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2007年4月26日 (木)

夢のシネマパラダイス214番シアター:レインメーカー

Image418 出演:マット・デイモン、クレア・デーンズ、ジョン・ボイト、ダニー・グローバー、ダニー・デビート、ミッキー・ローク

監督:フランシス・F・コッポラ

(1997年・アメリカ・135分)初見2000/07/02・東北大学

評価★★★★/83点

内容:理想に燃える若き法学部卒業生ルーディ。しかし現実は彼が抱いていた理想とはかけ離れていた。大手保険会社から支払いを拒否された貧しい家族や、社会的に弱い立場の依頼人が溢れる中、やがて彼は世の正義に疑問を持ち始める。。ジョン・グリシャムの「原告側弁護人」を原作に、巨匠コッポラが映画化した法廷ドラマ。

“まるで映画監督採用試験に6回落ちてる男が撮ったようなちゃちい作りになっているが、それでも真摯かつ丁寧な描写に徹しているのは評価できるし、心に伝わってくるものも予想外に重く大きい。。。ってコッポラかよっ・・・!”

コッポラのスゴイところは、「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」といった壮大かつ凄絶な作品だけではなく、「カンバセーション・・・盗聴・・・」のような社会派から「アウトサイダー」の青春ものまでひと通りのジャンルを満遍なくしかも高いレベルで仕上げてしまうところにある。

そのコッポラの利点を生かそうとしたのかどうかは分からないが、この映画では新米弁護士のルーディを中心に据えて、ダニー・レイの裁判という社会派としての要素と、ケリー・ライカーとの恋愛要素をほぼ並行して描いている。

そう、ただ並行しているだけ。

2つの要素がうまく互いに織り交ざっていないのだ。

これは明らかな失敗。

仕事とプライベート両方で奮闘するルーディの姿を撮りたかったのか、それにしてはケリーとの恋愛模様がおざなりにすぎない気がする。

連続もののTVドラマならドラマに深みと広がりが出ていいかもしれないが、2時間ちょいの映画ともなるとよほど気をつけて取り掛からないとただの詰め込み過ぎ映画になってしまう。

この映画はその謗りのレッテルを付与されても致し方ないつくりになってしまっているといえよう。

裁判部分の描写力があっただけに非常に惜しい作品である。

だがしかし、その失敗を補って余りある何かがこの映画にはある気がしてならない。

それはひとえにルーディという男そのものに行き着くと思うのだが、なにか漫画「ブラックジャックによろしく」の主人公、斉藤英一郎に近いものをこのルーディという男に見出せた気がする。

“「弁護士」って何なんだ!?”みたいな。

医者と弁護士という違いはあれ、構図はほぼ同じ。この映画の方が社会悪に対する復讐という視点がちょっと強いが、弁護士1年生の必死の抵抗と挑戦は見ていて素直に応援したくなった。

あれから5年後10年後、彼はまだ堕落せずに人間として正義と感情の狭間で挑戦し続けているだろうか。。気になる。

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