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2008年5月27日 (火)

夢のシネマパラダイス423番シアター:ソウ

Saw 出演:ケアリー・エルウェズ、ダニー・グローバー、モニカ・ポッター、リー・ワネル

監督:ジェームズ・ワン

(2004年・アメリカ・103分)2004/11/10・ヴァージンTOHOシネマズ

評価★★★/65点

内容:「ここは何処だ?」目を覚ましたゴードンとアダムがいたのは、朽ちたバスルームだった。2人の足はそれぞれ鎖でつながれ、彼らの間には死体が。「6時間以内に相手を殺すか、自分が死ぬこと。」犯人からの残酷なメッセージが、彼らを死の淵へと追いつめていく・・・。

“あっ、そう・・・。”

映画を観終わった後の第一印象、、、なんじゃそりゃ(笑)。

しかしあの人形といい、“ゲーム”といい、死体の凝った見せ方といい、それこそデビッド・フィンチャーの「セブン」「ゲーム」、シャーリズ・セロンの「コール」etc..をモロに連想してしまったり。どこかで見たな的なネタ目白押しでイマイチ乗れず。

なんだろう、やっぱあの部屋に鎖でつながれた男2人と死体が1体というシチュエーション、それオンリーで攻めてもらいたかったと観終わって特に強く感じてしまう。

変な肉付けはいらなかった。それでもラストだまされただろうし。

ところで話はいきなり逸れるけど、この映画を観ていて、あるお話が頭にこびりついて離れなくなって仕方なかった。

それは「世にも奇妙な物語」シリーズで1番自分が強烈に印象に残っているエピソードで、キムタクが出てたやつで。

真夜中の駅、キムタクが猛ダッシュでトイレに入って用を足していると、ちょうど目の前の壁に「真夜中にこのトイレを使った人は一生出られなくなる」という落書きが・・。

気にもかけずにキムタクは普通にトイレから出ようとするが、なぜかトイレの入口のドアが押せども引けども全く開かない。終電も過ぎたため駅員に施錠されたと考えたキムタクは、しかたなくトイレの中で一泊することを決める。

、、が、そのトイレの中には様々なおどろおどろしい不気味な落書きが書かれてあって、、、「午前0時になるとジャックが殺りに来る」「この壁の中に誰かがいる」「お前は死ぬ」、「259(ジゴク)←(しかも鏡文字)」、「ここから逃げようとすると首を吊る」etc..

と午前0時、トイレの外から足音が、、、キムタクは恐怖体験でヘナヘナになりながらもなんとか戦慄の一夜を過ごすのだった・・・。

と夜が明けて、、、ドアが開く。。

ななななんんとこのドア、横に引っ張るスライド式のドアだったのだ!チャラーン♪

なんのことはない、駅員はカギなどかけてはいなかった、、、というオチの後にさらなるオチがあるのだが・・・。

今回の「SAWソウ」の中で、手がかりとして出てくるハートマークや×印を見て、そんなんことを思い浮かべてしまった。

2番煎じじゃないけど、何かが足りない、そんな映画だった。

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ソウ2(2005年・アメリカ・100分)WOWOW

 監督・脚本:ダーレン・リン・バウズマン

 出演:ドニー・ウォールバーグ、ショウニー・スミス、トビン・ベル、フランキー・G

 内容:猟奇的連続殺人犯ジグソウを執拗に追う女刑事ケリーに呼び出され、凄惨な殺人現場に立ち会った荒くれ刑事のエリック。現場に残されたヒントからアジトを突き止めたエリックたちはジグソウをあっけなく捕まえる。が、その部屋に設置されたモニターにはジグソウが新たに仕掛けたゲームに挑む8人の男女の姿が映し出されていた。しかもその中の1人はエリックの息子で・・・。

評価★★★/60点

映画全体がゲーム脳に犯されていて、映画の思考活動が単純にパターン化してしまっているのがイタイ。

そのため驚きよりも文字通り痛さの方だけが際立ってしまった哀しきCERO12対象映画。

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es〔エス〕

Es 出演:モーリッツ・ブライプトロイ、クリスティアン・ベッケル、オリバー・ストコフスキー

監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル

(2001年・ドイツ・119分)DVD

内容:1971年にアメリカで起きた事件がベースの問題作。ある大学の心理学部が実験の被験者を募集。集まった20人の男たちは看守役と囚人役に分かれて、模擬刑務所で2週間を過ごすことに。しかし、彼らはすぐに“役”に支配され、恐るべき行動を見せ始める・・・。

評価★★★★/75点

戦争犯罪の過程と縮図を如実に垣間見てしまった気がする。虐殺、強奪、レイプ、、、この映画の中では服従と暴力と没個人化といっていたけど。

いや、戦争といった大げさなものでなくとも、イジメとかにも通じるような、そんな気味の悪さ・・・。

でも、あの狭い暗室独房に入れられたら間違いなくオイラ発狂するね。閉所恐怖症あな恐ろしや~。

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π【パイ】(1997年・アメリカ・85分)WOWOW

 監督・脚本:ダーレン・アロノフスキー

 出演:ショーン・ガレット、マーク・マーゴリス、スティーブン・パールマン

 内容:世界の全ては数字で解明できると信じるマックス。彼は自ら発明したスーパーコンピュータで、毎日、株式市場の予測を行っていた。ある日、彼はとある数字を見つけ解析したが・・・。緊迫感のあるモノクロ映像とデジタル音源の斬新な融合が特徴的で、アメリカでカルト人気を呼んだSFスリラー。

評価★★☆/50点

脳ミソをツンツンするところで、どうしてもアラレちゃんがウ○コをツンツンする名場面(?)がオーバーラップして、ますます正常には見てられなくなった。。

ツンツン、、、ズキューーン、メッキュ~ン、ドッヒューーン。。。逝ってきまーす。ンチャ♪

2008年5月24日 (土)

夢のシネマパラダイス420番シアター:ハウルの動く城

ハウルの動く城

Howl 声の出演:倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、大泉洋

監督・脚本:宮崎駿

(2004年・東宝・119分)2004/12/10・仙台第1東宝

評価★★★☆/70点

内容:魔法と科学が混在するとある国。父の遺した帽子店を切り盛りする18歳の少女ソフィーは、ある日町で美青年と出くわす。彼こそは人々が怖れる悪名高い魔法使いのハウルだった。しかし、その夜、ソフィーは荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆にされてしまう。その事実を告げられずに家を出たソフィーは、人里離れた荒地をさまよううちにハウルが暮らす“4本足の動く城”に拾われ、住み込みの家政婦として働くことに。城にはハウルの他に弟子のマルクル、火の悪魔カルシファー(元は流れ星)が住み着いていた。そのうちソフィーは、自分の容姿に対し異常な執着を見せるナルシストっぷりとともに優しく気の弱いハウルに心惹かれていくが、外界では戦争が始まろうとしていた・・・。ベネチア国際映画祭でオゼッラ賞(技術貢献賞)受賞。

“映画を観終わった今の自分の気持ちを例えて言うならば、、、”

腐海(王蟲の大群)を焼き尽くそうとする巨神兵が見るも無残に崩れ落ちていく様を、すぐそばで唖然ボー然と歯がゆさで見ているクシャナの気持ち。

クシャナ「見せつけろ!どうした、それでも世界で最も良質なアニメをつくるジブリ一族の首領か!」

クロトワ「腐ってやがる。早すぎたんだ。」というセリフが思い出されるよ。

いやはや参った参った、降参だよオイラは。

宮崎アニメを見てて堪えがたい眠気に襲われたのはこれが初めてだよホント・・・。

ストーリーがハチャメチャかつ綺麗ごとのオンパレードなのは百歩譲って大目に見るとしよう。まぁ個人的にはどことどこが戦争をしているのかだとかその背景などはどうでもよいし、そこは薄っぺらくてもよかったし、大してその点は気にはならなかった。

この映画で自分が何よりも唖然ボー然としたのは、まずは宮崎アニメが本来持っているはずの画力、絵の力が感じられなかったこと。

そして第2に、宮崎アニメが本来持っているはずの人と人、キャラクターとキャラクターの強い絆と結びつきが全く感じられなかったこと。それによりソフィーをはじめとする登場人物の生活感が全く伝わってこなかったことである。

宮崎アニメの絵それ自体が持つ生き生きとした活力は、小っちゃい頃から宮崎アニメを見て育ってきた自分にはひと目見ただけでそれと分かるものであった。コナンにしろ千と千尋にしろ時代を経た技術の進歩に関係なく絵それ自体が持つ力というのは一目瞭然で伝わってきたものだ。

