欧蹴球狂想曲第31番:チャンピオンズリーグ決勝戦!
07-08チャンピオンズリーグ(CL)決勝の舞台の地となるのは、ロシアはモスクワのルズニキスタジアム。
レーニン像も快く出迎えてくれております。
チャンピオンズカップ時代も含めてロシア(旧ソ連)でCL決勝戦が行われるのはこれが初です。
木で象られた人形をパカッと開けるとまた人形が入っていて、それをまた開けるとまた入っていて、という伝統民芸品マトリョーシカのマンUバージョン。
クリスチャーノ・ロナウドとギグスだね。おもろ。
天気は雨がザーッと降るも、試合前にはいったん止む。ルズニキが絶叫の嵐に包まれたのはこの数時間後だった・・・。
マンUが獲れば1998-99シーズンにバイエルンをロスタイムの立て続けのゴールで2-1で下したとき以来9年ぶり3回目。
対するチェルシーは、アブラモビッチがオーナーに就任した03-04シーズンから順にベスト4、ベスト4、ベスト16、ベスト4とあとひとつの壁を越えられずにいて、今回5年目でようやっと宿願の決勝戦へコマを進めてきた。
勝てばもちろん初優勝。ちなみにこの5年間でアブラモビッチが選手獲得に費やしたお金は5億2000万ユーロ。ざっと日本円で800億円!なんじゃそりゃ(笑)。
さて、そんなこんなで試合へといざ進まん!まず、スタメン布陣は、、、
ファンデルサル
ファーディナンド ビディッチ
ブラウン エブラ
スコールズ キャリック
ハーグリーブス ロナウド
テベス
ルーニー
VS VS VS VS VS VS VS VS
ドログバ
マルダ Jコール
バラック
マケレレ
Aコール エッシェン
カルバーリョ テリー
ツェホ
ピッチ状態は雨のせいでやや重。滑りやすく足を取られたりするので、体力を消耗してしまう悪条件といえる。
さて、マンUは、なぜかパク・チソンがベンチに入らなかったのだけが意味不明だったが、怪我でもしたのだろうか。普通だったらハーグリーブスのところにパク・チソンを入れるのだが。今回はCLでも何試合か右SBに入っていたハーグリーブスを1枚上げてギグスは切り札に回った。
対するチェルシーは、ほぼベストメンバーだが、ロナウドの対抗策として無尽蔵のスタミナを誇るエッシェンを右SBに入れてきたのがポイントだ。
試合は前半15分間は相手のストロングポイントを徹底的に消しにかかる腹の探り合いの硬いサッカーに終始したが、前半20分にマケレレとスコールズの接触プレーでスコールズが鼻血ブー!(試合後、鼻骨骨折と判明)
ここから一気に試合はヒートアップ&スピードアップし、プレミアリーグの激しい戦いの火蓋が切って落とされた。
まず主導権を握ったのはマンU。ロナウドとエブラのマンU左サイドの攻撃に対し、チェルシーの右が劣勢に陥ってしまったのを機に、両サイドの攻防でチェルシーは分の悪さを露呈してしまう。
そして、前半26分。右サイド深いところからのスローインからブラウンのセンタリングをロナウドが頭で決め先制!
