりマケレレ&トゥラランの両ボランチのところで違いを作れるタレントがいないというのは絶対的に痛いね。ここが効けばリベリも生きてくるんだけど。。

Photo_6 これでオランダは勝ち点6の圧倒的強さで1位突破が決定!

それを勝ち点2のルーマニア、勝ち点1同士のフランスとイタリアが追うのだが、最終戦は突破を決めておそらく主力を休ませてくると思われるオランダ×ルーマニア。どちらかがあるいはどっちも落ちてしまう可能性があるイタリア×フランスとなる。

でもドイツW杯決勝の再現戦がこういう状況で実現しちゃうというのも、、ユーロって凄っごい・・。

個人的希望としては、フランス&イタリア共倒れでお願いいたします。

なぜかって?

それは準々決勝で我が愛しのスペインが対戦したくないから。どちらかといえばルーマニアとやりたいわなぁ。

2008年6月13日 (金)

夢のシネマパラダイス432番シアター:アイ、ロボット

アイ、ロボット

A_2004_1出演:ウィル・スミス、ブリジット・モイナハン、ブルース・グリーンウッド、チー・マクブライド、ジェームズ・クロムウェル

監督:アレックス・プロヤス

(2004年・アメリカ・115分)MOVIX仙台

評価★★★★☆/85点

内容:SF作家アシモフの「われはロボット」が原作のサスペンスアクション。人間とロボットが共存する近未来2035年のシカゴ。ロボット開発の大手、USロボティックス社内でロボット開発責任者のラニング博士が死亡した。かつての経験から大のロボット嫌いになっているスプーナー刑事が捜査に乗り出す。やがて、一体のロボット“サニー”が事件のカギを握っていることをつきとめる・・・。

“最新次世代ロボットNS-5にも出来ないことを人間のオイラはやってみせたぞ!どうだ、参ったか。”

さすがのサニーでも涙を流すことはできねえだろ(笑)。

しかし、押井守の「イノセンス」を見て全く震えなかった自分のゴースト(魂)が、まさかこの映画でブルンブルンに震えるとは思いもよらなかったな。。

例えばロボット製造工場に逃げ込んだサニーを見つけ出すためスプーナー刑事が整列したNS-5を冷徹な意志で撃ち壊すシーン(まるでシンドラーのリストの1シーンを思い出させる)ひとつとっても、通り一遍の人物像とはかけ離れたものになっており、映画を一筋縄ではいかないものにしていた。

そして、映画を通して彼のロボットへの憎しみが理解の握手へと変わっていく感情の機微をよく描き出していたと思う。

願わくはその対極にいた「ユニーク(特別)」なロボット、サニーの苦悩と悲しみという“感情”をより深く描き出してくれていたならば完璧だったのだが、それでもストーリーと映像、娯楽性とその中に組み込まれた問題提起とのバランスがハリウッド映画にしてはよく舵取りされていて、容易に感情移入できてしまった。

あるいはそう感じたのは、ちょうど現在、浦沢直樹の漫画「PLUTO」を読んでいたからかもしれない。

この作品では、より深い“アトム”の悲しみが描かれており、人間とロボットを隔てるものとは何かということを否応なく考えさせられてしまう。この浦沢ワールドにどっぷりと浸かっていたが上にこの映画がより深く迫ってきたのかもしれない。

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イーグル・アイ(2008年・アメリカ・118分)WOWOW

 監督:D・J・カルーソ

 出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン、マイケル・チクリス、ビリー・ボブ・ソーントン

 内容:シカゴに住む青年ジェリーのもとに、米軍に勤めている双子の兄が急死したと悲報が入る。さらに葬儀から帰ると、自分の部屋に大量の武器弾薬が届いていた。その直後、見知らぬ女性から電話が入り、その場からすぐ逃げろと警告されるが、突入してきたFBIにわけも分からないまま拘束されてしまう。一方同じ頃、シングルマザーのレイチェルの携帯にも女性から着信が入り、言う通りにしなければ幼い息子の命はないと脅迫を受けていた・・・。

評価★★★/60点

一般素人がわけも分からないまま命を狙われる巻き込まれ型サスペンスといい、SFのくくりには入らないあくまで現実と地続きのベクトル上での最新テクノロジーの進化をエンタメに落としこむ発想力といい、どちらも自分好みの鉄板ネタといえるんだけど、面白さがイマイチはじけないのはなぜだろう

と考えると、途中でこれって2001年宇宙の旅のHAL9000じゃんと感づいた途端に、想定外が想定内の予定調和になってしまう白々しさに襲われて、なんか冷めちゃったんだよね・・。

赤信号をどう突破するかがカタルシスを生むのに、天の声によって青信号に導かれてどんどんスルーしていくんだから、そう考えると映画としてはちょっとビミョーだよねっていう。

失敗作ではないけど、良作でもなかったかな。。

まぁ、空港のベルトコンベヤーに流されてみたいとは思ったけどねww

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イヴの時間 劇場版(2009年・日本・106分)WOWOW

 監督・脚本:吉浦康裕

 声の出演:福山潤、野島健児、田中理恵、佐藤利奈、ゆかな、中尾みち雄

 内容:頭上にあるリング以外人間と変わらない外見を持つ人型ロボット・アンドロイドが家電として実用化されている近未来。ある日、高校生のリクオは、自家用アンドロイド・サミィの行動記録の中に命令していない行動をとったことを示す不審なログがあることに気づく。そこでリクオは親友のマサキと一緒にサミィの足跡を辿っていくが、たどり着いた場所は「人間とロボットを区別しない」というルールを掲げる喫茶店“イヴの時間”だった・・・。

評価★★★/65点

ロボットに心や自我は芽生えるのかというテーマや、ロボットと人間の関係性は様々な作品で描かれてきたけど、人間とアンドロイドの外見上の区別は頭の上にあるリングだけで、喫茶店イヴの中ではその見分けがなくなるという設定はたしかに面白い。

その際、ロボット三原則で縛りをかけ絶対的な優位性に立つ人間が、見た目の境界線がなくなった時ロボットにより強く愛着を感じるのか、それとも優位性が崩れてしまう恐怖が先に立つのか興味深いところなのだけど、そこらへん割りとゆる~くストーリーが進んでいくかんじであっさりしているのがちょっとイマイチだった。

しかも喫茶店と高校と自宅だけで話が完結してしまうので世界観も広がっていかないし、全体的に不自然さの方が先に立っちゃったかなぁ。。

例えば、この世界のアンドロイドには感情がインプットされていることは明らかだけど、なぜ人の前ではそれを隠しておかなければならないのか、あるいは逆にいえばなぜ感情をインプットしなければならないのか、、そこが1番重要なはずなのに完全にスルーされちゃってるので・・。まぁ、そんな難しいこと考えずに見ろってことなんだろうけど。。

