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2008年5月24日 (土)

夢のシネマパラダイス420番シアター:ハウルの動く城

ハウルの動く城

Howl 声の出演:倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、大泉洋

監督・脚本:宮崎駿

(2004年・東宝・119分)2004/12/10・仙台第1東宝

評価★★★☆/70点

内容:魔法と科学が混在するとある国。父の遺した帽子店を切り盛りする18歳の少女ソフィーは、ある日町で美青年と出くわす。彼こそは人々が怖れる悪名高い魔法使いのハウルだった。しかし、その夜、ソフィーは荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆にされてしまう。その事実を告げられずに家を出たソフィーは、人里離れた荒地をさまよううちにハウルが暮らす“4本足の動く城”に拾われ、住み込みの家政婦として働くことに。城にはハウルの他に弟子のマルクル、火の悪魔カルシファー(元は流れ星)が住み着いていた。そのうちソフィーは、自分の容姿に対し異常な執着を見せるナルシストっぷりとともに優しく気の弱いハウルに心惹かれていくが、外界では戦争が始まろうとしていた・・・。ベネチア国際映画祭でオゼッラ賞(技術貢献賞)受賞。

“映画を観終わった今の自分の気持ちを例えて言うならば、、、”

腐海(王蟲の大群)を焼き尽くそうとする巨神兵が見るも無残に崩れ落ちていく様を、すぐそばで唖然ボー然と歯がゆさで見ているクシャナの気持ち。

クシャナ「見せつけろ!どうした、それでも世界で最も良質なアニメをつくるジブリ一族の首領か!」

クロトワ「腐ってやがる。早すぎたんだ。」というセリフが思い出されるよ。

いやはや参った参った、降参だよオイラは。

宮崎アニメを見てて堪えがたい眠気に襲われたのはこれが初めてだよホント・・・。

ストーリーがハチャメチャかつ綺麗ごとのオンパレードなのは百歩譲って大目に見るとしよう。まぁ個人的にはどことどこが戦争をしているのかだとかその背景などはどうでもよいし、そこは薄っぺらくてもよかったし、大してその点は気にはならなかった。

この映画で自分が何よりも唖然ボー然としたのは、まずは宮崎アニメが本来持っているはずの画力、絵の力が感じられなかったこと。

そして第2に、宮崎アニメが本来持っているはずの人と人、キャラクターとキャラクターの強い絆と結びつきが全く感じられなかったこと。それによりソフィーをはじめとする登場人物の生活感が全く伝わってこなかったことである。

宮崎アニメの絵それ自体が持つ生き生きとした活力は、小っちゃい頃から宮崎アニメを見て育ってきた自分にはひと目見ただけでそれと分かるものであった。コナンにしろ千と千尋にしろ時代を経た技術の進歩に関係なく絵それ自体が持つ力というのは一目瞭然で伝わってきたものだ。

しかし、この映画、冒頭の動く城と、黒煙を上げながらやって来る機関車および街のシーンからすでに妙な違和感を感じてしまったのだった。

微妙なユルさというか締まりの無さ。そしてゴム人間から逃れようとするハウルとソフィーが空を飛ぶシーンに至って、上映15分も経たないうちに完全にこのアニメへの拒絶反応を示し始めたのである。

ホントまるでゆらゆら揺れるゴム人間のようにオイラは揺れ始めていた・・・。自分の体内に異物が侵入してきたような、その妙な違和感を排除しようと体が拒絶反応を起こして、その後眠気となって表れたという他ない。

いや、画面の大部分はジブリアニメなのだが、まるでウォーリーを探せ!のごとくどこかしらにジブリじゃないものが紛れ込んでいる、、、気がしたのだ。いや、これは確信といってもよい。自分の体はウソはつかない、と思う(笑)。

また、キャラクターの結びつきの弱さという点では、ソフィーと妹や義母との関係などはその典型だけど、肝心のソフィーとハウルの関係というのも男のオイラから見れば、なんでわけも分からず進展しちゃってるの?というかんじだし。

まぁこのソフィーの人物像というのが実は大問題で、18歳の少女から90歳の老婆までの間の要素を完全に網羅して補完できるような完璧な女性キャラなんだこれがまた。ようするに30歳にもなれれば50歳にもなれる、はたまた65歳にもなれるみたいな。。