ここから前半は完全にマンUのペースとなり、前半34分にはルーニーの一発カウンターロングパスがロナウドに渡り、その折り返しを立て続けにシュートしたテベス、キャリックの決定的シーンをツェホがなんとか弾くなどマンUの2点目もあり得るか、と思った矢先、、、。
前半45分。エッシェンのミドルシュートが相手DFとドログバに当たってコースが変わったところにちょうどランパードが詰めており、足を滑らせたファンデルサルの奮闘むなしくランパードが押し込んで同点に追いついた。
前半チェルシー唯一の決定的シーンをちゃっかり決めてしまうあたりはさすがといったところだったけど、これでマンUの一方的な試合の流れが後半今度は一気にチェルシーに傾いていくことになる。
後半はオープンな仕掛けあいとなったが、球際の勝負で勝るチェルシーが優位に立ちチャンスを演出。一方のマンUは、運動量が落ちてきて完全に受けに回ってしまう。
そして、微妙にスベるピッチコンディションが選手たちに重くのしかかって来るところで、後半25分にはファーディナンドが足を攣って倒れこんでしまうが、なんとかプレーを続ける。しかし、マルダに一気に抜き去られるわ、相棒のビディッチもドログバを抑えきれなくなってきてしまい、守備陣は満身創痍状態に。。
そんな中、後半33分にはドログバのあり得ない体勢からのワンステップシュートがバーに直撃。流れは完全にチェルシー。
しかし、後半42分にスコールズ→ギグスと選手交代を行ったマンUはなんとか凌ぎきり、1-1のまま延長戦へ。
前後半終わってシュート数がマンUの8本に対し、チェルシーが20本を放ったことからも後半のチェルシーの優位が如実に分かる。
延長戦。
前半3分にはランパードのシュートがまたもやバーに直撃、一方のマンUのギグスのシュートをテリーがスンでの所で頭でクリアー。
後半は雨も強くなってくる中、カルバーリョやテリーなども足を攣りまくり、まさに地獄の決勝の様相を呈してくる、、、、その最中、延長後半11分、、、
カルバーリョが足を攣って倒れ、ツェホがボールを外に出して試合がストップする。そしてマンUのスローインをテベスがチョコンとサイドに蹴り出し、チェルシーのスローインにした(選手が負傷で倒れこみ、相手側がボールをピッチ外に出して試合を止めた場合、相手側にボールを返すのが通常。このシーンのテベスの行為は普通だし何も咎めるようなプレーではない)のだが、そこでゴールラインに蹴らなかったことに腹を立てたと思われる(要するにチェルシーのゴールキックにしろということ)チェルシー選手(バラックか?)と口論になり、一気に選手たちが集まってきてヒートアップ。その中で、ドログバがビディッチに平手打ちを喰らわせレッドカード退場となってしまう・・・。
雨でぬかるむピッチコンディションがどう影響するのか。。
最近こういうPK戦で思い出されるのはEURO2004準々決勝のポルトガル×イングランドでのベッカムとルイ・コスタのPK失敗だが、この時も軸足を滑らせている。
運命のPK戦。先攻マンU、後攻チェルシー。
テベス、キャリックと決めたマンUに対し、チェルシーはバラックが1人目。ビックリしたのは2人目のベレッチ。延長後半15分にマケレレに代わって入っており、このPKで蹴るボールがなんとファーストタッチというド緊張シーン。。おそらくPK要員だったのだと思われるが、これを難なく決め、2-2。
そして、マンU3人目のロナウド・・・一気に蹴らずにフェイントを入れて一瞬動きが止まるロナウド。しかし左に蹴ったボールはツェホの動きにドンピシャで合ってしまう。
チェルシーは3人目ランパード、4人目Aコールが決める。しかしことごとくコースを読むツェホの動きを打ち破るようにマンUも4人目ハーグリーブス、5人目ナニが決め、4-4。さあ!次のチェルシー5人目キャプテンのテリーが決めればビッグイヤーはチェルシーへ!
祈るアブラモビッチ。。。
・・・が、ここで遂に訪れてしまう足すべり!!
無情にもテリーが蹴ったボールはゴール右に逸れていってしまう・・・。
この時点で勝負ありだったのかもしれない。
マンUビッグイヤー獲得の瞬間。
最高の喜びに沸くマンUイレブン。
一方、泣き崩れるテリー・・・。
降り止まない無情の雨と歓喜のシャワー。あまりにも残酷な光景。
ビッグイヤーを獲るってホントに長い道のりなんだな。ホントに攻守ともに最強のチームじゃないと獲れないんだな、、なんてことを深く考えさせられましたわ。
ビッグイヤーを掲げて喜ぶCロナウド。
PK外して、祈るような面持ちで見ていたロナウド。勝った瞬間、ピッチに倒れこんで泣く姿は感動した。
シーズン通して40ゴール以上決めた怪物ロナウド(ブラジルのおデブさんの方じゃないよ)の年になった07-08シーズンがこれで終わりをつげた。バロンドール間違いなしでしょ。
ありがとう!チャンピオンズリーグ!
我が愛しのレアル・マドリーは来季こそビッグイヤーを掲げてみせる!と気持ちを新たにした今日の決勝戦でございました。
さ、次はユーロでっせ!
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