20世紀少年再読⑫
さっそく第12巻。
2014年の大みそか。第64回紅白歌合戦の大トリを務める春波夫の“ハロハロエキスポ音頭♪”とともに年が暮れていく。
2015年元旦。春波夫はマネージャーのマルオとともに“ともだち”の宮殿に謁見しに行く。全身に爆弾を装着していたマルオだったが、「死なないでくれ」というケンヂの声を思い出し自爆は断念する。
しかし、ともだちに謁見した春波夫が描いたともだちの似顔絵を見て、マルオは驚愕の表情を浮かべる。
そして、一人とあるマンションへと向かう。マンションの606号室へ。
(第3巻)1997年、クラス会の後、ケンヂがある人物をそのマンションの606号室に送っている・・・その人物とはフクベエ。子供3人と暮らしており、妻はカルト宗教にハマってしまい家を出て行ってしまった、と説明していたフクベエ。その後、ケンヂは子供たちにケンチャンライスを作ってあげる。
あれから18年。
マルオが606号室を訪れると、部屋には遺影が。見知らぬ男性が写っている。
その妻によると、前年(1996年)に夫を交通事故で亡くし、途方に暮れているところに、この家を貸してほしいと多額の報酬とともに持ちかけられ、自分は温泉でノンビリしていればいいと言われたという。それを持ちかけてきたのは、ともだちの団体の人だったという。
「ともだちが、誰だか分かりました。」
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一方、その頃ヨシツネの秘密基地では、ヴァーチャルアトラクションで小泉響子が体験した首吊り坂の屋敷の肝だめしが、実際とは1年ずれていたことが判明する。ヴァーチャルアトラクションでは1971年。しかし、実際は1970年。
ユキジ「ともだちの、嘘・・・?」
1970年は大阪万博。首吊り坂の屋敷。
1971年はドンキーが理科室で何かを見た年。
ともだちは何を隠そうとしているのか・・・!?。
1970年の万博のことを思い出すヨシツネ。
オッチョの大阪の親戚が万博に連れて行ってくれることになり、オッチョ・ヨシツネ・マルオは2泊3日の強行軍で万博に行ったが、ヨシツネは長蛇の列の中で熱射病で倒れてしまう。(第7巻)。ちなみにケンヂは千葉の勝浦に行ったため断念。(第7巻)。
が、当時、大阪に親戚がいたりして夏休みの間中ずっと万博三昧を送れる奴らを“万博組”と呼んでいた。その中に、山根もいた。「8月31日まで大阪にいます」という暑中見舞いが届いたという。
ということは8月29日にあった首吊り坂の屋敷事件には山根はいなかったことになる。
ユキジによると、夏休み明け、万博組が人気者になるはずが、ケンヂとオッチョが首吊り坂の屋敷でオバケを見たことで大騒ぎになり、ケンヂとオッチョが一躍スターになった。
「そしてあの時、なんだかクラスの男子の様子が変わった・・・」
1971年に歴史的に何があったのか調べるため小泉響子の日本史の教科書を見るヨシツネ。
と、血の大みそかの写真“巨大物体を操るテロリスト集団ケンジ一派”という掲載写真が目に入る。
そして、誰にこの写真を撮られたかを思い出すヨシツネとユキジ。
それは、その写真に写っていない人物=フクベエ。
ユキジ「思い出したわ、、、誰が撮ったか、、、」
ヨシツネ「実は小学校の同窓会の時、あいつが誰だか分かんなくてさ。ケンヂに言われてやっと思い出したんだ・・・」←このことからも20世紀少年再読③で推理したように、大人(40歳前後)のフクベエはフクベエではなくて、カツマタ君だと思う。
その同窓会で、小学6年(1971年)のスプーン曲げ事件の犯人に全員目をつぶらせた中で手を上げさせた(第3巻)ことを思い出すヨシツネ。
即、担任の関口先生に電話をし、そこで手を上げた人は誰だったのかを訊く。
ヨシツネ「悪い予感が、、、、当たったよ、、、。」犯人はフクベエ。
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その頃、前巻で大福堂製薬の役員からDr.ヤマネの住所を聞き出したオッチョと角田はそこに向かうが、3,4年前に引っ越したという。
