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2007年9月 2日 (日)

夢のシネマパラダイス315番シアター:元祖大作至上主義作家デイヴィッド・リーン!

戦場にかける橋

Senjyounikakeruhashi 出演:アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪洲、ジャック・ホーキンズ

監督:デイヴィッド・リーン

(1957年・アメリカ・155分)NHK-BS

評価★★★/60点

内容:第二次世界大戦下のタイ=ビルマ(現ミャンマー)国境近くの日本軍捕虜収容所を舞台に、日英両軍兵士の人間愛を描いた戦争大作。日本軍捕虜収容所に収容されている米海軍少佐シアーズらは、激しい労役に脱出の機会を狙っていた。ある日、収容所にニコルソン大佐を隊長とする英軍捕虜の一隊が送られてくる。所長の斎藤大佐は教養の深い武人だったが、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道完成のため捕虜全員に即時労役を命じた。ニコルソンはジュネーブ協定に違反すると将校の労役従事を拒否するのだが・・・。アカデミー賞では、作品・監督・主演男優など7部門で受賞。

“はっきりって甘ったるい。。”

アレック・ギネスのたしかな演技力とデイヴィッド・リーンのたしかな腕前でかろうじて支えを保っていた映画という「橋」。

しかし、戦争の愚かさが凝縮されるラストシーンで流れる音楽にはさすがに絶句、とともに「橋」崩壊。

3時間近くつきあった甲斐は、正直なかった。

ドラマを描きたいのか、それとも娯楽としてのエンタメを描きたいのか、どうも針が行ったり来たり揺れていて映画に入っていくのが難しかった。

「大脱走」のように完全に娯楽寄りになれとは言わないけど、どちらかにもっと寄ってほしかったかな。

まぁこの時代の戦争映画の典型的な描き方をしている映画だとは思うけどね。

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アラビアのロレンス

Arabia_0001 出演:ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アレック・ギネス、アンソニー・クイン、ジャック・ホーキンス、クロード・レインズ、アーサー・ケネディ

監督:デイヴィッド・リーン

(1962年・アメリカ・226分)NHK-BS

評価★★★★/77点

内容:第一次世界大戦中、ドイツの同盟国トルコに対し、アラブの反乱を組織した冒険家T・E・ロレンス。監督デイヴィッド・リーンは、ヨルダン、モロッコ、スペインに延べ2年に渡る大ロケーションを敢行、ロレンスの生涯を映像化した。壮麗なスペクタクル大作でありながら、壮大な理想の中で自身の精神的弱さと政治的駆け引きの狭間で自己を見失っていく男の悲劇としても見られる人間ドラマも秀逸。アカデミー賞では作品・監督をはじめ8部門で受賞。劇場公開時には202分、リバイバル時に187分版が作られたが、現在一般的に見られているのは、1989年に復元されたロンドンでのロイヤル・プレミア時の版をほぼ再現した完全版226分である。

“カメラ全開360度!!”

自分の回り360度が見渡す限り地平線まで海というのを体験したことがあるだろうか。

オイラは自慢じゃないがある。

小学生の頃、グアム・サイパンに船で行ったことがあるのだが、まさに見渡す限りの大洋のただ中にポツンと置かれているような感覚。

デッキに寝転がって空を見上げたときの感覚、上一面は青い空、横一面は青々とした大海原、オイラは地球と一体化している、、、と妙に感動してしまったものだ。

その壮大なスケール感。

さすがに砂漠にはまだ一度も行ったことがないのだが、この映画を観てあの大海原が真っ先に思い出されたわけで。

とにかくこの映画は冒頭30分につきる。

モーリス・ジャールの音楽をバックに広大な砂漠を進んでいく壮大さから砂漠の蜃気楼をとらえた美しさまで、226分観続けるのがつらい、ダレる、めんどくさい、眠くなるという人は冒頭30分だけでも観て損はないと思う。それでこの映画を観たってことになりますから7割方は(笑)。とにかく必見の30分。