世にも奇妙な物語かなんかで実写化したやつを見てみたいなとは思ったかもw

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メトロポリス(2001年・東宝・107分)NHK-BS

 監督:りんたろう

 声の出演:井元由香、小林桂、岡田浩暉、富田耕生

 内容:手塚治虫の原作を大友克洋脚本、りんたろう監督で映画化した、ロボットと人間が共生する巨大都市国家メトロポリスを舞台にしたSFファンタジーアニメ。

評価★★★/60点

極端にいえば萌えさせることすら入り込む余地のない、まるでロボットが機械的に作った一律に処理されているお話。

映像も機械的、シナリオも機械的。なんか観てるこちら側まで機械化してくる。

こちら側の自主性まで削ぎ落とされていくような・・・。疲労だけが溜まってきちゃうんです。

人間なんだからもっとちゃんと物語ってくださいよね。

欧蹴球狂想曲第37番:ユーロ6日目:ドイツこける・・

Photo ←志村けんもビツクリの変なオジサン発見!しかし、スゴイ出で立ちだ。。

さて、今日はグループB。

勝ち点3同士の対決は、ドイツ(FIFAランク5位)×クロアチア(同15位)。

布陣は、、

クロアチア:4-2-3-1 プレティコサ

        ロベルト・コバチ     シムニッチ

チョルルカ                          プラニッチ

          モドリッチ      ニコ・コバチ

               クラニツァール       

  スルナ                         ラキティッチ

                 オリッチ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

ドイツ:4-4-2  クローゼ     マリオ・ゴメス

  ポドルスキー                       フリッツ

            バラック      フリンクス

 ヤンゼン                             ラーム

          メッツェルダー    メルテザッカー

                  レーマン

試合は、両者とも落ち着いた立ち上がりを見せるが、徐々にクロアチアがペースをつかんでいく。

そのバックにあるのは前線からの厳しいチェイスと、屈強なドイツ選手にも負けない球際での強さ、そして東欧のブラジルの異名が本領発揮されたテクニックだ。

特にボランチに入り巧みなボール捌きでタクトを振るった22歳のモドリッチは小柄ながらも存在感抜群で、ドイツ選手のプレッシャーにも臆することなく中盤に君臨した。特に身体の使い方に関しては日本人選手にも大いに参考になるプレーが随所に見られた。

Photo_2 また、モドリッチと縦の関係になっていたクラニツァール、鋭いサイド攻撃を繰り出したチョルルカとスルナ、そして1トップに張って獅子奮迅の運動量でボールを追っかけ回した師勲者オリッチなど、チーム全体が集中力を切らすことなく高い守備意識をベースにドイツの攻撃力を封じた。

さらに攻撃に転じてはモドリッチを起点としてサイドチェンジを有効に使い、ドイツ守備網をサイドからの揺さぶりから攻め崩していく。

前半24分の先制点も右サイドから左サイドへのサイドチェンジを起点として、そこからのクロスからスルナが決めているし、後半17分の追加点も右サイドからのクロスがポドルスキーに当たってコースがずれたことが奏功した。

Photo_3

初戦のオーストリア戦のアップアップ状態からは信じられないくらいの小気味の良いサッカーを90分間展開してくれたのには正直驚いたけど、そもそもそれだけのポテンシャルは持っているわけで、やはり旧ユーゴ諸国に特有のメンタル面が強く影響したのだと思う。

気性が激しくムラがあるというのは例えば現役時代のストイコビッチなんかを見ても如実に出てたけど、今日は相手がドイツということで、ヤル気マンマンだったんだな(笑)。それがプラスに働いたのではなかろうか。

逆にドイツの方が退場者を出してしまうという皮肉な結果にもなり、まさにクロアチア会心の勝利となった。

オーストリア×ポーランドの結果、クロアチアの首位突破が決まったわけだけど、第3戦のポーランド戦は今日のヤル気の半分くらいになっちゃうんじゃないかな(笑)。

ドイツは前半で左SBのヤンゼンを下げたのだが、後半のパフォーマンスを見ても最初からラームを左で使えばよかったのではないかと、その時点で1手損してるわけだし誤算だったね。

まあ3戦目オーストリアには大方勝つだろうから2位突破は固いだろうけど。でもそうなると準々決勝でポルトガルと当たっちゃうんだなぁ。。大変なことになってきたぞ。

お次はオーストリア×ポーランドを手っ取り早くいきまひょ。

両者とも初戦を落としており、絶対に負けられない試合だったが、オーストリアは前半10分、13分、15分と立て続けに決定的チャンスをつかむ、、、が、全てGKボルツに阻まれてしまう。

初戦のクロアチア戦と同様、激しいチェイス&チェックから主導権を握ったオーストリアだったが、大攻勢だったにもかかわらず前半20分までに結局1点も奪えなかったことが痛かった。まるで日本代表・・・。

決める時に決めないとどうなるか・・・。ハイ、こうなります。

前半30分。左サイドからスモラレクがファーサイドへ送ったクロスをサガノフスキが折り返し、ゴール前に詰めていたロジェール・ゲレイロが押し込んで先制してしまったのだ。

Photo_4 だからぁ、決める時に決めないとこうなっちゃうんだわさ・・・。

ここからポーランドがブラジル帰化選手ロジェール・ゲレイロを中心として鋭いカウンターを見せていく。

しかし、このまま終わるかと思われた後半ロスタイム。オーストリアが土壇場でPKを得て、バスティッチが決め1-1の同点で終了した。

PKを取ったシーンも非常にビミョーなかんじだったが、審判のプレゼントだったのかねぇ。。

ま、これで開催国オーストリアも首の皮一枚つながったわけで、ドイツも負けたことだし3戦目が消化試合にならなくてヨカッタヨカッタ。

2008年6月12日 (木)

欧蹴球狂想曲第36番:ユーロ5日目:ポルトガル突破!

今日から各グループふた周り目。今日はグループA。

まずは勝ち点3同士のポルトガル(FIFAランク11位)×チェコ(同6位)の天王山から。

Photo 監督のフェリペ・スコラーリがユーロ後にチェルシーの監督になることが決定し、5年に渡るポルトガル代表におけるまさに集大成となる今回のユーロ。

目指すは優勝。願わくばスペインとの決勝戦になれば言うことなし!

さて、まずは布陣から、、

チェコ:4-1-4-1     チェフ

         ウイファルシ      ロゼフナル

グリゲラ                          ヤンクロフスキ

                 ガラセク

          マチェヨフスキー     ポラク     

 シオンコ                           プラシル  

                  バロシュ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

ポルトガル:4-2-3-1  ヌノ・ゴメス

     シモン                       ロナウド

                   デコ

          モウチーニョ       ぺティ

 パウロ・フェレイラ                      ボジングワ

            カルバーリョ      ぺぺ

                   リカルド

ポルトガルは初戦トルコ戦と同じメンバー。チェコの方は、コレルの代わりに前回大会得点王のミラン・バロシュを前線に据え、中盤にロシツキーの代役1番手と目されていたマチェヨフスキーを入れてきた。

Photo_2 試合は前半8分にいきなりデコが先制点を入れる。

デコが起点となった攻撃からロナウドがヌノ・ゴメスとのワンツーから抜け出しシュートを放つもののチェフに弾かれる、、、がそこに詰めていたデコが押し込んで先制!

この試合、結局1ゴール1アシスト、さらにダメ押しの3点目に繋がる早いリスタートをロナウドに送ったのもデコであり、今日のマン・オブ・ザ・マッチを選ぶとすれば間違いなくデコだろう。

ポルトガルの心臓を担うデコがこのままいぶし銀の活躍を見せれば頂点にたどり着くのも夢ではない。そんなことを感じさせる試合内容だった。

Photo_3 チェコも前半17分、CKからシオンコが同点ヘッドを決めて、その後も鋭い寄せから縦に早いサッカーを繰り出し、ポルトガルのリズムを狂わせる時間帯もあったのだが、後半に入ると、ますますデコが存在感を見せつけ、それに引っ張られるようにロナウドも尻上がりにパフォーマンスを上げていく。

そしてその2人によって後半18分流れるような勝ち越しゴール!

