夢のシネマパラダイス113番シアター:羊たちの沈黙
羊たちの沈黙
出演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン
監督:ジョナサン・デミ
(1990年・アメリカ・118分)DVD
内容:若い女性ばかりを狙い、殺害した後で皮を剥ぐという猟奇殺人事件が発生。FBI訓練生クラリスは、上司に命ぜられ、精神病棟に監禁されている元精神科医レクター博士のもとを訪ねる。レクターは患者9人を殺して死体の一部を食べた殺人鬼で、彼の心理や思考を利用して連続殺人犯を突き止めようというのだが・・・。アカデミー作品賞をはじめ主要5部門を総なめにしたいわくつきの作品。
評価★★★☆/70点
レクターよりも腐った死体よりも何よりも、、、蛾が怖くて気持ち悪くて1番イヤだった。。
昆虫嫌いのオイラが最も怯える蛾を飼っているというだけで十分異常だし、それだけで問答無用の最強サイコホラーだ!!
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出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、レイ・リオッタ
監督:リドリー・スコット
(2001年・アメリカ・131分)2001/04/28・丸の内ルーブル
評価★★★★☆/85点
内容:「羊たちの沈黙」から10年。あのハンニバル・レクター博士がフィル博士と名前を変えて再び姿を現した。自分に恨みを抱く男が出現したことによってアメリカに渡ったレクターは、クラリスをおとりに自分をおびき寄せようとする男との壮絶で凄惨な闘いに身を投じていく。
“前作によりサイコホラーブームが幕をあけ、今作によりサイコホラー時代は一応の幕を閉じた。”
と言い切っちゃったけど、まいいか。自分の勝手な決めつけなので。
個人的にはここ最近のサイコホラーやそこから派生した猟奇ものにはホトホト飽きていたこともあって、まあ要するに完全なマンネリやな。
話はより複雑に、殺しの手口はより残酷に、視覚はよりインパクトかつ芸術的に向かい、さらにそれが世界に伝播、蔓延し(「カル」「クリムゾン・リバー」「ザ・セル」etc.)、一体どこまでイッてしまうんだろうと興味深く、そしてある意味あきれて見ていたのです。
そして本家本元が満を持して再登場。
こりゃスゲェことになるんだろうなと勝手に想像をふくらませてしまったのが結局逆に良かったもかも。
だって前作は蛾が大量に出てくるっつうだけでやめてくれえ!というかんじだったからな。
大の昆虫嫌い。。。もしや今度はムカデの解剖なぞやるのかと身構えてしまったわけ。
ところが、ふたを開けてみたら、あらビツクリ。ものの見事に裏切られたなと。
野に放たれた怪物が暴れまくるのかと思いきや何とまあ“紳士的”。
この静謐さはなんじゃ・・・逆に怖いよ。。。
いつおぞましい美食家に変身するのか、この静謐な語り口が逆にものすごい効果をあげていて、静かなる緊張感を生んでいる。
さすがリドリー・スコット。ここらへんの演出は巧い。
フィレンツェを舞台にしたのも効果的で、フィレンツェそのものが静謐であるとともに、アンソニー・ホプキンスの静かで抑揚のある格調高い喋りと非常にマッチしている。
最近のこのての映画が視覚にばかり凝っているのにいささか辟易していた自分にとって、この映画の聴覚攻めは不意を食らったかんじだった。
ハンス・ジマーの音楽も狙ったとしか言いようがない。
そして全てにおいて逆を衝かれたところにラストの見るもおぞましい鉄板焼き。
オエッときながらも、うまい!上手すぎるよここまでの見せ方が!と舌鼓を打ってしまった。。
言うに及ばずこれ1本だけを抽出してみればさほどの内容ではないとも思うけど、この映画より2,3年前くらいからの流れからするとちょっと隔絶したところにこの映画はあるな、と感じた。それまでの流れが良い引き立て役になっちゃってるな、と。
まぁ、前菜にしてはスゲエ映画ばっかりだけど、今作ほど究極のメインディッシュもないでしょう。
レクターによってサイコホラーの扉が開かれ、10年後その扉をレクターが閉めたとやはり思わずにはいられない。
この扉をこじ開ける者が出てくるのか、あるいは別ジャンルが台頭してくるのか、これからのホラー映画の動向に興味を持たせる、そんな感想を抱かせてくれました。と思ってたらまたまたレクター開けちゃったのね。。。
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レッド・ドラゴン(2002年・アメリカ・125分)2003/02/18・MOVIX仙台
監督:ブレット・ラトナー
出演:アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、ハーヴェイ・カイテル、エミリー・ワトソン
内容:トマス・ハリス原作のレクター博士3部作の第1章。FBI捜査官のグレアムは、人食い殺人鬼レクターを逮捕するものの、精神的ダメージを負い辞職。しかし、新たな殺人鬼“咬みつき魔”の出現により、彼は再び陰鬱な世界に呼び戻され、レクターとの再会を余儀なくされていくのだった・・・。
評価★★★★/75点
“腹すいてる時に食べるラーメンはすぐになくなるが、満腹の時に食べるラーメンは食えども食えども減っていかない。この映画は完全に後者だ。”
しかしフツー、後者の場合はただただ苦痛でしかないのだが、どういうわけか今回は食えば食うほど箸が進み苦痛にならない。
それだけ素材がウマかったということだが、苦痛になる一歩手前を一気に突き進む疾走感と緊張感が実に素晴らしかった。これがホントのゴハンがススムくん、ってか。
特に素材のウマさでいえば、やはりエミリー・ワトソンが断トツ。
例えばフランシスを家に招き入れ、ケーキをご馳走するシーンの一連の所作ひとつとっても文句の付けようが無い。あれぞ一級品。
なにげに素材を吟味しているなぁという印象を強く持てる映画です。
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