しかし、この映画、冒頭の動く城と、黒煙を上げながらやって来る機関車および街のシーンからすでに妙な違和感を感じてしまったのだった。

微妙なユルさというか締まりの無さ。そしてゴム人間から逃れようとするハウルとソフィーが空を飛ぶシーンに至って、上映15分も経たないうちに完全にこのアニメへの拒絶反応を示し始めたのである。

ホントまるでゆらゆら揺れるゴム人間のようにオイラは揺れ始めていた・・・。自分の体内に異物が侵入してきたような、その妙な違和感を排除しようと体が拒絶反応を起こして、その後眠気となって表れたという他ない。

いや、画面の大部分はジブリアニメなのだが、まるでウォーリーを探せ!のごとくどこかしらにジブリじゃないものが紛れ込んでいる、、、気がしたのだ。いや、これは確信といってもよい。自分の体はウソはつかない、と思う(笑)。

また、キャラクターの結びつきの弱さという点では、ソフィーと妹や義母との関係などはその典型だけど、肝心のソフィーとハウルの関係というのも男のオイラから見れば、なんでわけも分からず進展しちゃってるの?というかんじだし。

まぁこのソフィーの人物像というのが実は大問題で、18歳の少女から90歳の老婆までの間の要素を完全に網羅して補完できるような完璧な女性キャラなんだこれがまた。ようするに30歳にもなれれば50歳にもなれる、はたまた65歳にもなれるみたいな。。

だからいきなり90歳になった姿を鏡で見ても大して驚かないで受け入れちゃうわけで。

こんな完璧なキャラクター見ても全然面白くない。

各キャラそうなんだけど、特にソフィーについては裏に隠された苦悩というものが観てる自分の中で全く表に出てこないわけ。

もう達観というかんじでさ。これは非っ常にイタかった。外見はおろか内面においても成長する余地がないんだもんあれじゃ。

だから、そんな30歳とも50歳にもなれる女性とハウルの恋物語を見ても、苦悩も恋わずらいもなくて全てを受け入れちゃうから、全然心にグッと来るものがないし、ハウルの人物像もなにげに腑抜けキャラだし。

なんでこんなにかみ合わないんだ。。。

ラスト髪の毛が星の色に変わってなんてことされても困るだけなのよ観てる側には。

むしろこの映画は、カルシファーを中心にして回っているといってもよいくらいで、いっそのことカルシファーを主人公にした方がもっと良い話ができたんじゃなかろうかと勘繰りたくもなってくる。

城を根底から支え、ハウルの生命を請け負う(いわばハウルと一心同体)とともに強大な魔力でハウルを“デビルマン”へと徐々に変貌させていく、、、その正体は流れ星、なのに完全無欠少女ババアに水はブッかけられるわ、城は壊されるわ、髪の毛食わされるわ、もうフンだりケッたり(笑)。そしてオイラもフンだりケッたり(涙)。

とにかく宮崎アニメを見ててこんなに苦しくなったのは初めてだ。

でも、それでも★★★☆なのは、やはり昨今雨後のタケノコのごとく作られている他の凡百のアニメ映画に比べれば断然見れるから・・・。おいおいなんか悲しくなってきたぞ。大丈夫か?ジャパニメーション。。

なんだか自分の勝手な予想だけど、宮崎駿は従来のジブリアニメからどんどん離れたベクトルへ向かっていくんじゃなかろうか。

宮崎駿が本来持つドロドロした闇の側面に突き進んでいくのではないかと思う。まぁ「もののけ姫」でその端緒は開かれていると思うし、従来のジブリアニメというのは「魔女の宅急便」でその純粋な役割は終えていると思うのだけど、一体どこへ行っちゃうんだろう。引きずり込まれるオイラの身にもなってみろってんだ・・・。

ま、いいや。それもありか。

(初記)2004/12/15

(追記)2007/03/28

結局ドロドロした闇の部分は、息子・宮崎吾郎の「ゲド戦記」にいっさいがっさい背負わせ、当の宮崎駿御大は「崖の上のポニョ」で先祖返りをする心積もりらしい。。老いてなお盛んな創作意欲、果てることない才能。そんなことできるのは神しかいない。

やっぱ、どこへ行っちゃうんだろう・・・。

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(おまけ。宮崎駿の原点はこれだ!)

未来少年コナン劇場版

027_main 声の出演:小原乃梨子、信沢三恵子、青木和代、永井一郎、吉田理保子

監督:佐藤肇

(1979年・東映・123分)NHK-BS

内容:西暦2008年。磁力兵器を使った最終戦争により、地球は地軸が狂って大変動を起こし、5大陸はことごとく海に没してしまう。それから20年経ったある日、少年コナンとおじいの住む孤島にハイハーバーという島の少女ラナが流れ着く。しかし、人類制服を企む科学都市インダストリアの行政局長レプカの腹心モンスリーが飛行艇でやって来て、ラナを連れ去って行ってしまう。ラナの祖父である太陽エネルギーの権威ラオ博士を見つけ出すためラナを誘拐したのだった。モンスリーとの戦闘がもとで息を引き取ったおじいの遺言を聞いたコナンはラナを救うべく島を出ることを決心する・・・。宮崎駿が全26話の演出を手がけ、1978年4月~10月まで放映されたNHK初の本格的アニメーションをもとにした劇場用作品。原作はアレクサンダー・ケイの「残された人々」。

評価:点数なし(TVアニメ版全26話で★7っつ!)

こんな雑でやっつけ仕事な総集編は見たことないが、TVアニメ版に最大限の敬意を表して点数なしで。スミマセン。

TVアニメ版はもち120点満点っス。

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未来少年コナン特別編 巨大ギガントの復活(1984年・松竹・47分)NHK-BS

 演出:宮崎駿

 声の出演:小原乃梨子、信沢三恵子、青木和代、永井一郎、吉田理保子

 内容:同シリーズの中でも特に人気の高い第24話~第26話「ギガント」「インダストリアの最期」「大団円」を再編集したダイジェスト版。

評価:点数なし(TVアニメ版全26話で★7っつ!)

とにかく宮崎アニメの真髄である飛ぶ・跳ねる・走るといったキャラクターの躍動感と無限にあふれ出す想像力、その原液を濃度100%で体感できる宮崎アニメ洗脳入門。

コナンを見ずして宮崎アニメを語るなかれ!

2008年5月22日 (木)

欧蹴球狂想曲第31番:チャンピオンズリーグ決勝戦!

22 07-08チャンピオンズリーグ(CL)決勝の舞台の地となるのは、ロシアはモスクワのルズニキスタジアム。

レーニン像も快く出迎えてくれております。

チャンピオンズカップ時代も含めてロシア(旧ソ連)でCL決勝戦が行われるのはこれが初です。

23 あ、これこれ。ロシアのお土産といえばこれだよね。

木で象られた人形をパカッと開けるとまた人形が入っていて、それをまた開けるとまた入っていて、という伝統民芸品マトリョーシカのマンUバージョン。

クリスチャーノ・ロナウドとギグスだね。おもろ。

天気は雨がザーッと降るも、試合前にはいったん止む。ルズニキが絶叫の嵐に包まれたのはこの数時間後だった・・・。

27 ビッグイヤーはどっちに微笑むのかと、固唾を飲んで見守る。

マンUが獲れば1998-99シーズンにバイエルンをロスタイムの立て続けのゴールで2-1で下したとき以来9年ぶり3回目。

対するチェルシーは、アブラモビッチがオーナーに就任した03-04シーズンから順にベスト4、ベスト4、ベスト16、ベスト4とあとひとつの壁を越えられずにいて、今回5年目でようやっと宿願の決勝戦へコマを進めてきた。

勝てばもちろん初優勝。ちなみにこの5年間でアブラモビッチが選手獲得に費やしたお金は5億2000万ユーロ。ざっと日本円で800億円!なんじゃそりゃ(笑)。

さて、そんなこんなで試合へといざ進まん!まず、スタメン布陣は、、、

                ファンデルサル

         ファーディナンド     ビディッチ

ブラウン                             エブラ  

16_2                                 

  スコールズ     キャリック

  