Photo_4 さらに後半ロスタイムには、一瞬のスキを突いた素早いデコのリスタートから、DFライン裏に一気に抜け出したロナウドがゴール前に走りこんでいたクアレスマに流し楽々とゴールを陥れた。

フツーに強いっス。。

これでスイス×トルコ戦の結果、ポルトガルが1位突破を果たすことになった。おそらく準々決勝の相手はクロアチアになることが予想されるのだけど、今の個と組織が融合したサッカーを見せられればベスト4は固いだろう。

3戦目のスイス戦は主力を温存することが予想され、休養も取れるだろうし、目指せ!スペイン×ポルトガルの決勝を!

次は、勝ち点0同士、崖っぷちのトルコ×スイス。

布陣は、、

トルコ:4-1-4-1   ヴォルカン

       エムレ・アシュク     セルヴェト

アルティントップ                    ハカン・バルタ

             メフメト・アウレリオ

ギョクデニズ    トゥメル     トゥンジャイ     アルダ

                 ニハト                

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

スイス:4-4-2 デルディヨク  ハカン・ヤキン

 バルネッタ                        べーラミ

           フェルナンデス   インレル

 マニャン                       リヒトシュタイナー

           センデロス      ミュラー

                 ベナッリョ

トルコはエムレが負傷、その他にもギョクハン・ザンやカズムが初戦から外れた。スイスもフレイが初戦で負傷、シュトレラーも臀部を痛めてベンチにも入ることができなかった。

Photo_5 この両者、実は2006ドイツW杯の欧州予選のプレーオフで対戦しており、スイスがトルコを倒してW杯チケットをもぎ取ったという経緯がある。

しかもその対戦で大乱闘も起こっており、まさに因縁の再戦ということになった絶対に負けられない戦いになったのだが、それを天も見越したのか、試合開始直後から暴風雨が襲い掛かり、ピッチは見る見るうちに水を含んでいく。

その中で繰り広げられる激しいぶつかり合い、肉弾戦。。

Photo_6 ボールと足がとられる最悪のピッチコンディションの中で、スイスはDFライン裏へのロングパスと縦に早い戦法に切り替える一方、ビルドアップから細かいパスサッカーを身上とするトルコはなかなかリズムをつかむことができない。

そんな中、前半32分。シンプルに裏へのボールを送り続けていたスイスがついに先制する。

センデロスの1発ロングパスが裏へ抜け出したデルディヨクへ渡り、豪快に飛び出してきたヴォルカンをかわして、ゴール前のハカン・ヤキンへパス。雨のピッチでボールが止まるもののハカン・ヤキンが押し込んだ。スイス1-0。

しかし、後半雨が降り止み、ピッチコンディションが戻ったことで、形成が逆転してしまう。

後半12分、左サイドからニハトのクロスを後半から投入されたセミフがヘッドで決め同点。

Photo_7 そしてスイスの再三の決定的チャンスを防ぎきったトルコは、後半ロスタイムに左サイドから持ち込んだアルダがそのまま強烈なシュートを撃ち込み逆転ゴールを決めてしまった。

呆然とするスイスサポーター・・・。

スイスとしては後半38分にあったビッグチャンスを決めきれなかったのが痛かった。

これで、トルコはチェコと並んで勝ち点3を獲得。第3戦での直接対決も凄いことになりそうだけど。トルコのDF陣も満身創痍だし大変だぞこれは。

逆にスイスはグループリーグ敗退が決まってしまった。

開催国は2国とも敗退だなこりゃ・・。まぁ良いサッカーしてるんだけどねぇ。

2008年6月11日 (水)

欧蹴球狂想曲第35番:ユーロ4日目:無敵艦隊出帆!

Photo さあ、ついにやって参りました。

オイラご贔屓のチーム、スペイン参上!

毎回魅惑の優勝候補に挙げられながら、いっつも期待を裏切り続ける儚いお国。スペイン。

今回のスペインは、我が愛しのレアル・マドリーのカピタン、ラウルがアラゴネス爺さんからソッポを向かれて代表に入れてもらえず、ヤキモキしていたのだけど。

ただ、それでもシャビ(バルサ)&イニエスタ(バルサ)&セスク(アーセナル)&シルバ(バレンシア)で形成されるクワトロ・フゴーネス(4人の創造者)と呼ばれる魅惑の中盤と、イングランドに渡って完全に一皮剥けた神の子フェルナンド・トーレス(リバプール)の爆発が期待でき、今回のスペインはいつにも増してタレントが揃っている。

対するロシアとは、前回のユーロ2004でもグループリーグ初戦で対戦しており、その時は1-0でなんとかスペインが勝っている。

ただ、前回と違うのは、ロシアの監督がフース・ヒディングだということ。

日本にとってはドイツW杯で辛酸を舐めたオーストラリア戦、その時の敵将だったといえばお分かりだろう。世界でも名だたる智将であり、その采配は俗にヒディングマジックと呼ばれ、今回も予選でイングランドを蹴落として本選出場を果たしたようにヒディングの力は絶大な影響を与える。

スペイン×ロシアというよりはスペイン×ヒディングといってもいいかもしれないこの対戦のまずは布陣から。

スペイン:4-4-2    カシージャス

          プジョル        マルチェナ

セルヒオ・ラモス                       カプデビラ

         マルコス・セナ       シャビ

 イニエスタ                         シルバ

            トーレス       ビジャ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

ロシア:4-1-4-1   パブリチェンコ

 ビリャレトジノフ                       スィチョフ

            セムショフ    ズイリヤノフ               

                  セマク

  ジルコフ      シロコフ      コロジン    アニュコフ

                アキンフェエフ

スペインは予選でクワトロ・フゴーネスを横に並べた4-1-4-1で結果を残してきたが、今日はセスクを外してビジャを入れた2トップで臨んだ。

ロシアの方は前線の要アルシャヒンが2試合出場停止で出られないのがどう出るか。

そして、降り続く雨によるピッチコンディションがどう影響するか。

試合は、スペインが遅攻のパスサッカーを展開していくものの、初戦の固さからか試合の入り方を誤った感があり、ロシアの確実なチェイス&チェックから逆襲を食らうシーンが続く。イニエスタの動きもやや不調かなと心配になってしまった。

Photo_2 がしかし、前半20分。それは一瞬の出来事だった。

ロシアの攻撃を自陣深くでカットしたカプデビラがダイレクトで前線へ。それをトーレスが怒涛の爆走で相手DFと競り勝って一気にペナルティ陣内へなだれ込み、飛び出してきたキーパーをあざ笑うかのように隣に走りこんでいたビジャへパスを送り、ビジャは無人のゴールへ流し込んだ!

まさに一瞬での先制!

その後ロシアも際どいチャンスを演出したのだが、逆に前半44分。またもやカプデビラのカウンターからイニエスタの絶妙のスルーパスがビジャに渡り冷静にゴールを陥れた。

2-0で前半を折り返した時点で勝負ありだったのかもしれない。

後半も最初はスペインが完全に受けに回り、ロシアのペースが続いたのだが、トーレスを下げてセスクが入った4-1-4-1へ変型した後は、ロシアの攻撃を上手くいなしつつ鋭いカウンターを繰り出していく。

こうなってはロシアも手も足も出ない。後半も20分を過ぎてスペインの流麗なパス回しがボディブローのように効いてきたのか、足が止まってきて完全に疲れてしまった。

Photo_4 そんな後半30分。

ビジャ!ハットトリック!

