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2007年1月20日 (土)

夢のシネマパラダイス140番シアター:往年名作劇場2番館

暗黒街の弾痕(1937年・アメリカ・86分)NHK-BS

 監督:フリッツ・ラング

 出演:ヘンリー・フォンダ、シルヴィア・シドニー、ウォード・ボンド

 内容:前科者の烙印を押され職を追われたエディは、無実の罪まで着せられ死刑を宣告されてしまう。罪が晴れたのは彼が脱獄しようとしてる時で、説得にあたった神父を射殺してしまい、本当の犯罪者になってしまったエディと彼の妻ジョーンの絶望的な逃避行の先にあるものは!?実在した男女の強盗で、後に「俺たちに明日はない」などの主人公となるボニー&クライドがモデルになっている。

評価★★★☆/70点

“この時点ですでにヘンリー・フォンダの苦悩のまなざしが確立している。持って生まれた天分なのか、演技力の成せる技なのか、、どうも前者のような気がする。”

モンゴメリー・クリフトとかジェームズ・ディーンなんかもそんなかんじがするけど、彼らの場合は実人生とも表裏一体をなしていたわけで、その点ヘンリー・フォンダは実人生をカモフラージュしてうまく作品選びをしていたなという気がする。

この作品でも見事というほど役柄とマッチしている。

監督がアメリカに渡る前に撮った「M」の犯人に近い印象を与えるため、もしかして実はエディが犯人ちゃうの?とも思わせる危うく脆いキャラクターともいえるのだけど、そこにヘンリー・フォンダを起用したというのは上手いと思う。

ちょっと苦悩が強すぎるふしもあるけど、まだ駆け出しだった頃ということを考えると、逆にもうすでに彼のキャラが確立していたともいえるわけで、その点はすごいなと思う。

でも、この邦題は??だな。おそらく「M」と引っかけて付けたのではないかなと思うけど。

「M」ではたしか殺人犯の捜査で警察がにおいを嗅ぎまくることによって暗黒街の連中が動きづらくなる。だから暗黒街の連中も殺人犯を捜し始める、、って全然この映画と繋がらないやんけ(笑)。

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怒りの葡萄(1940年・アメリカ・129分)NHK-BS

 監督:ジョン・フォード

 出演:ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル、ジョン・キャラダイン

 内容:アメリカ中西部を襲った凶作のため、農場のジョード一家は新しい土地を求めてカリフォルニアへ向かう。祖父と祖母を亡くしてキャンプへ移住した一家は、雇われ仕事をしながら移動し続ける。そんな中、刑務所帰りの息子トムは、労働ストに関係して逃亡の旅に出る。次々と家族を亡くしていくジョード一家だったが、彼らはそれでも懸命に生きていくのだった・・・。1930年代の凶作と農業の機械化を背景に、移住農民の悲惨な生活が民衆の開拓精神を織り込んで描かれる社会派ドラマ。ピュリツァー賞を受賞したジョン・スタインベックの小説の映画化で、ジョン・フォードがアカデミー監督賞を受賞した。

評価★★★★☆/85点

贅沢な願いとは思いつつ、サイレントで見ればもっと深い味わいが出ていたのではないかと思えてしまう。

それくらいジョン・フォードをはじめとする作り手が仕上げた「怒りの葡萄」という映画の果実は完璧に熟しきっている。

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わが谷は緑なりき(1941年・アメリカ・118分)Video

 監督:ジョン・フォード

 出演:ウォルター・ピジョン、モーリーン・オハラ、ロディ・マクドウォール

 内容:19世紀末のウェールズ地方にある炭鉱町。モーガン一家が働く鉱山の経営者が賃下げを断行したため、モーガンの息子たちは組合を組織して闘おうとするが、モーガン老はこれに反対し、家族はバラバラになっていく。そんなストの最中、末っ子のヒューが凍傷にかかり歩けなくなってしまう。そして娘のアンガラードと牧師の淡い恋の終りとともにやっとストも終了したが、家族も緑の渓谷ももはや昔の姿を失っていた・・・。ジョン・フォードの代表作の1つで、アカデミー賞で作品・監督賞を含む5部門で受賞。

