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2007年10月 1日 (月)

夢のシネマパラダイス335番シアター:茄子アンダルシアの夏

4988021118736 声の出演:大泉洋、筧利夫、小池栄子

監督:高坂希太郎

(2003年・日本・47分)DVD

評価★★★★/83点

内容:灼熱の太陽照りつけるスペイン・アンダルシア。そこでは現在、世界3大自転車レースのひとつであるブエルタ・ア・エスパーニャが行われていた。レーサーのぺぺ・ベネンヘリが所属するチーム・パオパオビールは撤退をほのめかすスポンサーにアピールするため今回のステージで大きな勝負に打って出ることに。エースを補佐するアシスタントレーサーに過ぎないぺぺが地元アンダルシアで熱く燃える!と、その頃村の教会ではぺぺの兄アンヘルとぺぺの幼なじみでもあるカルメンの結婚式が執り行われていた。実はぺぺはかつて兄とカルメンを取り合ったのだが、レーサーになることを選んだぺぺはカルメンをあきらめたという経緯があった。。。監督の高坂希太郎は多くのジブリ作品に関わり、千と千尋では作画監督まで務めている。

“上映時間47分。キャラ確立時間47分。ゴールじゃなくてスタートラインに今立ったばかり。”

だからまだ先を観たいと思わせてくれたのです。

だからアンダルシアの真っ青な空と夕暮れのあかね空が笑顔いっぱい楽しさいっぱい、そしてほんのちょっと哀しくも見えたのです。

終わってほしくなかったから。

でも、これは贅沢な悩みかもしれないね。2時間も付き合った挙句、かえってこちらの頭が痛くなってくる映画なんてごまんと見てきたからなぁ。。アニメ映画でも。

でも、よくもまぁ“スタートライン”というゴール地点のテープを颯爽と切ることができたなぁと感心せざるを得ない。

短編ではキャラの背景など全てを描ききるのは不可能に近いのだけど、この作品には観る者に想像力を働かせて背景や裏にある物語を読み取らせ補完させるたしかな力がある。

特に絵で語らせる力というのは、絵柄が似ているかどうかはともかく宮崎アニメに近いものがあると感じた。

最初の10分はつかみとしても別に何も取り立てて言うべきところもないくらい平凡で、ああ、こりゃ(映画として)ゴール地点逸れて崖下転落だなと思ったりしたくらい。

ところが後半猛烈な差し足を見せるんですなぁこの映画。思わず見入ってしまいました。

そして脇キャラも含めて見事キャラ確立地点へゴール!

さあ、そして皆いっせいに今スタートラインにつきました、、、てなところなのだけどね。

名残惜しいところで終わるのが1番いいのかもしれないけど。。

でも決して後ろ髪を引かれすぎることのない潔さと爽やかさであふれていて、後味はよろしかったです!

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