 ハーグリーブス                        ロナウド

                 テベス            

                     ルーニー

VS   VS   VS   VS   VS   VS   VS   VS

                  ドログバ

    マルダ                         Jコール

17    ランパード                      

                バラック

       マケレレ

  Aコール                          エッシェン

            カルバーリョ    テリー

                   ツェホ

ピッチ状態は雨のせいでやや重。滑りやすく足を取られたりするので、体力を消耗してしまう悪条件といえる。

さて、マンUは、なぜかパク・チソンがベンチに入らなかったのだけが意味不明だったが、怪我でもしたのだろうか。普通だったらハーグリーブスのところにパク・チソンを入れるのだが。今回はCLでも何試合か右SBに入っていたハーグリーブスを1枚上げてギグスは切り札に回った。

対するチェルシーは、ほぼベストメンバーだが、ロナウドの対抗策として無尽蔵のスタミナを誇るエッシェンを右SBに入れてきたのがポイントだ。

21 試合は前半15分間は相手のストロングポイントを徹底的に消しにかかる腹の探り合いの硬いサッカーに終始したが、前半20分にマケレレとスコールズの接触プレーでスコールズが鼻血ブー!(試合後、鼻骨骨折と判明)

ここから一気に試合はヒートアップ&スピードアップし、プレミアリーグの激しい戦いの火蓋が切って落とされた。

18 まず主導権を握ったのはマンU。ロナウドとエブラのマンU左サイドの攻撃に対し、チェルシーの右が劣勢に陥ってしまったのを機に、両サイドの攻防でチェルシーは分の悪さを露呈してしまう。

そして、前半26分。右サイド深いところからのスローインからブラウンのセンタリングをロナウドが頭で決め先制!

ここから前半は完全にマンUのペースとなり、前半34分にはルーニーの一発カウンターロングパスがロナウドに渡り、その折り返しを立て続けにシュートしたテベス、キャリックの決定的シーンをツェホがなんとか弾くなどマンUの2点目もあり得るか、と思った矢先、、、。

20 前半45分。エッシェンのミドルシュートが相手DFとドログバに当たってコースが変わったところにちょうどランパードが詰めており、足を滑らせたファンデルサルの奮闘むなしくランパードが押し込んで同点に追いついた。

前半チェルシー唯一の決定的シーンをちゃっかり決めてしまうあたりはさすがといったところだったけど、これでマンUの一方的な試合の流れが後半今度は一気にチェルシーに傾いていくことになる。

後半はオープンな仕掛けあいとなったが、球際の勝負で勝るチェルシーが優位に立ちチャンスを演出。一方のマンUは、運動量が落ちてきて完全に受けに回ってしまう。

そして、微妙にスベるピッチコンディションが選手たちに重くのしかかって来るところで、後半25分にはファーディナンドが足を攣って倒れこんでしまうが、なんとかプレーを続ける。しかし、マルダに一気に抜き去られるわ、相棒のビディッチもドログバを抑えきれなくなってきてしまい、守備陣は満身創痍状態に。。

そんな中、後半33分にはドログバのあり得ない体勢からのワンステップシュートがバーに直撃。流れは完全にチェルシー。

しかし、後半42分にスコールズ→ギグスと選手交代を行ったマンUはなんとか凌ぎきり、1-1のまま延長戦へ。

前後半終わってシュート数がマンUの8本に対し、チェルシーが20本を放ったことからも後半のチェルシーの優位が如実に分かる。

延長戦。

前半3分にはランパードのシュートがまたもやバーに直撃、一方のマンUのギグスのシュートをテリーがスンでの所で頭でクリアー。

後半は雨も強くなってくる中、カルバーリョやテリーなども足を攣りまくり、まさに地獄の決勝の様相を呈してくる、、、、その最中、延長後半11分、、、

カルバーリョが足を攣って倒れ、ツェホがボールを外に出して試合がストップする。そしてマンUのスローインをテベスがチョコンとサイドに蹴り出し、チェルシーのスローインにした(選手が負傷で倒れこみ、相手側がボールをピッチ外に出して試合を止めた場合、相手側にボールを返すのが通常。このシーンのテベスの行為は普通だし何も咎めるようなプレーではない)のだが、そこでゴールラインに蹴らなかったことに腹を立てたと思われる(要するにチェルシーのゴールキックにしろということ)チェルシー選手(バラックか?)と口論になり、一気に選手たちが集まってきてヒートアップ。その中で、ドログバがビディッチに平手打ちを喰らわせレッドカード退場となってしまう・・・。

14 そんなこんなでも決着つかず、試合は運命のPK戦へ。

雨でぬかるむピッチコンディションがどう影響するのか。。

最近こういうPK戦で思い出されるのはEURO2004準々決勝のポルトガル×イングランドでのベッカムとルイ・コスタのPK失敗だが、この時も軸足を滑らせている。

運命のPK戦。先攻マンU、後攻チェルシー。

テベス、キャリックと決めたマンUに対し、チェルシーはバラックが1人目。ビックリしたのは2人目のベレッチ。延長後半15分にマケレレに代わって入っており、このPKで蹴るボールがなんとファーストタッチというド緊張シーン。。おそらくPK要員だったのだと思われるが、これを難なく決め、2-2。

そして、マンU3人目のロナウド・・・一気に蹴らずにフェイントを入れて一瞬動きが止まるロナウド。しかし左に蹴ったボールはツェホの動きにドンピシャで合ってしまう。

15 チェルシーは3人目ランパード、4人目Aコールが決める。しかしことごとくコースを読むツェホの動きを打ち破るようにマンUも4人目ハーグリーブス、5人目ナニが決め、4-4。さあ!次のチェルシー5人目キャプテンのテリーが決めればビッグイヤーはチェルシーへ!

祈るアブラモビッチ。。。

・・・が、ここで遂に訪れてしまう足すべり!!

無情にもテリーが蹴ったボールはゴール右に逸れていってしまう・・・。

この時点で勝負ありだったのかもしれない。

12 7人目アネルカが止められ、ジ・エンド。

マンUビッグイヤー獲得の瞬間。

最高の喜びに沸くマンUイレブン。

一方、泣き崩れるテリー・・・。

降り止まない無情の雨と歓喜のシャワー。あまりにも残酷な光景。

11 何度テリーとランパードの涙を見てきたことだろう・・・。

ビッグイヤーを獲るってホントに長い道のりなんだな。ホントに攻守ともに最強のチームじゃないと獲れないんだな、、なんてことを深く考えさせられましたわ。

ビッグイヤーを掲げて喜ぶCロナウド。

PK外して、祈るような面持ちで見ていたロナウド。勝った瞬間、ピッチに倒れこんで泣く姿は感動した。

シーズン通して40ゴール以上決めた怪物ロナウド(ブラジルのおデブさんの方じゃないよ)の年になった07-08シーズンがこれで終わりをつげた。バロンドール間違いなしでしょ。

13 おめでとう!マンチェスターユナイテッド!

ありがとう!チャンピオンズリーグ!

我が愛しのレアル・マドリーは来季こそビッグイヤーを掲げてみせる!と気持ちを新たにした今日の決勝戦でございました。

さ、次はユーロでっせ!           

2008年5月20日 (火)

レアル・マドリー狂想曲第43番:優勝祝賀会♪

06 君は見たか!このフィエスタに沸くベルナベウの歓喜を!

オレは見たー(笑)!

最下位のレバンテを相手に5-2の圧勝で、今シーズンを締めくくった我が愛しのレアル・マドリーは、27勝4分7敗・勝ち点85で2位以下を圧倒的に引き離しての戴冠を成し遂げた。

勝ち点85というのは、シーズン38試合制では最多勝ち点だそうで、しかも第2節から首位07の座を明け渡さなかったことからしても、まさに今シーズンはレアル・マドリーの独壇場だった!