ベンチに下がっていたトーレスの所に行って抱擁するシーンは感動的でした。これでチームが一枚岩になってくれれば。

Photo_5 その後1点ずつ加えあった試合は、4-1でスペインが快勝した。

←ありゃ。レアルの会長カルデロンも大喜び。お隣にいるのもデポルかどっかの会長さんだよね。誰だっけ。

とはいえスペインに見られがちな危うさも見られたのもまた確かで、まだまだ気は抜けない。なんてったって次は強敵スウェーデンだからね。

一方のロシアは、この試合1枚もイエローカードが出なかったことからも分かる通り、もうちょっとガツガツいってもよかったような・・。ちょっと正直すぎたかんじ。

さて、お次は前回大会で並み居る強豪を次々に負かしていき、まさかの優勝を果たしてしまったギリシャ×常連スウェーデン。

布陣は、、

ギリシャ:5-4-1:   ニコポリディス

      キルギアコス   デラス   アンツァス

セイタリディス                       トロシディス

           バシナス     カツラニス

  ハリステアス                 カラグーニス

                  ゲカス 

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

スウェーデン:4-4-2 

           ラーション   ズラタン・イブラヒモビッチ

                 スベンソン

     リュングべり              ウィルヘルムソン

              ダニエル・アンデション

  ニルソン                      アレクサンデション

            ハンソン      メルべリ

                 イサクション

前回に引き続き、超現実的な5バックを敷いてきたギリシャ。あまりにも現代サッカーから後退しまくっているかのようなギリシャのサッカーは個人的にいってもこの大会からとっとと消え失せて欲しい1番手なのだけど(笑)、WOWOW解説陣の必死でギリシャをフォローする発言には思わず吹いちゃったな。

ただこのサッカー、ハマれば強いんだわなぁ。亀の甲羅のごとく首と手足を頑なに引っ込めて、時おり勝負所でガブリと噛み付いて離さない。

でもこのサッカー、先に1点取られたら打つ手無しで一気に瓦解しちゃうんだよね。そういう意味ではハイリスク・ハイリターンなんだけど。   

今日なんかその典型だったね。

前半はギリシャの戦略に分かってはいてもこじ開けることができないスウェーデン。ズラタンが押さえ込まれ、36歳のラーションが孤軍奮闘するのみ。

Photo_6 しかし、ジリジリしたまま進んだ後半22分。右サイドスローインを受けたズラタンがラーションにワンツーで当てたボールをそのまま右足一閃振り抜き、ものの見事なゴールを決めてた!

コンディションを落とし、やや元気なさげだったズラタンも久々に飛びます♪飛びます♪

スウェーデンに先制されたギリシャは、DFを1枚減らしFWアマナティディスを入れて4-3-3へシフトチェンジしたが、これが裏目に出てしまうのがザマアみろ!てかんじ(笑)。

Photo_7 後半27分。ギリシャDFラインにポッカリ空いた穴にリュングべリが入り込み、ラーションのスルーパスを受けてシュート!

それをいったんは身体に当てて防いだニコポリディスだったが、それをさらにシュートしたボールがハイボールになってゴール真上へ。ギリシャDF陣と競り合うハンソンが執念で押し込み、ゴーール!

ギリシャに引導を渡す2点目を入れればもはやギリシャには打つ手はない。サヨウナラお亀さん。

2戦目は勝ち点3同士のスペイン×スウェーデン、脱落決定戦のギリシャ×ロシア。

スペインとしては2戦目で決めちゃいたいね。

2008年6月10日 (火)

欧蹴球狂想曲第34番:ユーロ3日目:イタリア轟沈・・。

Photo ついにキターー(*゜。゜*)はぅ~☆("ω"♪)!!!!

オランダ×イタリア戦で見っけたイイ女!この最っ高の笑顔を見よ!!

この場を借りて告白させて下さい。

ず、好゛ぎでず・・・。

もうこの際サッカーなんてどうでもええ。スタジアムの美女探しツアーに行かせてけろ。

、、と思ったらこの女性、ファンデルファールトの奥さんだって。。轟沈・・。

、、、さ、気を取り直して死のC組いきますか。

まずはルーマニア×フランス

ルーマニアから勝ち点3を獲れるかどうかがこのC組を抜けるための必須条件と巷では言われているが、しかしこのアウトサイダーというべきルーマニアはオランダと同組に入った予選で首位通過を果たしている実力国だということをくれぐれもお忘れなきよう、、、

ということを知ってか知らずか今日のフランスはやけに慎重ですた。

今日の布陣は、、   

ルーマニア:4-3-3   ロボンツ

           タマシュ      ゴイアン

 コントラ                             ラツ

                 ラドイ

         コチシュ           キヴ

  ニコリツァ                       ムトゥ

              ダニエル・ニクラエ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

フランス:4-4-2 ベンゼマ    アネルカ

   マルダ                          リベリ

            マケレレ     トゥララン

  アビダル                          サニョル

            ギャラス      テュラム

                   クペ

ルーマニアはムトゥ、フランスはリベリがキーマン。

グループリーグ突破には通常勝ち点6、最低でも5(この場合は得失点差の争いになる)は必要だが、こと死のC組に関しては1勝2分の勝ち点5でなんとか突破するというのが現実的なところだろう。

さらにこの後イタリア、オランダが待ち構えているとあっては初戦での敗戦というのはかなり致命的なわけで、C組開幕戦となったこの試合はある程度腹の探りあいになることは予想してはいたことだった。

しかし、カウンターを軸とするルーマニアはまだしも、フランスが90分リスクを負わずに終始したのは面白くなかった。

正直こういうチームには勝ち上がって欲しくない(笑)。

一方、引いて守ってからのカウンターというルーマニアはコンセプトが明確で、やりたいサッカーがよく分かった。ベンゼマ、アネルカへのくさびを絶ち、サイドに追い込んでいく守備は集中力途切れることなく一貫して遂行されていて、しかも守備におけるボールへの寄せだとか身体の入れ方、使い方が非常に上手いなと。

Photo_2 さらにカウンターでもキヴ、ムトゥ、ダニエル・ニクラエを中心にボールを的確につないで崩していく形も見られ、なんとも見ていて心地よいものがあった。

それだけにフランスには、多少のリスクを負ってでも引いたルーマニアを押し込んでいってもらいたかったのだけど、悲しいかなポジショニングバランスを一貫して崩さず、リスクを負わない単発攻撃に終始してしまった。リベリの才能を活かすも殺すもやはり連動性がないとどうにもならない。

ルーマニアの守備を誉めるべきなのはもちろんだが、フランスの不甲斐なさも指摘されてしかるべきだろう。

まあ、変えるとしたらマケレレ&トゥラランのとこが手っ取り早いのだろうけど。守備的すぎて創造力が無さすぎるからね。あとはマンUの左ラテラルを支えたエブラとか使って欲しいんだけどなぁ。

ま、このドローは最低限の結果ではあるので、両者とも結果としては悪くはないんだけど。

さて、この試合の結果を受けて行われたオランダ×イタリア

布陣は、、、

オランダ:4-2-3-1 ファンデルサール

          ブラルーズ     マタイセン

オーイエル                           ジオ

           デヨング     エンゲラール

 スナイデル      ファンデルファールト      カイト

             ファンニステルローイ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

イタリア:4-3-3       トニ

    ディナターレ                 カモラネージ

         ガットゥーゾ       アンブロジーニ

                  ピルロ

  ザンブロッタ                      パヌッチ

          マテラッツィ      バルザーリ

                 ブッフォン

オランダは、ロッベンが足を痛めて離脱、対するイタリアも主将のカンナバーロが合宿中の練習でキエッリーニと激突し、足のじん帯損傷でユーロ出場が出来なくなった(チームには帯同している)。って、両者とも我が愛しのレアル・マドリーの選手なんですけど・・・。