評価★★★★/80点

“あれ?どうしたんだろうオレ。こんなベタな白黒映画で泣いてるなんて・・・

ジョン・フォード版大草原の小さな家ならぬ、緑の谷の小さな家。良いです。涙腺にグッときます。。

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ガス燈

G1 出演:シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン、ジョゼフ・コットン

監督:ジョージ・キューカー

(1944年・アメリカ・114分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:1870年のロンドンで女性歌手殺人事件が発生。犯人の手がかりがないまま、姪のポーラがその遺産を継ぎ、音楽家のグレゴリーと結婚した。以来、ポーラの身辺に奇怪な現象が起こる。ポーラは自分の精神状態に自信が持てなくなるが、探偵ブライアンが狂気の一歩手前まで追いつめられていた彼女に救いの手を差し伸べる・・・。バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した心理サスペンス。

“バーグマンの不安定な目線とシャルル・ボワイエの怪しく冷たい視線が交わるとき・・・”

子供の頃に読んだシャーロック・ホームズの本の挿絵。漫画ジョジョの奇妙な冒険で描かれる恐怖の切り裂きジャックが出没するロンドンの暗黒街の情景。そしてこの映画でのモノクロ映像が強調する幻想的で怪しい霧の深い街に浮かび上がるガス燈の灯り。

その情景が18,9世紀のロンドンに対する自分のイメージを決定付けたといってもいい。

怪しくおどろおどろしい街のイメージは、例えば「ラブ・アクチュアリー」(2003)とか「ベッカムに恋して」(2002)、「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001)などで描かれる現代ロンドンのイメージとは隔絶した陰鬱なイメージだ。

しかしまぁ、この映画のモノクロ映像の醸し出す闇の感覚というのは今では絶対に表現できないものだろうな。

ガス燈の火が不安定に揺らめくごとく情緒不安定になっていくバーグマン、その不安におののく目線。そして夫シャルル・ボワイエの神経質につり上がるキツイ視線が非常に印象的だった。

心理描写のお手本のような作品だね。

それにしてもボワイエの目って誰かに似てるなと思ったら、北村一輝の目に似てるんだよね(笑)。

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欲望という名の電車(1951年・アメリカ・122分)NHK-BS

 監督:エリア・カザン

 出演:ヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランド、キム・ハンター、カール・マルデン

 内容:南部の没落農園の娘ブランチが、妹ステラを訪ねてニューオーリンズの下層地区に降り立った。ブランチはステラの夫スタンリーの友人であるミッチと恋に落ちるが、日頃から上品ぶった彼女が気に入らないスタンリーは、ブランチの汚れた過去を知り、ミッチに暴露してしまい・・・。アカデミー主演女優賞、助演男・女優賞など受賞。

評価★★★★/80点

アブナイ男とアブナイ義姉のアブナイ王決定戦かと思ってたら、次第に気の毒&哀れ王決定戦へとシフトしていく様がまた凄まじく見応えがある。

それにしてもマーロン・ブランドの服ってよく破けるのねぇ(笑)。

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白鯨(1956年・アメリカ・158分)NHK-BS

 監督・脚本:ジョン・ヒューストン

 出演:グレゴリー・ペック、発泡スチロール製のクジラ

 内容:1841年のマサチューセッツ。捕鯨船の船長エイハブは以前、モビー・ディックと呼ばれる白鯨に片足をもぎ取られて以来、復讐の一念に凝り固まっていた。そして船員の反対をものともせずクジラの群れを追いつづけ、ついに宿敵モビー・ディックを発見。巨鯨との壮絶な死闘を繰り広げるエイハブは、やがてクジラもろとも海中に没していくのだった・・・。メルヴィルの名作小説の映画化した海洋スペクタクル。

評価★★★/60点

ボス鯨がどうしても発泡スチロール製に見えてしかたなかった・・・。

とはいえ、それを感じさせないくらいの人間の執念と挑戦に気圧されますた。

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