特にラウルの復活グティの輝きは今季のレアルを総括する上では絶対に外せないポイントだったと思う。

そしてリーガの監督が選ぶ最優秀選手に選ばれた聖カシージャスの君臨については言うまでもなし。最小失点率0.89でサモラ賞を獲得。レアルのGKでは1991-92のブーヨ以来16シーズンぶりの快挙を達成した。これであと10年はゴールマウスは安泰やな。

09 今シーズンを振り返っても、開幕戦のマドリードダービーから電光石火の活躍を見せたスナイデル、前半戦にチームを引っ張る大車輪の活躍を見せたロビーニョ、代えの利かない前線の柱ファン・ニステルローイ、手薄な右サイドをほぼ一人で攻守両面に渡ってカバーした無尽蔵の突貫男セルヒオ・ラモス、カンプノウのクラシコで値千金のゴールを決めたバティスタ、故障者続出のDFラインでただ一人絶大な存在感を誇ったカンナバーロ、後半戦チームの心臓を担うまでになったフェルナンド・ガゴ、選手たちから絶大な信頼を得る中盤の門番ディアッラ、ファンニステルローイとロビーニョ故障後に前線を支えたロッベン、左ラテラルとCBでいぶし銀の働きを見せたエインセ、守備面では課題も左ラテラルのレギュラーを守りきった弱冠19歳のロビーニョの弟分マルセロ、怪我による長期離脱が惜しまれるが試合に出ればその才能を遺憾なく発揮したぺぺ、そして終盤戦いくつもの決定的なゴールを決めたイグアイン

まさに全員で勝ち取った優勝だったと思う。

その他にもミゲル・トーレスやドレンテ、ベテランのサルガド、来季の本領発揮が望まれるメッツェルダーなど試合に出れば結果を残してくれた。

唯一サビオラ、ソルダードにとっては不本意なシーズンだったかなぁ。。

05 そして、ビッグクラブを率いるのは今季のレアルが初めてのシュスターはカペッロの後のプレッシャーをものともせず、しっかりとリーガ2連覇を達成してくれた。

何よりチーム内にゴタゴタや不協和音が皆無だったことからも、シュスターの人身掌握術とチームをまとめる力は大きかったといえるだろう。

惜しむらくはチャンピオンズリーグでのベスト16敗退が痛かったが、リーガ優勝で来シーズンもシュスター指揮を執ることが決まっており、来シーズンこそビッグイヤーを現実的目標としてやってもらいたいっス。期待はできるで。

03 とにかくリーガ2連覇おめでとうございます!

そして今シーズン1年間お疲れ様でした。

アッラ・マドリー!!

さ、お次はCL決勝、そしてユーロです。

2008年5月15日 (木)

夢のシネマパラダイス414番シアター:妻夫木×安藤突っ走る!

69 sixty nine

T0001958 出演:妻夫木聡、安藤政信、金井勇太、太田莉菜、柴田恭兵、井川遥

監督:李相日

脚本:クドカン

(2004年・東映・113分)DVD

評価★★★/65点

内容:1969年、長崎県佐世保の高校に通う高3のケンは仲間のアダマらと、学校の屋上で映画や芝居やロックを融合したフェスティバルを開催することを思いつく。彼は、上映するための映画に高校一の美女であるレディ・ジェーンをヒロインに抜擢し、彼女と急接近を図ろうという下心を抱いていた。さっそくカメラの調達のために全共闘のアジトに出向くケンだったが、なぜかひょんな成り行きで「よっしゃ!バリ封すっぞ!」と学校の屋上をバリケード封鎖するハメになり、マスコミや警察を巻き込んだ大騒動へと発展してしまう・・・。村上龍の自伝的小説を宮藤官九郎がバカバカしくもパワフルに描き出したハートフルコメディ。

“クドカンクドイ”

映画としてどこに向かおうとしているのか、何を目指して突っ走ろうとしているのかがイマイチよくつかめなかった。

だからこの映画で象徴的なシーンであるケンとアダマの全力疾走もイマイチ乗れなかった、というか意味を見出せなかったというのが正直なところ。

その原因としては、1969年という時代の空気があまり伝わってこなかったことがやはり大きい。

木更津キャッツアイと同じ空気を感じてしまったのははっきりいってイタイよ。

クドカンのクドさがこの映画では裏目に出てしまった気がしてならないな。観終わって残ったものが、オー・チンチンと校長室での惨劇というのはいかがなもんだろ・・・。

ラストのウソかホントかは分からないケンの後日談で、アダマが学生運動に直に没頭していったとあるけども、学生運動に身を焦がすアダマのような大学生を主人公としていれば、時代の空気はもっと簡単に伝わっていたんだろうけど。

しかし、忘れてはならないのは、この映画は高校生のお話なのだ。男にとって高2の夏が勝負だぜ!とほざいているような。

世間、社会と自分との間にある微妙だけど確実にある距離感。

自分の街から米軍がベトナムへ戦争しに飛び立っていくという現実もケンにとってはレディ・ジェーンの気を引くための道具にしかすぎない。レディ・ジェーンにそのことの本音を聞かれても「嫌でも見えちゃうからちょっとは考える」くらいの問題にすぎないのだ。

学生運動の闘士になっているであろう数年後のアダマとは相当な距離感があるはずだろう。

その点でいえば、フツーにお気楽に楽しめる作品であることは疑う余地がないのだけど、何かが物足りないのも確かなのだった。

ついでに、飯食いながら観るのは絶対にやめた方がいいということも確かなのだった・・・。

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サトラレ

Satorare08 出演:安藤政信、鈴木京香、内山理名、松重豊、小野武彦、寺尾聰、八千草薫

監督:本広克行

(2000年・東宝・129分)2001/03/27・ニュー東宝シネマ

評価★★★/65点

内容:サトラレ-それは思ったことを口に出さなくても周囲に悟られてしまうという1千万人に1人の確率で存在する人々のことで、彼らは例外なくIQ180以上の天才である。そこで政府は彼らの能力を社会に活かすために彼らがサトラレを自覚することのないよう徹底的に保護していた。なぜなら、彼らが自覚してしまうと精神的に耐えられなくなり、自殺を考える可能性があるからだ。そんな中、症例7号である新米外科医の里見健一のところに、自衛隊医官で精神科医の小松が派遣されることになる・・・。

“勝手な想像だけど、本広克行という人、相当にイイ人なんじゃなかろうか・・・。”

まさか出演者をはじめとするスタッフにお茶配りとかしてないだろうな(笑)。

でもこの映画観るとそんな気にもさせられるよ。

まず、結論から言うと、この映画はまぁいい映画なんだけど、大事なところがはぐらかされてて、自分の波長と終始微妙にズレたまま終わってしまったかんじ。ちょっとストレス溜まっちゃったな。

ちょっとねぇ、、、サトラレであるということに関係なく実はこの映画、里見を描いているようにみせかけといて全然描けてないんだよね。

というのも、とにかく脇に至るまで徹底して気配りしないとダメなんだねこの監督。

それは決して悪いことじゃないんだけど、時々クドく見えることもあるわけで。

例えば、里見のバアちゃんの手術中から手術後にかけての周りの人たちの祈るような表情をこまめに挿入するというのは演出的にはちょっと引いてしまった。はっきりいってクドい。病院の待合室から受付からナース室からSPからオペ室の繰り返し。しかも3,4週よ。。普通はオペ室以外はバッサリだろ。

ここのシーンはバアちゃんに語りかける里見1本に絞って迫っていってほしかった。後のシーンでさりげなく周りの反応を描けばいいわけだし。

ところがそうはならないのがこの映画であり、本広克行という監督のさがなのではなかろうか。

それはつまり、人間は元来みんな良(善)い人なのだという、この監督の信条みたいなものの表れなのだと思う。

銃を使わないというコンセプトのもとから生まれた踊る大捜査線をはじめとする他の作品を観ても感じるのだけど、この映画におけるサトラレのことを思って周りの人たちが全員聞こえない“ふり”をするという行為は、この監督のモットーが行き着く究極のところなのではなかろうか、と思ったわけで。

要はこの映画を観たかぎり、この映画が描いて見せたいのは里見その人ではなく、彼の周りの人々の人の良さの方なのではなかろうかと、そう錯覚してしまうくらい、この監督のさじ加減はかなりズレている。

それが観る方としては違和感となってずっと消えることがなかったんだよな。特に祭りのシーンなんかは残酷にしか見えなくてストレス溜まる一方。

どうみたってこの映画の中で試されているのは里見ではなく、鈴木京香をはじめとする周りの人々になっちゃってるもん。んでみんな八千草薫を目指せ!と(笑)。

こうなると里見は周囲を引き立てる単なる道具立てにしかならなくなってしまうわけで。はっきりいってサトラレである必要というか、意味がないんだよね。

それを証明するかのように、サトラレの本質・・・ドス黒いメデューサ・・・の奥底に潜む圧倒的な孤独を無人島で暮らすサトラレ1号に全部なすり付けてそれでこの問題はお開きということで、、、、となっちゃってるからねぇ。

あとは人口3万人全員八千草薫化計画のプロパガンダになっちゃって・・・。

それでいてラストの方の小松(鈴木京香)のモノローグで、「メデューサの話にはつづきがあって、討ち取られたメデューサの血から天馬ペガサスが生まれたの」とぬかす始末。

メデューサの血を描くことをしない映画が堂々とこういう文言をつけちゃうというのは本末転倒だろう。

この監督にとって、天馬ペガサスとは里見でもなければサトラレ第1号でもない。

八千草薫だぁっ!!ってことなのか、、、ラストを見たかぎり。

ま、純粋な良い人なんでしょうこの監督さん。ただ、純粋も度が過ぎると時々押し付けがましいだけにしか映らない時があるのでご注意を。

あと、ついでに。この映画から聞こえてきた「鈴木京香!」「あなたで遊びたい!」「制服」「着せ替え」「京香さん!」「撮る!水着ぃぃ」、、、、本広さん、確かにあなたの声でしたよ。。。

