夢のシネマパラダイス410番シアター:ザ・ドキュメンタリー
いのちの食べかた
(2005年・独/豪・92分)WOWOW
内容:我々が普段何気なく口にしている食べ物が、実際にどのような生産・加工工程を経て食卓に並ぶのかを丹念に取材・撮影したドキュメンタリー。
評価★★★/65点
チャップリンの「モダン・タイムス」(1936)から70年後の世界。
ベルトコンベアで運ばれてくるのは部品のネジではなく、ヒヨコに豚に魚だったというオチ。。
しかし、そこで働く人間がどこまでも無表情なのはいつの時代も変わらないようで、そこにはユーモアのひとかけらもない。
そんなどこまでも機能的かつ機械的な映像の意図するところはよく分からなかったけど、見ていてなにか空恐ろしさみたいなものを感じてしまったのはたしか。
徹底した合理化と効率化の果てにあるところには、太陽の光も差さなければ土の匂いもしない、無機質な世界が広がるばかりで、そこに多少なりとも違和感を感じてしまったのだけれど。
しかし、何の違和感もなく享受している今の便利な世の中に、この無機質な世界が多大な貢献を果たしていることもたしかなわけで、そう考えるとなんだかなぁ、、という思いにとらわれてしまう。。しかも、普段メシ食べてる時に、他の命を頂いて食べてるなんてこれっぽっちも頭にないし・・w
スーパーに行けば簡単に手に入るモノと化してしまったいのちの数々。
子供にはトラウマになりそうな衝撃映像があるので見せるのは酷だと思うけど、大人は見なければならない作品かもね。
ただ、あまりにも淡々とした映像の羅列は少々飽きがくるのもたしかで、シュールなドキュメンタリーといえば聞こえはいいけど、分かりやすい主義主張で押してくるプロパガンダ映画や説教臭映画の方が好きなオイラには物足りない面もあったかなと・・・。
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テルミン(1993年・アメリカ・83分)NHK-BS
監督:スティーブン・M・マーティン
出演:レオン・テルミン、トッド・ラングレン、ブライアン・ウィルソン
内容:ロシアの天才科学者レオン・テルミン博士の半生をつづったドキュメンタリー。1920年に発明した世界初の電子楽器“テルミン”は、演奏者が空間で手を動かすだけで本体に直接触れることなく音を出す奇妙奇天烈な楽器だった。やがて、“テルミン”はアメリカに渡り、ハリウッドなどで重宝されていくのだが、本作ではそんなテルミンの発明者であるだけでなく、ロシアという国家において諜報活動などに従事するなど別な顔を持つテルミン博士が歩んできたその数奇な運命をたどっていく・・・。
評価★★★/70点
音楽が文字通り音を楽しむものならば、テルミンは楽しさからはかけ離れている。
楽譜に音符を落とせない所在の危うさと音の危うさが言い知れぬ不安をかき立てる。
そしてそれがテルミン博士の人生ともダブるのがまた妙な相乗効果を生んでいて、やはり何か不穏な空気がジワジワと観る者に迫ってくるのだ。
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アトミック・カフェ
共同監督:ケヴィン・ラファティ、ジェーン・ローダー、ピアース・ラファティ
(1982年・アメリカ・89分)WOWOW
内容:米ソの原爆製造が盛んに競われていた40年代後半から50年代に、アメリカ政府が国民用に製作した数多くの原爆PRフィルムやニュースフィルム、言い換えれば北朝鮮ばりの異様かつナンセンスなプロパガンダ映像をナレーションを一切付けないで再編集した異色ドキュメンタリー。ちなみに監督のケヴィン・ラファティはジョージ・ブッシュのいとこ。
評価★★★/70点
“なんかこの映画を当のアメリカ人は笑って見てそうで恐い。”
アメリカの外にいる人でないと、この映画が伝えようとしていることというのは半分も伝わらないと思う。
アメリカの内にいる人がこれ見ても、だって不安だし心配だし仕方がないじゃねえかとか、いつ攻撃されるか分からないやろ、結局備えあれば憂いなしなんだよ!と御託を並べるだけのような気がする。
ま、アメリカほど情報操作の巧い国はないからね。ある意味1番かわいそうなのはアメリカ国民なのかも。
アメリカの外にいる一介の日本人にすぎないオイラなんかは、ナレーションが皆無というだけで恐れおののいたけど。。
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らくだの涙(2003年・ドイツ・91分)DVD
監督:ビャンバスレン・ダヴァー、ルイジ・ファロルニ
内容:モンゴル、ゴビ砂漠の壮大な自然を背景に、羊やらくだとともに生活を続ける遊牧民の大家族に密着。育児拒否をする母らくだと白い子らくだが家族の手助けで徐々に心を通わせていく姿を捉える。
評価★★★★☆/85点
“風の神さまが呼んでいる。”
はじめてのおつかいモンゴルゴビ砂漠編。
馬頭琴の音楽家を呼びにラクダに乗って県庁へ行ってきてくれないかな。ついでに電池を6コ買ってきてもらいたいの。できる?あっホントに。じゃあ、気を付けて行ってくるんだよ。
良い映画だ。
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スーパーサイズ・ミー
(2004年・アメリカ・98分)2005/01/21・仙台フォーラム
内容:2002年、肥満症に悩む2人の女性がマクドナルド社を提訴。これをネタに、M・スパーロック監督がファストフードを1日3食&1ヶ月間食べ続けたらどうなるかを、自らを実験台に検証した異色ドキュメンタリー。日ごとに肥大する彼の身体に次第に異変が・・・。
評価★★★/70点
“アメリカ人を揶揄するだけで済むような問題でないことだけはたしかだ。これは現代人に共通する問題。”
例えば、1日3食1ヶ月間カップラーメンを食べ続けたらどうなるか、だとか1日3食1ヶ月間コンビニ弁当を食べ続けたら、1日3食1ヶ月間デパ地下やスーパーのお惣菜を食べ続けたら、、、一体どうなるんだろう。
ていうかざらにいるかもな、こういう人。
ま、身体に悪いと薄々知りつつ食べてるんだろうけど。オイラも含めて。
オイラの周りにもいるからなぁアブない人(笑)。
運動もしてないのに水代わりにガブガブ清涼飲料水飲んでる人だとか、缶コーヒー1日何本も飲む人だとか。
うちの栄養士さん言ってたけど、砂糖がハンパなく入ってんねんてな。糖尿病の扉を叩きたい人にはうってつけらしいっス。
とかく現代人は常日頃から何かしらの毒素を摂取しつづけているわけで、要はいかにそれら毒素を体内から排出するかが問題なわけで、デトックスてやつだよね。
やはり1番手っ取り早いのは運動して汗を流すということ。現代人に1番足りない不足していることやな。オイラもヤバイなぁ・・・。
でも、映画に出てきた若い黒人2人組の兄ちゃんが、運動してるからマックたらふく食っても大丈夫なんだよと自慢げに話してるのもなんだかな。ソーダを毎日8リットル飲んで失明した親父のことも笑うに笑えないし。。
でも、マック食べてゲロる奴は初めて見たゾ。
そっかぁ、先進国の少子化問題はこういうところにも原因があったのかぁ(笑)。
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