そこで近所のオバさんから実家の住所を聞き出すが、その住所は「俺が小学校時代、住んでいた町」(オッチョ)だった。
オッチョ「山根君!?」
1969年、小学校4年生の記憶・・・・
ヤマネ「よげんの書ってつくってんだろ。」「友達から聞いたんだ。」「その他にももう一人知ってる。」・・・計3人が知っていることになる。フクベエ、ヤマネ、カツマタ君と思われる。サダキヨは小5で転校してきたので、知るはずがない。(が、第16巻のヴァーチャルアトラクションでは、1969年に秘密基地でフクベエとサダキヨが会っている。一方、第10巻のサダキヨの回想では1970年であり、矛盾している。もし1969年の方だとすればサダキヨが残りの1人ということになるのだが)
ヤマネ「しんよげんの書を作ったんだ。もっと知りたければ図書室においでよ。絶対に誰にも借りられずにずっとある本を秘密の連絡に使ってるんだ!」
そのことを思い出したオッチョは小学校の図書室へ。
46年間ずっとある本。それは上巻がなく、下巻だけの本だった。
1967年発行の推理小説の下巻を見つけ出したオッチョが、その本をめくると1枚の紙がヒラヒラと落ちてくる。
実際に紙が挟まっていて落ちてきて絶叫したオイラ・・・(笑)。心臓止まりそうになりましたよ。。。
さて、その紙には“ひみつ集会のおしらせ 日時西れきのおわる年 2015年元日の夜 場所 理科室”と書いてある。
「今日だ・・・」
理科室へ直行するオッチョと角田。
暗がりの理科室へ入ると、そこにはヤマネが一人、佇んでいる。
ヤマネ「1971年の夏、あの時ドンキーも理科室に入ってきて、水槽の電源スイッチを入れた。そして彼は机の上のアルコールランプを手に取り、それをかざして、見ない方がいいものを見た・・・。」「ともだちは、この理科室で生まれた。いや、、、死んだと、、、言うべきか」「ともだちは内緒にしたいんだ。あのことを、、、僕を殺しに、、、。」
そして、忍者ハットリくんのお面をつけたともだち現る!
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その同じ頃。
赤ちゃんの頃、ベビーカーから誰かに抱き上げられ連れ去られて、小学校の校庭に置き去りにされたことを思い出したカンナも小学校へやって来る。
同じく、ともだちの正体を突き止めたマルオも小学校を通りかかる。
、、、と銃声が響き渡る。
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再び理科室。
オッチョ「お前は誰だ!」
ともだち「僕はコリンズ。アポロ11号、、、アームストロングとオルドリンが月に着陸するのを月の周りをグルグル回りながら見ていた、かわいそうなコリンズ中佐。」(第1巻の小4時代・1969年の回想シーンでも同様のセリフが出てくる)
ともだち「誰も見ていてくれなかった。あんなにたくさんのスプーンを曲げたのに、、、誰か、僕を見てよ。」「あんなよげんの書じゃダメだ。そうだろ山根くん。」
ヤマネ「それで、しんよげんの書を作った。今となってはどっちでもいいことだ。」「結局、、、ニセモノなんだから。たくさん嘘をつきすぎて何が嘘だかも分からなくなったのかい?1番隠しておきたいのは70年の嘘?それとも71年のこの理科室での嘘?そうだよな、、あれを隠しておきたいんだ。だからドンキーを絶交したんだ。」
ヤマネ「君はこの理科室で一度死んだ、、、?いや、死んでなんかいない、それどころか、あの時、君は嘘をつきそこなった!!その事実を目の当たりにしたドンキーを絶交し、そして今度は僕を絶交しようというわけか。」
そして、ヤマネはともだちを銃で撃つ・・・。が、ヤマネも、理科室から出たところの廊下でともだちの部下に射殺されてしまう。
オッチョがお面を剥ぎ取ると、それはフクベエだった・・・。
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