夢のシネマパラダイス247番シアター:アニマトリックス
監督:アンディー・ジョーンズ、前田真宏、渡辺信一郎、川尻善昭、小池健、森本晃司、ピーター・チョン
(2003年・アメリカ・101分)ヴァージン・シネマズ
評価★★★/65点
内容:「マトリックス」の世界を、世界のクリエイター7人がそれぞれに解釈してアニメ化。9つの短編はアナザーワールドを表現していながら、同時にシリーズ全体をつなぐ役目も担っている。ウォシャウスキー兄弟も4本の脚本を担当している。
“創造主の兄弟と七人の侍の戦いか馴れ合いか!?そして七人の侍は刺客か従者か!?”
映画マトリックスの世界をより強固にし、映画には入りきらない設定や要素、イマジネーションを描きこむアニマトリックス。
しかしその前提に立った上で、個人的にはアニマトリックスを観るにあたって、映画「マトリックス」の世界観をただなぞるだけでは何の面白みもないと思ったし、いかにマトリックスの世界という規制ファクターをブチ破り自らを解き放っていこうとするか、その反発力=個性ファクターが重要になってくると思ったわけで。
それがアニマトリックスを観るにあたっての自分の評価スタンスということになるし、1番興味があるポイントだった。
ようするに、「マトリックス」の世界をただ補完するためだけの作品にはなってほしくないという気持ちが大きかったし、アニマトリックスが9話からなるオムニバス形式をとっていることからも、なおさら個性ファクターが重要になってくると思ったわけです。
しかし、「マトリックス」の世界を完全に逸脱してしまってはアニマトリックスではなくなってしまうし、一方では「マトリックス」の世界に完全に飲み込まれてしまってもこれまたアニマトリックスではなくなってしまうと個人的には思うわけで、その規制ファクターと個性ファクターのバランスが難しいのだけども。
ようするにその評価のしどころも非常に感覚的なものにならざるを得ないわけで、しかも9本の短編ときたもんだし・・・。
ということで、いざアニマトリックスの世界へと歩を進めていった自分がそこに見たものは、、、ヤバイ、兄弟に完全に支配されている。それが見終わった後の第1印象です。
まあ製作過程からしても当然といえば当然なのかもしれないし、なんてったって創造主だからなぁ。。
七人の侍は各々もともと切れ味鋭い武器を持っているんだけど、創造主の鶴のひと声にかかれば矛を収めざるを得ないのか、、、中にはハハァーッとひれ伏してるヤツまでいる。誰とは言わないけど・・・。
しかし、一方では矛を収めてはいるものの、機を見計らって切り込んでいこうとしてるヤツもいる。特に「WORLD RECORD」と「BEYOND」からはそういうオーラを感じたな。
前者はとにかく今まで見たこともないような人物造型に驚くとともに、「マトリックス」の世界とは別格のカッコ良さにまで転化していると思ったし、後者に関しては「マトリックス」の世界と大人が忘れてしまった、大人が感じることができない子供の世界とをリンクさせて描いているところに非常に唸らされました。
あとまあ惜しい線いってたのが、「KID’s STORY」と「MATRICULATED」かなあ。
各話の評価については以下の通りでッス。
FINAL FRIGHT OF THE OSIRIS・・・★1
THE SECOND RENESSANSE PARTⅠとⅡ・・・★3
KID’s STORY・・・★3
PROGLAM・・・★2
WORLD RECORD・・・★4
BEYOND・・・★4
A DETECTIVE STORY・・・★2
MATRICULATED・・・★3.5
総合★3
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(おまけ)
幻魔大戦(1983年・日本・135分)NHK-BS
監督:りんたろう
声の出演:古谷徹、小山茉美、原田知世、池田昌子、林泰文、美輪明宏
内容:10億年の昔から大宇宙を破壊し続けてきた邪悪な宇宙エネルギー“幻魔”が、地球に接近しつつあった。善の象徴である宇宙の意識体“フロイ”のメッセージを受け取ったトランシルバニアの王女ルナは、サイボーグ兵・ベガと共に全世界の超能力者の力を結集して、地球を守る戦いを開始する。。
評価★/20点
臭くてクサくてどうにも身体が受けつけない・・・。
アニメキャラがクサイ台詞を吐いたり、クサイ演技をするというのはよくあることだが、これはあまりにも酷い。
果物の王様ドリアンなみに臭い。いや、世界一臭いスウェーデンの塩漬けニシンの缶詰め以上に臭い。
もうオープニングに出てきた陳腐な女預言者が踊りながらクッサイ台詞吐いてる時点でもうダメだったもん・・・。
しかし、大友克洋をはじめとして森本晃司とか川尻善昭とか今からしたら錚々たるメンバーが参加してるんだけど。やっぱ1番の問題はりんたろうにあったか・・(笑)。
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