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2006年11月21日 (火)

夢のシネマパラダイス99番シアター:シン・レッド・ライン

P007 出演:ショーン・ペン、ジム・カヴィーゼル、ベン・チャップリン、エイドリアン・ブロディ

監督・脚本:テレンス・マリック

(1998年・アメリカ・171分)初見1999/04/01・仙台第1東宝

評価★★★★☆/88点

内容:第二次世界大戦における日米のガダルカナル海戦の熾烈な戦いを描いた戦争映画。20年間沈黙を続けた伝説の名監督テレンス・マリックが、1978年の「天国の日々」以来のメガホンをとったことでも話題となった。

“湾岸戦争以降、お茶の間に流れてくるTVゲームと化した戦争。それを見てもほとんど無感覚な自分。しかし、この映画は無感覚では見られなかった。”

戦争映画もついにここまで進化しちゃったかというかんじ。。

自然の中における戦争、自然の中の個、戦争の中の個、神の存在、はてはこの世界全体が1つの大きな宇宙の塊であるといったようなことにまでイッちゃって・・・。

個人的には子供の頃に手塚治虫の「火の鳥」や宮崎駿のマンガ版「風の谷のナウシカ」なんかを読んでいたこともあり、なんなく入っていけましたが。

その影響もあってか、自然を意識して描いていることには非常に好感が持てた。

これは歴史を研究、特に考古学をやってた自分にとっても1つのキーポイントといえるわけで。

日常の価値観、生き方、ものの感じ方、それらをひっくるめた人間史、歴史を自然史抜きで語ったり研究するのはお門違いだということ。まあこれは文献史学よりも考古学をやってた人特有の考え方かもしれません。

それゆえ、宮崎駿が語るところの植物というものを抜きにして人間を語るのは滑稽だという思いには自分も大いに賛同してしまうのです。

ただ、この映画ではちょっと別な意味で自然が描かれているのは確かで、もっと大きな包み込むような1つの世界というようなニュアンスも内包して自然が描かれているんですよね。

それにより戦争という狂乱の中で正気と狂気の狭間にいる人間たちがいかに卑小な存在であるかということを強調させている。

まぁどちらにせよ戦争映画というジャンルで自然というものを取り入れたことは評価したいです。

粗を探せば、ちょっと長いかなと。

題名そのものの意味するところが正気と狂気の境界線であるならば、その緊張が持続していたのは高地制圧までであって、それ以降はとってつけたような感が否めないという点。

さらにウイットが冒頭に言っていたセリフ「オレはもうひとつの世界を見たことがある。」というのは、ナウシカでいうところの“蒼き清浄の地”的なユートピアだといえると思うわけで。

そして彼は、人が入り込んだらおしまいになってしまう彼にとってのユートピアに向かって、実に目的意識的に、予定調和的に死を選ぶ。

これはもう正気と狂気の境界線云々というより、ユートピア戦争映画と名付けていいくらいにイッちゃってます。ある意味で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」とか「フランダースの犬」みたいなことを平気でやっちゃってるわけです。

しかもこのようなファンタジー要素をリアリティの極致ともいえる戦争映画に持ち込むというのは今だかつて無い、というより普通では考えられないことで。。

これをどう評価すればいいのか。

逃避ととるのか、あるいは魂の解放ととるのかで評価は分かれると思うのですが、自分は後者とみたので★4つとしました。

これから戦争映画はどこに向かっていくのだろうと思わず考えざるをえない、そんな映画です。

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