ファンバステンと和解して代表に戻ってきたニステル、レアルではニステルのチームメイトで昨シーズンレアルに加入し瞬く間にその才能を輝かせた司令塔スナイデル、そしてドイツに渡りたくましくなった稀代のファンタジスタ・ファンデルファールト。その他にもアーセナルの黄金の左足ファンペルシー、豊富な運動量でピッチを駆け回るリバプールのカイト、ビッグクラブから引く手あまたのフンテラールなど前線の駒には困らないほどのタレントを揃えるオレンジ軍団。

今日もなんとも理想的な前線の布陣を組んできた。また、中盤にトゥベンテ所属の大型MFエンゲラールを起用してきた。

対するドイツW杯世界王者のイタリアは、中盤3人をミランで固めてきた。

正直う~んん・・・と思ったね。なんか新味が無いというか、旧態依然としたマンネリ化したオッサン軍団てかんじで、ミランと同じ匂いがするというか。魅力が感じられない。

デロッシ出せよ!と思ったのはオイラだけだろうか・・。4-3-3にするんならローマ型にしろよなぁ。

それはさておき、ルーマニア×フランスのスコアレスドローが、直後に行われる試合に臨むオランダとイタリアにどの程度影響したのかが気になるところ。。

初戦という試合の入り方にどの程度影響したのだろうか。けっこうそれが大きな差となって出ちゃったような気もするんだよね。終わってみればの話になっちゃうけど。

Photo_3 とにもかくにも守り合いでは勝ち目が無いオランダは、前半最初からそのアイデンティティである攻撃面を隠さず真っ向から攻めていき、点の取り合いに強引に持ち込んでいき主導権を握ろうとする。逆にイタリアはやや慎重に静かに入りたかったところをオランダが予想以上の圧力で飛ばしてくるので、それを受けとめざるを得なかった。

その点で、イタリアにやや読み違えがあったのかな、と。

前半26分のニステルの先制点は明らかなオフサイドで、イタリアに不運な面はあれど、それがなくてもオランダが勝っていた試合だっただろう。

Photo_4 前半31分には、カウンターからファンデルファールト→ジオバニ・ファンブロンクホルスト(通称ジオ)→カイト頭で折り返して→スナイデルのボレーで決めた2点目はまさにスペクタクル!

今大会おそらくベスト3に入るゴラッソだろう。

←我が愛しのレアル・マドリーのニステル、スナイデル大活躍っス!

2-0の後半は本気度120%で攻めきろうとするイタリアと、それをしのぐオランダという滅多に見られない構図を目の当たりにすることができてメチャ面白かった。

が、それを逆手にとって後半34分またもやカウンターからジオがヘッドで決め3-0。

デルピエロとカッサーノを入れるもイタリア、、、ジ・エンド。。衝撃的な敗戦といっていいだろう。

オランダは30年ぶりにイタリアに勝ったらしいですが。快勝でっす。

さあ次戦は、イタリア(勝ち点0)×ルーマニア(勝ち点1)の後に、オランダ(勝ち点3)×フランス(勝ち点1)が行われる。

まぁだ分からないねこれは。。

ウ~~~~ん♪地球に生まれて、、、良かったーー!!!

2008年6月 9日 (月)

欧蹴球狂想曲第33番:ユーロ2日目:ドイツ好発進

今日は最も予想のしやすいグループB。

Photo まずはウィーンの5つ星スタジアムで行われた開催国オーストリア×クロアチア。

とにかく美しいモダンなスタジアムで、個人的に今まで見てきたスタジアムの中では1番気に入ったかもなスタジアム。この試合の他にも準々決勝、準決勝、決勝など大試合が組まれているので楽しみ楽しみ。

がしかし、オーストリアの首都なのに、なぜかサポーターの数はクロアチアの方が多いという信じられないような光景が・・・。

昨日のスイスのサポもそうだけど、おとなしいんだよなぁ。悪い意味で紳士的というかさ。12番目の選手になってないんだよね。そこがまだ欧州列強と比べると弱いね。

もちろん暴力的になれというのではなくて、相手がボール持ったら大ブーイング浴びせてプレッシャーかけるとか。ただの観戦者になったら意味がない。

さて、まずは布陣から、、                       

オーストリア:3-5-2

                  マホ

    プレドゥル      シュトランツル      ボガテツ

          アウフハイザー    ゾイメル

  シュタントフェスト                ゲルチャリウ

                イヴァンシッツ

           ハルニク        リンツ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

クロアチア:4-4-2

            ペトリッチ       オリッチ

    クラニツァール                    スルナ

            モドリッチ      ニコ・コバチ

   プラニッチ                        チョルルカ

            シムニッチ     ロベルト・コバチ

                 プレティコサ

’98フランスW杯、2006ドイツW杯で対戦している日本としてはある意味なじみが深いクロアチアは、イングランドが同居した予選でイングランドに2連勝(しかもうち1勝はイングランドの聖地ウェンブリーで)し、イングランドを予選敗退に陥れた張本人。

予選を首位で通過した隠れた強豪は、ベテランのコバチ兄弟とクラニツァール、ルカ・モドリッチといったテクニカルな若手が程よく融合しており、特にモドリッチは来季からトットナムに移籍することが決定している新星で、背番号14を付けていることからクライフの再来とも言われている楽しみな逸材である。

ディナモ・ザグレブにいたため個人的にも見る機会がほとんどなく、今回は楽しみにしておりました。

一方、ユーロ出場国中、最弱と目されているオーストリアは、正直選手で知ってるのがいなくて、ザルツブルグでプレーしている宮本の解説に頼るしかなかった。それでも誰が誰だか分からなかったけど。。

Photo_2 試合は前半4分に宮本のチームメイトであるアウトハイザーがオリッチを倒して得たPKをモドリッチが冷静に決め難なく先制。

出鼻をくじかれたオーストリアは意気消沈して、これは大敗もあり得るかなぁ、と思ったんだけど、いやいやどうしてここから必死になって全員サッカーを体現。クロアチアを押し返し何度も惜しいチャンスを演出していく。

とにかくボールへの寄せ、相手へのプレッシャーを休むことなく繰り返し続け、クロアチアをジリジリと後退させ、攻めの場面でも後ろ髪引かれることなくスペースに走りこんでいく。唯一ペナルティエリア内に突っ込んでくる場面に乏しかったのが痛かったが、最初の10分を除いた80分間走り続けたオーストリアのサッカーにはちょっと感服したというか感動したというか。忘れていたオシムサッカーを見せられたかんじ。

しかし、あとちょっとの差、それは特にゴールエリアでの正確性とか創造力、が埋められない。あとちょっとの差、しかし確実に超えることができない壁・・・。

日本代表を見てるようだったなぁ。。。

後半なんてほとんどオーストリアが圧倒してたんだけど、1点が遠い・・。1点が・・。

試合後、ヘトヘトになってピッチに倒れこんだのはクロアチアの選手達。最後はなんとか凌ぎきったというところだろう。

120%の力を出し切ったオーストリアにまずは拍手を送りたい。

さあ、次は優勝候補にも挙げられているドイツ×ポーランド。

布陣は、、、                             

ドイツ:4-4-2        レーマン

          メルテザッカー    メッツェルダー

 ラーム                              ヤンゼン

           フリンクス       バラック

  フリッツ                         ポドルスキ

          マリオ・ゴメス      クローゼ

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

ポーランド:4-2-3-1   スモラレク

    クルジノべク       ジュラフスキ     ウォボジニスキ

          レバンドフスキ     ドゥドカ

 ゴラニスキ                         バシレフスキ

             ボンク      ジェフワコフ

                   ボルツ        

ここ2大会グループリーグ敗退の屈辱を味わっているドイツは、クローゼ→クラニー→ポドルスキーと受け継がれてきたドイツ期待の新星FWの座を今回はシュツットガルトのマリオ・ゴメスが担う。スペイン人の血も流れていゴメスは、大のバルセロナファンとしても知られており、今回のユーロの活躍次第ではビッグクラブへ飛躍する可能性も十分にある。そういう点でも目が離せないタレントの一人だ。

