夢のシネマパラダイス341番シアター:心の師との出会い
タイタンズを忘れない
出演:デンゼル・ワシントン、ウィル・パットン、キップ・パルデュー
監督:ボアズ・イェーキン
(2000年・アメリカ・114分)MOVIX仙台
評価★★★★/80点
内容:1971年、バージニア州の町アレキサンドリア。黒人公民権運動による統合政策で黒人と白人に分かれていた学校が合併し、フットボールチームも統合される。ハーマン監督に率いられたチームは一丸となって戦うことができるのか!?
“絶対忘れない。”
人種問題を扱っていながら、あくまでも青春映画を基点としている描き方をしている点が個人的には良かった。当時のヒップホップにのせて楽天的に描かれていたので見やすかったし。
ただその反面、感動の安受け売りともとられかねない浅いつくりになっているともいえるのだけど。実際はもっと厳しい現実があったのだろうし。。
だから自分としては、まずはこの映画を忘れないように記憶にとどめておこうと、それがいまだにつづくこの問題を考えていく手助けにもなると思う。
だから、とにかく忘れません。
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小説家を見つけたら
出演:ショーン・コネリー、ロブ・ブラウン、F・マーリー・エイブラハム、アンナ・パキン
監督:ガス・ヴァン・サント
(2000年・アメリカ・136分)仙台フォーラム
評価★★★★/80点
内容:ニューヨークのハーレムに住みプロバスケ選手を目指す少年が、ふとしたことから近所のアパートに住む謎の老人と知り合う。やがて、作文の成績が認められエリート校に転校した少年は授業の課題で、その老人がかつて文壇で活躍していた小説家だったことを知る。
“16歳の埋もれた原石と伝説と化した埋もれた化石が光りを発するまで。”
16歳の埋もれた原石は光り輝こうとするために、一方伝説と化した埋もれた化石は光りを取り戻そうとするためにもがき葛藤する。
しかし、その葛藤は2人の出会いがなければおそらく生まれなかっただろう。
なんて重要でかけがえのない出会い。
いや、そもそも彼がバスケをしてなかったら、その出会いにさえたどり着けなかったかもしれない。
全てに意味も意義もあったのだ。ムダではなかったのだ。
それゆえ彼の外したフリースローシュートにも僕たちは意味を見出すことができるのだ。
そして葛藤とは、生きる目的を照らそうとすればするほど、明確にしようとすればするほど強まっていくものであり、それ自体真に生きていることの証でもある。
そのことだけをとっても、2つの埋もれた原石と化石は出会った瞬間すでに光りを発し始めていたといえるのかもしれない。
だからこの映画に観る方も自然と吸い込まれていくのだろう。
また、言葉、そしてそれを表現する文章には少なからぬ即興性という要素があると思うが、音楽の中でも特に即興性の強いジャズをバックグラウンドに使ってくるとはなかなかシブいと思わせました。
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ワンダー・ボーイズ(2000年・アメリカ・111分)NHK-BS
監督:カーティス・ハンソン
出演:マイケル・ダグラス、トビー・マグワイア、ロバート・ダウニー・Jr、フランシス・マクドーマンド、ケイティ・ホームズ
内容:かつてはワンダーボーイと騒がれた文学教授のグラディだったが、今や50代を迎え、7年前に書き始めた新作は2611ページ書いても未完のまま。さらに学長のサラとは不倫中で、妻とは別居中。そんな中、大学で開催される文学部のイベント、ワードフェストが開かれるが、グラディの教え子ジェームズの登場で思わぬことに・・・。
評価★★★/65点
久々に若い女のコと夜中に一戦ヤラかさないまともなマイケル・ダグラスは、しかし麻薬を吸いまくるヒッピー崩れのくたびれた中年男が妙にしっくりきていて、やはりちゃんとした俳優だったんだと再認識。っておいおい・・
その彼がなんてこたぁない日常の中で巻き起こるハプニングに翻弄される様は、観てる側としてはくだらないとしか言いようがないくらいツマラナイ展開なのだけど、観終わってみると心がなにか晴れ晴れとした感慨に満たされていて、そういう点では不思議な味わいのする人間讃歌の映画だったのかも。
