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2007年3月28日 (水)

ポニョ、来たる!

先日、普段ほとんど見ないNHKを見た。。

夜の10:00から「プロフェッショナル仕事の流儀スペシャル」でアニメ界の巨匠宮崎駿監督を取り上げていたからだ。

しかも昨年春から小型カメラを携えたディレクターが100日間宮崎駿にベッタリ密着取材し、新作映画「崖の上のポニョ」の創作過程を追うという、宮崎アニメファン垂涎の企画だったからだ。

スタジオジブリのパトロンである日テレでも成し得ないであろう企画を通してしまうNHK!

日曜18:00からやってる「真相報道バンキシャ!」あたりでやれそうな企画であるとはいえ、100日間宮崎駿本人に完全密着というのは普通じゃあり得ねえ(笑)。

そんな夢のような1時間はホントに有意義なものでした。

来夏公開予定の「崖の上のポニョ」の全貌の一端も明らかにされ、もうオイラは待ちきれやせん!!押忍。

内容的には半人魚の宮崎駿いわく“金魚姫”ポニョと5歳の少年である宗介くんが出会い、ポニョが人間になりたいと願う物語という全体像は先日の新聞報道などで知ってたんだけど。

宮崎アニメ初の海を舞台にした作品になるということだけど、今まで思いつくかぎりでは、傑作「未来少年コナン」と「紅の豚」くらいか本格的に海が出てきたのは。まあカリオストロとかラピュタ、魔女宅なんかでもちょこちょこ海は出てきてるんだけど、、、。どうなるんだろ。一応、瀬戸内の海を舞台にしてるらしく。

N0010214_l それよりもオイラが気になるのは、5歳の少年が主人公ということなんだよね。

今までの宮崎アニメの主人公の中で5歳というのは1番年少やろ、たぶん。

それこそ「となりのトトロ」に出てきたメイくらいちゃうか?

となると、今回は宮崎駿が「とにかくかわいい映画を作りたい」と言ってたことと、千と千尋で最高点に到達した緻密で爛熟した絵を1回捨てて、今回は徹底して素朴さを追求する(影やハイライトを使わないという徹底ぶり)という宮崎駿のコンセプトから、今までの大仰な宮崎アニメとは趣を異にするのではないかと思われ。

しかも手描きでしょ全部。

シンプルかつ徹底して低学年向けのアニメ映画になるのでは、と普通は推測が成り立つんだけど、なんてったって観る大人たちを童心に帰らせてしまう超強力な魔力を持つ宮崎駿だからねえ。何を繰り出してくるか分からんからな。

かくいうオイラも観る気満々だし(笑)。昨日の1時間番組で既に魔法にかかちゃってますからね・・・。どうにもならんわ。。

さて、昨日の番組で明かされた「崖の上のポニョ」の断片によれば、冒頭シーンはクラゲの大群が海中を漂っていて、そのクラゲの上にポニョがチョコンと乗っているというシーンらしい。ムフフ、、なんかイメージ湧いてきたでぇ。。

で、宮崎駿が書き上げたそのシーンのイメージボードを見ると、クラゲの姿が「ナウシカ」に出てくる巨神兵の顔にクリソツなのね。なんか幻想的な絵になるのかな。

あと、ポニョの父親のイメージ像も出てきたけど、こっちはなんか少女マンガに出てくるようなかんじの美麗な男でしたね。それこそベルバラに出てくるような。

う~ん、、想像に苦しむ(笑)。

あと、クライマックスは魚の大群が津波として押し寄せてきて、その上にまたポニョが乗ってて、宗介と再会するってのも、へ?なに?みたいな。絵的には王蟲の大群が押し寄せてくるかんじかなと思ったけど。

むむむ、ますます分からない・・・。

ま、とにかく素朴な絵で、単調にならないアニメを目指しているということなので、楽しみに待ちましょ。

でも、昨日の「プロフェッショナル」の面白さは新作映画がどうなるのか、という視点ではなく、どのように宮崎駿は映画を創作していくのかという視点で掘り下げていったところにあった。

特に、映画を作る際に宮崎駿はシナリオから入っていくのではなく、まず最初にイメージボード=絵から入っていき構想を広げていくというのには驚いた。

宮崎アニメの核となるのがこのイメージボードであり、宮崎駿は想像力を頼りにこの核となるイメージを探っていく。その過程がまた興味深く、宮崎駿といえどもそう簡単にイメージを掬い上げ練り上げることはできないのだなということがよおく分かった。

日中何もしないでフラフラしているかといえば、今日は全然浮かんでこないし、眠いから寝ると言って昼寝を始めるオッサン宮崎駿。

そして不安と苦悩に苛まれる孤独な姿、、、そして機嫌が悪くなっていく・・・(笑)。

御年66歳。。。握力が若い頃と比べて半分に減ったり、昔できたことが今できなかったりと寄る年波には勝てなくなっている現状に、「長編は物理的に今回で最後」、と言い切る宮崎駿、、、いや、もののけ姫とか千と千尋の時もそう言ってなかったっけ。。

でも4年後に70歳という年齢を考えると、もうホント長編は難しいのかもなぁ。実写映画監督だったら今村昌平にせよ新藤兼人にせよ世界のクリント・イーストウッドにせよ老いていっそう盛んな創作欲を見せてるけど、アニメ監督の場合はどうなんやろうね。

そういう点では早く宮崎駿の後継者が現れてくれることを願うしかないけど、昨年公開された映画の中でワースト作品の呼び声高い「ゲド戦記」を監督した宮崎吾郎はまず除外やろ(笑)。

しっかし凄かったなぁ、父と子の相克というかさ。ああいう関係だったんだ宮崎駿と宮崎吾郎って・・・。

アトリエからスタジオに行こうとしたら、スタジオに息子の吾郎がいると聞いて、不愉快だから会いたくないと言ってきびすを返してアトリエに戻って行ったり。「ゲド戦記」の初号試写会でも息子には会おうともせず、しかも試写途中で席を立ち、急かされるようにタバコを吸い込み、「気持ちで映画を作っちゃいけない。大人になっていない。」とバッサリ切り捨てていたのも強烈だった。

映画作りで父親らしいことを全くしてこなかった父親宮崎駿。息子宮崎吾郎にとっての父親像というのは、宮崎アニメそのものだったのかもしれない。そしてゲド戦記で映画監督となった宮崎吾郎はその幻影を追い求めてしまったのかもしれない。

やっぱ細田守あたりなのかな後継者となるのは。要するにジブリからは生まれなさそうってことだね。

ま、いずれにせよ「崖の上のポニョ」楽しみにしとこっかな。

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