夢のシネマパラダイス182番シアター:アザーズ
出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン、クリストファー・エクルストン
監督・脚本:アレハンドロ・アメナバール
(2001年・米/スペイン/仏・104分)DVD
評価★★★/65点
内容:第二次世界大戦集結を目前に控えたイギリス、ジャージー島。戦地に赴いた夫の帰りを広大な屋敷で待つ妻と、極度の光アレルギーに悩まされる2人の子供たちに襲い掛かる恐怖を描いたゴシック・ホラー。
“トム・クルーズがこの映画の製作に飛びついたというのもよく分かるもの凄い設定、しかもトムとの離婚にも影響を及ぼしていても何ら不思議ではないほどのニコール・キッドマンのもの凄い演技。しかし、それらもの凄さが生かされているかというと甚だ疑問。”
幸運にもこの映画に対する情報は全くゼロの状態で観賞することができたのはまずは良かった。
完全にこの映画の設定にダマされたし、事の真相に全然気づかなかったです・・・。
そういう意味ではヤラレたというかんじだし、もともとこういうドンデン返しものは大好きだし。
でもこの映画、個人的には結末に★+1で★3っつにしたまでで、そこまでに至るプロセス描写は★2つ。。
だって全然怖くねんだもんよ(笑)、仕方ないじゃん。
「ホーンティング」をCG無しで、ゴシックホラーとしての様式を踏襲して撮ればこんな映画になるんじゃないかなぁというのがまずひとつ。
そして困ったことにニコールの特筆ものの演技(おそらくグレースという役どころを撮了後にまで引きずってしまうくらいの)があまりにも強すぎて、このゴシックホラーとしての様式を完全にブチ破ってしまっているというのがひとつ。
いや、これはホントは褒めてしかるべきことなのだけれども、どうもオイラがこの映画を観るにあたっての足の置き所がつかめないまま映画は進んでいくわけで・・・。
“何かがオカシイ”とは潜在意識で感じつつもそれが自分の意識にハッキリと顕在化しないまま観ていたというかんじ。
これはまぁおそらく自分の中にあるゴシックホラーとしての概念みたいなものに照らし合わせてみると、あんなもの凄いあっけにとられる結末はあり得ない。ゴシックホラーはその様式の枠から逸脱することはあり得ないという全くもって自分よがりな決めつけがあったことが大きいのだけどね(だからゴシックホラーはもともとあまり好きではなかった)。
それゆえこの映画を観るにあたっての自分の足の付きどころがつかめなかったというのもまぁ納得はできる。
さらに“何か見えざるもの”にではなく、ニコールに映画の視点が寄りすぎていると感じた理由も、明らかに驚くべき設定からすれば、そっかあ、だからなのかぁと納得はいく。
しかし逆にいえば、この驚くべき設定がまずありきで映画が作られているというかんじが否めなかったわけで。。
たしかにこの秘密を知った時、思い返してみると伏線といった要素や描写はあるにはあったけど、それらを経てもなお自分の中で“何かがオカシイ”という違和感のような意識が表に出なかったのはオイラがたんにアホで鈍感なだけなのだろうか・・・。
そこらへんのところはもう1回観て確認したいし、もしかして驚くべき設定を念頭において観る2回目の方が評価が上がるかもしれない。
とにかく今までのゴシックホラーものとは一線を画する、見方を変える映画であることだけは確かだ。
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