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2008年2月15日 (金)

夢のシネマパラダイス397番シアター:誰もが必死に生きたあの時

少年時代

8fad94n8e9e91e3 出演:岩下志麻、細川俊之、芦田伸介、大滝秀治、河原崎長一郎、藤田哲也、堀岡裕二

監督:篠田正浩

(1990年・東宝・117分)DVD

内容:第二次世界大戦中、東京から富山に疎開してきた少年と疎開先で出会った少年たちとの友情と別れを描いた物語。昭和19年夏、小学5年生の風間進二は富山に疎開することになった。富山で最初に仲良くなったのは地元の少年たちのリーダー・武だったが、武は学校の級友たちの前では進二に高圧的な態度をとる。隣町で悪童たちに取り囲まれた進二は武に助けられ、2人の間の友情を改めて確認した、が・・・。

評価★★★★★/95点

小学校で3回、中学で1回転校を経験したオイラにとって、進二の何も考えてなさそうで実は抜け目のない処世術は、分かるを通り越して自分の記憶神経を痛いほどビリビリ震わせる。

それでいて最も映画的な場面をラストにもってくることによって、陽水のいろいろ考えてそうで実際抜かりのない歌が、感動を通り越して自分の顔面神経をこれでもかというほど無茶苦茶に震わせる。

けっこうズルイ戦法で攻められて、まんまとオイラもそれに引っ掛かっちゃったな。。。

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美しい夏キリシマ

Kiri 出演:柄本佑、小田エリカ、石田エリ、香川照之、左時枝、牧瀬里穂

監督:黒木和雄

(2002年・日本・118分)2003/12/11・岩波ホール

内容:1945年夏の霧島地方。15歳の中学生・日高康夫は、満州から霧島の祖父母の家に戻り、跡取りとして暮らしていた。村には本土決戦に備え日本軍が駐屯し、村の人々の生活にも戦争の影は忍び込んでいた。夫を亡くした日高家の小作人イネ(石田えり)は駐屯兵(香川照之)との情事に溺れ、一方、日高家の女中はる(中島ひろ子)は片足を失った帰還兵(寺島進)のもとに複雑な心境になりながらも嫁いでいく。また、康夫もかつて空襲で親友が爆死するのを目の当たりにし一人生き残ったことに罪悪感を抱いて苦悩し続け、すっかり心を閉ざしていたのだった・・・。

評価★★★★/80点

戦争というバカでっかい罪から雨後のタケノコのごとく生み落とされる罪過の数々は、ほんの小さな日常にまでも染み出してくる。

そして、それらを大きく包み込み静かに見定めるキリシマの自然と風景。

その対比が何よりも罪で残酷だ。

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鬼が来た!

Oni 出演:チアン・ウェン、香川照之、チアン・ホンポー、ユエン・ティン、澤田謙也

監督・脚本:チアン・ウェン

(2000年・中国・140分)2002/05/07・イメージフォーラム

評価★★★★★/100点

内容:第2次世界大戦末期の中国のとある小村を舞台に、ひょんなことから日本兵を匿うことになってしまった村人の困惑と日本兵との奇妙な交流を、ときにユーモラスに、そして衝撃的に描いた問題作。1945年冬の旧正月直前、中国華北地方の寒村・掛甲台村。深夜、青年マーのもとに男が突然現れ、2つの麻袋を押し付け、大晦日までそれを預かるように脅して去って行った。そして、その麻袋の中に入っていたのは、日本兵・花屋小三郎と通訳の中国人・トンだった。マーはあわてて村の長老たちに相談し、結局約束の日まで2人をかくまうことになるが・・・。2000年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したが、中国では上映禁止処分になっており、チアン・ウェン監督も映画製作活動を数年間禁止されたが、07年に新作を発表し、ベネチア映画祭にも出品された。また、チアン・ウェンがこの映画を撮ろうと思い立ったのは、1997年に靖国神社の一角で花見をしていた旧日本軍の兵士と話をしたところ、彼らが中国での侵略行為に何の罪も感じていないことに驚愕したことがきっかけになっているという。

“初めて分かった。無条件降伏ってどういうことなのか。。”

自分は今まで一度も戦争映画に降伏したことがない。

涙を流して敗走したことはあっても、両手を挙げて降伏したことはなかった。

しかし、この映画で自分は初めて降伏した。

しかも両手を挙げる気も失せ投降することもできず、ただじっとその場にどっかと座り込むことしかできなかった。

人は完膚なきまでの完敗を喫したときに思わず笑みを浮かべるというが、まさにそんな余韻を味わされたのだ。

話は脱線するが、映画公開当時に新聞でこの映画の紹介記事みたいなのを読んだことがあって、その中で日本、中国のスタッフの間で歴史観や映画の中の描写などで様々な衝突があり、撮影現場も大変だったという説明がされていたのを覚えている。

そしてつい先日、この映画に出演していた香川照之の「中国魅録/鬼が来た!撮影日記」という本を読んだのだが、これがまた映画に負けず劣らずもの凄いのである。

香川さんはこの中で、「この作品の狂気が100だとすれば、撮影現場の狂気は1000くらい凄いものだった」と述べている。

まさに撮影現場も文字通りの生の戦場だったのだ。

狂気から狂気は生まれる。狂気を生み出すには自分が狂気に染まるしかない。

その点で、監督・主演を務めたチアン・ウェンの狂気と闘気と意気と血気に勝るものはない。

スクリーン全体からもそれがよく伝わってくるのだが、ここでも面白いエピソードがあって、香川さんはチアン・ウェンのことを“天皇”と呼んでいたというのだ。別な映画(「ヘブン・アンド・アース」)では中井貴一がチアン・ウェンのことを“皇帝”と呼んでいたのも有名な話で、黒澤明が黒澤天皇と呼ばれていたのと同様な呼称であろう。

恐るべしチアン・ウェン。

しかしこの映画、あまりにも観ている人が少なすぎる。

この映画を周りに広めるくらいの闘気はオイラも出そう。

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