今日のドイツの2トップはこのマリオ・ゴメスとクローゼ。

しかし、1番驚いたのは、左サイドにシュバインシュタイガーではなくポドルスキをもってきたことだった。ドイツW杯の新星もバイエルンですっかり出番を失って燻ぶり続けていたのだが、久々にピッチでの姿を見たかんじ。

対するユーロ初出場のポーランドは、セルチックで中村俊輔のチームメイトであるGKのボルツ、同じく元セルチックのジュラフスキ、ドイツ・ヴォルフスブルグで長谷部のチームメイトであるクルジノベク、スペインでラシンをUEFAカップに出場させる原動力になったスモラレクなど知られた選手はいるにはいる。さらに予選ではなにげにポルトガルを抑えて首位突破を果たしており、その実力は侮れない。

Photo_3 しかし、やはりドイツは強かった。

今季チェルシーで完全にトップフォームを取り戻したバラックを中心とする並々ならぬ破壊力は脅威そのもの。体幹がめちゃくちゃ強そうな図体のデカイ選手が一気に攻め立てていくんだもん。

恐怖すら感じちゃったよ。。。

右のラーム、フリッツ、左のヤンゼンがどんどんオーバーラップしていき、中央ではフリンクスとバラックが君臨。

ポーランドはなんとかクルジノベクのサイド突破に活路を見出そうとしたが、我が愛しのレアル・マドリーに所属しているメッツェルダーを中心とした守備陣の冷静な対応でもはや成すすべなし。

終わってみればドイツ2-0の完勝だった。

とはいえまさかマリオ・ゴメスではなく、ポドルスキが2得点しちゃうとは思いもよらなかったけど。鬱憤を一気に晴らしたかな。もしかして得点王いっちゃう!?

まだ本気を出してるとはいえないドイツの本領発揮は決勝トーナメントに入ってからだろうね。あな恐ろしや・・。

2008年6月 8日 (日)

欧蹴球狂想曲第32番:EUROユーロ2008開幕!!

05 待ちに待った4年に一度の欧州最強決定戦!ユーロ2008開幕!

ぃぇーヾ(。・ω・)人(・ω・。)ノーぃ♪パンパカパーン♪

ちなみにオイラの贔屓のチームはスペインでっす。

あとは、我が愛しのレアル・マドリー所属選手が出てる国も応援したいかな。今日だったらポルトガルのぺぺだね。って、いきなり点決めるしー!イエーイ!さすがレアルの選手だぜい!

11 てことで、まずは今日の開幕戦から。開催国スイス×チェコ

←このお方達、決して未開の原住民ではないのでね(笑)。

スイスは以前から思ってたけど、日本のヨーロッパ版というかんじで、見ててスゴイ親近感が湧くというか、現実的に日本が目指すべきなのはこのスイスのようなプレースタイルだと思うんだよね。

一方のチェコはロシツキーが怪我で今回の大会は辞退、さらにネドベドやポボルスキーが抜けてチームとしてはかなり小粒になった印象。ダイナミズムあふれるサッカーから堅守速攻型へと変貌を遂げちゃったかんじ。

さて、布陣は以下の通り。。                       

スイス:4-4-2       べナーリョ

            センデロス      ミュラー

 リヒトシュタイナー                       マニャン

            インレル     フェルナンデス

   べーラミ                       バルネッタ

             フレイ      シュトレラー

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

チェコ:4-2-3-1     コレル

   プラシル         ヤロリム         シオンコ

           ポラク          ガラセク

ヤンクロフスキ                         グリゲラ

           ロゼフナル   ウイファルシ

                  チェフ

スイスはべーラミ&バルネッタの両サイドがどれだけ敵陣深く突けるか。対するチェコは2m2cmのエッフェル塔35歳のコレルの1トップがどれだけ機能するか。

と、蓋を開けてみればなにやら前頭2枚目がガップリ四つに組んだ取り組みのようなかんじで、縦に抜かせない、くさびのボールを殺すといった中盤でのつぶし合いに終始し、かなり手詰まり感の強い試合展開となった。ポゼッションもほぼ互角。

それでもスイスやや優勢の試合だったのだけど、スイスのエースキャプテンであるフレイが膝を強打し負傷退場し、いきなり暗雲が立ち込める。

フレイに代わってベテランのハカン・ヤキンがトップ下に入りチェコと同じく4-2-3-1へ。

02 しかし、後半26分。右CKからのクリアボールをスイスの選手がヘッドで前線へ。それをスイスDFがオフサイドを取り損なって、コレルに代わって入っていたスヴィエルコシュがアウトサイドで押し込み一瞬の隙を突いた先制点を挙げる。

とくれば予選で最小タイの12試合5失点の堅守を誇るチェコの思う壺。ヤロリム→コヴァチ、シオンコ→ヴルチェクと守備の手駒を投入し、そのまま1-0で逃げ切った。

ただ、試合全体を通してみればスイスの方がいいサッカーをしてたんだけどねぇ・・。なんかホント日本によくありがちな試合を見せられた感が強いな。             

さあ、お次はどちらも攻撃性能に重きを置くポルトガル×トルコ

布陣は、、、

ポルトガル:4-1-4-1  リカルド

             ぺぺ       カルバーリョ

  ボジングワ                    パウロ・フェレイラ

                  ぺティ

 Cロナウド      デコ      モウチーニョ     シモン

                  ヌノ・ゴメス

 VS    VS    VS    VS    VS    VS    VS

トルコ:4-4-2     ニハト   メヴリュト

    トゥンジャイ                      カズム

          メフメト・アウレリオ     エムレ

 ハカン・バルタ                 ハミト・アルティントップ

          ギョクハン・ザン    セルヴェト

                  ヴォルカン

個重視とはいえ、フェリペ・スコラーリ体制5年目で組織も完全に整備されているポルトガルでは、言わずと知れたバロンドール最有力候補Cロナウドと、アトレティコ所属のシモンの両サイド。そしてバルサで不完全燃焼の1年を過ごしたデコのパフォーマンスがカギとなる。

トルコの方は、チャンピオンズリーグでベスト8に進んだジーコのフェネルバフチェを見れば分かる通り、ポゼッション重視の攻撃に重点を置き、守備はおざなりという典型的なチーム。予選でも1試合平均2点台をマークしており、点の取り合いに強引に持ち込んで勝ち切るという試合を繰り返してきた。このスタイルがはたして本選でも通用するのか。。

試合は、前半はほぼ互角。右サイドに陣取ったロナウドに対し、トルコは2,3人で取り囲んで封印。ロナウドは、ポストに当てたFK以外見せ場はなかった。

ヌノ・ゴメスとセルヴェトのマッチアップも多く見られたが、セルヴェトがなんとか抑え込み、前半16分のショートコーナーからのぺぺのヘッドもオフサイドでノーゴールに。

しかし、後半、ロナウドが得意とする左サイドに陣取ったこともあり、完全にトルコDF陣はアップアップ状態になってしまう。

01 そんな中、後半15分。

左のロナウドからトルコ陣内に少し入っていたセンターのぺぺに返されたボールをそのままぺぺは持ち込み、華麗なワンツーで中央突破から一気にゴールを陥れてしまった。まさにゴラッソ!