だからいきなり90歳になった姿を鏡で見ても大して驚かないで受け入れちゃうわけで。

こんな完璧なキャラクター見ても全然面白くない。

各キャラそうなんだけど、特にソフィーについては裏に隠された苦悩というものが観てる自分の中で全く表に出てこないわけ。

もう達観というかんじでさ。これは非っ常にイタかった。外見はおろか内面においても成長する余地がないんだもんあれじゃ。

だから、そんな30歳とも50歳にもなれる女性とハウルの恋物語を見ても、苦悩も恋わずらいもなくて全てを受け入れちゃうから、全然心にグッと来るものがないし、ハウルの人物像もなにげに腑抜けキャラだし。

なんでこんなにかみ合わないんだ。。。

ラスト髪の毛が星の色に変わってなんてことされても困るだけなのよ観てる側には。

むしろこの映画は、カルシファーを中心にして回っているといってもよいくらいで、いっそのことカルシファーを主人公にした方がもっと良い話ができたんじゃなかろうかと勘繰りたくもなってくる。

城を根底から支え、ハウルの生命を請け負う(いわばハウルと一心同体)とともに強大な魔力でハウルを“デビルマン”へと徐々に変貌させていく、、、その正体は流れ星、なのに完全無欠少女ババアに水はブッかけられるわ、城は壊されるわ、髪の毛食わされるわ、もうフンだりケッたり(笑)。そしてオイラもフンだりケッたり(涙)。

とにかく宮崎アニメを見ててこんなに苦しくなったのは初めてだ。

でも、それでも★★★☆なのは、やはり昨今雨後のタケノコのごとく作られている他の凡百のアニメ映画に比べれば断然見れるから・・・。おいおいなんか悲しくなってきたぞ。大丈夫か?ジャパニメーション。。

なんだか自分の勝手な予想だけど、宮崎駿は従来のジブリアニメからどんどん離れたベクトルへ向かっていくんじゃなかろうか。

宮崎駿が本来持つドロドロした闇の側面に突き進んでいくのではないかと思う。まぁ「もののけ姫」でその端緒は開かれていると思うし、従来のジブリアニメというのは「魔女の宅急便」でその純粋な役割は終えていると思うのだけど、一体どこへ行っちゃうんだろう。引きずり込まれるオイラの身にもなってみろってんだ・・・。

ま、いいや。それもありか。

(初記)2004/12/15

(追記)2007/03/28

結局ドロドロした闇の部分は、息子・宮崎吾郎の「ゲド戦記」にいっさいがっさい背負わせ、当の宮崎駿御大は「崖の上のポニョ」で先祖返りをする心積もりらしい。。老いてなお盛んな創作意欲、果てることない才能。そんなことできるのは神しかいない。

やっぱ、どこへ行っちゃうんだろう・・・。

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(おまけ。宮崎駿の原点はこれだ!)

未来少年コナン劇場版

027_main 声の出演:小原乃梨子、信沢三恵子、青木和代、永井一郎、吉田理保子

監督:佐藤肇

(1979年・東映・123分)NHK-BS

内容:西暦2008年。磁力兵器を使った最終戦争により、地球は地軸が狂って大変動を起こし、5大陸はことごとく海に没してしまう。それから20年経ったある日、少年コナンとおじいの住む孤島にハイハーバーという島の少女ラナが流れ着く。しかし、人類制服を企む科学都市インダストリアの行政局長レプカの腹心モンスリーが飛行艇でやって来て、ラナを連れ去って行ってしまう。ラナの祖父である太陽エネルギーの権威ラオ博士を見つけ出すためラナを誘拐したのだった。モンスリーとの戦闘がもとで息を引き取ったおじいの遺言を聞いたコナンはラナを救うべく島を出ることを決心する・・・。宮崎駿が全26話の演出を手がけ、1978年4月~10月まで放映されたNHK初の本格的アニメーションをもとにした劇場用作品。原作はアレクサンダー・ケイの「残された人々」。

評価:点数なし(TVアニメ版全26話で★7っつ!)

こんな雑でやっつけ仕事な総集編は見たことないが、TVアニメ版に最大限の敬意を表して点数なしで。スミマセン。

TVアニメ版はもち120点満点っス。

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未来少年コナン特別編 巨大ギガントの復活(1984年・松竹・47分)NHK-BS

 演出:宮崎駿

 声の出演:小原乃梨子、信沢三恵子、青木和代、永井一郎、吉田理保子

 内容:同シリーズの中でも特に人気の高い第24話~第26話「ギガント」「インダストリアの最期」「大団円」を再編集したダイジェスト版。

評価:点数なし(TVアニメ版全26話で★7っつ!)

とにかく宮崎アニメの真髄である飛ぶ・跳ねる・走るといったキャラクターの躍動感と無限にあふれ出す想像力、その原液を濃度100%で体感できる宮崎アニメ洗脳入門。

コナンを見ずして宮崎アニメを語るなかれ!

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