2008年5月14日 (水)

夢のシネマパラダイス413番シアター:大鹿村騒動記

大鹿村騒動記(2011年・東映・93分)NHK-BS

 監督:阪本順治

 出演:原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、松たか子、佐藤浩市、瑛太、石橋蓮司、でんでん、三國連太郎

 内容:長野県は南アルプスの麓にある人口千人余りの大鹿村。この小さな村では300年もの間、大鹿歌舞伎とよばれる村歌舞伎を継承してきた。そして今年もその上演が5日後に迫っており、シカ料理店を営む花形役者・風祭善も稽古に励んでいた。ところが、18年前に家を出ていった女房の貴子が、駆け落ち相手で幼なじみの治とひょっこり帰ってきた。しかも貴子は認知症を患っており、面倒を見きれなくなった治は貴子を善に返すと言い出すのだが・・・。

評価★★★/65点

監督・阪本順治、主題歌・忌野清志郎、キャスト・ムダに豪華w、の面々から想定されるイメージからは最もかけ離れたこじんまりとした町おこし映画になっていて、正直なところ肩透かし。。

妻を奪った岸部一徳と奪われた原田芳雄が“~ちゃん”付けで名前を呼び合うようなおかしげなユルさが全編にそこはかとなく漂っていて、不倫や認知症、性同一性障害から老いに過疎といったシリアスなテーマに至るまで良くも悪くも中和している。

個人的には騒動っていうんだから、もっとドタバタというかクドカンなみにブッ飛んでいてもよかった気がしてちょっと物足りなかったけど、たまにはほのぼの味のするも悪くないし、ああいう年の取り方をしたいなぁとは思った。

P.S. 三國連太郎と佐藤浩市の共演作ということでも見どころはあったけど、同じフレーム内に収まったシーンを見たかったな。

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フラガール

065c006e 出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、山崎静代、岸部一徳、富司純子

監督・脚本:李相日

(2006年・日本・120分)盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:昭和40年、炭鉱が次々と閉山する中、福島県いわき市の炭鉱町ではレジャー施設の建設を計画。売りは炭鉱娘たちのフラダンスショーだった。が、フラダンスの先生として招聘されたSDK出身のまどか先生は、ど素人の田舎娘たちの踊りを見てこれは絶対に無理だとさじを投げそうになる・・・。彼女たちの奮闘を軸に北国が楽園へと再生するさまを描く、常磐ハワイアンセンター(現スパリゾート・ハワイアンズ)の誕生秘話を実話をもとに映画化。

“安田大サーカスと張り合えるくらいベタベタなお涙頂戴映画に大いにハマる”

最強の泣かせ映画といえば、自分の場合はいの一番に「火垂るの墓」で、これは開演数分で涙腺決壊という、いわばこれはもうパブロフの犬みたいなもんで、おなじみの場面が出てくると条件反射で涙を堪えきれなくなるというお決まりのパターンに我が身が陥ってしまう最強ハリケーン映画だ。

次が「リトル・ダンサー」。これもロイヤル・バレエ学校に行く主人公ビリーと家族との別れのシーンで決壊、、、延々まぶたを腫らせっぱなし。。

また、おそらく今まで生きてきた中で1番号泣したのがブラッド・レンフロ&ジョゼフ・マゼロの「マイ・フレンド・フォーエバー」。亡くなったジョゼフ・マゼロのお棺に自分の靴をさりげなく入れていくレンフロの後ろ姿に突如涙腺ダムが決壊して自分でも驚いてしまうほど集中豪雨したのを覚えている。

他にも涙腺をゆるませる映画は数多あれど、、、と、なぜ泣ける映画を挙げたかというと、今回の「フラガール」も完全無欠の泣かせ映画名誉会員に推挙するにふさわしい作品だからだ。

廃れていく一方の炭鉱町が舞台なのは「リトル・ダンサー」と共通しているし、踊ることを反対する親が結局最後は1番の味方になってくれるというのも共通していて、炭鉱夫の兄貴も出てきて、、、ようするにほとんど同じってことじゃん(笑)。

だから泣けるのかぁとも思ったりするけど、いやいやチョット待ってくれ。

今回の「フラガール」は、え゛っ?なんでこんなところで涙が突然ブワーッとあふれ出してくるんだ?と、まるで何の前触れもなくピンポイントで襲ってくる通り雨のように唐突にあふれ出してくる涙に我ながら驚いてしまったのだが、そのような状態は今まで味わったことのない現象なのだ。。

はたして三十路にさしかかろうとするオイラの涙腺のしまりが悪くなったのだろうか、と勘繰りたくもなったが、どうやらそういうことではないらしい。

この映画の裏表のない王道泣かせ演出にまんまとしてやられたようだ。

いや、推測ではなく断定していいのかもしれないが、だってこの裏表の無さというのがとにかくハンパないのだから。

もうどこかで見たようなベタもベタベタなお涙頂戴シークエンスの積み重ねといってもいい今回の映画は、話の展開がまる見え見えで、例えばしずちゃんの父親が落盤事故に遭ったという報せが届き、舞台を中止にして帰り支度を始めようというその時に「私、踊ります!」と意を決するしずちゃんに一同一致団結。しかし、舞台を終えて帰ってきたらやはり定石通り父親は亡くなっていて、死に目に立ち会えなかった悲しみの中で舞台に立たせたまどか先生(松雪泰子)に批判の矛先が向けられ、、、というくだりは、あまりにもベタな展開とベタな演出に思わず失笑してしまうようなところなのだけど、ここでフツーにウルウルきてしまうのがこの映画のスゴイところなんだよね。。

この映画の根幹をなす裏表のない王道泣かせ映画は、言葉をかえれば安田大サーカスと張り合えるくらいのベタな展開とベタな演出によるお涙頂戴映画と言い換えることができると思う。

しかもこのベタベタさには、何の奇も衒いもない安易でお粗末な演出がつきもので、それがどこかであざとさとなって露骨に表れてきてしまうものなのだ。

しかし、今回の映画は恥ずかしげもなく前面にそういうベタベタ演出を出し切ること、そして登場人物および役者陣のアツイ本気度が充満する熱意とパワーによってあざとさを打ち消してしまっているのだ。

アメリカ映画なんかはこういうのをお得意とするけど、日本映画がこれをスクリーンの前面に出し切ってリアルな形にしたというのはちょっとした事件だと思う。

例えば、映画の中盤、紀美子(蒼井優)がフラダンスの練習をしていることを知った母親(富司純子)が紀美子に猛烈なビンタを食らわせるシーンがあったけど、オイラはここでいきなりウルッウルッウルウルッときてしまい、えっなんでこんなとこで涙腺がゆるむんだと我ながらビツクリしてしまった。

しかし、このシーンでの富司純子と蒼井優の本気度100%の迫力ある母娘のやり取りに圧倒されてしまい、この映画はフラブームに便乗した単なるお遊び感覚の映画じゃなくて、真摯に本気な映画なのだと襟を正して受け取ることができた。映画の中に完全にのめり込ませる分岐点となる重要なシーンだったと思う。

ベタベタ演出に徹した監督の力量はそれはそれでスゴイけど(笑)、やはりこの映画は役者陣の迫力と出来によるところが大きい。

「花とアリス」で紙コップをシューズ代わりにしてバレエを踊った蒼井優は今回も心に迫る踊りを披露してくれたし、都落ちしてきたといってもいいまどか先生の嗄れたような飲んだくれ姿をリアルにさらけ出した松雪泰子。深く厳しい年輪を刻んできたおっ母さんを迫力満点で演じた富司純子。立ちション姿などがやけにさまになっていたトヨエツ。大いに泣かせてくれたしずちゃんetc...皆ただそこにいるだけで十分すぎる存在感をスクリーンに焼き付けてくれた。

ちびまる子ちゃんのお父さんだったはずの高橋克美までもが強烈な存在感の親父になっちゃってたりして、、、とにかく役者魂ともいえるオーラを全員が出していて素晴らしかった。

