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2007年9月 1日 (土)

夢のシネマパラダイス314番シアター:黄泉がえり

Tdv2728d 出演:草彅剛、竹内結子、石田ゆり子、哀川翔、伊東美咲、長澤まさみ、市原隼人、RUI、伊勢谷友介、田中邦衛

監督:塩田明彦

(2002年・東宝・126分)2003/02/01・渋東1

評価★★★★/75点

内容:九州・阿蘇のとある地方で、死んだ者が死後も自分のことを想い続けてくれた人の前にある日突然現れるという驚くべき現象が頻発する。しかも死んだ当事のままの姿で。。最愛の人との再会に喜ぶ家族や恋人の一方で困惑する周囲の人々。そんな謎の現象“黄泉がえり”の解明に厚生労働省の川田平太が生まれ故郷である現地に赴く。そこで川田は、死んだ親友・俊介のフィアンセだった橘葵と再会。葵もまた忘れられない恋人の黄泉がえりを待ちわびていたが、川田は彼女に密かに想いを寄せていた。。。

“あのさぁ、、、ファイナルファンタジー10をパクッたでしょ。許してあげるから正直に白状なさい。ちょっと拝借しましたって。。”

正直にさぁ言っちゃいなよ、、、ってオイラもしつこいね。

ま、それを考慮に入れても★4っつというわりと高評価にしたんだけど。

しかしこの映画、あれだけのメンツを揃えているわりにはすごくさっぱりしてるんだよね。

しかもあらを探せばきりがない。まるで映画の中で描かれたきらめき漂うホタルのような無数の魂のごとく至るところにあらが漂っている。

そこを見て見ぬふりできるか、許せるか許せないかで評価も分かれるのではないかな。

例えば相当な人数がよみがえっているのに、このことは外部には漏らすなってどう考えたって無理な話だし、重力異常を起こしたクレーターはいったい何だったのか最後まで明かされないし。

前者でいえば、メディアが出てこないのは最たる典型で、自殺した少年の葬儀にちょこっと出てくるくらい。

これはもうジャンルでいえば完全なるファンタジーだよね。

そして開けっ広げにでっかく大風呂敷広げてるわりに描かれてることはもの凄く制限されているというか、意図的にそうしているのがこの映画のミソだと思う。

あえて言わさせてもらえば、TVの再会番組の見せ場である感動の再会場面だけを取り上げたダイジェストをずらずらと並べ立てて垂れ流してるだけといっても過言ではないっしょこれって。あとRUIのミュージックビデオね(笑)。

あえて言ったけど。それでも★4っつなのですわ。

おそらくもっと狭く深く描くこともできただろう。例えば自殺した少年と想いを寄せていた少女にのみスポットを当てるとか、あるいはハリウッドだったら題名を出すまでもなくデッカイ見せ場に向かって、それはこの映画でいえば竹内結子の死に、深く潜行していったんじゃないかな。

しかしこの映画は、さっきも述べたように完全なるファンタジーです。

深く潜ることもできるところで海底に潜ることをせず、海面近くでフワフワ浮かんで漂っているのがこの映画の立ち位置なのだと思う。

そういう点でいえば、オープニングのフワフワ上空に漂っていた無数の光という描写は象徴的だったね。

まぁ結局はこの映画の立ち位置というものを観る側が受け入れられるか受け入れられないかということがこの映画に対する至上命題なわけで、そういう自分はすんなり受け入れられちゃったと。

なぜそれがすんなり受け入れられちゃったのだろうといえば、作り手が何を描こうとしているのか、どれは描かないで捨てるのか、その取捨選択があまりにもはっきりしていて、それは作り手の意思表示でもあるわけだけども、それがとにかく明確だったことがまず1点。

そして、これが肝なのだけど、そのはっきりとした意思表示をした前提で危険ともいえる大風呂敷を潔く広げちゃっていることが2点目。

姑息な手を使わない潔さがこの映画にはあって、そのことが個人的には心地よくてこの映画にすんなり入っていくことができた。

そして隠れた3点目。

大風呂敷広げた上で、描いていることは意図的に制限していると言ったけど、これは要するに何を制限しているかといえば、距離感ということになるのではないかと思うわけで。

竹内結子と草彅くんが、おでん屋でとりとめもない話をしているうちに死んだ俊介(伊勢谷友介)のことをふと思い出すシーン。

あのシーンってけっこう長かったけど、あのおでん屋での2人の距離感がこの映画のスタンダードだと思うのです。

そしてこのスタンダードな距離感というものをびっくりするほどにほとんど逸脱しないわけだよね、この映画は。

死者・よみがえった者と生きている者の距離感でさえほとんど変わっていないわけで。なんてったってよみがえった者と家族写真まで撮ってんのよ(笑)。

田辺誠二が「実は私の妻なんです。」と言うシーンなどもあわせてちょっと笑えちゃったんだけど、でもそれは決してあきれ笑いではなくて完全に許せちゃう微笑ましい笑いなんです。

この映画におけるスタンダードな距離感を逸脱しないで描くことに徹したことについては、良いか悪いかを抜きにしてもオイラは評価したいッスね。

そしてそれに徹したことから自ずと何を描こうとしていたのかが見えてくる。

それは首吊り自殺した少年に想いを寄せていた少女の、ラスト近くでの告白に全てが集約されているのだけど、愛する想いを寄せていた人と一瞬でも心が通じ合う、そして少しの間でも一緒にいれること、ただそれのみなんだよね。

そこに向かってゆっ~たりと潜行していく。

そしてそれを描くためには、さっきも述べた距離感を逸脱することはできなかった、と。

大風呂敷広げていると見せかけといて全くそうではなかったというオイラにとってのささやかなオチでチャンチャンてなわけだけど、いや、、でもこの映画ホントよく考えられとるわ。うん。

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