屈折した固定観念や様々なしがらみから抜け出せない中で、「もののけ姫」のラストで吹く突風のように一陣の風がすべてをリセットし、力強い再生を生み出してくれるラストの清々しさも心地良かったし。
でも、7年間にも渡って2600ページもの未完の原稿を書き上げてきた地道な労苦と苦悩の積み重ねがあったからこそ吹いた風なんだろうね。
日常の中に何かを変えるきっかけとなるものはゴロゴロ横たわっているのかもしれない。そして、それをきっかけとできるかどうかは自分のココロ次第。
自分に正直に、か。。
それが出来れば苦労しないけど・・・(笑)。。
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年・アメリカ・157分)NHK-BS
監督:マーティン・ブレスト
出演:アル・パチーノ、クリス・オドネル、ジェームズ・レブホーン、ガブリエル・アンウォー、フィリップ・シーモア・ホフマン
内容:名門寄宿学校ベアード校の奨学生チャーリーは、校内でトラブルに巻き込まれ退学の危機に陥る。そんなある日、チャーリーは、家族の旅行中にその家の盲目のおじいさん・フランクの世話をするというアルバイトに就く。しかし、退役軍人のフランクは周りが引くほど気難しい性格でいつも部屋に閉じこもりっぱなしだった。それでも次第に打ち解けていく中、フランクはチャーリーを道案内役にニューヨークに旅することにするが・・・。
評価★★★/65点
アル・パチーノは今作でノミネート7度目にして念願のアカデミー賞を獲ったわけだけど、出演作の中ではかなり地味めな印象。
キャリア全盛の70年代にこそ獲っておいてしかるべきだったことを思えば、盲目の頑固爺という批評家受けしそうないかにも置きにいった役でオスカーを順当に獲ったのが癪に障る(笑)。なんだろ、同じ老いた役でもゴッドファーザーPART3のマイケル・コルレオーネで受賞してたら納得いってたけど、なんかこれは守りに入ってる感が強くて・・・。
やっぱアル・パチーノといえばヤケドするほどに熱い魂がほとばしるキレッキレの演技に圧倒されたい自分としては、ちょっと物足りなかったかなぁと。。いや、最後の演説シーンなんかはさすがだとは思ったけどもね。
でも、映画自体もいまいち乗り切れなかったというのがあって、愛車にいたずらされた校長が犯人を目撃したチャーリー(クリス・オドネル)に、教えないと高校退学にするぞと友人を売ることを強要するっていうなんともちっちゃいお話が映画のけっこうな軸になっていて、そこの共感ポイントが魅力薄だったところが痛かったのかも。。
あとは尺が長すぎってところも、、ってそこかいww
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イル・ポスティーノ
出演:マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、マリア・グラツィア・クチノッタ
監督:マイケル・ラドフォード
(1994年・イタリア・107分)DVD
内容:チリの偉大な詩人で外交官のネルーダは、祖国を追放されてイタリアに亡命してきた。彼はナポリ沖合の小さな島に滞在することになり、世界中から届くファンレターを配達するため、青年マリオが臨時の配達員として採用される。マリオはネルーダの人柄に引かれ、2人の間にはいつしか友情が芽生えていく・・・。共同脚本も手がけた主演のマッシモ・トロイージは、心臓病を患いながら撮影に臨み、撮影終了の12時間後に41歳の若さで急逝、アカデミー主演男優賞にノミネートされたことでも有名。ちなみに詩人のネルーダは、20世紀を代表する実在の詩人で、1971年にノーベル文学賞も受賞している。
評価★★★★/80点
「この島で1番美しいものは?」
「ベアトリーチェ・ルッソ・・・」
この一言に尽きるね、この映画は。
ああ、、オイラにもそう言える女性が現れないかなぁ、、、とウツになる。。
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