追いすがるトルコを尻目にヌノ・ゴメス→ナニを入れてロナウドをトップに置くマンU変則型にし、その後シモン→ラウル・メイレレスでデコをトップ下に置く4-3-1-2へ難なく変更。しかもそのラウル・メイレレスが終了間際のカウンターから得点してしまうのだから、まさに会心の差し手を見せた会心の2-0の勝利となった。

間違いなく優勝候補の一角を担うポルトガルは上場の滑り出しをみせたといっていいだろう。

第2戦は、勝ち点3同士のポルトガル×チェコ、脱落決定戦スイス×トルコ。スタイルが違う同士の対戦なのでね。目が離せませんよん♪          

2008年6月 6日 (金)

夢のシネマパラダイス431番シアター:いつも心に音楽を♪

Ray/レイ

Ray 出演:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、クリフトン・パウエル

監督:テイラー・ハックフォード

(2004年・アメリカ・152分)2005/02/09・盛岡フォーラム

評価★★★/65点

内容:ジョージアの貧しい黒人街に生まれ、幼くして盲目になったものの、後に“ソウルの神様”と呼ばれ、世界の音楽シーンを牽引してきた天才ミュージシャン、レイ・チャールズ。15年間にわたってレイとの親交を深めた監督が、幼児期の失明や人種差別、薬物中毒など人生に降りかかる難局を幾度も乗り越えてきた天才の半生を映画化。

“バカに付ける薬はない改め天才に付ける薬もない”

スティーヴィー・ワンダーがソウルの伝道者、マーヴィン・ゲイがソウルの巨人、ジェイムズ・ブラウンがソウルの帝王、マイケル・ジャクソンがソウルの申し子だとすれば、レイ・チャールズはソウルの神様であるとともにソウルの父とも言えると思う。

今回の映画は昨今のR&B全盛時代のルーツ、そんなレイ・チャールズの半生を描いた作品。

しかし、“激動の”半生とは到底感じることができない描き方にイマイチのれず。

ジャンキー男というラリラリな一面とピアノに触れれば超一流に変貌を遂げる天才の一面との間のギャップ-それは彼の魂(ソウル)といってもよい-がポッカリ抜け落ちていて、ジェイミー・フォックスの圧倒的パフォーマンスによって十分穴埋めされていたからいいものの、それがなければただのツマラナイ映画になっていたと思う。

例えば、どのように音楽的才能を磨いていったのかがほとんど描かれておらず、天才で始まり天才で終わったというかんじにしかとれないのだけど、一方でカットバックで並行して描かれる彼の精神にトラウマとして影を落とす子供時代の極貧生活と弟を亡くしたことが、彼のソウル・ミュージックの世界にどのような影響を与えどう結びつくのかがイマイチつかめなかった。

要は彼の魂(ソウル)がつかめなかったというか結局分からずじまいだった。

ま、天才なのだろうから(この映画を観たかぎり)、それを聞くだけ野暮ということなのか、、、な。。

とにかく最後に言いたいことはただ1つ。

ジェイミー・フォックスに救われた、もとい無理やり引きずり込まれた。

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ウォーク・ザ・ライン/君につづく道

Y6_005 出演:ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン、ジニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック

監督:ジェームズ・マンゴールド

(2005年・アメリカ・136分)WOWOW

評価★★★/65点

内容:1950年代、エルヴィス・プレスリーなどと共にロカビリーの黄金時代を築き上げた伝説的なカントリー歌手、ジョニー・キャッシュ。栄光の頂点でドラッグによる挫折を経験し、その後、奇跡の復活を果たしたキャッシュの波乱の半生と、彼の2度目の妻となるジューン・カーターとの愛の軌跡を描いたヒューマン・ラブストーリー。

“41回目のプロポーズ”

この手のロックシンガーにつきものの薬物依存とアルコールによる破滅の道程は、はっきりいって見飽きており、またかよと食傷気味になってしまうのだが、唯一クスリにアルコールとくれば3点セットとしてありがちな過激な女性関係というところが、しつこいくらいに一途な一人の女性への想いとしてこれまたしつこいくらいに描かれているのが新鮮味があって、なんだかんだいって最後まですんなり見れてしまった。

古くはドアーズのジム・モリソンから最近ではニルヴァーナのカート・コバーンに至るまで、ろくな死に方をしていないアーティストが多い中で、珍しく再起に成功しちゃってるし。しかもジューンと結婚したあと35年間も一緒に添い遂げたなんて。かなり感動

とはいえ、この男に感情移入なんてできようはずもないけどね(笑)。

やはりそういう意味では、ジューン=リース・ウィザースプーンの存在は大きかった気がする。

メグ・ライアンに代わる新ラブコメ女王の肩書きを良い意味でこの映画でも活かしていて、演技の守備範囲がよりいっそう広がったのではないかと思う。

兄リバー・フェニックスの悲惨な死が映画で演じたジョニー・キャッシュになにかダブッてしまうホアキン・フェニックスとともに今後の活躍が楽しみな2人だ。

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ジャージー・ボーイズ(2014年・アメリカ・134分)WOWOW

 監督:クリント・イーストウッド

 出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ヴィンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケン

 内容:1951年。類まれなファルセットの持ち主である少年フランキーは、ニュージャージーの最貧地区でその才能を埋もれさせていた。小さな酒場に集うバンドマンのトミーにボーカルとして迎え入れられるが、トミーもメンバーのニックも所詮は町のチンピラ風情で泣かず飛ばずの日々。しかし、フランキーの声に魅了されたマフィアの首領デカルロがパトロンになり、さらに作曲が得意な最年少のボブが加わったことでバンドに転機が訪れる・・・。6、70年代に活躍したフォー・シーズンズの栄光と挫折の物語。

評価★★★/65点

このての音楽伝記映画のお決まりパターンである栄光と転落、そこに絡むお金、女、クスリ、家庭崩壊、仲間割れの堂々めぐりをお行儀よく踏襲していて、またかぁと萎えてしまうw

音楽に並外れた造詣があり、演出にも外れのないイーストウッド印の映画といえども、ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」しか知らない自分にとっては、フォー・シーズンズはちょっと世代が違い過ぎたかなぁ。。

しかし、パトロンに地元マフィアの親玉が付くって、演歌歌手がヤクザと蜜月の日本と変わらないんだね

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ギター弾きの恋(1999年・アメリカ・95分)NHK-BS

 監督・脚本:ウディ・アレン

 出演:ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン、グレッチェン・モル、ウディ・アレン

 内容:1930年代のシカゴ。ジャズクラブのギタリスト、レイは才能に恵まれながらも自堕落な生活を送っていた。ある時、口のきけない純真な女性ハッティと出会った彼は彼女の愛を受け入れるが、彼の気まぐれな生き方が2人の関係を壊していってしまう・・・。架空の人物が主人公なのに証言映像を取り入れるなど、ウディ・アレンらしい演出が垣間見える点だけはニヤリとさせられる監督30作目。

評価★★★/65点

どうしてもウディ・アレンという「私」がまるでサブリミナルのごとくチラついてきて、いちいち気に障る。

ティム・バートン&ジョニデコンビならもっと純粋に見れたかも・・・。

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ザッツ・エンタテインメント(1974年・アメリカ・132分)NHK-BS

 監督:ジャック・へイリー・ジュニア

 出演:フレッド・アステア、フランク・シナトラ、ジーン・ケリー、ビング・クロスビー、ジュディ・ガーランド

 内容:ハリウッドの黄金時代に娯楽の王座に君臨したMGM映画が誇る、傑作ミュージカルのハイライトシーンばかりを集めた絢爛豪華な名場面集。収録された映画は「雨に唄えば」「バンド・ワゴン」「踊る大紐育」など全75本。

評価★★★/65点

アステアの凄さは予想通りだったが、ジャッキー・チェンばりのスタントをみせたジーン・ケリーに目が点。

また、「家族ゲーム」の食卓シーンが一気に霞んでしまうほどのMGMスターが横一列に並んでランチをとるシーンが圧巻!