現在日本に残っている炭鉱はたったの1つのみというリアルな現実(夕張に引っ越していった早苗のその後がすごく気になる・・・)がスクリーンの外に厳然として横たわっている。そんな寂れていくだけの炭鉱町で自分たちの未来を見出すことができない中、ある者は明日への扉をこじ開けようと、ある者はヤマの歴史を守り抜こうと、それぞれの想いの中で懸命に情熱をかけて生きる人々のリアルな姿は胸に迫るし、「ウォーターボーイズ」的なユーモアが程よく織り込まれているのも、この映画を味わい深いものにしている。

そういう点では何かイギリス的というか「リトル・ダンサー」とか「フル・モンティ」なんかに通じるものがあると思う。

そして、忘れてはならない大きな要素である方言がまた良いんだよねえ。

本当に心から素晴らしいと言える映画だった、と思います。

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同胞(1975年・松竹・127分)WOWOW

 監督・脚本:山田洋次

 出演:倍賞千恵子、寺尾聰、岡本茉莉、下條アトム、市毛良枝、渥美清

 内容:過疎化が進む岩手県松尾村。ある日、村の青年団長の斉藤高志のもとを、統一劇場職員の河野秀子が訪ねて来る。彼女は、統一劇場のミュージカル公演を青年団主催でやってほしいと依頼する。が、公演費用に65万円かかると聞かされた青年団は二の足を踏むのだが・・・。

評価★★★★/80点

昭和53年生まれで岩手育ちの自分にとっては、当時の盛岡の風景や農村の風土、そして美麗にそびえる故郷の岩手山の変わらない姿を見られただけで大満足。

映画の方も田舎の若者たちが演劇公演を実現成功させるために奮闘するという正直どうでもいいような話でありながらw、地元住民も多く出演するセミドキュメンタリータッチが平凡な群像劇にリアリティとほとばしるような熱をもたらしていて、見応えも十分。実話の持つ強度がフィクションを軽々と飛び越えて良い方向に昇華した好例だといえよう。

そして、それを実現させた山田洋次の温かな人間賛歌に拍手

でも、根本的なところでピンとこなかったのが公演費用にかかる65万円っていう額なんだけど、昭和50年の65万ってそんな二の足を踏んでしまうような金額だったのだろうかw

赤字になったら牛を売るっていうくらいだから、相当なもんなのかな??

まぁ人口7200人でチケット850枚売るって、村をあげての一大イベントであることはたしかだけどもね。。

でも倍賞千恵子演じる劇団の営業って、、一部押し売り入ってるよね

2008年5月11日 (日)

夢のシネマパラダイス411番シアター:cinema慰霊大社第33柱/世界の片隅で愛を叫ぶ館

cinema慰霊大社とは、オイラが今まで観てきた映画の中で、今後再見する可能性が極めて低い映画たちが怨霊となって祟りを成さないように祀って封印するための施設である。なお、合祀は日々続けられている。。

祭神名票No.234:クジラの島の少女(2002年・ニュージーランド/ドイツ・101分)2007/02/11・東京国立博物館

 監督・脚本:ニキ・カーロ

 出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ラウィリ・パラテーン、ヴィッキー・ホートン

 内容:マオリ族の族長一家に生まれた少女パイケア。祖父は、男でない彼女を後継者とは認めようとしない。パイケアは、男たちに負けない努力を積むのだが・・・。因習に縛られた祖父と、それを覆そうとする孫娘の葛藤が、優しく淡々と綴られる。

評価★★★☆/70点

この際伝統などどうでもいい。あのジジイの心無い言葉には絶対に承服できない。

映画を観てるときはパイケアに免じて許してやったが、観終わってから時間が経つとやっぱどうしても引っかかる。

あんな娘、生まれてこなければよかった、なんて。50年後のオイラには言えねえよ。

フン、どうせオイラには伝統なんてありませんよダ。。

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祭神名票No.240:ぼくの国、パパの国(1999年・イギリス・96分)NHK-BS

 監督:ダミアン・オドネル

 出演:オム・プリ、リンダ・バセット、ジョーダン・ルートリッジ

 内容:1971年、マンチェスター郊外の街に住むジョージは誇り高きパキスタン人。彼は英国人女性のエラと結ばれ、6人の息子とひとりの娘に恵まれた。彼の願いは7人の子供たちを立派なイスラム教徒に育てること。しかし、子供たちは全員マンチェスター生まれの現代っ子。結婚式当日まで相手の顔さえ見られないパキスタンの因習を押し付けようとする親父に子供たちは猛反発!ついには家族崩壊の危機に・・・。

評価★★★/60点

日本版なら親父はビートたけしで、オカンは鈴木京香で、息子は・・・・オイ!「血と骨」やんけ、、、

ま、オイラからみるとあの親父さんも窮屈でかわいそうな生き方してるなぁと思っちゃうけど。。でも、奥さんをグーで殴るのは見ててめちゃくちゃ腹立った。

2008年5月 8日 (木)

レアル・マドリー狂想曲第42番:クラシコ圧勝!!!

Photo アッラアラアラ♪アッラ・マドリー!

前節アウェイのオサスナ戦で残り5分の逆転勝利で31回目のリーガ・カンピオンに輝いた我が愛しのレアル・マドリー。

そのレアルのベルナベウ凱旋となった今節第36節の相手は、宿敵バルセロナ。

そう、、、クラシコ!

バルサはビジャレアルに抜かれて3位。チャンピオンズリーグでもマンUに敗れ、今シーズンの無冠が確定している。

さて、今日の布陣は、、、、                        

                  カシージャス

             ぺぺ           エインセ

    Sラモス                          マルセロ

                      ガゴ

            ディアッラ

                            スナイデル       

                     グティ

                                ロッベン

                 ラウル 

  VS   VS   VS   VS   VS   VS   VS   VS

                   ボージャン

      アンリ                        メッシ

                          グジョンセン

              シャビ 

                   トゥレ・ヤヤ

    アビダル                        ザンブロッタ

                マルケス    

                           プジョル

                    バルデス

ちなみにレアルではカンナバーロが、バルサではデコとエトーが出場停止だった。

Photo_2 試合開始前の入場。

優勝を決めたら、次の対戦相手が花道を作るという慣わしがあるのだが、運悪く今回その役目はバルサが務めなければならない。

バルサ最大の屈辱(笑)。

この花道を作るのを嫌がって、エトーとデコは前節わざとイエローをもらい累積警告5枚目でクラシコに出なかったとまことしやかに言われている。。グフフ。

バルサに花道を作ってもらって、悠々と入場してくるマドリーのカンピオーネ達。まあまあ愛想よく握手しちゃったりなんかして。

余裕のレアル、屈辱に耐えるバルサ。

この時点で勝負あったのかもしれない。

小雨降りしきる中、ベルナベウ凱旋祝賀パーティーの幕が切って落とされる。

試合開始とともにレアルが水を得た魚のごとくピッチを勇躍。

今までだったら、中盤MFを3枚にして(ガゴ・グティ・スナイデル)、ロビーニョ入れて3トップ気味(要は4-3-3)にしていたのだが、今日の試合では、おそらく今シーズン初めてといえるMF4枚の布陣で臨んだ。

これがまた面白いように機能するんですわ。

Photo_3 ガゴ、ディアッラ、スナイデル、グティがほどよい距離感を保ったまま中盤を制圧。ガゴが中盤底に陣取り、前目にディアッラ。スナイデル、グティにロッベンは頻繁にポジションを入れ替えながら中盤を制圧。小気味良いパスサッカーを終始展開してくれた。

前半13分。

中盤底のガゴが右に開いていたロッベンへパス。そこからロッベンは縦に勝負し、ディアッラに1回当てたリターンをもらってバイタルエリアの中央にいたグティへパス、グティは左を駆け上がるスナイデルへ当ててそのままペナルティエリア内へ進入、スナイデルのリターンを受けたグティはマルケスとぶつかりながらもペナルティエリア中央寄りにいたラウルへパス、ラウルはそれを左足一閃でゴールにぶち込んだ!

なんという美しすぎるゴール!!7本のパスを繋げての美しく魅せるゴールだった。

これぞ、レアル・マドリディスモ!

この美しすぎるゴールで勝負はあったといっていいだろう。

前半21分にはグティのFKからロッベンがあのハゲ頭でゴール(笑)。めったにないヘディングでのゴールだけど、オサスナ戦でも決めてるんだよな。もしかして覚醒しちゃった??ハハ。いいぞいいぞロッベン!

Photo_4 後半になってもレアルの勢いは止まらず、18分にはその2分前にロッベンに代わって途中交代で入ったイグアインがファーストタッチでゴール!