残りの3割が人間ロレンスの人物像。

計算された完璧なカメラ位置から撮られた映像は180度ではなく360度の大俯瞰として我々には体感される、そんな凄まじい映画体験ツアーです。

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ドクトル・ジバゴ

517z50rzhrl 出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティー、ジェラルディン・チャップリン、トム・コートネイ、アレック・ギネス、ロッド・スタイガー

監督:デイヴィッド・リーン

(1965年・アメリカ・194分)NHK-BS

内容:ロシアの名門家庭に生まれながら、幼い頃に両親を失ったジバゴは、成人すると医師でありながら繊細な感情を持った詩人となり、育ての親の娘トーニャと結婚する。しかし、第一次世界大戦が勃発。従軍医として戦場に駆り出されたジバゴは、かつてその危機を救ったことのある娘ラーラと再会した。ジバゴは、戦場で苦楽を共にするうちに淑やかな妻にはないラーラの奔放な魅力に強く惹かれていく。敗戦後、十月革命の混乱と狂気の中でジバゴは三度ラーラと再会し、運命の荒波に翻弄されていく・・・。

1957年にソ連の詩人ボリス・パステルナークがイタリアで出版した小説「ドクトル・ジバゴ」は、翌58年にノーベル文学賞を受賞したが、当事のソ連政府がこの小説を反革命的とみなしたため、パステルナークはノーベル賞を辞退した。このいわくつきの小説をイタリアの名プロデューサー、カルロ・ポンティが製作にあたり映画化。スペインやカナダで撮影された本作は結果的にはアカデミー賞で5部門を受賞するなど成功を収めた。

評価★★★★☆/85点

“「アラビアのロレンス」よりも個人的には好きな作品。”

「運命のいたずら」という言葉がこれほど似合う映画もないだろう。

デイヴィッド・リーンといえばいの一番に「アラビアのロレンス」を思い浮かべるが、凍てつく酷寒の大地と激動の歴史の荒波の中で繰り広げられる人間の愛憎劇と、壮大な大河メロドラマにただただ酔いしれてしまう「ドクトル・ジバゴ」の方が好きだ。

なによりも運命の女性ラーラがいるかいないかは大きい(笑)。

「アラビアのロレンス」では無限の砂漠をゆらめく蜃気楼が印象的だったが、本作の果てしない大雪原を照らす青白い月も忘れがたい。

革命という動乱と男女の三角関係の中で揺れ動く情動がよりドラマチックに引き合い、それを力強くそして詩情豊かに描き出したデイヴィッド・リーンの手腕に心酔するほかない。

寒さは感じない。

ただただ人間の生きる逞しさと強さ、そしてアツさに圧倒されるのみだ。

、、、オマー・シャリフの顔立ちがもともと暑苦しいってのはナシよ(笑)。

でもよく考えてみたらエジプト人だからなぁこの人。「アラビアのロレンス」にも族長役で出てるし。

いやしかしこれぞ映画を観たぞーーッ!という気分にさせてくれるホンモノの映画だと思います。

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ライアンの娘(1970年・イギリス・195分)NHK-BS

 監督:デイヴィッド・リーン

 出演:サラ・マイルズ、ロバート・ミッチャム、クリストファー・ジョーンズ

 内容:海辺の寒村キラリーは、反英蜂起が失敗してからアイルランド独立運動の秘密の拠点になっていた。村の教師チャールズと結婚したロージーは、居酒屋の娘で、貧困と偏見、無知と因習が蔓延する村への不満を結婚で解消しようとしたのだが、物足りなさは相変わらず。。やがてロージーは、たまたま村にやって来た新任の英軍守備隊指揮官ランドルフと不倫の恋に落ちる・・・。

評価★★★/55点

夫婦にとって夜の生活は大変に重要なのだという壮大なお話、、ということでいいんですよねw。。

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