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ザッツ・エンタテインメントPART2(1976年・アメリカ・120分)NHK-BS

 監督:ジーン・ケリー

 出演:フレッド・アステア、ビング・クロスビー、ジーン・ケリー、ルイ・アームストロング

 内容:MGMミュージカルのハイライトシーンを集めた第2弾。

評価★★★/65点

PART1が「雨に唄えば」「ショウボート」とか「踊る大紐育」「巨星ジーグフェルド」などミュージカルといえばこれ!という映画たちのいいとこ取りだったのに対し、今回はこれから先もお目にかかることはないであろう映画たちの忘れ形見というかんじ。

結局途中から飽きが来ちゃったけど。。

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ザッツ・エンタテインメントPART3(1994年・アメリカ・113分)NHK-BS

 監督:バド・フリージェン、マイケル・J・シェリダン

 出演:ジーン・ケリー、エスター・ウィリアムズ、ジューン・アリソン、シド・チャリシー

 内容:MGM創立70周年を記念して作られたMGMミュージカルのお蔵入りナンバーばかりを集めたマニア垂涎の一品。

評価★★★/65点

ラテンにロックにシンクロナイズドスイミングに、なんでもブチ込んじまえのヤミ鍋感覚は飽きずに楽しめる。

裏を返せばそれだけハリウッドの引き出しは無限だということか。。

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TINA(1993年・アメリカ・118分)NHK-BS

 監督:ブライアン・ギブソン

 出演:アンジェラ・バセット、ローレンス・フィッシュバーン

 内容:ティナ・ターナーの波乱万丈な半世紀。

評価★★★/60点

艱難辛苦の下から悟りは生まれるということを伝えたい、、らしい

2008年6月 3日 (火)

夢のシネマパラダイス428番シアター:cinema慰霊大社第38柱/いい加減さが売りなのよ♪館

祭神名票No.108:フラッド(1998年・アメリカ・97分)仙台セントラル劇場

 監督:ミカエル・ソロモン

 出演:クリスチャン・スレーター、モーガン・フリーマン、ランディ・クエイド

 内容:アメリカ中西部の田舎町が記録的な豪雨に見舞われ、立ち往生した現金輸送車が何者かに襲われる。同じ頃、町外れにある巨大なダムが決壊寸前になっていた・・・。

評価★★☆/45点

大洪水パニックものとクライムアクションをくっつけちゃおうという商売根性には頭が下がるが、近年「タイタニック」以外当たったことがない水モノと合体させちゃったのが運のツキやったな・・。

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祭神名票No.110:昭和歌謡大全集(2002年・日本・112分)2003/12/09・シネ・アミューズ

 監督:篠原哲雄

 出演:松田龍平、池内博之、安藤政信、樋口可南子、岸本加世子、内田春菊

 内容:調布で繰り広げられるオタクな変態ガキ軍団VS血の気の多いオバさん軍団の血で血を洗う抗争劇!?

評価★★☆/50点

おそらく演じてる役者陣の満足感とヤリ切り度はめちゃくちゃ高いと思う。しかし、それがイコール観てる側の満足感につながっていかないのが致命的。

まるで隣の宴会場で宴会してる一団のカラオケ大会を傍で聞いてるようなかんじ。

しかもその一団の中にいた若い兄ちゃんがオバサンのケツ触って「一発どう?」って、これまた通りがかりに偶然見ちゃったかんじで、さすがにオイラもピップエレキバン貼りたくなっちゃったぞ(笑)。

ま、チャンチキおけさと古田新太くらいかね笑えたのは。

それにしても原田芳雄に「進化するのを止めた生き物。それがオバちゃんなのだ!」と言わせしめたわりには、、、あの配役ってどうなんだろう・・・。

夢のシネマパラダイス427番シアター:cinema慰霊大社第37柱/東スポ三面記事を飾る!?館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.142:リベラ・メ(2000年・韓国・119分)WOWOW

 監督:ヤン・ユノ

 出演:チェ・ミンス、キム・ギュリ、チャ・スンウォン、ユ・ジテ

 内容:釜山で、過去のトラウマに縛られ放火を繰り返す火を熟知した正体不明の知能犯と、かつて火災現場で自分をかばって親友が犠牲になったやり場のない怒りから、危険な火災現場に命をかえりみず飛び込んでいく消防隊員の対決を描いたサスペンスアクション。

評価★★☆/50点

火は生きている!という言い回しはもう聞き飽きたっちゅうねん。

いくら画の力がみなぎっていようとも、やはり映画はストーリーとキャラクターの魅力が1番なのだ、と思う。“火は生きている”というのはもう十分に分かったから、“消防士は生きている”という側面をもっとしっかり描いてほしい。

この映画がサスペンスとアクションを売りにしているのは一目瞭然としても消防士の日常を全く描いていないのは致命的で、ぶっちゃけ登場人物を減らしてでも消防士たちのキャラをもうちょっと掘り下げてもらいたかった。犯人の描写はあれで正解だっただけに悔やまれる。。

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祭神名票No.199:マッチスティック・メン(2003年・アメリカ・116分)WOWOW

 監督:リドリー・スコット

 出演:ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマン

 内容:病的な潔癖症に悩まされる男、ロイは生粋の詐欺師。広場恐怖症まで併発してしまった彼だったが、ひとたび仕事となると巧みな話術を披露する。相棒に勧められた精神科への通院をきっかけに、彼は14年前に別れた妻との間にできた娘に会うことになるのだが・・・。

評価★★★★/75点

最強オレオレ詐欺!!アメリカはやっぱりやることがデケエ。。

にしても、薬の錠剤が無くなってドラッグストアに駆け込んで吼えまくるN・ケイジに爆笑。やっぱこうでなくっちゃ。

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祭神名票No.367:イン・ザ・カット(2003年・アメリカ・119分)DVD

 監督・脚本:ジェーン・カンピオン

 出演:メグ・ライアン、マーク・ラファロ、ケビン・ベーコン

 内容:欲望を抑えて生きてきた大学講師のフラニー。ある時、猟奇殺人事件を捜査する刑事マロイと出会い、2人は情事に溺れていく、、犯人はマロイではないかという不安を抱えたまま・・・。

評価★★/40点

「恋人たちの予感」から15年。時の流れはかくも残酷なのか・・・。

レストランで喘ぎ声を実演してみせ、SEXネタでマジに喋くりまくることで魅力を開花させたメグ・ライアンが、15年後SEXにマジに入れ込むことでひとつのキャリアを終えた、、と言えば聞こえはいいけども、40半ばのこれがオンナの決断というものなのだろうか。。。哀しい。

まぁ、ゴールディ・ホーンからメグへと受け継がれたロマコメ女王のバトンはリース・ウィザースプーンあたりにすでに渡ってるので、第2のキャリアに向けては大事な時期なのかもな。にしてもこの作品はチョット・・・。

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