つづく33分にもその2分前にラウルに代わって約2ヶ月ぶりにピッチに立ったファンニステルローイがファーストタッチのPKを決めてゴーール!!

4-0!

対するバルサは完全にメッシ頼みで、メッシさえ抑えればどうにかなるといったかんじ。

結局アンリに1点返されたものの、4-1で完勝!

Photo_5 今シーズン最高の締めくくりでリーガ優勝をお祝いすることができました。

おめでとうレアル!ありがとうレアル!

残り2試合怪我だけはしないようになっス。

そして、聖カシージャスのサモラ賞も目前です。オメデタが続くぜオイ♪

まあとにかくアディオス!ライカールト!

バルサは来シーズンどのように様変わりするのか・・・。

ま、そんなことはどうでもええことや。

レアルの来シーズンの目標は、リーガ3連覇とビッグイヤー獲得じゃん!

いっくでー!

アッラ・マドリー!                 

20世紀少年再読⑫

さっそく第12巻。

2014年の大みそか。第64回紅白歌合戦の大トリを務める春波夫の“ハロハロエキスポ音頭♪”とともに年が暮れていく。

2015年元旦。春波夫はマネージャーのマルオとともに“ともだち”の宮殿に謁見しに行く。全身に爆弾を装着していたマルオだったが、「死なないでくれ」というケンヂの声を思い出し自爆は断念する。

しかし、ともだちに謁見した春波夫が描いたともだちの似顔絵を見て、マルオは驚愕の表情を浮かべる。

そして、一人とあるマンションへと向かう。マンションの606号室へ。

(第3巻)1997年、クラス会の後、ケンヂがある人物をそのマンションの606号室に送っている・・・その人物とはフクベエ。子供3人と暮らしており、妻はカルト宗教にハマってしまい家を出て行ってしまった、と説明していたフクベエ。その後、ケンヂは子供たちにケンチャンライスを作ってあげる。

あれから18年。

マルオが606号室を訪れると、部屋には遺影が。見知らぬ男性が写っている。

その妻によると、前年(1996年)に夫を交通事故で亡くし、途方に暮れているところに、この家を貸してほしいと多額の報酬とともに持ちかけられ、自分は温泉でノンビリしていればいいと言われたという。それを持ちかけてきたのは、ともだちの団体の人だったという。

「ともだちが、誰だか分かりました。」

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一方、その頃ヨシツネの秘密基地では、ヴァーチャルアトラクションで小泉響子が体験した首吊り坂の屋敷の肝だめしが、実際とは1年ずれていたことが判明する。ヴァーチャルアトラクションでは1971年。しかし、実際は1970年。

ユキジ「ともだちの、嘘・・・?」

1970年は大阪万博。首吊り坂の屋敷。

1971年はドンキーが理科室で何かを見た年。

ともだちは何を隠そうとしているのか・・・!?。

1970年の万博のことを思い出すヨシツネ。

オッチョの大阪の親戚が万博に連れて行ってくれることになり、オッチョ・ヨシツネ・マルオは2泊3日の強行軍で万博に行ったが、ヨシツネは長蛇の列の中で熱射病で倒れてしまう。(第7巻)。ちなみにケンヂは千葉の勝浦に行ったため断念。(第7巻)。

が、当時、大阪に親戚がいたりして夏休みの間中ずっと万博三昧を送れる奴らを“万博組”と呼んでいた。その中に、山根もいた。「8月31日まで大阪にいます」という暑中見舞いが届いたという。

ということは8月29日にあった首吊り坂の屋敷事件には山根はいなかったことになる。

ユキジによると、夏休み明け、万博組が人気者になるはずが、ケンヂとオッチョが首吊り坂の屋敷でオバケを見たことで大騒ぎになり、ケンヂとオッチョが一躍スターになった。

「そしてあの時、なんだかクラスの男子の様子が変わった・・・」

1971年に歴史的に何があったのか調べるため小泉響子の日本史の教科書を見るヨシツネ。

と、血の大みそかの写真“巨大物体を操るテロリスト集団ケンジ一派”という掲載写真が目に入る。

そして、誰にこの写真を撮られたかを思い出すヨシツネとユキジ。

それは、その写真に写っていない人物=フクベエ。

ユキジ「思い出したわ、、、誰が撮ったか、、、」

ヨシツネ「実は小学校の同窓会の時、あいつが誰だか分かんなくてさ。ケンヂに言われてやっと思い出したんだ・・・」←このことからも20世紀少年再読③で推理したように、大人(40歳前後)のフクベエはフクベエではなくて、カツマタ君だと思う。

その同窓会で、小学6年(1971年)のスプーン曲げ事件の犯人に全員目をつぶらせた中で手を上げさせた(第3巻)ことを思い出すヨシツネ。

即、担任の関口先生に電話をし、そこで手を上げた人は誰だったのかを訊く。

ヨシツネ「悪い予感が、、、、当たったよ、、、。」犯人はフクベエ。

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その頃、前巻で大福堂製薬の役員からDr.ヤマネの住所を聞き出したオッチョと角田はそこに向かうが、3,4年前に引っ越したという。

そこで近所のオバさんから実家の住所を聞き出すが、その住所は「俺が小学校時代、住んでいた町」(オッチョ)だった。

オッチョ「山根君!?」

1969年、小学校4年生の記憶・・・・

ヤマネ「よげんの書ってつくってんだろ。」「友達から聞いたんだ。」「その他にももう一人知ってる。」・・・計3人が知っていることになる。フクベエ、ヤマネ、カツマタ君と思われる。サダキヨは小5で転校してきたので、知るはずがない。(が、第16巻のヴァーチャルアトラクションでは、1969年に秘密基地でフクベエとサダキヨが会っている。一方、第10巻のサダキヨの回想では1970年であり、矛盾している。もし1969年の方だとすればサダキヨが残りの1人ということになるのだが

ヤマネ「しんよげんの書を作ったんだ。もっと知りたければ図書室においでよ。絶対に誰にも借りられずにずっとある本を秘密の連絡に使ってるんだ!」

そのことを思い出したオッチョは小学校の図書室へ。

46年間ずっとある本。それは上巻がなく、下巻だけの本だった。

1967年発行の推理小説の下巻を見つけ出したオッチョが、その本をめくると1枚の紙がヒラヒラと落ちてくる。

実際に紙が挟まっていて落ちてきて絶叫したオイラ・・・(笑)。心臓止まりそうになりましたよ。。。

さて、その紙には“ひみつ集会のおしらせ 日時西れきのおわる年 2015年元日の夜 場所 理科室”と書いてある。

「今日だ・・・」

理科室へ直行するオッチョと角田。

暗がりの理科室へ入ると、そこにはヤマネが一人、佇んでいる。

ヤマネ「1971年の夏、あの時ドンキーも理科室に入ってきて、水槽の電源スイッチを入れた。そして彼は机の上のアルコールランプを手に取り、それをかざして、見ない方がいいものを見た・・・。」「ともだちは、この理科室で生まれた。いや、、、死んだと、、、言うべきか」「ともだちは内緒にしたいんだ。あのことを、、、僕を殺しに、、、。」

そして、忍者ハットリくんのお面をつけたともだち現る!

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その同じ頃。

赤ちゃんの頃、ベビーカーから誰かに抱き上げられ連れ去られて、小学校の校庭に置き去りにされたことを思い出したカンナも小学校へやって来る。

同じく、ともだちの正体を突き止めたマルオも小学校を通りかかる。

、、、と銃声が響き渡る。

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再び理科室。

オッチョ「お前は誰だ!」

ともだち「僕はコリンズ。アポロ11号、、、アームストロングとオルドリンが月に着陸するのを月の周りをグルグル回りながら見ていた、かわいそうなコリンズ中佐。」(第1巻の小4時代・1969年の回想シーンでも同様のセリフが出てくる)

ともだち「誰も見ていてくれなかった。あんなにたくさんのスプーンを曲げたのに、、、誰か、僕を見てよ。」「あんなよげんの書じゃダメだ。そうだろ山根くん。」

ヤマネ「それで、しんよげんの書を作った。今となってはどっちでもいいことだ。」「結局、、、ニセモノなんだから。たくさん嘘をつきすぎて何が嘘だかも分からなくなったのかい?1番隠しておきたいのは70年の嘘?それとも71年のこの理科室での嘘?そうだよな、、あれを隠しておきたいんだ。だからドンキーを絶交したんだ。」

ヤマネ「君はこの理科室で一度死んだ、、、?いや、死んでなんかいない、それどころか、あの時、君は嘘をつきそこなった!!その事実を目の当たりにしたドンキーを絶交し、そして今度は僕を絶交しようというわけか。」

そして、ヤマネはともだちを銃で撃つ・・・。が、ヤマネも、理科室から出たところの廊下でともだちの部下に射殺されてしまう。

オッチョがお面を剥ぎ取ると、それはフクベエだった・・・。

2008年5月 3日 (土)

夢のシネマパラダイス399番シアター:Based on A true story

ボーイズ・ドント・クライ

00000573046 出演:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー、ピーター・サースガード、アリシア・ゴランソン

監督・脚本:キンバリー・ピアース

(1999年・アメリカ・119分)DVD

評価★★★/65点

内容:アメリカ、ネブラスカ州。華奢な青年ブランドンは、その無邪気な笑顔と気の良さで人気者になっていった。しかし、ある事件がきっかけで彼が実は女であるという秘密が暴かれてしまう。以来、人々の態度は豹変し・・・。性同一性障害に悩む女性を演じたヒラリー・スワンクがアカデミー賞主演女優賞を受賞。

“金八先生を緊急派遣せよ!”

