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2007年8月16日 (木)

夢のシネマパラダイス306番シアター:大脱走

T0001935 出演:スティーブ・マックィーン、ジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソン

監督:ジョン・スタージェス

(1963年・アメリカ・168分)

評価★★★★★/100点

内容:第二次世界大戦中のドイツで実際に起きた集団脱走事件に基づき、この大脱走に参加した原作者ポール・ブリックヒルのベストセラー小説を映画化した超大作。ドイツ北部の捕虜収容所に送り込まれた連合軍空軍将校のヒルツらは、札付きの脱走常習者で、今度は250人を同時に脱走させるべく森に抜けるトンネルを掘っていた。しかし、3つのトンネルのうちの1本がドイツ軍に発見されてしまい、ヒルツらは残りの2本のトンネルを使って何とか計画を実行する。思い思いの方法で逃走を開始した捕虜たちは、危険をくぐり抜けながら自由を目指して前進していった。

“戦争と娯楽が結びついている映画は嫌いだ。この映画を除いては。”

例えば、大脱走から戦争の要素を取り除くと「アルカトラズからの脱出」とかになるんだろう。

しかし、そこに戦争の要素が加わると・・・。

もともと個人的には戦争とエンタメ(この映画では主にアクション、スリルとサスペンス、コメディ要素で、その全てが脱走というカタルシスに集約されている)が結びついている映画はあまり好きではない。

戦争という大きな悲劇と相反するものを描くことで、一歩間違えると戦争という悲劇がただの道具立てにしか過ぎなくなってしまうことが多分にあるからだ。それが自分の性には合わなかった。

ここ最近の例外として強いて挙げるとすれば、「ライフ・イズ・ビューティフル」「ノー・マンズ・ランド」くらいしか思いつかない。

そして唯一例外の中の例外として君臨するのが、この「大脱走」なのです。

なんといってもいきなり捕虜収容所には似つかわしくないバーンスタイン作曲の軽快なテーマ曲が鳴り響くオープニングの入り方に度肝を抜かれたということが全てですかね。

徹底して娯楽寄りで撮る、というあまりにも強すぎる意思表示。

オープニングを見てオイラの敵意はすでに白旗を掲げてしまったわけで。

戦意喪失。

突き抜けちゃってる、イッちゃってるやつには何をやっても無意味だし、はっきりいって手の出しようがない。

そしてオイラはこの後170分間この映画に従順であり続けたのでした。

しかもあっという間の170分。文句の出しようさえできなかった。

とにかく娯楽の道をはずれることなく描いたこと、本当に徹底的に娯楽寄りで描いていること(*)がちょっと他の同様の映画では見られない、まさにオンリーワンな映画だといえるでしょう。娯楽路線を外れていく意志など微塵も感じさせないからね。

脱走した人たちのうち50人が銃殺されたという悲劇さえオブラートに包んでしまうわけだから。

しかしまぁ実話を基にしている映画でこの作り方というのはかなりスゴイと思う。

この映画に文句を付けることは意味をなさない。そう断言してもいいと思います。

(*)例えば、同じく脱走ものといえる「大いなる幻影」は逆に戦争そのもののテーマの方を重視していて、結果、反戦映画の域にまで達している作品になっている。

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パピヨン

Mp078 出演:スティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン、ヴィクター・ジョリー

監督:フランクリン・J・シャフナー

(1973年・仏/米・151分)

内容:無実の罪で投獄され、13年間に及ぶ刑務所生活を強いられた男の半生を描いた実録映画。1931年、フランスから仏領ギアナの監獄に送られる大勢の囚人の中に、胸に大きな蝶の刺青があることからパピヨンと呼ばれている男の姿があった。輸送船の中で、国防債券偽造で捕らえられたというドガと親しくなったパピヨンは、ドガに恨みを持つ看守のとばっちりをくって、ジャングルの沼地の重労働に就かされる。そして2年間の独房生活を経てパピヨンはドガとともに脱走に成功するが、逃亡の末に再び捉えられ、独房に戻されてしまう・・・。

評価★★★★/80点

無実というキーワードをこれみよがしに感傷的に誇張することなどせず、脱走しようとする姿のみを延々150分間映し続ける。それだけで映画をもたせてしまう。

まさに執念。問答無用にスゴイ。

これより約10年前の「大脱走」では、独房で壁相手に軽快にキャッチボールをしていたマックィーン。それを思い浮かべて見るとなんだか妙に悲しくなってしまった。

それにしてもこの映画で1番の悪玉は修道院の尼さんだなホンマ。

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網走番外地(1965年・東映・92分)WOWOW

 監督・脚本:石井輝男

 出演:高倉健、南原宏治、丹波哲郎、安部徹、嵐寛寿郎、田中邦衛

 内容:網走刑務所に入所した貧農出身のヤクザ・橘真一。人一倍母親思いの彼の気がかりは故郷に病気の母を残してきたことだったが、仮釈放まであと少しというところで母親の余命が半年もないことを知る。そんな時に持ち上がった脱走計画に橘も乗り、獄中仲間と決死の脱獄を試みるのだが・・・。

評価★★★★/80点

ありていな言葉であれだけど、めちゃくちゃ面白かった。

まずもって我慢に我慢を重ねるストイックなイメージしかない高倉健の饒舌なキャラクターが見れたのは意外で面白かったし、まさか裸踊りまで見せられるとは

裸踊りなんて釣りバカの西田敏行以来だろww

しかし、この映画の面白さは、そんな高倉健のハジケっぷりが相対的にみれば霞んでしまうくらい取り巻きの囚人連中のキャラクターが強烈なことに尽きる。

あの田中邦衛でさえクドく見えないくらいだ(笑)。

刑期59年8人殺しの鬼寅・嵐寛寿郎の貫録の凄みや、コイツとは絶対に一緒に手錠でつながれたくない南原宏治など、獄中での囚人たちの丁々発止のやり合いをまだまだ見たいと思わせる個性的な脇役ばかりで、それが映画に1番引き込まれた理由かな。

西部劇を思わせるあからさまな演出タッチも面白かったし、これは爆買いです!

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ジャスティス(2002年・アメリカ・125分)WOWOW

 監督:グレゴリー・ホブリット

 出演:ブルース・ウィリス、コリン・ファレル、マーセル・ユーレス、テレンス・ハワード

 内容:1944年、第二次大戦下のドイツ。アメリカ兵トミーが送られてきた捕虜収容所で死体が発見され、黒人兵が容疑をかけられた。米軍捕虜のリーダーであるマクナマラは、法学生だったハートを弁護人に指名するが、自身は脱走計画を進めていた・・・。

評価★★☆/45点

戦下における人間関係と脱走劇がこうもかみ合わないとは、、、茶番を描いた映画もまた茶番にすぎなかった。。

リアリティを追求しているからこそ、なおさら顕著にそれが表れる。普通はかみ合うはずなんだけどねぇ・・・。

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