20世紀少年再読①(ネタバレあり)
浦沢直樹の20世紀少年の最終話で明かされた新ともだち(旧ともだちはフクベエ)の正体。
その名はカツマタ君。
あまりにもあっけにとられる顛末で、いまいち消化不良なので、1巻から読み直すことにしました。
ということで1巻ずつ気になったところなどをとりとめもなくメモ程度に雑記してまいります。
で、1巻なんだけど、けっこう重要なキーワードやコマがあったな。
ストーリーは現在の1997年と過去の1968~1973年を行ったり来たりしています。
整理すると、まず現在1997年、ケンヂは姉キリコの赤ん坊の娘カンナを背負いながら自営業の酒屋をコンビニに変えて店長として働いている。母親とカンナとの3人暮らし。
ある日、刑事のチョーさんがお茶の水工科大学の敷島教授一家失踪事件の聞き込みにケンヂのところにやって来る。チョーさんは、後々出てくる蝶野将平の祖父で、踊る大捜査線に出てくる和久刑事(いかりや長介)のようなベテラン刑事。
お得意さんの敷島教授の家にお酒の配達をしていたケンヂは、集金がまだだったので一応家に行ってみるが誰もいるはずもなく・・・。しかし、玄関の戸板にどこかで見たことのあるようなマークが・・・。そう、“ともだち”のマークだ。
小学生からの親友で今は蕎麦屋を営んでいるケロヨンの結婚式に文房具屋をやってるマルオやキンちゃん(誰なん?)と一緒に行く。
しかし、日を置かないで訃報が届く。
武蔵山工業高校の教師で、小学校の時の友達だったドンキーが投身自殺したというのだ。
が、そのお通夜の当日、ケンヂ宛に1通の手紙が。差出人はドンキー!!
「このマークを覚えていないか?」と。ともだちのマーク。。。
ドンキーの葬式には海外赴任から帰国したばかりのモンちゃんも来るが、葬式後すぐにデュッセルドルフに飛ばされることに。オイラ的にはこのモンちゃんも怪しいとにらんでいたのだけど・・。
葬式の場で、ドンキーが小学6年の時に理科室のある2階から飛び降りた回想話が語られる。
当時、理科室には夜な夜な幽霊が出るという話があった。
それは、理科の実験が大好きで、フナの解剖の前日に死んじゃったカツマタ君が夜な夜な理科室に化けて出て解剖しているというのだ。
その日、水槽係だったモンちゃんが水槽の空気ポンプのスイッチを入れ忘れてしまい、夜にケロヨン、コンチ、ドンキーの4人(しかし、そのコマを見ると、4人ではなく5人のシルエットが描かれている!)で夜の学校を訪れ、お化けを信じないドンキーが1人で校内に入っていく。そして、、、、何かを見た。
んでドンキーは2階から飛び降り、一目散に逃げ帰っていった・・・。
葬式から数日経って開かれたモンちゃんの送別会でまたまた重要な話が。
それは秘密基地を作った原っぱがボウリング場になるというので、みんなでタイムカプセルを埋めたという話。中身はおもちゃ、雑誌、エロいポスター、チキンラーメン、そしてケンヂが描いた巨大ロボットやレーザー銃の絵に混じって“ともだち”のマークも。。
そして“ともだち”の正体を探す手掛かりになるのが、このタイムカプセルの缶を埋める場面だ。そのコマを見ると、全部で11人いるのが確認できるのである。(ちなみにいつ埋めたかというのは、第14巻でボウリング場が1971年の夏休み中には営業していることと、1巻の描写から1970年・小5の秋あたりだと思われる。)
21世紀少年上巻の第3話のコマから、ケンヂ、マルオ、ヨシツネ、オッチョ、コンチ、モンちゃん、ケロヨン、ドンキー、ユキジの9人は確定。残る2人にフクベエやカツマタ君がいたのか確定はできない・・・。
また1巻で分かることは、秘密基地完成は1969年で、オッチョ(1997年現在は商社マンだが、タイ駐在中に行方不明になっている)が“ともだち”マークを作ったこと。ちなみに2巻でケンヂが1971年度の卒業生(小学校)とあるので、1969年時点では小学4年生となる。
この1969年7月20日には、アポロ11号月面着陸のTV中継をケンヂの家でケンヂとドンキーが一緒に見ているが、途中でケンヂは挫折。結局ひとり粘っていたドンキーが翌21日お昼に歴史的瞬間を見ることができた。神社の境内で眠たい目をこすっているケンヂ、マルオ、ヨシツネのところにドンキーが興奮覚めやらぬ顔で一目散にやって来るが、そこに“ともだち”の後ろ姿とおぼしき少年が写り、一言「月面にひとり降り立つことができなかったコリンズ中佐がかわいそうだ」と言う。
また、これも言うまでもないが、ドンキーは自殺なんかではなく、殺害された。犯人は、武蔵山工業高校の元教え子で、お茶の水工科大学の学生田村マサオ。
さらに、21世紀少年で重要な場所となる駄菓子屋“ジジババ”も登場している。アイスがめちゃくちゃ美味いんだそうな。。
②へつづく・・・
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コメント
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フクベエって旧ともだちなの?カツマタくんが旧ともだちだとおもってた…
投稿: ☆mimi★ | 2009年2月15日 (日) 16時46分
>カツマタくんが旧ともだちだとおもってた・・・
なるほど・・。これは完全に盲点でした。。ありがとうございます。
そっかぁ、そういう見方もありですよねぇ。
その視点で読むと、また違ったものが見えてくるのかも・・。こりゃ、もう1回読み直さないとアカンかぁ(笑)!?
投稿: スィーず | 2009年2月15日 (日) 16時56分
ネタバレ全開ですので、これから映画を見る方は完全スルー願います。
m(_ _)m
公開初日、実写版第3章つまり最終章を見ましたが,解剖前日に死んだのはカツマタくんではなく なんとふくべぇ!ところが同窓会に顔を出したカツマタくんを みんなが「ふくべぇ」と間違えて、本人(カツマタくん)もそれを否定せず,そのままふくべぇに成りすました…。つまり実写版でのトモダチは新も旧もなく最後まで1人=ふくべぇを名乗るカツマタくん て事でした(驚)。
実際に生きて一緒に学生時代を過ごしたはずなのに誰からも死んだ(忘れられた)と思われていた…子供の頃の記憶とはなんと曖昧なものか…それとともにカツマタくんの存在(影)の薄さ…そんな子が自分を世界に認めさせる為にバケモノ「トモダチ」になった…ある意味、納得できる終わりではあったかな。
それよりすべてが一件落着した後、オマケ的に加えられたエピソード…ケンジが「トモダチを作ってしまったのは俺たちじゃなく、オレだ!オレにはまだやらなきゃならない事がある…」と、トモダチランドのバーチャルを使って小学生万引き事件と中学放送室占拠事件の日に戻って過去の自分と過去のカツマタくんに「決着」をつける…あのくだりのお陰で、とても爽やかな気持ちで見終われました。あのお陰でイイ映画になった気がします。泣けた…。
投稿: さまよい☆ | 2009年8月30日 (日) 09時55分