映画の方は実話なんだろうけど、同じ性同一性障害を扱ったものとしてはやはり上戸彩版の金八先生の方が上。

ところで、この映画の中で自分が1番気まずく感じてしまったのが、ラナの母親だ。

この映画の中では1番普通かつ良識的な位置にいるはずのラナの母親。しかし、ブランドンを快く迎え入れる表の顔が、一転して真相が知れるやブランドンを化け物呼ばわりする裏の顔へと変貌を遂げる。

人の親として自分の娘を守るのは当然としても、ブランドンへの差別意識と性同一性障害に対する無知の側面があったことは否めないだろう。

その後の母親の行動を見ても、良識的な表の顔と裏の顔が行ったり来たりして、あるところでは前面に出てきて、あるところでは逃げに回るのだ。

そして、それはおそらく自分にも当てはまってしまうわけで・・・。

だからラナの母親を糾弾できかねる自分がいて、、、ブランドンのような人にはあくまでも第三者的な視点でしか見てこなかった自分がいきなり当事者になったらどうなるのか。

この映画を観て、逆になんだか自分が見られているような、試されているようなそんなかんじがしてスゴク気まずくなってしまった。。

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シャイン

Img6cfa753a0lbqw7 出演:ジェフリー・ラッシュ、アーミン・ミューラー=スタール、ジョン・ギールグッド

監督:スコット・ヒックス

(1995年・豪・105分)劇場・DVD

内容:オーストラリア出身の実在のピアニスト、デイヴィッド・へルフゴッドの半生を描いたドラマ。幼い頃から父にピアノを仕込まれ、天才少年として評判になったデイヴィッドは、イギリス王立音楽院への留学話が持ち上がるが、父は彼が家族から離れることを暴力的に拒否した。著名な作家キャサリンの励ましでようやく家を出たデイヴィッドは、セシル・パーカーに師事してコンクールにも出場するが、繊細な神経があだとなって精神に異常をきたしてしまう・・・。

評価★★☆/55点

この映画からはラフマニノフの技巧的かつ感傷的で豊かな旋律もモーツァルトの即興性や優雅さも感じられない。まるでネコ踏んじゃった♪を一様なリズムでずっと聴かされているようなかんじで、自分の中で全く盛り上がらず・・・。

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クール・ランニング(1993年・アメリカ・98分)Video

 監督:ジョン・タートルトーブ

 出演:リオン、ジョン・キャンディ、ダグ・E・ダグ、マリク・ヨバ

 内容:1988年、オリンピックを目指していたジャマイカの陸上選手デリスは、予選会の当日、隣で転倒した選手に巻き込まれて敗退してしまった。しかし、彼はひょんなことからアメリカ人の元ボブスレー金メダリストのアーブと出会い、ボブスレーが何なのかも知らぬままアーブのコーチのもとで冬季五輪出場を目指すことになる。しかし、雪を見たことすらないデリスの挑戦は簡単には実を結ばなかった・・・。1988年、南国ジャマイカからカルガリー冬季オリンピックに出場したボブスレーチームの奮闘ぶりを、実話をもとに描いたスポーツ・コメディ。

評価★★★★/80点

まるで、こち亀で4年に1度オリンピックのある年に姿を現す日暮さんのように、4年周期で必ず押し入れの中からヒョコッと姿を現す作品。

今日また押し入れの収納ケースの1番奥の下に眠らせました。

さあ、4年後!

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エレファント(2003年・アメリカ・81分)2004/05/30・仙台フォーラム

 監督・脚本:ガス・ヴァン・サント

 出演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト、エリック・デューレン

 内容:コロンバイン高校の銃乱射事件をもとに描き、カンヌ国際映画祭でパルムドールと監督賞を受賞した話題作。事件当日の、いつもと変わらない生徒たちの姿が、ドキュメンタリータッチで淡々と綴られていく・・・。

評価★★☆/50点

こんな一歩も二歩も引いたTVゲームばりの映画を見せられたオイラは、逆に一歩も二歩も踏み込んだPS2のバイオレンスゲーム“グランド・セフト・オート”を無っ性にやりたくなってしまった。

こんな映画見せられても結局オイラは今日もGTAをやりまくり、チンピラを殺しまくってゴッドファーザー気分を楽しむのだった。

そういう事の顛末と影響しか与えられなかったこの映画の罪は、大きい。

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赤い月(2003年・東宝・111分)WOWOW

 監督:降旗康男

 出演:常盤貴子、伊勢谷友介、香川照之、布袋寅泰、山本太郎、大杉漣

 内容:1934年、小樽から夫・勇太郎(香川照之)とともに満州へ移住した森田波子(常盤)。家業だった造り酒屋が繁盛し成功を収めた彼らは、3人の子供を育てながら幸せに暮らしていた。また、自由奔放な恋愛をまっとうしようとする波子は、かつての恋人で軍人の大杉(布袋)や、関東軍諜報部員の氷室(伊勢谷)へ淡い想いを寄せていた。しかし、1945年8月、ソ連軍の満州侵攻により状況が一変する・・・。戦禍の中で子供たちを守るとともに固い信念で生きていくひとりの日本人女性の波瀾の半生。直木賞作家、なかにし礼の実体験をもとに書かれた同名小説の映画化。

評価★★/40点

生きていくためには愛する人を作らないと生きていけないのよ!とエッチ場面を子供に見せびらかす豪放ママの生命力はたしかにスゴイが、いろんな意味で、戦争よりも大きなトラウマを抱えるに至った姉弟のことを思うと心が痛む・・・。

っていうか、ある日、社長が指を詰めた自分の切断した小指が入ったビンを持ってきて、「お前ら!オレについて来い!」と言ったら、社員のあなたはどうしますか?

オレ、辞めるよ、うん(笑)。え?極限状況を表現するにはあれしかないって?

なんだかなぁ、、ついていけないシーンがちらほら・・。

というのはさておき、オイラの祖父母も戦時中に満州の牡丹江に日本人開拓団として入植してたそうで、終戦の大混乱の中、祖父ちゃんはソ連軍に連行され苛酷なシベリア抑留を体験。祖母ちゃんは生後数ヶ月の乳飲み子を抱え1年以上中国東北部から朝鮮半島を必死の逃避行をし命からがら日本に帰還することができたという。

その苛酷な1年以上を乳飲み子を抱えた祖母ちゃんはどう潜り抜けてきたのだろうか。ついぞ祖母ちゃんの口から語られることはなく、今は寝たきり状態になってしまった・・。

乳飲み子を手放していたら間違いなく残留孤児になっていたと、その乳飲み子の弟にあたるオイラの親父が言ってたっけ。今は東京在住でオイラの口うるさい伯母さんです(笑)。

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かまち(2003年・日本・115分)WOWOW

 監督:望月六郎

 出演:Lead、大沢あかね、檀ふみ、姫野史子

 内容:1977年夏、エレキギターによる感電死というウソのようなホントの話で弱冠17歳でこの世を去った多才、山田かまち。彼の生涯を中心に、彼の生きた70年代の若者たちと、かまちの残した膨大な作品(詩、絵画、音楽)を通して彼を知る今の若者たちを交差させた構成で描いた青春伝記ドラマ。

評価★★/40点

映画を観るまで山田かまちってどういう人だったのか分からなかった。

しかし、映画観てもどういう人だったのか分からなかった・・・(爆)。

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